JP2004253424A - 多孔質半導体層製造方法及び多孔質半導体層製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔質半導体層を形成する過程で、その物理特性を非破壊でモニタリング可能にする。
【解決手段】多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板2を投入可能で且つ所定の組成の薬品4で満たされた陽極化成槽1と、陽極化成槽1中に配され通電により半導体基板2の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層3を形成する電極5と、陽極化成槽1に取り付けられ光学ビームを入射する投光部品6と、陽極化成槽1に取り付けられ光学ビームを受光する受光部品7とを備え、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能にする。投光部品6は、陽極化成槽1に投入された半導体基板2上の多孔質半導体層3に光学ビームを入射する位置に配され、受光部品7は、多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されている。
【選択図】 図1
【解決手段】多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板2を投入可能で且つ所定の組成の薬品4で満たされた陽極化成槽1と、陽極化成槽1中に配され通電により半導体基板2の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層3を形成する電極5と、陽極化成槽1に取り付けられ光学ビームを入射する投光部品6と、陽極化成槽1に取り付けられ光学ビームを受光する受光部品7とを備え、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能にする。投光部品6は、陽極化成槽1に投入された半導体基板2上の多孔質半導体層3に光学ビームを入射する位置に配され、受光部品7は、多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は陽極化成処理により半導体基板の表面に多孔質半導体層を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池などの分野においては、例えば単結晶のインゴットを切断したシリコン(Si)よりなる半導体基板の上に陽極化成処理で多孔質半導体層を形成した後、更にシリコンのエピタキシャル成長層を含むソーラーセル(太陽電池)を形成する技術が行われている。この後、多孔質半導体層を介してソーラーセルを半導体基板から剥離して、製品用のプラスチック基板などに転写する。使用後の半導体基板は再び多孔質半導体層を形成することで再利用に供される。この様な用途に用いられる多孔質半導体層の製造方法並びに製造装置は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平08−213645号公報
【特許文献2】特開平11−195562号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した太陽電池の製造などにおいて、工程管理上もしくは品質管理上多孔質半導体層の物理特性を調べる必要があった。ところが、従来は主として破壊試験によって多孔質半導体層の物理特性を調べていた。例えば膜厚を測定する時には、多孔質半導体層が形成された半導体基板を劈開して、断面を光学顕微鏡や電子線走査型顕微鏡などによって観察していた。又、多孔率を測定する為に、例えば窒素吸着法を用いていた。この場合、試料を小さく分断し極低温にしなければならず、測定時間がかかる。他に、多孔質半導体層を成膜する前後で半導体基板の重量を測定し、多孔質半導体層を水酸化ナトリウム希釈液でエッチング除去して、重量比を調べることによって、多孔率を測定することは可能である。
【0005】
これらの方法は、全て多孔質半導体層を形成してから、その物理特性を調べる方法であり、多孔質半導体層の形成が完了した後しか、物理特性を調べることができなかった。しかしながら、陽極化成処理で多孔質半導体層を基板上に形成しながら、多孔質半導体層の物理特性が分かると、実時間で陽極化成処理の条件や環境をフィードバック制御できる様になるので、利点が多い。本発明は、この様に多孔質半導体層を形成する過程で、その物理特性をモニタリングすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の技術の課題を解決し本発明の目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち、本発明にかかる多孔質半導体層製造方法は、半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、該多孔質半導体層に光学ビームを入射する照射工程と、該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知する検知工程と、該検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べる測定工程とを含むことを特徴とする。好ましくは、前記照射工程は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線のスペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする。また、前記検知工程は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする。あるいは、前記検知工程は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする。また、前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面を陽極化成処理している最中に検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理し実時間で該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする。あるいは前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面の陽極化成処理が完了した後、検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることもできる。例えば前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の膜厚を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の多孔率を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と水素との結合状態を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と酸素との結合状態を測定することを特徴とする。好ましくは前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。また前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0007】
また本発明にかかる多孔質半導体層製造方法は、あらかじめ規定した組成の薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、該薬品中に光学ビームを入射する照射工程と、該薬品を透過した該光学ビームを検知する検知工程と、該検知した光学ビームの透過スペクトルをコンピュータにより分析して該薬品の組成を測定する測定工程とを含むことを特徴とする。好ましくは前記照射工程は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該薬品の組成を測定することを特徴とする。また該測定した薬品の組成が該あらかじめ規定した組成から外れた場合には、薬品を追加投入する工程を含むことを特徴とする。前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0008】
