JP2004253203A - 蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】L字状端子部周囲を樹脂系接着剤で封口した際に、該封口剤が端子の垂直部に沿って這い上がらず、リード線等と端子との接続あるいは嵌合が確実に行える端子を備えた蓄電池を提供することにある。
【解決手段】極柱ポール3あるいはストラップ2とL字状端子11とを溶接後、該端子部を封口剤で封口した構造の蓄電池において、前記端子の垂直部に鍔状邪魔板部15を設けると共に、前記邪魔板部の上面が前記封口剤の表面以上に位置することを特徴とするものである。
【選択図】 図6
【解決手段】極柱ポール3あるいはストラップ2とL字状端子11とを溶接後、該端子部を封口剤で封口した構造の蓄電池において、前記端子の垂直部に鍔状邪魔板部15を設けると共に、前記邪魔板部の上面が前記封口剤の表面以上に位置することを特徴とするものである。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池は、通常、正・負極板をセパレータを介して積層あるいは巻回した後、同極性同士の極板耳部を束ねて溶接を行い、ストラップを形成し電気的に接続される。例えば、鉛蓄電池においては、前記ストラップと極柱ポールとがキャストオンストラップ法(Cast on Strap、略してCOSという)により一体に鋳造されるか、あるいはあらかじめ鋳造により形成された極柱ポールに足し鉛を供給しながらバーナー等によりストラップを形成する方法とが広く採用されている。
【0003】
このようにして形成された極柱ポール上面に端子を載置して、極柱ポールと前記端子とが一体に溶接された後、その部分の密閉性を維持するために、エポキシ樹脂等の封口剤で封口される。その一例を図1、図2および図3に示す。
【0004】
図1は、L形端子を極柱ポールの上面ではんだ付けにより接合し、周囲をエポキシ樹脂で封口した状態を示す要部断面図で、11はL形端子、2はストラップ、3は極柱ポール、4はエポキシ樹脂等からなる封口剤、5は電槽、6は中蓋、61は中蓋に設けた凹部(この図では封口剤4が充填されている)をそれぞれ示す。図2は、端子部分の要部拡大断面図で、41はエポキシ樹脂の這い上がり部を示す。他の構成部材は図1と同じ番号付記する。図3は、L形端子と貫通孔を有するリード線接続部とをボルトとナットで締め付けた状態を示す要部断面図で、7はボルト、81はリード線側の貫通孔を有する接続部、9はナットをそれぞれ示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0005】
図1および図2に示すように、L形端子11の周囲を封口するために中蓋の凹部61に充填したエポキシ樹脂4が、表面張力により端子11の垂直部の表面に沿って這い上がっている。そのため、図3に示すように、蓄電池間、あるいは機器と蓄電池とをリード線を介して接続するために前記端子11にリード線接続部81をボルト7およびナット9を用いて固定しても、這い上がったエポキシ樹脂41のためにリード線の接続部81が一部曲がったり、ナット9がL形端子11面に密着せず隙間が生じたりしている。そのような状態で使用すると、接続部81と端子11とが完全に接触していないために、その部分での抵抗が高くなり放電電圧が低下する。さらに長期間使用した場合には、前記隙間に不導体の酸化被膜が生成し、大電流で放電したときにスパークが発生したりする。さらに、接続をよくするためにナット9を締めすぎると、その圧力で這い上がり部41が破断され封口部の気密が失われるといった問題を抱えている。
【0006】
図4は接触式L字状端子を用いた場合を示す要部断面図で、12は接触式L字状端子、82は該端子に装着するリード線接続部(通常、リセプタクルと称している)、9はリード線をそれぞれ示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0007】
図4に示すように、接触式L字状端子12にリセプタクル82を嵌合した場合に、端子12の垂直部に這い上がったエポキシ樹脂41に妨害されてリセプタクル82が完全には嵌合されていないことがわかる。このような状態で使用すると、振動等でリセプタクル82が抜けたり、接触が十分でないために、大電流で放電したときにスパークが発生したりする問題を抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上述したようなL字状端子部周囲を樹脂系封口剤で封口した際に、該封口剤が端子の垂直部に沿って這い上がらず、リード線接続部と端子との接続あるいは嵌合が確実に行える端子部を備えた蓄電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項1によれば、蓄電池蓋上面凹部で極柱ポールあるいはストラップとL字状端子とを溶接後、該凹部に封口剤を充填した蓄電池において、
