JP2004252205A - 表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】投影型の表示装置において、より明るい投影像を得ること。
【解決手段】照明光を出射する照明装置11を、自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、第1の方向が第2の方向よりNAが大きいように構成し、また、光変調素子であるDMD(商標)13を、自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、X方向よりY方向で大きなNAの入射光を光変調可能なように構成し、そのようなDMD(商標)13の前記X方向に、前記第2の方向が対応するように前記照明装置11を配置する。
【選択図】 図1
【解決手段】照明光を出射する照明装置11を、自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、第1の方向が第2の方向よりNAが大きいように構成し、また、光変調素子であるDMD(商標)13を、自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、X方向よりY方向で大きなNAの入射光を光変調可能なように構成し、そのようなDMD(商標)13の前記X方向に、前記第2の方向が対応するように前記照明装置11を配置する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調素子に入射する照明光を生成する照明装置、及びそのような光変調素子からの出射光を投影光学系によって投影する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投影型の表示装置の光変調素子には、透過液晶、反射液晶、DMD((デジタルマイクロミラーデバイス)の商標で知られる鏡面偏向型光変調器。このDMD(商標)の詳細については、例えば、特許文献1の段落[0026]や特許文献2の第5頁第23行目乃至第6頁第6行目を参照。)等のミラーデバイス、などが使用され、そのような光変調素子を照明する照明装置の光源には、高圧水銀ランプなどが使われている。
【0003】
その中でも、DMD(商標)等のミラーデバイスを使用した表示装置は、1枚のDMD(商標)でカラー画像を投影する上で小型化可能であることから、近年、急速に増えてきている。
【0004】
そのDMD(商標)を使用した従来の表示装置の構成を、図11の(A)及び(B)に示す。即ち、従来の表示装置は、ランプ1、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4、などの各種NA変換可能な光学素子と、DMD(商標)5、投影レンズ6、及び図示しないスクリーンで構成される。これは、楕円リフレクタ2の第1の焦点位置にランプ1を配置し、楕円リフレクタ2の第2の焦点にインテグレータロッド3の入射端を配置したものである。更に、インテグレータロッド3の出射端で均一化した拡散面を形成し、照明レンズ4によりDMD(商標)5の変調面に前記拡散面が結像するようにしたものである。
【0005】
図11の(B)では、DMD(商標)5のミラー5Aへの入射光の入射最大光線角度を入射NAと表記するものとし、X方向のNAをθxとし、Y方向のNAをθyとして、その関係を示している。
【0006】
図11の(A)に示す表示装置の構成において、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4の各NA変換可能な光学素子は、該光学素子の主光軸を1つの軸上に配置して、該軸とそれに垂直で各々が垂直な2つの方向で同一構造、形状としている。それによって、図11の(B)で説明したX方向とY方向とで入射NAは、θx=θyとなっている。
【0007】
このように、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4などに加え、配光特性の異方設計可能なランプ1などの光源も含めた光学要素は、X―Y面方向に対応した方向において、0度の際の形状と90度回転させた形状とが異ならない形状で構成するようにしていた。
【0008】
また、インテグレータロッド3に代えて、図11の(C)に示すように、複数のコンデンサレンズ及び平面ミラーにより光路を曲げて、DMD(商標)5へ照明光を導くようにした照明装置を使用した表示装置も知られている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−32278号公報
【0010】
【特許文献2】
国際公開第WO98/29773号公報
【0011】
【特許文献3】
特許第3121843号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の表示装置の構成では、例えば、図11の(A)及び(B)で示したランプ1、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4、などの各種NA変換可能な光学要素が、該光学素子の主光軸を1つの軸上に配置して、該軸とそれに垂直な面上で各々が垂直な2つの方向で同一構造、形状であるようにしていた。この意味は、主光軸を中心に所定の角度の際の形状とそれを90度回転させた形状とが同一であることを意味する。
【0013】
そのために、図11の(A)及び(B)で示すように、DMD(商標)に入射する光の前記入射NAは、前記2つの方向で同じ大きさとなる。
【0014】
同様に、図11の(C)に示すような表示装置の構成では、DMD(商標)5に照明する照明装置を構成する各NA変換可能な光学素子は、前記2つの方向で同一形状で記載され、各主光軸を中心とした点対称な形状、主に円形、正方形で構成されている。
【0015】
また、DMD(商標)5などのミラー5Aに入射する照明光がミラー5Aで反射した出射光は、ミラー5Aの偏向によって、図11の(D)及び(E)に示すように、オン光とオフ光の2つの光路に切り替えられるが、そのオン光は、オフ光と分離可能にし、且つ、DMD(商標)5に集光させるための前記光学素子に照射するなどオン光が遮られないようにすることが、明るく、コントラストの高い投影像を得るのに好ましい。
【0016】
そのために、DMD(商標)5などのミラー5Aに入射する光は、ミラー5Aの偏向方向における前記入射NAを制限する必要が生じる。
【0017】
即ち、DMD(商標)5などのミラーデバイスのミラー5Aに入射する光の前記入射NAは、前記2つの方向で同じ大きさであることと、ミラー5Aの偏向方向における前記制限とによって、投影に関わる照明光量が限定され、明るくできないという課題があった。
【0018】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、このように投影に関わる照明光量が制限され、明るい投影表示ができないという課題に着目しそれを解決し、より明るい投影像を得ることができる照明装置、及び、その照明装置を搭載した表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による表示装置は、
自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、前記第1の方向が前記第2の方向よりNAが大きい異方性照明手段と、
自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、前記X方向より前記Y方向で大きなNAの入射光を光変調可能な光変調素子(DMD(商標)など)と、
を備え、
前記異方性照明手段は、前記光変調素子の前記X方向に前記第2の方向が(前記Y方向に前記第1の方向が)対応するように配置したことを特徴とする。
【0020】
この構成は、図1乃至図7に対応するものである。
即ち、請求項1に記載の発明の表示装置によれば、従来の装置と比較して、光変調素子のY方向に、より多くのNAを入射可能となり、より明るい表示を得ることができる。
また、目標の明るさが得られる光源の場合には、光量を下げても同じ明るさの表示を得ることができ、高効率に、より低消費、熱の発生の防止などが得られる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、前記光変調素子は、少なくとも1つのミラーを所定の偏向方向に偏向することで前記異方性光学手段が出射した照明光を光変調をするミラーデバイス(DMD(商標)など)であることを特徴とする。
【0022】
この構成は、図1の(A)乃至(D)に対応するものである。
即ち、請求項2に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記光変調素子がDMD(商標)などのミラーデバイスであるので、小型化が可能であるという効果を有する。
【0023】
また、請求項3に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、拡散光を発光する発光体を複数備え、
該発光体は、前記第2の方向よりも前記第1の方向に多数配置されている、
ことを特徴とする。
【0024】
この構成は、図7に対応するものである。
