JP2004258518A - 可変焦点距離レンズ系 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で高性能な可変焦点距離レンズ系を提供すること。
【解決手段】物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とを備えるズームレンズであって、前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、正屈折力のレンズL11と負屈折力のレンズL12との接合レンズから成り、前記第2レンズ群G2は、物体側より順に、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた第1正レンズL21と、物体側に凸面を向けた第2正レンズL22と像面側に凹面を向けた負レンズL23とを含み、前記第3レンズ群G3は、少なくとも1枚以上のレンズL3を含み、所定の条件を満足すること。
【選択図】 図1
【解決手段】物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群G1と、正屈折力の第2レンズ群G2と、正屈折力の第3レンズ群G3とを備えるズームレンズであって、前記第1レンズ群G1は、物体側から順に、正屈折力のレンズL11と負屈折力のレンズL12との接合レンズから成り、前記第2レンズ群G2は、物体側より順に、開口絞りSと、物体側に凸面を向けた第1正レンズL21と、物体側に凸面を向けた第2正レンズL22と像面側に凹面を向けた負レンズL23とを含み、前記第3レンズ群G3は、少なくとも1枚以上のレンズL3を含み、所定の条件を満足すること。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の固体撮像素子を用いた小型カメラなどに適した可変焦点距離レンズ系に関し、特に負正正の3群からなる可変焦点距離レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体撮像素子向けカメラは、いわゆるデジタルカメラとして一般的に浸透しているが、構成枚数を減らし、小型化、低価格化が図れればより使われる場面も広がってくる。そして、カメラの小型化には、レンズ系の小型化が必要であり、レンズ系の小型化としては、全長の縮小とレンズ径の小型化の2つの要素が考えられる。このような固体撮像素子に適した可変焦点距離レンズ系の例として、例えば特開2001−13408(特許文献1)などが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−13408号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1などに開示された可変焦点距離レンズ系は、構成枚数の少ないものもあるが、全長や鏡筒径、沈胴時の厚みなどが大きく、無理にこれらを抑えようとすると収差補正上の破綻をきたしてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、小型で高性能な可変焦点距離レンズ系を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群とを備えるズームレンズであって、前記第1レンズ群は、物体側から順に、正レンズと負レンズとの接合レンズから成り、前記第2レンズ群は、物体側から順に、開口絞りと、物体側に凸面を向けた第1正レンズと、物体側に凸面を向けた第2正レンズと、像面側に凹面を向けた負レンズとを含み、前記第3レンズ群は、少なくとも1枚以上のレンズを含み、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とするズームレンズ。
【0007】
(1) 3 < |f1|/Y ≦ 4.4
ただし、
f1=前記第1レンズ群の焦点距離、
Y =最大像高である。
【0008】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0009】
(2) 0.5 < G23b/S2 < 0.9
ただし、
G23b =前記第2レンズ群中に含まれる負レンズの像側の曲率半径、
S2 =前記第2レンズ群の光軸上の厚さの総和である。
【0010】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0011】
(3) 0.15 < Y/ D1w < 0.35
ただし、
Y =最大像高、
D1w =広角端状態における前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も物体側にある開口絞りとの間隔である。
【0012】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0013】
(4) 0.02 < Σ1/|r| / fw< 0.04
ただし、
Σ1/|r|=前記第1レンズ群中に含まれる全てのレンズ面の各曲率半径の絶対の逆数の和、
fw =広角端状態の焦点距離である。
【0014】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0015】
(5) −0.15 < fw/G11a < 0.2
ただし、
G11a=前記第1レンズ群の最も物体側のレンズの物体側面の曲率半径である。
【0016】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0017】
(6) 0.45 < (S2+D2w)/f3 < 1.2
ただし、
D2w =広角端状態における前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間隔、
f3 =前記第3レンズ群の焦点距離である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(構成の説明)
以下,本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本発明の実施の形態にかかる可変焦点距離レンズ系(以後、ズームレンズと記す)は、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、開口絞りと、正屈折力の第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群を有する構成である。
