JP2004258111A - レンズ駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】1つのアクチュエータにより光学ズーム,マクロ,フォーカスの動作が行えて外形を超小型化することができ、薄厚化,小型化を進める携帯電話機などにも好ましく組み込めるレンズ駆動装置を提供すること
【解決手段】前群レンズ1,後群レンズ2,CCD等の撮像素子6を光軸Lに順に配列し、図示しない駆動手段により後群レンズ2のみをガイドピン5の方向(光軸方向)に動かす。この駆動では後群レンズ2は2つの定位置A,Bに停止させ、ズーム倍率はそれぞれA倍,B倍となり2値をとる。後群レンズ2の駆動については、停止させた定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。後群レンズ2を微少に移動させるのでフォーカス動作が行える。また微少距離を動かすことから、やがて無限遠でのズーム焦点が外れていき、ごく接近した位置に存在する焦点にピントが合うようになりマクロ動作が行える。
【選択図】 図1
【解決手段】前群レンズ1,後群レンズ2,CCD等の撮像素子6を光軸Lに順に配列し、図示しない駆動手段により後群レンズ2のみをガイドピン5の方向(光軸方向)に動かす。この駆動では後群レンズ2は2つの定位置A,Bに停止させ、ズーム倍率はそれぞれA倍,B倍となり2値をとる。後群レンズ2の駆動については、停止させた定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。後群レンズ2を微少に移動させるのでフォーカス動作が行える。また微少距離を動かすことから、やがて無限遠でのズーム焦点が外れていき、ごく接近した位置に存在する焦点にピントが合うようになりマクロ動作が行える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ズーム,マクロ,フォーカスの動作を行うためにレンズを可動するレンズ駆動装置に関するもので、より具体的には、超小型カメラに適用するためレンズ構成を簡素化したものにおける駆動動作の改良に関する。
【0002】
【発明の背景】
近年、超小型カメラを組み込んだ携帯電話機が普及している。係る超小型カメラは、寸法形状の制限から一般に固定焦点のものが用いられている。携帯電話機を購入する場合の機種を選定する際の一因として係る超小型カメラの有無は大きなウエートを占めている。そして、ユーザの心理としても、携帯電話機に超小型カメラが付いているか否かが大きなポイントであり、超小型カメラの性能・機能まではあまり気にしていないのが実情である。
【0003】
しかし、現在の固定焦点式の超小型カメラ付きの携帯電話機が普及するにつれ、既に係る携帯電話機を使用しているユーザは、他者との差別化等から通常ある程度の期間にわたって使用すると、さらなる高機能化を望むことが予測される。高機能化の1つの態様として、スチールカメラやビデオカメラなどで一般に採用されている光学ズーム機能がある。
【0004】
係る光学ズーム機能は、通常、2枚もしくは2つ以上のレンズ群をそれぞれ光軸方向に適宜移動させることにより、所望のズームを得るとともに、そのズームに応じてピント合わせ(フォーカス)を行うようになる。そして、係る処理を行うための具体的な機構としては、例えば特許文献1に示すように、2つのレンズをそれぞれ独立したアクチュエータ(ステッピングモータ)で動かすようにしたものがある。また、別の方法としては、特許文献2に示すように、1つのアクチュエータやモータに対して、カムを用いることにより2つのレンズ(レンズ群)の位置関係を制御し、ズームを実現するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−336938号(第3頁から第4頁,図1)
【特許文献2】
特開平11−52209号(第3頁から第4頁,図1から図4)
【特許文献3】
特開2002−290523号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光学ズームを実現するためのレンズの動きは複雑で、一方向の動きだけでなく、往復を含む非線形の曲線を描く。特に、携帯電話機に実装するためには、レンズの寸法がφ7mm以下、好ましくはφ5mm以下が要求され、そのように超小型なレンズを用いた場合、レンズの位置精度も厳しくなり、高精度な位置決めと高度な制御が必要となる。
【0007】
そのため、アクチュエータを動かす駆動回路に加え、物体との距離を測定したり、位置を確認するためのセンサや画像からのデータを処理し、駆動回路にフィードバックをかける回路が必要となる。つまり、高度なセンサやデータ処理,制御が必要な分、開発,設計工数が必要となる。さらに、部品点数の増加に伴い高価,消費電力の増大,大型化となり、携帯電話機等に実装するのが困難となる。特に、特許文献1のように、各レンズ毎に駆動系を設けた場合には、上記問題がより顕著に生じる。
【0008】
一方、特許文献2のようにカムを用いた場合は、1つのアクチュエータでズームは実現可能であるが、非線形の動きをさせるために複数の曲率を持つカムやガイドが必要となる。そのため、動きもメカ機構も複雑になる。さらに、レンズの挙動は、カメラ仕様により大きく異なるため、その度にカムを開発/設計しなければならない。
【0009】
