JP2004261890A - 可変ピッチワーク供給ユニット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーム1と保持部4からなるハンドにおいて、アーム1の端部に回転自在に軸支持された中心部から径方向に延在するカム溝を持つ板5と前記カム溝に係合するカムローラ2及び径方向の運動を可動とする案内部材6から構成し、前記カム溝を持つ板5を回転させると、前記カム溝に係合している前記カムローラ2と前記案内部材6により複数の前記ワーク保持部4が同時に同心円を保ちつつ、移動することにより、治具交換作業をなくし、品種切り替え時間を大幅に短縮する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に自動車部品であるクラッチディスクの複数の孔に複数のリベットを同時に供給するリベット供給ユニットに係わる。
【0002】
【従来の技術】
従来のリベット供給ユニットについて図4を参照しながら説明する。アーム101は回転軸を支点として支持されており、スイングしてリベット供給装置102上方とワーク供給装置103上に位置決めされたクラッチディスク104の上方を往復し、その先端には保持部105が締結されハンド106を構成している。リベット107は、リベット供給装置102により円周上に所定の間隔をおいて複数個配置される。円周上に孔が開いているクラッチディスク104はワーク供給装置103のコンベヤ108上を移送され、所定の位置に位置決めされる。
【0003】
以上のように構成されたリベット供給ユニット109において、まず、アーム101がリベット供給装置102の上方に旋回移動し保持部105にて複数のリベット107を同時に保持する。次にアーム101を旋回移動させることにより、リベット107を位置決めされたクラッチディスク104上に移送し、保持を開放してリベット107をクラッチディスク104の所要の孔に供給する。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−77564
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなリベット供給ユニットの構成では孔の間隔を表すピッチ円の直径が異なるワーク(クラッチディスク)が変更された際、アーム先端の保持部(治具)の位置を調整するためには保持部(治具)の取り替え作業が発生する。同様にリベット供給装置の治具の取替え作業も発生し多くの時間を費やす。また、多品種少量生産となると保持部(治具)が増え、保管スペースが増すという問題があった。
【0006】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ワーク品種の切り替えによる保持部(治具)の取り替え作業を廃止して、さらに、切り替え時間を短時間にし、すなわち段取り時間を短くし、生産性を大幅に向上するリベット供給ユニットを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した技術的課題を解決するために請求項1の発明において講じた技術的手段は、固定部材を所定の位置に配置する固定部材供給手段と、ワークを所定の位置に移送し位置決めするワーク移送手段と、可動自在に支持されたアームに配設された保持部からなるハンドから構成され、前記ワークに開けられた固定部分に前記固定部材を供給するワーク供給ユニットにおいて、前記アーム端部に前記保持部の位置調整手段を備えたことであり、孔の間隔を表すピッチ円の直径が異なるワーク(クラッチディスク)が変更された際、アーム先端の保持部(治具)の間隔を調整するための保持部(治具)の取り替え作業が廃止できる。
【0008】
次に、請求項2の発明において講じた技術的手段は、前記保持部の位置調整手段が前記アーム端部に回転自在に軸支持された中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板と前記カム溝に係合するカムローラ及び前記回転軸に対して径方向の運動を可動とする案内部材を備える前記保持部から構成されることである。前記カム溝を持つ板を回転させると前記カム溝に係合している前記カムローラが前記カム溝に沿って動こうとするが、前記カムローラを備えている前記保持部が備えられた案内部材により前記回転軸に対して、回転方向の運動を阻止されるため、径方向のみ移動することになる。これから、カム溝をもつ板を回転させることにより、複数の保持部を同時に径方向に移動させることができる。
【0009】
さらに、請求項3の発明において講じた技術的手段は、前記中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板において、前記カム溝の形状が、前記カム溝をもつ板が所定の回転角度の時に前記カムローラと前記カム溝の接点での圧力角が、前記カム溝を持つ板の中心部から径方向にむかって、大きくなる渦状の溝を形成していることであり、前記カムローラ(前記保持部)が外径側に位置するに従って増加する前記カム溝から接点にて受ける力の回転方向成分を小さくできるので、前記回転軸周りのモーメント量の増加(回転トルクの増加)を抑制することができる。そのため、後述するモータに負担をかけることなくモータの回転により滑らかに保持部を所要の位置に変位させることが出来る。
【0010】