加えて本発明にかかる多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板を投入可能で且つ所定の組成の薬品で満たされた陽極化成槽と、該陽極化成槽中に配され通電により該半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する電極と、該陽極化成槽に取り付けられ光学ビームを入射する投光部品と、該陽極化成槽に取り付けられ該光学ビームを受光する受光部品とを備え、光学的に該陽極化成処理をモニタリング可能にしたことを特徴とする。好ましくは前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする。また前記受光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする。また前記投光部品は、該陽極化成槽に投入された該半導体基板上の該多孔質半導体層に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする。例えば前記受光部品は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする。或いは前記受光部品は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されている。また該受光した光学ビームの波形を計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べるコンピュータが接続されていることを特徴とする。この場合前記投光部品は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を投光し、前記コンピュータは該受光した赤外線のスペクトルをフーリエ変換して計算処理し該多孔質半導体層の物理特性を調べる。場合により前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該薬品を透過した該光学ビームを直接受光する位置に配されている。この場合該受光した光学ビームの透過スペクトルを分析して陽極化成処理中に変化する該薬品の組成を測定するコンピュータが接続されている。具体的には前記投光部品は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記コンピュータは該受光した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換して計算処理し該薬品の組成を測定することを特徴とする。更には該測定した薬品の組成が所定の組成から外れた場合には、薬品を追加投入する手段を含むことを特徴とする。なお前記陽極化成槽は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品で満たされることを特徴とする。また前記電極は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板に通電して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板を投入可能で且つ所定の組成の薬品で満たされた陽極化成槽に、赤外線などの光学ビームを入射する投光部品と、入射した光学ビームを受光する受光部品とを取り付けることにより、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能にしている。これにより、シリコンウェハなどの半導体基板表面を陽極化成処理する過程で、多孔質シリコン層の物理特性を非破壊で測定できる。これにより、多孔質シリコン層を汚染することなく且つリアルタイムで物理特性を把握できる。加えて、本発明に係る多孔質半導体層製造装置は、多孔質シリコン層を形成する為に必要な薬品の組成も同時に調べることができる。これにより、薬品の組成が規格範囲からずれた場合、素早く薬品を投入することによって、陽極化成処理を管理することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る多孔質半導体層製造装置を示す模式的なブロック図である。図示する様に、本装置は、陽極化成槽1と電極5と投光部品6と受光部品7と光ファイバ8と赤外線発生/検出部9とコンピュータ(計算処理装置)10などで構成されている。陽極化成槽1は処理対象となる半導体基板2を投入可能で且つ所定の組成の薬品4で満たされている。陽極化成槽1の上下に配された電極5は、通電により半導体基板2の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層3を形成する。投光部品6は陽極化成槽1の側壁に取り付けられており、光学ビームを入射する。受光部品7は投光部品6と対向する様に陽極化成槽1の側壁に取り付けられており、光学ビームを受光する。投光部品6及び受光部品7共に導光機能を有する光学部品である。係る構成を有する多孔質半導体層製造装置は、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能としたものである。
【0011】
投光部品6は陽極化成槽1に満たされた薬品による腐食を防ぐ為に必要な耐薬品性を備えている。受光部品7も同じく陽極化成槽1に満たされた薬品による腐食を防ぐ為に必要な耐薬品性を備えている。本実施形態では、投光部品6は陽極化成槽1に投入された半導体基板2上の多孔質半導体層3に光学ビームを入射する位置に配される一方、受光部品7は多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されている。具体的には受光部品7は、多孔質半導体層3に入射した光学ビームがその表面で反射して多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されており、いわゆる反射型の構成となっている。これに代えて、透過型の構成としてもよい。この場合、受光部品7は多孔質半導体層3の一面側に入射した光学ビームが多孔質半導体層3を透過して反対側から出射した光学ビームを受光する位置に取り付けられる。
【0012】
コンピュータ10は、受光した光学ビームの波形を計算処理して多孔質半導体層3の物理特性を調べる。本実施形態では、投光部品6は多孔質半導体層3に光学ビームとして赤外線を投光し、コンピュータ10は受光した赤外線のスペクトルをフーリエ変換して計算処理し、多孔質半導体層3の物理特性を調べる。具体的には、赤外線発生/検出部9が光ファイバ8を介して投光部品6に接続されている。赤外線発生/検出部9は光源として赤外線発光ダイオードもしくは赤外線レーザダイオードを備えており、発生した赤外線を光ファイバ8で投光部品6に導いている。赤外線発生/検出部9は赤外領域に感度を有するフォトダイオードあるいはフォトトランジスタなどの光学センサを内蔵しており、光ファイバ8を介して受光部品7から取り込んだ赤外線を電気信号に変換し、コンピュータ10に送出している。半導体基板2や多孔質半導体層3は光電効果を呈するので、陽極化成処理が外光の影響を受ける恐れがある。これを極力抑制する為、紫外光や可視光などよりも波長の長い赤外線をプローブ光に用いることが好ましい。コンピュータ10は、多孔質半導体層3の物理特性として、例えばその膜厚を測定することができる。又、コンピュータ10は多孔質半導体層3の多孔率を測定することができる。更にコンピュータ10は多孔質半導体層3と水素との結合状態を測定することが可能である。加えてコンピュータ10は多孔質半導体層3と酸素との結合状態を測定することもできる。これらの物理特性は、陽極化成処理を実時間で制御する上で重要なパラメータである。
【0013】
陽極化成槽1はフッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品4で満たされている。電極5は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムと砒素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板2に通電して多孔質半導体層3を形成することができる。この陽極化成処理は、半導体基板2を陽極としてフッ酸溶液中で通電を行う方法である。この方法では、上下に分かれた陽極化成槽1の中間に多孔質半導体層3を形成すべき半導体基板2を配置し、両方の陽極化成槽1に直流電源と接続された白金などからなる電極5を配置する。そして、両陽極化成槽1に薬品4(電解溶液)を入れ、白金電極5に直流電圧を印加し、半導体基板2を陽極、白金電極5を陰極とする。これにより、半導体基板2の一方の面が侵食されて多孔質化する。
【0014】
本多孔質半導体層製造装置は、陽極化成処理を実時間で制御する為、薬品4の管理も行うことができる。この場合、投光部品6は陽極化成槽1に満たされた薬品4に光学ビームを入射する位置に配される一方、受光部品7は薬品4を透過した光学ビームを直接受光する位置に配される。コンピュータ10は、受光した光学ビームの透過スペクトルを分析して陽極化成処理中に変化する薬品4の組成を測定する。例えば、陽極化成処理中、フッ酸が消費されてその含有率が低下していく。好ましくは、測定した薬品4の組成が所定の組成から外れた場合、薬品4を追加投入する手段を含んでいる。
【0015】
以上説明した様に、本発明に係る多孔質半導体層製造装置は、赤外線を入射する機能と、赤外線を検知する機能、検知した赤外線をリアルタイム且つ非破壊で測定できる機能を併せ持っている。本装置の主要部となる陽極化成槽1は、耐薬品性の材料で形成する。例えば、フッ素樹脂や、PVDF、PFA、塩化ビニルなどを用いることができる。本装置には、陽極化成槽1に薬液4を自動で注入、取り出す機能を付けてもよい。陽極化成槽1は、薬品4を密閉した閉鎖型でも、化成槽1の上部をオーバーフローできる様にした開放型でもよい。化成槽1に取り付ける赤外線の入射部品6及び検知部品7は、耐薬品性を備えたものがよい。例えば、サファイアガラス、表面を耐薬品性の材料でコーティングした石英ガラス、フッ素樹脂、塩化ビニルを用いることができる。あるいは、投光部品6及び受光部品7は、表面を耐薬品性の物質でコーティングした透明材料で構成できる。赤外線は、その発生/検出部9と、陽極化成槽1の間を光ファイバ8で結び、光ファイバ8内に赤外線を伝搬させる様にしている。赤外線の発生/検出部9とコンピュータ10を接続し、検知された赤外線をコンピュータ10によって計算処理する。計算処理は、例えばフーリエ変換、インターフェログラム、透過スペクトル、反射スペクトルなどを利用する。物質表面を反射した赤外光の反射スペクトルによって、物質表面に形成された薄膜層を調べることができる。又、物質を通過した赤外線の透過スペクトルによって、物質内や物質表面の分子の結合状態を調べることができる。
【0016】
