JP2004262132A - 樹脂製ブロー成形品 - Google Patents
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Abstract
【課題】インサート成形によって埋設されたネジ体52を備えた樹脂製ブロー成形品において、ネジ体52が大きさの割には強固に埋設された状態に得る。
【解決手段】インサート成形前のネジ体52の周面に、ネジ軸芯方向視で矩形の、かつ樹脂製の埋め込み体60を固着してある。埋め込み体60の外径面60aに、切り込み溝61を設けてある。埋め込み体60の角部の切り込み溝61よりも埋め込み体底面側に位置する部分に、面取り62を設けてある。
【選択図】 図9
【解決手段】インサート成形前のネジ体52の周面に、ネジ軸芯方向視で矩形の、かつ樹脂製の埋め込み体60を固着してある。埋め込み体60の外径面60aに、切り込み溝61を設けてある。埋め込み体60の角部の切り込み溝61よりも埋め込み体底面側に位置する部分に、面取り62を設けてある。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インサート成形によって埋設されたネジ体によって連結対象部材に対して連結するように構成した樹脂製ブロー成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インサート成形によって埋設された金具を備えた樹脂成形品において、非特許文献1に示される如くインサート金具の埋め込み部にみぞ、ローレット、段付きなどを設け、インサート金具と成形樹脂の連結強度の向上を図る連結技術があった。
【0003】
【非特許文献1】
実用プラスチック事典編集委員会、「実用プラスチック事典」、初版第1刷 1993年5月1日、株式会社産業調査会 事典出版センター、p.748−749、図1−59(a)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ブロー成形品においては、連結対象部材に対する連結をネジ体によって行なうものであることから、ネジ操作や締め付け連結による回動力や締め付け力がネジ体に掛かる。このため、ネジ体を回動力や締め付け力のためにブロー成形樹脂に対して容易に外れないとか緩まない状態に埋設する必要がある。
ネジ体の樹脂に対する連結面積や抜け出し抵抗が大になるように、ネジ体の樹脂に埋まり込む部分の外径や樹脂に対する係合力を大にすると、ネジ体の樹脂に対する連結強度が向上する。上記した従来の連結技術を採用してこのように連結強度の向上を図ると、ネジ体の樹脂に埋まり込む部分の外径を大きくする必要があることから、ネジ体が大型化していた。ネジ体としては一般に金属製を採用することからネジ体が重くなり、この面から成形品全体が重量化していた。
【0005】
本発明の目的は、ネジ体が大きさの割には強固に連結した樹脂ブロー成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0007】
〔構成〕
インサート成形によって埋設されたネジ体によって連結対象部材に対して連結するように構成した樹脂製ブロー成形品において、前記ネジ体を、インサート成形前のネジ体に固着されたネジ軸芯方向視で矩形の、かつ樹脂製の埋め込み体を介してブロー成形樹脂に埋設し、
前記埋め込み体に、埋め込み体外径面に設けた切り込み溝、前記切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する埋め込み体角部に設けた面取りを備えてある。
【0008】
〔作用〕
インサート成形前のネジ体に固着された樹脂製の埋め込み体が、ブロー成形樹脂に埋設されてネジ体をブロー成形樹脂に連結している。埋め込み体は、ネジ軸芯方向での矩形のために、及び、外径面の切り込み溝のためにブロー成形樹脂に対して相対回転しにくように、かつ、抜け外れしにくように係合しながら連結している。ブロー成形される樹脂材が前記面取りのために移動抵抗を受けにくくて埋め込み体の周囲や切り込み溝に対して精度よく沿ったり入り込んだりして連結する。これにより、ネジ体は、樹脂に埋まり込む部分の面から比較的小型なものであっても、その大きさの割にはブロー成形樹脂に対して相対回動しにくいように、かつ、抜け外れにくいように強固に係合し合った状態で連結する。
【0009】
〔効果〕
従って、比較的小型のネジ体が回動力や締め付け力のために緩んだり抜け外れたりしにくいように優れた連結強度で連結し、ブロー成形品と連結対象部材の連結が強固に行なえるとともに、その割には、ネジ体面から軽量に得られる。
【0010】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0011】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記面取りの大きさが前記切り込み溝の底に至る大きさになっている。
【0012】
〔作用〕
面取りが切り込み溝の底に接触しているものであるから、面取り箇所において、切り込み溝が埋め込み体の底面側に向かって、溝底部分まで露出する状態で露出して、切り込み溝に対してネジ軸芯に沿う方向から樹脂が入り込む入り口が形成される。これにより、ブロー成形される樹脂が切り込み溝に対してよりスムーズに入り込んで連結しやすくなる。
【0013】
〔効果〕
従って、ブロー成形樹脂が切り込み溝により精度よく入り込んだ一層高い連結強度で埋め込み体とブロー成形樹脂が連結し、ブロー成形樹脂によるネジ体の支持をより強固に行なわせてブロー成形品の連結対象部材に対する連結をより一層強固に行なえる。
【0014】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0015】
〔構成〕
