JP2004258008A - 超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】微小欠陥のサイズを有意義に計算すること。
【解決手段】第1面4と第2面5とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷12の存在が、第1面4の側に配置される超音波送信子13と超音波受信子15とにより検出される。第2面5は展開により平面になり得ない曲面部分11を構成している。第1面は定義される平坦面に形成されている。第1面は、超音波送信子13の発振面に対して密着的に接合しやすい平面である。両面4,5は、超音波検出のための理想的な面を形成し、微細な傷の寸法の検出が可能である。
【選択図】 図4
【解決手段】第1面4と第2面5とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷12の存在が、第1面4の側に配置される超音波送信子13と超音波受信子15とにより検出される。第2面5は展開により平面になり得ない曲面部分11を構成している。第1面は定義される平坦面に形成されている。第1面は、超音波送信子13の発振面に対して密着的に接合しやすい平面である。両面4,5は、超音波検出のための理想的な面を形成し、微細な傷の寸法の検出が可能である。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法に関し、特に、複雑な内外面を持つ構造体の内部欠陥を検出する超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉、プラントの圧力容器、ノズル、パイプのような複雑曲面を形成する構造物体の溶接部位のような構造欠陥発生部位は、その非破壊検査が実施される。非破壊検査として、超音波探傷が知られている。複雑曲面を形成する構造物体として、後掲特許文献1に紹介されているように、ノズルが知られている。受信信号に基づいて欠陥の位置を計算により算出する技術は、データ不足により位置算出精度の向上に限界がある。位置算出精度の向上が期待される技術は、後掲特許文献2で知られている。公知のそのような技術は、超音波探傷子の発信超音波の発信方向を機械的首振りにより変化させ、又は、その発信領域の立体角度(屈折角)を電子制御的に変化させることにより、多位置データを持つ連立式により位置算出精度を向上させている。電子的首振り制御と電子的屈折角制御は、周知のフェイズドアレイにより容易に実現される。
【0003】
公知のこのような探傷技術には、欠陥のサイズを有意義に求めることができる程度の計算精度がない。計算精度をより向上させる技術は、後掲非特許文献1で知られている。そのような計算精度向上技術は、TOFD法(Time Of Flight Diffraction method:飛行時間回折法)と略称されて周知である。TOFD技術は、送信子と受信子が1平面上に又は連続曲面上に配置され、図12に示されるように、送信子101の局所的欠陥領域102に対する立体的俯瞰角度θ1と受信子103のその局所的欠陥領域102に対する立体的俯瞰角度θ2とをともに大きく設定することが可能であり、欠陥102の位置を算出する計算の精度を向上させることができ、欠陥102のサイズの有意義な算出を実現することが期待される。
【0004】
複雑曲面を有する構造物体にTOFD法を適用する技術は、CGTOFGと呼ばれていて公知である。そのような構造物体として、既述のノズルの他に、2方向にそれぞれに延びる物体が断面上でT字形に交叉して連結するT継手が知られている。その交叉部の内部の欠陥の位置計算精度の向上のために、図13と図14とに示されるように、送信子104と受信子105とは軸心線106に対して軸方向と放射方向に位置がずれていて、送信子104と受信子105とコーナ部位107の近傍の欠陥存在位置108との間で伝播するエコー軌跡107が複雑回折している。このような複雑回折は、計算精度を劣化させる。
【0005】
計算精度をより高精度にする技術の開発が求められる。特に、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる計算精度の実現が望まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−194349号
【特許文献2】
日本国特許第3017346号
【非特許文献1】
FORUM on NON−DESTRUCTIVE INSPECTION 2002
「TOFD法による検査現場への適用と応用」
大泉 治喜,渡瀬 保夫、長濱 憲之、原田 一良、竹田 浩一、岡田 範和
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、計算精度をより高精度にする超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、計算精度をより高精度にすることにより、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】
