JP2004255475A - サーボ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成でありながら、ロボットの関節部を駆動させるアクチュエータとして使用した場合であっても、十分な剛性が得ることができ、モータの出力をロボットアームに効率よく伝達することができるとともに、モータの動作を高い精度で制御することができるようにする。
【解決手段】モータ11と、該モータの動作を制御する制御部15と、前記モータ11の回転を減速して出力する減速機構14と、該減速機構14の出力を被操作部材に伝達する出力軸21と、該出力軸21の変位を計測する計測手段20と、前記モータ、制御部、減速機構、出力軸及び計測手段を収容する筐体12とを有するサーボ装置10であって、前記出力軸21は前記筐体の両側に突出し、該筐体の両側に突出した出力軸21は、同一軸上にあって、同期して動作を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】モータ11と、該モータの動作を制御する制御部15と、前記モータ11の回転を減速して出力する減速機構14と、該減速機構14の出力を被操作部材に伝達する出力軸21と、該出力軸21の変位を計測する計測手段20と、前記モータ、制御部、減速機構、出力軸及び計測手段を収容する筐体12とを有するサーボ装置10であって、前記出力軸21は前記筐体の両側に突出し、該筐体の両側に突出した出力軸21は、同一軸上にあって、同期して動作を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボット、ラジオコントロール式の模型等においては、可動部材を所定量だけ駆動するためのアクチュエータとしてサーボ装置が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、該サーボ装置は、筐(きょう)体を有し、該筐体の内部に、制御部からの制御信号によって駆動されるDCモータ等のモータと、該モータの回転を減速して出力する減速機構と、該減速機構の出力を被操作部材としての可動部材に伝達する出力軸とが配設されている。そして、前記制御部は、可変抵抗器が検出する前記出力軸の変位と該変位の目標値とを比較して、偏差が存在するときに該偏差を0にするような制御信号を前記モータに対して出力することによって、該モータの動作を制御する。
【0003】
ここで、前記可変抵抗器は、一般的に用いられる可変抵抗器であり、片側に突出する回転軸、及び、反対側に突出する端子を備える。なお、前記回転軸の先端は、丸棒の一部を切り欠いた略D型の断面形状の凸部を備えている。また、前記出力軸の一端には略D型の断面形状の凹部が形成されている。そして、前記回転軸の凸部が出力軸の凹部に嵌(かん)入されることによって、前記回転軸と出力軸とが連結され、該出力軸の変位が回転軸に伝達されて可変抵抗器によって検出されるようになっている。
【0004】
また、前記出力軸の他端は、前記筐体の外部に突出し、駆動円盤が取り付けられている。そして、該駆動円盤にはロッドリンクを介して可動部材が連結され、前記出力軸の駆動力が前記駆動円盤及びロッドリンクを介して可動部材に伝達される。なお、該可動部材は、例えば、ラジオコントロール式の模型自動車の場合、該模型自動車のエンジンスロットルやステアリングである。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−331657号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のサーボ装置においては、ロボットの関節部を駆動させるために使用する場合、出力軸の回転をロボットのリンク部材に効率よく伝達することができない。前記従来のサーボ装置をロボットの関節部を駆動させるために使用する場合、駆動円盤、ロッドリンク等を使用することなく、前記関節部の関節軸と出力軸とを一致させ、関節部を構成する一方のリンク部材を前記出力軸に直接取り付けるようになっている。この場合、前記関節部を構成する他方のリンク部材は筐体に取り付けられる。そして、前記モータを回転させると、前記一方のリンク部材が他方のリンク部材に対して関節軸を中心に回転する。
【0007】
ところが、前記一方のリンク部材から比較的大きな負荷が前記出力軸にかかると、該出力軸の軸受の剛性が不足して、前記出力軸が変形して関節軸がずれてしまうことがある。そのため、前記モータの出力をロボットのリンク部材に効率よく伝達することができなくなってしまう。また、前記出力軸が変形すると、該出力軸の変位は、可変抵抗器の回転軸に適切に伝達されないので、可変抵抗器によって正確に検出されなくなってしまう。そのため、制御部によるモータの動作の制御精度が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のサーボ装置の問題点を解決して、簡単な構成でありながら、ロボットの関節部を駆動させるアクチュエータとして使用した場合であっても、十分な剛性が得ることができ、モータの出力をロボットアームに効率よく伝達することができるとともに、モータの動作を高い精度で制御することができるサーボ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のサーボ装置においては、モータと、該モータの動作を制御する制御部と、前記モータの回転を減速して出力する減速機構と、該減速機構の出力を被操作部材に伝達する出力軸と、該出力軸の変位を計測する計測手段と、前記モータ、制御部、減速機構、出力軸及び計測手段を収容する筐体とを有するサーボ装置であって、前記出力軸は前記筐体の両側に突出し、該筐体の両側に突出した出力軸は、同一軸上にあって、同期して動作を行う。
【0010】
本発明の他のサーボ装置においては、さらに、前記計測手段は、前記出力軸に取り付けられたブラシ及び該ブラシが接触しつつ移動する抵抗体を備える。
【0011】
本発明の更に他のサーボ装置においては、さらに、前記出力軸は、前記ブラシが取り付けられた歯車を備える。
【0012】
本発明の更に他のサーボ装置においては、さらに、前記出力軸は、単一の部材から成り、両端近傍部分において前記筐体に軸支される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態におけるロボットの関節部のアクチュエータとして使用されるサーボ装置の構成を示す部分断面図である。
【0015】