即ち、請求項3に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、第2の方向より第1の方向に多数の発光体を配置することで、更に、明るい表示を得ることができる。また、NAが小さい場合には、発光体の多数配置は、必ずしも有効に光を利用できないが、Y方向により大きなNAを許容できるために、発光体の複数は配置であっても効率良い表示が得られる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、前記異方性照明手段は、少なくとも異方性光学素子を含むことを特徴とする。
【0026】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び、図2乃至図5に対応するものである。
即ち、請求項4に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なった出射光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、その焦点位置に前記光変調素子を配置したケーラー照明光学方式である、
ことを特徴とする。
【0028】
この構成は、図2及び図4に対応するものである。
即ち、請求項5に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なった位置で出射された光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、前記光変調素子と結像関係にある位置近傍に前記異方性光学素子の出射面を配置したクリティカル照明光学方式である、
ことを特徴とする。
【0030】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、図3、及び図5に対応するものである。
即ち、請求項6に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0031】
また、請求項7に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、
拡散光を発光する半導体発光素子(LED)と、
前記第1の方向より前記第2の方向で集光力の強い異方形状レンズと、
からなることを特徴とする。
【0032】
この構成は、図5に対応するものである。
即ち、請求項7に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、例えば、このような異方形状レンズ付LEDを使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0033】
また、請求項8に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さい異方形状の反射鏡であることことを特徴とする。
【0034】
この構成は、図1の(E)乃至(G)に対応するものである。
即ち、請求項8に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方形状の反射鏡により、簡単な構成で明るい表示が得られる。なお、特開平8−286274号公報に開示されているような二軸回転楕円面鏡であっても良い。
【0035】
また、請求項9に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さいマスク手段であることを特徴とする。
【0036】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び図6に対応するものである。
即ち、請求項9に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性マスクにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0037】
また、請求項10に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、入射端長さと出射端長さの長さ比が前記第1の方向より前記第2の方向の方が大きいテーパ光学素子(異方性テーパパイプ又はロッド)であることを特徴とする。
【0038】
この構成は、図3に対応するものである。
即ち、請求項10に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、テーパ光学素子により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0039】
また、請求項11に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、出射端の長さが前記第1の方向より前記第2の方向で、短いテーパ光学素子(異方性テーパパイプ又はロッド)であることを特徴とする。
【0040】
この構成は、図4に対応するものである。
即ち、請求項11に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、テーパ光学素子により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0041】
また、請求項12に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアイレンズは、前記第1の方向より前記第2の方向で少ない微小レンズを備えている、
ことを特徴とする。
【0042】
この構成は、図2に対応するものである。
即ち、請求項12に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、フライアイレンズにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0043】
また、請求項13に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアレンズは、前記第2の方向より前記第1の方向で前記出射光の主光軸に対して距離の離れた位置に微小レンズを備えている、
ことを特徴とする。
【0044】
この構成は、図2に対応するものである。
即ち、請求項13に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、フライアイレンズにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0045】
また、請求項14に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、
拡散する光を入射して集光するレンズである、或いは、偏心、球面、及び放物面の何れかを含むパワーを持った反射鏡であって、
前記第1の方向より前記第2の方向で小さいサイズの形状である、
ことを特徴とする。
【0046】
この構成は、図6に対応するものである。
即ち、請求項14に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記照明光学系により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0047】
また、請求項15に記載の発明による表示装置は、請求項1乃至14の何れかに記載の発明による表示装置において、
前記光変調素子から出射する光を投影光として拡大投影する投影光学系を更に備え、
前記投影光学系の形状は、前記投影光のX方向よりY方向に対応した形状を長くした、
ことを特徴とする。
【0048】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項15に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1乃至14の何れかに記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記投影光学系を小型・軽量にすることができる。
【0049】
また、請求項16に記載の発明による表示装置は、請求項15に記載の発明による表示装置において、前記投影光学系の形状は、楕円形状であることを特徴とする。
【0050】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項16に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項15に記載の発明の表示装置の効果に加えて、光学系を楕円形状とすることで角が無いので、操作者における安全性を向上させることができる。
【0051】
また、請求項17に記載の発明による表示装置は、請求項15に記載の発明による表示装置において、前記投影光学系は、非投影時に回動可能にしたことを特徴とする。
【0052】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項17に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項15に記載の発明の表示装置の効果に加えて、非投影時に投影光学系の筐体からのはみ出しなどを無くすことができ、携帯時や保管時などに良好である。
【0053】
