JP2004264051A - リポタンパク質の分析方法及び分析プログラム - Google Patents

リポタンパク質の分析方法及び分析プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】複数クラスのリポタンパク質に相当するピークが混合して現れるクロマトグラムについて、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量する。
【解決手段】試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定する第1工程と、上記第1工程の結果として得られたクロマトグラムをリポタンパク質のクラス毎に分割し、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量する第2工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体クロマトグラフィーを用いて試料中に含まれる超低比重リポタンパク質及び低比重リポタンパク質等のリポタンパク質を分析する分析方法及び分析プログラム並びに分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血中のリポタンパク質は、コレステロール、中性脂肪(トリグリセリド)、リン脂質などの脂質とアポリポタンパク質が会合した、脂質とタンパク質の複合体であり、アポリポタンパク質の種類や脂質の含有比率などによっていくつかのクラスがある。血中のリポタンパク質は単一のものではなくリポタンパク質のクラスよって機能が異なるため、血清リポタンパクを分析する上で血中の総リポタンパク質を測定するだけでなく、リポタンパク質をクラス毎に分離し、分離した各クラスに含まれるリポタンパク質を定量することが、虚血性心疾患、肝疾患、糖尿病などの疾病と脂質代謝異常との相関の解明に重要である。
【0003】
従来、リポタンパク質の分析方法としては、リポタンパク質の比重の差を利用して分離する超遠心法、リポタンパク質の表面電荷の違いを利用して分離する電気泳動法、コロイドの安定性やヘパリンとCaCl或いはデキストラン硫酸があるリポタンパク質と不溶性の沈殿物を形成することを利用した結合沈殿法、リポタンパク質分子の大きさの違いを利用して分離する液体クロマトグラフィー法などがある。
【0004】
一方、本発明者は、先の出願において、高速液体クロマトグラフィーによって分離されたリポタンパク質に酵素試薬を用いてコレステロールやトリグリセリドに特異的なリポタンパクプロファイルを得る手法を開発した(特許文献1参照)。この方法によれば、例えば、血清試料に含まれるリポタンパク質の分析、並びにコレステロール及びトリグリセリドの定量を、ある程度の確度で迅速に行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−320313号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、異なるカテゴリーに属する複数クラスのリポタンパク質が同一のピーク(以下、これを「混合ピーク」と称する)をなした場合、これら複数クラスのリポタンパク質に含まれるコレステロール及びトリグリセリドを、それぞれクラス毎に明確に解析することが困難であるといった問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上述したような実状に鑑み、複数クラスのリポタンパク質に相当するピークが混合して現れるクロマトグラムについて、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量することができる血清リポタンパク質の分析方法及び分析プログラムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成した本発明は以下を包含する。
(1)試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定する第1工程と、上記第1工程の結果として得られたクロマトグラムをリポタンパク質のクラス毎に分割し、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量する第2工程とを含むリポタンパク質の分析方法。
【0009】
(2) 上記第1工程の結果として、複数のクラスに対応する混合ピークを有するクロマトグラムが得られた場合には、上記複数のクラスのうち少なくも1クラスに含まれる上記成分について予め定量した結果を基に、上記混合ピークを各クラスに対応するように分割することを特徴とする(1)記載のリポタンパク質の分析方法。
【0010】
(3) 上記混合ピークに対応する複数のクラスは、超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスであり、上記第2工程では、超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスに対応する混合ピークを、低密度リポタンパク質クラスに含まれる成分について予め定量した結果を基に超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスに対応するように分割することを特徴とする(2)記載のリポタンパク質の分析方法。
【0011】
(4) 上記第1工程の結果として、クラスに対応するピークを有しないクロマトグラムが得られた場合には、標準試料を用いた溶出時間と平均粒子サイズとの関係を示す検量線に基づいて、当該クラスについて平均粒子サイズから溶出時間を確定し、確定した溶出時間によって区切られた領域を当該クラスに対応する領域とし、当該クラスのリポタンパク質に含まれる成分を定量することを特徴とする(1)記載のリポタンパク質の分析方法。