赤外線を用いた多孔質半導体層の膜厚の測定では、赤外線反射を用いる。この場合、まず陽極化成槽で多孔質半導体層を作成する。その際、多孔質半導体層を作成しながら、多孔質半導体層に赤外線を照射する。多孔質半導体層表面の反射波を検出する。検知された反射波をコンピュータを用いてフーリエ変換し、インターフェログラムに変換する。ケプストラム近似によって、多孔質半導体層の膜厚を導出できる。
【0017】
陽極化成処理中における多孔質半導体層の物理特性の測定は、赤外線透過で行う。まず、陽極化成槽で多孔質半導体層を作成する。多孔質半導体層を作成しながら、多孔質半導体層に赤外線を照射する。多孔質半導体層を透過した赤外線を検出する。検知された赤外線はコンピュータを用いてフーリエ変換し、透過スペクトルを導出する。透過スペクトルを解析することで、吸収された分子結合を調べることができ、多孔質半導体層の物理特性を調べることができる。
【0018】
陽極化成処理中における多孔質半導体の多孔率測定も、赤外線透過で行う。陽極化成中の電流密度を変化させると、多孔質半導体層の多孔率が変化する。多孔率が変化すると、多孔質半導体層のSi−H結合の結合状態が変化する。この結合状態は、赤外線の透過スペクトルから読み取ることができる。多孔質半導体層の多孔率と赤外線透過スペクトルの関係をあらかじめ調べておく。具体的には、透過スペクトルのSi−H結合のピーク位置、スペクトルの幅、スペクトルのピーク高が多孔率によって変化する。この関係をあらかじめ調べておけば、多孔質半導体層の形成中に、赤外線透過スペクトルをモニタリングすることによって、多孔質半導体層の多孔率を非破壊でリアルタイムにモニタすることができる。
【0019】
陽極化成処理中における薬品の組成の測定も、赤外線透過を用いる。多孔質半導体層を作成しながら、薬品で満たされた陽極化成槽に赤外線を照射する。薬液を透過した赤外線を検出する。検出した赤外線はコンピュータを用いてフーリエ変換し、透過スペクトルを導出する。透過スペクトルを分析し、吸収された分子結合を調べることによって、薬液の組成を測定することができる。薬液の透過スペクトルが規定範囲の場合はそのまま陽極化成処理を続行する。薬液の透過スペクトルが規定範囲を超えた時、薬液を追加投入すればよい。
【0020】
続いて本発明の実施例1〜3を詳細に説明する。実施例1では、基本的に図1に示した反射型の装置を作成した。図1に示す様に、半導体基板2に赤外線を照射して、表面を反射した赤外線を検知する機能を備えた陽極化成槽1を作成した。その特徴は、まず陽極化成槽1の周囲が耐薬品性の性質を持つフッ素樹脂で覆われている。陽極化成槽1の中央に半導体基板2を配置する。半導体基板2の両側を挟む様にプラチナ電極5を設置する。陽極化成槽1は半導体基板2を上下から挟む様に二槽式である。各化成槽1には反応液4を入れることができる。例えば反応液4はフッ酸とエタノールの混合液を用いる。陽極化成槽1に赤外線の入射部品6と反射した赤外線を検知する部品7を取り付けた。赤外線の入射光が半導体基板2の表面で反射して、赤外線を検知できる様に、これらの部品6,7の角度を調整してある。これらの光学部品6,7は、耐薬品性を備え且つ赤外線を透過させる材料でなければならない。実施例1では、投光部品6及び受光部品7の材料としてサファイアガラスを使用した。赤外線発生/検出部9から光ファイバ8を結び、赤外線入射部品6と赤外線検知部品7につないだ。赤外線発生/検出部9にコンピュータ(計算処理装置)10を接続して、赤外線の反射スペクトルを計算処理できる様にした。
【0021】
この実施例1に係る装置を用いて、赤外線を照射/検知しながら陽極化成処理を行い、多孔質半導体層の物理特性(膜厚)をモニタした。以下具体的に説明する。まず、半導体基板としてSi基板を用意する。Si基板は、本実施例の場合P型でCZ、ボロンドープ、(100)、8インチサイズで、0.01〜0.02Ωcmを用いた。本装置にシリコン基板2を上下から化成槽1で挟み込む様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は7mA/cm2で30分間通電させた。通電中、赤外線をシリコン基板2に照射した。Si基板2の表面で反射された赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、インターフェログラムが検出された。このインターフェログラムにケプストラ変換を行い膜厚を調べた。すると、多孔質シリコン層3の膜厚は24.1μmであった。ここで、Si基板2を陽極化成槽1から取り出した。多孔質シリコン層3の膜厚を検証する為、基板2を半分に劈開し、断面を走査型電子顕微鏡で調べた。シリコン基板2には膜厚が約24μmの多孔質シリコン層3が、シリコン基板2の全体に亘って均一に作成されていた。以上の工程により、陽極化成処理中実時間で多孔質Si層3の膜厚を非破壊で調べられることが分かった。
【0022】
図2を参照して、実施例1の膜厚測定に用いたフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)を説明する。半導体ウェハによる反射スペクトルを分析する方法の一つとして、高速で高感度な非接触・非破壊な評価技術として、FT−IR法が多用されている。FT−IRの光学系は、光源から出た赤外線は平行光束にした後にマイケルソン干渉計に入る。干渉計から出た赤外光は半導体試料に照射される。試料を反射する干渉赤外光を検出する。この検出干渉赤外光をマイケルソン干渉計内の移動鏡による光路差の関数として干渉波形を測定し、参照光(試料のない部分)の干渉波形とともに、それぞれフーリエ変換を行い、両者の差から半導体試料の赤外光反射スペクトルを求める。スペクトルの測定は全波長同時に測定できて、しかも高感度・高速走査が可能である。実施例1では、シリコンウェハの表面に形成された多孔質シリコン層の膜厚の測定をFT−IR法で行っている。図2は、FT−IR法で多孔質Si層の厚みを測定する手順を具体的に示している。(a)は、多孔質Si層のある場合とない場合のFT−IRで測定した干渉波形の波数依存性を示してあり、(b)でコンピュータを用いてフーリエ変換、ノイズ処理後に更に再フーリエ変換を行い、(c)に両者の差スペクトルを表示してある。(c)より多孔質Si層の厚さdは、サイドバーストとセンターバーストの距離(L)を測定すれば求められる。サイドバーストとセンターバーストは(d)に示してある。
【0023】
実施例1ではフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)を用いて、多孔質Si層の厚みを測定している。場合によっては、他の手法を用いることができる。図3は、エリプソメトリ法(偏光解析)による膜厚測定の例を示してある。半導体基板の表面に陽極化成槽で多孔質半導体層を付けた状態でビームを照射すると、その表面で光が反射する時に偏光状態が変化する。この偏光状態の変化の測定をマイクロコンピュータと連動させることにより、半導体基板表面に形成した多孔質半導体層の厚さと屈折率を同時に求めることができる。エリプソメトリ法と言われる方法は図示する様に、入射角中で楕円偏光した光(図ではHe−Neレーザ)を、多孔質半導体層の形成された半導体基板に照射し、反射光を検出器(感度の高いフォトダイオード)で測定し、更に増幅してからコンピュータ処理によって膜厚とその屈折率を求める。
【0024】
続いて実施例2を説明する。本実施例では、半導体基板に赤外線を照射して、半導体基板を透過した赤外線を検知する機能を備えた装置を作成した。その構成を図4に示す。理解を容易にする為、図1に示した実施例1に係る装置と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、赤外線を検知する部品7が、化成槽1の反対側に配置されていることである。受光部品7は、投光部品6から入射した赤外線が半導体基板2を透過して、その赤外線を検知できる様な方向に取り付けられている。実施例2では、図4に示した装置を用いて赤外線を照射/検知しながら陽極化成処理を行い、多孔質シリコンの物理特性(多孔率)をモニタしている。まず、Si基板を用意する。Si基板は、例えばP型、CZ、ボロンドープ、(100)、8インチ、0.01〜0.02Ωcmを用いた。この装置にシリコン基板2を2つの化成槽1に挟まれる様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。ここで一旦赤外線を基板2に照射し、Si基板2を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、赤外線吸収スペクトルが検出された。(図5の上側の赤外線吸収スペクトル参照)。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は、7mA/cm2で30分間通電させた。通電中赤外線を基板2に照射した。Si基板2を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、赤外線吸収スペクトルが検出された。この時のSi−Hの吸収スペクトルが特定波長で急峻なピークとして検出された。(図5の下側の赤外線吸収スペクトル参照)。従来のFTIR測定では、陽極化成装置から取り出してからでないと赤外線吸収スペクトルを検出できなかったが、本発明によって、陽極化成装置からSi基板2を取り出すことなく、リアルタイムで検出することができる。その後多孔質Si層3が形成された基板2を陽極化成槽1から取り出した。破壊試験によって、多孔質Si層3の多孔率を調べたところ、約28%であった。
【0025】
