JP2004263623A - ガスタービン - Google Patents
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Abstract
【課題】高温作動流体に対し、高い強度を常に維持させて、安定な運転を行わせるガスタービンを提供する。
【解決手段】本発明に係るガスタービンは、ケーシング1を分割し、分割した一方のケーシング1に空気圧縮機軸3と前置ガスタービン軸2aとを同一軸として収容し、分割した残りのケーシング1に後置ガスタービン軸2bを別軸として収容するとともに、分割したケーシング1の間に中間ケーシング21を設置したガスタービンにおいて、中間ケーシング21は、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとを備えるとともに、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとのそれぞれに冷却媒体を流す通路23,28を備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明に係るガスタービンは、ケーシング1を分割し、分割した一方のケーシング1に空気圧縮機軸3と前置ガスタービン軸2aとを同一軸として収容し、分割した残りのケーシング1に後置ガスタービン軸2bを別軸として収容するとともに、分割したケーシング1の間に中間ケーシング21を設置したガスタービンにおいて、中間ケーシング21は、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとを備えるとともに、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとのそれぞれに冷却媒体を流す通路23,28を備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンに係り、特にガスタービン段落部を前置ガスタービン段落部と後置ガスタービン段落部とに2分割し、2分割した前置ガスタービン段落部と後置ガスタービン段落部とを中間ケーシングを介装させて接続するガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、発電プラント等に適用されるガスタービンには、ガスタービン静翼とガスタービン動翼とを組み合せ、ペアにしてガスタービン段落部を構成し、このガスタービン段落部をガスタービン軸に沿って複数段にして配置する、いわゆる一軸タイプと、ガスタービン段落部を別々のガスタービン軸に配置する、いわゆる二軸タイプとがある。
【0003】
前者の一軸タイプは、図14に示すように、ケーシング1内にガスタービン軸2と空気圧縮機軸3とが同軸として収容されている。
【0004】
ガスタービン軸2には、ガスタービンケーシング1aに供給するガスタービン静翼4とガスタービン軸2に植設するガスタービン動翼5とでガスタービン段落部6が構成されている。
【0005】
また、空気圧縮機軸3には、空気圧縮機ケーシング16に係合する空気圧縮機静翼7と空気圧縮機軸3に植設する空気圧縮機動翼8とで空気圧縮機段落部9が構成されている。
【0006】
また、ガスタービン段落部6と空気圧縮機段落9との間には、ガスタービン燃焼器10が設けられている。
【0007】
このガスタービン燃焼器10は、供給された空気圧縮機段落部9からの圧縮空気と燃料とで燃焼ガス(主流)FGを生成し、生成した燃焼ガス(主流)FGをトランジションピース11を介してガスタービン段落部6に供給する。ガスタービン段落部6は、燃焼ガス(主流)FGに膨張仕事をさせ、その際にガスタービン軸2を回転させて動力(回転トルク)を発生している。
【0008】
一方、後者の二軸タイプは、図15に示すように、ガスタービン軸2を前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸26とに2分割する構成になっている。
【0009】
前置ガスタービン軸29は、前置ガスタービン段落部(図示せず)を収容する前置ガスタービン12aを備えるとともに、発電機13、空気圧縮機14、ガスタービン燃焼器16を備えた空気圧縮機軸3に軸直結させる構成になっている。
【0010】
また、後置ガスタービン軸26は、後置ガスタービン段落部(図示せず)を収容する後置ガスタービン12bと発電機16とを備え、前置ガスタービン12aからのガスタービン排気(ガスタービン排ガス)を後置ガスタービン12bに供給して膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機16を駆動する構成になっている。
【0011】
このような構成を備える二軸タイプは、一つの軸と別の軸との回転数を異ならしめ、異なった動力を発生させる場合に適用することが多い。
【0012】
また、最近の二軸タイプは、例えば特開平7−293207号公報(特許文献1参照)に見られるように、グラーツサイクル(ブレイトンサイクルとランキンサイクルの組合せ)に適用され、水素に酸素を加えて水蒸気ガスにし、その作動流体に膨張仕事をさせてプラント熱効率を60%に高める研究が行われている。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−293207号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2002−303156号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
二軸タイプのガスタービンには、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとを共用のガスタービンケーシング1aに収容させることがある。
【0016】
前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとを共用のガスタービンケーシング1aに収容させる場合、軸受の設置スペース確保も手伝って、ガスタービンは、例えば、特開2002−303156号公報(特許文献2参照)に見られるように、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとの間に中間ケーシングを設けている。
