JP2004253035A - ディスクドライブ品質監視システム、方法、プログラム - Google Patents

ディスクドライブ品質監視システム、方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】利用者コンピュータのOS、CPUに対する負荷を軽減し、新たな記憶領域を不要とし、試験実施による負荷をも軽減することができるディスクドライブ品質監視システム、ディスクドライブ品質監視方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】利用者コンピュータ10と、利用者コンピュータ10のディスクドライブ14の品質状態を監視する監視サーバ20と、利用者コンピュータ10を管理運用する運用管理者端末30とをネットワーク100を介して接続し、ディスクドライブ14にスマート情報格納部141を設け、ディスクドライブ14の品質監視をスマート情報格納部141を利用し、エラーの発生検出や記憶をディスクドライブ内部で行い、また、スマート情報格納部141から得られた品質情報の数値により必要な試験のみを行う。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクドライブ品質監視システム、ディスクドライブ品質監視方法、およびプログラムに関し、特に、ディスクドライブの品質状態を監視し、良好な稼動状態を保持するための予防診断と故障発生時の速やかな保守修理を行うことのできるディスクドライブ品質監視シセテム、ディスクドライブ品質監視方法、およびプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスクドライブ(ハードディスク:HDD)は、コンピュータの重要な外部記憶装置であり、記憶されているデータ容量も非常に大きく、ディスクドライブに故障が発生するとデータが消失するため、利用者の損害が極めて重大である故、ディスクドライブの品質状況を把握して、良好な運用状態に保持することが重要となってくる。
【0003】
従来のディスクドライブの品質状況確認方法は、磁気ディスク表面に対する書き込み/読み出し試験、磁気ヘッド位置を指定した位置に移動させる試験などを組み合わせて行う方法が一般的であるが、この方法を実施することは、ディスクドライブに高い負荷を加えるため、利用者がコンピュータの使用時に並行して試験を行うことは困難であり、また、最近のディスクドライブの大容量化により、書き込み/読み出し試験は、ディスクドライブの記憶容量に比例して長時間(数十分から数時間)を要するため、定期的な試験を行うことは利用者の大きな負担になる。
【0004】
そこで、コンピュータのディスクドライブの障害予測方法として、エラー項目の累積値をエラー記憶領域に蓄積し、予め設定した閾値と比較する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
上記技術は、エラーを検出するためにディスクドライブは、OS(オペレーティングシステム)に対してエラー発生を通知する必要がある。
【0006】
しかし、現在一般に使用されるコンピュータ用ディスクドライブは、軽微なエラー発生の場合にはディスクドライブに組み込まれたプログラムにより、リトライが実行され、OSに対してエラーを通知しないため、OSがエラーを検出することができない。
【0007】
また、エラー発生の都度、OSに対してエラー通知を行えるディスクドライブであっても、その処理を行うために、OSやCPU(Central Processor Unit)の負荷を増加させることになる。
【0008】
さらに、エラー累積値を格納するための記憶領域が新たに必要になる。
【0009】
【特許文献1】
特開平07−296070号広報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来のディスクドライブの品質状況確認方法は、ディスクドライブに高い負荷を与え、利用者がコンピュータの使用時に並行して試験を行うことができず、また、書き込み/読み出し試験は、ディスクドライブの記憶容量に比例した時間を要するため、定期的な試験を行うことは利用者の大きな負担になるという課題がある。
【0011】
特許文献1記載の技術は、ディスクドライブは、OSに対してエラー発生を通知する必要があるが、一般に現在のコンピュータ用のディスクドライブは、軽微なエラー発生の場合、ディスクドライブに組み込まれたプログラムにより、リトライが実行され、OSに対してエラーを通知しないため、OSがエラーを検出することができず、また、エラー発生の都度、OSに対してエラー通知を行えるディスクドライブの場合、その処理を行うために、OSやCPUの負荷を増加させ、さらに、エラー累積値を格納するための記憶領域が新たに必要になるという課題がある。