図において、10は本実施の形態におけるサーボ装置であり、第1のロボットアームとしての第1リンク部材31と第2のロボットアームとしての第2リンク部材32とを回転可能に結合する関節部のアクチュエータとして使用される。なお、前記サーボ装置10は、ロボットだけでなく、例えば、ラジオコントロール式の自動車や飛行機などの模型等、各種機械装置のアクチュエータとして使用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、溶接ロボット、組立搬送ロボット等のロボットにおけるロボットアームの関節部のアクチュエータとして使用される場合についてのみ説明する。
【0016】
前記サーボ装置10は、構造部材としての上部筐体12a及び下部筐体12bとを有する。この場合、前記上部筐体12a及び下部筐体12bは、ボルト等の固着手段によって、相互に強固に固着され、単一の筐体12として把握することができる。そして、該筐体12は後述されるモータ11、減速機構14、制御部15、可変抵抗器20、出力軸21等を収容するようになっている。なお、前記上部筐体12a及び下部筐体12bの「上」及び「下」の語は、前記上部筐体12a及び下部筐体12bをそれぞれ識別するために便宜的に付与された語であり、前記上部筐体12a及び下部筐体12bの相互の位置関係を規定するものではない。すなわち、上部筐体12aが下側となり、下部筐体12bが上側となった状態においても使用することができ、また、上部筐体12aが右又は左側となり下部筐体12bが左又は右側となった状態においても使用することができる。なお、前記上部筐体12a及び下部筐体12bを統合的に説明する場合には、筐体12として説明する。
【0017】
そして、前記下部筐体12bの内部には、モータ11及び該モータ11の動作を制御する制御部15が配設される。ここで、前記モータ11は、例えば、DCモータであるが、いかなる種類のモータであってもよい。そして、前記モータ11は、制御回線13を介して前記制御部15に接続され、該制御部15からの駆動信号によって駆動される。なお、17は一端が前記制御部15に接続された接続導線であり、該接続導線17の図示されない他端は、ロボット全体の動作を制御する図示されない制御装置及びロボットの各部に電力を供給する図示されない電源部に接続されている。そして、前記制御部15は電力の供給を受け、前記制御装置からの指令に従って作動する。
【0018】
また、前記モータ11は、先端に駆動歯車11bが取り付けられた回転軸11aを備え、下部筐体12bにおける上部筐体12aとの境界壁12cに固定されている。そして、前記上部筐体12a内には前記モータ11の回転を減速して出力する減速機構14が配設され、該減速機構14の初段歯車14aの大径ギアが、前記上部筐体12a内に突出する前記駆動歯車11bに噛(か)み合っている。本実施の形態において、前記減速機構14は、それぞれが大径ギア及び小径ギアを備える初段歯車14a、中段歯車14b及び終段歯車14cから成るギアトレインであるが、いかなる構成を有するものであってもよく、例えば、チェーンとスプロケットとを組み合わせた減速機構であってもよいし、歯車と歯付きベルトとを組み合わせた減速機構であってもよい。
【0019】
そして、前記上部筐体12a内には、前記終段歯車14cに噛み合う出力歯車22が配設されている。該出力歯車22は、両端が前記上部筐体12a及び下部筐体12bからそれぞれ突出する出力軸21に固定されている。ここで、該出力軸21は、両端近傍部分及び中間部分において、軸受25a、軸受25b及び軸受25cを介して、前記上部筐体12aの外壁12d、並びに、下部筐体12bの境界壁12c及び外壁12eに回転可能に軸支されている。なお、前記軸受25a、軸受25b及び軸受25cは、いかなる種類のものであってもよく、例えば、ボールベアリング、ローラベアリング等のベアリングであってもよいし、ブッシュ、メタル等のすべり軸受であってもよい。さらに、前記上部筐体12a及び下部筐体12bに穿(せん)設される出力軸21の貫通孔(こう)の内面の工作精度が高く、該貫通孔の内面と出力軸21の外面との間の摩擦が少なく、前記貫通孔に挿入された状態で出力軸21がスムーズに回転可能である場合には、前記軸受25a、軸受25b及び軸受25cを省略することもできる。また、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されていればよく、必ずしも、下部筐体12bの境界壁12cに軸支されていなくてもよい。
【0020】
そして、前記出力軸21における上部筐体12a及び下部筐体12bから突出した部分には、被操作部材としての第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bが固定されている。そのため、前記モータ11を駆動すると、回転軸11aの回転が減速機構14を介して出力歯車22に伝達され、出力軸21が回転するので、前記第1リンク部材31が出力軸21を中心にして回転する。また、前記上部筐体12a及び下部筐体12bには、固定金具16によって、前記第2リンク部材32が固定されている。そのため、前記モータ11を駆動すると第2のロボットアームとしての第2リンク部材32に対して第1のロボットアームとしての第1リンク部材31が回転するので、前記サーボ装置10がロボットアームの関節部のアクチュエータとして機能することとなる。この場合、前記出力軸21が関節部の関節軸となる。
【0021】
ここで、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高く、前記第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bから軸に対して垂直な方向の力を受けても、変形することがない。したがって、第1リンク部材31は、ずれが生じない安定した関節軸の回りを回転することができる。なお、前記出力軸21が下部筐体12bの境界壁12cによっても軸支されている場合には、前記出力軸21の剛性はより高いものとなる。
【0022】
また、前記上部筐体12a内には、出力軸21の変位を検出するための計測手段としての可変抵抗器20が配設されている。該可変抵抗器20は、下部筐体12bの境界壁12cに取り付けられた抵抗体基板24、該抵抗体基板24上に形成された面状抵抗体26a及び面状導体26b、出力歯車22における境界壁12c側(図における下側)の面に取り付けられたブラシ部材23等を有する。そして、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bに一端が接続された検出配線27の他端が制御部15に接続されているので、該制御部15は出力軸21の変位を検出することができる。
【0023】
次に、前記可変抵抗器20の構成について詳細に説明する。