また、請求項4の発明において講じた技術的手段は、前記中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板の回転駆動手段はモータであることであり、電気的に前記カム溝を持つ板の回転角度が制御できるようになる。すなわち、前記保持部の位置が制御できるようになり、ワーク(クラッチディスク)が変更された際の段取り時間が大幅に短縮できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可変ピッチワーク供給ユニットの実施形態をリベット供給装置を一例として、図面を参照して説明する。図1は本実施例の主要部の一部断面図であり保持部4について簡略化されている。図2は実施例の可変ピッチハンド部の断面図である。まず、主要部を説明するため図1を用いて説明する。1はアームで、その先端に本発明の主要部を構成するカムローラ2とカムローラ2回転方向の運動を阻止する案内部材の一側であるスライド部3を備えた保持部4がアーム1の端部において図1上で左右方向に移動可能に配設されている。また、アーム1と保持部4の間には後に説明する、カム溝として中心部から渦状に8つのカム溝を持つ板5及び、スライド部3と当接するガイド部6が配設され、可変ピッチ機構7を構成する。なお、図1では、可変ピッチ機構7が1つのみ示されているが、可変ピッチ機構7は本実施例では円周上に8つ配設されている。
【0012】
次に図2を用いて説明する。カム溝を持つ板5は軸受け9に回転自在に軸支された回転軸10に固定され、回転軸10および軸受け9を介して第2プレート8に軸支されている。そして回転軸10は、第1プーリ11と一体回転可能に連結されており、第1プーリ11はベルト12を介して、第2プーリ13と一体的に回転し第2プーリ13はステッピングモータ14により回転可能に連結されている。
【0013】
図3はカム溝を持つ板5の実施例で、8つのカム溝5aは中心部から径方向へ所定の曲率を持ちながら渦状に広がる。
【0014】
保持部4はノズル15とノズル15に接続されている負圧力源16から基本的に構成され、カム溝5aに係合してカム溝を持つ板5の径方向に実質的にスライドするカムローラ2及びスライド部3を備えている。また、シリンダ17を介してアーム1に固定されている第2プレート8は上部プレート8aと中部プレート8bと下部プレート8cからなりそれぞれ第1カラー8d、第2カラー8eを介して固定され、中部プレート8bと下部プレート8cの間にカム溝を持つ板5を挟んで構成されている。第2プレート8の下部プレート8cには前記回転軸10に対して放射状にガイド部6が8個配設されており、このガイド部6に沿ってスライド部3は案内される。これにより、カム溝を持つ板5が回転するとカム溝5aに係合しているカムローラ2がカム溝5aに沿って動こうとするが、カムローラ2を備えている保持部4がスライド部3とアーム1に固定されている第2プレート8に固定されたガイド部6の案内により前記回転軸に対して、回転方向の運動を阻止されるため等間隔でカム面に沿ってスライドすることになり、実質的に保持部4の半径方向の位置調節をおこなうことができる。
【0015】
さらに、可変ピッチ機構7および保持部4のアーム1の軸方向への伸縮手段として機能するシリンダ17はアーム1に固定された第1プレート18に図示しないボルトによって固定され、シリンダ17のロッドは第2プレート8に締結されている。また、第2プレート8に締結された上下スライド部19は可変ピッチ機構7および保持部4のアーム1の軸方向への伸縮の案内手段であり、第1プレートに摺動可能に軸通しており、シリンダ17が伸縮すると第1プレート18より先端部がアーム1の長手方向に伸縮する。
【0016】
本実施例のリベット供給ユニットの動作を説明する。まず、アーム1がリベット供給装置(図4で説明したリベット供給装置と同様)上方に旋回移動し、シリンダ17が下方に伸張し、ノズル15はリベット20を負圧により吸着保持する。このとき、保持部4は、ステッピングモータ14による複数のカム溝を持つ板5の回転駆動により、前記作動原理に従い、リベット供給装置の所定の位置に配置されたリベット20の位置と同じ位置に変位する。一方、ワーク供給装置(本実施例の場合、クラッチディスクが供給される)にはクラッチフェーシング部材が配設されたクラッチディスクが供給されている。保持部4がリベット20を吸着した後には、シリンダ17が収縮し、引き続いてアーム1がクラッチディスク21上方に旋回移動する。このとき、前記と同様にステッピングモータ14によるカム溝を持つ板5の回転により、保持部4はクラッチディスク21に開けられた孔のピッチに等しく変位して調整する。その後、前記シリンダ17が伸張し、保持部4が下方に移動し、吸着圧力を負圧から正圧にして吸着を開放することにより複数のリベット20をクラッチディスク21の複数の孔に同時に供給する。
【0017】
また、保持部4のピッチ変位の際、カムローラ2はカム溝5aに係合しているため、カムローラ2が外径側に移動するとき図3に示すようにカム溝5aとの接点から力Fを受ける。このときの回転方向成分Frがカム溝をもつ板5の必要回転トルクと比例するため、カム溝を持つ板5の各回転角度における回転必要トルクが一定であることが好ましい。本実施例では、カム溝5aは接点での圧力角αが外径側にいくに従って、大きくなるように渦状をしているため外側ほどFrの値は小さくなる。このため、カム溝を持つ板5の最大必要回転トルクが抑えられているため、駆動力が小さいステッピングモータ14であっても滑らかに保持部4の可変ピッチを制御することが可能である。
【0018】
本実施例においては、自動車部品であるクラッチディスクの複数の孔にリベットを供給するものついて説明したが、部材を複数の孔に同時に供給する他の場合について保持機構の変更で容易に応用可能であることは自明である。また、カム溝を持つ板の回転駆動源として、本実施ではステッピングモータを採用したが、他のアクチュエータで代替することも可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、固定部材を所定の位置に配置する固定部材供給手段と、ワークを所定の位置に移送し位置決めするワーク移送手段と、アーム及び保持部から成りハンドとから構成され、ワークに開けられた固定部分に固定部材を供給するワーク供給ユニットにおいて、前記アームの端部に回転自在に軸支持された中心部から径方向に延在するカム溝を持つ板と前記カム溝に係合するカムローラ及び前記回転軸に対して径方向の運動を可動とする案内部材を備える前記保持部から構成されるので、前記カム溝を持つ板を回転させると前記カム溝に係合している前記カムローラが前記カム溝に沿って動こうとするが、前記カムローラを備えている前記保持部が備えられた前記案内部材であるスライド部材とアーム端部に固定されたガイド部材により前記回転軸に対して、回転方向の運動を阻止されるため、径方向の移動をすることになる。これから、前記カム溝を持つ板を回転させることにより、複数の前記保持部において同心円を保ちつつ径方向に任意に移動させることができるので、ワークの切り替えによる治具の取り替え作業をなくす事ができる。このため、従来では製品の仕様(この場合孔の開けられた直径)が変更される毎に固定部材の保持部を変更することを余儀なくされていたが、この作業を廃止することができたため、製品の生産性を格段に向上することができるようになった。
