JP2004254239A - 回線品質特性評価システム - Google Patents
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Abstract
【課題】少なくとも1つの与干渉無線回線を含む無線通信システムに対する非線形干渉を含む干渉環境下の回線品質特性を推定する回線品質特性評価システムを提供する。
【解決手段】回線品質特性評価システムは、無線通信回線と、これに対する与干渉無線回線とが混在するエリア内で、全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する回線品質推定手段(7)を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】回線品質特性評価システムは、無線通信回線と、これに対する与干渉無線回線とが混在するエリア内で、全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する回線品質推定手段(7)を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回線品質特性評価システムに関し、より詳細には、複数の無線通信回線が混在するエリアにおいて、非線形干渉による受信回線品質特性、受信熱雑音電力、隣接チャネルからの漏洩電力等の推定に基づいて、無線通信回線の回線品質を推定する回線品質特性評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムには地上系移動無線と地上系固定無線との間に加え、宇宙運用業務無線と移動衛星通信システムとの間の相互干渉が存在する。これらの相互干渉では隣接或いは隣隣接間の漏洩電力による線形干渉あるいは周波数共用による線形干渉と、高いレベルの干渉電力によって相互変調歪が発生する非線形干渉が内在している。サービス範囲が面的な広がりを持ち、システムが共存するエリアでは非線形干渉の検討が重要となってきている。
【0003】
従来の移動無線通信方式間或いは移動無線通信方式、地上系固定無線通信システム、移動衛星通信システム等の無線方式が混在するエリアでは、干渉波の線形部分の漏洩電力、受信側のフィルタリング、変復調方式等によって回線品質が評価されてきているが、非線形干渉についての評価は充分ではなかった。
【0004】
また、受信系単独での非線形干渉に関する性能および被干渉無線システムの装置内部の個々の諸元が判っていても、送受信システムにおける受信総合性能として上記諸元を推定する手段が無かった。
【0005】
非線形干渉については、解析的検証が従来からなされており、数学的アルゴリズムを用いて3次インターセプトポイント入力レベル(IIP3)の手法を導入し、変調波による相互変調積(IM)スペクトルの広がり、IMによる干渉波の発生と感度抑圧量の検討がなされている(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【0006】
【非特許文献1】
社団法人 電子情報通信学会発行の信学技報(RCS2002−140、2002年8月22日発行)に掲載の「広帯域移動無線システムと狭帯域移動無線システムにかかわる非線形干渉理論検討」
【非特許文献2】
IEEE TRANSACTION ON VEHICULAR TECHNOLOGY, VOL.VT32, NO.1,FEBUR UARY1983
”Intercept Point and Undesired Responses”
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は非線形干渉に対する充分な対策がなかったので、受信系の歪と干渉波の電力、希望波と干渉波との周波数間隔等によって発生する非線形干渉が発生するケ−スの分類、発生する分類、発生頻度とサービスエリアでの品質劣化を低減することができないという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、少なくとも1つの無線回線を含む無線通信システムに対する非線形干渉を含む回線品質特性を推定する回線品質特性評価システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様により提供される回線品質特性評価システムは、空間を共用してデジタル信号を無線通信する無線回線と、この無線回線に対して干渉を与える他の無線回線とが混在するエリア内で、エリア内の全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する回線品質推定手段を備えている。
【0010】
これにより、空間を共用して無線通信をする無線回線と干渉を与える他の無線回線が混在するエリア内であっても、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になり、それにより回線品質向上のための対策を立てることが可能になる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、上記第1の態様において、上記他の無線回線の数は複数であり、回線品質推定手段はさらに、エリア内の任意の位置に与干渉複数無線回線が存在する確率に基づいて無線通信回線の回線品質を推定する。
【0012】
これにより、干渉を与える無線回線が複数であっても、エリア内の全ての無線回線により影響を受ける要素に基づいて非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になるので、回線品質の推定を柔軟に行うことができる。また、干渉を与える無線機が移動する場合であっても、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になる。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、上記第1又は第2の態様において、回線品質推定手段は、エリア内に、デジタル信号を通信する基地局と移動局とを備え、基地局から移動局への下り移動無線回線では、エリア内に分布した移動局と下り回線の多重伝搬路による移動局受信レベルと、エリア内或いは近傍の無線回線からその移動局が受ける干渉レベルと、エリア内の規定値とに基づいて、移動局の面的な分布に対する複数干渉波による非線形干渉下のエリア範囲の無線回線品質を推定する。
【0014】
これにより、複数の移動局がエリア内で移動しても非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になる。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、上記第1又は第2の態様において、回線品質推定手段は、移動局から基地局への上り移動無線回線では、エリア内に分布する複数の移動局からの上り回線の多重伝搬路により基地局が受信する受信レベルと、エリア内或いは近傍の無線回線から基地局が受ける干渉レベルと、エリア内に分布した複数の移動局からの同一システム内干渉量と、面的に分布した複数の移動局数とに基づいて、非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量を推定する。
【0016】
これにより、非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量が推定できるので、回線品質が良好で好適な回線を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面によって詳述する。なお、以下の説明で同一参照符号は同一のものを表している。
実施の形態1
(請求項1に対応)
図1は本発明の第1の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、1は被干渉デジタル無線送信機、2は被干渉デジタル無線送信機のアンテナ、3は被干渉デジタル無線受信機、4は被干渉デジタル無線受信機のアンテナ、5は与干渉デジタル無線送信機、6は与干渉デジタル無線送信機のアンテナ、7は本発明により提供される回線品質推定手段である。
【0018】
図において、実線は希望波のルート、破線は干渉波のルートを示している。図1では図面の簡単化のために与干渉デジタル無線送信機は1個しか示していないが、一般には複数の与干渉デジタル無線送信機が存在する。
【0019】
回線品質推定手段7は、マイクロプロセッサ等の任意の制御装置で実現できる。
【0020】
本実施の形態では、回線品質推定手段7は、空間を共用してデジタル信号を無線通信する無線回線(アンテナ2−アンテナ4間)と、その無線回線に対して干渉を与える他の無線回線(アンテナ6−アンテナ4間)とが混在するエリア内で、そのエリア内の全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する。
【0021】