本発明による超音波探傷装置は、第1面(4)と第2面(5)とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷(12)の存在を検出する超音波探傷装置であり、第1面(4)の側に配置される超音波送信子(13)と、第1面(4)の側に配置される超音波受信子(15)とから構成されている。第2面(5)は展開により平面になり得ない曲面部分(11)を構成し、第1面(4)上で超音波送信子(13)が位置する第1面部分の法線は、その法線の向きが概ね一定に保持されて、第2面上で超音波受信子(15)が位置する第2面部分の法線まで並進的に且つ連続的に移動する。その法線は、その移動中の任意の2つの法線の間の角度は30度より小さく、第1面は、概ね、平坦面を形成する。第2面の近傍は、第1面(4)の第1面部分(14)と第1面(4)の第2面部分(16)とから等距離的位置に位置し、その近傍にある傷の検出精度が高く、特に、第1面に直交する向きに向く傷のサイズの検出が可能になる。超音波送信子(13)と超音波送信子(15)の位置的移動により、傷をそのような等距離的位置に位置づけることができる。
【0010】
第1面は既述の定義により超音波送信子(13)と超音波受信子(15)のそれぞれの発振面に対して密着的に接合しやすい平面又は近似平面であり、第2面は超音波送信子(13)と超音波受信子(15)のそれぞれの発振面に対して密着的に接合しにくい曲面であるが、両面(4,5)は図10に示されるような理想的な両面として条件付けられ、管台のような複雑な曲面を持つ機械構成物体の微細な傷の寸法の検出が可能である。
【0011】
超音波送信子(13)と超音波受信子(15)の組の発振面は、第1面上で摺動的に移動することができ、且つ、超音波送信子(13)は機械的に首振り可能に配置される場合の、超音波送信子(13)の発振面と第1面(4)の密着的接合が保持される。このような密着性がある首振りは、機械的に、電子的に、又は、電子制御的に可能である。第1面(4)は、このような首振りによる計測の簡易性と高精度性を十分に発揮させることができる。
【0012】
第1面(4)は、曲面部分(8)と、曲面部分(8)より曲率が小さい平坦面部分(7)とを形成し、超音波送信子(13)と超音波受信子(15)とはともに平坦部分(7)に配置される。従って、超音波送信子は機械的に同じ位置で首振りが可能である。第1面(4)は、展開により平面になり得ない曲面部分(8)を形成している。超音波送信子(13)は、平坦部分(7)に配置され、従って、超音波送信子(13)は電子制御的に首振りが可能である。超音波送信子(13)は電子制御的に屈折角変更可能であり、特に好ましくは、超音波送信子(13)はフェイズドアレイを構成している。
【0013】
平面になり得ない曲面は、球面、鞍型面、球面と鞍型面との合成である曲面から選択される面である。超音波送信子又は超音波受信子は、このような面には配置されない。
【0014】
本発明による超音波探傷方法は、第1面(4)と第2面(5)とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷の存在を検出する超音波探傷方法であり、第2面(5)は展開により平面になり得ない曲面であり、第1面(4)の側に超音波送信子を配置するステップと、第1面(4)の側に超音波受信子を配置するステップと、超音波送信子(13)が送信する超音波を超音波受信子(15)で受信するステップと、超音波受信子(13)が受信する信号から傷の位置を計算により算出するステップとから構成されている。
【0015】
その算出するステップは、傷のサイズを計算により算出するステップを形成する。
超音波を送信する超音波送信子(13)を機械的に首振り運動させるステップの追加が好ましい。首振り運動の2位置又は2以上の位置で超音波受信子(15)が受信する信号に基づいて傷の位置とサイズを計算により算出するステップの追加は特に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による超音波探傷装置は、複雑曲面形成構造物体の欠陥を探傷(検出)するために、超音波送信子と超音波発信子とが複雑曲面に適正に配置される。その構造物体1として、図1に示されるように、ノズル又は管台が例示されている。以下、その構造物体は、管台1と呼ばれる。管台1は、図1と斜軸投影断面を表す図2に示されるように、台部分2と管部分3とから形成され、外側面4と内側面5との間がソリッドに形成される構造物体である。
【0017】
外側面4は、軸方向に延び環状に形成される環状テーパ面6と、軸直角方向に延びる外側環状平坦面7と、環状テーパ面6と外側環状平坦面7を連続に滑らかに接続する外側トーラス面(凹面)8とから形成されている。内側面5は、軸方向に延び環状に形成される円筒面10と、軸直角方向に延びる内側環状平坦面9と、外側トーラス面8と内側環状平坦面9を連続に滑らかに接続する内側トーラス面(凸面)11とから形成されている。ここで、トーラス面は厳密には定義されないが、展開により平面になり得ない曲面の1つの代表例として述べられる。展開により平面になり得ない曲面の他の代表例は、球面、鞍型面が例示される。展開により平面になり得る面の代表例は、円筒面である。展開により平面になり得ない曲面が代数的多様体又は幾何学的多様体を取り扱う数学体系で完全に記述されることは、周知である。内側トーラス面11の近傍に欠陥12が存在することが推定される。