請求項1又は2による発明の構成において、前記切り込み溝を、埋め込み体外径面の埋め込み体高さ方向での複数箇所に設け、前記面取りを、前記複数の切り込み溝のうちの最も埋め込み体底面側に位置する切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する部分に配置してある。
【0016】
〔作用〕
前記複数の切り込み溝、及び、前記配置の面取りを備えるものだから、埋め込み体が複数の切り込み溝のためにより広い連結面を備えるとともにより強い係合力発揮してブロー成形樹脂に連結する。
【0017】
〔効果〕
従って、埋め込み体がブロー成形樹脂に対してより広い連結面やより強い係合力で強固に連結し、ブロー成形樹脂によるネジ体の支持をより強固に行なわせてブロー成形品の連結対象部材に対する連結をより一層強固に行なえる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、クローラ式走行装置1、運転座席2aを有した搭乗型運転部2、運転座席2aの下方に位置する原動部3のそれぞれを備えている自走機体の機体フレーム4の前端側に、植立穀稈を刈取り処理する刈取部5を昇降操作自在に連結し、この刈取部5からの刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置6と、この脱穀装置6からの穀粒を貯留する穀粒タンク7を、自走機体の横方向に並ぶようにして、かつ、穀粒タンク7が原動部の後側に位置するようにして機体フレーム4上に設けて、稲・麦などを収穫するコンバインを構成してある。
【0019】
図1、図4などに示すように、前記原動部3に、出力軸が自走機体の横向きになる姿勢で搭載されたエンジン8、前記運転座席2aを支持する座席支持台に兼用したエンジンボンネット9を設けてある。
【0020】
図2、図3、図4に示すように、前記エンジンボンネット9は、前壁10、後壁20、この後壁20と前記前壁10の上端側どうしにわたって連結しているとともに上面側で前記運転座席2aを支持するように構成してある天井壁22、この天井壁22、前記前壁10、前記後壁20それぞれの機体横外方側の端部にわたって連結しているとともに冷却風供給口46を備えている横側板40のそれぞれで成るボンネット本体9aと、このボンネット本体9aの機体横外方側の端部に内面側が連結している横側壁30とによって構成してある。
【0021】
図3に示すように、前記前壁10は、除塵網11が付いている吸気口12を備えた板金製の外壁板13と、板金製の内壁板14とを両壁板13,14の間に前壁通気路15ができるように組み合わせて成る中空構造の壁に構成してある。
【0022】
図2などに示すように、前記横側壁30に、前枠体部36、後枠体部37、上枠体部32、下枠体部38のそれぞれで囲われた部位に横側壁30の上下方向に並んでいる複数個の吸気口31、上枠体部32の前端側における前下がり傾斜の部分32aが固定ハンドルとして使用されることを可能にする貫通孔33、前記下側2つの吸気口31どうしの間に湾曲状態で位置している湾曲仕切り枠体部34a、前記中間の吸気口31と前記上側の吸気口31及び前記貫通孔33との間に横側壁前後向きに位置している前後向き仕切り枠体部34b、前記上側吸気口31と前記貫通孔33との間に横側壁上下向きに位置している上下向き仕切り枠体部34cのそれぞれを備えてある。
【0023】
図3などに示すように、横側壁30の下端側における前記2つの外向き吸気口31の内側にわたって位置するように配置して横側壁30の内部に取付けた吸気調整板41と、ボンネット本体9aの前記横側板40とによってこれらの間に横壁通気路42を形成してある。横側板40の前部に、前記前壁通気路15と横壁通気路42とを連通させている前開口43を設けてある。図4に示すように、横側壁30の上端側部分の内面側(ボンネット本体9aに向いている方の側面がわ)に、除塵具48が付いている内向き吸気口39を設けるとともに、この内向き吸気口39、及び、横側壁30の上端側部分の外面側(機体横外方側に向いている方の側面がわ)に位置しているとともに除塵具48が付いている前記外向き吸気口31は、図6の如く前記後枠体部37の上端側部分37aと、前記上下向き仕切り枠体部34cと、前記前後向き仕切り枠体部34bのうちの前端側部分よりも厚さが薄い後端側部分34dとによって横側壁30の内部に形成した通気路49によって前記横壁通気路42の上端側に連通させてある。これにより、前記内向き吸気口39及び前記外向き吸気口31は、横側板40の冷却風供給口46を介してボンネット本体9aの内部に連通している。吸気調整板41は、多数の貫通孔を備えており、この貫通孔の配置や大きさの作用により、エンジン冷却ラジエータ45とエンジン8との間に位置する冷却ファン47(図3)が発揮する吸気圧を横側壁30の下端側部分における2つの吸気口31だけでなく、上端側部分の外向き吸気口31及び内向き吸気口39にも、さらに、前壁10の吸気口12にも及ぶように調節する。横側壁30の下端側部分における2つの吸気口31に、多数の通気用貫通孔を備えた板金で成る除塵具48を装着してある。
【0024】
つまり、エンジンボンネット9は、ボンネット本体9aと横側壁30とによってエンジン8の前方、上方、後方及び機体横外方側のそれぞれを覆い、横側壁30の各外向き吸気口31及び内向き吸気口39、ボンネット本体9aの前壁10の前向き吸気口12のそれぞれからエンジン冷却風をエンジン冷却ラジエータ45に供給するようにしてある。