【0012】
(5) 上記複数のクラスは、カイロミクロンクラス、超低密度リポタンパク質クラス、低密度リポタンパク質クラス及び高密度リポタンパク質クラスからなる群から選ばれる少なくとも2以上のクラスであることを特徴とする(4)記載のリポタンパク質の分析方法。
【0013】
(6) 上記第1工程では、液体クロマトグラフィーの溶出液を複数の経路に分配し、各経路においてそれぞれ異なる成分分析を行い、各成分分析の結果に基づいて複数のクロマトグラムを得ることを特徴とする(1)乃至(5)いずれか1記載のリポタンパク質の分析方法。
【0014】
(7) 上記第1工程では、液体クロマトグラフィーの溶出液を、コレステロールを測定する第1の経路及びトリグリセリドを測定する第2の経路に分配し、当該第1の経路及び第2の経路においてそれぞれコレステロールに関するクロマトグラム及びトリグリセリドに関するクロマトグラムを得ることを特徴とする(1)乃至(5)いずれか1記載のリポタンパク質の分析方法。
【0015】
(8) 上記クロマトグラムから、カイロミクロンの溶出時間より前に位置するノイズ及び溶血に起因するピークを除去することを特徴とする(1)乃至(5)いずれか1記載のリポタンパク質の分析方法。
【0016】
(9) 上記リポタンパク質に含まれる成分としてトリグリセリドを測定する場合には、得られたクロマトグラムから遊離グリセロールに対応するピークを除去することを特徴とする(1)乃至(5)いずれか1記載のリポタンパク質の分析方法。
【0017】
(10) 試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定して得られたクロマトグラムに基づいて、複数のクラスに対応する複数のピークが混合した混合ピークを分割する第1ステップと、リポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第2ステップとを含むリポタンパク質の分析プログラム。
【0018】
(11) 上記第1ステップで2クラスに相当する混合ピークを分割する際には、当該混合ピークの高さ及び半値幅を用いて算出した混合ピークの幅方向の半分に相当する面積に、一方クラスのリポタンパク質に含まれる成分を個別に定量したクロマトグラムに基づいて算出した値を乗算して、当該混合ピークの幅方向の半分に相当する補正面積を算出し、当該混合ピークにおける頂点で幅方向に分割したピーク半面積と上記補正面積とを用いて、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量することを特徴とする(10)記載のリポタンパク質の分析プログラム。
【0019】
(12) 上記クロマトグラムに所定のクラスに相当するピークが検出されない場合、当該クロマトグラムを当該所定のクラスの溶出時間を基準として、当該所定のクラスのリポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第3ステップを更に含むことを特徴とする(10)記載のリポタンパク質の分析プログラム。
【0020】
(13) 上記リポタンパク質の溶出時間は、標準試料を用いて作成したリポタンパク質の平均粒径と溶出時間との関係を示す検量線に基づいて規定したものであることを特徴とする(12)記載のリポタンパク質の分析プログラム。
【0021】
(14) 上記リポタンパク質に含まれる成分がトリグリセリド及びコレステロールであることを特徴とする(10)記載のリポタンパク質の分析プログラム。
【0022】
(15) 試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定して得られたクロマトグラムに基づいて、複数のクラスに対応する複数のピークが混合した混合ピークを分割する第1ステップと、リポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第2ステップとを含む分析プログラムを備えるリポタンパク質の分析装置。
【0023】
(16) 粒子サイズに依存した分離能を有するカラムと、当該カラムからの溶出液中のリポタンパク質に含まれる成分を検出する検出部と、当該検出部からの出力信号を演算処理する処理部と、上記分析プログラムに従って当該処理部における演算処理を制御する制御部とを、更に備えることを特徴とする(16)記載のリポタンパク質の分析装置。
【0024】
(17) 上記カラムからの溶出液を複数の経路に分配する分配部を更に備え、
上記検出部は当該分配部により分配された各系路上にそれぞれ配設され、各経路でそれぞれ異なる成分を検出し、上記分析プログラムによりリポタンパク質に含まれる複数の成分をクラス毎に定量することを特徴とする(15)記載のリポタンパク質の分析装置。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るリポタンパク質の分析方法及び分析プログラムについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
本分析方法及びプログラムが適用されるリポタンパク質分析装置は、例えば、図1に示すように、血清試料に含まれるリポタンパク質成分を分離するためのカラム1と、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液を2分配するスプリッター2と、スプリッター2によって分配された第1流路3及び第2流路4と、第1流路3に配置されたコレステロール(以下「TC」と称する)反応部5と、第2流路4に配置されたトリグリセリド(以下「TG」と称する)反応部6と、第1流路3におけるTC反応部5の下流に配置されたTC検出部7と、第2流路4におけるTG反応部6の下流に配置されたTG検出部8と、本装置の動作制御及びTC検出部7並びにTG反応部8から信号が入力されるシステムコントローラー9と、システムコントローラー9に接続された演算装置10とを備えている。