【0020】
特に、本発明の本実施の形態おいては、最も焦点距離の短くなる広角端状態から最も焦点距離の長くなる望遠端状態に向かってレンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群と第3レンズ群が光軸上を移動することにより倍率を変え、それに伴い第1レンズ群が焦点位置を保つために移動する。
【0021】
また、本発明の本実施の形態では、ズームレンズ系の小型化を図る上で、第1レンズ群の小型化が重要であるという認識のもとに、第1レンズ群を正レンズと負レンズとの接合レンズのみとし、特に第1レンズ群のレンズ径が小さくなるように構成している。
【0022】
また、沈胴時の小型化を図る上では、各レンズ群の小型化も重要であることから第2レンズ群の中心厚および曲率半径を抑えながらズームレンズ系を構成している。この結果、沈胴式のズームレンズで問題となるレンズの総厚を最小に抑え、全系の小型化を図りながら、諸収差を良好に補正することを可能にしている。
【0023】
以下、各条件式について説明する。
【0024】
条件式(1)は、第1レンズ群の焦点距離に関する条件である。本実施の形態においては、第1レンズ群の焦点距離を条件式(1)の範囲に保つことことで、諸収差を補正しながら、ズームレンズ全系の縮小を図っている。条件式(1)の下限値に満たない場合、簡素な構成で良好な結像性能を得るのは難しい。また条件式(1)の上限値を超えるとレンズ径およびズームレンズ全長の小型化が困難になる。
【0025】
ズームレンズ系の小型化と良好な収差補正を両立させるために、本実施の形態のズームレンズはさらに条件式(2)から条件式(6)の少なくとも1つを満足することが望ましい。
【0026】
条件式(2)は、第2レンズ群の負レンズの曲率半径と第2レンズ群の光軸上の総厚との比を規定するものである。条件式(2)の上限値を超えると第2レンズ群の負レンズの凹面の曲率が強くなり、非点収差、歪曲収差などの補正が困難になる。また条件式(2)下限値を超えると鏡筒の小型化が困難になる。
【0027】
条件式(3)は、第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔を規定する条件である。本実施の形態においては、第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔を条件式(3)の範囲に保つことことで、全径の縮小を図っている。諸収差の良好な補正のためには、下限値を満たす必要があり、条件式(3)を上限値内に保つことで、広角端状態における第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔が短縮され、第2レンズ群の径に比例して増大する第1レンズ群の径をも縮小することができ、その結果全径の有効径の小型化が達成される。
【0028】
条件式(4)は、第1レンズ群に含まれるレンズの形状に関する条件である。条件式(4)の上限値を超えると、第1レンズ群に含まれるレンズの曲率半径が強くなりすぎ、それに伴う中心厚やフチ厚の増大で、ズームレンズ全系が大型化してしまう。条件式(4)の下限値を超えると、第1レンズ群の屈折力が小さくなりすぎ、広角端状態で十分な画角を確保できなくなる上、第1レンズ群単独で発生する望遠端状態での球面収差が取りきれなくなる。
【0029】
条件式(5)は、第1レンズ群の形状と焦点距離に関する条件である。第1レンズ群の最も物体側の面の曲率は、凹面でも凸面でも構わないが、条件式(5)の下限値を下回ると高次のコマ収差が発生してしまい、広角端での性能を保つことが難しい。条件式(5)の上限値を上回ると、第1レンズ群を通る光束が光軸から離れて、ズームレンズ系の大型化を招いてしまう。
【0030】
条件式(6)は、第3レンズ群の焦点距離に関する条件である。本実施の形態のズームレンズは、正屈折力の第2レンズ群の像側にさらに正屈折力の第3レンズ群を有する構成としている。第3レンズ群は縮小光学系の働きもするため、ズームレンズ全系の収差を良好に補正するために有効である。第2レンズ群の最も物体側に配設された開口絞りから、第3レンズ群の最も物体側の面までの距離に対し、第3レンズ群の焦点距離を、条件式(6)の範囲内に保つことで、正屈折力の第3レンズ群は、固体撮像素子に対して効率よく光を導くことができ、ズームレンズ全系の射出瞳をコントロールすることができる。また、条件式(6)の下限値を下回ると、鏡筒の小型化が困難になる。
【0031】
なお、本発明の実施の形態においては、小型化と高性能化をさらに効率的に図るために、非球面レンズを採用することが望ましい。特に第1レンズ群に非球面を用いることにより歪曲収差、コマ収差を良好に補正できる。また、第2レンズ群に導入することにより球面収差を良好に補正することができ、少ない構成枚数でも収差の補正が可能となる。
【0032】
なお、光学系と、像面Iに配置される固体撮像素子との間に、コーティングやフィルターを挟むことで可視域外の光線を遮断加工が施されたローパスフィルターと、固体撮像素子を保護するカバーガラスを有する構成が望ましい。CCDなどの固体撮像素子は、人間の眼では見えない赤外域や紫外域にまである程度の感度を有していることが知られているが、こうした赤外側や紫外側での有害な光線を遮断することは、画像に現れる色の滲みを抑えるために有効である。
【0033】
以上述べたように、本発明の実施の形態では、固体撮像素子等を用いたビデオカメラ、電子スチルカメラ等に適し、小型で、ズーム比が6〜10倍程度で、広角端で60°の画角を有し、優れた結像性能を有するズームレンズを得ることが出来る。特にレンズ径の小型化はカメラの幅や高さを抑えられるため、カメラ全体の小型化が図れるだけでなく、レンズの収納スペースを小さくできることから、例えば携帯電話など、多種多様な形状の製品に適用が可能となる。
【0034】
(実施例)
以下、本発明にかかるズームレンズの各実施例について図を用いて説明する。
【0035】
各実施例とも、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1と,開口絞りSと、正屈折力の第2レンズ群G2と,正屈折力の第3レンズ群G3とから構成され、広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は増大するように移動し、第3レンズ群G3は光軸上に固定されている。そして、開口絞りSは、第2レンズ群G2に含まれ、第2レンズ群G2の中で最も物体側に配置され、第2レンズ群G2のレンズ群と一体に動くように構成されている。