すなわち、前記冷却ファン47がエンジン8によって回転駆動されて発揮する吸引作用により、エンジンボンネット外の空気が横側壁30の下端側部分における2つの外向き吸気口31から吸気調整板41の貫通孔を通して横壁通気路42に冷却風として吸引され、横側板40の冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。これとともに、エンジンボンネット外の空気がボンネット本体9aの前壁10の前向き吸気口12から前壁通気路15に冷却風として吸引されるとともにこの前壁通気路15から横側板40の前開口43を通して横壁通気路42に吸引され、横側壁30の下側2つの外向き吸気口31からの冷却風に合流させて冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。さらに、エンジンボンネット外の空気が横側壁30の上端側部分の外向き吸気口31と内向き吸気口39と両吸気口31,39の除塵具48どうしの間に冷却風として吸引されるとともにこの部位から前記通気路49を通して横壁通気路42に吸引され、横側壁30の下端側部分における2つの外向き吸気口31及び前壁10の前向き吸気口12からの冷却風に合流させて冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。
【0025】
前記横側壁30は、樹脂材をブロー成形することにより、図3、図4、図6に示す如き中空構造を備えた中空樹脂壁に構成してある。すなわち、前記仕切り枠体部34c、前記前枠体部36、前記後枠体部37、前記上枠体部32、前記下枠体部38、前記湾曲仕切り枠体部34a、前記前後向き仕切り枠体部34bのそれぞれが中空になった状態に樹脂材をブロー成形して作製してある。
【0026】
図5に示すように、横側壁30の内面側に、横側壁30の上下及び前後方向に並ぶように配置した状態で、前枠体部36の内側壁36aと後枠体部37の内側壁37bと前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eとに分散させて取付けた複数個のナット52を設け、横側壁30は、前記複数個のナット52と、各ナット52に装着した図6の如き連結ボルト53とによる締め付け力によって前記ボンネット本体9aに対して締め付け連結してある。
すなわち、図4、図6の如くボンネット本体9aの前記天井壁22の横端部の外面側に折り曲げ板金を付設して設けた横側壁支持部55に対して前後向き仕切り枠体部34b及び後枠体部37を前記ナット52と連結ボルト53とによって締め付け連結してある。この他、ボンネット本体9aの前記横側板40に対して前枠体部36及び前記後枠体部37を前記ナット52と連結ボルト53とによって締め付け連結してある。
【0027】
前記各ナット52は、図7、図8などに示す埋め込み体60を備えた連結構造に基づいて、かつ、横側壁30をブロー成形する際にこのブロー成形の金型に装着しておいて横側壁30の所定の取り付け部位に埋め込むというインサート成形を採用することにより、所定の取り付け部位に取り付けてある。
【0028】
すなわち、図10などに示すように、ナット52は、金属製のナットであり、かつ、ネジ軸芯に添う方向視で矩形の回り止めフランジ52aをネジ軸芯方向での一端側に一体成形して備えさせたフンランジ付きナットにしてある。
【0029】
前記埋め込み体60は、横側壁30をブロー成形する際、横側壁30を構成する樹脂材の温度や圧力によって変形しないように横側壁30を構成している樹脂材とは異なる材質を備えた樹脂材で作製してある。埋め込み体60を成形する際、ナット52をインサートして成形してある。これにより、埋め込み体60は、横側壁30にインサート成形される前のナット52に対して図8、図9に示す如き連結状態で固着されている。すなわち、ナット52の回り止めフランジ52aが埋め込み体60に埋まり込み、回り止めフランジ52aの矩形のために、埋め込み体60とナット52が相対回転不能に係合し合う状態で固着されている。
【0030】
埋め込み体60は、図8、図9に示す如き状態に作製してある。
すなわち、埋め込み体60のナット52ネジ軸芯に沿う方向視での形状が、ナット52の前記回り止めフランジ52aと相似した矩形で、かつ、四辺のいずれもがナット52の回り止めフランジ52aの辺よりやや大きい矩形になった状態に作製してある。つまり、埋め込み体60がブロー成形樹脂に埋め込まれると、外周形状が矩形であることとにより、かつ、ナット52の回り止めフランジ52aより大きい外径を備えていることとにより、ナット52に回動力が掛かっても、この回動力で横側壁30に対して容易には相対回動しないようにブロー成形樹脂と係合し合う状態に作製してある。
【0031】
埋め込み体60の外径面60aの埋め込み体高さ方向での2箇所に切り込み溝61を備え状態に、かつ、各切り込み溝61が、埋め込み体60の全周囲にわたる環状の切り込み溝になった状態に作製してある。つまり、埋め込み体60がブロー成形樹脂に埋め込まれると、各切り込み溝61に樹脂が入り込んで各切り込み溝61が引っ張り力に対する抵抗溝になり、ナット52に締め付け力が掛かっても、この締め付けによる引っ張り力のために横側壁30から容易に抜け外れないようにブロー成形樹脂と係合し合う状態に作製してある。
【0032】
埋め込み体60の4つの角部それぞれに面取り62を備えた状態に、かつ、4つの角部それぞれに位置する面取り62が、埋め込み体60の角部のうち、前記2本の切り込み溝61のうちの最も埋め込み体底面側に位置する切り込み溝61よりも埋め込み体底面側に位置する部分に配置された状態に作製してある。さらに、図8(イ)に示す如く前記4つの角部それぞれの面取り62の大きさ62aを、面取り62が前記最も埋め込み体底面側に位置する切込み溝61の底61aに接触するに足る大きさにした状態に作製してある。つまり、各面取り箇所において、切り込み溝61が埋め込み体60の底面側に向かって、溝底部分まで露出する状態で露出して、切り込み溝61に対してネジ軸芯に沿う方向から樹脂が入り込む入り口が形成される状態に作製してある。