【0024】
図2は本発明の実施の形態における可変抵抗器の構成を示す模式図、図3は本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す平面図、図4は本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す断面図であり図3のA−A矢視断面図、図5は本発明の実施の形態における可変抵抗器の回路構成を示す回路図である。
【0025】
本実施の形態において、図2に示されるように、抵抗体基板24には出力軸21の直径よりも大きな径の出力軸挿通孔24aが形成され、該出力軸挿通孔24aに前記出力軸21が挿通されている。そして、図3に示されるように、抵抗体基板24上における前記出力軸挿通孔24aの外側に、面状導体26bが前記出力軸挿通孔24aと同心円となるように形成されている。さらに、図3に示されるように、前記抵抗体基板24上における前記面状導体26bの外側に、ブラシが接触しつつ移動する抵抗体としての面状抵抗体26aが前記出力軸挿通孔24aと同心円となるように形成されている。なお、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bは、例えば、通常のプリント回路基板の回路と同様に、エッチング等のプロセスによって抵抗体基板24上に形成することができるが、いかなる方法によって形成されたものであってもよい。
【0026】
ここで、前記面状導体26bが完全に閉じた円を形成するのに対し、面状抵抗体26aは、ほぼ閉じているが完全には閉じておらず一部が開放した円を形成するようになっている。そして、前記面状抵抗体26aの一部は、前記円の開放端から外側方向(図3における右方向)に延在する二本の直線部を形成する。該二本の直線部の端部には端子28a及び端子28cが、それぞれ、接続されている。なお、前記面状導体26bにも、端子28bが接続されている。ここで、前記検出配線27は、第1の検出配線27a、第2の検出配線27b及び第3の検出配線27cから成り、前記端子28a及び端子28cには第1の検出配線27a及び第3の検出配線27cが、それぞれ、接続され、端子28bには第2の検出配線27bが接続される。
【0027】
一方、出力軸21には、出力歯車22を介してブラシとしてのブラシ部材23が取り付けられている。具体的には、前記出力歯車22における境界壁12c側の面、すなわち、抵抗体基板24と対向する面には、ブラシ部材23が取り付けられている。ここで、該ブラシ部材23は、面状抵抗体26aに対応する第1のブラシ23a及び面状導体26bに対応する第2のブラシ23bから成る。なお、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bは根本の部分において互いに電気的に接続され、また、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの間隔は前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの間隔にほぼ等しい。
【0028】
そして、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、それぞれ、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触する。ここで、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの間隔は前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの間隔にほぼ等しく、かつ、図1に示されるように、出力歯車22と抵抗体基板24とが互いに平行であるので、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触した状態を常に保持するようになっている。また、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高い。そのため、前記出力軸21に固定された出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係が安定するので、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端と、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面との接触が常に保持される。さらに、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの幅は、第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端の幅に対して広いため、前記出力軸21の中心と前記抵抗体基板24の出力軸挿通孔24aの中心軸とが多少ずれてていても、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触しつつ移動することができる。
【0029】
これにより、図5に示されるような回路構成を有する可変抵抗器20の回路が形成される。この場合、出力軸21が回転して変位すると、ブラシ部材23も出力軸21とともに変位し、前記第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位する。そして、前記第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位すると、図5に示される端子aと端子bとの間の抵抗値、又は、端子bと端子cとの間の抵抗値が変化する。なお、前記図5に示される端子aと端子bとの間の抵抗値、及び、端子bと端子cとの間の抵抗値は、図2〜4に示される端子28aと端子28bとの間の抵抗値、及び、端子28bと端子28cとの間の抵抗値にそれぞれ対応する。そのため、前記端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値を測定することによって、前記出力軸21の変位を検出することができる。
【0030】
次に、前記構成のサーボ装置10の動作について説明する。
【0031】
まず、ロボット全体の動作を制御する制御装置からの指令としての出力軸21の変位の目標値を含む制御信号が接続導線17を介して制御部15に送信される。そして、該制御部15は、前記制御信号を受信すると、モータ11を駆動するための駆動信号を出力する。該駆動信号は、前記出力軸21を目標値だけ変位させるために前記モータ11の回転軸11aを回転させる信号であり、前記モータ11がDCモータである場合、PWM信号等の信号である。なお、前記駆動信号を出力するための電力は、電源部から接続導線17を介して制御部15に供給される。