【0012】
本発明の目的は、上記課題を解決すべく、ディスクドライブの品質監視をディスクドライブのスマート(SMART:Self Monitoring and Reporting Technology)機能を利用し、エラーの発生検出や記憶をディスクドライブ内部で行うことにより、OS、CPUに対する負荷を軽減し、新たな記憶領域を不要とし、また、スマート機能から得られた値により該当する試験のみを行うことで、試験の負荷を最小にすることができるディスクドライブ品質監視システム、ディスクドライブ品質監視方法、およびプログラムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のディスクドライブ品質監視システムは、顧客の利用者コンピュータと、利用者コンピュータのディスクドライブの品質状態を監視する監視サーバと、監視サーバとの間で送受信を行い利用者コンピュータを管理運用する運用管理者端末とをネットワークで接続し、ディスクドライブのメインテナンスを行うディスクドライブ品質監視システムであって、ディスクドライブは、スマート機能の品質情報を格納するスマート情報格納部を有し、利用者コンピュータは、ネットワークを介して監視サーバと情報の送受信を行うネットワークカードと、ネットワークカードとディスクドライブとの間での情報の送受信を制御する送受信制御部とを有し、監視サーバは、利用者コンピュータから送信される情報の格納を行う品質情報データベースと、ディスクドライブの型番ごとの品質判定基準を格納する判定基準データベースと、追加試験用ソフトウェアを格納する試験用ソフトウェアデータベースとを有することを特徴とする。
【0014】
送受信制御部は、スマート情報格納部から品質情報の読み出し指示を行う読み出し指示機能と、スマート機能の品質情報を読み出しネットワークカードへ送信する送信機能と、ディスクドライブの障害を検出する障害検出機能とを有することを特徴とする。
【0015】
スマート機能の品質情報は、ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、内容項目に対応して、ディスクドライブの起動時に更新される現在値と、ディスクドライブが稼動中に更新され稼動時の品質状態を示す生データと、ディスクドライブの生産時または初稼動時に設定される初期値とを有することを特徴とする。
【0016】
現在値は、ディスクドライブの品質状態が劣化すると値が減算され、品質が悪いほど小さい値となり、生データは、ディスクドライブの品質状態が劣化すると大きい値となることを特徴とする。
【0017】
監視サーバは、利用者コンピュータから受信した品質情報と品質判定基準とを比較し、処置内容または追加試験用ソフトウェアを決定する機能と、追加試験用ソフトウェアを利用者コンピュータに送信する機能と、利用者コンピュータを識別する管理番号と処置内容または追加試験用ソフトウェアとを運用管理者端末へ送信する機能とを有することを特徴とする。
【0018】
品質情報データベースは、品質情報と追加試験の結果と処置内容とを有することを特徴とする。
【0019】
判定基準データベースは、現在値判定基準と生データ判定基準とを有し、現在値判定基準と生データ判定基準とは、共に、ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、内容項目に対応して、保守処置を必要とする処置必要値と、追加試験を行う必要がある追加試験必要値と、処置内容と、追加試験用ソフトウェアとを有することを特徴とする。
【0020】
運用管理者端末は、監視サーバから利用者コンピュータを識別する管理番号と処置内容または追加試験用ソフトウェアとを受信後、利用者コンピュータに対して保守処置を実施すると共に実施した保守処置内容を監視サーバに送信することを特徴とする。
【0021】