【0027】
また、リポタンパク質分析装置は、血清試料をカラム1に供給するサンプラー11と、カラム1に溶離液を供給するための第1ポンプ12と、第1ポンプ12によってカラム1に供給する溶離液から気体を除去するデガッサー13とを備えている。
【0028】
リポタンパク質分析装置においてカラム1としては、特に限定されないが、ゲルろ過用充填剤を充填してなるカラムを用いることが特に好ましい。特に、カラム1としては、800〜1200オングストロームの平均細孔径の充填剤を有するものを例示できる。平均細孔径が800オングストローム未満の充填剤ではCMやVLDLなどの分子サイズの大きいリポタンパク質は細孔内に入り難くなり、一方、平均細孔径が1200オングストロームを超える充填剤ではLDLやHDLなどの分子サイズの小さいリポタンパク質の分離が悪化するため、前述の通り平均細孔径が800〜1200オングストロームのものが好ましい。中でも平均細孔径が900〜1100オングストロームの充填剤は、分離能に優れるため、最終的により精度の高いリポタンパク質の分析を行うことを可能とする。
【0029】
また、充填剤としては、液体クロマトグラフィーでの使用に充分耐える機械的強度を有するものを選択する必要がある。このような充填剤は、例えば、シリカゲル、ポリビニルアルコール、ポリヒドロキシメタクリレート及びその他の親水性樹脂を基材とするもの(例えばTSKgel Lipopropak、商品名、東ソー(株)製)を一例として例示することできる。
【0030】
溶離液としては、リン酸緩衝液、トリス緩衝液、ビスートリス緩衝液等を例示できるが、リポタンパク質を分離できるものであれば特に制限はない。緩衝液の濃度としては20〜200mM、特に好ましくは50〜100mMの範囲が良い。緩衝液の濃度が20mM未満では緩衝能が小さく、200mMを超えると後述の酵素試薬とTC又はTGの反応が阻害される恐れが生じるからである。緩衝液のpHは、5〜9、特に好ましくは7〜8である。緩衝液のpHが5未満、あるいはpHが9を超えると、前記同様、酵素試薬との反応が阻害される恐れが生じるからである。しかし、TC及び/又はTGの測定を、酵素を用いないで行う場合等はこの限りではない。
【0031】
TC反応部5は、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液に含まれるTCを定量するための試薬を備えるTC用試薬タンク14と第2ポンプ15を介して連結されている。ここで、TCを定量するための試薬としては、特に限定されないが、例えば、コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、パーオキシダーゼなどの酵素と、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’− サクシニルエチレンジアミン、4−アミノアンチピリン、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−m−アニシジンなどの色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。試薬としては、例えば、市販のデタミナーL TCII(協和メデックス株式会社)、LタイプCHO・H(和光純薬工業株式会社)試薬を好適に用いることができる。なお、これらの試薬は、TCと反応して、蛍光検出器や紫外可視検出器などの分光器で検出可能な蛍光や吸収を有する反応生成物を与える。
【0032】
TG反応部6は、カラム1から溶出されたリポタンパク質を含む溶離液に含まれるTGを定量するための試薬を備えるTC用試薬タンク16と第2ポンプ15を介して連結されている。ここで、TGを定量するための試薬としては、特に限定されないが、例えば、アスコルビン酸オキシダーゼ、グリセロールキナーゼ、グリセロール−3リン酸オキシダーゼ、リポプロテインリパーゼ及びパーオキシダーゼ等の酵素と、キノン系発色色素等の色素とを組み合わせた酵素−色素試薬を用いることができる。キノン系発色色素としては、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’−サクシニルエチレンジアミン又はN−エチル−N−(3−スルホプロピル)−m−アニシジンと4−アンチアミノピリンの酸化縮合体が挙げられる。試薬としては、例えば、市販のデタミナーL TGII(協和メデックス株式会社)、LタイプTG・H(和光純薬工業株式会社)試薬を好適に用いることができる。
【0033】
なお、これら、TC反応部5及びTG反応部6は、上述した試薬とTC又はTGとの反応温度を制御するための反応コイルをそれぞれ備えている。TC反応部5及びTG反応部6において、上述した試薬とTC又はTGとの反応温度は、35〜50℃、好ましくは45〜50℃とする。反応温度が35℃未満では反応が不十分になりやすく、また、50℃を超えると反応中に酵素が劣化する恐れが生じるからある。
【0034】
TC検出部7は、TC反応部5でTCと試薬とが反応して生成した反応生成物の吸光度を検出するための、例えば紫外可視光検出器を備えている。また、TG検出器8は、TG反応部6でTGと試薬とが反応して生成した反応生成物の吸光度を検出するための、例えば紫外可視光検出器を備えている。例えば、上述した試薬としてキノン系発色色素を用いた場合、紫外可視検出器の測定波長は、540〜560nmとすれば良い。