【0032】
そして、前記モータ11は、制御回線13を介して、前記制御部15から駆動信号を受信すると、該駆動信号に応じて所定の回転角度だけ回転軸11aを回転させる。該回転軸11aの回転が減速機構14を介して出力歯車22に伝達され、出力軸21が回転するので、該出力軸21の両端部に固定部31a及び固定部31bが固定されている第1リンク部材31は、前記出力軸21を中心にして回転する。これにより、前記第1リンク部材31は、筐体12に固定されている第2リンク部材32に対して回転する。
【0033】
この場合、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高く、前記第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bから軸に対して垂直な方向の力を受けても、変形することがない。そのため、第1リンク部材31は、ずれが生じない安定した関節軸としての出力軸21の回りを回転することができる。
【0034】
そして、前記出力軸21が回転すると出力歯車22に取り付けられたブラシ部材23も連動して回転するので、第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位する。そのため、端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値が変化するので、前記制御部15は、第1の検出配線27a、第2の検出配線27b及び第3の検出配線27cを介して、前記端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値を測定することによって、前記出力軸21の変位を検出することができる。この場合、前記出力軸21の剛性が高く変形しないので、出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係が安定し、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端と前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面との接触が常に保持される。そのため、前記制御部15は前記出力軸21の変位を正確に検出することができる。なお、前記出力軸21が下部筐体12bの境界壁12cによっても軸支されている場合には、前記出力軸21の剛性はより高いものとなり、出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係がより安定する。
【0035】
そして、前記制御部15は、出力軸21の変位の目標値と、検出した出力軸21の変位、すなわち、出力軸21の変位の検出値とを比較し、前記目標値と検出値との間に偏差が存在するときに、該偏差を0にするようにモータ11に駆動信号を出力して、出力軸21の動作の制御を行う。これにより、第1リンク部材31を第2リンク部材32に対して所定の角度だけ回転させることができる。
【0036】
このように、本実施の形態においては、サーボ装置10がロボットのアクチュエータとして使用されると、出力軸21は、両端が筐体12の両側に突出しているので、従来のサーボ装置では関節部の剛性を確保するために必要であった出力軸の反対側に付加する支点軸が必要でない。すなわち、ロボットアームとしての第1リンク部材31や第2リンク部材32に特別の工夫をすることなしに高剛性のロボットアームを得ることができる。なお、前記出力軸21は、両端近傍部分において筐体12に軸支されているので剛性が高い。
【0037】
また、従来のサーボ装置で必要であった出力軸の反対側に付加する支点軸が必要ないので、ロボットの構成を簡素化することができ、かつ、ロボットを軽量化することができる。さらに、前記支点軸と従来のサーボ装置の出力軸とを一致させるための調整が必要ない。
【0038】
また、本実施の形態におけるサーボ装置10は、出力軸21が可変抵抗器20の一部を構成するので、従来のサーボ装置において行われていた、出力軸の中心軸と可変抵抗器の回転軸を一致させるための機構及び調整が必要ない。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ブラシ部材23及び抵抗体基板24が出力歯車22の下側に配設されているが、前記抵抗体基板24が上部筐体12a又は下部筐体12bに取り付けられ、出力軸21と連動するブラシ部材23が抵抗体基板24の面状抵抗体26a及び面状導体26bと接触するようになっていれば、前記ブラシ部材23及び抵抗体基板24はいかなる場所に配設されていてもよく、例えば、抵抗体基板24が出力歯車22の上側に配設されていてもよい。
【0040】
また、出力軸21は、複数の部材から成るものであってもよく、この場合、筐体12の両側に突出した出力軸21は、同一軸上にあって、同期して動作を行うようになっている。
【0041】
さらに、出力軸21は、上部筐体12aの上側と下部筐体12bの下側とに突出しているが、出力軸21の突出は上部筐体12aの上側のみ、又は、下部筐体12bの下側のみであってもよい。
【0042】
そして、本発明の実施の形態においては、前記サーボ装置10がロボットにおけるロボットアームの関節部のアクチュエータとして使用される場合について説明したが、同様にラジオコントロール式の自動車や飛行機などの模型等における可動部分の駆動にも用いることができる。
【0043】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、簡単な構成でありながら、ロボットの関節部を駆動させるアクチュエータとして使用した場合であっても、十分な剛性が得ることができ、モータの出力をロボットアームに効率よく伝達することができるとともに、モータの動作を高い精度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるロボットの関節部のアクチュエータとして使用されるサーボ装置の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における可変抵抗器の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す断面図であり図3のA−A矢視断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における可変抵抗器の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10 サーボ装置