本発明のディスクドライブ品質監視方法は、複数の顧客の利用者コンピュータと、利用者コンピュータのディスクドライブの品質状態を監視する監視サーバと、監視サーバとの間で送受信を行い利用者コンピュータを管理運用する運用管理者端末とをネットワークで接続し、ディスクドライブのメインテナンスを行うディスクドライブ品質監視方法であって、ディスクドライブのスマート情報格納部から読み出した品質情報を監視サーバ送信するステップと、監視サーバは、利用者コンピュータから受信した品質情報と判定基準データベースに格納された品質判定基準とを比較し、処置内容または追加試験用ソフトウェアを決定するステップと、追加試験用ソフトウェアを利用者コンピュータに送信するステップと、利用者コンピュータを識別する管理番号と処置内容または追加試験用ソフトウェアとを運用管理者端末へ送信するステップとを有することを特徴とする。
【0022】
スマート情報は、ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、内容項目に対応して、ディスクドライブの起動時に更新される現在値と、ディスクドライブが稼動中に更新され稼動時の品質状態を示す生データと、ディスクドライブの生産時または初稼動時の初期値とを有することを特徴とする。
【0023】
現在値は、ディスクドライブの品質状態が劣化すると値が減算され、品質が悪いほど小さい値となり、生データは、ディスクドライブの品質状態が劣化すると大きい値となることを特徴とする。
【0024】
判定基準データベースは、現在値判定基準と、生データ判定基準とを有し、現在値判定基準と生データ判定基準とは、共に、ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、内容項目に対応して、保守処置を必要とする処置必要値と、追加試験を行う必要がある追加試験必要値と、処置内容と、追加試験用ソフトウェアとを有することを特徴とする。
【0025】
運用管理者端末は、利用者コンピュータに対して保守処置を実施すると共に実施した保守処置内容を監視サーバに送信するステップを有することを特徴とする。
【0026】
本発明のプログラムは、コンピュータにディスクドライブ内のスマート情報格納部から品質情報の読み出し指示を行う読み出し指示機能、読み出した品質情報をネットワークカードへ送信する送信機能、ディスクドライブの障害を検出する障害検出機能、利用者コンピュータから受信した品質情報と品質判定基準とを比較して処置内容または追加試験用ソフトウェアを決定する機能、追加試験用ソフトウェアを利用者コンピュータに送信する機能、利用者コンピュータを識別する管理番号と処置内容または追加試験用ソフトウェアとを運用管理者端末へ送信する機能を実現させることを特徴とする。
【0027】
【発明の実施の形態】
次に、本発明のディスクドライブ品質監視システムの一実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本発明のディスクドライブ品質監視システム1の一実施の形態を示す概略構成ブロック図、図2は、図1中の利用者コンピュータ10の概略構成ブロック図、図3(a)、(b)は、品質情報の一例を示す図、図4(a)、(b)は、監視サーバ20から運用管理者端末30へ送信する通知内容の一例を示す図、図5(a)、(b)は、処置判定基準の一例を示す図である。
【0029】
図1、図2を参照すると、ディスクドライブ品質監視システム1は、顧客の利用者コンピュータ10と、利用者コンピュータ10のディスクドライブ14の品質状態を監視する監視サーバ20と、監視サーバ20との間で送受信を行い利用者コンピュータ10を管理運用する運用管理者端末30とをインターネットなどのネットワーク100を介して接続して構成され、利用者コンピュータ10は、ネットワークを100介して監視サーバ20と情報の送受信を行うネットワークカード13と、ネットワークカード13とディスクドライブ14との間での情報の送受信を制御する送受信制御部12と、ディスクドライブ14に設けられるスマート機能の品質情報を格納するスマート情報格納部141を備え、監視サーバ20は、利用者コンピュータ10から送信される情報の格納を行う品質情報データベース21と、ディスクドライブ14の型番ごとの品質判定基準を格納する判定基準データベース22と、ディスクドライブ14の型番ごとの追加試験用ソフトウェアを格納する試験用ソフトウェアデータベース23とを設けて構成され、品質情報データベース21は、品質情報と追加試験の結果と処置内容63と備えて構成される。
【0030】
なお、スマート機能は、SMART(Self Monitoring and Reporting Technology)機能の略で、アメリカ規格協会(ANSI)がコンピュータに用いられるディスクドライブ(HDD:ハードディスク)のうち、ATA(AT Attachment)と呼ばれるディスクドライブの種類について規格化したもので、ディスクドライブの品質情報などを数値として報告する機能を有しており、ディスクドライブに予め組み込まれていて、ハードディスクインターフェイスを通じて品質情報を読み出すことができるものである。