【0035】
システムコントローラー9は、TC検出部7及びTG検出部8からの出力信号が入力され、この信号に基づいてTCに関するクロマトグラム及びTGに関するクロマトグラムを結果として出力する機能を備えている。システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムとしては、例えば、図2Aに示すように、横軸を溶出時間(min)とし、縦軸を検出値(mV)として、TCに関するクロマトグラムとTGに関するクロマトグラムとを重ねて表示することができる。
【0036】
演算装置10としては、例えば、後述する分析プログラムをインストールしたコンピュータを使用することができる。演算装置10は、システムコントローラー9と接続されており、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを分析プログラムによってデータ処理し、血清試料に含まれるリポタンパク質のクラス毎にTC量及びTG量を算出する機能を有する。なお、この演算装置10は、インターネット、LAN或いはイントラネット等の情報通信回線網を介してシステムコントローラー9と接続されていても良い。
【0037】
上述したリポタンパク質分析装置によれば、先ず、カラム1によって粒子サイズに依存して各種リポタンパク質を分離し、その後、カラム1から溶出された溶出液に含まれるTC及びTGを定量している。したがって、リポタンパク質分析装置によれば、カラム1の分離能に依存して、リポタンパク質のクラス毎にTC及びTGを定量することができる。なお、リポタンパク質は、その粒子の大きさ、水和密度、及び電気泳動度などの性質の違いにより幾つかのクラスに分類されており、基本的には、粒子に含まれるタンパク質と脂質との比率によって規定される水和密度に従い、軽いものから、CM(カイロミクロン)、VLDL(超低密度リポタンパク質:d <1.006 kg/L)、LDL(低密度リポタンパク質:1.006 kg/L<d <1.063 kg/L)、HDL(高密度リポタンパク質:1.063 kg/L<d <1.210 kg/L)に分類されている。
【0038】
しかしながら、リポタンパク質分析装置は、カラム1の分離能によっては複数のクラスに対応するピークが混合した混合ピークとしてクロマトグラムを出力する場合がある。例えば、東ソー社製の商品名「TSKgel LipopropakXL」を用いた場合には図2Aに示すようなクロマトグラムを出力する。図2Aに示したクロマトグラムは、VLDLに対応するピークとLDLに対応するピークとが重なって表示されている。この場合、VLDLに含まれるTC及びTGと、LDLに含まれるTC及びTGとを、図2Aから直接的に定量することは不可能である。
【0039】
そこで、リポタンパク質分析装置においては、システムコントローラー9から出力されるクロマトグラムを分析プログラムによってデータ処理することで、VLDLに含まれるTC及びTGと、LDLに含まれるTC及びTGとを定量する。
【0040】
以下、分析プログラムについて説明する。なお、以下においては、図2Aに示したクロマトグラムのように、VLDLに対応するピークとLDLに対応するピークとの混合ピークが存在する場合について説明する。
【0041】
先ず、分析プログラムでは、システムコントローラー9からの出力に基づいて、下記式により基準面積(Gauss)を算出する。先ず、TCに関するクロマトグラムにおける混合ピークの溶出時間[min]をtcTとし、TGに関するクロマトグラムにおける混合ピークの溶出時間[min]をtgTとし、標準試料を用いた時のクロマトグラムにおいて測定されたLDLに対応するピーク(必ず存在する)の溶出時間[min]をStdTとし、これらtcT、tgT及びStdTの中で、最も右に検出されたもの(溶出時間が遅いもの)をT[min]とする。そして、TCに関するクロマトグラム及びTGに関するクロマトグラムそれぞれにおいて、T[min]のときに検出されている高さをH[mV]とする。
【0042】
また、TCに関するクロマトグラムおける混合ピークの半値幅[sec]をtcWとし、TGに関するクロマトグラムおける混合ピークの半値幅[sec]をtgWとし、標準試料を用いた時のクロマトグラムにおいて測定されたLDLに対応するピークの半値幅[sec]をStdWとし、これらtcW、tgW及びStdWの中で、値の最も小さいもの(最も細い半値幅)をW[sec]とする。
【0043】
これらにより求めたH及びWを用いて、以下の式により基準面積Gauss[mV*sec]を求める。
Gauss[mV*sec] = H × W / 2 × √(2π) × Cons.
【0044】
上記式においてCons.は、相関結果をより良いものにするために乗ずる定数である。また、Cons.は、具体的に以下のようにして、TC定量及びTG定量に関してそれぞれ求めることができる。但し、Cons.の求め方は以下の方法に限定されるものではない。なお、以下においては、TC定量に用いるCons.を求める手法を説明するが、TG定量に用いるCons.についても同様の手法である。
【0045】
先ず、VLDLに対応するピークとLDLに対応するピークとがそれぞれ単独のピークとして得られるカラム(例えば、ファルマシア社製のSuperoseカラム系)を用いた液体クロマトグラフィーによって、健常者の検体(n=66)について、TC及びTGに関するクロマトグラムを得る。得られた各クロマトグラムに基づいて、VLDLに含まれるTC濃度(VLDL−C−Sup)、VLDLに含まれるTG濃度(VLDL−TG−Sup)、LDLに含まれるTC濃度(LDL−C−Sup)及びLDLに含まれるTG濃度(LDL−TG−Sup)を算出する。
