JP2004255084A - 安全かみそりのホルダー - Google Patents

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Shigeru Yasukawa
繁 安川
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Abstract

【課題】3枚刃の替え刃を着脱可能に取り付けることができる安全かみそりのホルダーを提供すること。
【解決手段】頭部2と柄部3とが長手方向に延びる基線に沿って一体化され、替え刃RBが長手方向を前記基線に沿うようにして頭部2に着脱可能に取り付けられる安全かみそりのホルダー1であって、替え刃RBは、刃体収納部35と刃体収納部35の長手方向に直交して延びた取り付け部材32,33とを有し、刃体収納部35がその長手方向を軸として回動可能に前記取り付け部材33に支持されており、頭部2は、取り付け部材32,33を挿入することによって替え刃RBを取り付ける穴部22と、取り付け部材32,33が穴部22に挿入されたときに刃体収納部35の長手方向の両端部34a,34bに係合して刃体収納部35が回動しないように係止する爪部23a,23bと、を有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、頭部と柄部とが長手方向に延びる基線に沿って一体化され、頭部において替え刃の刃体の長手方向が基線に沿うように取り付け可能な安全かみそりのホルダーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来において、頭部と柄部とが長手方向に延びる基線に沿って一体化され、頭部において基線に沿って配された装着面に替え刃を取り付けるための係合部材が設けられた形式の安全かみそりが、特開平5−123460号として提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
このような安全かみそりに用いられる替え刃は、長方形状のプラスチック製のケース内に1枚又は2枚の刃体が装着され、ケースの裏面に係合部材と係合するための係合溝が設けられている。このような替え刃は、公知であり、且つシックスーパーII(ファイザー・コンシューマーInc.)などとして市販されている。
【0004】
しかし、近年において、剃り心地がソフトなこと、剃り残しが少ないこと、および刃体の寿命が長いことなどから、3枚の刃体が装着された替え刃(以下「3枚刃の替え刃」)が急速に普及してきている。3枚刃の替え刃を安全かみそりのホルダーに取り付けた製品は、例えばシックトリプルエッジ(ファイザー・コンシューマーInc.)、またはジレットマンハッタンスリー(ジレットジャパンインコーポレイテッド社)等の製品名で市販されている(非特許文献1,2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−123460号公報(段落番号0007、第2図)
【0006】
【非特許文献1】
インターネット<URL:http://www.schick−jp.com/triple_edge.htm>
【0007】
【非特許文献2】
インターネット<URL:http://www.gillette−jp.com/male/gm3.html>
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
理容業界には、客のひげ剃りに用いる道具として、一般に市販され普及品であるT字形の安全かみそりでは満足できず、そのために、従来から使用していたレザー(西洋かみそり)や日本かみそりを使用する理容師も数多い。しかしながら、これらの従来から使用するかみそりは、剃り味を維持するために定期的に砥石等で研ぐ必要があり、使い捨ての替え刃形式の安全かみそりに比べて日常の切れ味の維持等が面倒である。
【0009】
そこで、レザー等の従来のかみそりに使い勝手が類似し、理容師が使用する道具にふさわしい外観を有する、柄の長手方向と同一方向に替え刃の刃体が配される替え刃形式の安全かみそりのホルダー(以下「ホルダー」)が、理容業界で徐々に普及し始めている。