【0031】
送受信制御部12は、スマート情報格納部141から品質情報の読み出し指示を行う読み出し指示機能121と、スマート機能の品質情報を読み出しネットワークカード13へ送信する送信機能122と、ディスクドライブ14の障害を検出する障害検出機能123とで構成される。
【0032】
監視サーバ20は、利用者コンピュータ10から受信した品質情報と判定基準データベース22に格納されている品質判定基準とを比較し、処置内容63または追加試験用ソフトウェア64を決定する処置決定機能25と、追加試験用ソフトウェア64を利用者コンピュータ10に送信し、利用者コンピュータ10を識別する管理番号51と処置内容63または追加試験用ソフトウェア64とを運用管理者端末30へ送信する送信機能26とを有し、品質情報データベース21は、品質情報と追加試験の結果と処置内容63とを有して構成される。
【0033】
図3(a)、(b)を参照すると、スマート情報格納部141の品質情報は、ディスクドライブ14の品質に寄与する項目名41と、項目名41の内容に対応して、ディスクドライブ14の起動時に更新される現在値43と、ディスクドライブ14が稼動中に更新され稼動時の品質状態を示す生データ44と、ディスクドライブ14の生産時または初稼動時の初期値42と、品質が悪化した場合の推定原因45とで構成される。
【0034】
なお、初期値42は、ディスクドライブ14のメーカが生産時または初稼動時に設定する値で、一般には100、200、253などの数値が設定されており、現在値43は、ディスクドライブ14が前回電源投入されていたときの各項目名41の品質状態により初期値42から値が減算されていく値であり、初期値42を最大値とする指数であり、例えば、図3(a)、(b)では、項番1の初期値42は100で、現在値43が98であり、前回の稼動状態で品質が2だけ悪化していることを表す。
【0035】
減算方法は、例えば、エラー発生数を逆対数で求める方法などがあるが、ディスクドライブ14によりその方法は異なる。
【0036】
図5(a)、(b)を参照すると、判定基準データベース22は、現在値判定基準60と生データ判定基準70とを有し、現在値判定基準60と生データ判定基準70とは、共に、ディスクドライブ14の品質に寄与する項目名41と、項目名41の内容に対応して、保守処置を必要とする処置必要値61、71と、追加試験を行う必要がある追加試験必要値62、72と、処置内容63、73と、追加試験用ソフトウェア64とを有して構成される。
【0037】
次に、上述のように構成された、ディスクドライブ品質監視システム1の動作について、図面を参照して説明する。
【0038】
図6は、本発明のディスクドライブ品質監視システム1の動作を示すフローチャートである。
【0039】
図6を参照すると、まず、利用者コンピュータ10は、ディスクドライブ14のスマート情報格納部141から品質情報を読み出し、読み出した情報を利用者コンピュータ10の稼動中の一定期間(例えば、1時間間隔)ごとに監視サーバ20にネットワーク100を介して送信する(ステップ11)。
【0040】
このとき、ディスクドライブ14に障障が発生している際(スマート情報格納部141に対して品質情報の読み出し指示を出しても応答が無いとき、障害検出機能123により、障害発生と判定したとき)、障害が発生したことを同時に監視サーバ20に当てて送信する。
【0041】
品質情報を受信した監視サーバ20は、利用者コンピュータ10の管理番号51(利用者コンピュータ10に使用されているディスクドライブ14の型番、シリアル番号を含む)からディスクドライブ14の型番に該当する判定基準を判定基準DB(データベース)22から読み出し、利用者コンピュータ10から受信したディスクドライブ14の品質情報の値と、現在値判定基準60または生データ判定基準70に示す値とを比較し、処置の要否、または追加試験の要否の何れかを判定する(ステップ21)。
【0042】
判定の結果が追加試験必要となった場合、監視サーバ20は、利用者コンピュータ10に対し、判定基準に従って追加試験用ソフトウェア64を送信する(ステップ22)。
【0043】