11 モータ
12 筐体
12a 上部筐体
12b 下部筐体
14 減速機構
15 制御部
20 可変抵抗器
21 出力軸
23 ブラシ部材
26a 面状抵抗体
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーボ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ロボット、ラジオコントロール式の模型等においては、可動部材を所定量だけ駆動するためのアクチュエータとしてサーボ装置が使用されている(例えば、特許文献1参照。)。この場合、該サーボ装置は、筐(きょう)体を有し、該筐体の内部に、制御部からの制御信号によって駆動されるDCモータ等のモータと、該モータの回転を減速して出力する減速機構と、該減速機構の出力を被操作部材としての可動部材に伝達する出力軸とが配設されている。そして、前記制御部は、可変抵抗器が検出する前記出力軸の変位と該変位の目標値とを比較して、偏差が存在するときに該偏差を0にするような制御信号を前記モータに対して出力することによって、該モータの動作を制御する。
【0003】
ここで、前記可変抵抗器は、一般的に用いられる可変抵抗器であり、片側に突出する回転軸、及び、反対側に突出する端子を備える。なお、前記回転軸の先端は、丸棒の一部を切り欠いた略D型の断面形状の凸部を備えている。また、前記出力軸の一端には略D型の断面形状の凹部が形成されている。そして、前記回転軸の凸部が出力軸の凹部に嵌(かん)入されることによって、前記回転軸と出力軸とが連結され、該出力軸の変位が回転軸に伝達されて可変抵抗器によって検出されるようになっている。
【0004】
また、前記出力軸の他端は、前記筐体の外部に突出し、駆動円盤が取り付けられている。そして、該駆動円盤にはロッドリンクを介して可動部材が連結され、前記出力軸の駆動力が前記駆動円盤及びロッドリンクを介して可動部材に伝達される。なお、該可動部材は、例えば、ラジオコントロール式の模型自動車の場合、該模型自動車のエンジンスロットルやステアリングである。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−331657号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のサーボ装置においては、ロボットの関節部を駆動させるために使用する場合、出力軸の回転をロボットのリンク部材に効率よく伝達することができない。前記従来のサーボ装置をロボットの関節部を駆動させるために使用する場合、駆動円盤、ロッドリンク等を使用することなく、前記関節部の関節軸と出力軸とを一致させ、関節部を構成する一方のリンク部材を前記出力軸に直接取り付けるようになっている。この場合、前記関節部を構成する他方のリンク部材は筐体に取り付けられる。そして、前記モータを回転させると、前記一方のリンク部材が他方のリンク部材に対して関節軸を中心に回転する。
【0007】
ところが、前記一方のリンク部材から比較的大きな負荷が前記出力軸にかかると、該出力軸の軸受の剛性が不足して、前記出力軸が変形して関節軸がずれてしまうことがある。そのため、前記モータの出力をロボットのリンク部材に効率よく伝達することができなくなってしまう。また、前記出力軸が変形すると、該出力軸の変位は、可変抵抗器の回転軸に適切に伝達されないので、可変抵抗器によって正確に検出されなくなってしまう。そのため、制御部によるモータの動作の制御精度が低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のサーボ装置の問題点を解決して、簡単な構成でありながら、ロボットの関節部を駆動させるアクチュエータとして使用した場合であっても、十分な剛性が得ることができ、モータの出力をロボットアームに効率よく伝達することができるとともに、モータの動作を高い精度で制御することができるサーボ装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のサーボ装置においては、モータと、該モータの動作を制御する制御部と、前記モータの回転を減速して出力する減速機構と、該減速機構の出力を被操作部材に伝達する出力軸と、該出力軸の変位を計測する計測手段と、前記モータ、制御部、減速機構、出力軸及び計測手段を収容する筐体とを有するサーボ装置であって、前記出力軸は前記筐体の両側に突出し、該筐体の両側に突出した出力軸は、同一軸上にあって、同期して動作を行う。
【0010】
本発明の他のサーボ装置においては、さらに、前記計測手段は、前記出力軸に取り付けられたブラシ及び該ブラシが接触しつつ移動する抵抗体を備える。
【0011】
本発明の更に他のサーボ装置においては、さらに、前記出力軸は、前記ブラシが取り付けられた歯車を備える。
【0012】
本発明の更に他のサーボ装置においては、さらに、前記出力軸は、単一の部材から成り、両端近傍部分において前記筐体に軸支される。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0014】
図1は本発明の実施の形態におけるロボットの関節部のアクチュエータとして使用されるサーボ装置の構成を示す部分断面図である。
【0015】
図において、10は本実施の形態におけるサーボ装置であり、第1のロボットアームとしての第1リンク部材31と第2のロボットアームとしての第2リンク部材32とを回転可能に結合する関節部のアクチュエータとして使用される。なお、前記サーボ装置10は、ロボットだけでなく、例えば、ラジオコントロール式の自動車や飛行機などの模型等、各種機械装置のアクチュエータとして使用することができるものであるが、本実施の形態においては、説明の都合上、溶接ロボット、組立搬送ロボット等のロボットにおけるロボットアームの関節部のアクチュエータとして使用される場合についてのみ説明する。
【0016】
前記サーボ装置10は、構造部材としての上部筐体12a及び下部筐体12bとを有する。この場合、前記上部筐体12a及び下部筐体12bは、ボルト等の固着手段によって、相互に強固に固着され、単一の筐体12として把握することができる。そして、該筐体12は後述されるモータ11、減速機構14、制御部15、可変抵抗器20、出力軸21等を収容するようになっている。なお、前記上部筐体12a及び下部筐体12bの「上」及び「下」の語は、前記上部筐体12a及び下部筐体12bをそれぞれ識別するために便宜的に付与された語であり、前記上部筐体12a及び下部筐体12bの相互の位置関係を規定するものではない。すなわち、上部筐体12aが下側となり、下部筐体12bが上側となった状態においても使用することができ、また、上部筐体12aが右又は左側となり下部筐体12bが左又は右側となった状態においても使用することができる。なお、前記上部筐体12a及び下部筐体12bを統合的に説明する場合には、筐体12として説明する。