回線品質特性の一例としては符号誤り率があるが、回線品質特性はこれに限定されず、フレーム誤り率や、ブロック誤り率や、パッケット誤り率等が適用可能である。
【0022】
図2は受信側に周波数が接近した2つの同じレベルの信号を入力した場合おける主信号、3次歪信号、5次歪信号のレベルを説明するグラフである。図2において、接近した周波数f1およびf2の2つの主信号Ptを入力すると、2f2−f1と2f1−f2の周波数でレベルがPIM3の3次歪が発生し、3f2−2f1と3f1−2f2の周波数でレベルがPIM5の5次歪が発生する。
【0023】
図3は受信側における入力レベルと出力レベルの関係からインターセプトポインントを推定するグラフである。図3において、線aは2つの主信号の各々の入力レベルと各々の出力レベルの関係を示し、線bは主信号の入力レベルに対する3次歪IM(相互変調積)の出力レベルの関係を示し、線cは主信号の入力レベルに対する5次歪IM(相互変調積)の出力レベルの関係を示している。2つの主信号のレベルを同時に上げていくと、主信号のレベルPtと3次歪信号のレベルPIM3との差IM3(図3参照)が次第に小さくなる。実際の無線通信システム内での受信側の出力は図に実線で示すように飽和するが、入力レベルに比例して出力レベルが線形で増加していくと仮定すると、3次歪を示す線bと主信号の点線で示す部分とが交差する。この交差点における出力レベルを3次インターセプトポイント出力レベルといい、入力レベルを3次インターセプトポイント入力レベルという。本発明は、与干渉波が複数存在する場合におけるこの3次インターセプト出力レベル又は3次インターセプト入力レベルを回線品質推定手段7により推定し、推定された3次インターセプト出力レベル又は3次インターセプト入力レベルで表される非線形歪と、3次インターセプト入力レベルの減衰量で表された受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側等価熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定するするものである。
【0024】
以下、その推定手法を説明する。
【0025】
図4は被干渉デジタル無線受信機3に入力される入力信号(被変調波信号と干渉波信号)のスペクトラムの一例を示す図である。
(1)入力信号と出力信号スペクトラム
干渉側の移動無線のベースバンドを1波変調信号で表現して、被干渉側の移動無線の搬送波を無変調波とすると、増幅器(被干渉デジタル無線受信機3)への入力信号は式1で表される(以降、1変調波モデル)。
【0026】
【数1】
【0027】
増幅器の入力信号をx(t)で、出力信号をy(t)とすると、非線形特性を冪級数展開式で表示すると以下となる。
【0028】
y(t)=a1x(t)+a2x(t)2−a3x(t)3 +・・ (2)
ここで、a1,a2,a3・・は非線形係数であり、3次歪の係数a3の符号は増幅器の飽和特性から符号をマイナスとしている。式(1)を式(2)に代入すると、出力信号y(t)は、式(3)のようになる。
【0029】
【数2】
【0030】
(1)非線形干渉特性の推定
図4に示す周波数配置でfcn−fD> 3fmnの時には、無変調波(周波数fc1)で表される狭帯域移動無線の非線形干渉特性は、周波数fc1の感度抑圧量と、周波数fc1に纏わり付く移動無線の変調信号の2倍成分(2 fmn)との電力比(C/I3)等で表わされる。
【0031】
非線形干渉による感度抑圧量(η)はdB表示すると、
【0032】
【数3】
【0033】
このように、与干渉側に複数の移動無線機がある場合に、それらのすべてが被干渉側に与える感度抑圧量が推定できる。
【0034】
また、電力比(C/I3)は式3のfD成分と相互変調積によるfD 2倍変調波成分の電力比からC/I3(dB)は、
【0035】
【数4】
【0036】
このように、与干渉側に複数の移動無線機がある場合に、それらのすべてが被干渉側の電力比に与える影響を推定できる。
(2)誤り率特性の推定
ア)遅延検波方式の簡易誤り率特性
【0037】
【数5】
【0038】
ここで、
IiD はIIP3で正規化した希望波信号レベル、
Ii1 はIIP3で正規化した干渉波信号レベル、
である。
信号対雑音電力比をρとすると、
ρ=A2/2/σ2 (7)
σ2:雑音電力と干渉電力の和
周波数fc1の受信電力をC,感度抑圧をη,固定劣化をδとすると、ρは以下の式となる。
【0039】
【数6】
【0040】
ここで、
Pn :被干渉無線通信の受信熱雑音電力
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する漏洩電力の総電力である。
【0041】
【数7】
【0042】
ここで、C/IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0043】
C/I3は式(4)(C/I3)から計算されるfD成分とfcn 成分の変調波成分の2倍変調成分の電力比(真値)である。
【0044】
ηは式(3)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
イ)遅延検波方式の誤り率特性
【0045】
【数8】
【0046】
ここで
Q:Marcum Q−function
I0:第1種0次変形ベッスル関数
【0047】
【数9】
【0048】
ここで、
Eb:1ビット当たりのエネルギ
N0:雑音電力密度
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する漏洩電力である。
【0049】
【数10】
【0050】
ここで、C/ IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0051】
【数11】
【0052】
C/I3は式(5)(C/I3)或いは式(11)(C/I3)から計算されるfc1成分とfc1 に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
ここで、
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
η:式(3)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
ウ)QPSK絶対同期検波の誤り率特性
【0053】
【数12】
【0054】
ここで、
Eb:1ビット当たりのエネルギ
N0:雑音電力密度 (15)
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響
する漏洩電力である。
【0055】
【数13】
【0056】
C/I3は式5(C/I3)或いは式(11)(C/I3)から計算されるfc1成分とfc1 に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
ここで、
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
η:式(3)(η)或いは式(9)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
【0057】
周波数fc1の受信電力をC,感度抑圧をηとすると、ρは以下の式となる。
【0058】
【数14】
【0059】
ここで、
Pn :被干渉無線通信の受信熱雑音電力
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRF)から計算される、被干渉無線通信に影
響する漏洩電力の総電力である。
【0060】
【数15】
【0061】
ここで、C/IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0062】
C/I3は式4(C/I3)から計算されるfD成分とfcn 2倍変調波成分の電力比(真値)である。
【0063】
ηは式3(η)から計算される感度抑圧(真値)である。
【0064】
【数16】
【0065】
C/I3は式(5)の(C/I3)或いは式(11)の(C/I3)から計算されるfD成分とfD に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
【0066】
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
ηは式3(η)或いは式9(η)から計算される感度抑圧(真値)である。
エ)QPSK差動同期検波の誤り率特性
QPSK絶対同期検波の誤り率特性の約2倍で求められる。
【0067】
【数17】
【0068】
次に干渉波と被干渉波の周波数間隔が相対的に狭い時の干渉波相互変調積による隣接漏洩電力の増加について説明する。
【0069】
図5の(A)は被干渉デジタル無線受信機3の入力信号スペクトラムの一例を示す図で、図5の(B)はこれに応じて受信機3から出力される出力信号スペクトラムを示す図である。図5の(B)に点線で示すように、被干渉波に接近した近傍干渉側の被変調波の変調周波数の3倍が干渉波と被干渉波の周波数間隔程度かより広いときには、干渉波成分が被干渉側の無線受信機の3次歪により隣接漏洩電力が増加する。