また、請求項18に記載の発明による表示装置は、請求項1乃至14の何れかに記載の発明による表示装置において、
前記光変調素子と前記異方性照明手段とを保持する筐体と、
該筐体を載置する際に安定に保つための載置安定化手段と、
を更に備え、
前記光変調素子の変調領域が四角形であって、該四角形の長辺と短辺の何れかの方向と前記Y方向とが所定の傾斜をなしている場合に、前記載置安定化手段は、前記筐体の姿勢を前記所定の傾斜に相応しい角度分変更できることを特徴とする。
【0054】
この構成は、図10の(D)乃至(F)に対応するものである。
即ち、請求項18に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置の効果に加えて、非投影時に小さく収めることができ、携帯時や保管時に良好な形態となる。
【0055】
また、上記の目的を達成するために、請求項19に記載の発明による照明装置は、
請求項1乃至14の何れかに記載の表示装置に搭載可能な照明装置において、
拡散光を発する光源手段と、
前記拡散光に対し、自らが出射する光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である前記第1の方向と前記第2の方向のNAが異なるようにNA変換を行う異方NA変換光学素子と、
を有することを特徴とする。
【0056】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び、図2乃至図6に対応するものである。
即ち、請求項19に記載の発明の照明装置によれば、前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置を構成するのに使用でき、それによって構成された表示装置は前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置の効果を得ることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明の理解を助けるために、まず、本明細書で使用する用語について説明しておく。
【0058】
「ミラーデバイス」
ミラーの偏向を制御可能にするデバイスをミラーデバイスとし、少なくとも1枚のミラーと該ミラーの偏向を駆動する際の基板と駆動軸とからなる。
このミラーデバイスは、ミラーへの入射光が反射して出射する際に、該ミラーの偏向制御でオン状態にした際のオン光とオフ状態にした際のオフ光の2つの光路に分離可能にしたものである。
表示装置は、その偏向を制御し、所定の時間内におけるオン状態とオフ状態の各々の時間比を、入力するデータ値に応じて調整制御して、更に、オン光をスクリーンなどに投影レンズにより拡大投影することで、観察者が前記データに相応しいスクリーン面の光の階調を認識するもので、ミラーが複数マトリクス状に配置したミラーデバイスとして知られているDMD(商標)である際に、前記スクリーン面に画像が投影することができる。
【0059】
「オン光」と「オフ光」
図11の(D)、図11の(E)には、従来の照明装置の照明方法を示し、ミラーへの入射光と出射光におけるオン光とオフ光の関係を示す。
図1の(C)では、以下の発明の実施の形態で説明する照明装置が形成する照明光のミラーへの入射光束の形状を示すもので、更に、ミラーからの出射光であるオン光とオフ光の形状、光路を示している。
【0060】
「光束」
所定の強度以上の光線の束を示す。
【0061】
「最大光線角度」
所定のポイントに入射、或いは出射する光束において、その中心軸に対して最大の角度を有した光線の角度を示す。最大光線角度とは、前記中心軸に垂直な面の360度全方向毎にそれぞれ値を有する。
【0062】
「NA」
最大光線角度θに対してSINθ=NA。
【0063】
「X方向」,「Y方向」,「Z方向」
光変調素子の入射面に入射する入射光の主光軸方向をZ方向とし、それと垂直な面における2つの各々垂直な方向をX方向及びY方向とする。ここで、偏向する方向をX方向とする。
【0064】
以下の発明の実施の形態では、図1の(C)で示すような、照明装置が出射しミラーに入射する光束が、X方向とY方向とで異なった最大入射角度となる光学素子の構造と配置を示す構成の照明装置、或いは、照明方法を示す。
【0065】
「NA変換可能な光学素子」
照明装置を構成するNA変換可能な光学素子とは、放物面リフレクタ、楕円リフレクタなどのパワーを持った反射鏡や、コンデンサレンズなどのレンズ、ガラスロッドやパイプのテーパ光学素子、光の光路を制限する遮光板、遮光マスク、更には、拡散光の配光、即ち、出射NAを制御可能なプリズムシートや砲弾型レンズなどの光学部材を備えた光源などを含める。
【0066】
「第1の方向」と「第2の方向」
NA変換可能な光学素子毎に相対的に定義する方向を示す用語。
光学素子の主光軸と垂直な平面において各々垂直な第1の方向と第2の方向であって、前記光学素子のNA変換が第1の方向と第2の方向とで異なる方向を指し、前記第1の方向より前記第2の方向の方がNAを狭くする変換能力が高く、均一な拡散光を入射した際には、結果として、第2の方向の方が小さい最大配光角の光束を出射するものである。
ここで、1種類の光学素子に対して、第1の方向と第2の方向は、1組に限定するものではなく、複数あっても良い。
【0067】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0068】
[第1の実施の形態]
図1の(A)及び(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態に係る照明装置を使用した表示装置の構成例を示す図である。
【0069】
ここで、図1の(A)では、照明装置11からの照明光を、TIR(Total Internal Reflection)プリズム12を介して、光変調素子としてのミラーデバイス、例えばDMD(商標)13に照明するようにした表示装置の光学構成例を示している。即ち、この表示装置では、TIRプリズム12を使って照明光と、DMD(商標)13からのオン光・オフ光とを分離した例であり、オン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影するようになっている。
【0070】
また、図1の(B)では、照明光を直接DMD(商標)の法線方向から入射するようにした表示装置の光学構成例を示している。即ち、この表示装置では、照明装置11が持つ不図示の照明光学系からの照明光をDMD(商標)13に照射し、DMD(商標)13からのオン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影する。
【0071】
そして、照明光を出射する照明装置11は、本第1の実施の形態においては、自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、第1の方向が第2の方向よりNAが大きい異方性照明手段として機能するように構成されている。また、光変調素子である前記DMD(商標)13は、自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、各ミラーの偏向方向に相当するX方向よりY方向で大きなNAの入射光を光変調可能なように構成されている。そして、そのような照明装置11は、そのようなDMD(商標)13の前記X方向に、前記第2の方向が対応するように配置されている。
【0072】
即ち、前述したように従来の表示装置においては、図11の(E)に示すように入射NAがX,Y共に同じ(Lx=Ly)であったが、本第1の実施の形態においては、図1の(C)に示すように、図11の(E)の照明と比べ、Y方向に入射NAを広げた照明光とその出射光であるオン光及びオフ光となるように構成しているものである(Lx<Ly)。
【0073】
勿論、図1の(C)に示すような光束の断面形状が楕円に限定されるものではなく、Xより長いY方向の形状(Lx<Ly)であれば、例えば、図1の(D)に示すように、光束の断面が長方形となるようにしても良い。
【0074】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、従来の装置と比較して、光変調素子であるDMD(商標)13のY方向に、より多くのNAを入射可能となり、より明るい表示を得ることができる。
【0075】
また、目標の明るさが得られる光源の場合には、光量を下げても同じ明るさの表示を得ることができ、高効率に、より低消費、熱の発生の防止などが得られる。
【0076】
更に、光変調素子としてDMD(商標)13を使用することで、表示装置の小型化が可能となる。
【0077】
以下、前記のようなDMD(商標)13のミラーへの入射NAがX方向とY方向とで異なる表示装置における前記照明装置11の各種構成例、即ち、各種NA変換可能な光学素子の第1の方向と第2の方向で異なった最大配光角を得る光学素子としての光源、導光手段、照明光学系の各種の構成を、図1の(E)乃至図7を参照して説明する。
【0078】
その際、照明装置11とDMD(商標)13の配置関係を、図1の(A)より簡略化して説明するために、図1の(B)で示したような照明装置11の照明光を直接DMD(商標)13の法線方向から入射するようにした表示装置に適用するものとして説明する。勿論、本発明は、図1の(B)で示した構成に限定されるものではない。