次のサンプルとなる基板2を陽極化成槽1にセットした。この基板サンプルの詳細項目は、最初のサンプルと同一である。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態で、電極5の両端に電流を流す。電流は30mA/cm2で30分間通電させた。すなわち、サンプル1では電流密度が7mA/cm2であったのに対し、このサンプル2は電流密度が30mA/cm2となっている。このサンプル2で検知された赤外線をコンピュータで計算処理すると、所定の赤外線吸収スペクトルが検出された(図6の赤外線吸収スペクトル図参照)。この時のSi−Hの吸収スペクトルが、特定波長付近で検出された。電流密度を7mA/cm2に設定した時のピークと比較すると、ピークの位置はほぼ同じであるが、スペクトルの大きさが若干大きくなっていた。サンプル2に係るSi基板2を陽極化成槽1から取り出した。破壊試験によって多孔質Si層3の多孔率を調べたところ約41%であった。この様にして、異なった陽極化成の電流密度と、多孔質Si層の赤外線吸収スペクトル、多孔質Si層の多孔率を測定した。これらのデータを合わせると、スペクトルに含まれるピークの高さやシフトを調べることによって、多孔質Si層の多孔率を陽極化成処理中に実時間且つ非破壊でモニタリングできることが分かった。
【0026】
図7は実施例3に係る装置を表わしている。実施例3では、赤外線を照射/検知しながら陽極化成を行い、陽極化成反応液の物理特性をモニタし、規格範囲内をはみ出したら、反応液を追加している。この目的で作成された装置は図7に示した通りであって、理解を容易にする為図1に示した先の実施例に係る装置と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、赤外線を検知する部品7が半導体基板2を跨がないことである。受光部品7は、入射した赤外線が薬液4を透過して、その赤外線を検知できる様な方向に向いている。
【0027】
以下図7を参照しながら、具体的な手順を説明する。まずSi基板2を用意する。Si基板2は、例えばP型、CZ、ボロンドープ、(100)、8インチ、0.01〜0.02Ωcmを用いた。この装置にシリコン基板2を2つの化成槽1で挟まれる様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は7mA/cm2で10分間通電させた。通電中赤外線を化成槽1内に照射した。薬液4内を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、薬液4の透過スペクトルが検出された。更に電流を7mA/cm2で20分間通電させた。ここで再び赤外線透過スペクトルを検査すると、吸収スペクトルの幾つかのピークが規格範囲内からはみ出した。これらのスペクトルが規格範囲内に戻る様に薬液を注入した。これにより薬液4は常に安定な状態で管理できる様になった。
【0028】
最後に図8を参照して、本発明の応用例を示す。本応用例は薄膜太陽電池の製造方法である。まず(a)に示す様に、単結晶Si基板2を陽極化成(陽極酸化)することにより多孔質Si層3を形成する。例えば、電流密度を30mAとし、陽極化成溶液としてHF:H2O:C2H5OH=1:1:1を用いた場合、得られた多孔質Si層3の厚みは5〜50μmで多孔率は10〜50%である。この多孔質Si層3の厚みは、単結晶Si基板2を繰り返し使用する観点からは、この単結晶Si基板2の厚みの減少を少なくし使用可能回数を多くする為に、可能な限り薄くすることが望ましく、好適には5〜15μm、例えば約10μmに選ばれる。又、単結晶Si基板2は、陽極化成によりその上に多孔質Si層3を形成する観点からはP型であることが望ましいが、N型であっても条件設定によっては多孔質Si層3を形成することが可能である。
【0029】
次に(b)に示す様に、多孔質Si層3上に例えばCVD法により例えば700〜1100℃の温度でp+型Si層13、p型Si層14及びn+型Si層15を順次エピタキシャル成長させた後、n+型Si層15上に例えばCVD法により例えば単層のSiO2膜やSiN膜あるいはそれらの積層膜からなる保護膜16を形成する。ここで、p+型Si層13、p型Si層14及びn+型Si層15は太陽電池層(ソーラーセル)17を構成し、それらの合計の厚みは典型的には1〜50μm、例えば5μmである。
【0030】
次に(c)に示す様に、ソーラーセル17の表面にプラスチック基板20を貼着する。次いで多孔質Si層を機械的もしくは化学的に剥離して半導体基板2を分離する。これにより、ソーラーセル17はプラスチック基板20側に転写され、製品状態となる。使用済みとなったSi基板2は再び多孔質Si層を形成して再利用に供される。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば多孔質半導体層を形成しながら、その物理特性を非破壊で測定することができる。これにより、多孔質半導体層を汚染することなく且つリアルタイムで物理特性を把握することが可能である。従って、陽極化成処理をリアルタイムでフィードバック制御することが可能となる。物理特性としては、例えば多孔質半導体層の膜厚を正確に測定できる。又陽極化成処理中多孔質半導体層の多孔率を非破壊でモニタリングできる。更に陽極化成処理中、薬液をリアルタイムでモニタできる。薬液の組成が規格範囲を超えた時、薬液の追加投入を速やかに行う。これにより、薬液は常に規格範囲内の濃度に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第一実施形態を示すブロック図である。
【図2】フーリエ変換赤外分光法を示す模式図である。
【図3】エリプソメトリ法による膜厚測定を示す模式図である。
【図4】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第二実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に従がって製造された多孔質半導体層製造装置の赤外線吸収スペクトル図である。
【図6】本発明に従がって製造された多孔質半導体層製造装置の赤外線吸収スペクトル図である。
【図7】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第三実施形態を示すブロック図である。
【図8】本発明の応用例に係る太陽電池製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1・・・陽極化成槽、2・・・半導体基板、3・・・多孔質半導体層、4・・・薬品、5・・・電極、6・・・投光部品、7・・・受光部品、8・・・光ファイバ、9・・・赤外線発生/検出部、10・・・コンピュータ
【発明の属する技術分野】
本発明は陽極化成処理により半導体基板の表面に多孔質半導体層を形成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
太陽電池などの分野においては、例えば単結晶のインゴットを切断したシリコン(Si)よりなる半導体基板の上に陽極化成処理で多孔質半導体層を形成した後、更にシリコンのエピタキシャル成長層を含むソーラーセル(太陽電池)を形成する技術が行われている。この後、多孔質半導体層を介してソーラーセルを半導体基板から剥離して、製品用のプラスチック基板などに転写する。使用後の半導体基板は再び多孔質半導体層を形成することで再利用に供される。この様な用途に用いられる多孔質半導体層の製造方法並びに製造装置は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平08−213645号公報
【特許文献2】特開平11−195562号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した太陽電池の製造などにおいて、工程管理上もしくは品質管理上多孔質半導体層の物理特性を調べる必要があった。ところが、従来は主として破壊試験によって多孔質半導体層の物理特性を調べていた。例えば膜厚を測定する時には、多孔質半導体層が形成された半導体基板を劈開して、断面を光学顕微鏡や電子線走査型顕微鏡などによって観察していた。又、多孔率を測定する為に、例えば窒素吸着法を用いていた。この場合、試料を小さく分断し極低温にしなければならず、測定時間がかかる。他に、多孔質半導体層を成膜する前後で半導体基板の重量を測定し、多孔質半導体層を水酸化ナトリウム希釈液でエッチング除去して、重量比を調べることによって、多孔率を測定することは可能である。
【0005】
