JP2004260483A - 画像変換システム、画像変換方法及び画像変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1台の撮像装置で車両の周囲を広範囲にわたり撮像する。
【解決手段】車両Sの後方に取り付けられた撮像装置12は、曲面鏡及び撮像部で構成され、曲面鏡は広範囲の光が反射される曲率の反射面を有する。曲面鏡は、反射面を車両Sの後方に向けて車両に取り付けられており、曲面鏡により反射された光の像を撮像部で撮像する。撮像装置12は通信バス13により画像処理装置14に接続されており、画像処理装置14は、撮像装置12が撮像した画像の歪みを、歪み補正情報を有するテーブルに基づいて補正することにより表示用画像を得る。
【選択図】 図1
【解決手段】車両Sの後方に取り付けられた撮像装置12は、曲面鏡及び撮像部で構成され、曲面鏡は広範囲の光が反射される曲率の反射面を有する。曲面鏡は、反射面を車両Sの後方に向けて車両に取り付けられており、曲面鏡により反射された光の像を撮像部で撮像する。撮像装置12は通信バス13により画像処理装置14に接続されており、画像処理装置14は、撮像装置12が撮像した画像の歪みを、歪み補正情報を有するテーブルに基づいて補正することにより表示用画像を得る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用の撮像装置が撮像した広角の画像をモニタ装置に適切に表示できるように変換を行う画像変換システム、画像変換方法及び画像変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の前部、後部等に車外撮像用のカメラを設置すると共に、これら各カメラを画像信号ケーブルで車内に設置したモニタ装置へ接続し、カメラが撮像した画像を車内のモニタ装置で表示するようにしたシステムが存在する。
【0003】
図8は、従来の車外撮像システム1におけるカメラの取付例を示している。CCDカメラである第1カメラ2Aは車両Sの長手方向に対して左斜めに傾けた状態で車両Sの後方に取り付けられると共に、第2カメラ2Bは右斜めに傾けた状態で車両Sの後方に取り付けられている。各カメラ2A、2Bの撮像角度は約100度であり、各カメラ2A、2Bを組み合わせることで、車両Sの後方を約170度にわたり撮像可能にしている。
【0004】
各カメラ2A、2Bは、車両内に配索された情報系の通信バス3を介して画像処理装置4と接続されており、この画像処理装置4に画像の表示を行うモニタ装置5を接続している。画像処理装置4は、各カメラ2A、2Bが撮像した各画像を組み合わせて表示用画像を生成する処理を行い、生成した表示用画像をモニタ装置5で表示する。よって、車両Sの運転者はモニタ装置5の画面を見ることで、車両後方の約170度の範囲を確認できる。
なお、車両の外方を撮像して車内のモニタ装置で表示するシステムに関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−219783号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車外撮像システム1では、車両の後方を広範囲に撮像する場合、2台のカメラ2A、2Bを適切な角度で車両Sに取り付ける必要があったため、取付に係る手間が多大であると共に、通信バス3の配索及び接続作業等も複雑にしていたと云う問題がある。また、2台のカメラ2A、2Bを用いることでシステム構築費用が上昇すると云う問題もある。
【0007】
さらに、各カメラ2A、2Bによる撮像範囲は、各カメラ2A、2Bの撮像範囲が重なる中央に死角部分(図中ハッチングで示す)が生じるため、各カメラ2A、2Bを組み合わせた表示用画像も不自然な部分が生じる問題がある。なお、上述した問題に対しては、広角レンズを有する1台のカメラを使用することも想定できるが、広角レンズの撮像範囲は最大でも110度程度なので、約170度に至る範囲の画像を得ることができず、車両後方の広範囲を撮像するような態様には適用できないのが実情である。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、曲面鏡による反射された像を撮像することで、1台のカメラで広範囲を撮像可能にすると共に、曲面鏡により生じる歪みを画像処理装置で補正することで適正な表示用画像を得るようにした画像変換システム、画像変換方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る画像変換システムは、撮像した画像を送出する車載用の撮像装置と、該撮像装置に接続してあり、送出された画像を表示用画像に変換する画像変換装置とを備える画像変換システムにおいて、前記撮像装置は、曲面鏡と、該曲面鏡で反射された像を撮像する撮像手段とを備え、前記画像変換装置は、撮像された画像の前記曲面鏡による歪みの補正を行う補正手段を備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る画像変換システムは、前記画像変換装置は更に、画像の画素毎に対応した歪み補正情報を有するテーブルを備え、前記補正手段は、前記テーブルに基づいて、歪みの補正を行うことを特徴とする。
第3発明に係る画像変換システムは、前記画像変換装置は更に、前記歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換する画像変換手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る画像変換方法は、車載用の撮像装置が撮像した画像を送出し、該撮像装置に接続された画像変換装置が送出された画像を表示用画像に変換する画像変換方法において、前記撮像装置は、曲面鏡を備えており、該曲面鏡で反射された像を撮像し、前記画像変換装置は、撮像された画像の前記曲面鏡による歪みを補正することを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る画像変換装置は、外部から受け付けた画像を表示用画像に変換する画像変換装置において、前記画像の画素に対応した歪み補正情報を有するテーブルと、該テーブルに基づいて画像の歪みを補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第1発明及び第4発明にあっては、撮像装置が曲面鏡を備えると共に曲面鏡で反射した像を撮像するので、1台の撮像装置で広範囲の撮像を実現できる。撮像可能範囲は曲面鏡の曲率に依存しており、要求される撮像範囲に応じた曲率を有する曲面鏡を撮像装置が備えることで、車両外方の所要範囲を撮像できる。また、曲面鏡の反射像を撮像することで、撮像画像には歪みが生じるが、画像変換装置で歪み補正処理を行うので、モニタ装置のような表示装置の画面には歪みが補正された画像を表示できる。
