JP2004253660A - パターン露光方法および露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホログラフィを利用した縮小投影露光方法において、比較的大きなパターンが形成されたマスク原盤を用いて微細パターンを露光することのできるパターン露光方法および露光装置を提供する。
【解決手段】所定のパターン5が形成されたマスク原盤6からホログラム記録媒体1にパターン5のホログラムを記録するホログラム記録工程と、ホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有する。ホログラム記録工程において、マスク原盤6およびホログラム記録媒体1を照明する第1の光10の波長を、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する光の波長よりも長くする。
【選択図】 図1
【解決手段】所定のパターン5が形成されたマスク原盤6からホログラム記録媒体1にパターン5のホログラムを記録するホログラム記録工程と、ホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有する。ホログラム記録工程において、マスク原盤6およびホログラム記録媒体1を照明する第1の光10の波長を、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する光の波長よりも長くする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はパターン露光方法および露光装置に関し、より詳しくは、ホログラフィを利用したパターン露光方法および露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程などにおける微細パターン形成方法の1つとして、ホログラフィを利用したパターン転写技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、投影レンズを用いて微細パターンを感光性組成物であるレジストに転写する技術が記載されている。
【0004】
また、非特許文献1には、全反射方式のホログラフィ露光技術が記載されている。この方法では、図7に示すように、プリズム201上にホログラム記録媒体202を置き、また、ホログラム記録媒体202から所定の間隔をおいてマスク原盤203を置く。ここで、マスク原盤203には、所定のパターン204が形成されている。プリズム201を通ってホログラム記録媒体202に入射した記録参照光205は、ホログラム記録媒体202内で全反射される。一方、マスク原盤203に形成されたパターン204によって回折された物体光206もホログラム記録媒体202に入射する。そして、記録参照光205と物体光206とがホログラム記録媒体202中で干渉し、形成された干渉縞がパターン204のホログラムとしてホログラム記録媒体202に記録される。
【0005】
次に、図8に示すように、マスク原盤203のあった位置に、レジスト207を塗布したウェハ208を、レジスト側をホログラム記録媒体202に向けて置く。記録参照光205と反対方向から再生参照光209をホログラム記録媒体202に照射することによって、レジスト207にホログラムの再生像を形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2922958号公報
【非特許文献1】
ビー・エイ・オマール(B.A.Omar),「固体技術(Solid State Technology)」,1991年9月,第34巻,p.89
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のホログラフィ技術では、ホログラム記録媒体上にホログラムを記録する記録光(記録参照光および物体光)の波長と、レジストにホログラムを再生する再生参照光の波長とは同一であった。したがって、マスク原盤に形成されたパターンの大きさと、レジストに再生されるパターンの大きさとは1対1の等倍の関係にあった。
【0008】
一方、近年の半導体装置における集積度の増加に伴い、個々の素子の寸法は微小化が進み、各素子を構成する配線やゲートなどの幅も微細化されている。こうした微細なデザイン・ルールを有する半導体装置を製造するに際しては、微細なレジストパターンを形成することが必要となる。
【0009】
しかしながら、従来のホログラフィを利用したパターン転写技術によれば、レジストに微細なパターンを形成する場合には、これに対応する微細パターンが形成されたマスク原盤が必要となるために費用がかかるという問題があった。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、ホログラフィを利用した縮小投影露光方法において、比較的大きなパターンが形成されたマスク原盤を用いて微細パターンを露光することのできるパターン露光方法および露光装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、マスク原盤を用いずに微細パターンを露光することのできるパターン露光方法および露光装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクからホログラム記録媒体にこのパターンのホログラムを記録するホログラム記録工程と、ホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有し、ホログラム記録工程においてマスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長が、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する第2の光の波長と異なることを特徴とする。
【0014】
第1の光の波長は、第2の光の波長よりも長くすることができる。
【0015】
また、本発明のパターン露光方法は、第1の光の波長と第2の光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う工程をさらに有することができる。
【0016】
本発明のパターン露光方法において、ホログラムは、計算によって作成された計算機ホログラムとすることができる。さらに、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムとすることができる。また、ホログラムは、透過型ホログラムであってもよいし、反射型ホログラムであってもよい。
【0017】
第2の光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光とすることができる。また、ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなるものとすることができる。
【0018】
本発明の露光装置は、第1の光源からの光の干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることにより得られたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラムに照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0020】
第1の光源からの光の波長は、第2の光源からの光の波長よりも長くすることができる。
【0021】
また、本発明の露光装置は、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う手段をさらに有することができる。
【0022】
本発明の露光装置において、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムとすることができる。また、ホログラムは、透過型ホログラムであってもよいし、反射型ホログラムであってもよい。
【0023】
第2の光源からの光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光とすることができる。また、ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなるものとすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、ホログラムを利用した縮小投影露光方法を利用して、レジストに微細パターンを露光するものである。そして、本発明におけるパターン露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクからホログラム記録媒体にこのパターンのホログラムを記録するホログラム記録工程と、このホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有し、ホログラム記録工程においてマスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長が、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する第2の光の波長と異なることを特徴とする。
【0025】
本発明において使用される光源は、コヒーレンシーが高く、明るい光源であることが好ましい。ここで、光源とは、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源およびホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための再生参照光を発生する第2の光源をいう。具体的には、レーザ光または水銀灯などの線スペクトルを光源として用いることができるが、波長幅が狭いという点でレーザ光を用いることが好ましい。
【0026】
また、記録光(記録参照光および物体光)の波長は、ホログラム記録材料にホログラムを記録可能な波長域にあればよい。長波長の方が好ましいが、ホログラムの解像性が光学系の回折条件で制限されるので、所望のパターン・サイズと同程度の波長を用いることが望ましい。尚、光に限らず、電子線またはイオン線などを用いてホログラムを形成してもよい。この場合、費用は高くなるが、高精細なホログラムを作製することが可能となる。
【0027】
本発明においては、記録光よりも波長の短い光を再生参照光として用いることができる。再生参照光の波長が短いほど、ホログラム再生像の解像度は高くなる。したがって、波長248nmのフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザ、波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザまたは波長157nmのフッ素(F2)レーザなどが、再生参照光の光源として好ましく用いられる。尚、必要に応じて、ピンホールなどでモード選択したり、ビーム・エキスパンダによって光束を拡幅したりしてもよい。
【0028】
ホログラムが記録されるホログラム記録媒体は、例えば、ホログラム用記録材料からなる記録層が基板上に形成された構造を有する。
【0029】
ホログラム用記録材料としては、一般に記録材料として用いられる感光剤を使用することができるが、干渉縞の屈折率変化が露光量の増加とともに一次関数的に変化するような感光剤、すなわちダイナミック・レンジの広い感光剤であることが好ましい。
【0030】
具体的には、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト、サーモプラスチックまたはフォトリフラクティブ結晶などを挙げることができる。特に、銀塩乳剤およびフォトレジストは解像度が高いことから、微細パターンの形成に好ましく用いることができる。また、フォトレジストの内で特に化学増幅型のレジストは高感度であることから、ホログラム記録のための露光時間が短くて済むという利点を有する。さらに、サーモプラスチックおよびフォトリフラクティブ結晶は記録および消去が可能であることから、容易にホログラムを修正することができるという利点を有する。
【0031】
また、本実施の形態において適用されるホログラムは、振幅型ホログラムおよび位相型ホログラムのいずれであってもよいが、回折効率が高いという点から位相型ホログラムが好ましい。同様に、回折効率が高いという点から、ホログラムは厚い方が好ましい。但し、薄いホログラムであっても、エンボス法などによって回折効率を高めて使用することが可能である。
【0032】
厚膜ホログラムを作製できるという点から、ホログラム用記録材料は、記録光に対して高い透明性を有するものであることが好ましい。フッ素樹脂は短波長において高い透過率を有するので、本発明におけるホログラム用記録材料として特に好ましく用いることができる。
【0033】
表面にアルミニウム(Al)または金(Au)などを蒸着することによって、反射型エンボスホログラムとしてもよい。この場合には、ホログラム用記録材料が露光波長に吸収を持つ場合であっても使用できるという利点を有する。特に、露光波長が真空紫外域にある場合に有効である。
【0034】
さらに、本実施の形態において使用されるホログラムは、フレネルホログラムおよびフーリエ変換型ホログラムのいずれであってもよいが、再生像の分解能が高いという点からフーリエ変換型ホログラムが好ましい。
【0035】
本実施の形態は、マスク原盤がない場合にも適用可能である。その場合、例えば、計算機ホログラムを用いることができる。計算機ホログラムは、例えば、所望のパターンからの物体光および記録参照光から、干渉縞パターンを光学計算することによって作製したものである。具体的には、物体からホログラム面に伝播する光の場を回折理論などにより計算する。この際、高速フーリエ変換を用いることによって、計算時間を大幅に短縮してホログラム面上での光の振幅と位相を求めることができる。そして、得られた計算結果を基に、電子線描画装置などを用いて、レジストにホログラムを直接描画することができる。
【0036】
計算機ホログラムを用いれば、マスク原盤を作製する必要がなくなるので、コストダウンを図ることができる。また、ホログラム記録時のスペックルノイズによる精度低下などの問題も解消する。尚、この場合、使用可能なホログラム記録用材料には、上記の例に加えて電子線用レジストも挙げることができる。
【0037】
本発明においては、液晶を用いた空間変調器または音響光学素子などを利用したホログラムを使用することもできる。これらのホログラムを用いた場合には、実時間でホログラムを修正することができるので、ホログラムの修正が容易となるという利点がある。
【0038】
ホログラムを再生すると虚像以外に実像ができる場合があるが、実際に再生参照光が像を結んでいればレジストのパターン露光に利用可能である。また、共役像を用いる場合には、前後左右が逆に露光できるという利点がある。
【0039】
実施の形態1.