これらの方法は、全て多孔質半導体層を形成してから、その物理特性を調べる方法であり、多孔質半導体層の形成が完了した後しか、物理特性を調べることができなかった。しかしながら、陽極化成処理で多孔質半導体層を基板上に形成しながら、多孔質半導体層の物理特性が分かると、実時間で陽極化成処理の条件や環境をフィードバック制御できる様になるので、利点が多い。本発明は、この様に多孔質半導体層を形成する過程で、その物理特性をモニタリングすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した従来の技術の課題を解決し本発明の目的を達成するために以下の手段を講じた。即ち、本発明にかかる多孔質半導体層製造方法は、半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、該多孔質半導体層に光学ビームを入射する照射工程と、該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知する検知工程と、該検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べる測定工程とを含むことを特徴とする。好ましくは、前記照射工程は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線のスペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする。また、前記検知工程は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする。あるいは、前記検知工程は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする。また、前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面を陽極化成処理している最中に検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理し実時間で該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする。あるいは前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面の陽極化成処理が完了した後、検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることもできる。例えば前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の膜厚を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の多孔率を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と水素との結合状態を測定することを特徴とする。また前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と酸素との結合状態を測定することを特徴とする。好ましくは前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。また前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0007】
また本発明にかかる多孔質半導体層製造方法は、あらかじめ規定した組成の薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、該薬品中に光学ビームを入射する照射工程と、該薬品を透過した該光学ビームを検知する検知工程と、該検知した光学ビームの透過スペクトルをコンピュータにより分析して該薬品の組成を測定する測定工程とを含むことを特徴とする。好ましくは前記照射工程は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該薬品の組成を測定することを特徴とする。また該測定した薬品の組成が該あらかじめ規定した組成から外れた場合には、薬品を追加投入する工程を含むことを特徴とする。前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0008】
加えて本発明にかかる多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板を投入可能で且つ所定の組成の薬品で満たされた陽極化成槽と、該陽極化成槽中に配され通電により該半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する電極と、該陽極化成槽に取り付けられ光学ビームを入射する投光部品と、該陽極化成槽に取り付けられ該光学ビームを受光する受光部品とを備え、光学的に該陽極化成処理をモニタリング可能にしたことを特徴とする。好ましくは前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする。また前記受光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする。また前記投光部品は、該陽極化成槽に投入された該半導体基板上の該多孔質半導体層に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする。例えば前記受光部品は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする。或いは前記受光部品は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されている。また該受光した光学ビームの波形を計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べるコンピュータが接続されていることを特徴とする。この場合前記投光部品は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を投光し、前記コンピュータは該受光した赤外線のスペクトルをフーリエ変換して計算処理し該多孔質半導体層の物理特性を調べる。場合により前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該薬品を透過した該光学ビームを直接受光する位置に配されている。この場合該受光した光学ビームの透過スペクトルを分析して陽極化成処理中に変化する該薬品の組成を測定するコンピュータが接続されている。具体的には前記投光部品は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記コンピュータは該受光した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換して計算処理し該薬品の組成を測定することを特徴とする。更には該測定した薬品の組成が所定の組成から外れた場合には、薬品を追加投入する手段を含むことを特徴とする。なお前記陽極化成槽は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品で満たされることを特徴とする。また前記電極は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板に通電して多孔質半導体層を形成することを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、多孔質半導体層製造装置は、処理対象となる半導体基板を投入可能で且つ所定の組成の薬品で満たされた陽極化成槽に、赤外線などの光学ビームを入射する投光部品と、入射した光学ビームを受光する受光部品とを取り付けることにより、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能にしている。これにより、シリコンウェハなどの半導体基板表面を陽極化成処理する過程で、多孔質シリコン層の物理特性を非破壊で測定できる。これにより、多孔質シリコン層を汚染することなく且つリアルタイムで物理特性を把握できる。加えて、本発明に係る多孔質半導体層製造装置は、多孔質シリコン層を形成する為に必要な薬品の組成も同時に調べることができる。これにより、薬品の組成が規格範囲からずれた場合、素早く薬品を投入することによって、陽極化成処理を管理することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る多孔質半導体層製造装置を示す模式的なブロック図である。図示する様に、本装置は、陽極化成槽1と電極5と投光部品6と受光部品7と光ファイバ8と赤外線発生/検出部9とコンピュータ(計算処理装置)10などで構成されている。陽極化成槽1は処理対象となる半導体基板2を投入可能で且つ所定の組成の薬品4で満たされている。陽極化成槽1の上下に配された電極5は、通電により半導体基板2の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層3を形成する。投光部品6は陽極化成槽1の側壁に取り付けられており、光学ビームを入射する。受光部品7は投光部品6と対向する様に陽極化成槽1の側壁に取り付けられており、光学ビームを受光する。投光部品6及び受光部品7共に導光機能を有する光学部品である。係る構成を有する多孔質半導体層製造装置は、光学的に陽極化成処理をモニタリング可能としたものである。
【0011】
投光部品6は陽極化成槽1に満たされた薬品による腐食を防ぐ為に必要な耐薬品性を備えている。受光部品7も同じく陽極化成槽1に満たされた薬品による腐食を防ぐ為に必要な耐薬品性を備えている。本実施形態では、投光部品6は陽極化成槽1に投入された半導体基板2上の多孔質半導体層3に光学ビームを入射する位置に配される一方、受光部品7は多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されている。具体的には受光部品7は、多孔質半導体層3に入射した光学ビームがその表面で反射して多孔質半導体層3から出射した光学ビームを受光する位置に配されており、いわゆる反射型の構成となっている。これに代えて、透過型の構成としてもよい。この場合、受光部品7は多孔質半導体層3の一面側に入射した光学ビームが多孔質半導体層3を透過して反対側から出射した光学ビームを受光する位置に取り付けられる。
【0012】