【0036】
さらに、第3レンズ群G3と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターP1と、固体撮像素子を保護するカバー硝子P2とを有している。
【0037】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。図中のWは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態を示し、以降の他の実施例のレンズ構成図においても同様である。
【0038】
図1において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0039】
以下の表1に本第1実施例の諸元値を掲げる。(全体諸元)中のfは焦点距離、Bfはバックフォーカス、F NOはFナンバー、2ωは画角をそれぞれ表す。(レンズ諸元)の、第1カラムは物体側からのレンズ面番号、第2カラムrはレンズ面の曲率半径、第3カラムdはレンズ面間隔、第4カラムνは媒質のアッベ数、第5カラムnは媒質のd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を表す。また、r=∞は平面または開口を表す。
【0040】
また、(非球面データー)には、以下の式で非球面を表現した場合の非球面係数を示す。
【0041】
【数1】
但し、X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離、rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)、Kは円錐定数、Ciは第i次の非球面係数である。また、「E−n」(n:整数)は、「10−n」を示す。
【0042】
また、(ズーミングデーター)には、広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の各状態での焦点距離、可変間隔の値を示す。
【0043】
また、(条件式対応値)には、それぞれの条件式に対応する値を示す。
【0044】
なお、以下の全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さ等は、特記の無い場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されること無く他の適当な単位を用いることもできる。なお、以下の全実施例において、本実施例と同様の符号を用い説明を省略する。
【0045】
【表1】
図2は、第1実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0046】
各収差図において、FNOはFナンバー、CはC線(λ=656.3nm)、dはd線(λ=587.6nm)、FはF線(λ=486.1nm)、gはg線(λ=435.8nm)の収差曲線をそれぞれ示している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリジオナル像面をそれぞれ示している。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図、歪曲収差図では像高Yの最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。なお。以下の全実施例の収差図において、本第1実施例と同様の符号を用い説明を省略する。
【0047】
各収差図から、本第1実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0048】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0049】
図3において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0050】
以下の表2に本第2実施例の諸元値を掲げる。
【0051】
【表2】
図4は、第2実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0052】
各収差図から、本第2実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0053】
(第3実施例)
図5は、本発明の第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0054】
図5において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0055】
以下の表3に本第3実施例の諸元値を掲げる。
【0056】
【表3】
図6は、第3実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0057】
各収差図から、本第3実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0058】
(第4実施例)
図7は、本発明の第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0059】
図7において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0060】
以下の表4に本第4実施例の諸元値を掲げる。
【0061】
【表4】
図8は、第4実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0062】
各収差図から、本第4実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0063】
(第5実施例)
図9は、本発明の第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0064】
図9において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と両凹形状の正レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0065】
以下の表5に本第5実施例の諸元値を掲げる。
【0066】
【表5】
図10は、第5実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0067】