図1および図2を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0040】
また、本発明の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0041】
尚、本明細書において、記録用光源とは第1の光源をいい、再生用光源とは第2の光源をいう。また、マスク原盤とはマスクをいう。(以下、同じ。)
【0042】
図1は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0043】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体1はプリズム2上に設置されて、プリズム・ホルダ駆動手段3に接続されたプリズム・ホルダ4によって所定の位置に固定される。
【0044】
1つの例では、アクリル樹脂100重量部にイソシアネートアクリレート化合物を20重量部加え、さらに波長488nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えることによってホログラム用記録材料を調整し、これをガラス基板上に1μmの膜厚で形成してホログラム記録媒体とすることができる。
【0045】
所定のパターン5が形成されたマスク原盤6は、ホログラム記録媒体1から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段7に接続されたマスク・ホルダ8によって保持されている。例えば、ホログラム記録媒体から50μm程度の間隔をおいてマスク原盤6を配置することができる。
【0046】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0047】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0048】
図1に示すように、記録用光源9から放射された波長λ1(第1の光。以下、同じ。)の光10は、光学系11によって成形された後、ビーム・スプリッタ12によって適当な強度比の2つの光13,14に分割される。この内の光13は、まず、全反射ミラー15によって進行方向を変えられる。次に、ビーム・エキスパンダ16によってビーム径が広げられて平行光17となりマスク原盤6を照射する。そして、パターン5によって回折されて物体光21となり、ホログラム記録媒体1に入射する。一方、光14は、全反射ミラー18によって進行方向を変えられ、ビーム・エキスパンダ19によってビーム径が広げられて記録参照光20となる。記録参照光20は、プリズム2に入射した後、ホログラム記録媒体1中で全反射する。
【0049】
ホログラム記録媒体1に入射した物体光21と記録参照光20は、ホログラム記録媒体1中で干渉して干渉縞を形成する。このようにして、ホログラム記録媒体1にマスク原盤6のパターン5のホログラムが記録される。
【0050】
また、図1の例では、マスク・ホルダ駆動手段7、プリズム・ホルダ駆動手段3およびレーザ・シャッタ22は、計算機23によって制御される。
【0051】
次に、図2を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図2において、図1と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0052】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、再生光源としてNd:YAGレーザの第5高調波(波長266nm)を用いることができる。
【0053】
再生用光源24から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)25は、ビーム・エキスパンダ26によってビーム径が広げられて平行な再生参照光27となる。再生参照光27は、図1に示す記録参照光20の光路と反対方向から、プリズム2上のホログラム記録媒体1に記録されたホログラムを照射する。
【0054】
再生用光源24、ビーム・エキスパンダ26および再生光源用シャッタ28は、再生光源ステージ29の上に設置されている。そして、これらは、所定の条件でホログラムを再生照明できるように、再生光源ステージ駆動手段30を介して計算機23によって制御される。
【0055】
ホログラム記録媒体1に記録されたホログラムを照射した再生参照光27の一部は、ホログラムによって回折して再生光31となる。
【0056】
一方、マスク原盤6のあった位置には、感光性材料としてのレジスト32を塗布した(基板としての)ウェハ33が、レジスト側をホログラム記録媒体1に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0057】
再生光31によりホログラムがレジスト32上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト32上に形成される。したがって、レジスト32を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0058】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0059】
例えば、図2に示す再生光源ステージ駆動手段30を用い、以下のようにして行うことができる。
【0060】
ホログラム記録時の記録参照光20の波数ベクトルと物体光21の波数ベクトルの作る角度をθとする。また、ホログラム再生時の再生参照光27の波数ベクトルと再生光31の波数ベクトルの作る角度をθ′とする。このとき、θおよびθ′の間には式(1)の関係が成立する。
【0061】
【数1】
【0062】
また、記録用光源9、マスク原盤6、再生用光源24および再生像までの距離をそれぞれRr、Ro、RcおよびRiとする。このとき、これらの間には式(2)の関係が成立する。
【0063】
【数2】
【0064】
したがって、式(1)および式(2)を満たす角度θ′で再生参照光27をホログラム記録媒体1に入射させることにより、再生像が位置Riに再生される。
【0065】
以上のようにして、ホログラム再生条件の補正を行うことができる。尚、併せて、ウェハ33の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体1に記録されたホログラムの再生像がウェハ33上のレジスト32に結像するように、ウェハステージ駆動手段34を用いてウェハステージ35の位置を調整する。
【0066】
本実施の形態によれば、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0067】
例えば、記録用光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、再生用光源としてNd:YAGレーザの第5高調波(波長266nm)を用いる。線幅400nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅218nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0068】
比較のために、ホログラム記録工程で用いる光の波長と、ホログラム再生工程で用いる光の波長とが同じである場合のパターン露光について述べる。例えば、記録用光源および再生光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、線幅が400nm程度であるライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて同様の工程を行う。この場合、レジストに転写されるパターンの線幅は、マスク原盤に形成されたパターンの線幅と同じ400nm程度となり、縮小されたパターンは得られない。
【0069】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0070】
また、本実施の形態のホログラフィック露光技術によれば、レンズ光学系を利用した露光技術と異なり無収差の像を作ることができる。したがって、良好なパターン転写をすることができる。
【0071】
また、本実施の形態のホログラフィック露光技術によれば、ホログラムの全面でなく一部のみを用いることによっても再生が可能である。したがって、例えば、ホログラムに傷やゴミなどがあった場合であっても、再生像に影響を与えることなく欠陥のない良好なパターンを得ることができる。
【0072】
さらに、本実施の形態のホログラフィック縮小投影露光法によれば、高価な縮小光学系は不要である。尚、本実施の形態によるパターン露光方法と縮小光学系を利用した露光方法とを組み合わせてもよい。この場合、より微細なパターンを形成することが可能となる。
【0073】
実施の形態2.