コンピュータ10は、受光した光学ビームの波形を計算処理して多孔質半導体層3の物理特性を調べる。本実施形態では、投光部品6は多孔質半導体層3に光学ビームとして赤外線を投光し、コンピュータ10は受光した赤外線のスペクトルをフーリエ変換して計算処理し、多孔質半導体層3の物理特性を調べる。具体的には、赤外線発生/検出部9が光ファイバ8を介して投光部品6に接続されている。赤外線発生/検出部9は光源として赤外線発光ダイオードもしくは赤外線レーザダイオードを備えており、発生した赤外線を光ファイバ8で投光部品6に導いている。赤外線発生/検出部9は赤外領域に感度を有するフォトダイオードあるいはフォトトランジスタなどの光学センサを内蔵しており、光ファイバ8を介して受光部品7から取り込んだ赤外線を電気信号に変換し、コンピュータ10に送出している。半導体基板2や多孔質半導体層3は光電効果を呈するので、陽極化成処理が外光の影響を受ける恐れがある。これを極力抑制する為、紫外光や可視光などよりも波長の長い赤外線をプローブ光に用いることが好ましい。コンピュータ10は、多孔質半導体層3の物理特性として、例えばその膜厚を測定することができる。又、コンピュータ10は多孔質半導体層3の多孔率を測定することができる。更にコンピュータ10は多孔質半導体層3と水素との結合状態を測定することが可能である。加えてコンピュータ10は多孔質半導体層3と酸素との結合状態を測定することもできる。これらの物理特性は、陽極化成処理を実時間で制御する上で重要なパラメータである。
【0013】
陽極化成槽1はフッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品4で満たされている。電極5は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムと砒素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板2に通電して多孔質半導体層3を形成することができる。この陽極化成処理は、半導体基板2を陽極としてフッ酸溶液中で通電を行う方法である。この方法では、上下に分かれた陽極化成槽1の中間に多孔質半導体層3を形成すべき半導体基板2を配置し、両方の陽極化成槽1に直流電源と接続された白金などからなる電極5を配置する。そして、両陽極化成槽1に薬品4(電解溶液)を入れ、白金電極5に直流電圧を印加し、半導体基板2を陽極、白金電極5を陰極とする。これにより、半導体基板2の一方の面が侵食されて多孔質化する。
【0014】
本多孔質半導体層製造装置は、陽極化成処理を実時間で制御する為、薬品4の管理も行うことができる。この場合、投光部品6は陽極化成槽1に満たされた薬品4に光学ビームを入射する位置に配される一方、受光部品7は薬品4を透過した光学ビームを直接受光する位置に配される。コンピュータ10は、受光した光学ビームの透過スペクトルを分析して陽極化成処理中に変化する薬品4の組成を測定する。例えば、陽極化成処理中、フッ酸が消費されてその含有率が低下していく。好ましくは、測定した薬品4の組成が所定の組成から外れた場合、薬品4を追加投入する手段を含んでいる。
【0015】
以上説明した様に、本発明に係る多孔質半導体層製造装置は、赤外線を入射する機能と、赤外線を検知する機能、検知した赤外線をリアルタイム且つ非破壊で測定できる機能を併せ持っている。本装置の主要部となる陽極化成槽1は、耐薬品性の材料で形成する。例えば、フッ素樹脂や、PVDF、PFA、塩化ビニルなどを用いることができる。本装置には、陽極化成槽1に薬液4を自動で注入、取り出す機能を付けてもよい。陽極化成槽1は、薬品4を密閉した閉鎖型でも、化成槽1の上部をオーバーフローできる様にした開放型でもよい。化成槽1に取り付ける赤外線の入射部品6及び検知部品7は、耐薬品性を備えたものがよい。例えば、サファイアガラス、表面を耐薬品性の材料でコーティングした石英ガラス、フッ素樹脂、塩化ビニルを用いることができる。あるいは、投光部品6及び受光部品7は、表面を耐薬品性の物質でコーティングした透明材料で構成できる。赤外線は、その発生/検出部9と、陽極化成槽1の間を光ファイバ8で結び、光ファイバ8内に赤外線を伝搬させる様にしている。赤外線の発生/検出部9とコンピュータ10を接続し、検知された赤外線をコンピュータ10によって計算処理する。計算処理は、例えばフーリエ変換、インターフェログラム、透過スペクトル、反射スペクトルなどを利用する。物質表面を反射した赤外光の反射スペクトルによって、物質表面に形成された薄膜層を調べることができる。又、物質を通過した赤外線の透過スペクトルによって、物質内や物質表面の分子の結合状態を調べることができる。
【0016】
赤外線を用いた多孔質半導体層の膜厚の測定では、赤外線反射を用いる。この場合、まず陽極化成槽で多孔質半導体層を作成する。その際、多孔質半導体層を作成しながら、多孔質半導体層に赤外線を照射する。多孔質半導体層表面の反射波を検出する。検知された反射波をコンピュータを用いてフーリエ変換し、インターフェログラムに変換する。ケプストラム近似によって、多孔質半導体層の膜厚を導出できる。
【0017】
陽極化成処理中における多孔質半導体層の物理特性の測定は、赤外線透過で行う。まず、陽極化成槽で多孔質半導体層を作成する。多孔質半導体層を作成しながら、多孔質半導体層に赤外線を照射する。多孔質半導体層を透過した赤外線を検出する。検知された赤外線はコンピュータを用いてフーリエ変換し、透過スペクトルを導出する。透過スペクトルを解析することで、吸収された分子結合を調べることができ、多孔質半導体層の物理特性を調べることができる。
【0018】
陽極化成処理中における多孔質半導体の多孔率測定も、赤外線透過で行う。陽極化成中の電流密度を変化させると、多孔質半導体層の多孔率が変化する。多孔率が変化すると、多孔質半導体層のSi−H結合の結合状態が変化する。この結合状態は、赤外線の透過スペクトルから読み取ることができる。多孔質半導体層の多孔率と赤外線透過スペクトルの関係をあらかじめ調べておく。具体的には、透過スペクトルのSi−H結合のピーク位置、スペクトルの幅、スペクトルのピーク高が多孔率によって変化する。この関係をあらかじめ調べておけば、多孔質半導体層の形成中に、赤外線透過スペクトルをモニタリングすることによって、多孔質半導体層の多孔率を非破壊でリアルタイムにモニタすることができる。
【0019】
陽極化成処理中における薬品の組成の測定も、赤外線透過を用いる。多孔質半導体層を作成しながら、薬品で満たされた陽極化成槽に赤外線を照射する。薬液を透過した赤外線を検出する。検出した赤外線はコンピュータを用いてフーリエ変換し、透過スペクトルを導出する。透過スペクトルを分析し、吸収された分子結合を調べることによって、薬液の組成を測定することができる。薬液の透過スペクトルが規定範囲の場合はそのまま陽極化成処理を続行する。薬液の透過スペクトルが規定範囲を超えた時、薬液を追加投入すればよい。
【0020】
続いて本発明の実施例1〜3を詳細に説明する。実施例1では、基本的に図1に示した反射型の装置を作成した。図1に示す様に、半導体基板2に赤外線を照射して、表面を反射した赤外線を検知する機能を備えた陽極化成槽1を作成した。その特徴は、まず陽極化成槽1の周囲が耐薬品性の性質を持つフッ素樹脂で覆われている。陽極化成槽1の中央に半導体基板2を配置する。半導体基板2の両側を挟む様にプラチナ電極5を設置する。陽極化成槽1は半導体基板2を上下から挟む様に二槽式である。各化成槽1には反応液4を入れることができる。例えば反応液4はフッ酸とエタノールの混合液を用いる。陽極化成槽1に赤外線の入射部品6と反射した赤外線を検知する部品7を取り付けた。赤外線の入射光が半導体基板2の表面で反射して、赤外線を検知できる様に、これらの部品6,7の角度を調整してある。これらの光学部品6,7は、耐薬品性を備え且つ赤外線を透過させる材料でなければならない。実施例1では、投光部品6及び受光部品7の材料としてサファイアガラスを使用した。赤外線発生/検出部9から光ファイバ8を結び、赤外線入射部品6と赤外線検知部品7につないだ。赤外線発生/検出部9にコンピュータ(計算処理装置)10を接続して、赤外線の反射スペクトルを計算処理できる様にした。
【0021】
この実施例1に係る装置を用いて、赤外線を照射/検知しながら陽極化成処理を行い、多孔質半導体層の物理特性(膜厚)をモニタした。以下具体的に説明する。まず、半導体基板としてSi基板を用意する。Si基板は、本実施例の場合P型でCZ、ボロンドープ、(100)、8インチサイズで、0.01〜0.02Ωcmを用いた。本装置にシリコン基板2を上下から化成槽1で挟み込む様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は7mA/cm2で30分間通電させた。通電中、赤外線をシリコン基板2に照射した。Si基板2の表面で反射された赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、インターフェログラムが検出された。このインターフェログラムにケプストラ変換を行い膜厚を調べた。すると、多孔質シリコン層3の膜厚は24.1μmであった。ここで、Si基板2を陽極化成槽1から取り出した。多孔質シリコン層3の膜厚を検証する為、基板2を半分に劈開し、断面を走査型電子顕微鏡で調べた。シリコン基板2には膜厚が約24μmの多孔質シリコン層3が、シリコン基板2の全体に亘って均一に作成されていた。以上の工程により、陽極化成処理中実時間で多孔質Si層3の膜厚を非破壊で調べられることが分かった。
【0022】