また、携帯電話に実装するズーム機能を備えた駆動装置としては、特許文献3などに見られるように、1つのアクチュエータ(モータ)に対して、カムを用いることにより前後2つのレンズ(群レンズ)の位置関係を制御し、ズームを実現している。しかし、上記した公報のものは、レンズの回りに直進案内のスロット用の固定筒を配置し、その外側に駆動力を伝えるカム筒を配置する2重筒のカム機構であり、これらを筒状本体に収納することであるため、外形サイズが太くなる問題がある。
【0010】
さらに、マクロ動作を実現するためには、前後2つの群レンズをやはりそれぞれ光軸方向に適宜移動させることで所望のマクロ焦点を得られるものの、この場合は前後の群レンズおよび撮像素子の相対的な位置関係がズーム動作と相違するため、これらを両立させるには各群レンズをそれぞれ独立に動かしたい。しかし、2つのアクチュエータで各群レンズを独立に動かす構成では本体が大きくなってしまい、超小型化が困難になる。また、カム機構ではズームとマクロの動作を得るには構成が複雑化し、やはり超小型化にとって阻害が大きい。
【0011】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、1つのアクチュエータにより光学ズーム,マクロ,フォーカスの動作が行えて外形を超小型化することができ、薄厚化,小型化を進める携帯電話機などにも好ましく組み込めるレンズ駆動装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るレンズ駆動装置は、直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持する。そして、前記第1レンズ支持部材は固定し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の2つの定位置で停止するとともに、該当定位置で微少距離を動かす駆動を行うように構成することにより、光学ズーム並びにフォーカス動作を行うことができるように構成した。
【0013】
ここで、第1レンズ支持部材は、実施の形態では、前レンズ群を支持する部材(枠体3,前群支持体40)に対応し、第2レンズ支持部材は、実施の形態では、後群レンズを支持する部材(枠体4,後群可動体30)に対応するが、本発明はこれに限ることはなく、ズーム倍率とレンズ位置の相関を示す動作特性によっては、逆の適用もあり得る。
【0014】
本発明では、停止箇所を2箇所の定位置と、その定位置を基準に微少距離移動させた位置に限定するようにした。これにより、簡易で小型な機構でもって、位置決めが容易に行えるようになり、停止位置を動作特性に応じて適宜に設定することにより、異なるズーム倍率を発揮させることができる。このため単に一方の第2レンズ支持部材だけを駆動する構成でも2値のズーム動作が行える。
【0015】
そして、各定位置において後レンズを微少に移動させるので、ピントを合わせることができ、フォーカス動作が行える。また、微少距離を動かすことから、やがてズーム焦点が外れていき、ごく接近した位置に存在する焦点にピントが合うようになりマクロ動作が行える。
【0016】
実験により確認したところ、前記定位置での微少移動は少なくとも前後500μmの区間について50μm以下の送りピッチ毎に移動を行うようにすれば、ごく接近した位置に存在するマクロ焦点を容易に利用できる。そして、前記微少移動の送りピッチを、数μm以下にすると、フォーカス動作が容易になる。
【0017】
また、前記駆動手段は駆動源をステッピングモータとし、当該出力軸にリードスクリューを設けるとともに、前記後レンズの支持部材の対応位置にリードナットを設けて、両者の連係により直線動作を行う。この場合、ステッピングモータを使うことからオープンループで駆動でき、位置検出センサ等が不要で構成がシンプルになり駆動制御が容易になる。
【0018】
また、前記ステッピングモータはステータをロータの左右に配置した扁平タイプである。この場合、駆動源が扁平になるのでレンズ駆動装置の厚みを大幅に低くでき、超小型化の面で有利性がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態における概念を説明する側面図である。本実施の形態において、レンズ駆動装置は、前群レンズ1と後群レンズ2を光軸Lの前後に配列し、前群レンズ1は定位置に固定し、後述する駆動手段により後群レンズ2を光軸方向に動かす構成になっている。
【0020】
前後の群レンズ1,2は同様に、環状の枠体3,4にレンズ群を嵌め込んで支持する構成であり、各レンズ群は直径が5mm程度のものになる。そして、光軸Lに沿って複数のガイドピン5,5を配置し、前後の枠体3,4は外周に設けた孔部をそれらガイドピン5,5に嵌め合わせて光軸方向に整列する。
【0021】
超小型カメラのレンズユニットとして機能させるには、後群レンズ2の背側にCCD等の撮像素子6を配置する。したがって、撮像素子6では光軸Lに整列した3つの光学要素の位置関係に応じて結像の倍率が変化し、このズーム倍率の変化は一般的に図2に示すような特性になる。
【0022】
つまり、前後2組のレンズ構成における一般的な光学特性としては、ズーム倍率を広角(WIDE)から望遠(TELE)まで適宜に得るには前群レンズ1も動かす必要があり、これには後群レンズ2を被写体側へ直線状(特性b)に動かすとともに、前群レンズ1は撮像素子6側へ一旦動かした後に被写体側へ戻していくような曲線状(特性f)に動かす駆動が必要になる。
【0023】