【0018】
図3に示されるように、超音波送信子13は、外側面4の外側環状平坦面7の第1位置14の上に接触的に配置される。超音波受信子15は、外側面4の外側環状平坦面7の第2位置16の上に接触的に配置される。第1位置14に属する位置点の法線は、外側環状平坦面7に直角に交わって、連続的に第2位置16に属する位置点の法線まで移動する間で、その法線角度は大きく変化しない。その法線が大きく変化しない程度の基準を表す表現として、”その移動軌跡上の任意の2つの法線の角度が30゜以下である。”が適正である。この「30゜以下」の限定は、技術的な特異性(臨界性)を示す積極的根拠は定かでないが、本発明と公知技術の境界を明確にする限定的表現又は定義的表現である。外側環状平坦面7の好適な面としては、完全平面である。公知技術を示す図13と図14では、それの移動始点の法線と移動終点の法線との間の角度は、90゜又は90゜以上であり、その法線は送信子104に対応する位置から受信子105に対応する位置まで移動する途中で、外側コーナー部のトーラス面109を通過する。
【0019】
欠陥12の発生が推定される探傷対象領域を特徴づける内側トーラス面11の近傍領域は、第1位置14と第2位置16を含む外側環状平坦面7に平均的に(近似的に)直交する法線の方向に超音波送信子13の超音波出射点領域と第2位置16の超音波入射点領域とから離隔的に位置し、且つ、第1位置14と第2位置16の間の中点を含む中点領域を含み外側環状平坦面7に平均的に直交する直交領域17に含まれている。
【0020】
図4は、第1位置14と第2位置16と内側トーラス面11と欠陥12の相対的位置関係を立体視的に示している。Z軸は、管台1の中心線に平行に設定されている。Z軸上の1点Pから放射方向にR軸が設定されている。第1位置14から出射される超音波のうち第2位置16に入射する超音波は、内側トーラス面11で反射するエコー分18と欠陥12で反射するエコー分19とである。エコー分18(強度)は、内側トーラス面11の任意の点Qの2次元座標変数と欠陥12の任意の点Sの2次元座標変数により積分関数として記述される(外側環状平坦面7を伝播する表面波(ラテラル波)は無視されている。)。
【0021】
エコー分19の伝播軌跡は、第1位置14と点Sとを結ぶ直線と、点Sと第2位置16を結ぶ直線のみを含む最短コースの軌跡であるが、物体表面11で屈折する直線を含んでいないので図13又は図14で表されるエコー軌跡のような非最短線を含んでいない。エコーの強度の精度は、その伝播経路の長短に大きく影響される。エコー分19は欠陥12の位置座標で表される積分関数により高精度に表現され、本発明では、計算による強度と現実に計測される強度との一致に関する精度がより高精度に実現されている。更に、1平面に存在する第1位置14と第2位置16が欠陥12を見込む角度が大きく設定されていて、欠陥12の座標により表現される超音波受信子15の受信強度は高精度に表現される。欠陥12の位置座標は、超音波受信子15が受信する強度から逆算されて求められる。欠陥12がZ軸方向に向きその長さが小さい場合には、超音波受信子15が受信する強度がDで表されれば、
D=D(Z)
で表され、Dの逆関数がZで表されて、
Z=Z(D)
既述の高精度により、座標位置Zが高精度に計算により求められ得る。内側トーラス面11は複雑曲面であり、内側トーラス面11の広域的領域から反射するエコー分18は、超音波受信子15に集束する幾何学的特性を有し、強度Dにはエコー分18であるノイズ成分が多いが、既述の計算の高精度化により、エコー成分19により欠陥12の座標位置がより高精度に計算され得る。
【0022】
図5は、本発明による超音波探傷装置の実施の他の形態を示している。実施の本形態は、超音波送信子13と超音波受信子15と欠陥12との位置関係の点で、実施の既述の形態に同じであるが、管台1が首振り可能である点で、実施の既述の形態と異なる。超音波送信子13の超音波発信面は、外側環状平坦面7に合致することが好ましい。超音波送信子13の超音波発信面が、外側環状平坦面7に密着して法線のまわりに回転することができる場合には、超音波送信子13の首振り機構は機械的スピニング機構が適用され得る。超音波送信子13の超音波発信面が外側環状平坦面7に密着して法線のまわりに回転することができない場合には、超音波送信子13の超音波発信機構として、フェイズドアレイが好適に用いられる。図6に示されるように、首振り機構の追加により、発信超音波の基準軸(光軸に相当する波の中心軸心線)21は、広角度で変更可能である。そのように変更可能である角度は、屈折角と呼ばれている。屈折角の変更により、超音波受信子15は、超音波送信子13の複数の角度位置に対応する強度Djの超音波を受信することができる。強度D1,D2,D3の計測により、欠陥12の3次元座標が計算により高精度に求められ、微小な欠陥12の立体形状が計算され得る。
【0023】