利用者コンピュータ10は、受信した追加試験用ソフトウェア64を実行し(ステップ12)、実行後、試験結果を監視サーバ20に送信し(ステップ13)、監視サーバ20は、受信した試験結果を判定し(ステップ23)、判定の結果、処置必要、追加試験の結果に不具合項目がある場合、または利用者コンピュータ10からの情報に障害発生が通知されている場合は、運用管理者端末30に対して、必要な処置指示の送信を行う(ステップ24)。
【0044】
運用管理者端末30に送信される情報は、図4(a)、(b)に示されるように、コンピュータ管理番号51と、各項目名41に対する初期値42、現在値43、生データ44、判定46の結果必要と判定された処置が表示される。
【0045】
運用管理者端末30は、監視サーバ20から処置の指示を受信し、運用管理担当者は、該当する利用者コンピュータ10に対して、必要な処置を実施し(ステップ31)、監視サーバ20から送信された品質状況47にディスクドライブ14の障害が通知されている場合は、ディスクドライブ14の交換を実施し、その処置内容を監視サーバ20に送信する(ステップ32)。
【0046】
最後に、監視サーバ20は、判定の結果、処置結果を品質情報データベース21に格納し(ステップ25)、処理を終了するが、上記(ステップ21)で判定の結果、追加試験不要のとき、および、(ステップ23)で追試結果が良好で処置不要のとき、上記(ステップ25)に進み、処理を終了する。
【0047】
次に、ディスクドライブ品質監視システム1の品質判定方法の具体例について、図3〜図5を参照して説明する。
【0048】
利用者コンピュータ10から送信されてきた品質情報が図1(a)であった場合(稼動開始時に現在値43に品質低下が発生したとき)、図5(a)に示す現在値判定基準60は、各々の項目名41における現在値43が、処置必要値61または追加試験必要値62の数値以下か否かで判定され、図5(b)に示す生データ判定基準70は、各々の生データ44が、処置必要値71または追加試験必要値72の数値以上か否かで判定される。
【0049】
例えば、図3(a)を参照すると、ディスクドライブ14の稼動開始時に現在値43に不具合が発生した一例で、項番5の現在値43が86(図3(a)中のA参照)の場合、図5(a)の現在値判定基準60の項番5の追加試験必要値62の値が100(図5(a)中のA参照)以下なので、図5(a)の現在値判定基準60の追加試験ソフトウェア64欄のテストモジュールB(図5(a)中のB参照)による追加試験が必要と判定される。
【0050】
また、図3(b)を参照すると、ディスクドライブ14の稼動中に生データ44に不具合が発生した一例で、項番10の生データ44の値が3250で(図3(b)中のC参照)、図5(b)の生データ判定基準70の項番10の処置必要値71の値の1500(図5(b)中のC参照)以上のため、ディスクドライブ14交換(図5(b)中のD参照)が必要と判定される。
【0051】
判定された結果は、ディスクドライブ14の稼動開始時に現在値43に不具合が発生したときは図4(a)に示す内容で、ディスクドライブ14の稼動中に生データ44に不具合が発生したときは、図4(b)に示す内容で運用管理者端末30へ通知される。
【0052】
運用管理者端末30が通知を受信すると、担当保守員は、処置必要判定(図4(b)中のD参照)に従って、利用者コンピュータ10に対して必要な処置を施すことができ、追加試験(図4(a)中のB参照)については、監視サーバ20からの指示により自動的に利用者コンピュータ10に対して追加試験を実行させることになる。
【0053】
なお、ディスクドライブ14の品質に影響を与える各項目名41の稼動品質状況を統計情報として利用し、その統計情報を工場の技術、生産、品質管理部門にフィードバックし、工場では、その情報を活用することになる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスクドライブ品質監視システムは、利用者コンピュータからディスクドライブの稼動品質情報を収集する際、ディスクドライブに組み込まれたスマート情報を利用しているため、利用者コンピュータに与える監視負荷を低くでき、監視頻度を高く(監視周期を短く)して品質状況の即時性を高めることができ、読み取り不可能となるリードエラーなどのディスクドライブの障害が発生することを事前に察知し、対処できる可能性を高めることができるという効果がある。
【0055】
また、運用管理担当者は、利用者コンピュータのディスクドライブの障害が発生した場合、ディスクドライブの型番などの保守修理に必要な情報を予め把握できており、良好な運用状態を保持するための処置内容、処置要否判定が自動化されているため、修理用保守部品の準備、保守処置に迅速な対応ができるという効果がある。