【0014】
第2発明にあっては、画像変換装置が歪み補正情報を有するテーブルを備えるので、テーブルに基づいた歪み補正処理が可能となり、画像変換装置における変換処理効率を向上でき、撮像から表示までをスムーズに行うことができる。
第3発明にあっては、歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換するので、撮像した範囲における車両の状況を的確に把握しやすい画像を得ることができる。
【0015】
第5発明にあっては、外部から受け付けた画像に対して、歪み補正情報を有するテーブルに基づいて歪みの補正を行うので、受け付けた画像が歪んでいる場合でも歪みを補正した表示用画像を容易に得ることができ、この表示用画像をモニタ装置のような表示装置の画面で表示すれば、自然な画像を車両の運転者は見ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像変換システム10の全体的な構成を示している。画像変換システム10は、車両Sの後方に撮像装置12を取り付けると共に、車内に配索された情報系の通信バス13で画像処理装置14に撮像装置12を接続している。また、画像処理装置14にはモニタ装置15を接続し、画像処理装置14で処理した表示用画像をモニタ装置15の画面で表示するようにしている。なお、通信バス13は、図示していないが、他の情報系の機器も接続すると共に、端末にゲートウェイ装置を接続しており、このゲートウェイ装置を介して車体系及び制御系等の他の系統の通信バスとも接続している。
【0017】
本実施形態で適用される撮像装置12は、図2に示すように、反射面17aが曲面である曲面鏡17及び曲面鏡17で反射された光kによる像を撮像するCCDカメラで形成された撮像部16で構成されている。撮像装置12は、曲面鏡17の反射面17aが車両Sの外方へ向くように車両Sに取り付けられており、広範囲の光が万遍なく反射されるようにしている。また、撮像部16の撮像レンズ16aは曲面鏡17の反射面17aに対向するため、車両Sの方を向いている。なお、図1、2では、撮像装置12の撮像方向(撮像レンズの光軸方向)をZ軸方向にしており、車両Sの幅方向をX軸方向にしている。
【0018】
また、車両Sの後部側方からの概略図である図3に示すように、撮像装置12は車両Sの後方上端より斜め後方に向けて取り付けられており、撮像部16の撮像方向(Z軸方向)に対する地面Gの対する角度をθ1にしている。なお、図3では、車両Sの全長方向をY軸方向にすると共に、Y軸及びZ軸を通る平面上でZ軸方向に直交する方向を、Y′軸方向にしている。このY′軸方向のY軸方向に対する角度はθ2であり、角度θ1及び角度θ2は、θ1+θ2=90度の関係が成立している。
【0019】
本実施形態における撮像装置12の曲面鏡17は、図1に示すように、撮像範囲が180度を越えるように反射面17aの曲率が定めてあり、反射面17aの曲線形状は、図2に示すXZ平面上では、以下の数式で表現できる。
【0020】
【数1】
【0021】
式(1)の任意数a、bは、撮像範囲が170度になるように定められる数であり、a2 +b2 =c2 の関係が成立する。なお、cは曲面鏡17の焦点距離であり、撮像部16は、曲面鏡17で反射した光kの交点Tから、Z軸上で曲面鏡17とは反対側へ焦点距離cだけ離れた位置に実際的な撮像を行うCCD部(図示せず)が位置するように配置される。撮像装置12は、このように配置されることで、各々が直交して交わるX軸、Y′軸及びZ軸で形成される撮像に係る光学系に対応することになり、これらの座標軸で反射された光kを撮像した画像の各画素が入力画素になり、死角の無い広範囲の撮像画像を得ることができる。
【0022】
また、図3に示すように想像装置12は、撮像部16における反射された光Kの交点Tが地面Gより距離hとなる高さで取り付けられており、Z軸方向における地面Gから撮像部16における交点Tまでの距離はHとなり、h及びHは、以下の関係が成立する。
H=h/sinθ1・・・(2)
【0023】
なお、図2に示すように、撮像装置12は、撮像部16に通信バス13との接続用の通信インタフェース部18を設けており、撮像部16で撮像された画像は、通信バス13を通じて画像処理装置14へ送出(送信)される。また、撮像装置12及び通信バス13は、通信インタフェース部18で接続されるだけなので、従来に比べて、通信バス13の接続及び配索に係る手間が削減されている。
【0024】
図4に示す画像処理装置14は、撮像装置12から送信された画像を表示用画像に変換する装置に該当し、通信インタフェース14a、マイコン14b、画像処理ASIC(Application Specific IC)14c、テーブル用メモリ14d、フレームメモリ14e、モニタインタフェース14f及び操作部14gを設けている。
【0025】
通信インタフェース14aは通信バス13と接続されて、通信バス13に対して各種信号の送受信を行うものであり、撮像装置12から送信された画像の受信も行う。マイコン14bは、内部に記憶されているプログラム、又は、操作部14gの入力操作に従い各種制御及び処理を行う。例えば、図示していないバックギアのギアセンサからバックギアに入った旨の信号を受け付けると、撮像装置12からの画像に対する変換処理を開始するように各部の制御を行う。
【0026】