【0020】
また、前記カム溝を持つ板の回転角度をモータで制御することにより、前記保持部の円周位置が制御可能となり、品種切り替えの時間が電気的な変更のみで実現でき、切り替え時間を大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる可変ピッチワーク供給ユニットの主要部の断面図である。
【図2】本発明の実施形態であるワーク供給装置ユニットの主要部の断面図である。
【図3】本発明に係わる可変ピッチ機構を構成する主要部品の平面図である。
【図4】従来技術によるワーク供給ユニットの外観図である。
【符号の説明】
1 アーム
2 カムローラ
3 スライド部
4 保持部
5 カム溝を持つ板
6 ガイド部
Claims (4)
- 固定部材を所定の位置に配置する固定部材供給手段と、ワークを所定の位置に移送し位置決めするワーク移送手段と、可動自在に支持されたアーム上に配設された保持部からなるハンドから構成され、前記ワークに開けられた固定部分に前記固定部材を供給するワーク供給ユニットにおいて、前記アーム端部に前記保持部の位置調整手段を備えたことを特徴とする可変ピッチワーク供給ユニット。
- 前記保持部の位置調整手段が前記アーム端部に回転自在に軸支持された中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板と前記カム溝に係合するカムローラ及び前記回転軸に対して径方向の運動を可動とする案内部材を備える前記保持部から構成されることを特徴とする請求項1記載の可変ピッチワーク供給ユニット。
- 前記中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板において、前記カム溝の形状が、所定の前記カム溝を持つ板の回転角度の時に前記カムローラと前記カム溝の接点での圧力角が、前記板の中心部から径方向にむかって、大きくなる渦状の溝を形成していることを特徴とする請求項2に記載の可変ピッチワーク供給ユニット。
- 前記中心部から径方向へ延在するカム溝を持つ板の回転駆動手段はモータである請求項2または3に記載の可変ピッチワーク供給ユニット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003052590A JP2004261890A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 可変ピッチワーク供給ユニット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003052590A JP2004261890A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 可変ピッチワーク供給ユニット |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004261890A true JP2004261890A (ja) | 2004-09-24 |
Family
ID=33117429
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003052590A Pending JP2004261890A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 可変ピッチワーク供給ユニット |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004261890A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014052052A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Casio Electronics Co Ltd | 回動部材およびそれを備えた画像形成装置 |
CN109940644A (zh) * | 2017-12-21 | 2019-06-28 | 沈阳新松机器人自动化股份有限公司 | 一种通用旋转定心夹具 |
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2003
- 2003-02-28 JP JP2003052590A patent/JP2004261890A/ja active Pending
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JP2014052052A (ja) * | 2012-09-07 | 2014-03-20 | Casio Electronics Co Ltd | 回動部材およびそれを備えた画像形成装置 |
CN109940644A (zh) * | 2017-12-21 | 2019-06-28 | 沈阳新松机器人自动化股份有限公司 | 一种通用旋转定心夹具 |
CN109940644B (zh) * | 2017-12-21 | 2022-02-11 | 沈阳新松机器人自动化股份有限公司 | 一种通用旋转定心夹具 |
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