【0070】
この相互変調積で増加する隣接漏洩電力を近傍干渉波の無線帯での電力との比をIRF3とすると以下で表される。
【0071】
【数18】
【0072】
ここで、Bは周波数fc2の周波数スペクトラム分布と最大変調周波数と周波数fc1の等価受信帯域幅(BW)と、周波数fc1と周波数fc2の周波数間隔で決まる定数である。
【0073】
周波数fc2成分の3次歪による成分(yfc2)は、
【0074】
【数19】
【0075】
【数20】
【0076】
で表される。式(22)を展開して周波数fc2成分は以下で表される。
【0077】
【数21】
【0078】
式(18)を変調周波数の組み合わせで、A+B+C型、A+B−C型、A−B+C型、A−B−C型で表し、k,l,m成分の3変調波の合成周波数をLで、l,m成分の2変調波の合成周波数をSで表し、式(23)を変調周波数をL,S,mに変換して、fL= L・Δfmに対する電力は以下で表される。
【0079】
【数22】
【0080】
ここで“|”は左側の条件式と右側の条件式の「or」を表わす。
【0081】
a3/a1=1/(3/2・IIP3・R)を適用して、周波数fc1 の受信通過帯域をBW<<Fmとすると,電力pfc2(fL)からfC1−BW/2≦fm≦fC1+BW/2 の範囲にある電力(PBW)は式(24)を積分して、周波数fc2成分の無線帯の総電力で割り、IRF3を求めると以下となる。
【0082】
【数23】
【0083】
ただし、
周波数fc1とfc2の各電力を入力3次インターセプトポイントIIP3で正規化し、
【0084】
【数24】
【0085】
と置いている。
で表され、式(25)−1〜18の和のdB値が式(16)のBである。
(2)誤り率特性
式(25)によって表されたIRF3 (dB値)を真値に変換したIRF3を式(9)、或いは式(12)、或いは式(18)のn番目の干渉電力と干渉軽減係数を用いて誤り率特性が求められる。
【0086】
以上に概略説明した本発明による回線品質特性評価システムにより、以下の作用が得られる。
【0087】
被干渉受信系の非線形特性としてインターセプトポイント入力レベル(IIP)と受信系熱雑音と隣接チャネルからの複数干渉漏洩電力からBER特性との関係付けを、被変調波受信に入力される希望波の信号と複数の干渉波の信号を離散的なスペクトラムで表現した時の式(4)〜(5)を用いて、QPSK遅延検波方式の簡易誤り率特性を表す式(6)〜(9)、あるいはQPSK遅延検波方式の誤り率特性式を表す(10)〜(13)、或いはQPSK絶対同期検波の誤り率特性を表す式(14)〜(19)、或いはQPSK差動同期検波の誤り率特性を表す式(20)等を用いて表現を出来ることが明らかになり、受信総合のIIP3特性、受信系熱雑音と隣接チャネルからの複数の干渉漏洩電力からの非線形干渉下での回線品質をより精度良く且つ柔軟に提供することができる。
【0088】
再び図1に戻り、希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4の後のIIP3で正規化した受信信号レベルをIiD、与干渉デジタル無線送信機5から被干渉デジタル無線受信機3のアンテナ4に受信された受信信号のレベルをIIP3で正規化した受信信号レベルをIi1として、各々のレベルの発生確率をP(IiD),P(Ii1)とする。
【0089】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0090】
【数25】
【0091】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
実施の形態2
(請求項1に対応)
図6は本発明の第2の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。図1との相違点は、本実施の形態においては、与干渉デジタル無線送信機が複数個(図示例では送信機5及び送信機8の2個)同時に存在することである。9は送信機8のアンテナである。
【0092】
希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ後のIIP3で正規化した受信信号レベルをIiD、与干渉デジタル無線送信機5及び7から被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4に受信された受信信号のレベルをIIP3で正規化した受信信号レベルをIi1 、Ii2として、各々のレベルの発生確率をP(IiD),P(Ii1),P(Ii2)とする。
【0093】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0094】
【数26】
【0095】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は第1の実施の形態と同様に、式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0096】
また、回線品質特性としては第1の実施の形態と同様に、符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
実施の形態3
(請求項2に対応)
図7は本発明の第3の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。図6との相違点は、本実施の形態においては、与干渉デジタル無線送信機5及び8がサービスエリア10内で移動することである。この場合は、与干渉デジタル無線送信機5及び8がサービスエリア内の(x,y)座標で表わされる場所に存在する確率に基づいて回線品質を推定する。
【0097】
説明を簡単にするために、与干渉デジタル無線送信機5のみがサービスエリア10内に存在し、サービスエリア10内を移動するとする。希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4の後の受信レベルをIIP3で正規化したレベルをIiDとし、レベルIiDの発生確率をP(IiD)とし,、干渉波の被干渉デジタル無線受信側がサービスエリア内の(x,y)座標に存在する確率をP(x,y)とし、与干渉デジタル無線送信機5から被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1とする。
【0098】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0099】
【数27】
【0100】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0101】
また、回線品質特性としては符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能であることは上記各実施の形態と同様である。
【0102】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回る(x,y)座標、
【0103】
【数28】
【0104】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る位置に無線回線が存在する確率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
【0105】
サービスエリア10内に複数の与干渉デジタル無線送信機が移動する場合は、上記式(28)、(29)に第2の実施の形態における式(27)を適用すればよい。
実施の形態4
(請求項3に対応)
図8は本発明の第4の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、81は被干渉デジタル無線基地局(送信側)、82は被干渉デジタル無線基地局(送信側)81のアンテナ、83は被干渉デジタル無線移動局(受信側)、84は被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ、85は与干渉デジタル無線基地局(送信側)、86は与干渉デジタル無線基地局(送信側)85のアンテナ、87はデジタル無線基地局(送信側)81のサービスエリア、88はデジタル無線基地局(送信側)85のサービスエリア、89は回線品質推定手段である。
【0106】
ここで、実線は希望波ルート、破線は干渉波のルートを各々示している。
【0107】
本実施の形態では、空間を共用して無線通信する複数の無線回線が混在するエリア内で、デジタル信号を通信する基地局と移動局とを備え、基地局から移動局への下り移動無線回線では、エリア内に一様に分布した移動局と下り回線の多重伝搬路による移動局受信レベルと、同じサービスエリア内或いは近傍の無線回線から当該移動局が受ける干渉レベルと、上記各実施の形態における無線通信回線の回線品質特性推定手段を用いてエリア内の規定値とに基づいて、移動局の面的な分布に対する複数干渉波による非線形干渉下のエリア範囲の無線回線品質を推定する。