画像処理ASIC14cは、画像処理専用のカスタムICであり、補正手段として、撮像装置12が撮像した画像から曲面鏡17による歪みの補正をテーブル用メモリ14が記憶するテーブルに基づいて行う。また、補正した画像を表示する場合は、補正画像を表示用画像としてモニタインタフェース14fへ伝送する処理も行う。テーブル用メモリ14dはEEPROM(Electrically Erasable PROM)で構成されており、撮像した画像の画素を表示用画像の画素へ変換する処理の基となるテーブルを記憶する。なお、テーブルは、画像を形成する各画素毎に歪み補正情報を有している。
【0027】
画像を形成する画素に関しては、例えば図5に示すように、撮像装置12が光学系のXY′平面上で、X軸方向(横方向)に640ピクセル(画素数)、Y′軸方向(縦方向)に480ピクセルで画像を撮像しており、このように撮像される撮像画像Aは(X0、Y′0)〜(X639、Y′479)の各画素で形成される。また、画像処理装置14が歪み補正した表示用画像Bは、X軸に平行なx軸及びY軸に平行なy軸で形成されるxy平面上に形成されて、上述した撮像画像Aと同画素数の(x0、y0)〜(x639、y479)の各画素で形成される。
【0028】
よって、画像処理装置14は、撮像装置12が撮像した画像の画素(X、Y′)を入力画素として扱って、歪みを補正した表示用画素(x、y)を出力画素として扱い、入力画素(X、Y′)を出力画素(x、y)へ変換する処理を上述したテーブルに基づいて行うことになる。具体的には、X座標をx座標に変換する場合、以下の式を用いる。
【0029】
【数2】
【0030】
なお、式(3)におけるa、bは、式(1)における任意数であり、cは曲面鏡17の焦点距離であり、fは図2に示す撮像装置12に装着された撮像レンズ16aの焦点距離である。
また、式(3)におけるZに関しては以下の数式が成立する。
Z=−Y′tanθ2−H・・・(4)
(但し、θ2は、図3に示すZ軸及びY軸の角度)
【0031】
また、Y′座標をy座標に変換するには、下記の式を用いる。
y=Y′f・・・(5)
(但し、fは撮像レンズ16aの焦点距離)
なお、出力画素(x、y)のy座標に係るy軸は入力画素(X、Y′)のY′座標に係るY′軸と平行でないため、画像処理装置14は、y軸に平行なY軸を有するXY平面上の画素(X、Y)と入力される画素(X、Y′)とを、以下の関係も考慮して、画素(x、y)へ変換する。
【0032】
即ち、XY′平面上における撮像画像のY′座標と、XY平面上におけるY座標とは、以下の関係が成立している。
Y′=Ycosθ2・・・(6)
(但し、θ2は図3に示すY軸及びY′軸の角度)
よって、式(6)を式(5)に代入することで、y座標とY座標との関係を導くことができる。
【0033】
また、式(6)を式(4)に代入することで下記の式(7)が得られる。
Z=−Ysinθ2−H・・・(7)
さらに、式(7)に式(2)を代入すると、下記の式(8)が得られる。
Z=−Ysinθ2−h/sinθ1・・・(8)
【0034】
よって、上述した各式を用いることで、XY′平面上の各入力画素(X、Y′)からxy平面上の各出力画素(x、y)への変換を行うことができる。なお、画像処理ASIC14cにおける実際の歪み補正処理では、出力される表示用画像の画素(x、y)を基本にして、入力される撮像画像の各画素(X、Y′)を求めるようにしている。
【0035】
そのため、テーブル用メモリ14dに記憶されるテーブルは、上述した説明と逆の流れとなる向きの変換を行う変換式を規定しており、この変換式で出力画素(x、y)を予め計算した内容を歪み補正情報として有する。よって、画像処理装置14では、画像処理ASIC14cがテーブルに基づき、上述した処理を行うことにより、表示用画像を形成する画素(x、y)に対応する入力画素(X、Y′)を容易に求めることができ、スムーズな画像変換処理を行う。
【0036】
また、図4に示す画像処理装置14のフレームメモリ14eはオリジナル画像記憶領域と補正画像記憶領域を有しており、オリジナル画像記憶領域には撮像装置12から送信された画像を1画面単位で一時的に記憶しており、補正画像記憶領域には画像処理ASIC14cで変換された表示用画像を1画面単位で記憶している。
【0037】
なお、オリジナル画像記憶領域は、画像処理ASIC14cが同時処理可能な画像のデータ量に対応した記憶量を確保している。また、変換画像記憶領域は画像処理ASIC14cが変換した表示用画像を随時記憶可能にしており、1画面分の表示用画像を蓄積した後、蓄積した各表示用画像をモニタインタフェース14fへ順次送信するようにしている。なお、変換画像記憶領域の一部にはシステム起動時の初期画面データ等も記憶している。
【0038】
モニタインタフェース14fはモニタ装置15への接続用インタフェースであり、表示用画像をアナログ画像信号の形態でモニタ装置15へ出力する。なお、モニタインタフェース14fはアナログRGB信号、又は、モニタ装置15がデジタル信号に対応している場合は、デジタル画像信号を出力するようにしてもよい。
【0039】
操作部14gは、各種操作が可能なスイッチ等を多数設けており(図示せず)、操作により通常モード及び管理モードの選択、モニタ装置15で表示する内容の切換等を適宜設定するものであり、モードの選択及び表示の切換等を設定した場合は、切換情報をマイコン14bへ出力する。
【0040】
次に、上述した構成の画像変換システム10における画像変換方法を図6のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、撮像装置12は、曲面鏡17で反射された外部からの像を撮像部16で撮像し(S1)、撮像した画像を通信バス13を通じて画像処理装置14へ送信する(S2)。画像処理装置14は、受信した画像の歪みを記憶するテーブルに基づいて補正を行い(S3)、補正した表示用画像をモニタ装置15へ出力して、モニタ装置15の画面で表示する(S4)。
【0041】
このように1台の撮像装置12の撮像に基づいて表示される画像は、曲面鏡17の存在により撮像範囲が170度に及んでいると共に、曲面鏡17により生じた歪みも補正されているので、車両Sの運転者は車両Sの後方をスムーズに確認することが可能になる。
【0042】