【0033】
要するに、横側壁30をブロー成形する際、ナット52をこれに既に固着されている埋め込み体60と共に埋め込み体60の底面60bがブロー成形金型の内部に向かう取り付け向きにしてブロー成形金型の所定の部位に装着しておいて成形し、埋め込み体60を横側壁30における前枠体部36の内側壁36a、後枠体部37の内側壁37a、前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eを構成するようにブロー成形される樹脂材を埋め込み体60の底面60b及び外径面60aや切り込み溝61に沿わせるとか入り込ませて連結させ、ナット52を、これの取り付けるべき部位である前枠体部36の内側壁36a、後枠体部37の内側壁37b、前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eを構成しているブロー成形樹脂に埋め込み体60を介して埋設してある。
【0034】
図5、図11〜図14に示すように、横側壁30の内面側の後枠体部37に沿う部分の上下2箇所、前枠体部36に沿う部分の上下2箇所、下枠体部38に沿った部分、上下仕切り枠部34cに沿った部分のそれぞれに、前記吸気調整板41を載置して締め付け連結する台座部67を、横側壁30の前記除塵具48を支持する除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出するように形成した状態でブロー成形して設けてある。前記前枠体部36の前記上下の台座部67の間に前枠体部36の上下方向に並ぶ複数個の前支持台座68を、前記後枠体部37の前記上下の台座部67の間に後枠体部37の上下方向に並ぶ複数個の後支持台座69をそれぞれブロー成形して設けてある。前支持台座68は、前記各台座部67と同様に、前記除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出しており、前記吸気調整板41を組みける際の位置決めガイドを行なうように、かつ、吸気調整板41の前端側を受け止め支持するようになっており、さらに、前枠体部36を補強するリブになっている。前記後支持台座69は、前記各台座部67と同様に、前記除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出しており、前記吸気調整板41を組みける際の位置決めガイドを行なうように、かつ、吸気調整板41の後端側を受け止め支持するようになっており、さらに、後枠体部37を補強するリブになっている。また、前支持台座68及び後支持台座69が存在することにより、横側壁30をブロー成形する際、前枠体部36や後枠体部37にしわが発生しにくくなっている。
【0035】
〔別実施形態〕
上記実施形態の如くナット52を埋設する他、ナットに替えてボルトなどのネジ式連結具を埋設するとか、ナットとボルトなどの両方を埋設して構成されるものの場合にも、本発明は適用できる。従って、ナット52、ボルトなどのネジ式連結具を総称してネジ体52と呼称する。
【0036】
前記切り込み溝61を、上記実施形態の如く埋め込み体外径面の埋め込み体高さ方向での2箇所に設ける他、1箇所のみに設けるとか、3ヶ所以上に設けて実施してもよい。また、切り込み溝61を、上記実施形態の如く環状溝にする他、埋め込み体の2辺や3辺のみに設けた非環状の溝にして実施してもよい。
【0037】
エンジンボンネット9の横側壁30の他、樹脂のブロー成形で作成した運転部の操縦塔など各種の樹脂製品の場合にも、本発明は適用できる。従って、横側壁30、操縦塔などを総称して樹脂製ブロー成形品と呼称し、ボンネット本体9aなどを連結対象部材9aとを呼称する。
【0038】
本発明は、コンバインの他、人参や玉ねぎなど各種の作物を収穫対象する収穫機に装備される原動部にも適用できる。したがって、コンバイン、各種の収穫機などを総称して収穫機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】エンジンボンネットの斜視図
【図3】原動部の横断平面図
【図4】原動部の縦断正面図
【図5】横側壁の内面側を示す側面図
【図6】横側壁の上部での横断平面図
【図7】(イ)は、ナット埋設部の正面図、(ロ)は、ナット埋設部の断面図
【図8】(イ)は、インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの底面図、(ロ)は、インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの側面図
【図9】インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの斜視図
【図10】ナットの埋め込み体を備えていない状態での全体の斜視図
【図11】図5のa−a断面矢視図
【図12】図5のb−b断面矢視図
【図13】図5のc−c断面矢視図
【図14】図5のd−d断面矢視図
【符号の説明】
9a 連結対象部材
52 ネジ体
60 埋め込み体
60a 埋め込み体の外径面
61 切り込み溝
61a 切り込み溝の底
62 面取り
【発明の属する技術分野】
本発明は、インサート成形によって埋設されたネジ体によって連結対象部材に対して連結するように構成した樹脂製ブロー成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インサート成形によって埋設された金具を備えた樹脂成形品において、非特許文献1に示される如くインサート金具の埋め込み部にみぞ、ローレット、段付きなどを設け、インサート金具と成形樹脂の連結強度の向上を図る連結技術があった。
【0003】
【非特許文献1】