【0017】
そして、前記下部筐体12bの内部には、モータ11及び該モータ11の動作を制御する制御部15が配設される。ここで、前記モータ11は、例えば、DCモータであるが、いかなる種類のモータであってもよい。そして、前記モータ11は、制御回線13を介して前記制御部15に接続され、該制御部15からの駆動信号によって駆動される。なお、17は一端が前記制御部15に接続された接続導線であり、該接続導線17の図示されない他端は、ロボット全体の動作を制御する図示されない制御装置及びロボットの各部に電力を供給する図示されない電源部に接続されている。そして、前記制御部15は電力の供給を受け、前記制御装置からの指令に従って作動する。
【0018】
また、前記モータ11は、先端に駆動歯車11bが取り付けられた回転軸11aを備え、下部筐体12bにおける上部筐体12aとの境界壁12cに固定されている。そして、前記上部筐体12a内には前記モータ11の回転を減速して出力する減速機構14が配設され、該減速機構14の初段歯車14aの大径ギアが、前記上部筐体12a内に突出する前記駆動歯車11bに噛(か)み合っている。本実施の形態において、前記減速機構14は、それぞれが大径ギア及び小径ギアを備える初段歯車14a、中段歯車14b及び終段歯車14cから成るギアトレインであるが、いかなる構成を有するものであってもよく、例えば、チェーンとスプロケットとを組み合わせた減速機構であってもよいし、歯車と歯付きベルトとを組み合わせた減速機構であってもよい。
【0019】
そして、前記上部筐体12a内には、前記終段歯車14cに噛み合う出力歯車22が配設されている。該出力歯車22は、両端が前記上部筐体12a及び下部筐体12bからそれぞれ突出する出力軸21に固定されている。ここで、該出力軸21は、両端近傍部分及び中間部分において、軸受25a、軸受25b及び軸受25cを介して、前記上部筐体12aの外壁12d、並びに、下部筐体12bの境界壁12c及び外壁12eに回転可能に軸支されている。なお、前記軸受25a、軸受25b及び軸受25cは、いかなる種類のものであってもよく、例えば、ボールベアリング、ローラベアリング等のベアリングであってもよいし、ブッシュ、メタル等のすべり軸受であってもよい。さらに、前記上部筐体12a及び下部筐体12bに穿(せん)設される出力軸21の貫通孔(こう)の内面の工作精度が高く、該貫通孔の内面と出力軸21の外面との間の摩擦が少なく、前記貫通孔に挿入された状態で出力軸21がスムーズに回転可能である場合には、前記軸受25a、軸受25b及び軸受25cを省略することもできる。また、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されていればよく、必ずしも、下部筐体12bの境界壁12cに軸支されていなくてもよい。
【0020】
そして、前記出力軸21における上部筐体12a及び下部筐体12bから突出した部分には、被操作部材としての第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bが固定されている。そのため、前記モータ11を駆動すると、回転軸11aの回転が減速機構14を介して出力歯車22に伝達され、出力軸21が回転するので、前記第1リンク部材31が出力軸21を中心にして回転する。また、前記上部筐体12a及び下部筐体12bには、固定金具16によって、前記第2リンク部材32が固定されている。そのため、前記モータ11を駆動すると第2のロボットアームとしての第2リンク部材32に対して第1のロボットアームとしての第1リンク部材31が回転するので、前記サーボ装置10がロボットアームの関節部のアクチュエータとして機能することとなる。この場合、前記出力軸21が関節部の関節軸となる。
【0021】
ここで、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高く、前記第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bから軸に対して垂直な方向の力を受けても、変形することがない。したがって、第1リンク部材31は、ずれが生じない安定した関節軸の回りを回転することができる。なお、前記出力軸21が下部筐体12bの境界壁12cによっても軸支されている場合には、前記出力軸21の剛性はより高いものとなる。
【0022】
また、前記上部筐体12a内には、出力軸21の変位を検出するための計測手段としての可変抵抗器20が配設されている。該可変抵抗器20は、下部筐体12bの境界壁12cに取り付けられた抵抗体基板24、該抵抗体基板24上に形成された面状抵抗体26a及び面状導体26b、出力歯車22における境界壁12c側(図における下側)の面に取り付けられたブラシ部材23等を有する。そして、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bに一端が接続された検出配線27の他端が制御部15に接続されているので、該制御部15は出力軸21の変位を検出することができる。
【0023】
次に、前記可変抵抗器20の構成について詳細に説明する。
【0024】
図2は本発明の実施の形態における可変抵抗器の構成を示す模式図、図3は本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す平面図、図4は本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す断面図であり図3のA−A矢視断面図、図5は本発明の実施の形態における可変抵抗器の回路構成を示す回路図である。
【0025】
本実施の形態において、図2に示されるように、抵抗体基板24には出力軸21の直径よりも大きな径の出力軸挿通孔24aが形成され、該出力軸挿通孔24aに前記出力軸21が挿通されている。そして、図3に示されるように、抵抗体基板24上における前記出力軸挿通孔24aの外側に、面状導体26bが前記出力軸挿通孔24aと同心円となるように形成されている。さらに、図3に示されるように、前記抵抗体基板24上における前記面状導体26bの外側に、ブラシが接触しつつ移動する抵抗体としての面状抵抗体26aが前記出力軸挿通孔24aと同心円となるように形成されている。なお、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bは、例えば、通常のプリント回路基板の回路と同様に、エッチング等のプロセスによって抵抗体基板24上に形成することができるが、いかなる方法によって形成されたものであってもよい。