【0046】
なお、健常者の検体においては、食後の検体でない限り、試料中にCMを殆ど含まないことが知られている。また、ファルマシア社製のSuperoseカラム系を用いた場合、CM及びVLDLがボイドピークとして検出され、LDLに関するピークは単独のピークとなる。ファルマシア社製のSuperoseカラム系として商品名「Superose 6HR」を用いたときのクロマトグラムを図2Bに示す。
【0047】
次に、VLDLに対応するピークとLDLに対応するピークとが混合ピークとして検出されるカラムを用いた液体クロマトグラフィーによって、同健常者の検体(n=66)について、TC及びTGに関するクロマトグラムを得る。得られた各クロマトグラムに基づいて、混合ピークについて面積分割を行い、VLDLに含まれるTC濃度(VLDL−C−TSK)、VLDLに含まれるTG濃度(VLDL−TG−TSK)、LDLに含まれるTC濃度(LDL−C−TSK)及びLDLに含まれるTG濃度(LDL−TG−TSK)を算出する。
【0048】
次に、算出したVLDL−C−Sup、VLDL−TG−Sup、LDL−C−Sup、LDL−TG−Sup、VLDL−C−TSK、VLDL−TG−TSK、LDL−C−TSK及びLDL−TG−TSKから求められる値が最適となる値を求める。最適となる値を求める場合には、例えば、VLDL−C−Sup及びVLDL−C−TSKの相関といった互いに対応する濃度間の相関だけでなく、VLDL−C−Sup/LDL−C−Supの値とVLDL−C−TSK/LDL−C−TSKの値の相関といった分画間の比の相関、LDL−C−Sup/LDL−TG−Supの値とLDL−C−TSK/LDL−TG−TSKの値の相関といった分画内における脂質比の相関をも考慮して決定する。
【0049】
なお、最適となる値を求める際には、VLDLに対応するピークとLDLに対応するピークとがそれぞれ単独のピークとして得られるカラムを用いた場合の結果と混合ピークとして得られるカラムを用いた場合の結果との間で最小二乗法を適用した近似直線を作成した。そして、当該近似直線の相関係数rが最適となる値を、上記式における、TC定量に用いるCons.とする。
【0050】
次に、分析プログラムでは、基準面積Gaussを用い、下記の計算により、混合ピークの面積をLDL及びVLDLの面積に分割する。
LDL面積= LDLr + Gauss
VLDL面積= LDLl − Gauss
【0051】
ここで、LDLrとは、混合ピークの面積のうち、T[min]よりも右に位置する面積であり、LDLlとは、混合ピークの面積のうち、T[min]よりも左に位置する面積である。本分析プログラムでは、このようにして、VLDL、及びLDLの面積計算を行い、VLDLに含まれるTC量及びTG量、並びにLDLに含まれるTC量及びTG量を算出する。
【0052】
上述した分析プログラムを用いて、具体的に図3に示した3種類のクロマトグラムについて、各リポタンパク質に含まれるTC及びTGを定量した。また、図3において、単独のピークとして得られたリポタンパク質については、いわゆる谷分割法によりピークを特定した。
【0053】
図3において、(a)はサンプル#01(野生型マウスから採取した試料)であり、(b)は(a)におけるTGを示すクロマトグラムを拡大したものであり、(c)はサンプル#02(トランスジェニックマウスから採取した試料)であり、(d)は(c)におけるTGを示すクロマトグラムを拡大したものであり、(e)はサンプル#03(トランスジェニックマウスから採取した血清試料)であり、(f)は(e)におけるTGを示すクロマトグラムを拡大したものである。なお、図3は、東ソー社製の商品名「TSKgel LipopropakXL」を用いた場合のクロマトグラムである。
【0054】
結果を表1に示す
【表1】
Figure 2004264051
【0055】
表1に示すように、本分析プログラムによって、各リポタンパク質に含まれるTC及びTGを定量できることが判る。
【0056】
一方、VLDLとLDLとが混合ピークとして現れるカラム(「TSKgel LipopropakXL」)で健常者66名から採取した血清試料を分析した結果と、VLDLとLDLとがそれぞれ単独のピークとして現れるカラム(「Superose 6HR」)で分析した結果との相関性を検討した。TSKgel LipopropakXLカラムを用いた分析においては、VLDL及びLDLに含まれるTC及びTGを本分析プログラムによって定量し、HDLに含まれるTC及びTGを谷分割法により定量した。また、Superose 6HRを用いた分析においては、VLDL、LDL及びHDLに含まれるTC及びTGを谷分割法により定量した。結果を図4に示す。図4に示す各グラフにおいて、縦軸はTSKgel LipopropakXLカラムを用いた分析結果を示し、横軸はSuperose 6HRカラムを用いた分析結果を示す。また、図4において、a)はTC全量を示し、b)はVLDLに含まれるTC量を示し、c)はLDLに含まれるTC量を示し、d)はHDLに含まれるTC量を示し、e)はTG全量を示し、f)はVLDLに含まれるTG量を示し、g)はLDLに含まれるTG量を示し、h)はHDLに含まれるTG量を示している。
【0057】
図4に示すように、TSKgel LipopropakXLカラムを用いた分析結果と、Superose 6HRカラムを用いた分析結果とは、TC量及びTG量ともに、全てのリポタンパク質について優れた相関性を示している。この結果から、本分析プログラムは、混合ピークを構成する各リポタンパク質に含まれるTC及びTGを正確に定量できることが明らかとなった。