なお、画像変換システム10は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、撮像装置12は、撮像部16及び曲面鏡17を一体にして備えているが、曲面鏡17及び撮像部16を別々にして車両Sに取り付けるようにしてもよい。また、撮像装置12は車両Sの後方以外にも、車両の前方、各コーナ部及び左右のドアミラー付近等に取り付けることも可能である。さらに、曲面鏡17の曲率は170度に限定されるものではなく、要求される撮像範囲に対応した曲率で形成することが可能である。
【0043】
また、撮像装置12は、上述した車両Sの各所に複数取り付けることも可能である、この場合は、画像処理装置14の操作部14gで各撮像装置12の撮像画像を切り替えるスイッチを設けることが好ましく、また、車両Sの運転操作等を検出して自動的に各撮像画像を切り替えるようにしてもよい。
【0044】
さらに、画像処理装置14で行う画像処理は、歪み補正以外の処理を行うテーブルをテーブル用メモリに記憶させて他の処理も行うようにしてもよい。このようなテーブルには、元の画像を鏡像反転する鏡像反転テーブル、元の画像の視点方向を変更する視点変更テーブル、複数の画像を合成する合成テーブル、元の画像を拡大又は縮小する拡大縮小テーブル及び元の画像に図を付加する図付加テーブル等がある。
【0045】
上述した各テーブルの中の視点変更テーブルは、テーブル内容の設定により種々の視点による画像を得ることが可能であり、その中には鳥瞰画像を得る鳥瞰画像用テーブルもある。この鳥瞰画像用テーブルは、撮像画像の各画素を車両の上方より下方を眺めた状態となるように各画素の配置を規定するものである。よって、画像処理装置14が鳥瞰画像用テーブルをテーブル用メモリ14dに記憶する場合、画像処理ASIC14cは、画像変換手段として鳥瞰画像用テーブルに基づき歪みの補正された画像を鳥瞰画像へ変換する処理を行う。
【0046】
なお、画像処理の効率化を図るためには、歪み補正用のテーブル及び鳥瞰画像用テーブルを組み合わせて1つのテーブルを作成し、このテーブルに基づいて画像処理を行うことで、撮像画像から一気に鳥瞰画像を得ることができる。
【0047】
また、上述した各テーブルの中で、図付加テーブルとは、撮像画像に種々の図を追加するものであり、例えば、図7(a)の表示用画像Dで示すように、鳥瞰画像D1の上方に、車両Sの後部を示す車両図D2を付加するような処理用のテーブルである。このような表示用画像Dを表示することで、車両Sの運転者は、車両Sの周囲の状況の判断が一段と容易になる。なお、図付加テーブルも、処理効率化の為に、歪み補正用のテーブル及び鳥瞰画像テーブルを組み合わせて1つのテーブルにすることが可能である。
【0048】
さらに、画像処理装置14は、上述した予め記憶されたテーブル以外に、マイコン14bで現状に応じた表示を行うためのテーブルを適宜作成してもよい。例えば、複数の撮像装置を車両Sに取り付けた場合、モニタ装置15の画面で表示する画像が、いずれの撮像装置で撮像したかを示すためのテーブルを作成してもよい。
【0049】
このテーブルを用いた具体例の図は、図7(b)に示す表示図Fであり、車両の周囲に各撮像装置の撮像範囲を示す印F1〜F5を作成し、表示する画像を撮像した撮像装置の印(図ではF5)を、他と異なる形態にする内容のテーブルをマイコン14bで作成する。なお、このような表示図Fは、図7(a)に示す表示用画面D等を作成するテーブルと組み合わせて、表示用画面D及び表示図Fが組み合わされた画像が表示されるようにすることが好適である。
【0050】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第4発明にあっては、曲面鏡で反射した像を撮像するので、従来不可能であった1台の撮像装置による広範囲撮像を実現して死角のない画像を得ることができると共に、システムに要する費用も低減できる。
第2発明にあっては、テーブルに基づき歪み補正処理を行うので、画像変換に係る処理の効率を向上できる。
第3発明にあっては、歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換するので、車両の状況が把握しやすい画像を得ることができる。
【0051】
第5発明にあっては、外部から受け付けた画像に対して、テーブルに基づいて歪みの補正を行うので、歪みのある画像を受け付けても、歪みを補正した表示用画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像変換システムの全体構成図である。
【図2】XZ平面上における撮像装置の概略図である。
【図3】車両後方の撮像装置の取付状況を車両側方から示す概略図である。
【図4】画像処理装置の内部構成図である。
【図5】入力画素及び出力画素を示す概略図である。
【図6】画像変換方法に係るフローチャートである。
【図7】(a)は鳥瞰画像の概略図であり、(b)は撮像を行う撮像装置を示す表示図の概略図である。
【図8】従来の車外撮像システムにおけるカメラの取付例を示す図である。
【符号の説明】
10 画像変換システム
12 撮像装置
13 通信バス
14 画像処理装置
14c 画像処理ASIC
15 モニタ装置
16 撮像部
17 曲面鏡
S 車両
k 光
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用の撮像装置が撮像した広角の画像をモニタ装置に適切に表示できるように変換を行う画像変換システム、画像変換方法及び画像変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両の前部、後部等に車外撮像用のカメラを設置すると共に、これら各カメラを画像信号ケーブルで車内に設置したモニタ装置へ接続し、カメラが撮像した画像を車内のモニタ装置で表示するようにしたシステムが存在する。
【0003】
図8は、従来の車外撮像システム1におけるカメラの取付例を示している。CCDカメラである第1カメラ2Aは車両Sの長手方向に対して左斜めに傾けた状態で車両Sの後方に取り付けられると共に、第2カメラ2Bは右斜めに傾けた状態で車両Sの後方に取り付けられている。各カメラ2A、2Bの撮像角度は約100度であり、各カメラ2A、2Bを組み合わせることで、車両Sの後方を約170度にわたり撮像可能にしている。