前記端子に鍔状邪魔板部を設けると共に、前記邪魔板部の上面が前記封口剤の表面以上に位置することを特徴とするものである。
【0010】
端子の垂直部に鍔状邪魔板部を、その上面が封口材の表面以上になるように装着すれば、封口剤が端子の垂直部に添って這い上がるのを阻止でき、従来の技術の欄に記載したような問題点を回避できる。
【0011】
尚、鍔状邪魔板部とは、封口剤が端子に添って這い上がるのを防止するために、略水平方向に張り出した部分を有する部材の総称であり、その形状や材質、端子への装着方法等は適宜選択することができる。
【0012】
また、L字状端子とは、図1に示したL形端子や図4に示した接触式L字状端子のようなL形に近い形状を有する端子を総称している。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例により詳細に説明する。
〔実施例〕
図5(a)、(b)、図6および図7は、本発明の実施例1の構造および効果を示す要部断面図あるいは正面図で、15は本発明の鍔状邪魔板部を示す。他の構成部材は図1あるいは図4と同じ番号を付記する。
【0014】
図5(a)は、本発明の実施例1の端子部分を拡大した正面図、(b)は断面図で、11はL形端子、15は本発明の鍔状邪魔板部をそれぞれ示す。
【0015】
図5に示す鍔状邪魔板部15は樹脂製板状体からなり、端子の垂直部の断面と同じ形状で僅かに寸法が大きい貫通孔を有しており、L形端子の垂直部に装着されている。
【0016】
図6は、本発明の実施例1の鍔状邪魔板部を有するL形端子を用いた蓄電池の要部断面図で、L形端子11の垂直部に装着された鍔状邪魔板部15の上面が中蓋凹部61に充填されたエポキシ樹脂4の表面以上に位置しているので、該邪魔板部15は、エポキシ樹脂の這い上がりを阻止しているのが理解できる。
【0017】
図7は、本発明の効果を具体的に示した要部拡大断面図で、ボルト7、ナット9の締め付け部に図3に示すような封口剤の這い上がり部41が存在しないので、リード線接続部81の曲がりや、ナット9と端子11との間の隙間がなく確実に接続されていることがわかる。
【0018】
図8は、接触式L字状端子に本発明を適用した例を示す要部断面図で、12は接触式L字状端子、15は鍔状邪魔板部を示す。他の構成部材は図1あるいは図4と同じ番号を付記する。
【0019】
図8に示すように、接触式L字状端子12の場合にも、垂直部に鍔状邪魔板部15を、その上面がエポキシ樹脂の表面以上の位置になるように装着すれば同様の効果が得られることがわかる。
【0020】
次に、通常の方法で作製された公称電圧12V、定格容量18Ah(20hR)の制御弁式鉛蓄電池を、図1に示したL形端子11を従来の方法で溶接した後、エポキシ樹脂4を中蓋凹部61に充填した蓄電池20個と、同じ内容の蓄電池で、本発明の実施例1に示した鍔状邪魔板部15を備えたL形端子11を溶接後、エポキシ樹脂を充填した蓄電池20個とを、15CA(270A)で放電し、両者の5秒目電圧の比較を行った。その結果を表1に示す。また、終止電圧6.0Vまで放電した時の両者の放電持続時間の比較結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1の結果が示すように、本発明品は5秒目電圧の平均値が9.7Vで、最小値が9.5Vと平均値からのずれが小さく安定しているのに対して、従来品の5秒目電圧は、平均値が9.2Vと低く、最小値も8.2Vと平均値からのずれも大きく、ばらつきが大きかった。この理由は、5秒目電圧は、端子部の抵抗を大きく受ける傾向にあり、従来品のように封口材が端子垂直部の表面に這い上がり、リード線の接続部と端子との接触が十分でないと、その部分での抵抗が大きくなり、表1に示すような低い電圧が発生したといえる。それに対して、本発明品は、リード線接続部と端子との接触が確実になされているので抵抗の高い部分が発生せず、安定した電圧を示した。
【0023】
【表2】
【0024】
表2に示すように、放電持続時間に関しても、15CA(270A)といった大電流で放電した場合、蓄電池の抵抗、この場合は、端子部の抵抗の影響が大きく、抵抗の変動によって、放電時の電圧が急激に変動し、従来品では放電持続時間が35秒と短いものが発生し、ばらつきが大きかったのに対して、本発明品は、端子部の抵抗のばらつきが少なく、放電電圧が安定しており、持続時間の平均値50秒に対して、最小値が47秒とずれが小さかった。
【0025】
以上のように、L字状端子部の垂直部に鍔状邪魔板部を設けることによって、封口剤の端子垂直部への這い上がりが阻止でき、リード線接続部と端子との接続が確実に行え、安定した高率放電性能が得られることがわかった。
【0026】
本発明のL字状端子に鍔状邪魔板部を設ける方法は、実施例1では、端子の断面と同じ形状で寸法が少し大きい貫通孔を有する樹脂製板状部を端子の垂直部に装着する方式のものを示したが、鍔状邪魔板部の機能としては、略水平方向に張り出した部分によって、L字状端子の垂直部に封口材が這い上がるのを阻止することにあり、実施例1の方式にこだわらず、図9、図10および図11に示す構造・方式の端子であっても同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0027】