【0079】
なお、投影光学系の配置や光軸などは、本発明の本質に関わらないので、詳細の説明を省略する。また、DMD(商標)13のミラーのオン状態とオフ状態の絶対角度に関しては、表示装置における投影光学系の構成や位置、向きなどに関わるものであるが、本発明の本質に関わらないので、詳細の説明を省略する。
【0080】
[構成例1]
図1の(E)乃至(F)はその第1の構成例を示す図である。この照明装置11は、ランプ15、楕円リフレクタ16、ライトパイプ17、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0081】
この場合、楕円リフレクタ16は、図1の(E)に示すように、その出射面に遮光マスク16Aが設けられ、出射NAが第1の方向より第2の方向の方が狭くなるように構成されたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。そして、このような楕円リフレクタ16の出射面から出射した光束が、DMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、該楕円リフレクタ16は配置されている。
【0082】
このような楕円リフレクタ16からの出射光が入射されるライトパイプ17は、断面形状が長手方向のどの位置でも同一の中空パイプであり、入射光を、その入射NAを維持して、その出射面から出射する。
【0083】
照明レンズ18は、前記DMD(商標)13を前記ライトパイプ17の出射光により照明する照明光学系である。この場合、前記DMD(商標)13と結像関係にある位置近傍に前記ライトパイプ17の出射面を配置したクリティカル照明光学方式である。
【0084】
なお、クリティカル照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と結像関係にある位置から出射する光のNAが大きい方向である。
【0085】
従って、図1の(F)及び(G)に示すように、照明レンズ18を介してDMD(商標)13を照明する照明光は、結果的に、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)がθx<θyを満たす照明光となる。
【0086】
このように、この第1の構成例によれば、NA変換可能な光学素子である楕円リフレクタ16によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を、光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0087】
また、NA変換可能な光学素子として楕円リフレクタ16を用いているので、簡単な構成で明るい表示が得られる。しかも、この楕円リフレクタ16は、第1の方向より第2の方向で出射断面が小さい遮光マスク16Aにより構成しているので、簡単に得ることができる。
【0088】
なお、NA変換可能な光学素子としては、楕円リフレクタ16の出射面に遮光マスク16Aを構成することで形成するのに限らず、楕円面を黒く塗ったり、削るなど、どのような手段で構成しても、所望の出射光が得られるのであれば構わない。
【0089】
更には、例えば、特開平8−286274号公報に開示されているような二軸回転楕円面鏡を使用することも可能である。
【0090】
また、ライトパイプ17の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をする平行ロッドを用いても良いことは勿論である。
【0091】
[構成例2]
次に、図2の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第2の構成例を説明する。
【0092】
この照明装置11は、ランプ15、放物面リフレクタ19、フライアイレンズ20、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0093】
この場合、フライアイレンズ20は、図2の(A)に示すように正方形の微小レンズであるマイクロレンズ20Aを2次元マトリックス状に配列して構成されるものであり、本構成例では、第1の方向より第2の方向の方がマイクロレンズ20Aの個数が少ないものとすることで、NA変換可能な光学素子(異方性光学素子)として機能する。そして、このようなフライアイレンズ20が2枚、図2の(B)及び(C)に示すように、第2の方向より第1の方向でその出射光の主光軸に対して距離の離れた位置にマイクロレンズ20Aを備えるように配置されている。即ち、それぞれ第1の方向より第2の方向の方が少ない個数のマイクロレンズ20Aを配した第1及び第2のフライアイレンズ20−1,20−2を介して出射した光束が、照明レンズ18を介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるようにフライアイレンズ群を配置している。
【0094】
またこの場合、照明レンズ18は、所謂ケーラー照明光学系を構成するように、第2のフライアイレンズ20−2とDMD(商標)13の両方が焦点距離fとなるように配置されている。
【0095】
従って、この第2の構成例も、図2の(B)及び(C)に示すように、照明レンズ18を介してDMD(商標)13を照明する照明光は、結果的に、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)がθx<θyを満たす照明光となる。
【0096】
このように、この第2の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるフライアイレンズ20によって第1の方向と第2の方向で異なった位置で出射された光をケーラー照明光学系により光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0097】
また、フライアイレンズ20により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0098】
なお、フライアイレンズ20は、図示のように2枚に限らず1枚のみ使用するものであっても良い。
【0099】
[構成例3]
次に、図3の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第3の構成例を説明する。
【0100】
この照明装置11は、LED21、異方性のテーパパイプ22、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0101】
この場合、光源としてのLED21は、DMD(商標)13の入射光の主光軸方向であるZ方向に対する垂直面に均一な配光特性を持つ、即ち、第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するものである。
【0102】
また、テーパパイプ22は、図3の(A)に示すように、第1の方向より第2の方向の方がNA変換能力の大きい、入射端と出射端の長さの比が第1の方向より第2の方向の方が大きい(Tox/Tix>Toy/Tiy)NA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。
【0103】
そして、この第3の構成例では、該テーパパイプ22を介して出射した光束が円形の照明レンズを介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、このようなテーパパイプ22を配置している。即ち、このようなテーパパイプ22では、配光特性が第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するLED21からの光を入射し、出射する光は、Sy>SxとなるようにY方向にNAを大きくした出射光を得る。
【0104】
従って、そのテーパパイプ22の出射光をクリティカル照明系で構成した照明レンズ18によりDMD(商標)13に集光する際、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)はθy>θxを満たす照明光となる。
【0105】
なお、クリティカル照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と結像関係にある位置から出射する光のNAが大きい方向である。
【0106】
このように、この第3の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるテーパパイプ22によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0107】
また、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22を使用することにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0108】
なお、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をするテーパロッドのような他のテーパ光学素子を用いても良いことは勿論である。
【0109】
[構成例4]