【0004】
各カメラ2A、2Bは、車両内に配索された情報系の通信バス3を介して画像処理装置4と接続されており、この画像処理装置4に画像の表示を行うモニタ装置5を接続している。画像処理装置4は、各カメラ2A、2Bが撮像した各画像を組み合わせて表示用画像を生成する処理を行い、生成した表示用画像をモニタ装置5で表示する。よって、車両Sの運転者はモニタ装置5の画面を見ることで、車両後方の約170度の範囲を確認できる。
なお、車両の外方を撮像して車内のモニタ装置で表示するシステムに関しては、下記の特許文献1でも開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−219783号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車外撮像システム1では、車両の後方を広範囲に撮像する場合、2台のカメラ2A、2Bを適切な角度で車両Sに取り付ける必要があったため、取付に係る手間が多大であると共に、通信バス3の配索及び接続作業等も複雑にしていたと云う問題がある。また、2台のカメラ2A、2Bを用いることでシステム構築費用が上昇すると云う問題もある。
【0007】
さらに、各カメラ2A、2Bによる撮像範囲は、各カメラ2A、2Bの撮像範囲が重なる中央に死角部分(図中ハッチングで示す)が生じるため、各カメラ2A、2Bを組み合わせた表示用画像も不自然な部分が生じる問題がある。なお、上述した問題に対しては、広角レンズを有する1台のカメラを使用することも想定できるが、広角レンズの撮像範囲は最大でも110度程度なので、約170度に至る範囲の画像を得ることができず、車両後方の広範囲を撮像するような態様には適用できないのが実情である。
【0008】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、曲面鏡による反射された像を撮像することで、1台のカメラで広範囲を撮像可能にすると共に、曲面鏡により生じる歪みを画像処理装置で補正することで適正な表示用画像を得るようにした画像変換システム、画像変換方法及び画像処理装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
第1発明に係る画像変換システムは、撮像した画像を送出する車載用の撮像装置と、該撮像装置に接続してあり、送出された画像を表示用画像に変換する画像変換装置とを備える画像変換システムにおいて、前記撮像装置は、曲面鏡と、該曲面鏡で反射された像を撮像する撮像手段とを備え、前記画像変換装置は、撮像された画像の前記曲面鏡による歪みの補正を行う補正手段を備えることを特徴とする。
【0010】
第2発明に係る画像変換システムは、前記画像変換装置は更に、画像の画素毎に対応した歪み補正情報を有するテーブルを備え、前記補正手段は、前記テーブルに基づいて、歪みの補正を行うことを特徴とする。
第3発明に係る画像変換システムは、前記画像変換装置は更に、前記歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換する画像変換手段を備えることを特徴とする。
【0011】
第4発明に係る画像変換方法は、車載用の撮像装置が撮像した画像を送出し、該撮像装置に接続された画像変換装置が送出された画像を表示用画像に変換する画像変換方法において、前記撮像装置は、曲面鏡を備えており、該曲面鏡で反射された像を撮像し、前記画像変換装置は、撮像された画像の前記曲面鏡による歪みを補正することを特徴とする。
【0012】
第5発明に係る画像変換装置は、外部から受け付けた画像を表示用画像に変換する画像変換装置において、前記画像の画素に対応した歪み補正情報を有するテーブルと、該テーブルに基づいて画像の歪みを補正する補正手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第1発明及び第4発明にあっては、撮像装置が曲面鏡を備えると共に曲面鏡で反射した像を撮像するので、1台の撮像装置で広範囲の撮像を実現できる。撮像可能範囲は曲面鏡の曲率に依存しており、要求される撮像範囲に応じた曲率を有する曲面鏡を撮像装置が備えることで、車両外方の所要範囲を撮像できる。また、曲面鏡の反射像を撮像することで、撮像画像には歪みが生じるが、画像変換装置で歪み補正処理を行うので、モニタ装置のような表示装置の画面には歪みが補正された画像を表示できる。
【0014】
第2発明にあっては、画像変換装置が歪み補正情報を有するテーブルを備えるので、テーブルに基づいた歪み補正処理が可能となり、画像変換装置における変換処理効率を向上でき、撮像から表示までをスムーズに行うことができる。
第3発明にあっては、歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換するので、撮像した範囲における車両の状況を的確に把握しやすい画像を得ることができる。
【0015】
第5発明にあっては、外部から受け付けた画像に対して、歪み補正情報を有するテーブルに基づいて歪みの補正を行うので、受け付けた画像が歪んでいる場合でも歪みを補正した表示用画像を容易に得ることができ、この表示用画像をモニタ装置のような表示装置の画面で表示すれば、自然な画像を車両の運転者は見ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る画像変換システム10の全体的な構成を示している。画像変換システム10は、車両Sの後方に撮像装置12を取り付けると共に、車内に配索された情報系の通信バス13で画像処理装置14に撮像装置12を接続している。また、画像処理装置14にはモニタ装置15を接続し、画像処理装置14で処理した表示用画像をモニタ装置15の画面で表示するようにしている。なお、通信バス13は、図示していないが、他の情報系の機器も接続すると共に、端末にゲートウェイ装置を接続しており、このゲートウェイ装置を介して車体系及び制御系等の他の系統の通信バスとも接続している。
【0017】