図7と図8は、超音波送信子13のために適用されるフェイズドアレイ13’の原理を示している。フェイズドアレイ13’は、空間列を形成する複数の振動子22の集合として形成されている。各振動子22を電気的に又は磁気的に振動させる位相タイミングを時系列的に順次に図7の時刻表示23に示されるように制御することにより、発信面に対して規定される角度の波面を持つ超音波を生成して、その波軸24を規定方向に自在に制御することができる。図8に示される時刻表示23’によれば、発信超音波を1点に収束(又は集束)させることができる。図7の制御と図8の制御との組合せより、超音波の屈折角を自在に制御することができる。電子制御的に屈折角を制御することができるフェイズドアレイは、超音波スキャニングを高速に実行することができ、且つ、外側環状平坦面7の曲面の幾何学的特性によらずに自在に屈折角を制御することができ、更には、複雑曲面上で超音波送信子13を密着的にその複雑曲面に倣わせて移動させることができないが、フェイズドアレイはその位置を固定下状態で屈折角を自在に変更することができ、超音波送信子13を移動させることと同じ効果を有していて、超音波送信子13の摺動用シューの取り替えを不要化する。フェイズドアレイを用いる場合には、1探、端部エコー法、TOFD法を時計回り、反時計回りで、プローブ(超音波送信子13)の交換なしに、高速に実施することができ、1度の走査で探傷作業が完了し、検査時間の短縮と被爆低減を実現する。公知の探傷技術の併用により、公知技術で標準化されている検査基準を踏襲して、本発明を有効に有意義に実施することができる。
【0024】
図9は、首振り機構つき超音波送信子13により、複雑曲面である内側トーラス面11の近傍に点列状に人為的に作成した複数の欠陥12(点列番号1〜5)の分布と、本発明による実際の計算結果の分布とを重ね合わせて示している。5つの重なりは、5つの欠陥存在点を明白に峻別している。
【0025】
図10と図11(神鋼検査サービス(株)提供)は、公知のTOFD法による欠陥検出の検出原理を示している。送信子104から受信子105まで超音波が伝播するエコー経路は、図10に示されるように、4通りが存在している。その4通りは、番号1〜4で示されている。図11は、それらの4通りに対応する時系列的強度を示している。横軸は、共通の発信時刻とそれぞれの受信時刻との間の伝播時間を示している。経路番号2の伝播時間と経路番号3の伝播時間と既述の幾何学的形状とから、欠陥のZ軸方向の長さが計算され得る。
【0026】
【発明の効果】
本発明による超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法は、計算精度をより高精度にすることができる。その結果として、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による超音波探傷装置の実施の形態を示す斜軸投影図である。
【図2】図2は、図1の斜軸投影断面図である。
【図3】図3は、図1の平面図である。
【図4】図4は、斜軸投影幾何学図である。
【図5】図5は、本発明による超音波探傷装置の実施の他の形態を示す平面図である。
【図6】図6は、図5の正面断面図である。
【図7】図7は、超音波生成を示すグラフである。
【図8】図8は、他の超音波生成を示すグラフである。
【図9】図9は、実測用モデルを示す断面図である。
【図10】図10は、公知の計測原理を示す断面図である。
【図11】図11は、公知の計測データを示グラフである。
【図12】図12は、公知の計測方法を示す断面図である。
【図13】図13は、公知の他の計測方法を示す断面図である。
【図14】図14は、公知の更に他の計測方法を示す断面図である。
【符号の説明】
4…第1面
5…第2面
7…平坦面部分
8…曲面部分
11…曲面部分
12…傷
13…超音波送信子
14…第1面部分
15…超音波受信子
16…第2面部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法に関し、特に、複雑な内外面を持つ構造体の内部欠陥を検出する超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉、プラントの圧力容器、ノズル、パイプのような複雑曲面を形成する構造物体の溶接部位のような構造欠陥発生部位は、その非破壊検査が実施される。非破壊検査として、超音波探傷が知られている。複雑曲面を形成する構造物体として、後掲特許文献1に紹介されているように、ノズルが知られている。受信信号に基づいて欠陥の位置を計算により算出する技術は、データ不足により位置算出精度の向上に限界がある。位置算出精度の向上が期待される技術は、後掲特許文献2で知られている。公知のそのような技術は、超音波探傷子の発信超音波の発信方向を機械的首振りにより変化させ、又は、その発信領域の立体角度(屈折角)を電子制御的に変化させることにより、多位置データを持つ連立式により位置算出精度を向上させている。電子的首振り制御と電子的屈折角制御は、周知のフェイズドアレイにより容易に実現される。
【0003】