しかしそれでは前群レンズ1を動かす駆動手段が別に必要になって小型化できなくなるため、本実施の形態では前群レンズ1は定位置に固定し(特性c)、後群レンズ2だけを光軸方向に動かすようにし、さらに、後群レンズ2は2つの定位置A,Bに停止させるようにした。これにより、定位置Aではズーム倍率をA倍にし、定位置Bではズーム倍率をB倍にすることができ、2値のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0024】
具体的な一例を示すと、撮像素子6から前群レンズ1間での距離を11.259mmで固定した場合、撮像素子6から後群レンズ2までの距離が2.367mmの時はズーム倍率が1となり、4.184mmの時はズーム倍率が2倍となる。
【0025】
さらに本発明では、後群レンズ2は、停止させた定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。この各定位置A,Bでの微少移動は、少なくとも前後600μmの区間について50μm以下の送りピッチ毎に移動を行うように設定している。これらの数値は光学系の設計値に応じて最適値が違ってくるが実験により確認してある。具体的には図3に示すように、撮像素子6に接近した側の定位置Aでは、被写体側へ向けて300μm程度移動することにより、対物距離が5cmのマクロ焦点が得られた。このとき、結像倍率はA+0.1倍程度に変化するが、当該定位置Aで微少距離を動かす駆動によってマクロ動作が行える。また、前群レンズ1に接近した側の定位置Bでは、撮像素子6側へ向けて数100μm程度移動することにより、対物距離が5cmのマクロ焦点が得られた。このとき、結像倍率はB−0.1倍程度に変化するが、当該定位置Bで微少距離を動かす駆動によってマクロ動作が行える。
【0026】
また、実験により確認したところ、各定位置A,Bでの微少移動の距離が数10μmでは焦点が30cmの位置で合い、10μm程度では焦点が1mの位置で合った。
【0027】
そして、後群レンズ2の駆動については、微少移動の送りピッチを数μm以下にする設定もとるようにした。このように、送りピッチをより微少にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作が容易になる。
【0028】
したがって、1つのアクチュエータにより単に後群レンズ2だけを駆動する構成でも2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行えるとともに、フォーカス動作も容易に行える。そして、後群レンズ2を2つの定位置A,Bの間で往復移動させるためには、アクチュエータとしてはステッピングモータを用いることができる。
【0029】
上記した動作原理を実現するためのより具体的な構成を説明する。図4,図5は本発明の第1の実施の形態を示し、駆動源としてステッピングモータを用いている。図4は各部を分離して示す斜視図であり、図5(a)はズーム倍率がA倍(基本姿勢)の状態を示し、図5(b)はズーム倍率がB倍の状態を示す斜視図である。
【0030】
このレンズ駆動装置にあっては、平面矩形状のベース10は、その前面に、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12を形成している。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13を設けるとともに、中央に大径の貫通孔14を形成している。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示は省略するがこの貫通孔14の背側の所定位置にCCD等の撮像素子を配置する。
【0031】
また、低段部12の上面には小型のステッピングモータ20を設置する。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。ケース本体21の内部には図示は省略するが中央にロータを配置し、出力軸22はロータの中心に挿入して一体化している。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部にステータを配置する。
【0032】
なお、このような構成のステッピングモータとしては、例えば特開平6−1055828,特開平6−296358などに開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、こうした構成のものに限らず各種のものを利用できることは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分にはねじ山を切りリードスクリューにしている。
【0033】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれガイドピン15の一端を挿入して固着している。そして、このガイドピン15に対して、後群可動体30を移動可能に挿入している。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、このガイド孔31内にガイドピン15を挿入させて配置し、このため3つのガイドピン15によって支持した後群可動体30は安定した姿勢でガイドピン15に沿って前後に移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示は省略するが後群レンズ(1枚の場合もある)を装着する。したがって、後群可動体30の前後への移動に伴い、後群レンズも前後に移動する。また、この後群可動体30をガイドピン15に装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0034】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34を形成するとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35を形成している。そして、この凹部35内にリードナット36を挿入して固着している。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36つまり後群可動体30が前後に移動する。