図9は、実施例2を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、形状は実施例1と同じであるが端子と鍔状邪魔板部とが同じ材質で一体に形成されたもので、該端子の材質に鉛合金を用いれば、鋳造方式によって容易に作製可能である。
【0028】
図10は、実施例3を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、本方式も端子と鍔状邪魔板部とを一体に形成したもので、L形端子の垂直部の所定の高さ位置で厚みおよび幅を大きくして鍔状邪魔板部の機能を持たせたものである。
【0029】
図11は、実施例4を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、端子の垂直部の所定の高さ位置で、該垂直部の周囲に沿って凹部を設け、鍔状邪魔板部の機能を持たせたものである。
【0030】
本発明の実施例では、制御弁式鉛蓄電池について説明したが、本発明は鉛蓄電池に限定するものでなく、端子部を溶接すると共に、エポキシ樹脂等の封口剤で封口する構造の蓄電池であれば本発明を適用すれば同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳述したように、蓄電池蓋上面凹部でストラップあるいは極柱とL字状端子とを溶接・接合した後、該凹部をエポキシ樹脂等の封口剤で封口する蓄電池において、前記封口剤が表面張力により端子の垂直部に這い上がり、リード線接続部等を取り付けた場合に、端子との間に隙間が生じて、その部分での電気抵抗が高くなったり、大電流放電でスパークが発生したり、あるいは、それを改善するためにナットを締め付けすぎると這い上がり部が破断して気密が失われるといった問題を抱えていたのに対して、端子の垂直部に鍔状邪魔板部を設けることによってその問題が解決され、特に大電流で放電した際に安定した蓄電池性能が得られ、その工業的効果が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のL形端子を用いた蓄電池の要部断面図。
【図2】従来のL形端子の要部拡大断面図。
【図3】従来のL形端子にリード線接続部をボルト、ナットで締め付けた状態を示す要部断面図。
【図4】従来の接触式L字状端子にリード線接続部(リセプタクル)を嵌合した状態を示す要部断面図。
【図5】実施例1のL形端子を示す正面図(a)および断面図(b)。
【図6】実施例1を蓄電池に適用した状態を示す要部断面図。
【図7】実施例1による本発明の効果を示す要部断面図。
【図8】接触式L字状端子に実施例1を適用した状態を示す要部断面図。
【図9】本発明の実施例2を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【図10】本発明の実施例3を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【図11】本発明の実施例4を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【符号の説明】
11 L形端子
12 接触式L字状端子
2 ストラップ
3 極柱ポール
4 エポキシ樹脂
41 エポキシ樹脂の這い上がり部
6 中蓋
61 中蓋に設けた凹部
81 L形端子に対応するリード線接続部
82 接触式L字状端子に対応するリード線接続部
15 本発明の鍔状邪魔板部
【発明の属する技術分野】
本発明は蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池は、通常、正・負極板をセパレータを介して積層あるいは巻回した後、同極性同士の極板耳部を束ねて溶接を行い、ストラップを形成し電気的に接続される。例えば、鉛蓄電池においては、前記ストラップと極柱ポールとがキャストオンストラップ法(Cast on Strap、略してCOSという)により一体に鋳造されるか、あるいはあらかじめ鋳造により形成された極柱ポールに足し鉛を供給しながらバーナー等によりストラップを形成する方法とが広く採用されている。
【0003】
このようにして形成された極柱ポール上面に端子を載置して、極柱ポールと前記端子とが一体に溶接された後、その部分の密閉性を維持するために、エポキシ樹脂等の封口剤で封口される。その一例を図1、図2および図3に示す。
【0004】