各収差図から、本第5実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0068】
(第6実施例)
図11は、本発明の第6実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0069】
図11において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0070】
以下の表6に本第6実施例の諸元値を掲げる。
【0071】
【表6】
図12は、第6実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0072】
各収差図から、本第6実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、小型で高性能な可変焦点距離レンズ系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図3】本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図5】本発明に第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図7】本発明に第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図9】本発明に第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図10】本発明の第5実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図11】本発明に第6実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図12】本発明の第6実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【主な符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
P1 フィルタ
P2 カバーガラス
I 像面
【発明の属する技術分野】
本発明は、CCD等の固体撮像素子を用いた小型カメラなどに適した可変焦点距離レンズ系に関し、特に負正正の3群からなる可変焦点距離レンズ系に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体撮像素子向けカメラは、いわゆるデジタルカメラとして一般的に浸透しているが、構成枚数を減らし、小型化、低価格化が図れればより使われる場面も広がってくる。そして、カメラの小型化には、レンズ系の小型化が必要であり、レンズ系の小型化としては、全長の縮小とレンズ径の小型化の2つの要素が考えられる。このような固体撮像素子に適した可変焦点距離レンズ系の例として、例えば特開2001−13408(特許文献1)などが開示されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−13408号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1などに開示された可変焦点距離レンズ系は、構成枚数の少ないものもあるが、全長や鏡筒径、沈胴時の厚みなどが大きく、無理にこれらを抑えようとすると収差補正上の破綻をきたしてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、小型で高性能な可変焦点距離レンズ系を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群とを備えるズームレンズであって、前記第1レンズ群は、物体側から順に、正レンズと負レンズとの接合レンズから成り、前記第2レンズ群は、物体側から順に、開口絞りと、物体側に凸面を向けた第1正レンズと、物体側に凸面を向けた第2正レンズと、像面側に凹面を向けた負レンズとを含み、前記第3レンズ群は、少なくとも1枚以上のレンズを含み、以下の条件式(1)を満たすことを特徴とするズームレンズ。
【0007】
(1) 3 < |f1|/Y ≦ 4.4
ただし、
f1=前記第1レンズ群の焦点距離、
Y =最大像高である。
【0008】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0009】
(2) 0.5 < G23b/S2 < 0.9
ただし、
G23b =前記第2レンズ群中に含まれる負レンズの像側の曲率半径、
S2 =前記第2レンズ群の光軸上の厚さの総和である。
【0010】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0011】
(3) 0.15 < Y/ D1w < 0.35
ただし、
Y =最大像高、
D1w =広角端状態における前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も物体側にある開口絞りとの間隔である。
【0012】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0013】
(4) 0.02 < Σ1/|r| / fw< 0.04
ただし、
Σ1/|r|=前記第1レンズ群中に含まれる全てのレンズ面の各曲率半径の絶対の逆数の和、
fw =広角端状態の焦点距離である。
【0014】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0015】
(5) −0.15 < fw/G11a < 0.2
ただし、
G11a=前記第1レンズ群の最も物体側のレンズの物体側面の曲率半径である。
【0016】
また、本発明の可変焦点距離レンズ系は、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0017】
(6) 0.45 < (S2+D2w)/f3 < 1.2
ただし、
D2w =広角端状態における前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間隔、
f3 =前記第3レンズ群の焦点距離である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(構成の説明)