【0056】
さらに、ディスクドライブの稼動状態の品質監視を、稼動開始時と稼動中の2通りで行うため、利用者が使用中の時間帯におけるディスクドライブの品質状況を完全に監視することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスクドライブ品質監視システムの一実施の形態を示す概略構成ブロック図である。
【図2】図1中の利用者コンピュータの概略構成ブロック図である。
【図3】図3(a)は、現在値に不具合が発生したときの品質情報の一例を示す図、図3(b)は、生データに不具合が発生したときの品質情報の一例を示す図である。
【図4】図4(a)は、現在値に不具合が発生したとき、監視サーバから運用管理者端末へ送信する通知内容の一例を示す図、図4(b)は、生データに不具合が発生したとき、監視サーバから運用管理者端末へ送信する通知内容の一例を示す図である。
【図5】図5(a)は、現在値判定基準の一例を示す図、図5(b)は、生データ判定基準の一例を示す図である。
【図6】本発明のディスクドライブ品質監視システムの動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 ディスクドライブ品質監視システム
10 利用者コンピュータ
12 送受信制御部
121 読み出し指示機能
122 送信機能
123 障害検出機能
13 ネットワークカード
14 ディスクドライブ
141 スマート情報格納部
20 監視サーバ
21 品質情報データベース
22 判定基準データベース
23 試験用ソフトウェアデータベース
25 処置決定機能
26 送信機能
30 運用管理者端末
41 項目名
42 初期値
43 現在値
44 生データ
45 推定原因
46 判定
47 品質状況
51 コンピュータ管理番号
60 現在値判定基準
61、71 処置必要値
62、72 追加試験必要値
63、73 処置内容
64 追加試験用ソフトウェア
70 生データ判定基準

Claims (14)

  1. 顧客の利用者コンピュータと、前記利用者コンピュータのディスクドライブの品質状態を監視する監視サーバと、前記監視サーバとの間で送受信を行い前記利用者コンピュータを管理運用する運用管理者端末とをネットワークで接続し、前記ディスクドライブのメインテナンスを行うディスクドライブ品質監視システムであって、前記ディスクドライブは、スマート機能の品質情報を格納するスマート情報格納部を有し、前記利用者コンピュータは、前記ネットワークを介して前記監視サーバと情報の送受信を行うネットワークカードと、前記ネットワークカードと前記ディスクドライブとの間での情報の送受信を制御する送受信制御部とを有し、前記監視サーバは、前記利用者コンピュータから送信される情報の格納を行う品質情報データベースと、前記ディスクドライブの型番ごとの品質判定基準を格納する判定基準データベースと、追加試験用ソフトウェアを格納する試験用ソフトウェアデータベースとを有することを特徴とするディスクドライブ品質監視システム。
  2. 前記送受信制御部は、前記スマート情報格納部から品質情報の読み出し指示を行う読み出し指示機能と、前記スマート機能の品質情報を読み出し前記ネットワークカードへ送信する送信機能と、前記ディスクドライブの障害を検出する障害検出機能とを有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  3. 前記スマート機能の品質情報は、前記ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、前記内容項目に対応して、前記ディスクドライブの起動時に更新される現在値と、前記ディスクドライブが稼動中に更新され稼動時の品質状態を示す生データと、前記ディスクドライブの生産時または初稼動時に設定される初期値とを有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  4. 前記現在値は、前記ディスクドライブの品質状態が劣化すると値が減算され、品質が悪いほど小さい値となり、前記生データは、前記ディスクドライブの品質状態が劣化すると大きい値となることを特徴とする請求項3記載のディスクドライブ品質監視システム。