図1は、L形端子を極柱ポールの上面ではんだ付けにより接合し、周囲をエポキシ樹脂で封口した状態を示す要部断面図で、11はL形端子、2はストラップ、3は極柱ポール、4はエポキシ樹脂等からなる封口剤、5は電槽、6は中蓋、61は中蓋に設けた凹部(この図では封口剤4が充填されている)をそれぞれ示す。図2は、端子部分の要部拡大断面図で、41はエポキシ樹脂の這い上がり部を示す。他の構成部材は図1と同じ番号付記する。図3は、L形端子と貫通孔を有するリード線接続部とをボルトとナットで締め付けた状態を示す要部断面図で、7はボルト、81はリード線側の貫通孔を有する接続部、9はナットをそれぞれ示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0005】
図1および図2に示すように、L形端子11の周囲を封口するために中蓋の凹部61に充填したエポキシ樹脂4が、表面張力により端子11の垂直部の表面に沿って這い上がっている。そのため、図3に示すように、蓄電池間、あるいは機器と蓄電池とをリード線を介して接続するために前記端子11にリード線接続部81をボルト7およびナット9を用いて固定しても、這い上がったエポキシ樹脂41のためにリード線の接続部81が一部曲がったり、ナット9がL形端子11面に密着せず隙間が生じたりしている。そのような状態で使用すると、接続部81と端子11とが完全に接触していないために、その部分での抵抗が高くなり放電電圧が低下する。さらに長期間使用した場合には、前記隙間に不導体の酸化被膜が生成し、大電流で放電したときにスパークが発生したりする。さらに、接続をよくするためにナット9を締めすぎると、その圧力で這い上がり部41が破断され封口部の気密が失われるといった問題を抱えている。
【0006】
図4は接触式L字状端子を用いた場合を示す要部断面図で、12は接触式L字状端子、82は該端子に装着するリード線接続部(通常、リセプタクルと称している)、9はリード線をそれぞれ示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0007】
図4に示すように、接触式L字状端子12にリセプタクル82を嵌合した場合に、端子12の垂直部に這い上がったエポキシ樹脂41に妨害されてリセプタクル82が完全には嵌合されていないことがわかる。このような状態で使用すると、振動等でリセプタクル82が抜けたり、接触が十分でないために、大電流で放電したときにスパークが発生したりする問題を抱えている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上述したようなL字状端子部周囲を樹脂系封口剤で封口した際に、該封口剤が端子の垂直部に沿って這い上がらず、リード線接続部と端子との接続あるいは嵌合が確実に行える端子部を備えた蓄電池を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の課題を解決するための手段として、請求項1によれば、蓄電池蓋上面凹部で極柱ポールあるいはストラップとL字状端子とを溶接後、該凹部に封口剤を充填した蓄電池において、
前記端子に鍔状邪魔板部を設けると共に、前記邪魔板部の上面が前記封口剤の表面以上に位置することを特徴とするものである。
【0010】
端子の垂直部に鍔状邪魔板部を、その上面が封口材の表面以上になるように装着すれば、封口剤が端子の垂直部に添って這い上がるのを阻止でき、従来の技術の欄に記載したような問題点を回避できる。
【0011】
尚、鍔状邪魔板部とは、封口剤が端子に添って這い上がるのを防止するために、略水平方向に張り出した部分を有する部材の総称であり、その形状や材質、端子への装着方法等は適宜選択することができる。
【0012】
また、L字状端子とは、図1に示したL形端子や図4に示した接触式L字状端子のようなL形に近い形状を有する端子を総称している。
【0013】
【実施例】
本発明を実施例により詳細に説明する。
〔実施例〕
図5(a)、(b)、図6および図7は、本発明の実施例1の構造および効果を示す要部断面図あるいは正面図で、15は本発明の鍔状邪魔板部を示す。他の構成部材は図1あるいは図4と同じ番号を付記する。
【0014】
図5(a)は、本発明の実施例1の端子部分を拡大した正面図、(b)は断面図で、11はL形端子、15は本発明の鍔状邪魔板部をそれぞれ示す。
【0015】
図5に示す鍔状邪魔板部15は樹脂製板状体からなり、端子の垂直部の断面と同じ形状で僅かに寸法が大きい貫通孔を有しており、L形端子の垂直部に装着されている。
【0016】
図6は、本発明の実施例1の鍔状邪魔板部を有するL形端子を用いた蓄電池の要部断面図で、L形端子11の垂直部に装着された鍔状邪魔板部15の上面が中蓋凹部61に充填されたエポキシ樹脂4の表面以上に位置しているので、該邪魔板部15は、エポキシ樹脂の這い上がりを阻止しているのが理解できる。
【0017】
図7は、本発明の効果を具体的に示した要部拡大断面図で、ボルト7、ナット9の締め付け部に図3に示すような封口剤の這い上がり部41が存在しないので、リード線接続部81の曲がりや、ナット9と端子11との間の隙間がなく確実に接続されていることがわかる。
【0018】
図8は、接触式L字状端子に本発明を適用した例を示す要部断面図で、12は接触式L字状端子、15は鍔状邪魔板部を示す。他の構成部材は図1あるいは図4と同じ番号を付記する。