【0017】
しかし、高いプラント熱効率を目指すガスタービンは、前置ガスタービン軸2aの入口側に供給される作動流体の温度を著しく高くしているため、中間ケーシングに流れる作動流体の温度も高くなっている。
【0018】
このため、中間ケーシングは、長時間運転に亘って高温作動流体に晒されていても充分に抗し得る高い強度維持が必要とされる。
【0019】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、高温作動流体に対し、高い強度を常に維持させて、安定な運転を行わせるガスタービンを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを備えるとともに、前記外側中間ケーシングと前記内側中間ケーシングとのそれぞれに冷却媒体を流す通路を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを2重筒で構成し、この2重筒の間に形成した通路を前記外側ケーシングおよび前記内側ケーシングとのそれぞれに形成する通路に連通させたものである。
【0022】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、ストラッドは、円形および長円形のうち、いずれか一方の形状に形成したものである。
【0023】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、通路を備えた外側中間ケーシングは、外側第1中間ケーシングと外側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、通路を備えた内側中間ケーシングは、内側第1中間ケーシングと内側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれは、仕切りを備えたものである。
【0026】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、仕切りは、冷却媒体供給口とストラッドの通路とを結ぶ一直線上の領域の通路幅を狭く、ここから外側に向って通路幅を大きくすることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、仕切りは、外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれの一側面に拡散接合法を用いて接合部を形成したものである。
【0028】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、外側中間ケーシングに備えた通路、内側中間ケーシングに備えた通路およびストラッドに備えた通路のうち、少なくとも一つ以上に突出し片を備えたものである。
【0029】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、突出し片は、千鳥状に配置したものである。
【0030】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記外側中間ケーシングの通路に冷却媒体供給管を備えるとともに、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体回収管を備えたものである。
【0031】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体供給管を備えるとともに、前記外側中間ケーシングに冷却媒体回収管を備えたものである。
【0032】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項13に記載したように、中間ケーシングは、扇状のセグメントを分割して構成したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービンの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした第1実施形態を示す概略図である。
【0035】
本実施形態に係るガスタービンは、空気圧縮機ケーシング16、燃焼器ケーシング17、ガスタービンケーシング1aを一体としてまとめたケーシング1内に空気圧縮機軸3とガスタービン軸2とを同軸として収容している。
【0036】
空気圧縮機軸3は、空気圧縮機静翼7と空気圧縮機動翼8とで構成する空気圧縮機段落部9を備えている。
【0037】
また、ガスタービン軸2は、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとに2分割し、2分割した前置ガスタービン軸2aにガスタービン静翼4とガスタービン動翼5とで構成する前記ガスタービン段落部18を備え、2分割した後置ガスタービン軸2bもガスタービン静翼4とガスタービン動翼5とで構成する後置ガスタービン段落部19を備えるとともに、前置ガスタービン段落部18と後置ガスタービン段落部19とのそれぞれを軸受20a,20bで支持している。
【0038】
また、ガスタービンは、空気圧縮機軸3とガスタービン軸2との間に、周方向に沿って複数のガスタービン燃焼器10を環状列に配置し、ここで空気圧縮機段落部9からの圧縮空気に燃料を加えて燃焼ガス(主流)FGを生成し、生成した燃焼ガス(主流)FGをトランジションピース11を介して前置ガスタービン段落部18に供給している。
【0039】
一方、前置ガスタービン段落部18と後置ガスタービン段落部19との間には中間ケーシング21が設けられている。
【0040】
この中間ケーシング21は、図1、図2、図3、図4および図13に示すように、扇状のセグメントに分割して構成されており、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとをストラッド22で支持する構造になっている。
【0041】