以下,本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0019】
本発明の実施の形態にかかる可変焦点距離レンズ系(以後、ズームレンズと記す)は、物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、開口絞りと、正屈折力の第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群を有する構成である。
【0020】
特に、本発明の本実施の形態おいては、最も焦点距離の短くなる広角端状態から最も焦点距離の長くなる望遠端状態に向かってレンズ位置状態が変化する際に、第2レンズ群と第3レンズ群が光軸上を移動することにより倍率を変え、それに伴い第1レンズ群が焦点位置を保つために移動する。
【0021】
また、本発明の本実施の形態では、ズームレンズ系の小型化を図る上で、第1レンズ群の小型化が重要であるという認識のもとに、第1レンズ群を正レンズと負レンズとの接合レンズのみとし、特に第1レンズ群のレンズ径が小さくなるように構成している。
【0022】
また、沈胴時の小型化を図る上では、各レンズ群の小型化も重要であることから第2レンズ群の中心厚および曲率半径を抑えながらズームレンズ系を構成している。この結果、沈胴式のズームレンズで問題となるレンズの総厚を最小に抑え、全系の小型化を図りながら、諸収差を良好に補正することを可能にしている。
【0023】
以下、各条件式について説明する。
【0024】
条件式(1)は、第1レンズ群の焦点距離に関する条件である。本実施の形態においては、第1レンズ群の焦点距離を条件式(1)の範囲に保つことことで、諸収差を補正しながら、ズームレンズ全系の縮小を図っている。条件式(1)の下限値に満たない場合、簡素な構成で良好な結像性能を得るのは難しい。また条件式(1)の上限値を超えるとレンズ径およびズームレンズ全長の小型化が困難になる。
【0025】
ズームレンズ系の小型化と良好な収差補正を両立させるために、本実施の形態のズームレンズはさらに条件式(2)から条件式(6)の少なくとも1つを満足することが望ましい。
【0026】
条件式(2)は、第2レンズ群の負レンズの曲率半径と第2レンズ群の光軸上の総厚との比を規定するものである。条件式(2)の上限値を超えると第2レンズ群の負レンズの凹面の曲率が強くなり、非点収差、歪曲収差などの補正が困難になる。また条件式(2)下限値を超えると鏡筒の小型化が困難になる。
【0027】
条件式(3)は、第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔を規定する条件である。本実施の形態においては、第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔を条件式(3)の範囲に保つことことで、全径の縮小を図っている。諸収差の良好な補正のためには、下限値を満たす必要があり、条件式(3)を上限値内に保つことで、広角端状態における第1レンズ群と第2レンズ群の群間隔が短縮され、第2レンズ群の径に比例して増大する第1レンズ群の径をも縮小することができ、その結果全径の有効径の小型化が達成される。
【0028】
条件式(4)は、第1レンズ群に含まれるレンズの形状に関する条件である。条件式(4)の上限値を超えると、第1レンズ群に含まれるレンズの曲率半径が強くなりすぎ、それに伴う中心厚やフチ厚の増大で、ズームレンズ全系が大型化してしまう。条件式(4)の下限値を超えると、第1レンズ群の屈折力が小さくなりすぎ、広角端状態で十分な画角を確保できなくなる上、第1レンズ群単独で発生する望遠端状態での球面収差が取りきれなくなる。
【0029】
条件式(5)は、第1レンズ群の形状と焦点距離に関する条件である。第1レンズ群の最も物体側の面の曲率は、凹面でも凸面でも構わないが、条件式(5)の下限値を下回ると高次のコマ収差が発生してしまい、広角端での性能を保つことが難しい。条件式(5)の上限値を上回ると、第1レンズ群を通る光束が光軸から離れて、ズームレンズ系の大型化を招いてしまう。
【0030】
条件式(6)は、第3レンズ群の焦点距離に関する条件である。本実施の形態のズームレンズは、正屈折力の第2レンズ群の像側にさらに正屈折力の第3レンズ群を有する構成としている。第3レンズ群は縮小光学系の働きもするため、ズームレンズ全系の収差を良好に補正するために有効である。第2レンズ群の最も物体側に配設された開口絞りから、第3レンズ群の最も物体側の面までの距離に対し、第3レンズ群の焦点距離を、条件式(6)の範囲内に保つことで、正屈折力の第3レンズ群は、固体撮像素子に対して効率よく光を導くことができ、ズームレンズ全系の射出瞳をコントロールすることができる。また、条件式(6)の下限値を下回ると、鏡筒の小型化が困難になる。
【0031】
なお、本発明の実施の形態においては、小型化と高性能化をさらに効率的に図るために、非球面レンズを採用することが望ましい。特に第1レンズ群に非球面を用いることにより歪曲収差、コマ収差を良好に補正できる。また、第2レンズ群に導入することにより球面収差を良好に補正することができ、少ない構成枚数でも収差の補正が可能となる。
【0032】
なお、光学系と、像面Iに配置される固体撮像素子との間に、コーティングやフィルターを挟むことで可視域外の光線を遮断加工が施されたローパスフィルターと、固体撮像素子を保護するカバーガラスを有する構成が望ましい。CCDなどの固体撮像素子は、人間の眼では見えない赤外域や紫外域にまである程度の感度を有していることが知られているが、こうした赤外側や紫外側での有害な光線を遮断することは、画像に現れる色の滲みを抑えるために有効である。
【0033】
以上述べたように、本発明の実施の形態では、固体撮像素子等を用いたビデオカメラ、電子スチルカメラ等に適し、小型で、ズーム比が6〜10倍程度で、広角端で60°の画角を有し、優れた結像性能を有するズームレンズを得ることが出来る。特にレンズ径の小型化はカメラの幅や高さを抑えられるため、カメラ全体の小型化が図れるだけでなく、レンズの収納スペースを小さくできることから、例えば携帯電話など、多種多様な形状の製品に適用が可能となる。
【0034】
(実施例)
以下、本発明にかかるズームレンズの各実施例について図を用いて説明する。
【0035】