実用プラスチック事典編集委員会、「実用プラスチック事典」、初版第1刷 1993年5月1日、株式会社産業調査会 事典出版センター、p.748−749、図1−59(a)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記ブロー成形品においては、連結対象部材に対する連結をネジ体によって行なうものであることから、ネジ操作や締め付け連結による回動力や締め付け力がネジ体に掛かる。このため、ネジ体を回動力や締め付け力のためにブロー成形樹脂に対して容易に外れないとか緩まない状態に埋設する必要がある。
ネジ体の樹脂に対する連結面積や抜け出し抵抗が大になるように、ネジ体の樹脂に埋まり込む部分の外径や樹脂に対する係合力を大にすると、ネジ体の樹脂に対する連結強度が向上する。上記した従来の連結技術を採用してこのように連結強度の向上を図ると、ネジ体の樹脂に埋まり込む部分の外径を大きくする必要があることから、ネジ体が大型化していた。ネジ体としては一般に金属製を採用することからネジ体が重くなり、この面から成形品全体が重量化していた。
【0005】
本発明の目的は、ネジ体が大きさの割には強固に連結した樹脂ブロー成形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0007】
〔構成〕
インサート成形によって埋設されたネジ体によって連結対象部材に対して連結するように構成した樹脂製ブロー成形品において、前記ネジ体を、インサート成形前のネジ体に固着されたネジ軸芯方向視で矩形の、かつ樹脂製の埋め込み体を介してブロー成形樹脂に埋設し、
前記埋め込み体に、埋め込み体外径面に設けた切り込み溝、前記切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する埋め込み体角部に設けた面取りを備えてある。
【0008】
〔作用〕
インサート成形前のネジ体に固着された樹脂製の埋め込み体が、ブロー成形樹脂に埋設されてネジ体をブロー成形樹脂に連結している。埋め込み体は、ネジ軸芯方向での矩形のために、及び、外径面の切り込み溝のためにブロー成形樹脂に対して相対回転しにくように、かつ、抜け外れしにくように係合しながら連結している。ブロー成形される樹脂材が前記面取りのために移動抵抗を受けにくくて埋め込み体の周囲や切り込み溝に対して精度よく沿ったり入り込んだりして連結する。これにより、ネジ体は、樹脂に埋まり込む部分の面から比較的小型なものであっても、その大きさの割にはブロー成形樹脂に対して相対回動しにくいように、かつ、抜け外れにくいように強固に係合し合った状態で連結する。
【0009】
〔効果〕
従って、比較的小型のネジ体が回動力や締め付け力のために緩んだり抜け外れたりしにくいように優れた連結強度で連結し、ブロー成形品と連結対象部材の連結が強固に行なえるとともに、その割には、ネジ体面から軽量に得られる。
【0010】
請求項2による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0011】
〔構成〕
請求項1による発明の構成において、前記面取りの大きさが前記切り込み溝の底に至る大きさになっている。
【0012】
〔作用〕
面取りが切り込み溝の底に接触しているものであるから、面取り箇所において、切り込み溝が埋め込み体の底面側に向かって、溝底部分まで露出する状態で露出して、切り込み溝に対してネジ軸芯に沿う方向から樹脂が入り込む入り口が形成される。これにより、ブロー成形される樹脂が切り込み溝に対してよりスムーズに入り込んで連結しやすくなる。
【0013】
〔効果〕
従って、ブロー成形樹脂が切り込み溝により精度よく入り込んだ一層高い連結強度で埋め込み体とブロー成形樹脂が連結し、ブロー成形樹脂によるネジ体の支持をより強固に行なわせてブロー成形品の連結対象部材に対する連結をより一層強固に行なえる。
【0014】
請求項3による発明の構成、作用、効果はつぎのとおりである。
【0015】
〔構成〕
請求項1又は2による発明の構成において、前記切り込み溝を、埋め込み体外径面の埋め込み体高さ方向での複数箇所に設け、前記面取りを、前記複数の切り込み溝のうちの最も埋め込み体底面側に位置する切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する部分に配置してある。
【0016】
〔作用〕
前記複数の切り込み溝、及び、前記配置の面取りを備えるものだから、埋め込み体が複数の切り込み溝のためにより広い連結面を備えるとともにより強い係合力発揮してブロー成形樹脂に連結する。
【0017】
〔効果〕
従って、埋め込み体がブロー成形樹脂に対してより広い連結面やより強い係合力で強固に連結し、ブロー成形樹脂によるネジ体の支持をより強固に行なわせてブロー成形品の連結対象部材に対する連結をより一層強固に行なえる。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1に示すように、クローラ式走行装置1、運転座席2aを有した搭乗型運転部2、運転座席2aの下方に位置する原動部3のそれぞれを備えている自走機体の機体フレーム4の前端側に、植立穀稈を刈取り処理する刈取部5を昇降操作自在に連結し、この刈取部5からの刈取穀稈を脱穀処理する脱穀装置6と、この脱穀装置6からの穀粒を貯留する穀粒タンク7を、自走機体の横方向に並ぶようにして、かつ、穀粒タンク7が原動部の後側に位置するようにして機体フレーム4上に設けて、稲・麦などを収穫するコンバインを構成してある。
【0019】
図1、図4などに示すように、前記原動部3に、出力軸が自走機体の横向きになる姿勢で搭載されたエンジン8、前記運転座席2aを支持する座席支持台に兼用したエンジンボンネット9を設けてある。
【0020】