【0035】
さらに、各ガイドピン15の先端には、前群レンズを支持する前群支持体40を装着している。この前群支持体40は、各ガイドピン15の先端に固定しているため、ベース10との相対位置、つまり図示を省略した撮像素子との相対的な位置関係は不変である。そして、この前群支持体40の中央部位、つまりベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前群レンズを挿入して配置する。
また、各ガイドピン15には、スペーサ43を挿入して配置している。このスペーサ43は厚さを調整してある。
【0036】
ステッピングモータ20の駆動では、ステップ数に応じて後群可動体30の移動位置を精度よく位置決めでき、出力軸22を逆回転することにより後群可動体30を後退させ、図5(a)に示すようにベース10の前面に接近する定位置Aに停止し、ここを基本姿勢としてズーム倍率はA倍に設定する。この状態から出力軸22を正回転することにより後群可動体30を前進させ、図5(b)に示すようにスペーサ43に接近する定位置Bに停止し、ここではズーム倍率はB倍に設定する。
【0037】
そして、各定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。ここで、ステッピングモータ20を例えば2相タイプで12ステップのものとし、0.5mmピッチのリードスクリューを使用することで、2相励磁で1ステップ当たり約42μmの送りが実現でき、数ステップ送りでマクロ動作への切り替えが行える。
【0038】
フォーカス動作には送りピッチをより細かくする必要があり、ステッピングモータ20を例えば20ステップで0.25μmピッチのものを使うと、1ステップ当たり12.5μmの送りが行える。さらに1−2相励磁の駆動にすれば1ステップ当たり6.25μmの送りが行えることから、フォーカス動作をより精密に行える。
【0039】
このように、ステッピングモータ20の駆動により後群可動体30つまり後群レンズを定位置A,Bに移動でき、各定位置A,Bにおいて微少移動が行える。したがって、1つのアクチュエータにより2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行えるとともに、微少移動の送りピッチを数μm以下にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作も容易に行える。
【0040】
なお、上記した構成のレンズ駆動装置にあっては、寸法形状の一例では、ベース10は11mm角とし、貫通孔32,41の内径つまり後群レンズ,前群レンズの直径は5mmとし、装置全体の高さ(ベース10の底面から前群支持体40の前面までの距離)は、約11mmとしている。これにより、携帯電話機に充分実装可能となる。
【0041】
また、携帯電話機の寸法形状を考慮すると、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっている。このレベルが採用の上限になっているとすると、さらに一回り大きいものでも可能となり、レンズ径が7mm程度のものまでは、トータル的サイズ(ベース10の平面形状)が13mm角以下に抑えることができる。もちろん、より小さなレンズを用い、全体的にさらなる小型化を図るのを妨げない。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るレンズ駆動装置では、前レンズは固定し、駆動手段に連係した後レンズだけの移動を行い、2つの定位置に停止させる一方それら定位置で微少距離を動かすことから、2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行える。さらに微少移動の送りピッチを数μm以下にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作も容易に行える。その結果、外形を超小型化することができ、薄厚化,小型化を進める携帯電話機などにも好ましく組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における概念を説明する側面図である。
【図2】ズーム倍率に対するレンズ位置を示す特性図である。
【図3】マクロ動作となるレンズ位置を示す特性図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を分解して示す斜視図である。
【図5】(a),(b)は後群レンズの移動状態を示し、それぞれ定位置A,Bに位置した斜視図である。
【符号の説明】
1 前群レンズ
2 後群レンズ
3,4 枠体
5 ガイドピン
6 撮像素子
10 ベース
20 ステッピングモータ
30 後群可動体
40 前群支持体