外側中間ケーシング21aは、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との二重構造になっており、各ケーシング21a1,21a2間に外側通路23を形成するとともに、その端部に設けた冷却媒体供給口24から供給される冷却媒体CAで中間ケーシング21を冷却するようになっている。
【0042】
また、外側中間ケーシング21aは、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に形成する外側通路23に、図2、図4および図13に示すように、燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に沿って平行に配置する仕切り25a,25b,…を設けて通路26a,26,…を形成し、冷却媒体供給口24からストラッド22に向って冷却媒体CAが流れる際、より広く拡散させるようになっている。
【0043】
一方、ストラッド22は、図2、図3、図4および図13に示すように、燃焼ガス(主流)FGの流れの抵抗を少なくさせるために長円または円形等の球面状に形成したストラッド外筒22aと、ストラッド内筒22bとの二重構造になっており、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとの間に形成された通路27に外側中間ケーシング21aから供給された冷却媒体が流れた後、内側中間ケーシング21bに集まるようになっている。
【0044】
また、内側中間ケーシング21bは、図3、図4および図13に示した外側中間ケーシング21aの構成と同様に、内側第1中間ケーシング21b1と、内側第2中間ケーシング21b2との二重構造になっており、各ケーシング21b1,21b2間に内側通路28を形成するとともに、その端部に設けた冷却媒体出口29から冷却後の冷却媒体CAを外部に排出させている。
【0045】
このように、本実施形態は、中間ケーシング21を構成する外側中間ケーシング21aと、内側中間ケーシング21bのそれぞれに冷却媒体CAを流す外側通路23と内側通路28とのそれぞれを設け、各通路23,28に冷却媒体CAがより広く拡散するように仕切り25a,25b,…を設けるとともに、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとを支持するストラッド22を二重筒構造にして冷却媒体を流す構造にしたので、中間ケーシング21を高温の燃焼ガス(主流)FGにも充分に対処でき、高い強度の下、安定な運転を行わせることができる。
【0046】
なお、本実施形態は、外側中間ケーシング21aの外側通路23と内側中間ケーシング21bの内側通路28のそれぞれに設けた、仕切り25a,25b,…を燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に沿って平行に配置したが、この例に限らず、例えば図5に示すように、仕切り25a,25b,…を燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に交差させてもよい。
【0047】
また、外側中間ケーシング21aの外側通路23と内側中間ケーシング21bの内側通路28のそれぞれを形成する際、仕切り25a,25b,…は、図10に示すように、外側第1中間ケーシング21a1および内側第1中間ケーシング21b2のうち、いずれか一方から削り出し、残りの面に拡散接合法で接合部26を形成し、固設してもよい。
【0048】
図6は、本発明に係るガスタービンの第3実施形態を示す概念図である。
【0049】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に、燃焼ガス(主流)FGの流れに沿って平行に仕切り25a,25b,…を設けて外側通路23a,23b,…を形成する場合、あるいは内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に燃焼ガス(主流)FGの流れに沿って平行に仕切り25a,25b,…を設けて内側通路28a,28b,…を形成する場合、冷却媒体CAの冷却媒体供給口24と通路(吸込み口)27とを結ぶ直線上の領域に形成する通路(流路)幅W1を狭く、ここから外側に向って離れる領域の通路(流路)幅W2,W3,…を相対的に広くしたものである。
【0050】
このように、本実施形態は、冷却媒体供給口24と通路(吸込み口)27とを結ぶ直線上の領域に形成する通路(流路)の幅W1を狭く、ここから外側に向って離れる領域の通路の幅W2,W3,…を相対的に広くしたので、冷却媒体CAを中間ケーシング全域に亘って分散させて流すことができ、中間ケーシング全域を均一に冷却することができる。
【0051】
図7は、本発明に係るガスタービンの第4実施形態を示す概念図である。
【0052】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に、仕切り25a,25b,…を設けて外側通路23a,23b,…を形成するとき、また、内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に、仕切り25a,25b,…を設けて内側通路28a,28b,…を形成するとき、あるいは外側第1,第2中間ケーシング21a1,21a2および内側第1,第2中間ケーシング21b1,21b2を支持するストラッド22のうち、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとで通路27を形成するとき、外側通路23a,23b,…、内側通路28a,28b,…、通路27のそれぞれに突出し片30を設けたものである。
【0053】
突出し片30は、外側,内側中間ケーシング21a,21bの場合、図8に示すように、千鳥状に、また、ストラッド22の場合も、図9に示すように千鳥状に配置される。
【0054】
このように、本実施形態は、外側通路23a,23b,…、内側通路28a,28b,…、通路27のそれぞれに突出し片30を設け、冷却媒体CAの流れに乱れを与えて熱伝達係数を高めたので、中間ケーシング21の冷却をより一層促進させることができる。
【0055】
図11は、本発明に係るガスタービンの第5実施形態を示す概念図である。