【0026】
ここで、前記面状導体26bが完全に閉じた円を形成するのに対し、面状抵抗体26aは、ほぼ閉じているが完全には閉じておらず一部が開放した円を形成するようになっている。そして、前記面状抵抗体26aの一部は、前記円の開放端から外側方向(図3における右方向)に延在する二本の直線部を形成する。該二本の直線部の端部には端子28a及び端子28cが、それぞれ、接続されている。なお、前記面状導体26bにも、端子28bが接続されている。ここで、前記検出配線27は、第1の検出配線27a、第2の検出配線27b及び第3の検出配線27cから成り、前記端子28a及び端子28cには第1の検出配線27a及び第3の検出配線27cが、それぞれ、接続され、端子28bには第2の検出配線27bが接続される。
【0027】
一方、出力軸21には、出力歯車22を介してブラシとしてのブラシ部材23が取り付けられている。具体的には、前記出力歯車22における境界壁12c側の面、すなわち、抵抗体基板24と対向する面には、ブラシ部材23が取り付けられている。ここで、該ブラシ部材23は、面状抵抗体26aに対応する第1のブラシ23a及び面状導体26bに対応する第2のブラシ23bから成る。なお、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bは根本の部分において互いに電気的に接続され、また、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの間隔は前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの間隔にほぼ等しい。
【0028】
そして、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、それぞれ、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触する。ここで、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの間隔は前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの間隔にほぼ等しく、かつ、図1に示されるように、出力歯車22と抵抗体基板24とが互いに平行であるので、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触した状態を常に保持するようになっている。また、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高い。そのため、前記出力軸21に固定された出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係が安定するので、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端と、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面との接触が常に保持される。さらに、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの幅は、第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端の幅に対して広いため、前記出力軸21の中心と前記抵抗体基板24の出力軸挿通孔24aの中心軸とが多少ずれてていても、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端は、前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面に接触しつつ移動することができる。
【0029】
これにより、図5に示されるような回路構成を有する可変抵抗器20の回路が形成される。この場合、出力軸21が回転して変位すると、ブラシ部材23も出力軸21とともに変位し、前記第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位する。そして、前記第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位すると、図5に示される端子aと端子bとの間の抵抗値、又は、端子bと端子cとの間の抵抗値が変化する。なお、前記図5に示される端子aと端子bとの間の抵抗値、及び、端子bと端子cとの間の抵抗値は、図2〜4に示される端子28aと端子28bとの間の抵抗値、及び、端子28bと端子28cとの間の抵抗値にそれぞれ対応する。そのため、前記端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値を測定することによって、前記出力軸21の変位を検出することができる。
【0030】
次に、前記構成のサーボ装置10の動作について説明する。
【0031】
まず、ロボット全体の動作を制御する制御装置からの指令としての出力軸21の変位の目標値を含む制御信号が接続導線17を介して制御部15に送信される。そして、該制御部15は、前記制御信号を受信すると、モータ11を駆動するための駆動信号を出力する。該駆動信号は、前記出力軸21を目標値だけ変位させるために前記モータ11の回転軸11aを回転させる信号であり、前記モータ11がDCモータである場合、PWM信号等の信号である。なお、前記駆動信号を出力するための電力は、電源部から接続導線17を介して制御部15に供給される。
【0032】
そして、前記モータ11は、制御回線13を介して、前記制御部15から駆動信号を受信すると、該駆動信号に応じて所定の回転角度だけ回転軸11aを回転させる。該回転軸11aの回転が減速機構14を介して出力歯車22に伝達され、出力軸21が回転するので、該出力軸21の両端部に固定部31a及び固定部31bが固定されている第1リンク部材31は、前記出力軸21を中心にして回転する。これにより、前記第1リンク部材31は、筐体12に固定されている第2リンク部材32に対して回転する。
【0033】
この場合、前記出力軸21は、両端近傍部分において上部筐体12aの外壁12d及び下部筐体12bの外壁12eに軸支されているので剛性が高く、前記第1リンク部材31の固定部31a及び固定部31bから軸に対して垂直な方向の力を受けても、変形することがない。そのため、第1リンク部材31は、ずれが生じない安定した関節軸としての出力軸21の回りを回転することができる。