本実施の形態は、透過型ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0074】
本実施の形態の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。さらに、ホログラムは透過型ホログラムであることを特徴とする。
【0075】
図3および図4を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0076】
図3は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0077】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体41はホログラム・ホルダ42上に設置されて、ホログラム・ホルダ駆動手段43によって所定の位置に固定される。
【0078】
1つの例では、エトキシエチルオキシ含有フッ素樹脂100重量部に、波長355nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えてホログラム記録用材料とし、これをガラス基板上に500nmの膜厚で形成して、ホログラム記録媒体とすることができる。
【0079】
所定のパターン44が形成されたマスク原盤45は、ホログラム記録媒体41から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段46に接続されたマスク・ホルダ47によって保持されている。
【0080】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0081】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0082】
図3に示すように、記録用光源48から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)49は、光学系50によって成形された後、ビーム・スプリッタ51によって適当な強度比の2つの光52,53に分割される。この内の光52は、まず、全反射ミラー54によって進行方向を変えられる。次に、ビーム・エキスパンダ55によってビーム径が広げられて平行光56となりマスク原盤45を照射する。そして、パターン44によって回折されて物体光61となり、ホログラム記録媒体41に入射する。一方、光53は、全反射ミラー57,58によって進行方向を変えられ、ビーム・エキスパンダ59によってビーム径が広げられて記録参照光60となって、ホログラム記録媒体41を照射する。
【0083】
ホログラム記録媒体41に入射した物体光61と記録参照光60は、ホログラム記録媒体41中で干渉して干渉縞を形成する。このようにして、ホログラム記録媒体41にマスク原盤45のパターン44のホログラムが記録される。
【0084】
また、図3の例では、マスク・ホルダ駆動手段46、ホログラム・ホルダ駆動手段43およびレーザ・シャッタ62は、計算機63によって制御される。
【0085】
次に、図4を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図4において、図3と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0086】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源としてNd:YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0087】
再生用光源64から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)77は、全反射ミラー65によって進行方向を変えらた後、ビーム・エキスパンダ66によってビーム径が広げられて平行な再生参照光67となる。再生参照光67は、図3に示す記録参照光60の光路と反対方向から、ホログラム記録媒体41に記録されたホログラムを照射する。
【0088】
再生用光源64、全反射ミラー65、ビーム・エキスパンダ66および再生用光源用シャッタ68は、再生光源ステージ69の上に設置されている。そして、これらは、所定の条件でホログラムパターンを再生照明できるように、再生光源ステージ駆動手段70を介して計算機71によって制御される。
【0089】
ホログラム記録媒体41に形成されたホログラムパターンを照射した再生参照光67の一部は、ホログラムによって回折して再生光72となる。
【0090】
一方、フォトマスク原盤45のあった位置には、感光性材料としてのレジスト73を塗布した(基板としての)ウェハ74がレジスト側をホログラム記録媒体41に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0091】
再生光72によりホログラムがレジスト73上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト73上に形成される。したがって、レジスト73を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0092】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0093】
例えば、図4に示す再生光源ステージ駆動手段70を用い、実施の形態1と同様にして行うことができる。
【0094】
また、ウェハ74の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体41に形成されたホログラムの再生像がウェハ74上のレジスト73に結像するように、ウェハステージ駆動手段75を用いてウェハステージ76の位置を調整する。
【0095】
本実施の形態によれば、透過型ホログラムを用い、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0096】
例えば、記録用光源としてNd:YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅200nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅88nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0097】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0098】
具体的には、再生参照光が透過可能な材料を選択して、ホログラム記録媒体を形成することが必要である。上述したエトキシエチルオキシ含有フッ素樹脂にオニウム塩を加えたフォトレジストであればF2レーザ光を透過させることができるので、所望のパターンを転写することができる。例えば、線幅200nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて本実施の形態による露光を行った場合、線幅80nm程度のパターンを得ることができた。
【0099】
比較のために、g線用フォトレジストを用いてホログラム記録媒体を形成した例について述べる。この場合、図3に示す装置によって得られたホログラムパターンを用い、図4に示す装置で再生化を行っても、レジストにパターンを形成することはできない。g線用フォトレジストは、F2レーザの発振波長である波長157nmに大きな吸収を有する。したがって、再生照明光は、g線用フォトレジストを透過することができない。すなわち、レジストに再生光を結像することができないので、パターンを形成することができない。
【0100】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0101】
実施の形態3.
本実施の形態は、フーリエ変換型ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0102】
本実施の形態の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。さらに、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムであることを特徴とする。
【0103】
図5および図6を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0104】
図5は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0105】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体81はホログラム・ホルダ82上に設置されて、ホログラム・ホルダ駆動手段83によって所定の位置に固定される。
【0106】
1つの例では、酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂100重量部にグリシジル化合物化合物を20重量部加え、さらに波長308nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えることによってホログラム用記録材料を調整し、これをガラス基板上に500nmの膜厚で形成してホログラム記録媒体とすることができる。
【0107】
所定のパターン84が形成されたマスク原盤85は、ホログラム記録媒体81から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段86に接続されたマスク・ホルダ87によって保持されている。
【0108】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0109】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0110】
図5に示すように、記録用光源88から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)89は、ピンホール90により点光源に成形された後、その一部がレンズ91によって全反射ミラー92上に集光される。集光された光は、記録参照光93となってホログラム記録媒体81を照明する。一方、ピンホール90を透過した他の光は、マスク原盤85に形成されたパターン84を直接照明する。そして、パターン84によって回折されて物体光94となってホログラム記録媒体81に入射する。
【0111】
ホログラム記録媒体81に入射した記録参照光93と物体光94がホログラム記録媒体81中で干渉することにより干渉縞を形成する。このようにして、マスク原盤85のパターン84のホログラムがホログラム記録媒体81に記録される。
【0112】
また、図5の例では、マスク・ホルダ駆動手段86、ホログラム・ホルダ駆動手段83および記録用光源シャッタ95は、計算機96によって制御される。
【0113】
次に、図6を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図6において、図5と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0114】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0115】
再生用光源97から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)98は、光学系99によって収斂し再生参照光100となってホログラム記録媒体81に記録されたホログラムを照明する。そして、再生参照光100は、ホログラムによって回折して再生光101となる。
【0116】
一方、フォトマスク原盤85のあった位置には、感光性材料としてのレジスト102を塗布した(基板としての)ウェハ103が、レジスト側をホログラム記録媒体81に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0117】
ホログラム記録媒体81は、ホログラム・ホルダ107上に設置され、ホログラム・ホルダ駆動手段108によって所定の位置に固定されている。
【0118】
再生光101によりホログラムがレジスト102上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト102に形成される。したがって、レジスト102を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0119】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0120】
また、ウェハ103の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体81に形成されたホログラムの再生像がウェハ103上のレジスト102に結像するように、ウェハステージ駆動手段104を用いてウェハステージ105の位置を調整する。
【0121】
また、図6の例では、ウェハステージ駆動手段104、ホログラム・ホルダ駆動手段108および再生用光源シャッタ106は、計算機96によって制御される。
【0122】
本実施の形態によれば、フーリエ変換型ホログラムを用い、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0123】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅76nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0124】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0125】
具体的には、再生参照光が透過可能な材料を選択して、ホログラム記録媒体を形成することが必要である。上述した酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストであればF2レーザ光を透過させることができるので、所望のパターンを転写することができる。例えば、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて本実施の形態による露光を行った場合、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0126】
本実施の形態においては透過型ホログラムを用いてホログラムを再生する例について述べたが、本発明は反射型ホログラムを用いてホログラムを再生する場合にも適用可能である。
【0127】
例えば、ホログラムを記録したホログラム記録媒体に金蒸着などを施し、これを用いてホログラム再生工程を行う。
【0128】
ホログラム再生工程における再生参照光は、記録光(記録参照光および物体光)よりも短い波長の光とする。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。1つの例として、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用い、上述の酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストを用いて露光したところ、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0129】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0130】
また、本実施の形態によれば、フーリエ変換型ホログラムを用いることによって、分解能の高い再生像を得ることができる。
【0131】
実施の形態4.