【0010】
しかし、このようなホルダーは、今日まで、特許文献1に記載されるように2枚の刃体が装着された替え刃を取り付けるためのものしか存在せず、3枚の刃体が装着された替え刃(以下「3枚刃の替え刃)が有する優れた特徴を引き出すホルダーは現存していなかった。
【0011】
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたもので、3枚刃の替え刃を着脱可能に取り付けることができる安全かみそりのホルダーを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる安全かみそりのホルダーは、頭部と柄部とが長手方向に延びる基線に沿って一体化され、替え刃が長手方向を前記基線に沿うようにして前記頭部に着脱可能に取り付けられる安全かみそりのホルダーであって、前記替え刃は、刃体収納部と前記刃体収納部の長手方向に直交して延びた取り付け部材とを有し、前記刃体収納部がその長手方向を軸として回動可能に前記取り付け部材に支持されており、前記頭部は、前記取り付け部材を挿入することによって前記替え刃を取り付ける穴部と、前記取り付け部材が前記穴部に挿入されたときに前記刃体収納部の長手方向の両端部に係合して前記刃体収納部が回動しないように係止する爪部と、を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかるホルダー1の頭部2の斜視図、図2は3枚刃の替え刃RBの正面図、図3は3枚刃の替え刃RBの右側面図、図4は3枚刃の替え刃RBの平面図、図5はホルダー1に3枚刃の替え刃RBを取り付けた平面図、図6はホルダー1に3枚刃の替え刃RBを取り付けた正面図、図7は図5のA−A線矢視断面図、図8は図5のB−B線矢視断面図、図9は図8における係合爪部23a近辺の拡大図である。
【0014】
これらの図において、ホルダー1は、頭部2および柄部3からなる。頭部2と柄部3とは、長手方向に延びる基線に沿って一体に形成されている。
図1に示すように、頭部2には装着面21が設けられる。装着面21は頭部2の幅の約2分の1の幅で長手方向に延び、残りの約2分の1の幅からなる長手方向に延びる面(以下「平滑面」)24とは約165度の角度で交わる(図7参照)。装着面21には、基線に直交して頭部2における装着面21の裏側の面(以下「裏面」)に貫通する嵌合穴22が設けられる。嵌合穴22の装着面21における開口部分は、裏面の開口部分(図6参照)よりも長手方向に長く、ほぼ装着面21の全長に渡っている。嵌合穴22の装着面21における開口部分は、幅がやや広い中央開口部221とそれより幅の狭い周辺開口部222とからなる。嵌合穴22は、中央開口部221の幅および基線方向の長さのまま裏面に貫通している。頭部2は、鋼材またはステンレス鋼などの金属材料を削りだすことにより製作される。グラインダーなどで粗く表面仕上げをした後に、高級感を出すためにバフ仕上げで滑らかな鏡面に研磨される。
【0015】
装着面21の長手方向の両端は、装着面21から上方に立ち上がり平滑面24の側に回り込んで長手方向に延びており、基線に直交する断面における断面形状が略半円形の湾曲する係合爪部23a,23bとなっている(図8参照)。
【0016】
本実施形態におけるホルダー1は、装着面21の幅が上に述べたように頭部2の幅の約2分の1で平滑面24との間に所定の角度αを有する。
装着面21の長さ、2カ所の係合爪部23a,23bの間の長さおよび係合爪部23a,23bの湾曲の曲率等は、3枚刃の替え刃RBの寸法に応じて適宜決定される。
【0017】
柄部3は、頭部2と一体化し頭部2と同じ金属材料で造られたベースにプラスチックまたは合成ゴムを成型した握り部を取り付けて形成する。握り部は使用者が使いやすい形状にデザインされている。
【0018】
図2および図3に示すように、3枚刃の替え刃RBは、長手方向に延び幅方向に並べられた3枚の刃体31a,31b,31cを刃体収納部35に有する。また、長手方向と直交する方向に延びた脚部32を有している。脚部32は刃体収納部35の長手方向に長く、中空になっている。脚部32は、長手方向の両側にリブ33,33を有する。リブ33,33は、刃体収納部35をその長手方向を軸として、回動可能に支持している。