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ズーム,マクロ,フォーカスの動作を行うためにレンズを可動するレンズ駆動装置に関するもので、より具体的には、超小型カメラに適用するためレンズ構成を簡素化したものにおける駆動動作の改良に関する。
【0002】
【発明の背景】
近年、超小型カメラを組み込んだ携帯電話機が普及している。係る超小型カメラは、寸法形状の制限から一般に固定焦点のものが用いられている。携帯電話機を購入する場合の機種を選定する際の一因として係る超小型カメラの有無は大きなウエートを占めている。そして、ユーザの心理としても、携帯電話機に超小型カメラが付いているか否かが大きなポイントであり、超小型カメラの性能・機能まではあまり気にしていないのが実情である。
【0003】
しかし、現在の固定焦点式の超小型カメラ付きの携帯電話機が普及するにつれ、既に係る携帯電話機を使用しているユーザは、他者との差別化等から通常ある程度の期間にわたって使用すると、さらなる高機能化を望むことが予測される。高機能化の1つの態様として、スチールカメラやビデオカメラなどで一般に採用されている光学ズーム機能がある。
【0004】
係る光学ズーム機能は、通常、2枚もしくは2つ以上のレンズ群をそれぞれ光軸方向に適宜移動させることにより、所望のズームを得るとともに、そのズームに応じてピント合わせ(フォーカス)を行うようになる。そして、係る処理を行うための具体的な機構としては、例えば特許文献1に示すように、2つのレンズをそれぞれ独立したアクチュエータ(ステッピングモータ)で動かすようにしたものがある。また、別の方法としては、特許文献2に示すように、1つのアクチュエータやモータに対して、カムを用いることにより2つのレンズ(レンズ群)の位置関係を制御し、ズームを実現するようにしている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−336938号(第3頁から第4頁,図1)
【特許文献2】
特開平11−52209号(第3頁から第4頁,図1から図4)
【特許文献3】
特開2002−290523号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
光学ズームを実現するためのレンズの動きは複雑で、一方向の動きだけでなく、往復を含む非線形の曲線を描く。特に、携帯電話機に実装するためには、レンズの寸法がφ7mm以下、好ましくはφ5mm以下が要求され、そのように超小型なレンズを用いた場合、レンズの位置精度も厳しくなり、高精度な位置決めと高度な制御が必要となる。
【0007】
そのため、アクチュエータを動かす駆動回路に加え、物体との距離を測定したり、位置を確認するためのセンサや画像からのデータを処理し、駆動回路にフィードバックをかける回路が必要となる。つまり、高度なセンサやデータ処理,制御が必要な分、開発,設計工数が必要となる。さらに、部品点数の増加に伴い高価,消費電力の増大,大型化となり、携帯電話機等に実装するのが困難となる。特に、特許文献1のように、各レンズ毎に駆動系を設けた場合には、上記問題がより顕著に生じる。
【0008】
一方、特許文献2のようにカムを用いた場合は、1つのアクチュエータでズームは実現可能であるが、非線形の動きをさせるために複数の曲率を持つカムやガイドが必要となる。そのため、動きもメカ機構も複雑になる。さらに、レンズの挙動は、カメラ仕様により大きく異なるため、その度にカムを開発/設計しなければならない。
【0009】
また、携帯電話に実装するズーム機能を備えた駆動装置としては、特許文献3などに見られるように、1つのアクチュエータ(モータ)に対して、カムを用いることにより前後2つのレンズ(群レンズ)の位置関係を制御し、ズームを実現している。しかし、上記した公報のものは、レンズの回りに直進案内のスロット用の固定筒を配置し、その外側に駆動力を伝えるカム筒を配置する2重筒のカム機構であり、これらを筒状本体に収納することであるため、外形サイズが太くなる問題がある。
【0010】
さらに、マクロ動作を実現するためには、前後2つの群レンズをやはりそれぞれ光軸方向に適宜移動させることで所望のマクロ焦点を得られるものの、この場合は前後の群レンズおよび撮像素子の相対的な位置関係がズーム動作と相違するため、これらを両立させるには各群レンズをそれぞれ独立に動かしたい。しかし、2つのアクチュエータで各群レンズを独立に動かす構成では本体が大きくなってしまい、超小型化が困難になる。また、カム機構ではズームとマクロの動作を得るには構成が複雑化し、やはり超小型化にとって阻害が大きい。
【0011】
本発明は、上記した背景に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、上記した問題を解決し、1つのアクチュエータにより光学ズーム,マクロ,フォーカスの動作が行えて外形を超小型化することができ、薄厚化,小型化を進める携帯電話機などにも好ましく組み込めるレンズ駆動装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、本発明に係るレンズ駆動装置は、直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持する。そして、前記第1レンズ支持部材は固定し、前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の2つの定位置で停止するとともに、該当定位置で微少距離を動かす駆動を行うように構成することにより、光学ズーム並びにフォーカス動作を行うことができるように構成した。