各実施例とも、物体側から順に、負屈折力の第1レンズ群G1と,開口絞りSと、正屈折力の第2レンズ群G2と,正屈折力の第3レンズ群G3とから構成され、広角端状態(W)から望遠端状態(T)への変倍に際して、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との空気間隔は減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との空気間隔は増大するように移動し、第3レンズ群G3は光軸上に固定されている。そして、開口絞りSは、第2レンズ群G2に含まれ、第2レンズ群G2の中で最も物体側に配置され、第2レンズ群G2のレンズ群と一体に動くように構成されている。
【0036】
さらに、第3レンズ群G3と像面Iとの間に、像面Iに配設されるCCD等の固体撮像素子の限界解像以上の空間周波数をカットするためのローパスフィルターP1と、固体撮像素子を保護するカバー硝子P2とを有している。
【0037】
(第1実施例)
図1は、本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。図中のWは広角端状態、Mは中間焦点距離状態、Tは望遠端状態を示し、以降の他の実施例のレンズ構成図においても同様である。
【0038】
図1において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0039】
以下の表1に本第1実施例の諸元値を掲げる。(全体諸元)中のfは焦点距離、Bfはバックフォーカス、F NOはFナンバー、2ωは画角をそれぞれ表す。(レンズ諸元)の、第1カラムは物体側からのレンズ面番号、第2カラムrはレンズ面の曲率半径、第3カラムdはレンズ面間隔、第4カラムνは媒質のアッベ数、第5カラムnは媒質のd線(λ=587.6nm)に対する屈折率を表す。また、r=∞は平面または開口を表す。
【0040】
また、(非球面データー)には、以下の式で非球面を表現した場合の非球面係数を示す。
【0041】
【数1】
但し、X(y)は非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸方向に沿った距離、rは基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)、Kは円錐定数、Ciは第i次の非球面係数である。また、「E−n」(n:整数)は、「10−n」を示す。
【0042】
また、(ズーミングデーター)には、広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態の各状態での焦点距離、可変間隔の値を示す。
【0043】
また、(条件式対応値)には、それぞれの条件式に対応する値を示す。
【0044】
なお、以下の全ての諸元値において、掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔dその他の長さ等は、特記の無い場合一般に「mm」が使われるが、光学系は比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、単位は「mm」に限定されること無く他の適当な単位を用いることもできる。なお、以下の全実施例において、本実施例と同様の符号を用い説明を省略する。
【0045】
【表1】
図2は、第1実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0046】
各収差図において、FNOはFナンバー、CはC線(λ=656.3nm)、dはd線(λ=587.6nm)、FはF線(λ=486.1nm)、gはg線(λ=435.8nm)の収差曲線をそれぞれ示している。また、非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリジオナル像面をそれぞれ示している。球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図、歪曲収差図では像高Yの最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。なお。以下の全実施例の収差図において、本第1実施例と同様の符号を用い説明を省略する。
【0047】
各収差図から、本第1実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0048】
(第2実施例)
図3は、本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0049】
図3において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0050】
以下の表2に本第2実施例の諸元値を掲げる。
【0051】
【表2】
図4は、第2実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0052】
各収差図から、本第2実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0053】
(第3実施例)
図5は、本発明の第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0054】
図5において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0055】
以下の表3に本第3実施例の諸元値を掲げる。
【0056】
【表3】
図6は、第3実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0057】
各収差図から、本第3実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0058】
(第4実施例)
図7は、本発明の第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0059】
図7において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0060】
以下の表4に本第4実施例の諸元値を掲げる。
【0061】
【表4】
図8は、第4実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0062】
各収差図から、本第4実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0063】
(第5実施例)