【0019】
図4に示すように、リブ33,33は、脚部32の中心線よりやや傾斜して脚部32に取り付けられている。また、刃体収納部35の長手方向の端部の側面視は、長方形の2つの短辺を半円に取り替えたような形状をしている。図4におけるリブ33,33からより遠い側の幅方向の側面が、頭部2の係合爪部23a,23bに係合する係合部34a,34bである。
【0020】
次に、頭部2に3枚刃の替え刃RBを取り付ける要領について説明する。
先ず、3枚刃の替え刃RBの脚部32を頭部2の嵌合穴22に嵌め込む。嵌合穴の中央開口部221は、脚部32を嵌め込むのに適する幅および長さを有する。嵌合穴22に脚部32が嵌合された後は、ホルダー1を逆さにしたり軽く振る程度では、3枚刃の替え刃RBがホルダー1から脱落することはない。嵌合穴22の周辺開口部222には、リブ33,33が嵌め込まれる。
【0021】
続いて、刃体収納部35を回動させ、係合部34a,34bを係合爪部23a,23bの湾曲する部分の内側に押し込む。係合爪部23a,23bの曲率は、係合部34a,34bの断面の曲率と同じか、またはわずかに小さくなっている。係合爪部23a,23bの湾曲する面である爪部係合面231は、係合爪部23a,23bの内側に押し込まれた係合部34a,34bを回り込むようにして覆う。爪部係合面231は、係合部34a,34bを図8に示す中心線C−Cよりも上の部分にまで覆い、係合部34a,34bの上方への回動を制限して、刃体収納部35を頭部2に係止する。図7に、頭部2に3枚刃の替え刃RBが取り付けられたときの図5におけるA−A断面を示す。このとき、刃体収納部35の下部は装着面21とほぼ並行である。
【0022】
図3および図7に示すように、3枚刃の替え刃RBの脚部32は中空となっているために変形しやすく、脚部32が嵌合穴22に嵌め込まれた状態でも、刃体収納部35は図8において右方向に若干の移動が可能である。したがって、係合爪部23a,23bが、係合部34a,34bをその中心線C−Cの上の位置にまで回り込んで覆うように構成されていても、係合部34a,34bの嵌め込みを容易に行うことができる。
【0023】
また、係合部34a,34bが係合爪部23a,23bに嵌め込まれた後は、変形した脚部32の復元力によって、係合部34a,34bは図8において左方向に移動する。したがって、係合爪部23a,23bは係合部34a,34b、つまり刃体収納部35を適切に係止することができ、頭部2への3枚刃の替え刃RBの取り付けを確実なものとしている。
【0024】
以上のようにして、図5および図6に示すようにホルダー1に3枚刃の替え刃RBが取り付けられる。
頭部2から3枚刃の替え刃RBを取り外す場合には、取り付けと逆の順序で作業を行えばよい。
【0025】
このように、嵌合穴22と脚部32との嵌合および係合爪部23a,23bと係合部34a,34bとの係合によって、3枚刃の替え刃RBが頭部2に着脱可能に取り付けられる。
【0026】
本実施形態では、装着面21と平滑面24とは所定の角度αで交わるため、頭部2に取り付けられた刃体収納部35の装着面21側の下部は、図7に示すように、平滑面24との間で180度−αの角度を有する隙間を形成する。この隙間によって、頭部2に取り付けられた刃体収納部35を指先で回動させて、容易に係合部34a,34bを係合爪部23a,23bから外すことができる。
【0027】
さらに、この隙間は、頭部2に取り付けられた刃体収納部35の刃先側、刃体31a,31b,31cの間および刃体収納部35の平滑面24に面する下部を経て外部に繋がる流路の一部となる。したがって、本実施形態にかかるホルダー1では、安全かみそりを流水に当てたり溜め水内で揺り動かせば、3枚刃の替え刃RBに溜まった剃り屑の洗浄を簡単且つ短時間で行うことができる。所定の角度αは本実施形態における165度に限定されるものではなく、刃体収納部35を指先で回動させることができる隙間を平滑面24との間で形成する角度であればよい。
【0028】
基線に直交する断面における係合爪部の断面形状を、図9に示すような略半円形とせず、図10に示すように鉤状のL字形等とすることができる。