【0019】
図8に示すように、接触式L字状端子12の場合にも、垂直部に鍔状邪魔板部15を、その上面がエポキシ樹脂の表面以上の位置になるように装着すれば同様の効果が得られることがわかる。
【0020】
次に、通常の方法で作製された公称電圧12V、定格容量18Ah(20hR)の制御弁式鉛蓄電池を、図1に示したL形端子11を従来の方法で溶接した後、エポキシ樹脂4を中蓋凹部61に充填した蓄電池20個と、同じ内容の蓄電池で、本発明の実施例1に示した鍔状邪魔板部15を備えたL形端子11を溶接後、エポキシ樹脂を充填した蓄電池20個とを、15CA(270A)で放電し、両者の5秒目電圧の比較を行った。その結果を表1に示す。また、終止電圧6.0Vまで放電した時の両者の放電持続時間の比較結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
表1の結果が示すように、本発明品は5秒目電圧の平均値が9.7Vで、最小値が9.5Vと平均値からのずれが小さく安定しているのに対して、従来品の5秒目電圧は、平均値が9.2Vと低く、最小値も8.2Vと平均値からのずれも大きく、ばらつきが大きかった。この理由は、5秒目電圧は、端子部の抵抗を大きく受ける傾向にあり、従来品のように封口材が端子垂直部の表面に這い上がり、リード線の接続部と端子との接触が十分でないと、その部分での抵抗が大きくなり、表1に示すような低い電圧が発生したといえる。それに対して、本発明品は、リード線接続部と端子との接触が確実になされているので抵抗の高い部分が発生せず、安定した電圧を示した。
【0023】
【表2】
【0024】
表2に示すように、放電持続時間に関しても、15CA(270A)といった大電流で放電した場合、蓄電池の抵抗、この場合は、端子部の抵抗の影響が大きく、抵抗の変動によって、放電時の電圧が急激に変動し、従来品では放電持続時間が35秒と短いものが発生し、ばらつきが大きかったのに対して、本発明品は、端子部の抵抗のばらつきが少なく、放電電圧が安定しており、持続時間の平均値50秒に対して、最小値が47秒とずれが小さかった。
【0025】
以上のように、L字状端子部の垂直部に鍔状邪魔板部を設けることによって、封口剤の端子垂直部への這い上がりが阻止でき、リード線接続部と端子との接続が確実に行え、安定した高率放電性能が得られることがわかった。
【0026】
本発明のL字状端子に鍔状邪魔板部を設ける方法は、実施例1では、端子の断面と同じ形状で寸法が少し大きい貫通孔を有する樹脂製板状部を端子の垂直部に装着する方式のものを示したが、鍔状邪魔板部の機能としては、略水平方向に張り出した部分によって、L字状端子の垂直部に封口材が這い上がるのを阻止することにあり、実施例1の方式にこだわらず、図9、図10および図11に示す構造・方式の端子であっても同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0027】
図9は、実施例2を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、形状は実施例1と同じであるが端子と鍔状邪魔板部とが同じ材質で一体に形成されたもので、該端子の材質に鉛合金を用いれば、鋳造方式によって容易に作製可能である。
【0028】
図10は、実施例3を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、本方式も端子と鍔状邪魔板部とを一体に形成したもので、L形端子の垂直部の所定の高さ位置で厚みおよび幅を大きくして鍔状邪魔板部の機能を持たせたものである。
【0029】
図11は、実施例4を示す要部断面図(a)および正面図(b)で、端子の垂直部の所定の高さ位置で、該垂直部の周囲に沿って凹部を設け、鍔状邪魔板部の機能を持たせたものである。
【0030】
本発明の実施例では、制御弁式鉛蓄電池について説明したが、本発明は鉛蓄電池に限定するものでなく、端子部を溶接すると共に、エポキシ樹脂等の封口剤で封口する構造の蓄電池であれば本発明を適用すれば同様の効果が得られるのはいうまでもない。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳述したように、蓄電池蓋上面凹部でストラップあるいは極柱とL字状端子とを溶接・接合した後、該凹部をエポキシ樹脂等の封口剤で封口する蓄電池において、前記封口剤が表面張力により端子の垂直部に這い上がり、リード線接続部等を取り付けた場合に、端子との間に隙間が生じて、その部分での電気抵抗が高くなったり、大電流放電でスパークが発生したり、あるいは、それを改善するためにナットを締め付けすぎると這い上がり部が破断して気密が失われるといった問題を抱えていたのに対して、端子の垂直部に鍔状邪魔板部を設けることによってその問題が解決され、特に大電流で放電した際に安定した蓄電池性能が得られ、その工業的効果が極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のL形端子を用いた蓄電池の要部断面図。