【0108】
希望波の被干渉デジタル無線基地局81のサービスエリア87内で移動局83が(x,y)座標に存在する確率をP(x,y)とし、その場所での被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ84に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化した平均的レベルをIiDとし、与干渉デジタル無線基地局85からサービスエリア87内の(x,y)座標に存在する被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ84に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1とし、そのレベルの発生確率をP(Iii)とする。
【0109】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0110】
【数29】
【0111】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0112】
また、上記各実施の形態と同様に回線品質特性としては符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
【0113】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回るx,y座標、
【0114】
【数30】
【0115】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る場所率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
実施の形態5
(請求項4に対応)
図9は本発明の第5の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、91は被干渉デジタル無線基地局(受信側)、92は被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ、93は被干渉デジタル無線移動局(送信側)、94は被干渉デジタル無線移動局(送信側)93のアンテナ、95は与干渉デジタル無線移動局(送信側)、96は与干渉デジタル無線移動局(送信側)95のアンテナ、97はデジタル無線基地局(受信側)91のサービスエリア、98はデジタル無線移動局(送信側)95のサービスエリアである。図においては、エリア97内にある与干渉デジタル無線移動局(送信側)は一個であるが、複数個の与干渉デジタル無線移動局(送信側)が存在してもよい。
【0116】
ここで、実線は希望波ルート、破線は干渉波のルートを各々示している。
【0117】
本実施の形態では、空間を共用して無線通信する複数の無線回線が混在するエリア内で、デジタル信号を通信する基地局と移動局からなる移動無線通信において、移動局から基地局への上り移動無線回線では、エリア内に分布する移動局からの上り回線の多重伝搬路による基地局受信レベルと、同じエリア内或いは近傍の無線回線から当該基地局が受ける干渉レベルと、エリア内に一様に分布した複数移動局からの同一システム内干渉量と、上記実施の形態1〜3による無線通信回線の回線品質特性推定手段から得られるエリア内の規定値と、面的に一様分布した複数の移動局数から非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量を推定する。
【0118】
希望波の被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のサービスエリア97内で移動局93が送信した被変調搬送波が、被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ92に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIiDとし、そのレベルの発生確率をP(IiD)とし、サービスエリア97内の(x,y)座標に存在する与干渉デジタル無線移動局(送信側)95の各々から送信され、被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ92に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1、・・・、Iinとし、そのレベルの発生確率をP(Iin)とする。
【0119】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0120】
【数31】
【0121】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0122】
また、回線品質特性としては、上記各実施の形態と同様に、符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
【0123】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回るx,y座標、
【0124】
【数32】
【0125】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る場所率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
【0126】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、非線形干渉下の受信特性を受信熱雑音特性、非線形干渉による3次相互変調と、線形干渉である漏洩電力から受信回線品質特性を関係付ける非線形干渉下での理論式および理論曲線の推定手段と、この理論式および理論曲線から空間を共用して無線通信する無線回線と干渉を与える他無線回線が混在するサービス内で、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の評価が可能になる。
【0127】
このため、主として移動無線通信方式間或いは移動無線通信方式、地上系固定無線通信システム、移動衛星通信システム等の無線方式が混在するエリアに、新しく無線回線を計画する段階で、非線形干渉により回線品質を劣化させるケースを非線形干渉の発生を数量化することにより予め的確に評価し、被干渉無線通信の回線品質が良好で且つ効率的な無線通信回線を提供可能となる。
【0128】
この評価手段は受信系の非線形干渉に関する性能および被干渉無線システムの装置内部の諸元が不明な状態で在っても受信総合性能として、発明された非線形干渉理論或いは理論曲線から的確に推定出来る手法であり、実環境を想定した非線形干渉下に対して柔軟に予め評価して、効率的な対策と非線形干渉による品質劣化を防ぐ手段の提供を可能とする。
【0129】
また、回線を開通後に発生する無線通信回線の増大により発生する非線形干渉の発生を予め回線品質を評価でき、その評価に基づいて非線形干渉による回線品質の劣化に対する対策を施すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図2】受信側に周波数が接近した2つの同じレベルの信号を入力した場合おける主信号、3次歪信号、5次歪信号のレベルを説明するグラフである。
【図3】受信側における入力レベルと出力レベルの関係からインターセプトポインントを推定するグラフである。
【図4】被干渉デジタル無線受信機3に入力される入力信号(被変調波信号)のスペクトラムの一例を示す図である。
【図5】(A)は受信機に入力される入力信号(被変調波信号)のスペクトラムの一例を示し、(B)は(A)に示した入力信号に応答して受信機から出力される干渉波相互変調積による隣接漏洩電力の増加を説明する出力信号のスペクトラムを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による干渉測定評価システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…被干渉デジタル無線送信機
2…被干渉デジタル無線送信機のアンテナ
3…被干渉デジタル無線受信機
4…被干渉デジタル無線受信機のアンテナ
5…与干渉デジタル無線送信機
6…与干渉デジタル無線送信機のアンテナ
7…回線品質推定手段
8…与干渉デジタル無線送信機
9…与干渉デジタル無線送信機8のアンテナ
10…与干渉デジタル無線送信機5及び9の移動サービスエリア
87…基地局81のサービスエリア
88…基地局85のサービスエリア
97…基地局91のサービスエリア
98…移動局95のサービスエリア
【発明の属する技術分野】
本発明は、回線品質特性評価システムに関し、より詳細には、複数の無線通信回線が混在するエリアにおいて、非線形干渉による受信回線品質特性、受信熱雑音電力、隣接チャネルからの漏洩電力等の推定に基づいて、無線通信回線の回線品質を推定する回線品質特性評価システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