本実施形態で適用される撮像装置12は、図2に示すように、反射面17aが曲面である曲面鏡17及び曲面鏡17で反射された光kによる像を撮像するCCDカメラで形成された撮像部16で構成されている。撮像装置12は、曲面鏡17の反射面17aが車両Sの外方へ向くように車両Sに取り付けられており、広範囲の光が万遍なく反射されるようにしている。また、撮像部16の撮像レンズ16aは曲面鏡17の反射面17aに対向するため、車両Sの方を向いている。なお、図1、2では、撮像装置12の撮像方向(撮像レンズの光軸方向)をZ軸方向にしており、車両Sの幅方向をX軸方向にしている。
【0018】
また、車両Sの後部側方からの概略図である図3に示すように、撮像装置12は車両Sの後方上端より斜め後方に向けて取り付けられており、撮像部16の撮像方向(Z軸方向)に対する地面Gの対する角度をθ1にしている。なお、図3では、車両Sの全長方向をY軸方向にすると共に、Y軸及びZ軸を通る平面上でZ軸方向に直交する方向を、Y′軸方向にしている。このY′軸方向のY軸方向に対する角度はθ2であり、角度θ1及び角度θ2は、θ1+θ2=90度の関係が成立している。
【0019】
本実施形態における撮像装置12の曲面鏡17は、図1に示すように、撮像範囲が180度を越えるように反射面17aの曲率が定めてあり、反射面17aの曲線形状は、図2に示すXZ平面上では、以下の数式で表現できる。
【0020】
【数1】
【0021】
式(1)の任意数a、bは、撮像範囲が170度になるように定められる数であり、a2 +b2 =c2 の関係が成立する。なお、cは曲面鏡17の焦点距離であり、撮像部16は、曲面鏡17で反射した光kの交点Tから、Z軸上で曲面鏡17とは反対側へ焦点距離cだけ離れた位置に実際的な撮像を行うCCD部(図示せず)が位置するように配置される。撮像装置12は、このように配置されることで、各々が直交して交わるX軸、Y′軸及びZ軸で形成される撮像に係る光学系に対応することになり、これらの座標軸で反射された光kを撮像した画像の各画素が入力画素になり、死角の無い広範囲の撮像画像を得ることができる。
【0022】
また、図3に示すように想像装置12は、撮像部16における反射された光Kの交点Tが地面Gより距離hとなる高さで取り付けられており、Z軸方向における地面Gから撮像部16における交点Tまでの距離はHとなり、h及びHは、以下の関係が成立する。
H=h/sinθ1・・・(2)
【0023】
なお、図2に示すように、撮像装置12は、撮像部16に通信バス13との接続用の通信インタフェース部18を設けており、撮像部16で撮像された画像は、通信バス13を通じて画像処理装置14へ送出(送信)される。また、撮像装置12及び通信バス13は、通信インタフェース部18で接続されるだけなので、従来に比べて、通信バス13の接続及び配索に係る手間が削減されている。
【0024】
図4に示す画像処理装置14は、撮像装置12から送信された画像を表示用画像に変換する装置に該当し、通信インタフェース14a、マイコン14b、画像処理ASIC(Application Specific IC)14c、テーブル用メモリ14d、フレームメモリ14e、モニタインタフェース14f及び操作部14gを設けている。
【0025】
通信インタフェース14aは通信バス13と接続されて、通信バス13に対して各種信号の送受信を行うものであり、撮像装置12から送信された画像の受信も行う。マイコン14bは、内部に記憶されているプログラム、又は、操作部14gの入力操作に従い各種制御及び処理を行う。例えば、図示していないバックギアのギアセンサからバックギアに入った旨の信号を受け付けると、撮像装置12からの画像に対する変換処理を開始するように各部の制御を行う。
【0026】
画像処理ASIC14cは、画像処理専用のカスタムICであり、補正手段として、撮像装置12が撮像した画像から曲面鏡17による歪みの補正をテーブル用メモリ14が記憶するテーブルに基づいて行う。また、補正した画像を表示する場合は、補正画像を表示用画像としてモニタインタフェース14fへ伝送する処理も行う。テーブル用メモリ14dはEEPROM(Electrically Erasable PROM)で構成されており、撮像した画像の画素を表示用画像の画素へ変換する処理の基となるテーブルを記憶する。なお、テーブルは、画像を形成する各画素毎に歪み補正情報を有している。
【0027】
画像を形成する画素に関しては、例えば図5に示すように、撮像装置12が光学系のXY′平面上で、X軸方向(横方向)に640ピクセル(画素数)、Y′軸方向(縦方向)に480ピクセルで画像を撮像しており、このように撮像される撮像画像Aは(X0、Y′0)〜(X639、Y′479)の各画素で形成される。また、画像処理装置14が歪み補正した表示用画像Bは、X軸に平行なx軸及びY軸に平行なy軸で形成されるxy平面上に形成されて、上述した撮像画像Aと同画素数の(x0、y0)〜(x639、y479)の各画素で形成される。
【0028】
よって、画像処理装置14は、撮像装置12が撮像した画像の画素(X、Y′)を入力画素として扱って、歪みを補正した表示用画素(x、y)を出力画素として扱い、入力画素(X、Y′)を出力画素(x、y)へ変換する処理を上述したテーブルに基づいて行うことになる。具体的には、X座標をx座標に変換する場合、以下の式を用いる。
【0029】
【数2】
【0030】
なお、式(3)におけるa、bは、式(1)における任意数であり、cは曲面鏡17の焦点距離であり、fは図2に示す撮像装置12に装着された撮像レンズ16aの焦点距離である。
また、式(3)におけるZに関しては以下の数式が成立する。
Z=−Y′tanθ2−H・・・(4)
(但し、θ2は、図3に示すZ軸及びY軸の角度)
【0031】
また、Y′座標をy座標に変換するには、下記の式を用いる。
y=Y′f・・・(5)
(但し、fは撮像レンズ16aの焦点距離)
なお、出力画素(x、y)のy座標に係るy軸は入力画素(X、Y′)のY′座標に係るY′軸と平行でないため、画像処理装置14は、y軸に平行なY軸を有するXY平面上の画素(X、Y)と入力される画素(X、Y′)とを、以下の関係も考慮して、画素(x、y)へ変換する。
