JP2004263682A - ピストン付きロータリーエンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】従来のロータリーエンジンと同様のロータ1の三辺にシリンダ2を穿設し、そこにスプリング4を内部に設けたピストン3を配置する。さらに、エキセントリックシャフト8のロータジャーナル7部に非対称パターンのカム6を設ける。該カム6の回転で該ピストン3を稼動させ、吸入・圧縮・排気の各作動行程を従来より効率的に行えるようにする。爆発行程では逆に燃焼ガスの圧力に押された該ピストン3が該カム6に回転力を与えるので、結果として該カム6と一体のエキセントリックシャフト8から動力を得ることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両・船舶などのエンジンに係わり、ロータリーエンジンの吸入・圧縮・爆発・排気と行われる各作動行程が効率的に作動するようにコントロールし、更なる高出力の発生と低燃費の両立を計ったロータリーエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
ロータリーエンジンは、エキセントリックシャフトが三回転してロータが一回転する仕組みから成り、ロータの回転で行われる吸入・圧縮・爆発・排気の、すべての行程の作動速度がレシプロエンジンに比べて遅い構造である。元来ロータリーエンジンは軽量・コンパクト・シンプル・高出力・低振動など多くの長所を備えているにもかかわらず、前記の構造が燃焼効率向上の弊害となり、ロータリーエンジン由来の高燃費を敬遠される結果を招いている。実用化されて以来今日までの間、ロータリーエンジンの普及を妨げる大きな原因となっていた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような従来のロータリーエンジンの問題点に鑑みてなされたもので、元来ロータリーエンジンの構造上解決することのできなかった各行程それぞれの作動速度に遅速の変化を与えることによって燃焼効率の改善を計り、高効率・低燃費のロータリーエンジンを提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のロータリーエンジンは、エキセントリックシャフト8と一体のロータジャーナル7部に設けたカム6の非対称パターンに沿って稼動するピストン3により、以下の四行程を効果的に行う。まず、吸入行程では図5の▲2▼に示すようにピストン3は、カム6のパターンに沿ってゆっくり下がり吸気を促す。次に、圧縮行程では図5の▲6▼に示すようにピストン3は下がったまま圧縮されるので、圧縮抵抗が少ない状態で行われる。圧縮行程終了直前に該ピストン3は、カム6のパターンに沿って急速に上がり、図6の▲7▼に示すように燃焼室は高温・高圧縮状態となり少ない燃料での爆発が可能となる。さらに、爆発行程では図7の▲9▼に示すようにピストン3は燃焼ガスの圧力を失わないようにカム6のパターンに沿ってゆっくり下がりながら該カム6に回転力を与えるので、結果として該カムと一体のエキセントリックシャフト8に動力を伝える。最後に、排気行程では図6の▲12▼に示すようにピストン3は下がったまま排気行程を行い、排気が終わる直前に該ピストン3は、カム6のパターンに沿って急速に上がり、図4の▲14▼に示すように排気を効率よく排出して終了することからなる。
【0005】
このように構成された本発明のロータリーエンジンは、非対称パターンのカム6に沿って稼動するピストン3によって、吸入・圧縮・排気の各行程を効果的に補助する。爆発行程では逆に、該ピストン3は燃焼ガスの圧力に押されて該カム6に回転力を与え、結果として該カム6を設けたロータジャーナル7と一体のエキセントリックシャフト8に動力を伝えるので、本来ロータ1の回転によって得られる動力と共に大きな出力を得ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のロータリーエンジンの実施の形態を添付した図面を参照して説明する。
【0007】
図1に示すように、本発明のロータリーエンジンは、従来のロータリーエンジンと同様のロータ1にシリンダ2を穿設し、該シリンダ内にピストン3を配置する。該ピストンを稼動させる非対称パターンのカム6をエキセントリックシャフト8と一体のロータジャーナル7部に設ける。
【0008】
前記ピストン3が、前記カム6のパターンに沿って稼動するように、制御用スプリング4をピストン3の内部に配置する。
【0009】
【実施例】
以下、図4・図5・図6・図7に示すように、エキセントリックシャフト8と一体のロータジャーナル7部に設けたカム6とロータ1は三対一の回転差をもって矢印の方向に回転する。吸入行程は▲1▼▲2▼▲3▼▲4▼で行われ、▲1▼でピストン3はカム6で押し上げられた状態にあり、▲1▼過ぎから▲4▼にかけてピストン3はゆっくり下がり、吸気孔11からの吸気を促す状態となる。圧縮行程は▲5▼▲6▼▲7▼で行われ、▲5▼▲6▼でピストン3は下がったまま圧縮行程が行われるので圧縮抵抗を軽減できる。▲7▼の少し手前で該ピストン3はカム6で急速に押し上げられるので▲7▼で燃焼室は高温・高圧縮状態となり、そこに燃料噴射ノズル15から燃料が噴射される。爆発行程は▲8▼▲9▼▲10▼で行われ、▲8▼で燃焼室の燃料に点火プラグ16で点火して爆発させる。▲8▼過ぎから▲10▼にかけてピストン3は燃焼ガスの圧力に押されてカム6に回転力を与えるので、該カム6を設けたロータジャーナル7と一体のエキセントリックシャフト8から出力を得ることができる。排気行程は▲11▼▲12▼▲13▼▲14▼で行われ、▲11▼▲12▼▲13▼でピストン3は下がったまま排気行程が行われ▲14▼の少し手前で該ピストン3はカム6で急速に押し上げられ、▲14▼で排気を排気孔12から急速に排出する。