【0058】
一方、本分析プログラムでは、得られたクロマトグラムにおいて所定のリポタンパク質に対応するピークが検出されない場合であっても、以下のようにして、CM、VLDL、LDL及びHDLに含まれるTC及びTGを定量することができる。言い換えると、本分析プログラムは、得られたクロマトグラムに、CMに対応するピーク、VLDL及びLDLに対応するピーク、HDLに対応するピークのいずれかが検出されないと判断したときに、以下の手順で、ピークが検出されなかったリポタンパク質に含まれるTC量及びTG量を算出する。
【0059】
この場合、予めCM、VLDL、LDL及びHDLについて溶出時間を決定しておく。そして、分析プログラムでは、ピークが検出されないと判断したリポタンパク質について、得られたクロマトグラムを溶出時間で区切り、区切られた面積を当該リポタンパク質に含まれるTC量及びTG量として算出する。
【0060】
具体的に、リポタンパク質毎の溶出時間は、標準試料(協和メデックス社の提供)を用いた検量線を作成することによって決定することができる。一般的に、HPLC法における溶出時間X[min]と、その平均粒子サイズY[nm]との間には、以下の関係があることが既に分かっている。
ln Y = a X + b
【0061】
そして、標準試料のLDLc及び、HDLcの平均粒子サイズを以下のようにして求め、これらLDLc及びHDLcの2点の溶出時間を確定し検量線を作成する。このとき、リポタンパク質の種類とその平均粒子サイズとの関係は、>80[nm]をCMとし、30〜80[nm]をVLDLとし、16〜30[nm]をLDLとし、<16[nm]をHDLとする。また、検量線において、80[nm]、30[nm]、16[nm]にあたる溶出時間をそれぞれ、Time80、Time30、Time16とする。
【0062】
ここで、標準試料としては、VLDL含量が非常に低いと予測されるヒト健常者(TC<220,TG<50)プールのコレステロール検出のLDL時間と幅に近いものが望ましい。例えば、協和メデックスのデタミナーHDL−C測定用標準血清(Lot No.152、153、155、157、159)などは適している。
【0063】
標準血清のLDLとHDLサイズを求めるには、サイズ一次標準試料(ラテックスビーズ、Magsphere社)で較正されたカラムを用いて、LDLとHDLのサイズを求めたプール血清(Okazaki Reference In−house Pooled Serum Lot#90920, CDCのTC分析認定書に記載(1998年3月5日付け))を一次標準血清として、LDLとHDLのサイズを求めることができる。
【0064】
本分析プログラムにおいては、例えば、CMについてピークが検出されないと判断した場合にはクロマトグラムにおけるTime80より左側の面積をCMに含まれるTC量及びTG量とする。同様に、VLDLについてピークが検出されないと判断した場合にはクロマトグラムにおけるTime80とTime30で挟まれる領域の面積をVLDLに含まれるTC量及びTG量とする。また、LDLについてピークが検出されないと判断した場合にはクロマトグラムにおけるTime30とTime16で挟まれる領域の面積をLDLに含まれるTC量及びTG量とする。さらに、HDLについてピークが検出されないと判断した場合にはクロマトグラムにおけるTime16より右側の面積をHDLに含まれるTC量及びTG量とする。
【0065】
このように、本分析プログラムにおいては、得られたクロマトグラムにおいて所定のリポタンパク質に対応するピークが検出されない場合であっても、当該リポタンパク質に含まれるTC及びTGを定量することができる。
【0066】
なお、本分析プログラムにおいては、例えば、CMに対応するピークよりも左側にノイズ成分が検出されていたり、HDLに対応するピークの右側に溶血等のリポタンパク質とは関係のないピークが検出されている場合には、これらのピークの面積は排除するような設定とすることができる。また、本分析プログラムにおいては、TGに関するクロマトグラムに出現する、遊離グリセロールに対応するピークを特定し、遊離グリセロールのピーク面積をリポタンパク質に起因するTGの面積から完全に排除することが容易であるため、遊離グリセロール単独のピーク面積を用いることにより、遊離グリセロール濃度及びTG濃度をより正確に測定することも可能である。
【0067】
これに対して、従来技術である酵素法では、血清試料に含まれるTG全量を定量するに際して遊離グリセロールを除去しなければならず、精度の高いTG定量を容易に行うことはできなかった。これに対して、本分析プログラムによれば、得られたクロマトグラムにおける遊離グリセロールに相当するピークを除去する設定とすることによって、血清試料に含まれるTG全量を容易に定量することができる。
【0068】
従来技術である酵素法を用いて、遊離グリセロールを除去する操作を行わずにTGを定量した場合、結果としては遊離グリセロールの影響を受けた値としてTG量を測定することとなる。本分析プログラムによれば、上述したように遊離グリセロールに相当するピークを特定することができるため、酵素法で遊離グリセロールを除去せずに測定した測定値から遊離グリセロール量を差し引くことで、酵素法の測定結果を正確な値に修正することができる。
【0069】
図5は、遊離グリセロールを除去する操作を行わずに酵素法によりTGを定量した結果と、その結果から本分析プログラムによって特定した遊離グリセロール量を差し引いた修正値とを示している。なお、図5は、遊離グリセロールを血清中に多量に含むマウスのサンプル(n=24)を用いたときの結果である。図5からも判るように、遊離グリセロールを除去する操作を行わずに酵素法によりTGを定量した結果と、修正値とは優れた相関性を示している。このことから、本分析プログラムは、従来技術である酵素法によるTG定量にも応用できることが判る。