公知のこのような探傷技術には、欠陥のサイズを有意義に求めることができる程度の計算精度がない。計算精度をより向上させる技術は、後掲非特許文献1で知られている。そのような計算精度向上技術は、TOFD法(Time Of Flight Diffraction method:飛行時間回折法)と略称されて周知である。TOFD技術は、送信子と受信子が1平面上に又は連続曲面上に配置され、図12に示されるように、送信子101の局所的欠陥領域102に対する立体的俯瞰角度θ1と受信子103のその局所的欠陥領域102に対する立体的俯瞰角度θ2とをともに大きく設定することが可能であり、欠陥102の位置を算出する計算の精度を向上させることができ、欠陥102のサイズの有意義な算出を実現することが期待される。
【0004】
複雑曲面を有する構造物体にTOFD法を適用する技術は、CGTOFGと呼ばれていて公知である。そのような構造物体として、既述のノズルの他に、2方向にそれぞれに延びる物体が断面上でT字形に交叉して連結するT継手が知られている。その交叉部の内部の欠陥の位置計算精度の向上のために、図13と図14とに示されるように、送信子104と受信子105とは軸心線106に対して軸方向と放射方向に位置がずれていて、送信子104と受信子105とコーナ部位107の近傍の欠陥存在位置108との間で伝播するエコー軌跡107が複雑回折している。このような複雑回折は、計算精度を劣化させる。
【0005】
計算精度をより高精度にする技術の開発が求められる。特に、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる計算精度の実現が望まれる。
【0006】
【特許文献1】
特開昭57−194349号
【特許文献2】
日本国特許第3017346号
【非特許文献1】
FORUM on NON−DESTRUCTIVE INSPECTION 2002
「TOFD法による検査現場への適用と応用」
大泉 治喜,渡瀬 保夫、長濱 憲之、原田 一良、竹田 浩一、岡田 範和
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、計算精度をより高精度にする超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、計算精度をより高精度にすることにより、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0009】
本発明による超音波探傷装置は、第1面(4)と第2面(5)とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷(12)の存在を検出する超音波探傷装置であり、第1面(4)の側に配置される超音波送信子(13)と、第1面(4)の側に配置される超音波受信子(15)とから構成されている。第2面(5)は展開により平面になり得ない曲面部分(11)を構成し、第1面(4)上で超音波送信子(13)が位置する第1面部分の法線は、その法線の向きが概ね一定に保持されて、第2面上で超音波受信子(15)が位置する第2面部分の法線まで並進的に且つ連続的に移動する。その法線は、その移動中の任意の2つの法線の間の角度は30度より小さく、第1面は、概ね、平坦面を形成する。第2面の近傍は、第1面(4)の第1面部分(14)と第1面(4)の第2面部分(16)とから等距離的位置に位置し、その近傍にある傷の検出精度が高く、特に、第1面に直交する向きに向く傷のサイズの検出が可能になる。超音波送信子(13)と超音波送信子(15)の位置的移動により、傷をそのような等距離的位置に位置づけることができる。
【0010】
第1面は既述の定義により超音波送信子(13)と超音波受信子(15)のそれぞれの発振面に対して密着的に接合しやすい平面又は近似平面であり、第2面は超音波送信子(13)と超音波受信子(15)のそれぞれの発振面に対して密着的に接合しにくい曲面であるが、両面(4,5)は図10に示されるような理想的な両面として条件付けられ、管台のような複雑な曲面を持つ機械構成物体の微細な傷の寸法の検出が可能である。
【0011】
超音波送信子(13)と超音波受信子(15)の組の発振面は、第1面上で摺動的に移動することができ、且つ、超音波送信子(13)は機械的に首振り可能に配置される場合の、超音波送信子(13)の発振面と第1面(4)の密着的接合が保持される。このような密着性がある首振りは、機械的に、電子的に、又は、電子制御的に可能である。第1面(4)は、このような首振りによる計測の簡易性と高精度性を十分に発揮させることができる。
【0012】
第1面(4)は、曲面部分(8)と、曲面部分(8)より曲率が小さい平坦面部分(7)とを形成し、超音波送信子(13)と超音波受信子(15)とはともに平坦部分(7)に配置される。従って、超音波送信子は機械的に同じ位置で首振りが可能である。第1面(4)は、展開により平面になり得ない曲面部分(8)を形成している。超音波送信子(13)は、平坦部分(7)に配置され、従って、超音波送信子(13)は電子制御的に首振りが可能である。超音波送信子(13)は電子制御的に屈折角変更可能であり、特に好ましくは、超音波送信子(13)はフェイズドアレイを構成している。
【0013】
平面になり得ない曲面は、球面、鞍型面、球面と鞍型面との合成である曲面から選択される面である。超音波送信子又は超音波受信子は、このような面には配置されない。
【0014】