【0056】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に備えた外側通路23、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとの間に備えた通路27、および内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に備えた内側通路28を利用して冷却媒体供給管31と、冷却媒体回収管32とを設け、冷却媒体CAを冷却媒体供給口24を介して冷却器媒体供給管31に供給し、ここから外側通路23、通路27、内側通路28に向って冷却媒体CAが流れる間に、外側中間ケーシング21a、ストラッド22、内側ケーシング21bを冷却させた後、ストラッド内筒22bの内周側を通る冷却媒体回収管32の冷却媒体出口29に回収させたものである。
【0057】
本実施形態は、外側通路23、通路27、内側通路28を利用して冷却媒体供給管31と冷却媒体回収管32とを備えるとともに、冷却媒体回収管32をストラッド内筒22bの内周側に配置して燃焼ガス(主流)FGへの合流を防止する構成にしたので、中間ケーシング21を冷却させてその強度を高く維持させることができ、冷却媒体CA合流防止による燃焼ガス(主流)FGの流れに乱れを与えることなくより多くの膨張仕事をさせることができる。
【0058】
なお、本実施形態は、冷却媒体回収管32をストラッド内筒22bの内周側に配置して燃焼ガス(主流)FGへの合流を防止する構成にしたが、この例に限らず、例えば図12に示すように、冷却媒体供給管31をストラッド内筒22bの内周側に配置し、この冷却媒体供給管31から内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2とで形成した内側通路28、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとで形成した通路27、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2とで形成した外側通路23、冷却媒体回収管32を介して冷却媒体CAを流してもよい。ストラッド22の周囲に燃焼ガス(主流)が淀んでいる場合、冷却媒体供給管31をストラッド内筒22bの内周側に配置することは、冷却媒体CAの冷熱をより有効に利用でき、冷却を行う点で有利である。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係るガスタービンは、中間ケーシングおよび中間ケーシングを支持するストラッドのそれぞれに冷却媒体を流す通路を形成するとともに、中間中間およびストラッドを冷却後の冷却媒体を燃焼ガス(主流)に合流させないで回収する構成にしたので、中間ケーシングおよびストラッドの強度を高く維持させて安定運転を行わせることができ、燃焼ガス(主流)の冷却媒体合流防止による流れの安定化を図ってより多くの膨張仕事をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした第1実施形態を示す図。
【図2】図1のG−G矢視方向から見た展開図。
【図3】図2のA−A矢視方向から見た切断断面図。
【図4】図2のB−B矢視方向から見た切断断面図。
【図5】本発明に係るガスタービンの第2実施形態を示す概念図。
【図6】本発明に係るガスタービンの第3実施形態を示す概念図。
【図7】本発明に係るガスタービンの第4実施形態を示す概念図。
【図8】図7のC部拡大図。
【図9】図7のD部拡大図。
【図10】図4のE部拡大図。
【図11】本発明に係るガスタービンの第5実施形態を示す概念図。
【図12】本発明に係るガスタービンの第6実施形態を示す概念図。
【図13】図1のF−F矢視方向から見た切断断面図。
【図14】従来のガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした概略図。
【図15】従来の2軸ガスタービンを示す概念図。
【符号の説明】
1 ケーシング
1a ガスタービンケーシング
1b 空気圧縮機ケーシング
2 ガスタービン軸
2a 前置ガスタービン軸
2b 後置ガスタービン軸
3 空気圧縮機軸
4 ガスタービン静翼
5 ガスタービン動翼
6 ガスタービン段落部
7 空気圧縮機静翼
8 空気圧縮機動翼
9 空気圧縮機段落部
10 ガスタービン燃焼器
11 トランジションピース
12a 前置ガスタービン
12b 後置ガスタービン
13 発電機
14 空気圧縮機
15 ガスタービン燃焼器
16 発電機
17 燃焼器ケーシング
18 前置ガスタービン段落部
19 後置ガスタービン段落部
20a,20b 軸受
21 中間ケーシング
21a 外側中間ケーシング
21a1 外側第1中間ケーシング
21a2 外側第2中間ケーシング
21b 内側中間ケーシング
21b1 内側第1中間ケーシング
21b2 内側第2中間ケーシング
22 ストラッド
22a ストラッド外筒
22b ストラッド内筒
23a,23b,23c,… 外側通路
24 冷却媒体供給口
25a,25b,… 仕切り
26 接合部
27 通路
28a,28b,… 内側通路
29 冷却媒体出口
30 突出し片
31 冷却媒体供給管
32 冷却媒体回収管
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンに係り、特にガスタービン段落部を前置ガスタービン段落部と後置ガスタービン段落部とに2分割し、2分割した前置ガスタービン段落部と後置ガスタービン段落部とを中間ケーシングを介装させて接続するガスタービンに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、発電プラント等に適用されるガスタービンには、ガスタービン静翼とガスタービン動翼とを組み合せ、ペアにしてガスタービン段落部を構成し、このガスタービン段落部をガスタービン軸に沿って複数段にして配置する、いわゆる一軸タイプと、ガスタービン段落部を別々のガスタービン軸に配置する、いわゆる二軸タイプとがある。
【0003】
前者の一軸タイプは、図14に示すように、ケーシング1内にガスタービン軸2と空気圧縮機軸3とが同軸として収容されている。
【0004】