次に、図4の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第4の構成例を説明する。
【0110】
この照明装置11は、前記第3の構成例と同様に、LED21、異方性のテーパパイプ22、及び円形の照明レンズ18から構成されるものであるが、照明レンズ18の焦点距離fの位置にDMD(商標)13のミラーを配置したケーラー照明系とした場合の例である。
【0111】
この場合、テーパパイプ22は、出射端の長さが第1の方向より第2の方向で短いNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)であり、配光特性が第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するLED21からの光を入射し、出射する光は、Sy=SxとなるようなX,Y方向何れも同じNAの出射光を得る。しかし、前述の第3の構成例と異なる点は、ケーラー照明光学系に対して、テーパパイプ22のTox<Toyを満たす際のToy方向を第1の方向として、その第1の方向をDMD(商標)13に対するY方向に合わせて配置するようにしたものである。
【0112】
なお、ケーラー照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と反対側の焦点位置近傍におけるテーパパイプ22の光軸に対する距離が離れた出射位置を有した方向、或いは、出射サイズが大きい方向である。
【0113】
その結果、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)はθx<θyを満たす照明光となる。
【0114】
このように、この第4の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるテーパパイプ22によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0115】
また、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22を使用することにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0116】
なお、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をするテーパロッドのような他のテーパ光学素子を用いても良いことは勿論である。
【0117】
[構成例5]
次に、図5の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第5の構成例を説明する。
【0118】
この照明装置11は、レンズ付LED23、テーパロッド24、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0119】
レンズ付LED23は、図5の(A)に示すように、拡散光を発光するLED23Aと、半円柱形状に形成された異方形状レンズ23Bとから構成されたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。このレンズ付LED23は、例えば特開2001−177156号公報に開示されており、主光軸に垂直な第1の方向(円柱の軸方向)に対して前記主光軸と該第1の方向との両方に垂直で、且つ、第1の方向より最大配光角が小さい第2の方向を有する光源である。即ち、異方形状レンズ23Bは、第1の方向でパワーを持たなく第2の方向にパワーを持ったレンズである。
【0120】
なお、この第5の構成例は、このようなレンズ付LED23に密接して配置したテーパロッド24と照明レンズ18によって、光変調素子としてのDMD(商標)13を照明するものであるが、この場合、テーパロッド24は、入射端と出射端が共に正方形で、入射端より大きな面積を有する出射端であって、ガラスで中密状態にして空気との屈折率の違いによる全反射によって側面で反射するものであり、照明レンズ18は、テーパロッド24の出射端面をDMD(商標)面に結像するように構成したレンズである。
【0121】
そして、図5の(B)及び(C)に示すように、前記レンズ付LED23を、第1の方向がDMD(商標)13のミラーのY方向、第2の方向がX方向になるように向きを合わせて配置している。
【0122】
このような第5の構成例においても、NA変換可能な光学素子である異方形状レンズ付LED23によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光をクリティカル照明光学系により光変調素子としてのDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0123】
また、異方形状レンズ付LEDを使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0124】
[構成例6]
次に、図6の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第6の構成例を説明する。
【0125】
この照明装置11は、ランプ15と放物面リフレクタ19によってライトパイプ17の入射端に光源像を形成し、ライトパイプ17に入射した光の一部がライトパイプ17の側面で反射しライトパイプ17の出射端で均一化し、その出射端からの光が楕円形状照明レンズ25によりDMD(商標)面に結像するように構成したものである。
【0126】
この場合、楕円形状照明レンズ25は、第1の方向より第2の方向の方が出射NAが狭いものとなるように、図6の(A)に示すよう円形状のレンズを削って第1の方向のサイズより第2の方向のサイズの方が小さい楕円形状にしたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。そして、図6の(B)及び(C)に示すように、このような第1の方向より第2の方向の方が出射NAが狭い楕円形状照明レンズ25を介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、該楕円形状照明レンズ25を配置しているものである。
【0127】
このように、NA変換可能な光学素子として楕円形状照明レンズ25を使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0128】
なお、照明レンズの形状がX,Yとで異方性を有するような例で説明したが、それに限定をするものではない。
【0129】
絞りがX方向とY方向で異なった開口であっても良い。例えば、レンズは、異方性ではなく円形や四角形であったとして、レンズ近傍にある遮光マスクがX,Yとで異方性を有していても良い。
【0130】
また、拡散する光を入射して集光するレンズに限定するものではなく、偏心、球面、及び放物面の何れかを含むパワーを持った反射鏡であっても良い。
【0131】
更に、ライトパイプ17とDMD(商標)13の間の光路に、NA軽減のためのコリメータレンズや反射ミラーなどを含んでいても良い。
【0132】
また、ライトパイプ17の代わりに平行ロッドであっても良いことは勿論である。
【0133】
[構成例7]
次に、図7の(A)及び(B)を参照して、照明装置11の第7の構成例を説明する。
【0134】
この照明装置11は、2個のランプ15、2個の放物面リフレクタ19、テーパロッド24、及び円形の照明レンズ18から構成されるものである。
【0135】
この場合、テーパロッド24は、入射端と出射端が共に正方形で、入射端より大きな面積を有する出射端であって、ガラスで中密状態にして空気との屈折率の違いによる全反射によって側面で反射するものであり、照明レンズ18は、テーパロッド24の出射端面をDMD(商標)面に結像するように構成したレンズである。
【0136】
そして、ランプ15及び放物面リフレクタ19を第2の方向よりも第1の方向に多数配置するものとし、第1の方向がDMD(商標)13のミラーのY方向、第2の方向がX方向になるように向きを合わせて配置している。
【0137】
このような第7の構成例によれば、第2の方向より第1の方向に多数の発光体を配置することで、更に、明るい表示を得ることができる。
【0138】
なお、発光体は、2個に限定するものではなく、第1の方向と第2の方向でNAが異なっていれば、発光体数を限定するものではない。
【0139】
また、ランプ15と放物面リフレクタ19との組み合わせに限定するものではなく、LEDや蛍光体などからの発光源とレンズとの組み合わせであっても良い。
【0140】
以上、照明装置11の各種構成例を説明したが、それらに限定するものではないことは勿論である。
【0141】
例えば、LED基板などの工夫によりLEDから出射される光の配光特性が異方性を有するようにしても良い。
【0142】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
前述の第1の実施の形態では、照明装置のNA変換可能な光学素子の各種例を示して説明したが、この第2の実施の形態では、そのNA変換可能な光学素子を使用した照明装置を備えた表示装置の別の構成について説明する。
【0143】