本実施の形態は、計算機ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0132】
本実施の形態における露光装置は、第1の光源からの物体光と記録参照光との干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることにより得られたホログラムを再生するための再生参照光を発生する第2の光源と、再生参照光をホログラムに照射してホログラムを再生する再生参照光照射光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴としている。
【0133】
本実施の形態では、まず、記録参照光と物体光との干渉による干渉縞のパターンを計算する。次に、これを電子線描画装置を用いてホログラム記録媒体に直接描画することによりホログラムを作製する。尚、記録参照光および物体光は、記録用光源から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)に対応する。
【0134】
具体的には、実施の形態3で説明した図5に示す露光装置において、記録参照光93と物体光94とがホログラム記録媒体81に伝播する光の場を高速フーリエ変換を用いて計算する。得られた計算結果にしたがい、電子線描画装置を用いてレジストにパターンを直接描画する。レジストを現像処理することによって、所望のホログラムを得ることができる。
【0135】
得られたホログラムの再生化は、例えば、実施の形態1で説明した図6に示す装置によって行うことができる。
【0136】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0137】
再生用光源97から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)98は、光学系99によって収斂し再生参照光100となってホログラム記録媒体81に記録されたホログラムを照明する。そして、再生参照光100は、ホログラムによって回折されて再生光101となる。
【0138】
一方、ホログラム記録媒体81から所定の間隔をおいた位置に、感光性材料としてのレジスト102を塗布した(基板としての)ウェハ103が、レジスト側をホログラム記録媒体81に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0139】
再生光101によりホログラムがレジスト102上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト102に形成される。したがって、レジスト102を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0140】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。また、ウェハの位置についても同様の補正を行うことが好ましい。
【0141】
以上の述べたように、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0142】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅1500nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅76nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0143】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0144】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。1つの例として、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用い、実施の形態3で示した酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストを用いて露光したところ、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0145】
本実施の形態におけるホログラムは、フーリエ変換型ホログラムであってもよい。また、ホログラムは透過型ホログラムに限られず、反射型ホログラムであってもよい。
【0146】
また、本実施の形態では、記録用再生光と物体光との干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることによりホログラムを作製する例について示したが、本発明はこれに限られるものではない。計算によって作製されたホログラムであれば他の方法によって作製されてもよい。
【0147】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに縮小された微細パターンを形成することができる。すなわち、所望の微細パターンの大きさよりも大きなパターンを有するホログラムを用いて、縮小投影露光することができる。大きなパターンのホログラムを作製することは比較的容易であるので、このようなパターンを縮小投影露光することによって、良好な形状の微細パターンを形成することが可能となる。
【0148】
また、本実施の形態によれば、ホログラムを計算によって作成することによりマスク原盤を不要とすることができるので、一層のコストダウンを図ることが可能となる。
【0149】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長と、再生像をレジストに露光する第2の光の波長を変えることによって、レジストに微細な縮小パターンを形成することができる。したがって、微細パターンと等倍のマスクを作製する必要がないので、コストダウンを図ることができる。
【0150】
また、本発明によれば、計算機ホログラムとすることによって、マスク原盤の作製そのものを不要とすることができる。この場合、大きなパターンのホログラムを用いて縮小投影露光することにより、良好な形状の微細パターンを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図2】実施の形態1におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図3】実施の形態2におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図4】実施の形態2におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図5】実施の形態3におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図6】実施の形態3におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図7】従来のホログラム記録工程の説明図である。
【図8】従来のホログラム再生工程の説明図である。
【符号の説明】
1,41,81,202 ホログラム記録媒体、 2,201 プリズム、 5,44,84,204 パターン、 6,45,85,203 マスク原盤、9,48,88 記録用光源、 10,49,89 第1の光、 20,60,93,205 記録参照光、 21,61,94,206 物体光、 24,64,97 再生用光源、 25,77,98 第2の光、 27,67,100,209 再生参照光、 31,72,101 再生光、 32,73,102,207 レジスト、 33,74,103,208 ウェハ。
【発明の属する技術分野】
本発明はパターン露光方法および露光装置に関し、より詳しくは、ホログラフィを利用したパターン露光方法および露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程などにおける微細パターン形成方法の1つとして、ホログラフィを利用したパターン転写技術がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、投影レンズを用いて微細パターンを感光性組成物であるレジストに転写する技術が記載されている。
【0004】
また、非特許文献1には、全反射方式のホログラフィ露光技術が記載されている。この方法では、図7に示すように、プリズム201上にホログラム記録媒体202を置き、また、ホログラム記録媒体202から所定の間隔をおいてマスク原盤203を置く。ここで、マスク原盤203には、所定のパターン204が形成されている。プリズム201を通ってホログラム記録媒体202に入射した記録参照光205は、ホログラム記録媒体202内で全反射される。一方、マスク原盤203に形成されたパターン204によって回折された物体光206もホログラム記録媒体202に入射する。そして、記録参照光205と物体光206とがホログラム記録媒体202中で干渉し、形成された干渉縞がパターン204のホログラムとしてホログラム記録媒体202に記録される。
【0005】
次に、図8に示すように、マスク原盤203のあった位置に、レジスト207を塗布したウェハ208を、レジスト側をホログラム記録媒体202に向けて置く。記録参照光205と反対方向から再生参照光209をホログラム記録媒体202に照射することによって、レジスト207にホログラムの再生像を形成することができる。
【0006】
【特許文献1】
特許第2922958号公報
【非特許文献1】
ビー・エイ・オマール(B.A.Omar),「固体技術(Solid State Technology)」,1991年9月,第34巻,p.89
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来のホログラフィ技術では、ホログラム記録媒体上にホログラムを記録する記録光(記録参照光および物体光)の波長と、レジストにホログラムを再生する再生参照光の波長とは同一であった。したがって、マスク原盤に形成されたパターンの大きさと、レジストに再生されるパターンの大きさとは1対1の等倍の関係にあった。
【0008】
一方、近年の半導体装置における集積度の増加に伴い、個々の素子の寸法は微小化が進み、各素子を構成する配線やゲートなどの幅も微細化されている。こうした微細なデザイン・ルールを有する半導体装置を製造するに際しては、微細なレジストパターンを形成することが必要となる。