【0032】
即ち、XY′平面上における撮像画像のY′座標と、XY平面上におけるY座標とは、以下の関係が成立している。
Y′=Ycosθ2・・・(6)
(但し、θ2は図3に示すY軸及びY′軸の角度)
よって、式(6)を式(5)に代入することで、y座標とY座標との関係を導くことができる。
【0033】
また、式(6)を式(4)に代入することで下記の式(7)が得られる。
Z=−Ysinθ2−H・・・(7)
さらに、式(7)に式(2)を代入すると、下記の式(8)が得られる。
Z=−Ysinθ2−h/sinθ1・・・(8)
【0034】
よって、上述した各式を用いることで、XY′平面上の各入力画素(X、Y′)からxy平面上の各出力画素(x、y)への変換を行うことができる。なお、画像処理ASIC14cにおける実際の歪み補正処理では、出力される表示用画像の画素(x、y)を基本にして、入力される撮像画像の各画素(X、Y′)を求めるようにしている。
【0035】
そのため、テーブル用メモリ14dに記憶されるテーブルは、上述した説明と逆の流れとなる向きの変換を行う変換式を規定しており、この変換式で出力画素(x、y)を予め計算した内容を歪み補正情報として有する。よって、画像処理装置14では、画像処理ASIC14cがテーブルに基づき、上述した処理を行うことにより、表示用画像を形成する画素(x、y)に対応する入力画素(X、Y′)を容易に求めることができ、スムーズな画像変換処理を行う。
【0036】
また、図4に示す画像処理装置14のフレームメモリ14eはオリジナル画像記憶領域と補正画像記憶領域を有しており、オリジナル画像記憶領域には撮像装置12から送信された画像を1画面単位で一時的に記憶しており、補正画像記憶領域には画像処理ASIC14cで変換された表示用画像を1画面単位で記憶している。
【0037】
なお、オリジナル画像記憶領域は、画像処理ASIC14cが同時処理可能な画像のデータ量に対応した記憶量を確保している。また、変換画像記憶領域は画像処理ASIC14cが変換した表示用画像を随時記憶可能にしており、1画面分の表示用画像を蓄積した後、蓄積した各表示用画像をモニタインタフェース14fへ順次送信するようにしている。なお、変換画像記憶領域の一部にはシステム起動時の初期画面データ等も記憶している。
【0038】
モニタインタフェース14fはモニタ装置15への接続用インタフェースであり、表示用画像をアナログ画像信号の形態でモニタ装置15へ出力する。なお、モニタインタフェース14fはアナログRGB信号、又は、モニタ装置15がデジタル信号に対応している場合は、デジタル画像信号を出力するようにしてもよい。
【0039】
操作部14gは、各種操作が可能なスイッチ等を多数設けており(図示せず)、操作により通常モード及び管理モードの選択、モニタ装置15で表示する内容の切換等を適宜設定するものであり、モードの選択及び表示の切換等を設定した場合は、切換情報をマイコン14bへ出力する。
【0040】
次に、上述した構成の画像変換システム10における画像変換方法を図6のフローチャートに基づいて説明する。
先ず、撮像装置12は、曲面鏡17で反射された外部からの像を撮像部16で撮像し(S1)、撮像した画像を通信バス13を通じて画像処理装置14へ送信する(S2)。画像処理装置14は、受信した画像の歪みを記憶するテーブルに基づいて補正を行い(S3)、補正した表示用画像をモニタ装置15へ出力して、モニタ装置15の画面で表示する(S4)。
【0041】
このように1台の撮像装置12の撮像に基づいて表示される画像は、曲面鏡17の存在により撮像範囲が170度に及んでいると共に、曲面鏡17により生じた歪みも補正されているので、車両Sの運転者は車両Sの後方をスムーズに確認することが可能になる。
【0042】
なお、画像変換システム10は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例の適用が可能である。例えば、撮像装置12は、撮像部16及び曲面鏡17を一体にして備えているが、曲面鏡17及び撮像部16を別々にして車両Sに取り付けるようにしてもよい。また、撮像装置12は車両Sの後方以外にも、車両の前方、各コーナ部及び左右のドアミラー付近等に取り付けることも可能である。さらに、曲面鏡17の曲率は170度に限定されるものではなく、要求される撮像範囲に対応した曲率で形成することが可能である。
【0043】
また、撮像装置12は、上述した車両Sの各所に複数取り付けることも可能である、この場合は、画像処理装置14の操作部14gで各撮像装置12の撮像画像を切り替えるスイッチを設けることが好ましく、また、車両Sの運転操作等を検出して自動的に各撮像画像を切り替えるようにしてもよい。
【0044】
さらに、画像処理装置14で行う画像処理は、歪み補正以外の処理を行うテーブルをテーブル用メモリに記憶させて他の処理も行うようにしてもよい。このようなテーブルには、元の画像を鏡像反転する鏡像反転テーブル、元の画像の視点方向を変更する視点変更テーブル、複数の画像を合成する合成テーブル、元の画像を拡大又は縮小する拡大縮小テーブル及び元の画像に図を付加する図付加テーブル等がある。
【0045】
上述した各テーブルの中の視点変更テーブルは、テーブル内容の設定により種々の視点による画像を得ることが可能であり、その中には鳥瞰画像を得る鳥瞰画像用テーブルもある。この鳥瞰画像用テーブルは、撮像画像の各画素を車両の上方より下方を眺めた状態となるように各画素の配置を規定するものである。よって、画像処理装置14が鳥瞰画像用テーブルをテーブル用メモリ14dに記憶する場合、画像処理ASIC14cは、画像変換手段として鳥瞰画像用テーブルに基づき歪みの補正された画像を鳥瞰画像へ変換する処理を行う。
【0046】
なお、画像処理の効率化を図るためには、歪み補正用のテーブル及び鳥瞰画像用テーブルを組み合わせて1つのテーブルを作成し、このテーブルに基づいて画像処理を行うことで、撮像画像から一気に鳥瞰画像を得ることができる。
【0047】