前述したように、表示装置の光変調素子として使用されるミラーデバイスであるDMD(商標)は、図8の(A)に示すように、微小ミラー26Aを複数マトリクス状に配置してなり、各微小ミラー26Aを回動させることで、入射光をオン光とオフ光に分離することができるものである。このようなミラーデバイスとして、特開平10−319330号公報には、図8の(B)に示すように、各微小ミラー26Aを、その対角を回動軸Oとして回動することで、微小ミラー26Aの配列方向の一方に対して45°方向に偏向するようにしたDMD(商標)26が開示されている。
【0144】
そこで、本第2の実施の形態では、微小ミラー26Aが、マトリックス状に長方形のエリア変調面を形成する場合であって、微小ミラー26Aの偏向方向が長方形の各辺の方向と異なるDMD(商標)26を使用することで、投影光学系を小型化、軽量化し、携帯性の優れた表示装置を提供しようとするものである。
【0145】
図9の(A)は、本実施の形態に係る表示装置の光学構成を示す図であり、例えば前述した第3の構成例のような照明装置11からの照明光を、TIRプリズム12を介して、光変調素子としてのDMD(商標)26に照明するようにしたものである。即ち、この表示装置では、TIRプリズム12を使って照明光と、DMD(商標)26からのオン光・オフ光とを分離した例であり、オン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影するようになっている。
【0146】
図9の(B)は、図9の(A)のDMD(商標)26の法線方向でオン光の出射側から見た図であり、入射光、オン光、オフ光の光路、並びに、前述の第1の実施の形態における投影光学系14のレンズ14Aの形状を示している。
【0147】
本発明の前記照明装置11は、従来の照明装置と比較してY方向に大きなNAを有した光束をDMD(商標)26より反射することになり、その分、大きな径の投影光学系14にすることが望ましい。そこで、図9の(C)に示すように、その形状を楕円形状にした投影光学レンズ14Bとする。
【0148】
なお、図9の(B)及び(C)では、投影光学レンズ14A,14Bを透過するオン光のNAを表現すべく、最大角度の光線が投影光学レンズ14A,14Bに入射する光束形状を示している。
【0149】
即ち、本第2の実施の形態に係る表示装置は、投影光学系14として入射光が通らない部分を削って、小型化、軽量化するようにしたものである。
【0150】
また、投影光学系14Bは、オフ光が入射しないようにする必要があるが、楕円形状にすることで、DMDに近づけた配置にすることができ、更に小型化することができる。
【0151】
なお、図9の(C)で示したDMD(商標)26が出射した光束は、画像と投影光束の楕円方向とが45°傾いており、その光束を折り返しミラーなどにより折り返しをしたとしても、その関係は変わらない。
【0152】
図10の(A)は、本実施の形態に係る表示装置の筐体27と前記投影光学レンズ14Bの関係を示す図であり、(B)は、図9の(C)で示した投影光学レンズ14Bを搭載した表示装置と投影光学レンズ14Bとの関係を示す図である。
【0153】
即ち、前記折り返しミラーなどで折り返ししない場合で、DMD(商標)26に対する微小ミラー26Aの偏向方向が画像の長方形の長短方向の角度と一致しない場合に、DMD(商標)26から出射する光の最大光線角度は、該画像に対して前記角度分傾いた楕円形状の光束となり、それに伴って投影光学レンズ14Bも円形のレンズを斜め方向に削って楕円となる形状としたものである。表示装置筐体27とDMD(商標)26のミラー配列方向とを一致させた場合、表示装置筐体27と前記投影光学レンズ14Bとが図10の(B)のようになる。そのため、表示装置筐体27を小型化しようとすると、投影光学レンズ14Bがその楕円長辺側が筐体27からはみ出る場合が生じる。
【0154】
そこで、小型化した表示装置を持ち運ぶなどする際に、前記はみ出る部分が邪魔にならないように、図10の(C)で示すように、携帯時や収納時には、前記投影光学レンズ14Bを回転させ、はみ出さないようにする。
【0155】
或いは、投影光学レンズ14Bを、筐体27に対し着脱可能にしても良い。
【0156】
これにより、装置を小型化したとしても、携帯時や保管時に持ち運び易くすることができる。
【0157】
また、表示装置筐体27とDMD(商標)26のミラー配列方向とを45°回転させ、図10の(D)に示すように配置した場合には、図10の(E)に示すように、表示装置筐体27に対し前記投影光学レンズ14Bの長手方向が平行となるように、筐体27に投影光学レンズ14Bを取り付けることができる。そして、この場合には、筐体27に対しひんじとロック機構とを備えた載置用足部材28を取り付けておく。
【0158】
而して、このような構成とすることにより、投影時には、図10の(F)に示すように、45°傾けた姿勢に保持することで正しい投影像が投影されるようにし、また、携帯時には、図10の(E)に示すように、ロック機構を解除して足部材を折り畳むことで、携帯し易くすることができる。
【0159】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0160】
本発明は、光変調デバイスとしては、ミラーを偏向して変調するミラーデバイスに限定するものではない。
【0161】
例えば、ホログラムを利用した液晶ライトバルブや異方性のプリズムを含んだ変調素子などにも適用でき、同様の効果を得ることができる。特開2000−235179号公報に開示された液晶ライトバルブや、特開2000−292758号公報に開示されたような全反射特性と屈折率との関係を利用した表面プラズモン変調素子を利用することができる。
【0162】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、投影に関わる照明光量が制限され、明るい投影表示ができないという課題を解決し、より明るい投影像を得ることができる照明装置、及び、その照明装置を搭載した表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る照明装置を使用した表示装置の構成例を示す図、(C)は楕円照明光を説明するための図、(D)は長方形照明光を説明するための図、(E)は第1の実施の形態に係る照明装置の第1の構成例に使用する長方形状マスクを備えた楕円リフレクタを示す図、(F)は照明装置の第1の構成例をY方向から見た図であり、(G)は同じくX方向から見た図である。
【図2】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第2の構成例に使用するX,Y方向でマイクロレンズの数が異なるフライアイレンズの構成図、(B)は照明装置の第2の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図3】(A)乃至(C)はそれぞれ第1の実施の形態に係る照明装置の第3の構成例の立体図、Y方向から見た図、及びX方向から見た図である。
【図4】(A)乃至(C)はそれぞれ第1の実施の形態に係る照明装置の第4の構成例の立体図、Y方向から見た図、及びX方向から見た図である。
【図5】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第5の構成例に使用するレンズ付LEDの立体図、(B)は照明装置の第5の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図6】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第6の構成例に使用する楕円形状照明レンズを示す図、(B)は照明装置の第6の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図7】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係る照明装置の第7の構成例をY方向及びX方向から見た図である。
【図8】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る表示装置に使用される微小ミラーを複数マトリクス状に配置したDMD(商標)を示す図であり、(B)はその微小ミラーの回動軸を説明するための図である。
【図9】(A)は第2の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図、(B)は(A)のDMD(商標)の法線方向でオン光の出射側から見た図であり、(C)は楕円形状の投影光学レンズを用いた場合のDMD(商標)の法線方向でオン光の出射側から見た図である。
【図10】(A)は第2の実施の形態に係る表示装置の筐体と投影光学レンズの関係を示す図、(B)及び(C)はその場合の表示装置筐体と投影光学レンズとの関係を説明するための投影時及び携帯時の筐体外観を示す図、(D)は表示装置筐体とDMD(商標)のミラー配列方向とを45°回転させて配置した場合の表示装置筐体と投影光学レンズの関係を示す図であり、(E)及び(F)はその場合の表示装置筐体と投影光学レンズとの関係を説明するための携帯時及び投影時の筐体外観を示す図である。