【0013】
ここで、第1レンズ支持部材は、実施の形態では、前レンズ群を支持する部材(枠体3,前群支持体40)に対応し、第2レンズ支持部材は、実施の形態では、後群レンズを支持する部材(枠体4,後群可動体30)に対応するが、本発明はこれに限ることはなく、ズーム倍率とレンズ位置の相関を示す動作特性によっては、逆の適用もあり得る。
【0014】
本発明では、停止箇所を2箇所の定位置と、その定位置を基準に微少距離移動させた位置に限定するようにした。これにより、簡易で小型な機構でもって、位置決めが容易に行えるようになり、停止位置を動作特性に応じて適宜に設定することにより、異なるズーム倍率を発揮させることができる。このため単に一方の第2レンズ支持部材だけを駆動する構成でも2値のズーム動作が行える。
【0015】
そして、各定位置において後レンズを微少に移動させるので、ピントを合わせることができ、フォーカス動作が行える。また、微少距離を動かすことから、やがてズーム焦点が外れていき、ごく接近した位置に存在する焦点にピントが合うようになりマクロ動作が行える。
【0016】
実験により確認したところ、前記定位置での微少移動は少なくとも前後500μmの区間について50μm以下の送りピッチ毎に移動を行うようにすれば、ごく接近した位置に存在するマクロ焦点を容易に利用できる。そして、前記微少移動の送りピッチを、数μm以下にすると、フォーカス動作が容易になる。
【0017】
また、前記駆動手段は駆動源をステッピングモータとし、当該出力軸にリードスクリューを設けるとともに、前記後レンズの支持部材の対応位置にリードナットを設けて、両者の連係により直線動作を行う。この場合、ステッピングモータを使うことからオープンループで駆動でき、位置検出センサ等が不要で構成がシンプルになり駆動制御が容易になる。
【0018】
また、前記ステッピングモータはステータをロータの左右に配置した扁平タイプである。この場合、駆動源が扁平になるのでレンズ駆動装置の厚みを大幅に低くでき、超小型化の面で有利性がある。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の形態における概念を説明する側面図である。本実施の形態において、レンズ駆動装置は、前群レンズ1と後群レンズ2を光軸Lの前後に配列し、前群レンズ1は定位置に固定し、後述する駆動手段により後群レンズ2を光軸方向に動かす構成になっている。
【0020】
前後の群レンズ1,2は同様に、環状の枠体3,4にレンズ群を嵌め込んで支持する構成であり、各レンズ群は直径が5mm程度のものになる。そして、光軸Lに沿って複数のガイドピン5,5を配置し、前後の枠体3,4は外周に設けた孔部をそれらガイドピン5,5に嵌め合わせて光軸方向に整列する。
【0021】
超小型カメラのレンズユニットとして機能させるには、後群レンズ2の背側にCCD等の撮像素子6を配置する。したがって、撮像素子6では光軸Lに整列した3つの光学要素の位置関係に応じて結像の倍率が変化し、このズーム倍率の変化は一般的に図2に示すような特性になる。
【0022】
つまり、前後2組のレンズ構成における一般的な光学特性としては、ズーム倍率を広角(WIDE)から望遠(TELE)まで適宜に得るには前群レンズ1も動かす必要があり、これには後群レンズ2を被写体側へ直線状(特性b)に動かすとともに、前群レンズ1は撮像素子6側へ一旦動かした後に被写体側へ戻していくような曲線状(特性f)に動かす駆動が必要になる。
【0023】
しかしそれでは前群レンズ1を動かす駆動手段が別に必要になって小型化できなくなるため、本実施の形態では前群レンズ1は定位置に固定し(特性c)、後群レンズ2だけを光軸方向に動かすようにし、さらに、後群レンズ2は2つの定位置A,Bに停止させるようにした。これにより、定位置Aではズーム倍率をA倍にし、定位置Bではズーム倍率をB倍にすることができ、2値のズーム倍率をとるレンズ駆動装置を実現できる。
【0024】
具体的な一例を示すと、撮像素子6から前群レンズ1間での距離を11.259mmで固定した場合、撮像素子6から後群レンズ2までの距離が2.367mmの時はズーム倍率が1となり、4.184mmの時はズーム倍率が2倍となる。
【0025】
さらに本発明では、後群レンズ2は、停止させた定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。この各定位置A,Bでの微少移動は、少なくとも前後600μmの区間について50μm以下の送りピッチ毎に移動を行うように設定している。これらの数値は光学系の設計値に応じて最適値が違ってくるが実験により確認してある。具体的には図3に示すように、撮像素子6に接近した側の定位置Aでは、被写体側へ向けて300μm程度移動することにより、対物距離が5cmのマクロ焦点が得られた。このとき、結像倍率はA+0.1倍程度に変化するが、当該定位置Aで微少距離を動かす駆動によってマクロ動作が行える。また、前群レンズ1に接近した側の定位置Bでは、撮像素子6側へ向けて数100μm程度移動することにより、対物距離が5cmのマクロ焦点が得られた。このとき、結像倍率はB−0.1倍程度に変化するが、当該定位置Bで微少距離を動かす駆動によってマクロ動作が行える。
【0026】
また、実験により確認したところ、各定位置A,Bでの微少移動の距離が数10μmでは焦点が30cmの位置で合い、10μm程度では焦点が1mの位置で合った。