無線通信システムには地上系移動無線と地上系固定無線との間に加え、宇宙運用業務無線と移動衛星通信システムとの間の相互干渉が存在する。これらの相互干渉では隣接或いは隣隣接間の漏洩電力による線形干渉あるいは周波数共用による線形干渉と、高いレベルの干渉電力によって相互変調歪が発生する非線形干渉が内在している。サービス範囲が面的な広がりを持ち、システムが共存するエリアでは非線形干渉の検討が重要となってきている。
【0003】
従来の移動無線通信方式間或いは移動無線通信方式、地上系固定無線通信システム、移動衛星通信システム等の無線方式が混在するエリアでは、干渉波の線形部分の漏洩電力、受信側のフィルタリング、変復調方式等によって回線品質が評価されてきているが、非線形干渉についての評価は充分ではなかった。
【0004】
また、受信系単独での非線形干渉に関する性能および被干渉無線システムの装置内部の個々の諸元が判っていても、送受信システムにおける受信総合性能として上記諸元を推定する手段が無かった。
【0005】
非線形干渉については、解析的検証が従来からなされており、数学的アルゴリズムを用いて3次インターセプトポイント入力レベル(IIP3)の手法を導入し、変調波による相互変調積(IM)スペクトルの広がり、IMによる干渉波の発生と感度抑圧量の検討がなされている(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【0006】
【非特許文献1】
社団法人 電子情報通信学会発行の信学技報(RCS2002−140、2002年8月22日発行)に掲載の「広帯域移動無線システムと狭帯域移動無線システムにかかわる非線形干渉理論検討」
【非特許文献2】
IEEE TRANSACTION ON VEHICULAR TECHNOLOGY, VOL.VT32, NO.1,FEBUR UARY1983
”Intercept Point and Undesired Responses”
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来は非線形干渉に対する充分な対策がなかったので、受信系の歪と干渉波の電力、希望波と干渉波との周波数間隔等によって発生する非線形干渉が発生するケ−スの分類、発生する分類、発生頻度とサービスエリアでの品質劣化を低減することができないという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、少なくとも1つの無線回線を含む無線通信システムに対する非線形干渉を含む回線品質特性を推定する回線品質特性評価システムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様により提供される回線品質特性評価システムは、空間を共用してデジタル信号を無線通信する無線回線と、この無線回線に対して干渉を与える他の無線回線とが混在するエリア内で、エリア内の全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する回線品質推定手段を備えている。
【0010】
これにより、空間を共用して無線通信をする無線回線と干渉を与える他の無線回線が混在するエリア内であっても、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になり、それにより回線品質向上のための対策を立てることが可能になる。
【0011】
本発明の第2の態様によれば、上記第1の態様において、上記他の無線回線の数は複数であり、回線品質推定手段はさらに、エリア内の任意の位置に与干渉複数無線回線が存在する確率に基づいて無線通信回線の回線品質を推定する。
【0012】
これにより、干渉を与える無線回線が複数であっても、エリア内の全ての無線回線により影響を受ける要素に基づいて非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になるので、回線品質の推定を柔軟に行うことができる。また、干渉を与える無線機が移動する場合であっても、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になる。
【0013】
本発明の第3の態様によれば、上記第1又は第2の態様において、回線品質推定手段は、エリア内に、デジタル信号を通信する基地局と移動局とを備え、基地局から移動局への下り移動無線回線では、エリア内に分布した移動局と下り回線の多重伝搬路による移動局受信レベルと、エリア内或いは近傍の無線回線からその移動局が受ける干渉レベルと、エリア内の規定値とに基づいて、移動局の面的な分布に対する複数干渉波による非線形干渉下のエリア範囲の無線回線品質を推定する。
【0014】
これにより、複数の移動局がエリア内で移動しても非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の推定が可能になる。
【0015】
本発明の第4の態様によれば、上記第1又は第2の態様において、回線品質推定手段は、移動局から基地局への上り移動無線回線では、エリア内に分布する複数の移動局からの上り回線の多重伝搬路により基地局が受信する受信レベルと、エリア内或いは近傍の無線回線から基地局が受ける干渉レベルと、エリア内に分布した複数の移動局からの同一システム内干渉量と、面的に分布した複数の移動局数とに基づいて、非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量を推定する。
【0016】
これにより、非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量が推定できるので、回線品質が良好で好適な回線を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面によって詳述する。なお、以下の説明で同一参照符号は同一のものを表している。
実施の形態1
(請求項1に対応)
図1は本発明の第1の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、1は被干渉デジタル無線送信機、2は被干渉デジタル無線送信機のアンテナ、3は被干渉デジタル無線受信機、4は被干渉デジタル無線受信機のアンテナ、5は与干渉デジタル無線送信機、6は与干渉デジタル無線送信機のアンテナ、7は本発明により提供される回線品質推定手段である。
【0018】
図において、実線は希望波のルート、破線は干渉波のルートを示している。図1では図面の簡単化のために与干渉デジタル無線送信機は1個しか示していないが、一般には複数の与干渉デジタル無線送信機が存在する。
【0019】
回線品質推定手段7は、マイクロプロセッサ等の任意の制御装置で実現できる。
【0020】
本実施の形態では、回線品質推定手段7は、空間を共用してデジタル信号を無線通信する無線回線(アンテナ2−アンテナ4間)と、その無線回線に対して干渉を与える他の無線回線(アンテナ6−アンテナ4間)とが混在するエリア内で、そのエリア内の全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する。
【0021】
回線品質特性の一例としては符号誤り率があるが、回線品質特性はこれに限定されず、フレーム誤り率や、ブロック誤り率や、パッケット誤り率等が適用可能である。
【0022】
図2は受信側に周波数が接近した2つの同じレベルの信号を入力した場合おける主信号、3次歪信号、5次歪信号のレベルを説明するグラフである。図2において、接近した周波数f1およびf2の2つの主信号Ptを入力すると、2f2−f1と2f1−f2の周波数でレベルがPIM3の3次歪が発生し、3f2−2f1と3f1−2f2の周波数でレベルがPIM5の5次歪が発生する。
【0023】
図3は受信側における入力レベルと出力レベルの関係からインターセプトポインントを推定するグラフである。図3において、線aは2つの主信号の各々の入力レベルと各々の出力レベルの関係を示し、線bは主信号の入力レベルに対する3次歪IM(相互変調積)の出力レベルの関係を示し、線cは主信号の入力レベルに対する5次歪IM(相互変調積)の出力レベルの関係を示している。2つの主信号のレベルを同時に上げていくと、主信号のレベルPtと3次歪信号のレベルPIM3との差IM3(図3参照)が次第に小さくなる。実際の無線通信システム内での受信側の出力は図に実線で示すように飽和するが、入力レベルに比例して出力レベルが線形で増加していくと仮定すると、3次歪を示す線bと主信号の点線で示す部分とが交差する。この交差点における出力レベルを3次インターセプトポイント出力レベルといい、入力レベルを3次インターセプトポイント入力レベルという。本発明は、与干渉波が複数存在する場合におけるこの3次インターセプト出力レベル又は3次インターセプト入力レベルを回線品質推定手段7により推定し、推定された3次インターセプト出力レベル又は3次インターセプト入力レベルで表される非線形歪と、3次インターセプト入力レベルの減衰量で表された受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側等価熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定するするものである。