図9は、本発明の第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0064】
図9において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と両凹形状の正レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0065】
以下の表5に本第5実施例の諸元値を掲げる。
【0066】
【表5】
図10は、第5実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0067】
各収差図から、本第5実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0068】
(第6実施例)
図11は、本発明の第6実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【0069】
図11において、第1レンズ群G1は、全体として負の屈折力を有し、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズL11と両凹形状の負レンズL12との接合レンズの2枚から成り、第2レンズ群G2は、開口絞りSと、全体として正の屈折力を有し、両凸形状の正レンズL21と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL22と物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL23との接合レンズの3枚から成り、第3レンズ群G3は、両凸形状の正レンズL3の1枚から構成されている。
【0070】
以下の表6に本第6実施例の諸元値を掲げる。
【0071】
【表6】
図12は、第6実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【0072】
各収差図から、本第6実施例において広角端状態から望遠端状態に亘って諸収差が良好に補正され、優れた結像特性を有していることがわかる。
【0073】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、小型で高性能な可変焦点距離レンズ系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図3】本発明の第2実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図4】本発明の第2実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図5】本発明に第3実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図7】本発明に第4実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図8】本発明の第4実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図9】本発明に第5実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図10】本発明の第5実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【図11】本発明に第6実施例にかかるズームレンズのレンズ構成を示す図である。
【図12】本発明の第6実施例にかかるズームレンズ系の諸収差図をそれぞれ示し、(a)は広角端状態、(b)は中間焦点距離状態、(c)は望遠端状態における諸収差図をそれぞれ示している。
【主な符号の説明】
G1 第1レンズ群
G2 第2レンズ群
G3 第3レンズ群
S 開口絞り
P1 フィルタ
P2 カバーガラス
I 像面
Claims (6)
- 物体側より順に、負屈折力の第1レンズ群と、正屈折力の第2レンズ群と、正屈折力の第3レンズ群とを備えるズームレンズであって、
前記第1レンズ群は、物体側から順に、正レンズと負レンズとの接合レンズから成り、
前記第2レンズ群は、物体側から順に、開口絞りと、物体側に凸面を向けた第1正レンズと、物体側に凸面を向けた第2正レンズと、像面側に凹面を向けた負レンズとを含み、
前記第3レンズ群は、少なくとも1枚以上のレンズを含み、
以下の条件式を満たすことを特徴とするズームレンズ。
3 < |f1|/Y ≦ 4.4
ただし、
f1=前記第1レンズ群の焦点距離,
Y =最大像高. - 請求項1に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.5 < G23b/S2 < 0.9
ただし、
G23b =前記第2レンズ群中に含まれる負レンズの像側の曲率半径,
S2 =前記第2レンズ群の光軸上の厚さの総和. - 請求項1または2に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.15 < Y/ D1w < 0.35
ただし、
Y =最大像高,
D1w =広角端状態における前記第1レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第2レンズ群の最も物体側にある開口絞りとの間隔. - 請求項1から3のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.02 < Σ1/|r| / fw< 0.04
ただし、
Σ1/|r|=前記第1レンズ群中に含まれる全てのレンズ面の各曲率半径の絶対値の逆数の和.
fw =広角端状態の焦点距離. - 請求項1から4いずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
−0.15 < fw/G11a < 0.2
ただし、
G11a=前記第1レンズ群の最も物体側のレンズの物体側面の曲率半径. - 請求項1から5のいずれか1項に記載の可変焦点距離レンズ系において、
以下の条件式を満足することを特徴とする可変焦点距離レンズ系。
0.45 < (S2+D2w)/f3 < 1.2
ただし、
D2w =広角端状態における前記第2レンズ群の最も像側のレンズ面と前記第3レンズ群の最も物体側のレンズ面との間隔,
f3 =前記第3レンズ群の焦点距離.
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060509 |