【0027】
そして、後群レンズ2の駆動については、微少移動の送りピッチを数μm以下にする設定もとるようにした。このように、送りピッチをより微少にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作が容易になる。
【0028】
したがって、1つのアクチュエータにより単に後群レンズ2だけを駆動する構成でも2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行えるとともに、フォーカス動作も容易に行える。そして、後群レンズ2を2つの定位置A,Bの間で往復移動させるためには、アクチュエータとしてはステッピングモータを用いることができる。
【0029】
上記した動作原理を実現するためのより具体的な構成を説明する。図4,図5は本発明の第1の実施の形態を示し、駆動源としてステッピングモータを用いている。図4は各部を分離して示す斜視図であり、図5(a)はズーム倍率がA倍(基本姿勢)の状態を示し、図5(b)はズーム倍率がB倍の状態を示す斜視図である。
【0030】
このレンズ駆動装置にあっては、平面矩形状のベース10は、その前面に、1つの角部を含む約1/4の領域を一段高くした高段部11と、残りの領域の低段部12を形成している。そして、高段部11の四隅の内の3箇所には小径の孔部13を設けるとともに、中央に大径の貫通孔14を形成している。この貫通孔14の中心が光軸となっており、図示は省略するがこの貫通孔14の背側の所定位置にCCD等の撮像素子を配置する。
【0031】
また、低段部12の上面には小型のステッピングモータ20を設置する。このステッピングモータ20は、低段部12の平面形状に沿うように略弧状の湾曲したケース本体21を有し、その中央部に外部に突出する出力軸22を設けている。ケース本体21の内部には図示は省略するが中央にロータを配置し、出力軸22はロータの中心に挿入して一体化している。さらに、ケース本体21内の左右に広がった両側部にステータを配置する。
【0032】
なお、このような構成のステッピングモータとしては、例えば特開平6−1055828,特開平6−296358などに開示されたものを用いることができる。もちろん、小型のステッピングモータとしては、こうした構成のものに限らず各種のものを利用できることは言うまでもない。さらに、出力軸22の先端部分にはねじ山を切りリードスクリューにしている。
【0033】
一方、高段部11に設けた孔部13には、それぞれガイドピン15の一端を挿入して固着している。そして、このガイドピン15に対して、後群可動体30を移動可能に挿入している。この後群可動体30は、平面形状がベース10と略同一とし、ベース10の孔部13に対向する位置に、貫通するガイド孔31を有するとともに、ベース10の貫通孔14に対向する位置に貫通孔32を設けている。そして、このガイド孔31内にガイドピン15を挿入させて配置し、このため3つのガイドピン15によって支持した後群可動体30は安定した姿勢でガイドピン15に沿って前後に移動可能となる。さらに、貫通孔32内には、図示は省略するが後群レンズ(1枚の場合もある)を装着する。したがって、後群可動体30の前後への移動に伴い、後群レンズも前後に移動する。また、この後群可動体30をガイドピン15に装着した状態では、ベース10との間でステッピングモータ20を挟み込む状態となる。
【0034】
また、ステッピングモータ20の出力軸22に対向する後群可動体30の部分には、貫通孔34を形成するとともに、後群可動体30の前面側における貫通孔34の周囲には、矩形状の凹部35を形成している。そして、この凹部35内にリードナット36を挿入して固着している。このリードナット36は、ステッピングモータ20の出力軸22に設けたリードスクリューと噛み合い、出力軸22の正逆回転に伴いリードナット36つまり後群可動体30が前後に移動する。
【0035】
さらに、各ガイドピン15の先端には、前群レンズを支持する前群支持体40を装着している。この前群支持体40は、各ガイドピン15の先端に固定しているため、ベース10との相対位置、つまり図示を省略した撮像素子との相対的な位置関係は不変である。そして、この前群支持体40の中央部位、つまりベース10並びに後群可動体30に設けた貫通孔14,32に対向する位置に貫通孔41を設けており、この貫通孔41内に前群レンズを挿入して配置する。
また、各ガイドピン15には、スペーサ43を挿入して配置している。このスペーサ43は厚さを調整してある。
【0036】
ステッピングモータ20の駆動では、ステップ数に応じて後群可動体30の移動位置を精度よく位置決めでき、出力軸22を逆回転することにより後群可動体30を後退させ、図5(a)に示すようにベース10の前面に接近する定位置Aに停止し、ここを基本姿勢としてズーム倍率はA倍に設定する。この状態から出力軸22を正回転することにより後群可動体30を前進させ、図5(b)に示すようにスペーサ43に接近する定位置Bに停止し、ここではズーム倍率はB倍に設定する。
【0037】
そして、各定位置A,Bにおいてそれぞれ微少距離を動かす駆動を行う。ここで、ステッピングモータ20を例えば2相タイプで12ステップのものとし、0.5mmピッチのリードスクリューを使用することで、2相励磁で1ステップ当たり約42μmの送りが実現でき、数ステップ送りでマクロ動作への切り替えが行える。
【0038】