【0024】
以下、その推定手法を説明する。
【0025】
図4は被干渉デジタル無線受信機3に入力される入力信号(被変調波信号と干渉波信号)のスペクトラムの一例を示す図である。
(1)入力信号と出力信号スペクトラム
干渉側の移動無線のベースバンドを1波変調信号で表現して、被干渉側の移動無線の搬送波を無変調波とすると、増幅器(被干渉デジタル無線受信機3)への入力信号は式1で表される(以降、1変調波モデル)。
【0026】
【数1】
【0027】
増幅器の入力信号をx(t)で、出力信号をy(t)とすると、非線形特性を冪級数展開式で表示すると以下となる。
【0028】
y(t)=a1x(t)+a2x(t)2−a3x(t)3 +・・ (2)
ここで、a1,a2,a3・・は非線形係数であり、3次歪の係数a3の符号は増幅器の飽和特性から符号をマイナスとしている。式(1)を式(2)に代入すると、出力信号y(t)は、式(3)のようになる。
【0029】
【数2】
【0030】
(1)非線形干渉特性の推定
図4に示す周波数配置でfcn−fD> 3fmnの時には、無変調波(周波数fc1)で表される狭帯域移動無線の非線形干渉特性は、周波数fc1の感度抑圧量と、周波数fc1に纏わり付く移動無線の変調信号の2倍成分(2 fmn)との電力比(C/I3)等で表わされる。
【0031】
非線形干渉による感度抑圧量(η)はdB表示すると、
【0032】
【数3】
【0033】
このように、与干渉側に複数の移動無線機がある場合に、それらのすべてが被干渉側に与える感度抑圧量が推定できる。
【0034】
また、電力比(C/I3)は式3のfD成分と相互変調積によるfD 2倍変調波成分の電力比からC/I3(dB)は、
【0035】
【数4】
【0036】
このように、与干渉側に複数の移動無線機がある場合に、それらのすべてが被干渉側の電力比に与える影響を推定できる。
(2)誤り率特性の推定
ア)遅延検波方式の簡易誤り率特性
【0037】
【数5】
【0038】
ここで、
IiD はIIP3で正規化した希望波信号レベル、
Ii1 はIIP3で正規化した干渉波信号レベル、
である。
信号対雑音電力比をρとすると、
ρ=A2/2/σ2 (7)
σ2:雑音電力と干渉電力の和
周波数fc1の受信電力をC,感度抑圧をη,固定劣化をδとすると、ρは以下の式となる。
【0039】
【数6】
【0040】
ここで、
Pn :被干渉無線通信の受信熱雑音電力
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する漏洩電力の総電力である。
【0041】
【数7】
【0042】
ここで、C/IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0043】
C/I3は式(4)(C/I3)から計算されるfD成分とfcn 成分の変調波成分の2倍変調成分の電力比(真値)である。
【0044】
ηは式(3)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
イ)遅延検波方式の誤り率特性
【0045】
【数8】
【0046】
ここで
Q:Marcum Q−function
I0:第1種0次変形ベッスル関数
【0047】
【数9】
【0048】
ここで、
Eb:1ビット当たりのエネルギ
N0:雑音電力密度
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する漏洩電力である。
【0049】
【数10】
【0050】
ここで、C/ IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0051】
【数11】
【0052】
C/I3は式(5)(C/I3)或いは式(11)(C/I3)から計算されるfc1成分とfc1 に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
ここで、
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
η:式(3)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
ウ)QPSK絶対同期検波の誤り率特性
【0053】
【数12】
【0054】
ここで、
Eb:1ビット当たりのエネルギ
N0:雑音電力密度 (15)
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響
する漏洩電力である。
【0055】
【数13】
【0056】
C/I3は式5(C/I3)或いは式(11)(C/I3)から計算されるfc1成分とfc1 に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
ここで、
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
η:式(3)(η)或いは式(9)(η)から計算される感度抑圧量(真値)である。
【0057】
周波数fc1の受信電力をC,感度抑圧をηとすると、ρは以下の式となる。
【0058】
【数14】
【0059】
ここで、
Pn :被干渉無線通信の受信熱雑音電力
IACP:干渉波電力と軽減係数(IRF)から計算される、被干渉無線通信に影
響する漏洩電力の総電力である。
【0060】
【数15】
【0061】
ここで、C/IACPnはn番目の干渉波電力とn番目の軽減係数(IRFn)から計算される、被干渉無線通信に影響する各々の漏洩電力である。
【0062】
C/I3は式4(C/I3)から計算されるfD成分とfcn 2倍変調波成分の電力比(真値)である。
【0063】
ηは式3(η)から計算される感度抑圧(真値)である。
【0064】
【数16】
【0065】
C/I3は式(5)の(C/I3)或いは式(11)の(C/I3)から計算されるfD成分とfD に纏わりつく相互変調波成分の電力比(真値)である。
【0066】
Bn:被干渉無線通信の受信等価雑音帯域幅
T:シンボル周期に対する時間長
k:シンボル当たりの情報量(ビット)
ηは式3(η)或いは式9(η)から計算される感度抑圧(真値)である。
エ)QPSK差動同期検波の誤り率特性
QPSK絶対同期検波の誤り率特性の約2倍で求められる。
【0067】
【数17】
【0068】
次に干渉波と被干渉波の周波数間隔が相対的に狭い時の干渉波相互変調積による隣接漏洩電力の増加について説明する。
【0069】
図5の(A)は被干渉デジタル無線受信機3の入力信号スペクトラムの一例を示す図で、図5の(B)はこれに応じて受信機3から出力される出力信号スペクトラムを示す図である。図5の(B)に点線で示すように、被干渉波に接近した近傍干渉側の被変調波の変調周波数の3倍が干渉波と被干渉波の周波数間隔程度かより広いときには、干渉波成分が被干渉側の無線受信機の3次歪により隣接漏洩電力が増加する。
【0070】
この相互変調積で増加する隣接漏洩電力を近傍干渉波の無線帯での電力との比をIRF3とすると以下で表される。
【0071】
【数18】
【0072】
ここで、Bは周波数fc2の周波数スペクトラム分布と最大変調周波数と周波数fc1の等価受信帯域幅(BW)と、周波数fc1と周波数fc2の周波数間隔で決まる定数である。
【0073】
周波数fc2成分の3次歪による成分(yfc2)は、
【0074】
【数19】
【0075】
【数20】
【0076】
で表される。式(22)を展開して周波数fc2成分は以下で表される。
【0077】
【数21】
【0078】
式(18)を変調周波数の組み合わせで、A+B+C型、A+B−C型、A−B+C型、A−B−C型で表し、k,l,m成分の3変調波の合成周波数をLで、l,m成分の2変調波の合成周波数をSで表し、式(23)を変調周波数をL,S,mに変換して、fL= L・Δfmに対する電力は以下で表される。
【0079】
【数22】
【0080】
ここで“|”は左側の条件式と右側の条件式の「or」を表わす。
【0081】
a3/a1=1/(3/2・IIP3・R)を適用して、周波数fc1 の受信通過帯域をBW<<Fmとすると,電力pfc2(fL)からfC1−BW/2≦fm≦fC1+BW/2 の範囲にある電力(PBW)は式(24)を積分して、周波数fc2成分の無線帯の総電力で割り、IRF3を求めると以下となる。
【0082】
【数23】
【0083】
ただし、
周波数fc1とfc2の各電力を入力3次インターセプトポイントIIP3で正規化し、
【0084】
【数24】
【0085】
と置いている。