  5. 前記監視サーバは、前記利用者コンピュータから受信した品質情報と前記品質判定基準とを比較し、処置内容または前記追加試験用ソフトウェアを決定する機能と、前記追加試験用ソフトウェアを前記利用者コンピュータに送信する機能と、前記利用者コンピュータを識別する管理番号と前記処置内容または前記追加試験用ソフトウェアとを前記運用管理者端末へ送信する機能とを有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  6. 前記品質情報データベースは、品質情報と追加試験の結果と処置内容とを有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  7. 前記判定基準データベースは、現在値判定基準と生データ判定基準とを有し、前記現在値判定基準と前記生データ判定基準とは、共に、前記ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、前記内容項目に対応して、保守処置を必要とする処置必要値と、追加試験を行う必要がある追加試験必要値と、処置内容と、前記追加試験用ソフトウェアとを有することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  8. 前記運用管理者端末は、前記監視サーバから前記利用者コンピュータを識別する管理番号と処置内容または前記追加試験用ソフトウェアとを受信後、前記利用者コンピュータに対して保守処置を実施すると共に実施した前記保守処置内容を前記監視サーバに送信することを特徴とする請求項1記載のディスクドライブ品質監視システム。
  9. 複数の顧客の利用者コンピュータと、前記利用者コンピュータのディスクドライブの品質状態を監視する監視サーバと、前記監視サーバとの間で送受信を行い前記利用者コンピュータを管理運用する運用管理者端末とをネットワークで接続し、前記ディスクドライブのメインテナンスを行うディスクドライブ品質監視方法であって、前記ディスクドライブのスマート情報格納部から読み出した品質情報を前記監視サーバ送信するステップと、前記監視サーバは、前記利用者コンピュータから受信した品質情報と判定基準データベースに格納された品質判定基準とを比較し、処置内容または追加試験用ソフトウェアを決定するステップと、前記追加試験用ソフトウェアを前記利用者コンピュータに送信するステップと、前記利用者コンピュータを識別する管理番号と前記処置内容または前記追加試験用ソフトウェアとを前記運用管理者端末へ送信するステップとを有することを特徴とするディスクドライブ品質監視方法。
  10. 前記スマート情報は、前記ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、前記内容項目に対応して、前記ディスクドライブの起動時に更新される現在値と、前記ディスクドライブが稼動中に更新され稼動時の品質状態を示す生データと、前記ディスクドライブの生産時または初稼動時の初期値とを有することを特徴とする請求9記載のディスクドライブ品質監視方法。
  11. 前記現在値は、前記ディスクドライブの品質状態が劣化すると値が減算され、品質が悪いほど小さい値となり、前記生データは、前記ディスクドライブの品質状態が劣化すると大きい値となることを特徴とする請求項10記載のディスクドライブ品質監視方法。
  12. 前記判定基準データベースは、現在値判定基準と、生データ判定基準とを有し、前記現在値判定基準と前記生データ判定基準とは、共に、前記ディスクドライブの品質に寄与する内容項目と、前記内容項目に対応して、保守処置を必要とする処置必要値と、追加試験を行う必要がある追加試験必要値と、処置内容と、前記追加試験用ソフトウェアとを有することを特徴とする請求項9記載のディスクドライブ品質監視方法。
  13. 前記運用管理者端末は、前記利用者コンピュータに対して保守処置を実施すると共に実施した前記保守処置内容を前記監視サーバに送信するステップを有することを特徴とする請求項9記載のディスクドライブ品質監視方法。
  14. コンピュータにディスクドライブ内のスマート情報格納部から品質情報の読み出し指示を行う読み出し指示機能、読み出した品質情報をネットワークカードへ送信する送信機能、前記ディスクドライブの障害を検出する障害検出機能、利用者コンピュータから受信した品質情報と品質判定基準とを比較して処置内容または追加試験用ソフトウェアを決定する機能、前記追加試験用ソフトウェアを前記利用者コンピュータに送信する機能、前記利用者コンピュータを識別する管理番号と前記処置内容または前記追加試験用ソフトウェアとを運用管理者端末へ送信する機能を実現させるためのプログラム。
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