本発明による超音波探傷方法は、第1面(4)と第2面(5)とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷の存在を検出する超音波探傷方法であり、第2面(5)は展開により平面になり得ない曲面であり、第1面(4)の側に超音波送信子を配置するステップと、第1面(4)の側に超音波受信子を配置するステップと、超音波送信子(13)が送信する超音波を超音波受信子(15)で受信するステップと、超音波受信子(13)が受信する信号から傷の位置を計算により算出するステップとから構成されている。
【0015】
その算出するステップは、傷のサイズを計算により算出するステップを形成する。
超音波を送信する超音波送信子(13)を機械的に首振り運動させるステップの追加が好ましい。首振り運動の2位置又は2以上の位置で超音波受信子(15)が受信する信号に基づいて傷の位置とサイズを計算により算出するステップの追加は特に好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による超音波探傷装置は、複雑曲面形成構造物体の欠陥を探傷(検出)するために、超音波送信子と超音波発信子とが複雑曲面に適正に配置される。その構造物体1として、図1に示されるように、ノズル又は管台が例示されている。以下、その構造物体は、管台1と呼ばれる。管台1は、図1と斜軸投影断面を表す図2に示されるように、台部分2と管部分3とから形成され、外側面4と内側面5との間がソリッドに形成される構造物体である。
【0017】
外側面4は、軸方向に延び環状に形成される環状テーパ面6と、軸直角方向に延びる外側環状平坦面7と、環状テーパ面6と外側環状平坦面7を連続に滑らかに接続する外側トーラス面(凹面)8とから形成されている。内側面5は、軸方向に延び環状に形成される円筒面10と、軸直角方向に延びる内側環状平坦面9と、外側トーラス面8と内側環状平坦面9を連続に滑らかに接続する内側トーラス面(凸面)11とから形成されている。ここで、トーラス面は厳密には定義されないが、展開により平面になり得ない曲面の1つの代表例として述べられる。展開により平面になり得ない曲面の他の代表例は、球面、鞍型面が例示される。展開により平面になり得る面の代表例は、円筒面である。展開により平面になり得ない曲面が代数的多様体又は幾何学的多様体を取り扱う数学体系で完全に記述されることは、周知である。内側トーラス面11の近傍に欠陥12が存在することが推定される。
【0018】
図3に示されるように、超音波送信子13は、外側面4の外側環状平坦面7の第1位置14の上に接触的に配置される。超音波受信子15は、外側面4の外側環状平坦面7の第2位置16の上に接触的に配置される。第1位置14に属する位置点の法線は、外側環状平坦面7に直角に交わって、連続的に第2位置16に属する位置点の法線まで移動する間で、その法線角度は大きく変化しない。その法線が大きく変化しない程度の基準を表す表現として、”その移動軌跡上の任意の2つの法線の角度が30゜以下である。”が適正である。この「30゜以下」の限定は、技術的な特異性(臨界性)を示す積極的根拠は定かでないが、本発明と公知技術の境界を明確にする限定的表現又は定義的表現である。外側環状平坦面7の好適な面としては、完全平面である。公知技術を示す図13と図14では、それの移動始点の法線と移動終点の法線との間の角度は、90゜又は90゜以上であり、その法線は送信子104に対応する位置から受信子105に対応する位置まで移動する途中で、外側コーナー部のトーラス面109を通過する。
【0019】
欠陥12の発生が推定される探傷対象領域を特徴づける内側トーラス面11の近傍領域は、第1位置14と第2位置16を含む外側環状平坦面7に平均的に(近似的に)直交する法線の方向に超音波送信子13の超音波出射点領域と第2位置16の超音波入射点領域とから離隔的に位置し、且つ、第1位置14と第2位置16の間の中点を含む中点領域を含み外側環状平坦面7に平均的に直交する直交領域17に含まれている。
【0020】
図4は、第1位置14と第2位置16と内側トーラス面11と欠陥12の相対的位置関係を立体視的に示している。Z軸は、管台1の中心線に平行に設定されている。Z軸上の1点Pから放射方向にR軸が設定されている。第1位置14から出射される超音波のうち第2位置16に入射する超音波は、内側トーラス面11で反射するエコー分18と欠陥12で反射するエコー分19とである。エコー分18(強度)は、内側トーラス面11の任意の点Qの2次元座標変数と欠陥12の任意の点Sの2次元座標変数により積分関数として記述される(外側環状平坦面7を伝播する表面波(ラテラル波)は無視されている。)。
【0021】
エコー分19の伝播軌跡は、第1位置14と点Sとを結ぶ直線と、点Sと第2位置16を結ぶ直線のみを含む最短コースの軌跡であるが、物体表面11で屈折する直線を含んでいないので図13又は図14で表されるエコー軌跡のような非最短線を含んでいない。エコーの強度の精度は、その伝播経路の長短に大きく影響される。エコー分19は欠陥12の位置座標で表される積分関数により高精度に表現され、本発明では、計算による強度と現実に計測される強度との一致に関する精度がより高精度に実現されている。更に、1平面に存在する第1位置14と第2位置16が欠陥12を見込む角度が大きく設定されていて、欠陥12の座標により表現される超音波受信子15の受信強度は高精度に表現される。欠陥12の位置座標は、超音波受信子15が受信する強度から逆算されて求められる。欠陥12がZ軸方向に向きその長さが小さい場合には、超音波受信子15が受信する強度がDで表されれば、