図2、図3、図4に示すように、前記エンジンボンネット9は、前壁10、後壁20、この後壁20と前記前壁10の上端側どうしにわたって連結しているとともに上面側で前記運転座席2aを支持するように構成してある天井壁22、この天井壁22、前記前壁10、前記後壁20それぞれの機体横外方側の端部にわたって連結しているとともに冷却風供給口46を備えている横側板40のそれぞれで成るボンネット本体9aと、このボンネット本体9aの機体横外方側の端部に内面側が連結している横側壁30とによって構成してある。
【0021】
図3に示すように、前記前壁10は、除塵網11が付いている吸気口12を備えた板金製の外壁板13と、板金製の内壁板14とを両壁板13,14の間に前壁通気路15ができるように組み合わせて成る中空構造の壁に構成してある。
【0022】
図2などに示すように、前記横側壁30に、前枠体部36、後枠体部37、上枠体部32、下枠体部38のそれぞれで囲われた部位に横側壁30の上下方向に並んでいる複数個の吸気口31、上枠体部32の前端側における前下がり傾斜の部分32aが固定ハンドルとして使用されることを可能にする貫通孔33、前記下側2つの吸気口31どうしの間に湾曲状態で位置している湾曲仕切り枠体部34a、前記中間の吸気口31と前記上側の吸気口31及び前記貫通孔33との間に横側壁前後向きに位置している前後向き仕切り枠体部34b、前記上側吸気口31と前記貫通孔33との間に横側壁上下向きに位置している上下向き仕切り枠体部34cのそれぞれを備えてある。
【0023】
図3などに示すように、横側壁30の下端側における前記2つの外向き吸気口31の内側にわたって位置するように配置して横側壁30の内部に取付けた吸気調整板41と、ボンネット本体9aの前記横側板40とによってこれらの間に横壁通気路42を形成してある。横側板40の前部に、前記前壁通気路15と横壁通気路42とを連通させている前開口43を設けてある。図4に示すように、横側壁30の上端側部分の内面側(ボンネット本体9aに向いている方の側面がわ)に、除塵具48が付いている内向き吸気口39を設けるとともに、この内向き吸気口39、及び、横側壁30の上端側部分の外面側(機体横外方側に向いている方の側面がわ)に位置しているとともに除塵具48が付いている前記外向き吸気口31は、図6の如く前記後枠体部37の上端側部分37aと、前記上下向き仕切り枠体部34cと、前記前後向き仕切り枠体部34bのうちの前端側部分よりも厚さが薄い後端側部分34dとによって横側壁30の内部に形成した通気路49によって前記横壁通気路42の上端側に連通させてある。これにより、前記内向き吸気口39及び前記外向き吸気口31は、横側板40の冷却風供給口46を介してボンネット本体9aの内部に連通している。吸気調整板41は、多数の貫通孔を備えており、この貫通孔の配置や大きさの作用により、エンジン冷却ラジエータ45とエンジン8との間に位置する冷却ファン47(図3)が発揮する吸気圧を横側壁30の下端側部分における2つの吸気口31だけでなく、上端側部分の外向き吸気口31及び内向き吸気口39にも、さらに、前壁10の吸気口12にも及ぶように調節する。横側壁30の下端側部分における2つの吸気口31に、多数の通気用貫通孔を備えた板金で成る除塵具48を装着してある。
【0024】
つまり、エンジンボンネット9は、ボンネット本体9aと横側壁30とによってエンジン8の前方、上方、後方及び機体横外方側のそれぞれを覆い、横側壁30の各外向き吸気口31及び内向き吸気口39、ボンネット本体9aの前壁10の前向き吸気口12のそれぞれからエンジン冷却風をエンジン冷却ラジエータ45に供給するようにしてある。
すなわち、前記冷却ファン47がエンジン8によって回転駆動されて発揮する吸引作用により、エンジンボンネット外の空気が横側壁30の下端側部分における2つの外向き吸気口31から吸気調整板41の貫通孔を通して横壁通気路42に冷却風として吸引され、横側板40の冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。これとともに、エンジンボンネット外の空気がボンネット本体9aの前壁10の前向き吸気口12から前壁通気路15に冷却風として吸引されるとともにこの前壁通気路15から横側板40の前開口43を通して横壁通気路42に吸引され、横側壁30の下側2つの外向き吸気口31からの冷却風に合流させて冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。さらに、エンジンボンネット外の空気が横側壁30の上端側部分の外向き吸気口31と内向き吸気口39と両吸気口31,39の除塵具48どうしの間に冷却風として吸引されるとともにこの部位から前記通気路49を通して横壁通気路42に吸引され、横側壁30の下端側部分における2つの外向き吸気口31及び前壁10の前向き吸気口12からの冷却風に合流させて冷却風供給口46からエンジン冷却ラジエータ45に供給される。
【0025】
前記横側壁30は、樹脂材をブロー成形することにより、図3、図4、図6に示す如き中空構造を備えた中空樹脂壁に構成してある。すなわち、前記仕切り枠体部34c、前記前枠体部36、前記後枠体部37、前記上枠体部32、前記下枠体部38、前記湾曲仕切り枠体部34a、前記前後向き仕切り枠体部34bのそれぞれが中空になった状態に樹脂材をブロー成形して作製してある。
【0026】
図5に示すように、横側壁30の内面側に、横側壁30の上下及び前後方向に並ぶように配置した状態で、前枠体部36の内側壁36aと後枠体部37の内側壁37bと前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eとに分散させて取付けた複数個のナット52を設け、横側壁30は、前記複数個のナット52と、各ナット52に装着した図6の如き連結ボルト53とによる締め付け力によって前記ボンネット本体9aに対して締め付け連結してある。