【図11】(A)は従来の表示装置の構成図、(B)はミラー近傍に入射する光の拡大図、(C)は従来の表示装置の別の構成図、(D)はオン光とオフ光の分離を説明するため(B)をY方向から見た図であり、(E)はZ方向から見た図である。
【符号の説明】
11…照明装置、12…プリズム、13,26…DMD(商標)、14…投影光学系、14A,14B…投影光学レンズ、15…ランプ、16…楕円リフレクタ、16A…遮光マスク、17…ライトパイプ、18…照明レンズ、19…放物面リフレクタ、20,20−1,20−2…フライアイレンズ、20A…マイクロレンズ、21,23A…LED、22…テーパパイプ、23…異方形状レンズ付LED、23B…異方形状レンズ、24…テーパロッド、25…楕円形状照明レンズ、26A…微小ミラー、27…表示装置の筐体、28…載置用足部材。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光変調素子に入射する照明光を生成する照明装置、及びそのような光変調素子からの出射光を投影光学系によって投影する表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、投影型の表示装置の光変調素子には、透過液晶、反射液晶、DMD((デジタルマイクロミラーデバイス)の商標で知られる鏡面偏向型光変調器。このDMD(商標)の詳細については、例えば、特許文献1の段落[0026]や特許文献2の第5頁第23行目乃至第6頁第6行目を参照。)等のミラーデバイス、などが使用され、そのような光変調素子を照明する照明装置の光源には、高圧水銀ランプなどが使われている。
【0003】
その中でも、DMD(商標)等のミラーデバイスを使用した表示装置は、1枚のDMD(商標)でカラー画像を投影する上で小型化可能であることから、近年、急速に増えてきている。
【0004】
そのDMD(商標)を使用した従来の表示装置の構成を、図11の(A)及び(B)に示す。即ち、従来の表示装置は、ランプ1、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4、などの各種NA変換可能な光学素子と、DMD(商標)5、投影レンズ6、及び図示しないスクリーンで構成される。これは、楕円リフレクタ2の第1の焦点位置にランプ1を配置し、楕円リフレクタ2の第2の焦点にインテグレータロッド3の入射端を配置したものである。更に、インテグレータロッド3の出射端で均一化した拡散面を形成し、照明レンズ4によりDMD(商標)5の変調面に前記拡散面が結像するようにしたものである。
【0005】
図11の(B)では、DMD(商標)5のミラー5Aへの入射光の入射最大光線角度を入射NAと表記するものとし、X方向のNAをθxとし、Y方向のNAをθyとして、その関係を示している。
【0006】
図11の(A)に示す表示装置の構成において、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4の各NA変換可能な光学素子は、該光学素子の主光軸を1つの軸上に配置して、該軸とそれに垂直で各々が垂直な2つの方向で同一構造、形状としている。それによって、図11の(B)で説明したX方向とY方向とで入射NAは、θx=θyとなっている。
【0007】
このように、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4などに加え、配光特性の異方設計可能なランプ1などの光源も含めた光学要素は、X―Y面方向に対応した方向において、0度の際の形状と90度回転させた形状とが異ならない形状で構成するようにしていた。
【0008】
また、インテグレータロッド3に代えて、図11の(C)に示すように、複数のコンデンサレンズ及び平面ミラーにより光路を曲げて、DMD(商標)5へ照明光を導くようにした照明装置を使用した表示装置も知られている(特許文献3参照)。
【0009】
【特許文献1】
特開平11−32278号公報
【0010】
【特許文献2】
国際公開第WO98/29773号公報
【0011】
【特許文献3】
特許第3121843号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように従来の表示装置の構成では、例えば、図11の(A)及び(B)で示したランプ1、楕円リフレクタ2、インテグレータロッド3、照明レンズ4、などの各種NA変換可能な光学要素が、該光学素子の主光軸を1つの軸上に配置して、該軸とそれに垂直な面上で各々が垂直な2つの方向で同一構造、形状であるようにしていた。この意味は、主光軸を中心に所定の角度の際の形状とそれを90度回転させた形状とが同一であることを意味する。
【0013】
そのために、図11の(A)及び(B)で示すように、DMD(商標)に入射する光の前記入射NAは、前記2つの方向で同じ大きさとなる。
【0014】
同様に、図11の(C)に示すような表示装置の構成では、DMD(商標)5に照明する照明装置を構成する各NA変換可能な光学素子は、前記2つの方向で同一形状で記載され、各主光軸を中心とした点対称な形状、主に円形、正方形で構成されている。
【0015】
また、DMD(商標)5などのミラー5Aに入射する照明光がミラー5Aで反射した出射光は、ミラー5Aの偏向によって、図11の(D)及び(E)に示すように、オン光とオフ光の2つの光路に切り替えられるが、そのオン光は、オフ光と分離可能にし、且つ、DMD(商標)5に集光させるための前記光学素子に照射するなどオン光が遮られないようにすることが、明るく、コントラストの高い投影像を得るのに好ましい。
【0016】
そのために、DMD(商標)5などのミラー5Aに入射する光は、ミラー5Aの偏向方向における前記入射NAを制限する必要が生じる。
【0017】
即ち、DMD(商標)5などのミラーデバイスのミラー5Aに入射する光の前記入射NAは、前記2つの方向で同じ大きさであることと、ミラー5Aの偏向方向における前記制限とによって、投影に関わる照明光量が限定され、明るくできないという課題があった。
【0018】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、このように投影に関わる照明光量が制限され、明るい投影表示ができないという課題に着目しそれを解決し、より明るい投影像を得ることができる照明装置、及び、その照明装置を搭載した表示装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明による表示装置は、
自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、前記第1の方向が前記第2の方向よりNAが大きい異方性照明手段と、
自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、前記X方向より前記Y方向で大きなNAの入射光を光変調可能な光変調素子(DMD(商標)など)と、
を備え、
前記異方性照明手段は、前記光変調素子の前記X方向に前記第2の方向が(前記Y方向に前記第1の方向が)対応するように配置したことを特徴とする。
【0020】
この構成は、図1乃至図7に対応するものである。
即ち、請求項1に記載の発明の表示装置によれば、従来の装置と比較して、光変調素子のY方向に、より多くのNAを入射可能となり、より明るい表示を得ることができる。
また、目標の明るさが得られる光源の場合には、光量を下げても同じ明るさの表示を得ることができ、高効率に、より低消費、熱の発生の防止などが得られる。
【0021】
また、請求項2に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、前記光変調素子は、少なくとも1つのミラーを所定の偏向方向に偏向することで前記異方性光学手段が出射した照明光を光変調をするミラーデバイス(DMD(商標)など)であることを特徴とする。
【0022】
この構成は、図1の(A)乃至(D)に対応するものである。
即ち、請求項2に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記光変調素子がDMD(商標)などのミラーデバイスであるので、小型化が可能であるという効果を有する。
【0023】
また、請求項3に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、拡散光を発光する発光体を複数備え、
該発光体は、前記第2の方向よりも前記第1の方向に多数配置されている、
ことを特徴とする。
【0024】
この構成は、図7に対応するものである。
即ち、請求項3に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、第2の方向より第1の方向に多数の発光体を配置することで、更に、明るい表示を得ることができる。また、NAが小さい場合には、発光体の多数配置は、必ずしも有効に光を利用できないが、Y方向により大きなNAを許容できるために、発光体の複数は配置であっても効率良い表示が得られる。
【0025】
また、請求項4に記載の発明による表示装置は、請求項1に記載の発明による表示装置において、前記異方性照明手段は、少なくとも異方性光学素子を含むことを特徴とする。
【0026】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び、図2乃至図5に対応するものである。