で表され、式(25)−1〜18の和のdB値が式(16)のBである。
(2)誤り率特性
式(25)によって表されたIRF3 (dB値)を真値に変換したIRF3を式(9)、或いは式(12)、或いは式(18)のn番目の干渉電力と干渉軽減係数を用いて誤り率特性が求められる。
【0086】
以上に概略説明した本発明による回線品質特性評価システムにより、以下の作用が得られる。
【0087】
被干渉受信系の非線形特性としてインターセプトポイント入力レベル(IIP)と受信系熱雑音と隣接チャネルからの複数干渉漏洩電力からBER特性との関係付けを、被変調波受信に入力される希望波の信号と複数の干渉波の信号を離散的なスペクトラムで表現した時の式(4)〜(5)を用いて、QPSK遅延検波方式の簡易誤り率特性を表す式(6)〜(9)、あるいはQPSK遅延検波方式の誤り率特性式を表す(10)〜(13)、或いはQPSK絶対同期検波の誤り率特性を表す式(14)〜(19)、或いはQPSK差動同期検波の誤り率特性を表す式(20)等を用いて表現を出来ることが明らかになり、受信総合のIIP3特性、受信系熱雑音と隣接チャネルからの複数の干渉漏洩電力からの非線形干渉下での回線品質をより精度良く且つ柔軟に提供することができる。
【0088】
再び図1に戻り、希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4の後のIIP3で正規化した受信信号レベルをIiD、与干渉デジタル無線送信機5から被干渉デジタル無線受信機3のアンテナ4に受信された受信信号のレベルをIIP3で正規化した受信信号レベルをIi1として、各々のレベルの発生確率をP(IiD),P(Ii1)とする。
【0089】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0090】
【数25】
【0091】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
実施の形態2
(請求項1に対応)
図6は本発明の第2の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。図1との相違点は、本実施の形態においては、与干渉デジタル無線送信機が複数個(図示例では送信機5及び送信機8の2個)同時に存在することである。9は送信機8のアンテナである。
【0092】
希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ後のIIP3で正規化した受信信号レベルをIiD、与干渉デジタル無線送信機5及び7から被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4に受信された受信信号のレベルをIIP3で正規化した受信信号レベルをIi1 、Ii2として、各々のレベルの発生確率をP(IiD),P(Ii1),P(Ii2)とする。
【0093】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0094】
【数26】
【0095】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は第1の実施の形態と同様に、式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0096】
また、回線品質特性としては第1の実施の形態と同様に、符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
実施の形態3
(請求項2に対応)
図7は本発明の第3の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。図6との相違点は、本実施の形態においては、与干渉デジタル無線送信機5及び8がサービスエリア10内で移動することである。この場合は、与干渉デジタル無線送信機5及び8がサービスエリア内の(x,y)座標で表わされる場所に存在する確率に基づいて回線品質を推定する。
【0097】
説明を簡単にするために、与干渉デジタル無線送信機5のみがサービスエリア10内に存在し、サービスエリア10内を移動するとする。希望波の被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4の後の受信レベルをIIP3で正規化したレベルをIiDとし、レベルIiDの発生確率をP(IiD)とし,、干渉波の被干渉デジタル無線受信側がサービスエリア内の(x,y)座標に存在する確率をP(x,y)とし、与干渉デジタル無線送信機5から被干渉デジタル無線受信機3側のアンテナ4に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1とする。
【0098】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0099】
【数27】
【0100】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0101】
また、回線品質特性としては符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能であることは上記各実施の形態と同様である。
【0102】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回る(x,y)座標、
【0103】
【数28】
【0104】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る位置に無線回線が存在する確率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
【0105】
サービスエリア10内に複数の与干渉デジタル無線送信機が移動する場合は、上記式(28)、(29)に第2の実施の形態における式(27)を適用すればよい。
実施の形態4
(請求項3に対応)
図8は本発明の第4の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、81は被干渉デジタル無線基地局(送信側)、82は被干渉デジタル無線基地局(送信側)81のアンテナ、83は被干渉デジタル無線移動局(受信側)、84は被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ、85は与干渉デジタル無線基地局(送信側)、86は与干渉デジタル無線基地局(送信側)85のアンテナ、87はデジタル無線基地局(送信側)81のサービスエリア、88はデジタル無線基地局(送信側)85のサービスエリア、89は回線品質推定手段である。
【0106】
ここで、実線は希望波ルート、破線は干渉波のルートを各々示している。
【0107】
本実施の形態では、空間を共用して無線通信する複数の無線回線が混在するエリア内で、デジタル信号を通信する基地局と移動局とを備え、基地局から移動局への下り移動無線回線では、エリア内に一様に分布した移動局と下り回線の多重伝搬路による移動局受信レベルと、同じサービスエリア内或いは近傍の無線回線から当該移動局が受ける干渉レベルと、上記各実施の形態における無線通信回線の回線品質特性推定手段を用いてエリア内の規定値とに基づいて、移動局の面的な分布に対する複数干渉波による非線形干渉下のエリア範囲の無線回線品質を推定する。
【0108】
希望波の被干渉デジタル無線基地局81のサービスエリア87内で移動局83が(x,y)座標に存在する確率をP(x,y)とし、その場所での被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ84に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化した平均的レベルをIiDとし、与干渉デジタル無線基地局85からサービスエリア87内の(x,y)座標に存在する被干渉デジタル無線移動局(受信側)83のアンテナ84に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1とし、そのレベルの発生確率をP(Iii)とする。
【0109】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0110】
【数29】
【0111】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0112】
また、上記各実施の形態と同様に回線品質特性としては符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
【0113】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回るx,y座標、
【0114】
【数30】
【0115】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る場所率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