図2を参照して、実施例1の膜厚測定に用いたフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)を説明する。半導体ウェハによる反射スペクトルを分析する方法の一つとして、高速で高感度な非接触・非破壊な評価技術として、FT−IR法が多用されている。FT−IRの光学系は、光源から出た赤外線は平行光束にした後にマイケルソン干渉計に入る。干渉計から出た赤外光は半導体試料に照射される。試料を反射する干渉赤外光を検出する。この検出干渉赤外光をマイケルソン干渉計内の移動鏡による光路差の関数として干渉波形を測定し、参照光(試料のない部分)の干渉波形とともに、それぞれフーリエ変換を行い、両者の差から半導体試料の赤外光反射スペクトルを求める。スペクトルの測定は全波長同時に測定できて、しかも高感度・高速走査が可能である。実施例1では、シリコンウェハの表面に形成された多孔質シリコン層の膜厚の測定をFT−IR法で行っている。図2は、FT−IR法で多孔質Si層の厚みを測定する手順を具体的に示している。(a)は、多孔質Si層のある場合とない場合のFT−IRで測定した干渉波形の波数依存性を示してあり、(b)でコンピュータを用いてフーリエ変換、ノイズ処理後に更に再フーリエ変換を行い、(c)に両者の差スペクトルを表示してある。(c)より多孔質Si層の厚さdは、サイドバーストとセンターバーストの距離(L)を測定すれば求められる。サイドバーストとセンターバーストは(d)に示してある。
【0023】
実施例1ではフーリエ変換赤外分光法(FT−IR法)を用いて、多孔質Si層の厚みを測定している。場合によっては、他の手法を用いることができる。図3は、エリプソメトリ法(偏光解析)による膜厚測定の例を示してある。半導体基板の表面に陽極化成槽で多孔質半導体層を付けた状態でビームを照射すると、その表面で光が反射する時に偏光状態が変化する。この偏光状態の変化の測定をマイクロコンピュータと連動させることにより、半導体基板表面に形成した多孔質半導体層の厚さと屈折率を同時に求めることができる。エリプソメトリ法と言われる方法は図示する様に、入射角中で楕円偏光した光(図ではHe−Neレーザ)を、多孔質半導体層の形成された半導体基板に照射し、反射光を検出器(感度の高いフォトダイオード)で測定し、更に増幅してからコンピュータ処理によって膜厚とその屈折率を求める。
【0024】
続いて実施例2を説明する。本実施例では、半導体基板に赤外線を照射して、半導体基板を透過した赤外線を検知する機能を備えた装置を作成した。その構成を図4に示す。理解を容易にする為、図1に示した実施例1に係る装置と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、赤外線を検知する部品7が、化成槽1の反対側に配置されていることである。受光部品7は、投光部品6から入射した赤外線が半導体基板2を透過して、その赤外線を検知できる様な方向に取り付けられている。実施例2では、図4に示した装置を用いて赤外線を照射/検知しながら陽極化成処理を行い、多孔質シリコンの物理特性(多孔率)をモニタしている。まず、Si基板を用意する。Si基板は、例えばP型、CZ、ボロンドープ、(100)、8インチ、0.01〜0.02Ωcmを用いた。この装置にシリコン基板2を2つの化成槽1に挟まれる様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。ここで一旦赤外線を基板2に照射し、Si基板2を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、赤外線吸収スペクトルが検出された。(図5の上側の赤外線吸収スペクトル参照)。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は、7mA/cm2で30分間通電させた。通電中赤外線を基板2に照射した。Si基板2を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、赤外線吸収スペクトルが検出された。この時のSi−Hの吸収スペクトルが特定波長で急峻なピークとして検出された。(図5の下側の赤外線吸収スペクトル参照)。従来のFTIR測定では、陽極化成装置から取り出してからでないと赤外線吸収スペクトルを検出できなかったが、本発明によって、陽極化成装置からSi基板2を取り出すことなく、リアルタイムで検出することができる。その後多孔質Si層3が形成された基板2を陽極化成槽1から取り出した。破壊試験によって、多孔質Si層3の多孔率を調べたところ、約28%であった。
【0025】
次のサンプルとなる基板2を陽極化成槽1にセットした。この基板サンプルの詳細項目は、最初のサンプルと同一である。化成槽1に薬液4を投入する。薬液4は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態で、電極5の両端に電流を流す。電流は30mA/cm2で30分間通電させた。すなわち、サンプル1では電流密度が7mA/cm2であったのに対し、このサンプル2は電流密度が30mA/cm2となっている。このサンプル2で検知された赤外線をコンピュータで計算処理すると、所定の赤外線吸収スペクトルが検出された(図6の赤外線吸収スペクトル図参照)。この時のSi−Hの吸収スペクトルが、特定波長付近で検出された。電流密度を7mA/cm2に設定した時のピークと比較すると、ピークの位置はほぼ同じであるが、スペクトルの大きさが若干大きくなっていた。サンプル2に係るSi基板2を陽極化成槽1から取り出した。破壊試験によって多孔質Si層3の多孔率を調べたところ約41%であった。この様にして、異なった陽極化成の電流密度と、多孔質Si層の赤外線吸収スペクトル、多孔質Si層の多孔率を測定した。これらのデータを合わせると、スペクトルに含まれるピークの高さやシフトを調べることによって、多孔質Si層の多孔率を陽極化成処理中に実時間且つ非破壊でモニタリングできることが分かった。
【0026】
図7は実施例3に係る装置を表わしている。実施例3では、赤外線を照射/検知しながら陽極化成を行い、陽極化成反応液の物理特性をモニタし、規格範囲内をはみ出したら、反応液を追加している。この目的で作成された装置は図7に示した通りであって、理解を容易にする為図1に示した先の実施例に係る装置と対応する部分には対応する参照番号を付してある。異なる点は、赤外線を検知する部品7が半導体基板2を跨がないことである。受光部品7は、入射した赤外線が薬液4を透過して、その赤外線を検知できる様な方向に向いている。
【0027】
以下図7を参照しながら、具体的な手順を説明する。まずSi基板2を用意する。Si基板2は、例えばP型、CZ、ボロンドープ、(100)、8インチ、0.01〜0.02Ωcmを用いた。この装置にシリコン基板2を2つの化成槽1で挟まれる様に設置した。化成槽1に薬液4を投入する。薬液は電解溶液としてHF:C2H5OH=1:1を注入した。薬液4は化成槽1の中で撹乱する様に循環させた。この状態でプラチナ電極5の両端に電流を流す。電流は7mA/cm2で10分間通電させた。通電中赤外線を化成槽1内に照射した。薬液4内を透過した赤外線を検知した。検知された赤外線をコンピュータ10で計算処理すると、薬液4の透過スペクトルが検出された。更に電流を7mA/cm2で20分間通電させた。ここで再び赤外線透過スペクトルを検査すると、吸収スペクトルの幾つかのピークが規格範囲内からはみ出した。これらのスペクトルが規格範囲内に戻る様に薬液を注入した。これにより薬液4は常に安定な状態で管理できる様になった。
【0028】
最後に図8を参照して、本発明の応用例を示す。本応用例は薄膜太陽電池の製造方法である。まず(a)に示す様に、単結晶Si基板2を陽極化成(陽極酸化)することにより多孔質Si層3を形成する。例えば、電流密度を30mAとし、陽極化成溶液としてHF:H2O:C2H5OH=1:1:1を用いた場合、得られた多孔質Si層3の厚みは5〜50μmで多孔率は10〜50%である。この多孔質Si層3の厚みは、単結晶Si基板2を繰り返し使用する観点からは、この単結晶Si基板2の厚みの減少を少なくし使用可能回数を多くする為に、可能な限り薄くすることが望ましく、好適には5〜15μm、例えば約10μmに選ばれる。又、単結晶Si基板2は、陽極化成によりその上に多孔質Si層3を形成する観点からはP型であることが望ましいが、N型であっても条件設定によっては多孔質Si層3を形成することが可能である。
【0029】
次に(b)に示す様に、多孔質Si層3上に例えばCVD法により例えば700〜1100℃の温度でp+型Si層13、p型Si層14及びn+型Si層15を順次エピタキシャル成長させた後、n+型Si層15上に例えばCVD法により例えば単層のSiO2膜やSiN膜あるいはそれらの積層膜からなる保護膜16を形成する。ここで、p+型Si層13、p型Si層14及びn+型Si層15は太陽電池層(ソーラーセル)17を構成し、それらの合計の厚みは典型的には1〜50μm、例えば5μmである。
【0030】
次に(c)に示す様に、ソーラーセル17の表面にプラスチック基板20を貼着する。次いで多孔質Si層を機械的もしくは化学的に剥離して半導体基板2を分離する。これにより、ソーラーセル17はプラスチック基板20側に転写され、製品状態となる。使用済みとなったSi基板2は再び多孔質Si層を形成して再利用に供される。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば多孔質半導体層を形成しながら、その物理特性を非破壊で測定することができる。これにより、多孔質半導体層を汚染することなく且つリアルタイムで物理特性を把握することが可能である。従って、陽極化成処理をリアルタイムでフィードバック制御することが可能となる。物理特性としては、例えば多孔質半導体層の膜厚を正確に測定できる。又陽極化成処理中多孔質半導体層の多孔率を非破壊でモニタリングできる。更に陽極化成処理中、薬液をリアルタイムでモニタできる。薬液の組成が規格範囲を超えた時、薬液の追加投入を速やかに行う。これにより、薬液は常に規格範囲内の濃度に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第一実施形態を示すブロック図である。