また、上述した各テーブルの中で、図付加テーブルとは、撮像画像に種々の図を追加するものであり、例えば、図7(a)の表示用画像Dで示すように、鳥瞰画像D1の上方に、車両Sの後部を示す車両図D2を付加するような処理用のテーブルである。このような表示用画像Dを表示することで、車両Sの運転者は、車両Sの周囲の状況の判断が一段と容易になる。なお、図付加テーブルも、処理効率化の為に、歪み補正用のテーブル及び鳥瞰画像テーブルを組み合わせて1つのテーブルにすることが可能である。
【0048】
さらに、画像処理装置14は、上述した予め記憶されたテーブル以外に、マイコン14bで現状に応じた表示を行うためのテーブルを適宜作成してもよい。例えば、複数の撮像装置を車両Sに取り付けた場合、モニタ装置15の画面で表示する画像が、いずれの撮像装置で撮像したかを示すためのテーブルを作成してもよい。
【0049】
このテーブルを用いた具体例の図は、図7(b)に示す表示図Fであり、車両の周囲に各撮像装置の撮像範囲を示す印F1〜F5を作成し、表示する画像を撮像した撮像装置の印(図ではF5)を、他と異なる形態にする内容のテーブルをマイコン14bで作成する。なお、このような表示図Fは、図7(a)に示す表示用画面D等を作成するテーブルと組み合わせて、表示用画面D及び表示図Fが組み合わされた画像が表示されるようにすることが好適である。
【0050】
【発明の効果】
以上に詳述した如く、第1発明及び第4発明にあっては、曲面鏡で反射した像を撮像するので、従来不可能であった1台の撮像装置による広範囲撮像を実現して死角のない画像を得ることができると共に、システムに要する費用も低減できる。
第2発明にあっては、テーブルに基づき歪み補正処理を行うので、画像変換に係る処理の効率を向上できる。
第3発明にあっては、歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換するので、車両の状況が把握しやすい画像を得ることができる。
【0051】
第5発明にあっては、外部から受け付けた画像に対して、テーブルに基づいて歪みの補正を行うので、歪みのある画像を受け付けても、歪みを補正した表示用画像を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像変換システムの全体構成図である。
【図2】XZ平面上における撮像装置の概略図である。
【図3】車両後方の撮像装置の取付状況を車両側方から示す概略図である。
【図4】画像処理装置の内部構成図である。
【図5】入力画素及び出力画素を示す概略図である。
【図6】画像変換方法に係るフローチャートである。
【図7】(a)は鳥瞰画像の概略図であり、(b)は撮像を行う撮像装置を示す表示図の概略図である。
【図8】従来の車外撮像システムにおけるカメラの取付例を示す図である。
【符号の説明】
10 画像変換システム
12 撮像装置
13 通信バス
14 画像処理装置
14c 画像処理ASIC
15 モニタ装置
16 撮像部
17 曲面鏡
S 車両
k 光
Claims (5)
- 撮像した画像を送出する車載用の撮像装置と、該撮像装置に接続してあり、送出された画像を表示用画像に変換する画像変換装置とを備える画像変換システムにおいて、
前記撮像装置は、
曲面鏡と、
該曲面鏡で反射された像を撮像する撮像手段と
を備え、
前記画像変換装置は、
撮像された画像の前記曲面鏡による歪みの補正を行う補正手段を備えることを特徴とする画像変換システム。 - 前記画像変換装置は更に、
画像の画素毎に対応した歪み補正情報を有するテーブルを備え、
前記補正手段は、
前記テーブルに基づいて、歪みの補正を行う請求項1に記載の画像変換システム。 - 前記画像変換装置は更に、
前記歪みの補正された画像を鳥瞰画像に変換する画像変換手段を備える請求項1又は請求項2に記載の画像変換システム。 - 車載用の撮像装置が撮像した画像を送出し、該撮像装置に接続された画像変換装置が送出された画像を表示用画像に変換する画像変換方法において、
前記撮像装置は、
曲面鏡を備えており、
該曲面鏡で反射された像を撮像し、
前記画像変換装置は、
撮像された画像の前記曲面鏡による歪みを補正することを特徴とする画像変換方法。 - 外部から受け付けた画像を表示用画像に変換する画像変換装置において、
前記画像の画素に対応した歪み補正情報を有するテーブルと、
該テーブルに基づいて画像の歪みを補正する補正手段と
を備えることを特徴とする画像変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003048120A JP2004260483A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 画像変換システム、画像変換方法及び画像変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003048120A JP2004260483A (ja) | 2003-02-25 | 2003-02-25 | 画像変換システム、画像変換方法及び画像変換装置 |
Publications (1)
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JP2004260483A true JP2004260483A (ja) | 2004-09-16 |
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JP (1) | JP2004260483A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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EP1839891A2 (en) | 2006-03-30 | 2007-10-03 | FUJIFILM Corporation | Inkjet recording apparatus |
-
2003
- 2003-02-25 JP JP2003048120A patent/JP2004260483A/ja active Pending
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