D=D(Z)
で表され、Dの逆関数がZで表されて、
Z=Z(D)
既述の高精度により、座標位置Zが高精度に計算により求められ得る。内側トーラス面11は複雑曲面であり、内側トーラス面11の広域的領域から反射するエコー分18は、超音波受信子15に集束する幾何学的特性を有し、強度Dにはエコー分18であるノイズ成分が多いが、既述の計算の高精度化により、エコー成分19により欠陥12の座標位置がより高精度に計算され得る。
【0022】
図5は、本発明による超音波探傷装置の実施の他の形態を示している。実施の本形態は、超音波送信子13と超音波受信子15と欠陥12との位置関係の点で、実施の既述の形態に同じであるが、管台1が首振り可能である点で、実施の既述の形態と異なる。超音波送信子13の超音波発信面は、外側環状平坦面7に合致することが好ましい。超音波送信子13の超音波発信面が、外側環状平坦面7に密着して法線のまわりに回転することができる場合には、超音波送信子13の首振り機構は機械的スピニング機構が適用され得る。超音波送信子13の超音波発信面が外側環状平坦面7に密着して法線のまわりに回転することができない場合には、超音波送信子13の超音波発信機構として、フェイズドアレイが好適に用いられる。図6に示されるように、首振り機構の追加により、発信超音波の基準軸(光軸に相当する波の中心軸心線)21は、広角度で変更可能である。そのように変更可能である角度は、屈折角と呼ばれている。屈折角の変更により、超音波受信子15は、超音波送信子13の複数の角度位置に対応する強度Djの超音波を受信することができる。強度D1,D2,D3の計測により、欠陥12の3次元座標が計算により高精度に求められ、微小な欠陥12の立体形状が計算され得る。
【0023】
図7と図8は、超音波送信子13のために適用されるフェイズドアレイ13’の原理を示している。フェイズドアレイ13’は、空間列を形成する複数の振動子22の集合として形成されている。各振動子22を電気的に又は磁気的に振動させる位相タイミングを時系列的に順次に図7の時刻表示23に示されるように制御することにより、発信面に対して規定される角度の波面を持つ超音波を生成して、その波軸24を規定方向に自在に制御することができる。図8に示される時刻表示23’によれば、発信超音波を1点に収束(又は集束)させることができる。図7の制御と図8の制御との組合せより、超音波の屈折角を自在に制御することができる。電子制御的に屈折角を制御することができるフェイズドアレイは、超音波スキャニングを高速に実行することができ、且つ、外側環状平坦面7の曲面の幾何学的特性によらずに自在に屈折角を制御することができ、更には、複雑曲面上で超音波送信子13を密着的にその複雑曲面に倣わせて移動させることができないが、フェイズドアレイはその位置を固定下状態で屈折角を自在に変更することができ、超音波送信子13を移動させることと同じ効果を有していて、超音波送信子13の摺動用シューの取り替えを不要化する。フェイズドアレイを用いる場合には、1探、端部エコー法、TOFD法を時計回り、反時計回りで、プローブ(超音波送信子13)の交換なしに、高速に実施することができ、1度の走査で探傷作業が完了し、検査時間の短縮と被爆低減を実現する。公知の探傷技術の併用により、公知技術で標準化されている検査基準を踏襲して、本発明を有効に有意義に実施することができる。
【0024】
図9は、首振り機構つき超音波送信子13により、複雑曲面である内側トーラス面11の近傍に点列状に人為的に作成した複数の欠陥12(点列番号1〜5)の分布と、本発明による実際の計算結果の分布とを重ね合わせて示している。5つの重なりは、5つの欠陥存在点を明白に峻別している。
【0025】
図10と図11(神鋼検査サービス(株)提供)は、公知のTOFD法による欠陥検出の検出原理を示している。送信子104から受信子105まで超音波が伝播するエコー経路は、図10に示されるように、4通りが存在している。その4通りは、番号1〜4で示されている。図11は、それらの4通りに対応する時系列的強度を示している。横軸は、共通の発信時刻とそれぞれの受信時刻との間の伝播時間を示している。経路番号2の伝播時間と経路番号3の伝播時間と既述の幾何学的形状とから、欠陥のZ軸方向の長さが計算され得る。
【0026】
【発明の効果】
本発明による超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法は、計算精度をより高精度にすることができる。その結果として、微小欠陥のサイズを有意義に計算することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による超音波探傷装置の実施の形態を示す斜軸投影図である。
【図2】図2は、図1の斜軸投影断面図である。
【図3】図3は、図1の平面図である。
【図4】図4は、斜軸投影幾何学図である。