フォーカス動作には送りピッチをより細かくする必要があり、ステッピングモータ20を例えば20ステップで0.25μmピッチのものを使うと、1ステップ当たり12.5μmの送りが行える。さらに1−2相励磁の駆動にすれば1ステップ当たり6.25μmの送りが行えることから、フォーカス動作をより精密に行える。
【0039】
このように、ステッピングモータ20の駆動により後群可動体30つまり後群レンズを定位置A,Bに移動でき、各定位置A,Bにおいて微少移動が行える。したがって、1つのアクチュエータにより2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行えるとともに、微少移動の送りピッチを数μm以下にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作も容易に行える。
【0040】
なお、上記した構成のレンズ駆動装置にあっては、寸法形状の一例では、ベース10は11mm角とし、貫通孔32,41の内径つまり後群レンズ,前群レンズの直径は5mmとし、装置全体の高さ(ベース10の底面から前群支持体40の前面までの距離)は、約11mmとしている。これにより、携帯電話機に充分実装可能となる。
【0041】
また、携帯電話機の寸法形状を考慮すると、カメラモジュールの面積は固定焦点でも13mm角以内のサイズになっている。このレベルが採用の上限になっているとすると、さらに一回り大きいものでも可能となり、レンズ径が7mm程度のものまでは、トータル的サイズ(ベース10の平面形状)が13mm角以下に抑えることができる。もちろん、より小さなレンズを用い、全体的にさらなる小型化を図るのを妨げない。
【0042】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るレンズ駆動装置では、前レンズは固定し、駆動手段に連係した後レンズだけの移動を行い、2つの定位置に停止させる一方それら定位置で微少距離を動かすことから、2値のズーム動作と所定距離のマクロ動作が行える。さらに微少移動の送りピッチを数μm以下にすることにより、当該定位置についてピントを合わせることができ、フォーカス動作も容易に行える。その結果、外形を超小型化することができ、薄厚化,小型化を進める携帯電話機などにも好ましく組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における概念を説明する側面図である。
【図2】ズーム倍率に対するレンズ位置を示す特性図である。
【図3】マクロ動作となるレンズ位置を示す特性図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態を分解して示す斜視図である。
【図5】(a),(b)は後群レンズの移動状態を示し、それぞれ定位置A,Bに位置した斜視図である。
【符号の説明】
1 前群レンズ
2 後群レンズ
3,4 枠体
5 ガイドピン
6 撮像素子
10 ベース
20 ステッピングモータ
30 後群可動体
40 前群支持体
Claims (5)
- 直径が7mm以下のレンズを用いる超小型カメラ用の光学ズーム機能を有するレンズユニットにおけるレンズを移動させるためのレンズ駆動装置であって、
前後に配置された第1,第2レンズ支持部材を備え、
前記第1,第2レンズ支持部材は、それぞれ所定枚数のレンズを保持し、
前記第1レンズ支持部材は固定し、
前記第2レンズ支持部材は、前後方向に移動可能とするとともに、前後方向の2つの定位置で停止するとともに、該当定位置で微少距離を動かす駆動を行うように構成し、
光学ズーム並びにフォーカスを変える動作を行うことができるようにしたことを特徴とするレンズ駆動装置。 - 前記定位置での微少移動は少なくとも前後600μmの区間について50μm以下の送りピッチ毎に移動を行うことを特徴とする請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記微少移動の送りピッチを、数μm以下にすることを特徴とする請求項2に記載のレンズ駆動装置。
- 前記第2レンズ支持部材を動かすための駆動手段は、駆動源をステッピングモータとし、
そのステッピングモータの出力軸にリードスクリューを設けるとともに、前記第2レンズ支持部材の対応位置にリードナットを設けて、両者の連係により直線動作を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズ駆動装置。 - 前記ステッピングモータはステータをロータの左右に配置した扁平タイプであることを特徴とする請求項4に記載のレンズ駆動装置。
Priority Applications (4)
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JP2003046010A JP2004258111A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | レンズ駆動装置 |
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Cited By (1)
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2003
- 2003-02-24 JP JP2003046010A patent/JP2004258111A/ja not_active Withdrawn
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