【0070】
一方、本分析プログラムによれば、リポタンパク質に含まれるリン脂質濃度を測定することもできるが、この際にサンプル中に含まれる遊離コリン濃度についても測定することができる。すなわち、リン脂質に関するクロマトグラムに出現する、遊離コリンに対応するピークを特定し、遊離コリンのピーク面積をリポタンパク質に由来するリン脂質の面積から完全に排除することが容易であるため、遊離コリン単独のピーク面積を用いることにより、遊離コリン濃度及びリン脂質濃度をより正確に測定することも可能である。
【0071】
これに対して、酵素を用いた従前の方法においては、特に遊離コリンを除去すること無く、サンプルに含まれるリポタンパク質に由来するリン脂質濃度を測定していた。この従前の方法では、例えば、脳脊髄液や動物種から採取したサンプルを測定対象とする場合、特にサンプル中に大量の遊離コリンが含まれるため、遊離コリンの影響を受けた値としてリン脂質濃度を測定していた。
【0072】
しかしながら、本分析プログラムによれば、上述したように、サンプルに含まれるリポタンパク質に由来するリン脂質と遊離コリンとをより正確に別々に測定することができる。したがって、本分析プログラムは、遊離コリンを大量に含むサンプルを測定対象として、当該サンプルに含まれるリン脂質及び/又は遊離コリンを正確に測定することも可能である。
【0073】
なお、上述した説明においては、血清試料中のリポタンパク質に含まれるTC及びTGを分析するものとしたが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係るリポタンパク質の分析方法によれば、例えば、血清試料中のリポタンパク質に含まれる遊離コレステロールやリン脂質を分析することもできる。
【0074】
さらに、図1に示したリポタンパク質分析装置において、スプリッター2を、溶出液を4つの経路に分配するような構成とする或いは、第1流路3及び第2流路4上にそれぞれスプリッター2を配設することで溶出液を合計4つの経路に分配するような構成とすることで、TC、TG、遊離コレステロール及びリン脂質を同時に分析することができる。
【0075】
さらにまた、本発明に係るリポタンパク質の分析方法、血清試料に含まれるリポタンパク質の分析に限定されるものではなく、リポタンパク質を含む試料であれば如何なる試料にも適用することができる。例えば、本発明に係るリポタンパク質の分析方法は、血清試料と比較して1/1000程度のコレステロールを含む低濃度サンプルやその他の特殊試料についても適用することができる。具体的に、試料としては、例えば、トランスジェニックマウス等の実験用小動物から採取した試料、イムノアフィニティークロマトグラフィーで分離したリポタンパク質画分を含む試料、脳脊髄液、HepG2細胞やWHHLウサギ幹細胞等の培地上清等を挙げることができる。
【0076】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係る血清リポタンパク質の分析方法及び分析プログラムによれば、血清試料に含まれる複数のリポタンパク質が混合ピークとして現れたクロマトグラムから、個々のリポタンパク質に含まれる成分を高精度に定量できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】血清リポタンパク質に含まれるTC及びTGを定量するリポタンパク質分析装置のシステム構成図である。
【図2】(A)は東ソー社製の商品名「TSKgel LipopropakXL」を用いたときのクロマトグラムであり、(B)はファルマシア社製の商品名「Superose 6HR」を用いたときのクロマトグラムである。
【図3】(a)、(c)及び(e)はそれぞれサンプル#01、#02及び#03のクロマトグラムであり、(b)、(d)及び(f)はそれぞれ(a)、(c)及び(e)におけるTGを示すクロマトグラムを拡大したクロマトグラムである。
【図4】TSKgel LipopropakXLカラムを用いた分析結果と、Superose 6HRカラムを用いた分析結果との相関性を示す特性図である。
【図5】遊離グリセロールを除去する操作を行わずに酵素法によりTGを定量した結果と、その結果から本分析プログラムによって特定した遊離グリセロール量を差し引いた修正値とを示す特性図である。
【符号の説明】
1…カラム、2…スプリッター、3…第1流路、4…第2流路、9…システムコントローラー、10…演算装置

Claims (17)

  1. 試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定する第1工程と、
    上記第1工程の結果として得られたクロマトグラムをリポタンパク質のクラス毎に分割し、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量する第2工程と、
    を含むリポタンパク質の分析方法。
  2. 上記第1工程の結果として、複数のクラスに対応する混合ピークを有するクロマトグラムが得られた場合には、
    上記複数のクラスのうち少なくも1クラスに含まれる上記成分について予め定量した結果を基に、上記混合ピークを各クラスに対応するように分割することを特徴とする請求項1記載のリポタンパク質の分析方法。