すなわち、図4、図6の如くボンネット本体9aの前記天井壁22の横端部の外面側に折り曲げ板金を付設して設けた横側壁支持部55に対して前後向き仕切り枠体部34b及び後枠体部37を前記ナット52と連結ボルト53とによって締め付け連結してある。この他、ボンネット本体9aの前記横側板40に対して前枠体部36及び前記後枠体部37を前記ナット52と連結ボルト53とによって締め付け連結してある。
【0027】
前記各ナット52は、図7、図8などに示す埋め込み体60を備えた連結構造に基づいて、かつ、横側壁30をブロー成形する際にこのブロー成形の金型に装着しておいて横側壁30の所定の取り付け部位に埋め込むというインサート成形を採用することにより、所定の取り付け部位に取り付けてある。
【0028】
すなわち、図10などに示すように、ナット52は、金属製のナットであり、かつ、ネジ軸芯に添う方向視で矩形の回り止めフランジ52aをネジ軸芯方向での一端側に一体成形して備えさせたフンランジ付きナットにしてある。
【0029】
前記埋め込み体60は、横側壁30をブロー成形する際、横側壁30を構成する樹脂材の温度や圧力によって変形しないように横側壁30を構成している樹脂材とは異なる材質を備えた樹脂材で作製してある。埋め込み体60を成形する際、ナット52をインサートして成形してある。これにより、埋め込み体60は、横側壁30にインサート成形される前のナット52に対して図8、図9に示す如き連結状態で固着されている。すなわち、ナット52の回り止めフランジ52aが埋め込み体60に埋まり込み、回り止めフランジ52aの矩形のために、埋め込み体60とナット52が相対回転不能に係合し合う状態で固着されている。
【0030】
埋め込み体60は、図8、図9に示す如き状態に作製してある。
すなわち、埋め込み体60のナット52ネジ軸芯に沿う方向視での形状が、ナット52の前記回り止めフランジ52aと相似した矩形で、かつ、四辺のいずれもがナット52の回り止めフランジ52aの辺よりやや大きい矩形になった状態に作製してある。つまり、埋め込み体60がブロー成形樹脂に埋め込まれると、外周形状が矩形であることとにより、かつ、ナット52の回り止めフランジ52aより大きい外径を備えていることとにより、ナット52に回動力が掛かっても、この回動力で横側壁30に対して容易には相対回動しないようにブロー成形樹脂と係合し合う状態に作製してある。
【0031】
埋め込み体60の外径面60aの埋め込み体高さ方向での2箇所に切り込み溝61を備え状態に、かつ、各切り込み溝61が、埋め込み体60の全周囲にわたる環状の切り込み溝になった状態に作製してある。つまり、埋め込み体60がブロー成形樹脂に埋め込まれると、各切り込み溝61に樹脂が入り込んで各切り込み溝61が引っ張り力に対する抵抗溝になり、ナット52に締め付け力が掛かっても、この締め付けによる引っ張り力のために横側壁30から容易に抜け外れないようにブロー成形樹脂と係合し合う状態に作製してある。
【0032】
埋め込み体60の4つの角部それぞれに面取り62を備えた状態に、かつ、4つの角部それぞれに位置する面取り62が、埋め込み体60の角部のうち、前記2本の切り込み溝61のうちの最も埋め込み体底面側に位置する切り込み溝61よりも埋め込み体底面側に位置する部分に配置された状態に作製してある。さらに、図8(イ)に示す如く前記4つの角部それぞれの面取り62の大きさ62aを、面取り62が前記最も埋め込み体底面側に位置する切込み溝61の底61aに接触するに足る大きさにした状態に作製してある。つまり、各面取り箇所において、切り込み溝61が埋め込み体60の底面側に向かって、溝底部分まで露出する状態で露出して、切り込み溝61に対してネジ軸芯に沿う方向から樹脂が入り込む入り口が形成される状態に作製してある。
【0033】
要するに、横側壁30をブロー成形する際、ナット52をこれに既に固着されている埋め込み体60と共に埋め込み体60の底面60bがブロー成形金型の内部に向かう取り付け向きにしてブロー成形金型の所定の部位に装着しておいて成形し、埋め込み体60を横側壁30における前枠体部36の内側壁36a、後枠体部37の内側壁37a、前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eを構成するようにブロー成形される樹脂材を埋め込み体60の底面60b及び外径面60aや切り込み溝61に沿わせるとか入り込ませて連結させ、ナット52を、これの取り付けるべき部位である前枠体部36の内側壁36a、後枠体部37の内側壁37b、前後向き仕切り枠体部34bの内側壁34eを構成しているブロー成形樹脂に埋め込み体60を介して埋設してある。
【0034】
図5、図11〜図14に示すように、横側壁30の内面側の後枠体部37に沿う部分の上下2箇所、前枠体部36に沿う部分の上下2箇所、下枠体部38に沿った部分、上下仕切り枠部34cに沿った部分のそれぞれに、前記吸気調整板41を載置して締め付け連結する台座部67を、横側壁30の前記除塵具48を支持する除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出するように形成した状態でブロー成形して設けてある。前記前枠体部36の前記上下の台座部67の間に前枠体部36の上下方向に並ぶ複数個の前支持台座68を、前記後枠体部37の前記上下の台座部67の間に後枠体部37の上下方向に並ぶ複数個の後支持台座69をそれぞれブロー成形して設けてある。前支持台座68は、前記各台座部67と同様に、前記除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出しており、前記吸気調整板41を組みける際の位置決めガイドを行なうように、かつ、吸気調整板41の前端側を受け止め支持するようになっており、さらに、前枠体部36を補強するリブになっている。前記後支持台座69は、前記各台座部67と同様に、前記除塵具取付け面66より横側壁内面側に突出しており、前記吸気調整板41を組みける際の位置決めガイドを行なうように、かつ、吸気調整板41の後端側を受け止め支持するようになっており、さらに、後枠体部37を補強するリブになっている。また、前支持台座68及び後支持台座69が存在することにより、横側壁30をブロー成形する際、前枠体部36や後枠体部37にしわが発生しにくくなっている。