【0009】
しかしながら、従来のホログラフィを利用したパターン転写技術によれば、レジストに微細なパターンを形成する場合には、これに対応する微細パターンが形成されたマスク原盤が必要となるために費用がかかるという問題があった。
【0010】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、ホログラフィを利用した縮小投影露光方法において、比較的大きなパターンが形成されたマスク原盤を用いて微細パターンを露光することのできるパターン露光方法および露光装置を提供することにある。
【0011】
また、本発明の目的は、マスク原盤を用いずに微細パターンを露光することのできるパターン露光方法および露光装置を提供することにある。
【0012】
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のパターン露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクからホログラム記録媒体にこのパターンのホログラムを記録するホログラム記録工程と、ホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有し、ホログラム記録工程においてマスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長が、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する第2の光の波長と異なることを特徴とする。
【0014】
第1の光の波長は、第2の光の波長よりも長くすることができる。
【0015】
また、本発明のパターン露光方法は、第1の光の波長と第2の光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う工程をさらに有することができる。
【0016】
本発明のパターン露光方法において、ホログラムは、計算によって作成された計算機ホログラムとすることができる。さらに、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムとすることができる。また、ホログラムは、透過型ホログラムであってもよいし、反射型ホログラムであってもよい。
【0017】
第2の光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光とすることができる。また、ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなるものとすることができる。
【0018】
本発明の露光装置は、第1の光源からの光の干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることにより得られたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラムに照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0020】
第1の光源からの光の波長は、第2の光源からの光の波長よりも長くすることができる。
【0021】
また、本発明の露光装置は、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う手段をさらに有することができる。
【0022】
本発明の露光装置において、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムとすることができる。また、ホログラムは、透過型ホログラムであってもよいし、反射型ホログラムであってもよい。
【0023】
第2の光源からの光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光とすることができる。また、ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなるものとすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明は、ホログラムを利用した縮小投影露光方法を利用して、レジストに微細パターンを露光するものである。そして、本発明におけるパターン露光方法は、所定のパターンが形成されたマスクからホログラム記録媒体にこのパターンのホログラムを記録するホログラム記録工程と、このホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有し、ホログラム記録工程においてマスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長が、ホログラム再生工程において再生像をレジストに露光する第2の光の波長と異なることを特徴とする。
【0025】
本発明において使用される光源は、コヒーレンシーが高く、明るい光源であることが好ましい。ここで、光源とは、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源およびホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための再生参照光を発生する第2の光源をいう。具体的には、レーザ光または水銀灯などの線スペクトルを光源として用いることができるが、波長幅が狭いという点でレーザ光を用いることが好ましい。
【0026】
また、記録光(記録参照光および物体光)の波長は、ホログラム記録材料にホログラムを記録可能な波長域にあればよい。長波長の方が好ましいが、ホログラムの解像性が光学系の回折条件で制限されるので、所望のパターン・サイズと同程度の波長を用いることが望ましい。尚、光に限らず、電子線またはイオン線などを用いてホログラムを形成してもよい。この場合、費用は高くなるが、高精細なホログラムを作製することが可能となる。
【0027】
本発明においては、記録光よりも波長の短い光を再生参照光として用いることができる。再生参照光の波長が短いほど、ホログラム再生像の解像度は高くなる。したがって、波長248nmのフッ化クリプトン(KrF)エキシマレーザ、波長193nmのフッ化アルゴン(ArF)エキシマレーザまたは波長157nmのフッ素(F2)レーザなどが、再生参照光の光源として好ましく用いられる。尚、必要に応じて、ピンホールなどでモード選択したり、ビーム・エキスパンダによって光束を拡幅したりしてもよい。
【0028】
ホログラムが記録されるホログラム記録媒体は、例えば、ホログラム用記録材料からなる記録層が基板上に形成された構造を有する。
【0029】
ホログラム用記録材料としては、一般に記録材料として用いられる感光剤を使用することができるが、干渉縞の屈折率変化が露光量の増加とともに一次関数的に変化するような感光剤、すなわちダイナミック・レンジの広い感光剤であることが好ましい。
【0030】
具体的には、銀塩乳剤、重クロム酸ゼラチン、フォトレジスト、サーモプラスチックまたはフォトリフラクティブ結晶などを挙げることができる。特に、銀塩乳剤およびフォトレジストは解像度が高いことから、微細パターンの形成に好ましく用いることができる。また、フォトレジストの内で特に化学増幅型のレジストは高感度であることから、ホログラム記録のための露光時間が短くて済むという利点を有する。さらに、サーモプラスチックおよびフォトリフラクティブ結晶は記録および消去が可能であることから、容易にホログラムを修正することができるという利点を有する。
【0031】
また、本実施の形態において適用されるホログラムは、振幅型ホログラムおよび位相型ホログラムのいずれであってもよいが、回折効率が高いという点から位相型ホログラムが好ましい。同様に、回折効率が高いという点から、ホログラムは厚い方が好ましい。但し、薄いホログラムであっても、エンボス法などによって回折効率を高めて使用することが可能である。
【0032】
厚膜ホログラムを作製できるという点から、ホログラム用記録材料は、記録光に対して高い透明性を有するものであることが好ましい。フッ素樹脂は短波長において高い透過率を有するので、本発明におけるホログラム用記録材料として特に好ましく用いることができる。
【0033】
表面にアルミニウム(Al)または金(Au)などを蒸着することによって、反射型エンボスホログラムとしてもよい。この場合には、ホログラム用記録材料が露光波長に吸収を持つ場合であっても使用できるという利点を有する。特に、露光波長が真空紫外域にある場合に有効である。
【0034】
さらに、本実施の形態において使用されるホログラムは、フレネルホログラムおよびフーリエ変換型ホログラムのいずれであってもよいが、再生像の分解能が高いという点からフーリエ変換型ホログラムが好ましい。
【0035】
本実施の形態は、マスク原盤がない場合にも適用可能である。その場合、例えば、計算機ホログラムを用いることができる。計算機ホログラムは、例えば、所望のパターンからの物体光および記録参照光から、干渉縞パターンを光学計算することによって作製したものである。具体的には、物体からホログラム面に伝播する光の場を回折理論などにより計算する。この際、高速フーリエ変換を用いることによって、計算時間を大幅に短縮してホログラム面上での光の振幅と位相を求めることができる。そして、得られた計算結果を基に、電子線描画装置などを用いて、レジストにホログラムを直接描画することができる。
【0036】
計算機ホログラムを用いれば、マスク原盤を作製する必要がなくなるので、コストダウンを図ることができる。また、ホログラム記録時のスペックルノイズによる精度低下などの問題も解消する。尚、この場合、使用可能なホログラム記録用材料には、上記の例に加えて電子線用レジストも挙げることができる。
【0037】
本発明においては、液晶を用いた空間変調器または音響光学素子などを利用したホログラムを使用することもできる。これらのホログラムを用いた場合には、実時間でホログラムを修正することができるので、ホログラムの修正が容易となるという利点がある。
【0038】
ホログラムを再生すると虚像以外に実像ができる場合があるが、実際に再生参照光が像を結んでいればレジストのパターン露光に利用可能である。また、共役像を用いる場合には、前後左右が逆に露光できるという利点がある。
【0039】
実施の形態1.