【図2】フーリエ変換赤外分光法を示す模式図である。
【図3】エリプソメトリ法による膜厚測定を示す模式図である。
【図4】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第二実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明に従がって製造された多孔質半導体層製造装置の赤外線吸収スペクトル図である。
【図6】本発明に従がって製造された多孔質半導体層製造装置の赤外線吸収スペクトル図である。
【図7】本発明に係る多孔質半導体層製造装置の第三実施形態を示すブロック図である。
【図8】本発明の応用例に係る太陽電池製造方法を示す工程図である。
【符号の説明】
1・・・陽極化成槽、2・・・半導体基板、3・・・多孔質半導体層、4・・・薬品、5・・・電極、6・・・投光部品、7・・・受光部品、8・・・光ファイバ、9・・・赤外線発生/検出部、10・・・コンピュータ
Claims (31)
- 半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、
該多孔質半導体層に光学ビームを入射する照射工程と、
該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知する検知工程と、
該検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べる測定工程とを、
含むことを特徴とする多孔質半導体層製造方法。 - 前記照射工程は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線のスペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記検知工程は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記検知工程は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを検知することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面を陽極化成処理している最中に検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理し実時間で該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は、該陽極化成工程で該半導体基板の表面の陽極化成処理が完了した後、検知した光学ビームの波形をコンピュータにより計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の膜厚を測定することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層の多孔率を測定することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と水素との結合状態を測定することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記測定工程は該多孔質半導体層の物理特性として、多孔質半導体層と酸素との結合状態を測定することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする請求項1記載の多孔質半導体層製造方法。
- あらかじめ規定した組成の薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する陽極化成工程と、
該薬品中に光学ビームを入射する照射工程と、
該薬品を透過した該光学ビームを検知する検知工程と、
該検知した光学ビームの透過スペクトルをコンピュータにより分析して該薬品の組成を測定する測定工程とを、
含むことを特徴とする多孔質半導体層製造方法。 - 前記照射工程は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記測定工程は該検知した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換した上コンピュータにより計算処理して該薬品の組成を測定することを特徴とする請求項13記載の多孔質半導体層製造方法。
- 該測定した薬品の組成が該あらかじめ規定した組成から外れた場合には、薬品を追加投入する工程を含むことを特徴とする請求項13記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記陽極化成工程は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品中で半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする請求項13記載の多孔質半導体層製造方法。
- 前記陽極化成工程は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成することを特徴とする請求項13記載の多孔質半導体層製造方法。
- 処理対象となる半導体基板を投入可能で且つ所定の組成の薬品で満たされた陽極化成槽と、
該陽極化成槽中に配され通電により該半導体基板の表面を陽極化成処理して多孔質半導体層を形成する電極と、
該陽極化成槽に取り付けられ光学ビームを入射する投光部品と、
該陽極化成槽に取り付けられ該光学ビームを受光する受光部品とを備え、
光学的に該陽極化成処理をモニタリング可能にしたことを特徴とする多孔質半導体層製造装置。 - 前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記受光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品による腐食を防ぐために必要な耐薬品性を備えていることを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記投光部品は、該陽極化成槽に投入された該半導体基板上の該多孔質半導体層に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記受光部品は、該多孔質半導体層の一面側に入射した光学ビームが該多孔質半導体層を透過して反対側から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする請求項21記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記受光部品は、該多孔質半導体層に入射した光学ビームがその表面で反射して該多孔質半導体層から出射した該光学ビームを受光する位置に配されていることを特徴とする請求項21記載の多孔質半導体層製造装置。
- 該受光した光学ビームの波形を計算処理して該多孔質半導体層の物理特性を調べるコンピュータが接続されていることを特徴とする請求項21記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記投光部品は該多孔質半導体層に光学ビームとして赤外線を投光し、前記コンピュータは該受光した赤外線のスペクトルをフーリエ変換して計算処理し該多孔質半導体層の物理特性を調べることを特徴とする請求項24記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記投光部品は、該陽極化成槽に満たされた薬品に光学ビームを入射する位置に配され、前記受光部品は、該薬品を透過した該光学ビームを直接受光する位置に配されていることを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
- 該受光した光学ビームの透過スペクトルを分析して陽極化成処理中に変化する該薬品の組成を測定するコンピュータが接続されていることを特徴とする請求項25記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記投光部品は該薬品中に光学ビームとして赤外線を入射し、前記コンピュータは該受光した赤外線の透過スペクトルをフーリエ変換して計算処理し該薬品の組成を測定することを特徴とする請求項27記載の多孔質半導体層製造装置。
- 該測定した薬品の組成が所定の組成から外れた場合には、薬品を追加投入する手段を含むことを特徴とする請求項27記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記陽極化成槽は、フッ酸と純水又はフッ酸とアルコールを所定の割合で含む薬品で満たされることを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
- 前記電極は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンとゲルマニウムの化合物、ガリウムとヒ素の化合物、ガリウムと窒素の化合物、又はガリウムとインジウムの化合物からなる半導体基板に通電して多孔質半導体層を形成することを特徴とする請求項18記載の多孔質半導体層製造装置。
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