【0035】
〔別実施形態〕
上記実施形態の如くナット52を埋設する他、ナットに替えてボルトなどのネジ式連結具を埋設するとか、ナットとボルトなどの両方を埋設して構成されるものの場合にも、本発明は適用できる。従って、ナット52、ボルトなどのネジ式連結具を総称してネジ体52と呼称する。
【0036】
前記切り込み溝61を、上記実施形態の如く埋め込み体外径面の埋め込み体高さ方向での2箇所に設ける他、1箇所のみに設けるとか、3ヶ所以上に設けて実施してもよい。また、切り込み溝61を、上記実施形態の如く環状溝にする他、埋め込み体の2辺や3辺のみに設けた非環状の溝にして実施してもよい。
【0037】
エンジンボンネット9の横側壁30の他、樹脂のブロー成形で作成した運転部の操縦塔など各種の樹脂製品の場合にも、本発明は適用できる。従って、横側壁30、操縦塔などを総称して樹脂製ブロー成形品と呼称し、ボンネット本体9aなどを連結対象部材9aとを呼称する。
【0038】
本発明は、コンバインの他、人参や玉ねぎなど各種の作物を収穫対象する収穫機に装備される原動部にも適用できる。したがって、コンバイン、各種の収穫機などを総称して収穫機と呼称する。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバイン全体の側面図
【図2】エンジンボンネットの斜視図
【図3】原動部の横断平面図
【図4】原動部の縦断正面図
【図5】横側壁の内面側を示す側面図
【図6】横側壁の上部での横断平面図
【図7】(イ)は、ナット埋設部の正面図、(ロ)は、ナット埋設部の断面図
【図8】(イ)は、インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの底面図、(ロ)は、インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの側面図
【図9】インサート成形前の埋め込み体を備えたナットの斜視図
【図10】ナットの埋め込み体を備えていない状態での全体の斜視図
【図11】図5のa−a断面矢視図
【図12】図5のb−b断面矢視図
【図13】図5のc−c断面矢視図
【図14】図5のd−d断面矢視図
【符号の説明】
9a 連結対象部材
52 ネジ体
60 埋め込み体
60a 埋め込み体の外径面
61 切り込み溝
61a 切り込み溝の底
62 面取り
Claims (3)
- インサート成形によって埋設されたネジ体によって連結対象部材に対して連結するように構成した樹脂製ブロー成形品であって、
前記ネジ体を、インサート成形前のネジ体に固着されたネジ軸芯方向視で矩形の、かつ樹脂製の埋め込み体を介してブロー成形樹脂に埋設し、
前記埋め込み体に、埋め込み体外径面に設けた切り込み溝、前記切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する埋め込み体角部に設けた面取りを備えてある樹脂製ブロー成形品。 - 前記面取りが前記切り込み溝の底に接触している請求項1記載の樹脂製ブロー成形品。
- 前記切り込み溝を、埋め込み体外径面の埋め込み体高さ方向での複数箇所に設け、前記面取りを、前記複数の切り込み溝のうちの最も埋め込み体底面側に位置する切り込み溝より埋め込み体底面側に位置する部分に配置してある請求項1又は2記載の樹脂製ブロー成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003055901A JP2004262132A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 樹脂製ブロー成形品 |
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JP2003055901A JP2004262132A (ja) | 2003-03-03 | 2003-03-03 | 樹脂製ブロー成形品 |
Publications (1)
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JP2004262132A true JP2004262132A (ja) | 2004-09-24 |
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JP (1) | JP2004262132A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007196493A (ja) * | 2006-01-26 | 2007-08-09 | Honda Motor Co Ltd | ブロー成形体の部品接合構造 |
JP7465198B2 (ja) | 2020-11-13 | 2024-04-10 | 株式会社ジェイエスピー | 複合成形体及び車両用ステップ |
-
2003
- 2003-03-03 JP JP2003055901A patent/JP2004262132A/ja active Pending
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