図1および図2を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0040】
また、本発明の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。
【0041】
尚、本明細書において、記録用光源とは第1の光源をいい、再生用光源とは第2の光源をいう。また、マスク原盤とはマスクをいう。(以下、同じ。)
【0042】
図1は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0043】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体1はプリズム2上に設置されて、プリズム・ホルダ駆動手段3に接続されたプリズム・ホルダ4によって所定の位置に固定される。
【0044】
1つの例では、アクリル樹脂100重量部にイソシアネートアクリレート化合物を20重量部加え、さらに波長488nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えることによってホログラム用記録材料を調整し、これをガラス基板上に1μmの膜厚で形成してホログラム記録媒体とすることができる。
【0045】
所定のパターン5が形成されたマスク原盤6は、ホログラム記録媒体1から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段7に接続されたマスク・ホルダ8によって保持されている。例えば、ホログラム記録媒体から50μm程度の間隔をおいてマスク原盤6を配置することができる。
【0046】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0047】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0048】
図1に示すように、記録用光源9から放射された波長λ1(第1の光。以下、同じ。)の光10は、光学系11によって成形された後、ビーム・スプリッタ12によって適当な強度比の2つの光13,14に分割される。この内の光13は、まず、全反射ミラー15によって進行方向を変えられる。次に、ビーム・エキスパンダ16によってビーム径が広げられて平行光17となりマスク原盤6を照射する。そして、パターン5によって回折されて物体光21となり、ホログラム記録媒体1に入射する。一方、光14は、全反射ミラー18によって進行方向を変えられ、ビーム・エキスパンダ19によってビーム径が広げられて記録参照光20となる。記録参照光20は、プリズム2に入射した後、ホログラム記録媒体1中で全反射する。
【0049】
ホログラム記録媒体1に入射した物体光21と記録参照光20は、ホログラム記録媒体1中で干渉して干渉縞を形成する。このようにして、ホログラム記録媒体1にマスク原盤6のパターン5のホログラムが記録される。
【0050】
また、図1の例では、マスク・ホルダ駆動手段7、プリズム・ホルダ駆動手段3およびレーザ・シャッタ22は、計算機23によって制御される。
【0051】
次に、図2を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図2において、図1と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0052】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、再生光源としてNd:YAGレーザの第5高調波(波長266nm)を用いることができる。
【0053】
再生用光源24から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)25は、ビーム・エキスパンダ26によってビーム径が広げられて平行な再生参照光27となる。再生参照光27は、図1に示す記録参照光20の光路と反対方向から、プリズム2上のホログラム記録媒体1に記録されたホログラムを照射する。
【0054】
再生用光源24、ビーム・エキスパンダ26および再生光源用シャッタ28は、再生光源ステージ29の上に設置されている。そして、これらは、所定の条件でホログラムを再生照明できるように、再生光源ステージ駆動手段30を介して計算機23によって制御される。
【0055】
ホログラム記録媒体1に記録されたホログラムを照射した再生参照光27の一部は、ホログラムによって回折して再生光31となる。
【0056】
一方、マスク原盤6のあった位置には、感光性材料としてのレジスト32を塗布した(基板としての)ウェハ33が、レジスト側をホログラム記録媒体1に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0057】
再生光31によりホログラムがレジスト32上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト32上に形成される。したがって、レジスト32を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0058】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0059】
例えば、図2に示す再生光源ステージ駆動手段30を用い、以下のようにして行うことができる。
【0060】
ホログラム記録時の記録参照光20の波数ベクトルと物体光21の波数ベクトルの作る角度をθとする。また、ホログラム再生時の再生参照光27の波数ベクトルと再生光31の波数ベクトルの作る角度をθ′とする。このとき、θおよびθ′の間には式(1)の関係が成立する。
【0061】
【数1】
【0062】
また、記録用光源9、マスク原盤6、再生用光源24および再生像までの距離をそれぞれRr、Ro、RcおよびRiとする。このとき、これらの間には式(2)の関係が成立する。
【0063】
【数2】
【0064】
したがって、式(1)および式(2)を満たす角度θ′で再生参照光27をホログラム記録媒体1に入射させることにより、再生像が位置Riに再生される。
【0065】
以上のようにして、ホログラム再生条件の補正を行うことができる。尚、併せて、ウェハ33の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体1に記録されたホログラムの再生像がウェハ33上のレジスト32に結像するように、ウェハステージ駆動手段34を用いてウェハステージ35の位置を調整する。
【0066】
本実施の形態によれば、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0067】
例えば、記録用光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、再生用光源としてNd:YAGレーザの第5高調波(波長266nm)を用いる。線幅400nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅218nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0068】
比較のために、ホログラム記録工程で用いる光の波長と、ホログラム再生工程で用いる光の波長とが同じである場合のパターン露光について述べる。例えば、記録用光源および再生光源として発振波長488nmのアルゴンイオンレーザを用い、線幅が400nm程度であるライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて同様の工程を行う。この場合、レジストに転写されるパターンの線幅は、マスク原盤に形成されたパターンの線幅と同じ400nm程度となり、縮小されたパターンは得られない。
【0069】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0070】
また、本実施の形態のホログラフィック露光技術によれば、レンズ光学系を利用した露光技術と異なり無収差の像を作ることができる。したがって、良好なパターン転写をすることができる。
【0071】
また、本実施の形態のホログラフィック露光技術によれば、ホログラムの全面でなく一部のみを用いることによっても再生が可能である。したがって、例えば、ホログラムに傷やゴミなどがあった場合であっても、再生像に影響を与えることなく欠陥のない良好なパターンを得ることができる。
【0072】
さらに、本実施の形態のホログラフィック縮小投影露光法によれば、高価な縮小光学系は不要である。尚、本実施の形態によるパターン露光方法と縮小光学系を利用した露光方法とを組み合わせてもよい。この場合、より微細なパターンを形成することが可能となる。
【0073】
実施の形態2.
本実施の形態は、透過型ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0074】
本実施の形態の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。さらに、ホログラムは透過型ホログラムであることを特徴とする。
【0075】
図3および図4を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0076】
図3は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0077】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体41はホログラム・ホルダ42上に設置されて、ホログラム・ホルダ駆動手段43によって所定の位置に固定される。
【0078】
1つの例では、エトキシエチルオキシ含有フッ素樹脂100重量部に、波長355nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えてホログラム記録用材料とし、これをガラス基板上に500nmの膜厚で形成して、ホログラム記録媒体とすることができる。
【0079】
所定のパターン44が形成されたマスク原盤45は、ホログラム記録媒体41から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段46に接続されたマスク・ホルダ47によって保持されている。
【0080】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0081】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0082】
図3に示すように、記録用光源48から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)49は、光学系50によって成形された後、ビーム・スプリッタ51によって適当な強度比の2つの光52,53に分割される。この内の光52は、まず、全反射ミラー54によって進行方向を変えられる。次に、ビーム・エキスパンダ55によってビーム径が広げられて平行光56となりマスク原盤45を照射する。そして、パターン44によって回折されて物体光61となり、ホログラム記録媒体41に入射する。一方、光53は、全反射ミラー57,58によって進行方向を変えられ、ビーム・エキスパンダ59によってビーム径が広げられて記録参照光60となって、ホログラム記録媒体41を照射する。
【0083】
ホログラム記録媒体41に入射した物体光61と記録参照光60は、ホログラム記録媒体41中で干渉して干渉縞を形成する。このようにして、ホログラム記録媒体41にマスク原盤45のパターン44のホログラムが記録される。
【0084】
また、図3の例では、マスク・ホルダ駆動手段46、ホログラム・ホルダ駆動手段43およびレーザ・シャッタ62は、計算機63によって制御される。
【0085】
次に、図4を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図4において、図3と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0086】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源としてNd:YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0087】
再生用光源64から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)77は、全反射ミラー65によって進行方向を変えらた後、ビーム・エキスパンダ66によってビーム径が広げられて平行な再生参照光67となる。再生参照光67は、図3に示す記録参照光60の光路と反対方向から、ホログラム記録媒体41に記録されたホログラムを照射する。
【0088】
再生用光源64、全反射ミラー65、ビーム・エキスパンダ66および再生用光源用シャッタ68は、再生光源ステージ69の上に設置されている。そして、これらは、所定の条件でホログラムパターンを再生照明できるように、再生光源ステージ駆動手段70を介して計算機71によって制御される。
【0089】
ホログラム記録媒体41に形成されたホログラムパターンを照射した再生参照光67の一部は、ホログラムによって回折して再生光72となる。
【0090】
一方、フォトマスク原盤45のあった位置には、感光性材料としてのレジスト73を塗布した(基板としての)ウェハ74がレジスト側をホログラム記録媒体41に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0091】
再生光72によりホログラムがレジスト73上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト73上に形成される。したがって、レジスト73を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0092】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0093】
例えば、図4に示す再生光源ステージ駆動手段70を用い、実施の形態1と同様にして行うことができる。
【0094】
また、ウェハ74の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体41に形成されたホログラムの再生像がウェハ74上のレジスト73に結像するように、ウェハステージ駆動手段75を用いてウェハステージ76の位置を調整する。
【0095】
本実施の形態によれば、透過型ホログラムを用い、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0096】
例えば、記録用光源としてNd:YAGレーザの第3高調波(波長355nm)を用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅200nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅88nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0097】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0098】
具体的には、再生参照光が透過可能な材料を選択して、ホログラム記録媒体を形成することが必要である。上述したエトキシエチルオキシ含有フッ素樹脂にオニウム塩を加えたフォトレジストであればF2レーザ光を透過させることができるので、所望のパターンを転写することができる。例えば、線幅200nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて本実施の形態による露光を行った場合、線幅80nm程度のパターンを得ることができた。
【0099】
比較のために、g線用フォトレジストを用いてホログラム記録媒体を形成した例について述べる。この場合、図3に示す装置によって得られたホログラムパターンを用い、図4に示す装置で再生化を行っても、レジストにパターンを形成することはできない。g線用フォトレジストは、F2レーザの発振波長である波長157nmに大きな吸収を有する。したがって、再生照明光は、g線用フォトレジストを透過することができない。すなわち、レジストに再生光を結像することができないので、パターンを形成することができない。
【0100】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0101】
実施の形態3.