  3. 上記混合ピークに対応する複数のクラスは、超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスであり、上記第2工程では、超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスに対応する混合ピークを、低密度リポタンパク質クラスに含まれる成分について予め定量した結果を基に超低密度リポタンパク質クラス及び低密度リポタンパク質クラスに対応するように分割することを特徴とする請求項2記載のリポタンパク質の分析方法。
  4. 上記第1工程の結果として、クラスに対応するピークを有しないクロマトグラムが得られた場合には、
    標準試料を用いた溶出時間と平均粒子サイズとの関係を示す検量線に基づいて、当該クラスについて平均粒子サイズから溶出時間を確定し、確定した溶出時間によって区切られた領域を当該クラスに対応する領域とし、当該クラスのリポタンパク質に含まれる成分を定量することを特徴とする請求項1記載のリポタンパク質の分析方法。
  5. 上記複数のクラスは、カイロミクロンクラス、超低密度リポタンパク質クラス、低密度リポタンパク質クラス及び高密度リポタンパク質クラスからなる群から選ばれる少なくとも2以上のクラスであることを特徴とする請求項4記載のリポタンパク質の分析方法。
  6. 上記第1工程では、液体クロマトグラフィーの溶出液を複数の経路に分配し、各経路においてそれぞれ異なる成分分析を行い、各成分分析の結果に基づいて複数のクロマトグラムを得ることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のリポタンパク質の分析方法。
  7. 上記第1工程では、液体クロマトグラフィーの溶出液を、コレステロールを測定する第1の経路及びトリグリセリドを測定する第2の経路に分配し、当該第1の経路及び第2の経路においてそれぞれコレステロールに関するクロマトグラム及びトリグリセリドに関するクロマトグラムを得ることを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のリポタンパク質の分析方法。
  8. 上記クロマトグラムから、カイロミクロンの溶出時間より前に位置するノイズ及び溶血に起因するピークを除去することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のリポタンパク質の分析方法。
  9. 上記リポタンパク質に含まれる成分としてトリグリセリドを測定する場合には、得られたクロマトグラムから遊離グリセロールに対応するピークを除去することを特徴とする請求項1乃至5いずれか1項記載のリポタンパク質の分析方法。
  10. 試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定して得られたクロマトグラムに基づいて、複数のクラスに対応する複数のピークが混合した混合ピークを分割する第1ステップと、
    リポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第2ステップと
    を含むリポタンパク質の分析プログラム。
  11. 上記第1ステップで2クラスに相当する混合ピークを分割する際には、
    当該混合ピークの高さ及び半値幅を用いて算出した混合ピークの幅方向の半分に相当する面積に、一方クラスのリポタンパク質に含まれる成分を個別に定量したクロマトグラムに基づいて算出した値を乗算して、当該混合ピークの幅方向の半分に相当する補正面積を算出し、当該混合ピークにおける頂点で幅方向に分割したピーク半面積と上記補正面積とを用いて、リポタンパク質に含まれる成分をクラス毎に定量することを特徴とする請求項10記載のリポタンパク質の分析プログラム。
  12. 上記クロマトグラムに所定のクラスに相当するピークが検出されない場合、当該クロマトグラムを当該所定のクラスの溶出時間を基準として、当該所定のクラスのリポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第3ステップを更に含むことを特徴とする請求項10記載のリポタンパク質の分析プログラム。
  13. 上記リポタンパク質の溶出時間は、標準試料を用いて作成したリポタンパク質の平均粒径と溶出時間との関係を示す検量線に基づいて規定したものであることを特徴とする請求項12記載のリポタンパク質の分析プログラム。
  14. 上記リポタンパク質に含まれる成分がトリグリセリド及びコレステロールであることを特徴とする請求項10記載のリポタンパク質の分析プログラム。
  15. 試料に含まれる複数クラスのリポタンパク質を液体クロマトグラフィーで分離し、分離したリポタンパク質に含まれる成分を測定して得られたクロマトグラムに基づいて、複数のクラスに対応する複数のピークが混合した混合ピークを分割する第1ステップと、リポタンパク質に含まれる成分を、リポタンパク質のクラス毎に定量する第2ステップとを含む分析プログラムを備えるリポタンパク質の分析装置。
  16. 粒子サイズに依存した分離能を有するカラムと、当該カラムからの溶出液中のリポタンパク質に含まれる成分を検出する検出部と、当該検出部からの出力信号を演算処理する処理部と、上記分析プログラムに従って当該処理部における演算処理を制御する制御部とを、更に備えることを特徴とする請求項15記載のリポタンパク質の分析装置。
  17. 上記カラムからの溶出液を複数の経路に分配する分配部を更に備え、
    上記検出部は当該分配部により分配された各系路上にそれぞれ配設され、各経路でそれぞれ異なる成分を検出し、
    上記分析プログラムによりリポタンパク質に含まれる複数の成分をクラス毎に定量することを特徴とする請求項15記載のリポタンパク質の分析装置。
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