【0034】
そして、前記出力軸21が回転すると出力歯車22に取り付けられたブラシ部材23も連動して回転するので、第1のブラシ23aが面状抵抗体26aの表面に接触する位置が変位する。そのため、端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値が変化するので、前記制御部15は、第1の検出配線27a、第2の検出配線27b及び第3の検出配線27cを介して、前記端子28aと端子28bとの間の抵抗値、又は、端子28bと端子28cとの間の抵抗値を測定することによって、前記出力軸21の変位を検出することができる。この場合、前記出力軸21の剛性が高く変形しないので、出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係が安定し、前記第1のブラシ23a及び第2のブラシ23bの先端と前記面状抵抗体26a及び面状導体26bの表面との接触が常に保持される。そのため、前記制御部15は前記出力軸21の変位を正確に検出することができる。なお、前記出力軸21が下部筐体12bの境界壁12cによっても軸支されている場合には、前記出力軸21の剛性はより高いものとなり、出力歯車22と抵抗体基板24との相対的位置関係がより安定する。
【0035】
そして、前記制御部15は、出力軸21の変位の目標値と、検出した出力軸21の変位、すなわち、出力軸21の変位の検出値とを比較し、前記目標値と検出値との間に偏差が存在するときに、該偏差を0にするようにモータ11に駆動信号を出力して、出力軸21の動作の制御を行う。これにより、第1リンク部材31を第2リンク部材32に対して所定の角度だけ回転させることができる。
【0036】
このように、本実施の形態においては、サーボ装置10がロボットのアクチュエータとして使用されると、出力軸21は、両端が筐体12の両側に突出しているので、従来のサーボ装置では関節部の剛性を確保するために必要であった出力軸の反対側に付加する支点軸が必要でない。すなわち、ロボットアームとしての第1リンク部材31や第2リンク部材32に特別の工夫をすることなしに高剛性のロボットアームを得ることができる。なお、前記出力軸21は、両端近傍部分において筐体12に軸支されているので剛性が高い。
【0037】
また、従来のサーボ装置で必要であった出力軸の反対側に付加する支点軸が必要ないので、ロボットの構成を簡素化することができ、かつ、ロボットを軽量化することができる。さらに、前記支点軸と従来のサーボ装置の出力軸とを一致させるための調整が必要ない。
【0038】
また、本実施の形態におけるサーボ装置10は、出力軸21が可変抵抗器20の一部を構成するので、従来のサーボ装置において行われていた、出力軸の中心軸と可変抵抗器の回転軸を一致させるための機構及び調整が必要ない。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ブラシ部材23及び抵抗体基板24が出力歯車22の下側に配設されているが、前記抵抗体基板24が上部筐体12a又は下部筐体12bに取り付けられ、出力軸21と連動するブラシ部材23が抵抗体基板24の面状抵抗体26a及び面状導体26bと接触するようになっていれば、前記ブラシ部材23及び抵抗体基板24はいかなる場所に配設されていてもよく、例えば、抵抗体基板24が出力歯車22の上側に配設されていてもよい。
【0040】
また、出力軸21は、複数の部材から成るものであってもよく、この場合、筐体12の両側に突出した出力軸21は、同一軸上にあって、同期して動作を行うようになっている。
【0041】
さらに、出力軸21は、上部筐体12aの上側と下部筐体12bの下側とに突出しているが、出力軸21の突出は上部筐体12aの上側のみ、又は、下部筐体12bの下側のみであってもよい。
【0042】
そして、本発明の実施の形態においては、前記サーボ装置10がロボットにおけるロボットアームの関節部のアクチュエータとして使用される場合について説明したが、同様にラジオコントロール式の自動車や飛行機などの模型等における可動部分の駆動にも用いることができる。
【0043】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、簡単な構成でありながら、ロボットの関節部を駆動させるアクチュエータとして使用した場合であっても、十分な剛性が得ることができ、モータの出力をロボットアームに効率よく伝達することができるとともに、モータの動作を高い精度で制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態におけるロボットの関節部のアクチュエータとして使用されるサーボ装置の構成を示す部分断面図である。
【図2】本発明の実施の形態における可変抵抗器の構成を示す模式図である。
【図3】本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す平面図である。
【図4】本発明の実施の形態における可変抵抗器の抵抗体基板の構成を示す断面図であり図3のA−A矢視断面図である。
【図5】本発明の実施の形態における可変抵抗器の回路構成を示す回路図である。
【符号の説明】
10 サーボ装置
11 モータ
12 筐体
12a 上部筐体
12b 下部筐体
14 減速機構
15 制御部
20 可変抵抗器
21 出力軸
23 ブラシ部材
26a 面状抵抗体
Claims (4)
- (a)モータと、
(b)該モータの動作を制御する制御部と、
(c)前記モータの回転を減速して出力する減速機構と、
(d)該減速機構の出力を被操作部材に伝達する出力軸と、
(e)該出力軸の変位を計測する計測手段と、
(f)前記モータ、制御部、減速機構、出力軸及び計測手段を収容する筐体とを有するサーボ装置であって、
(g)前記出力軸は前記筐体の両側に突出し、
(h)該筐体の両側に突出した出力軸は、同一軸上にあって、同期して動作を行うことを特徴とするサーボ装置。 - 前記計測手段は、前記出力軸に取り付けられたブラシ及び該ブラシが接触しつつ移動する抵抗体を備える請求項1に記載のサーボ装置。
- 前記出力軸は、前記ブラシが取り付けられた歯車を備える請求項2に記載のサーボ装置。
- 前記出力軸は、単一の部材から成り、両端近傍部分において前記筐体に軸支される請求項1〜3のいずれか1項に記載のサーボ装置。
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