本実施の形態は、フーリエ変換型ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0102】
本実施の形態の露光装置は、ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、第1の光源からの光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、第2の光源からの光をホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする。さらに、ホログラムはフーリエ変換型ホログラムであることを特徴とする。
【0103】
図5および図6を用いて、本実施の形態におけるパターン露光方法および露光装置について説明する。
【0104】
図5は、本実施の形態におけるホログラム記録工程についての説明図である。
【0105】
本実施の形態において、ホログラム記録媒体81はホログラム・ホルダ82上に設置されて、ホログラム・ホルダ駆動手段83によって所定の位置に固定される。
【0106】
1つの例では、酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂100重量部にグリシジル化合物化合物を20重量部加え、さらに波長308nmに感光性を有するオニウム塩を5重量部加えることによってホログラム用記録材料を調整し、これをガラス基板上に500nmの膜厚で形成してホログラム記録媒体とすることができる。
【0107】
所定のパターン84が形成されたマスク原盤85は、ホログラム記録媒体81から所定の間隔をおいて配設され、マスク・ホルダ駆動手段86に接続されたマスク・ホルダ87によって保持されている。
【0108】
本発明においては、マスク原盤に形成するパターンの大きさを、後工程でレジストに形成する所望のパターンの大きさよりも大きなものとすることができる。すなわち、レジストに形成する微細パターンと等倍のパターンを形成する必要がないので、マスク原盤の作製が容易となり、コストダウンを図ることができる。
【0109】
マスク原盤に形成するパターンの具体的な大きさは、後述するように、記録用光源の波長、再生用光源の波長およびレジストに形成するパターンの大きさから決定される。
【0110】
図5に示すように、記録用光源88から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)89は、ピンホール90により点光源に成形された後、その一部がレンズ91によって全反射ミラー92上に集光される。集光された光は、記録参照光93となってホログラム記録媒体81を照明する。一方、ピンホール90を透過した他の光は、マスク原盤85に形成されたパターン84を直接照明する。そして、パターン84によって回折されて物体光94となってホログラム記録媒体81に入射する。
【0111】
ホログラム記録媒体81に入射した記録参照光93と物体光94がホログラム記録媒体81中で干渉することにより干渉縞を形成する。このようにして、マスク原盤85のパターン84のホログラムがホログラム記録媒体81に記録される。
【0112】
また、図5の例では、マスク・ホルダ駆動手段86、ホログラム・ホルダ駆動手段83および記録用光源シャッタ95は、計算機96によって制御される。
【0113】
次に、図6を用いて、本実施の形態におけるホログラム再生工程について説明する。尚、図6において、図5と同じ符号を用いた箇所は同じものであることを示している。
【0114】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0115】
再生用光源97から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)98は、光学系99によって収斂し再生参照光100となってホログラム記録媒体81に記録されたホログラムを照明する。そして、再生参照光100は、ホログラムによって回折して再生光101となる。
【0116】
一方、フォトマスク原盤85のあった位置には、感光性材料としてのレジスト102を塗布した(基板としての)ウェハ103が、レジスト側をホログラム記録媒体81に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0117】
ホログラム記録媒体81は、ホログラム・ホルダ107上に設置され、ホログラム・ホルダ駆動手段108によって所定の位置に固定されている。
【0118】
再生光101によりホログラムがレジスト102上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト102に形成される。したがって、レジスト102を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0119】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。
【0120】
また、ウェハ103の位置についても同様の補正を行う。具体的には、ホログラム記録媒体81に形成されたホログラムの再生像がウェハ103上のレジスト102に結像するように、ウェハステージ駆動手段104を用いてウェハステージ105の位置を調整する。
【0121】
また、図6の例では、ウェハステージ駆動手段104、ホログラム・ホルダ駆動手段108および再生用光源シャッタ106は、計算機96によって制御される。
【0122】
本実施の形態によれば、フーリエ変換型ホログラムを用い、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0123】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅76nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0124】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0125】
具体的には、再生参照光が透過可能な材料を選択して、ホログラム記録媒体を形成することが必要である。上述した酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストであればF2レーザ光を透過させることができるので、所望のパターンを転写することができる。例えば、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて本実施の形態による露光を行った場合、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0126】
本実施の形態においては透過型ホログラムを用いてホログラムを再生する例について述べたが、本発明は反射型ホログラムを用いてホログラムを再生する場合にも適用可能である。
【0127】
例えば、ホログラムを記録したホログラム記録媒体に金蒸着などを施し、これを用いてホログラム再生工程を行う。
【0128】
ホログラム再生工程における再生参照光は、記録光(記録参照光および物体光)よりも短い波長の光とする。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。1つの例として、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用い、上述の酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストを用いて露光したところ、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0129】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに微細パターンを形成することができる。したがって、マスク原盤には比較的大きなパターンを形成すればよく、微細パターンと等倍のマスク原盤を作製する必要はないので、コストダウンを図ることが可能である。
【0130】
また、本実施の形態によれば、フーリエ変換型ホログラムを用いることによって、分解能の高い再生像を得ることができる。
【0131】
実施の形態4.