【0010】
【発明の効果】
本発明のロータリーエンジンは、従来のロータリーエンジンには無かった上記のような構造を備えているので、吸入・圧縮・排気の各行程を効率的に行うことができる。また、爆発行程では、本発明のピストンから得る動力と、ロータリーエンジンが本来ロータの回転で得る動力の相乗効果で大きな出力を得ることができる。このように構成された本発明のロータリーエンジンは、ロータリーエンジンが元来備えている軽量・コンパクト・シンプル・高出力・低振動の利点と、本発明による燃料消費量の改善で、全世界が抱える環境問題に対応するための超低公害エンジンや、ハイブリッドシステムに欠かせないコンパクトな抵公害エンジンなど。また、有害ガスを排出しない水素燃料エンジンへの応用が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロタリーエンジンの一実施例の燃料噴射ノズルと点火プラグを取り付けた状態を示す全体構成の一部縦断図面。
【図2】図1に示したロータリーエンジンのA部部分を拡大した縦断図面。
【図3】図1のIII−III矢視より見たロータリーエンジンの横断図面。
【図4】本発明のロータリーエンジンの回転方向と作動行程▲1▼▲5▼▲10▼▲14▼を示す縦断面図。
【図5】本発明のロータリーエンジンの回転方向と作動行程▲2▼▲6▼▲11▼を示す縦断面図。
【図6】本発明のロータリーエンジンの回転方向と作動行程▲3▼▲7▼▲8▼▲12▼を示す縦断面図。
【図7】本発明のロータリーエンジンの回転方向と作動行程▲4▼▲9▼▲13▼を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 ロータ
2 シリンダ
3 ピストン
4 スプリング
5 ピストンリング
6 カム
7 ロータジャーナル
8 エキセントリックシャフト
9 ロータハウジング
10 燃焼室
11 吸気孔
12 排気孔
13 アペックスシール
14 インターナルギア
15 燃料噴射ノズル
16 点火プラグ
Claims (2)
- 従来のロータリーエンジンと同様のロータの三辺に、レシプロエンジンと同じようにシリンダを穿設し、該シリンダ内を往復運動するピストンと、該ピストンを制御するスプリングをピストン内部に配置したことを特徴とするピストン付きロータリーエンジン。
- 前記ピストンを効果的に稼動させる方法として、エキセントリックシャフトと一体のロータジャーナル部に、非対称パターンのカムを設けたことを特徴とする請求項1のロータリーエンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102209A JP2004263682A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ピストン付きロータリーエンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003102209A JP2004263682A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ピストン付きロータリーエンジン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004263682A true JP2004263682A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33127667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003102209A Pending JP2004263682A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | ピストン付きロータリーエンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004263682A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010013750A1 (ja) | 2008-08-01 | 2010-02-04 | 株式会社ダ・ビンチ | バンケル型ロータリーエンジン |
CN112594057A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-04-02 | 江苏方霖动力科技有限公司 | 一种三角转子发动机运动机构 |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003102209A patent/JP2004263682A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010013750A1 (ja) | 2008-08-01 | 2010-02-04 | 株式会社ダ・ビンチ | バンケル型ロータリーエンジン |
CN112594057A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-04-02 | 江苏方霖动力科技有限公司 | 一种三角转子发动机运动机构 |
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