ガスタービン軸2には、ガスタービンケーシング1aに供給するガスタービン静翼4とガスタービン軸2に植設するガスタービン動翼5とでガスタービン段落部6が構成されている。
【0005】
また、空気圧縮機軸3には、空気圧縮機ケーシング16に係合する空気圧縮機静翼7と空気圧縮機軸3に植設する空気圧縮機動翼8とで空気圧縮機段落部9が構成されている。
【0006】
また、ガスタービン段落部6と空気圧縮機段落9との間には、ガスタービン燃焼器10が設けられている。
【0007】
このガスタービン燃焼器10は、供給された空気圧縮機段落部9からの圧縮空気と燃料とで燃焼ガス(主流)FGを生成し、生成した燃焼ガス(主流)FGをトランジションピース11を介してガスタービン段落部6に供給する。ガスタービン段落部6は、燃焼ガス(主流)FGに膨張仕事をさせ、その際にガスタービン軸2を回転させて動力(回転トルク)を発生している。
【0008】
一方、後者の二軸タイプは、図15に示すように、ガスタービン軸2を前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸26とに2分割する構成になっている。
【0009】
前置ガスタービン軸29は、前置ガスタービン段落部(図示せず)を収容する前置ガスタービン12aを備えるとともに、発電機13、空気圧縮機14、ガスタービン燃焼器16を備えた空気圧縮機軸3に軸直結させる構成になっている。
【0010】
また、後置ガスタービン軸26は、後置ガスタービン段落部(図示せず)を収容する後置ガスタービン12bと発電機16とを備え、前置ガスタービン12aからのガスタービン排気(ガスタービン排ガス)を後置ガスタービン12bに供給して膨張仕事をさせ、その際に発生する動力で発電機16を駆動する構成になっている。
【0011】
このような構成を備える二軸タイプは、一つの軸と別の軸との回転数を異ならしめ、異なった動力を発生させる場合に適用することが多い。
【0012】
また、最近の二軸タイプは、例えば特開平7−293207号公報(特許文献1参照)に見られるように、グラーツサイクル(ブレイトンサイクルとランキンサイクルの組合せ)に適用され、水素に酸素を加えて水蒸気ガスにし、その作動流体に膨張仕事をさせてプラント熱効率を60%に高める研究が行われている。
【0013】
【特許文献1】
特開平7−293207号公報
【0014】
【特許文献2】
特開2002−303156号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
二軸タイプのガスタービンには、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとを共用のガスタービンケーシング1aに収容させることがある。
【0016】
前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとを共用のガスタービンケーシング1aに収容させる場合、軸受の設置スペース確保も手伝って、ガスタービンは、例えば、特開2002−303156号公報(特許文献2参照)に見られるように、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとの間に中間ケーシングを設けている。
【0017】
しかし、高いプラント熱効率を目指すガスタービンは、前置ガスタービン軸2aの入口側に供給される作動流体の温度を著しく高くしているため、中間ケーシングに流れる作動流体の温度も高くなっている。
【0018】
このため、中間ケーシングは、長時間運転に亘って高温作動流体に晒されていても充分に抗し得る高い強度維持が必要とされる。
【0019】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、高温作動流体に対し、高い強度を常に維持させて、安定な運転を行わせるガスタービンを提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項1に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを備えるとともに、前記外側中間ケーシングと前記内側中間ケーシングとのそれぞれに冷却媒体を流す通路を備えたものである。
【0021】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項2に記載したように、中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを2重筒で構成し、この2重筒の間に形成した通路を前記外側ケーシングおよび前記内側ケーシングとのそれぞれに形成する通路に連通させたものである。
【0022】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項3に記載したように、ストラッドは、円形および長円形のうち、いずれか一方の形状に形成したものである。
【0023】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項4に記載したように、通路を備えた外側中間ケーシングは、外側第1中間ケーシングと外側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項5に記載したように、通路を備えた内側中間ケーシングは、内側第1中間ケーシングと内側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項6に記載したように、外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれは、仕切りを備えたものである。
【0026】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項7に記載したように、仕切りは、冷却媒体供給口とストラッドの通路とを結ぶ一直線上の領域の通路幅を狭く、ここから外側に向って通路幅を大きくすることを特徴とするものである。