実施の形態5
(請求項4に対応)
図9は本発明の第5の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。同図において、91は被干渉デジタル無線基地局(受信側)、92は被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ、93は被干渉デジタル無線移動局(送信側)、94は被干渉デジタル無線移動局(送信側)93のアンテナ、95は与干渉デジタル無線移動局(送信側)、96は与干渉デジタル無線移動局(送信側)95のアンテナ、97はデジタル無線基地局(受信側)91のサービスエリア、98はデジタル無線移動局(送信側)95のサービスエリアである。図においては、エリア97内にある与干渉デジタル無線移動局(送信側)は一個であるが、複数個の与干渉デジタル無線移動局(送信側)が存在してもよい。
【0116】
ここで、実線は希望波ルート、破線は干渉波のルートを各々示している。
【0117】
本実施の形態では、空間を共用して無線通信する複数の無線回線が混在するエリア内で、デジタル信号を通信する基地局と移動局からなる移動無線通信において、移動局から基地局への上り移動無線回線では、エリア内に分布する移動局からの上り回線の多重伝搬路による基地局受信レベルと、同じエリア内或いは近傍の無線回線から当該基地局が受ける干渉レベルと、エリア内に一様に分布した複数移動局からの同一システム内干渉量と、上記実施の形態1〜3による無線通信回線の回線品質特性推定手段から得られるエリア内の規定値と、面的に一様分布した複数の移動局数から非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量を推定する。
【0118】
希望波の被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のサービスエリア97内で移動局93が送信した被変調搬送波が、被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ92に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIiDとし、そのレベルの発生確率をP(IiD)とし、サービスエリア97内の(x,y)座標に存在する与干渉デジタル無線移動局(送信側)95の各々から送信され、被干渉デジタル無線基地局(受信側)91のアンテナ92に受信された受信信号レベルをIIP3で正規化したレベルをIi1、・・・、Iinとし、そのレベルの発生確率をP(Iin)とする。
【0119】
ここで、非線形干渉下の被干渉デジタル無線の平均的な符号誤り率特性は以下となる。
【0120】
【数31】
【0121】
ここで、{ber(IiD,Ii1,)は式(6)〜(8)、あるいは式(10)〜(13)、或いは式(14)〜(16)、或いは式(17)で計算される符号誤り率である。
【0122】
また、回線品質特性としては、上記各実施の形態と同様に、符号誤り率特性、パッケト誤り率特性等が適用可能である。
【0123】
ここで、サービスエリアの面積をSとし、BERが規定値Qを上回るx,y座標、
【0124】
【数32】
【0125】
から計算される面積をsとすると、BERが規定値Qを上回る場所率(V)は、
V=s/S×100%
となる。
【0126】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、非線形干渉下の受信特性を受信熱雑音特性、非線形干渉による3次相互変調と、線形干渉である漏洩電力から受信回線品質特性を関係付ける非線形干渉下での理論式および理論曲線の推定手段と、この理論式および理論曲線から空間を共用して無線通信する無線回線と干渉を与える他無線回線が混在するサービス内で、非線形干渉下にある無線通信システムの回線品質の評価が可能になる。
【0127】
このため、主として移動無線通信方式間或いは移動無線通信方式、地上系固定無線通信システム、移動衛星通信システム等の無線方式が混在するエリアに、新しく無線回線を計画する段階で、非線形干渉により回線品質を劣化させるケースを非線形干渉の発生を数量化することにより予め的確に評価し、被干渉無線通信の回線品質が良好で且つ効率的な無線通信回線を提供可能となる。
【0128】
この評価手段は受信系の非線形干渉に関する性能および被干渉無線システムの装置内部の諸元が不明な状態で在っても受信総合性能として、発明された非線形干渉理論或いは理論曲線から的確に推定出来る手法であり、実環境を想定した非線形干渉下に対して柔軟に予め評価して、効率的な対策と非線形干渉による品質劣化を防ぐ手段の提供を可能とする。
【0129】
また、回線を開通後に発生する無線通信回線の増大により発生する非線形干渉の発生を予め回線品質を評価でき、その評価に基づいて非線形干渉による回線品質の劣化に対する対策を施すことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図2】受信側に周波数が接近した2つの同じレベルの信号を入力した場合おける主信号、3次歪信号、5次歪信号のレベルを説明するグラフである。
【図3】受信側における入力レベルと出力レベルの関係からインターセプトポインントを推定するグラフである。
【図4】被干渉デジタル無線受信機3に入力される入力信号(被変調波信号)のスペクトラムの一例を示す図である。
【図5】(A)は受信機に入力される入力信号(被変調波信号)のスペクトラムの一例を示し、(B)は(A)に示した入力信号に応答して受信機から出力される干渉波相互変調積による隣接漏洩電力の増加を説明する出力信号のスペクトラムを示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態による干渉測定評価システムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第4の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【図9】本発明の第5の実施の形態による回線品質特性評価システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…被干渉デジタル無線送信機
2…被干渉デジタル無線送信機のアンテナ
3…被干渉デジタル無線受信機
4…被干渉デジタル無線受信機のアンテナ
5…与干渉デジタル無線送信機
6…与干渉デジタル無線送信機のアンテナ
7…回線品質推定手段
8…与干渉デジタル無線送信機
9…与干渉デジタル無線送信機8のアンテナ
10…与干渉デジタル無線送信機5及び9の移動サービスエリア
87…基地局81のサービスエリア
88…基地局85のサービスエリア
97…基地局91のサービスエリア
98…移動局95のサービスエリア
Claims (4)
- 空間を共用してデジタル信号を無線通信する無線回線と、該無線回線に対して干渉を与える他の無線回線とが混在するエリア内で、前記エリア内の全ての無線回線により影響を受ける、インターセプトポイント入力レベル(IIP)で表わされた非線形歪と、インターセプトポイント入力レベル(IIP)の減衰量で表される受信等価帯域制限と、無線通信回線の受信側熱雑音と、干渉を与える他無線回線からの受信等価帯域幅内に漏れ込む漏洩電力とに基づいて、非線形干渉無線回線下での無線通信回線の回線品質を推定する回線品質推定手段を備えることを特徴とする、無線通信回線の回線品質特性評価システム。
- 前記他の無線回線の数は複数であり、前記回線品質推定手段はさらに、前記エリア内の任意の位置に与干渉複数無線回線が存在する確率に基づいて無線通信回線の回線品質を推定する、請求項1記載の回線品質特性評価システム。
- 前記回線品質推定手段は、前記エリア内に、デジタル信号を通信する基地局と移動局とを備え、該基地局から該移動局への下り移動無線回線では、前記エリア内に分布した移動局と下り回線の多重伝搬路による移動局受信レベルと、前記エリア内或いは近傍の無線回線から当該移動局が受ける干渉レベルと、前記エリア内の規定値とに基づいて、前記移動局の面的な分布に対する複数干渉波による非線形干渉下のエリア範囲の無線回線品質を推定することを特徴とする、請求項1又は2記載の回線品質特性評価システム。
- 前記回線品質推定手段は、前記移動局から前記基地局への上り移動無線回線では、前記エリア内に分布する複数の移動局からの上り回線の多重伝搬路により前記基地局が受信する受信レベルと、前記エリア内或いは近傍の無線回線から前記基地局が受ける干渉レベルと、前記エリア内に分布した複数の移動局からの同一システム内干渉量と、面的に分布した複数の移動局数とに基づいて、非線形干渉下のエリア範囲内のチャネル容量を推定することを特徴とする請求項1又は2記載の回線品質特性評価システム。
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