また、種々の金属材料または非金属材料からなる係合爪部を頭部2に固定しまたは着脱可能に取り付けて、ホルダーとすることができる。
【0029】
図11に示す他の実施形態におけるホルダー1Cは、図1に示した平滑面24を設けることなく、頭部2Cの幅方向の全てを1つの面からなる装着面21Cとしている。この実施形態における嵌合穴22および係合爪部23a,23bの構成および機能等は、図1に示すホルダー1と同じである。
【0030】
装着面21Cの係合爪部23a,23bが設けられた側の端には、窪み25Cが設けられている(図12参照)。窪み25Cは、その表面が円柱側面の一部のような曲面となっている。また、窪み25Cは、ホルダー1Cに3枚刃の替え刃RBが取り付けられているときに、指先を差し入れ、3枚刃の替え刃RBの刃体収納部35の端を引き起こすことができる程度の大きさに形成されている。この窪み25Cによって、頭部2Cに取り付けられた刃体収納部35を指先で回動させて、容易に係合部34a,34bを係合爪部23a,23bから外すことができる。
【0031】
また、窪み25Cによって、装着面21Cの端縁には、嵌合穴22の方向にアール状にへこんだアール部26Cが形成される。アール部26Cを嵌合穴22に近づくよう大きくしておけば、図1に示すホルダー1と同様に、3枚刃の替え刃RBの洗浄が容易である。
【0032】
窪み25Cは、上に述べた円柱の側面状の他に、頭部2Cの長手方向に長径を有する楕円体の表面形状等にすることができる。
図13に示すように、窪みを設けない装着面21Dとしてもよい。
【0033】
上述の実施形態において、ホルダー1の材質に本実施形態における材質以外のものを使用することができる。頭部2、柄部3、替え刃RB、またはホルダー1の全体または各部の構造、形状、寸法、材質などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によると、3枚刃の替え刃を着脱可能に取り付けることができる安全かみそりのホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるホルダーの頭部の斜視図である。
【図2】3枚刃の替え刃の正面図である。
【図3】3枚刃の替え刃の右側面図である。
【図4】3枚刃の替え刃の平面図である。
【図5】ホルダーに3枚刃の替え刃を取り付けた平面図である。
【図6】ホルダーに3枚刃の替え刃を取り付けた正面図である。
【図7】図5のA−A線矢視断面図である。
【図8】図5のB−B線矢視断面図である。
【図9】図8における係合爪部近辺の拡大図である。
【図10】係合爪部の他の実施形態の拡大図である。
【図11】他の実施形態における頭部の斜視図である。
【図12】図11のD−D線矢視断面図である。
【図13】他の実施形態における図5のA−A線矢視断面に相当する図である。
【符号の説明】
1,1D ホルダー
2,2B〜2D 頭部
3,3D 柄部
22 穴部(嵌合穴)
23a,23b 爪部(係合爪部)
32 取り付け部材(脚部)
33 取り付け部材(リブ)
34a,34b 長手方向の両端部(係合部)
35 刃体収納部
RB 替え刃(3枚刃の替え刃)

Claims (1)

  1. 頭部と柄部とが長手方向に延びる基線に沿って一体化され、替え刃が長手方向を前記基線に沿うようにして前記頭部に着脱可能に取り付けられる安全かみそりのホルダーであって、
    前記替え刃は、
    刃体収納部と前記刃体収納部の長手方向に直交して延びた取り付け部材とを有し、
    前記刃体収納部がその長手方向を軸として回動可能に前記取り付け部材に支持されており、
    前記頭部は、
    前記取り付け部材を挿入することによって前記替え刃を取り付ける穴部と、
    前記取り付け部材が前記穴部に挿入されたときに前記刃体収納部の長手方向の両端部に係合して前記刃体収納部が回動しないように係止する爪部と、を有する、
    ことを特徴とする安全かみそりのホルダー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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