【0027】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項8に記載したように、仕切りは、外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれの一側面に拡散接合法を用いて接合部を形成したものである。
【0028】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項9に記載したように、外側中間ケーシングに備えた通路、内側中間ケーシングに備えた通路およびストラッドに備えた通路のうち、少なくとも一つ以上に突出し片を備えたものである。
【0029】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項10に記載したように、突出し片は、千鳥状に配置したものである。
【0030】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項11に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記外側中間ケーシングの通路に冷却媒体供給管を備えるとともに、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体回収管を備えたものである。
【0031】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項12に記載したように、ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体供給管を備えるとともに、前記外側中間ケーシングに冷却媒体回収管を備えたものである。
【0032】
また、本発明に係るガスタービンは、上述の目的を達成するために、請求項13に記載したように、中間ケーシングは、扇状のセグメントを分割して構成したものである。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスタービンの実施形態を図面および図面に付した符号を引用して説明する。
【0034】
図1は、本発明に係るガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした第1実施形態を示す概略図である。
【0035】
本実施形態に係るガスタービンは、空気圧縮機ケーシング16、燃焼器ケーシング17、ガスタービンケーシング1aを一体としてまとめたケーシング1内に空気圧縮機軸3とガスタービン軸2とを同軸として収容している。
【0036】
空気圧縮機軸3は、空気圧縮機静翼7と空気圧縮機動翼8とで構成する空気圧縮機段落部9を備えている。
【0037】
また、ガスタービン軸2は、前置ガスタービン軸2aと後置ガスタービン軸2bとに2分割し、2分割した前置ガスタービン軸2aにガスタービン静翼4とガスタービン動翼5とで構成する前記ガスタービン段落部18を備え、2分割した後置ガスタービン軸2bもガスタービン静翼4とガスタービン動翼5とで構成する後置ガスタービン段落部19を備えるとともに、前置ガスタービン段落部18と後置ガスタービン段落部19とのそれぞれを軸受20a,20bで支持している。
【0038】
また、ガスタービンは、空気圧縮機軸3とガスタービン軸2との間に、周方向に沿って複数のガスタービン燃焼器10を環状列に配置し、ここで空気圧縮機段落部9からの圧縮空気に燃料を加えて燃焼ガス(主流)FGを生成し、生成した燃焼ガス(主流)FGをトランジションピース11を介して前置ガスタービン段落部18に供給している。
【0039】
一方、前置ガスタービン段落部18と後置ガスタービン段落部19との間には中間ケーシング21が設けられている。
【0040】
この中間ケーシング21は、図1、図2、図3、図4および図13に示すように、扇状のセグメントに分割して構成されており、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとをストラッド22で支持する構造になっている。
【0041】
外側中間ケーシング21aは、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との二重構造になっており、各ケーシング21a1,21a2間に外側通路23を形成するとともに、その端部に設けた冷却媒体供給口24から供給される冷却媒体CAで中間ケーシング21を冷却するようになっている。
【0042】
また、外側中間ケーシング21aは、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に形成する外側通路23に、図2、図4および図13に示すように、燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に沿って平行に配置する仕切り25a,25b,…を設けて通路26a,26,…を形成し、冷却媒体供給口24からストラッド22に向って冷却媒体CAが流れる際、より広く拡散させるようになっている。
【0043】
一方、ストラッド22は、図2、図3、図4および図13に示すように、燃焼ガス(主流)FGの流れの抵抗を少なくさせるために長円または円形等の球面状に形成したストラッド外筒22aと、ストラッド内筒22bとの二重構造になっており、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとの間に形成された通路27に外側中間ケーシング21aから供給された冷却媒体が流れた後、内側中間ケーシング21bに集まるようになっている。
【0044】
また、内側中間ケーシング21bは、図3、図4および図13に示した外側中間ケーシング21aの構成と同様に、内側第1中間ケーシング21b1と、内側第2中間ケーシング21b2との二重構造になっており、各ケーシング21b1,21b2間に内側通路28を形成するとともに、その端部に設けた冷却媒体出口29から冷却後の冷却媒体CAを外部に排出させている。
【0045】
このように、本実施形態は、中間ケーシング21を構成する外側中間ケーシング21aと、内側中間ケーシング21bのそれぞれに冷却媒体CAを流す外側通路23と内側通路28とのそれぞれを設け、各通路23,28に冷却媒体CAがより広く拡散するように仕切り25a,25b,…を設けるとともに、外側中間ケーシング21aと内側中間ケーシング21bとを支持するストラッド22を二重筒構造にして冷却媒体を流す構造にしたので、中間ケーシング21を高温の燃焼ガス(主流)FGにも充分に対処でき、高い強度の下、安定な運転を行わせることができる。