【図2】従来のL形端子の要部拡大断面図。
【図3】従来のL形端子にリード線接続部をボルト、ナットで締め付けた状態を示す要部断面図。
【図4】従来の接触式L字状端子にリード線接続部(リセプタクル)を嵌合した状態を示す要部断面図。
【図5】実施例1のL形端子を示す正面図(a)および断面図(b)。
【図6】実施例1を蓄電池に適用した状態を示す要部断面図。
【図7】実施例1による本発明の効果を示す要部断面図。
【図8】接触式L字状端子に実施例1を適用した状態を示す要部断面図。
【図9】本発明の実施例2を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【図10】本発明の実施例3を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【図11】本発明の実施例4を示す端子の要部断面図(a)および正面図(b)。
【符号の説明】
11 L形端子
12 接触式L字状端子
2 ストラップ
3 極柱ポール
4 エポキシ樹脂
41 エポキシ樹脂の這い上がり部
6 中蓋
61 中蓋に設けた凹部
81 L形端子に対応するリード線接続部
82 接触式L字状端子に対応するリード線接続部
15 本発明の鍔状邪魔板部
Claims (1)
- 蓄電池蓋上面凹部で極柱ポールあるいはストラップとL字状端子とを溶接後、該凹部に封口剤を充填した蓄電池において、
前記端子に鍔状邪魔板部を設けると共に、前記邪魔板部の上面が前記封口剤の表面以上に位置することを特徴とする蓄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003040952A JP2004253203A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 蓄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003040952A JP2004253203A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 蓄電池 |
Publications (1)
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---|---|
JP2004253203A true JP2004253203A (ja) | 2004-09-09 |
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ID=33024661
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2003040952A Pending JP2004253203A (ja) | 2003-02-19 | 2003-02-19 | 蓄電池 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004253203A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014060019A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Gs Yuasa Corp | 鉛蓄電池、鉛蓄電池の端子封止部用カバー部材、鉛蓄電池の端子封止方法 |
CN105679990A (zh) * | 2016-03-28 | 2016-06-15 | 漳州市华威电源科技有限公司 | 一种蓄电池 |
CN114865237A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-08-05 | 常州瑞德丰精密技术有限公司 | 一种复合极柱成型工艺 |
-
2003
- 2003-02-19 JP JP2003040952A patent/JP2004253203A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014060019A (ja) * | 2012-09-18 | 2014-04-03 | Gs Yuasa Corp | 鉛蓄電池、鉛蓄電池の端子封止部用カバー部材、鉛蓄電池の端子封止方法 |
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CN114865237A (zh) * | 2022-05-12 | 2022-08-05 | 常州瑞德丰精密技术有限公司 | 一种复合极柱成型工艺 |
CN114865237B (zh) * | 2022-05-12 | 2024-02-13 | 常州瑞德丰精密技术有限公司 | 一种复合极柱成型工艺 |
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