【図5】図5は、本発明による超音波探傷装置の実施の他の形態を示す平面図である。
【図6】図6は、図5の正面断面図である。
【図7】図7は、超音波生成を示すグラフである。
【図8】図8は、他の超音波生成を示すグラフである。
【図9】図9は、実測用モデルを示す断面図である。
【図10】図10は、公知の計測原理を示す断面図である。
【図11】図11は、公知の計測データを示グラフである。
【図12】図12は、公知の計測方法を示す断面図である。
【図13】図13は、公知の他の計測方法を示す断面図である。
【図14】図14は、公知の更に他の計測方法を示す断面図である。
【符号の説明】
4…第1面
5…第2面
7…平坦面部分
8…曲面部分
11…曲面部分
12…傷
13…超音波送信子
14…第1面部分
15…超音波受信子
16…第2面部分
Claims (13)
- 第1面と第2面とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷の存在を検出する超音波探傷装置であり、
前記第1面の側に配置される超音波送信子と、
前記第1面の側に配置される超音波受信子とを構成し、
前記第2面は展開により平面になり得ない曲面部分を構成し、
前記第1面上で前記超音波送信子が位置する第1面部分の法線は、前記法線の向きが概ね一定に保持されて、前記第2面上で前記超音波受信子が位置する第2面部分の法線まで並進的に且つ連続的に移動する
超音波探傷装置。 - 前記超音波送信子は機械的に又は電子制御的に首振り可能である
請求項1の超音波探傷装置。 - 前記超音波受信子は機械的に又は電子制御的に首振り可能である
請求項1又は2の超音波探傷装置。 - 前記超音波送信子は電子制御的に屈折角変更可能である
請求項1の超音波探傷装置。 - 前記第1面は、
曲面部分と、
前記曲面部分より曲率が小さい平坦面部分とを形成し、
前記超音波送信子と前記超音波受信子とはともに前記平坦部分に配置され、
前記超音波送信子は機械的に同じ位置で首振りが可能である
請求項1の超音波探傷装置。 - 前記第1面は展開により平面になり得ない曲面部分を形成し、
前記超音波送信子は前記平坦部分に配置され、
前記超音波送信子は電子制御的に首振りが可能である
請求項1の超音波探傷装置。 - 前記超音波送信子は電子制御的に屈折角変更可能である
請求項6の超音波探傷装置。 - 前記超音波送信子はフェイズドアレイを構成している
請求項6又は7の超音波探傷装置。 - 前記平面になり得ない曲面は、球面、鞍型面、球面と鞍型面との合成である曲面から選択される面である
請求項1〜8から選択される1請求項の超音波探傷装置。 - 第1面と第2面とにより幾何学的に形状規定される構造物体の内部の傷の存在を検出する超音波探傷方法であり、
前記第2面は展開により平面になり得ない曲面であり、
前記第1面の側に超音波送信子を配置するステップと、
前記第1面の側に超音波受信子を配置するステップと、
前記超音波送信子が送信する超音波を前記超音波受信子で受信するステップと、
前記超音波受信子が受信する信号から前記傷の位置を計算により算出するステップ
とを構成する超音波探傷方法。 - 前記算出するステップは、前記傷のサイズを計算により算出するステップを形成する
請求項10の超音波探傷方法。 - 超音波を送信する前記超音波送信子を機械的に又は電子制御的に首振り運動させるステップ
を更に構成する請求項10又は11の超音波探傷方法。 - 前記首振り運動の2位置又は2以上の位置で前記超音波受信子が受信する前記信号に基づいて前記傷の位置とサイズを計算により算出するステップ
を更に構成する請求項12の超音波探傷方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003052261A JP2004258008A (ja) | 2003-02-28 | 2003-02-28 | 超音波探傷装置、及び、超音波探傷方法 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007285813A (ja) * | 2006-04-14 | 2007-11-01 | Jfe Koken Corp | 超音波探傷装置および超音波探傷方法 |
JP2009192236A (ja) * | 2008-02-12 | 2009-08-27 | Kobe Steel Ltd | 超音波探傷方法及び超音波探傷装置 |
JP2013029434A (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-07 | Hitachi-Ge Nuclear Energy Ltd | 超音波探傷方法 |
JP2018194528A (ja) * | 2017-05-22 | 2018-12-06 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 超音波検査システム |
-
2003
- 2003-02-28 JP JP2003052261A patent/JP2004258008A/ja not_active Withdrawn
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