【0046】
なお、本実施形態は、外側中間ケーシング21aの外側通路23と内側中間ケーシング21bの内側通路28のそれぞれに設けた、仕切り25a,25b,…を燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に沿って平行に配置したが、この例に限らず、例えば図5に示すように、仕切り25a,25b,…を燃焼ガス(主流)FGの流れ方向に交差させてもよい。
【0047】
また、外側中間ケーシング21aの外側通路23と内側中間ケーシング21bの内側通路28のそれぞれを形成する際、仕切り25a,25b,…は、図10に示すように、外側第1中間ケーシング21a1および内側第1中間ケーシング21b2のうち、いずれか一方から削り出し、残りの面に拡散接合法で接合部26を形成し、固設してもよい。
【0048】
図6は、本発明に係るガスタービンの第3実施形態を示す概念図である。
【0049】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に、燃焼ガス(主流)FGの流れに沿って平行に仕切り25a,25b,…を設けて外側通路23a,23b,…を形成する場合、あるいは内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に燃焼ガス(主流)FGの流れに沿って平行に仕切り25a,25b,…を設けて内側通路28a,28b,…を形成する場合、冷却媒体CAの冷却媒体供給口24と通路(吸込み口)27とを結ぶ直線上の領域に形成する通路(流路)幅W1を狭く、ここから外側に向って離れる領域の通路(流路)幅W2,W3,…を相対的に広くしたものである。
【0050】
このように、本実施形態は、冷却媒体供給口24と通路(吸込み口)27とを結ぶ直線上の領域に形成する通路(流路)の幅W1を狭く、ここから外側に向って離れる領域の通路の幅W2,W3,…を相対的に広くしたので、冷却媒体CAを中間ケーシング全域に亘って分散させて流すことができ、中間ケーシング全域を均一に冷却することができる。
【0051】
図7は、本発明に係るガスタービンの第4実施形態を示す概念図である。
【0052】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に、仕切り25a,25b,…を設けて外側通路23a,23b,…を形成するとき、また、内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に、仕切り25a,25b,…を設けて内側通路28a,28b,…を形成するとき、あるいは外側第1,第2中間ケーシング21a1,21a2および内側第1,第2中間ケーシング21b1,21b2を支持するストラッド22のうち、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとで通路27を形成するとき、外側通路23a,23b,…、内側通路28a,28b,…、通路27のそれぞれに突出し片30を設けたものである。
【0053】
突出し片30は、外側,内側中間ケーシング21a,21bの場合、図8に示すように、千鳥状に、また、ストラッド22の場合も、図9に示すように千鳥状に配置される。
【0054】
このように、本実施形態は、外側通路23a,23b,…、内側通路28a,28b,…、通路27のそれぞれに突出し片30を設け、冷却媒体CAの流れに乱れを与えて熱伝達係数を高めたので、中間ケーシング21の冷却をより一層促進させることができる。
【0055】
図11は、本発明に係るガスタービンの第5実施形態を示す概念図である。
【0056】
本実施形態は、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2との間に備えた外側通路23、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとの間に備えた通路27、および内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2との間に備えた内側通路28を利用して冷却媒体供給管31と、冷却媒体回収管32とを設け、冷却媒体CAを冷却媒体供給口24を介して冷却器媒体供給管31に供給し、ここから外側通路23、通路27、内側通路28に向って冷却媒体CAが流れる間に、外側中間ケーシング21a、ストラッド22、内側ケーシング21bを冷却させた後、ストラッド内筒22bの内周側を通る冷却媒体回収管32の冷却媒体出口29に回収させたものである。
【0057】
本実施形態は、外側通路23、通路27、内側通路28を利用して冷却媒体供給管31と冷却媒体回収管32とを備えるとともに、冷却媒体回収管32をストラッド内筒22bの内周側に配置して燃焼ガス(主流)FGへの合流を防止する構成にしたので、中間ケーシング21を冷却させてその強度を高く維持させることができ、冷却媒体CA合流防止による燃焼ガス(主流)FGの流れに乱れを与えることなくより多くの膨張仕事をさせることができる。
【0058】
なお、本実施形態は、冷却媒体回収管32をストラッド内筒22bの内周側に配置して燃焼ガス(主流)FGへの合流を防止する構成にしたが、この例に限らず、例えば図12に示すように、冷却媒体供給管31をストラッド内筒22bの内周側に配置し、この冷却媒体供給管31から内側第1中間ケーシング21b1と内側第2中間ケーシング21b2とで形成した内側通路28、ストラッド外筒22aとストラッド内筒22bとで形成した通路27、外側第1中間ケーシング21a1と外側第2中間ケーシング21a2とで形成した外側通路23、冷却媒体回収管32を介して冷却媒体CAを流してもよい。ストラッド22の周囲に燃焼ガス(主流)が淀んでいる場合、冷却媒体供給管31をストラッド内筒22bの内周側に配置することは、冷却媒体CAの冷熱をより有効に利用でき、冷却を行う点で有利である。
【0059】
【発明の効果】