本実施の形態は、計算機ホログラムを用いたホログラフィック縮小投影露光方法に関する。
【0132】
本実施の形態における露光装置は、第1の光源からの物体光と記録参照光との干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることにより得られたホログラムを再生するための再生参照光を発生する第2の光源と、再生参照光をホログラムに照射してホログラムを再生する再生参照光照射光学系とを有し、第1の光源からの光の波長と第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴としている。
【0133】
本実施の形態では、まず、記録参照光と物体光との干渉による干渉縞のパターンを計算する。次に、これを電子線描画装置を用いてホログラム記録媒体に直接描画することによりホログラムを作製する。尚、記録参照光および物体光は、記録用光源から放射された波長λ1の光(第1の光。以下、同じ。)に対応する。
【0134】
具体的には、実施の形態3で説明した図5に示す露光装置において、記録参照光93と物体光94とがホログラム記録媒体81に伝播する光の場を高速フーリエ変換を用いて計算する。得られた計算結果にしたがい、電子線描画装置を用いてレジストにパターンを直接描画する。レジストを現像処理することによって、所望のホログラムを得ることができる。
【0135】
得られたホログラムの再生化は、例えば、実施の形態1で説明した図6に示す装置によって行うことができる。
【0136】
本実施の形態においては、記録光(記録参照光および物体光)よりも波長の短い光を再生参照光として用いることを特徴としている。例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。
【0137】
再生用光源97から出た波長λ2(λ2<λ1)の光(第2の光。以下、同じ。)98は、光学系99によって収斂し再生参照光100となってホログラム記録媒体81に記録されたホログラムを照明する。そして、再生参照光100は、ホログラムによって回折されて再生光101となる。
【0138】
一方、ホログラム記録媒体81から所定の間隔をおいた位置に、感光性材料としてのレジスト102を塗布した(基板としての)ウェハ103が、レジスト側をホログラム記録媒体81に向けて置かれている。ウェハはシリコンウェハなどの半導体基板であってもよいし、ガラス基板やプラスチック基板などであってもよい。また、半導体基板上に絶縁膜などの薄膜が形成されていてもよい。この場合、2以上の薄膜が積層された構造であってもよい。
【0139】
再生光101によりホログラムがレジスト102上に結像することによって、所望のパターンの潜像がレジスト102に形成される。したがって、レジスト102を現像処理することによって、所望のレジストパターンを得ることができる。
【0140】
本実施の形態においては、記録光の波長(λ1)と再生光の波長(λ2)とが異なるので(λ1>λ2)、色収差の補正を行うことが好ましい。具体的には、ホログラム記録時の光の入射角度とホログラム再生時の光の入射角度とを変化させるなどしてホログラム再生条件を補正する。また、ウェハの位置についても同様の補正を行うことが好ましい。
【0141】
以上の述べたように、ホログラム記録工程で用いる光の波長λ1に対して、ホログラム再生工程で用いる光の波長λ2を短くすることによって、縮小倍率がλ2/λ1である微細パターンをレジストに転写することができる。
【0142】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いる。線幅1500nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用いて、本実施の形態による縮小投影露光を行った場合には、線幅76nm程度のライン・アンド・スペースのパターンをレジストに転写することができる。
【0143】
尚、実際にレジストに形成されるパターンの大きさは、レジスト材料の種類やホログラム用記録材料の種類などによっても変動する。したがって、光源の種類などに応じて適切な材料を選択することが必要である。
【0144】
例えば、記録用光源として発振波長308nmのXeClエキシマレーザを用い、再生用光源として発振波長157nmのF2レーザを用いることができる。1つの例として、線幅150nm程度のライン・アンド・スペースのパターンが形成されたマスク原盤を用い、実施の形態3で示した酸性ヒドロキシル基含有フッ素樹脂にグリシジル化合物およびオニウム塩を加えたフォトレジストを用いて露光したところ、線幅75nm程度のパターンを得ることができた。
【0145】
本実施の形態におけるホログラムは、フーリエ変換型ホログラムであってもよい。また、ホログラムは透過型ホログラムに限られず、反射型ホログラムであってもよい。
【0146】
また、本実施の形態では、記録用再生光と物体光との干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることによりホログラムを作製する例について示したが、本発明はこれに限られるものではない。計算によって作製されたホログラムであれば他の方法によって作製されてもよい。
【0147】
本実施の形態によれば、記録光の波長と再生照明光の波長を変えることによって、レジストに縮小された微細パターンを形成することができる。すなわち、所望の微細パターンの大きさよりも大きなパターンを有するホログラムを用いて、縮小投影露光することができる。大きなパターンのホログラムを作製することは比較的容易であるので、このようなパターンを縮小投影露光することによって、良好な形状の微細パターンを形成することが可能となる。
【0148】
また、本実施の形態によれば、ホログラムを計算によって作成することによりマスク原盤を不要とすることができるので、一層のコストダウンを図ることが可能となる。
【0149】
【発明の効果】
本発明によれば、マスクおよびホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長と、再生像をレジストに露光する第2の光の波長を変えることによって、レジストに微細な縮小パターンを形成することができる。したがって、微細パターンと等倍のマスクを作製する必要がないので、コストダウンを図ることができる。
【0150】
また、本発明によれば、計算機ホログラムとすることによって、マスク原盤の作製そのものを不要とすることができる。この場合、大きなパターンのホログラムを用いて縮小投影露光することにより、良好な形状の微細パターンを形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図2】実施の形態1におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図3】実施の形態2におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図4】実施の形態2におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図5】実施の形態3におけるホログラム記録工程の説明図である。
【図6】実施の形態3におけるホログラム再生工程の説明図である。
【図7】従来のホログラム記録工程の説明図である。
【図8】従来のホログラム再生工程の説明図である。
【符号の説明】
1,41,81,202 ホログラム記録媒体、 2,201 プリズム、 5,44,84,204 パターン、 6,45,85,203 マスク原盤、9,48,88 記録用光源、 10,49,89 第1の光、 20,60,93,205 記録参照光、 21,61,94,206 物体光、 24,64,97 再生用光源、 25,77,98 第2の光、 27,67,100,209 再生参照光、 31,72,101 再生光、 32,73,102,207 レジスト、 33,74,103,208 ウェハ。
Claims (18)
- 所定のパターンが形成されたマスクからホログラム記録媒体に前記パターンのホログラムを記録するホログラム記録工程と、
前記ホログラムの再生像を基板上のレジストに露光するホログラム再生工程とを有し、
前記ホログラム記録工程において前記マスクおよび前記ホログラム記録媒体を照明する第1の光の波長が、前記ホログラム再生工程において前記再生像を前記レジストに露光する第2の光の波長と異なることを特徴とするパターン露光方法。 - 前記第1の光の波長は前記第2の光の波長よりも長い請求項1に記載のパターン露光方法。
- 前記第1の光の波長と前記第2の光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う工程をさらに有する請求項1または2に記載のパターン露光方法。
- 前記ホログラムが計算によって作製された計算機ホログラムである請求項1〜3のいずれか1に記載のパターン形成方法。
- 前記ホログラムがフーリエ変換型ホログラムである請求項1〜4のいずれか1に記載のパターン露光方法。
- 前記ホログラムが透過型ホログラムである請求項1〜5のいずれか1に記載のパターン露光方法。
- 前記ホログラムが反射型ホログラムである請求項1〜5のいずれか1に記載のパターン露光方法。
- 前記第2の光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光である請求項1〜7のいずれか1に記載のパターン露光方法。
- 前記ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなる請求項1〜8のいずれか1に記載のパターン露光方法。
- 第1の光源からの光の干渉による干渉縞パターンを計算によって求めることにより得られたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、
前記第2の光源からの光を前記ホログラムに照射してホログラムを再生する光学系とを有し、
前記第1の光源からの光の波長と前記第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする露光装置。 - ホログラム記録用の光を発生する第1の光源と、
前記第1の光源からの光を所定のパターンを有するマスクに導きホログラム形成のための物体光をホログラム記録媒体に照射する光学系と、
前記第1の光源からの光を前記ホログラム記録媒体に照射する光学系と、
前記ホログラム記録媒体に記録されたホログラムを再生するための光を発生する第2の光源と、
前記第2の光源からの光を前記ホログラム記録媒体に照射してホログラムを再生する光学系とを有し、
前記第1の光源からの光の波長と前記第2の光源からの光の波長とが異なることを特徴とする露光装置。 - 前記第1の光源からの光の波長は前記第2の光源からの光の波長よりも長い請求項10または11に記載の露光装置。
- 前記第1の光源からの光の波長と前記第2の光源からの光の波長との相違に基づく色収差の補正を行う手段をさらに有する請求項10〜12のいずれか1に記載の露光装置。
- 前記ホログラムはフーリエ変換型ホログラムである請求項10〜13のいずれか1に記載の露光装置。
- 前記ホログラムは透過型ホログラムである請求項10〜14のいずれか1に記載の露光装置。
- 前記ホログラムは反射型ホログラムである請求項10〜14のいずれか1に記載の露光装置。
- 前記第2の光源からの光は、波長157nmのフッ素(F2)レーザ光である請求項10〜16のいずれか1に記載の露光装置。
- 前記ホログラム記録媒体は、フッ素樹脂を含む記録層が基板上に形成されてなる請求項11〜17のいずれか1に記載の露光装置。
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JP2007251147A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-09-27 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 露光方法及び半導体装置の作製方法 |
JP2008010845A (ja) * | 2006-05-30 | 2008-01-17 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | ホログラム記録媒体及びそのホログラム記録媒体の作製方法、並びに当該ホログラム記録媒体を用いた露光方法 |
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-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003043316A patent/JP2004253660A/ja active Pending
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