以上の説明のとおり、本発明に係るガスタービンは、中間ケーシングおよび中間ケーシングを支持するストラッドのそれぞれに冷却媒体を流す通路を形成するとともに、中間中間およびストラッドを冷却後の冷却媒体を燃焼ガス(主流)に合流させないで回収する構成にしたので、中間ケーシングおよびストラッドの強度を高く維持させて安定運転を行わせることができ、燃焼ガス(主流)の冷却媒体合流防止による流れの安定化を図ってより多くの膨張仕事をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした第1実施形態を示す図。
【図2】図1のG−G矢視方向から見た展開図。
【図3】図2のA−A矢視方向から見た切断断面図。
【図4】図2のB−B矢視方向から見た切断断面図。
【図5】本発明に係るガスタービンの第2実施形態を示す概念図。
【図6】本発明に係るガスタービンの第3実施形態を示す概念図。
【図7】本発明に係るガスタービンの第4実施形態を示す概念図。
【図8】図7のC部拡大図。
【図9】図7のD部拡大図。
【図10】図4のE部拡大図。
【図11】本発明に係るガスタービンの第5実施形態を示す概念図。
【図12】本発明に係るガスタービンの第6実施形態を示す概念図。
【図13】図1のF−F矢視方向から見た切断断面図。
【図14】従来のガスタービンの全体のうち、上半部分を断面で表わした概略図。
【図15】従来の2軸ガスタービンを示す概念図。
【符号の説明】
1 ケーシング
1a ガスタービンケーシング
1b 空気圧縮機ケーシング
2 ガスタービン軸
2a 前置ガスタービン軸
2b 後置ガスタービン軸
3 空気圧縮機軸
4 ガスタービン静翼
5 ガスタービン動翼
6 ガスタービン段落部
7 空気圧縮機静翼
8 空気圧縮機動翼
9 空気圧縮機段落部
10 ガスタービン燃焼器
11 トランジションピース
12a 前置ガスタービン
12b 後置ガスタービン
13 発電機
14 空気圧縮機
15 ガスタービン燃焼器
16 発電機
17 燃焼器ケーシング
18 前置ガスタービン段落部
19 後置ガスタービン段落部
20a,20b 軸受
21 中間ケーシング
21a 外側中間ケーシング
21a1 外側第1中間ケーシング
21a2 外側第2中間ケーシング
21b 内側中間ケーシング
21b1 内側第1中間ケーシング
21b2 内側第2中間ケーシング
22 ストラッド
22a ストラッド外筒
22b ストラッド内筒
23a,23b,23c,… 外側通路
24 冷却媒体供給口
25a,25b,… 仕切り
26 接合部
27 通路
28a,28b,… 内側通路
29 冷却媒体出口
30 突出し片
31 冷却媒体供給管
32 冷却媒体回収管
Claims (13)
- ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを備えるとともに、前記外側中間ケーシングと前記内側中間ケーシングとのそれぞれに冷却媒体を流す通路を備えたことを特徴とするガスタービン。
- 中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを2重筒で構成し、この2重筒の間に形成した通路を前記外側ケーシングおよび前記内側ケーシングとのそれぞれに形成する通路に連通させたことを特徴とする請求項1記載のガスタービン。
- ストラッドは、円形および長円形のうち、いずれか一方の形状に形成したことを特徴とする請求項2記載のガスタービン。
- 通路を備えた外側中間ケーシングは、外側第1中間ケーシングと外側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン。
- 通路を備えた内側中間ケーシングは、内側第1中間ケーシングと内側第2中間ケーシングとの二重構造であることを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン。
- 外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれは、仕切りを備えたことを特徴とする請求項1または2記載のガスタービン。
- 仕切りは、冷却媒体供給口とストラッドの通路とを結ぶ一直線上の領域の通路幅を狭く、ここから外側に向って通路幅を大きくすることを特徴とする請求項6記載のガスタービン。
- 仕切りは、外側中間ケーシングに備えた通路および内側中間ケーシングに備えた通路のそれぞれの一側面に拡散接合法を用いて接合部を形成したことを特徴とする請求項6記載のガスタービン。
- 外側中間ケーシングに備えた通路、内側中間ケーシングに備えた通路およびストラッドに備えた通路のうち、少なくとも一つ以上に突出し片を備えたことを特徴とする請求項2記載のガスタービン。
- 突出し片は、千鳥状に配置したことを特徴とする請求項9記載のガスタービン。
- ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記外側中間ケーシングの通路に冷却媒体供給管を備えるとともに、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体回収管を備えたことを特徴とするガスタービン。
- ケーシングを分割し、分割した一方のケーシングに空気圧縮機軸と前置ガスタービン軸とを同一軸として収容し、分割した残りのケーシングに後置ガスタービン軸を別軸として収容するとともに、前記分割したケーシングの間に中間ケーシングを設置したガスタービンにおいて、前記中間ケーシングは、外側中間ケーシングと内側中間ケーシングとを支持するストラッドを備え、前記外側中間ケーシング、前記内側中間ケーシングおよび前記ストラッドのそれぞれに通路を形成して連通させる一方、前記内側中間ケーシングに、前記ストラッドをストラッド外筒とストラッド内筒とで構成したそのストラッド内筒の内面側を挿通する冷却媒体供給管を備えるとともに、前記外側中間ケーシングに冷却媒体回収管を備えたことを特徴とするガスタービン。
- 中間ケーシングは、扇状のセグメントを分割して構成したことを特徴とする請求項1,2,4または5記載のガスタービン。
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