即ち、請求項4に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なった出射光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、その焦点位置に前記光変調素子を配置したケーラー照明光学方式である、
ことを特徴とする。
【0028】
この構成は、図2及び図4に対応するものである。
即ち、請求項5に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なった位置で出射された光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、前記光変調素子と結像関係にある位置近傍に前記異方性光学素子の出射面を配置したクリティカル照明光学方式である、
ことを特徴とする。
【0030】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、図3、及び図5に対応するものである。
即ち、請求項6に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性光学素子によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0031】
また、請求項7に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、
拡散光を発光する半導体発光素子(LED)と、
前記第1の方向より前記第2の方向で集光力の強い異方形状レンズと、
からなることを特徴とする。
【0032】
この構成は、図5に対応するものである。
即ち、請求項7に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、例えば、このような異方形状レンズ付LEDを使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0033】
また、請求項8に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さい異方形状の反射鏡であることことを特徴とする。
【0034】
この構成は、図1の(E)乃至(G)に対応するものである。
即ち、請求項8に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方形状の反射鏡により、簡単な構成で明るい表示が得られる。なお、特開平8−286274号公報に開示されているような二軸回転楕円面鏡であっても良い。
【0035】
また、請求項9に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さいマスク手段であることを特徴とする。
【0036】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び図6に対応するものである。
即ち、請求項9に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、異方性マスクにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0037】
また、請求項10に記載の発明による表示装置は、請求項6に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、入射端長さと出射端長さの長さ比が前記第1の方向より前記第2の方向の方が大きいテーパ光学素子(異方性テーパパイプ又はロッド)であることを特徴とする。
【0038】
この構成は、図3に対応するものである。
即ち、請求項10に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項6に記載の発明の表示装置の効果に加えて、テーパ光学素子により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0039】
また、請求項11に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、前記異方性光学素子は、出射端の長さが前記第1の方向より前記第2の方向で、短いテーパ光学素子(異方性テーパパイプ又はロッド)であることを特徴とする。
【0040】
この構成は、図4に対応するものである。
即ち、請求項11に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、テーパ光学素子により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0041】
また、請求項12に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアイレンズは、前記第1の方向より前記第2の方向で少ない微小レンズを備えている、
ことを特徴とする。
【0042】
この構成は、図2に対応するものである。
即ち、請求項12に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、フライアイレンズにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0043】
また、請求項13に記載の発明による表示装置は、請求項5に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアレンズは、前記第2の方向より前記第1の方向で前記出射光の主光軸に対して距離の離れた位置に微小レンズを備えている、
ことを特徴とする。
【0044】
この構成は、図2に対応するものである。
即ち、請求項13に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項5に記載の発明の表示装置の効果に加えて、フライアイレンズにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0045】
また、請求項14に記載の発明による表示装置は、請求項4に記載の発明による表示装置において、
前記異方性光学素子は、
拡散する光を入射して集光するレンズである、或いは、偏心、球面、及び放物面の何れかを含むパワーを持った反射鏡であって、
前記第1の方向より前記第2の方向で小さいサイズの形状である、
ことを特徴とする。
【0046】
この構成は、図6に対応するものである。
即ち、請求項14に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項4に記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記照明光学系により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0047】
また、請求項15に記載の発明による表示装置は、請求項1乃至14の何れかに記載の発明による表示装置において、
前記光変調素子から出射する光を投影光として拡大投影する投影光学系を更に備え、
前記投影光学系の形状は、前記投影光のX方向よりY方向に対応した形状を長くした、
ことを特徴とする。
【0048】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項15に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1乃至14の何れかに記載の発明の表示装置の効果に加えて、前記投影光学系を小型・軽量にすることができる。
【0049】
また、請求項16に記載の発明による表示装置は、請求項15に記載の発明による表示装置において、前記投影光学系の形状は、楕円形状であることを特徴とする。
【0050】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項16に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項15に記載の発明の表示装置の効果に加えて、光学系を楕円形状とすることで角が無いので、操作者における安全性を向上させることができる。
【0051】
また、請求項17に記載の発明による表示装置は、請求項15に記載の発明による表示装置において、前記投影光学系は、非投影時に回動可能にしたことを特徴とする。
【0052】
この構成は、図10の(A)乃至(C)に対応するものである。
即ち、請求項17に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項15に記載の発明の表示装置の効果に加えて、非投影時に投影光学系の筐体からのはみ出しなどを無くすことができ、携帯時や保管時などに良好である。
【0053】
また、請求項18に記載の発明による表示装置は、請求項1乃至14の何れかに記載の発明による表示装置において、
前記光変調素子と前記異方性照明手段とを保持する筐体と、
該筐体を載置する際に安定に保つための載置安定化手段と、
を更に備え、
前記光変調素子の変調領域が四角形であって、該四角形の長辺と短辺の何れかの方向と前記Y方向とが所定の傾斜をなしている場合に、前記載置安定化手段は、前記筐体の姿勢を前記所定の傾斜に相応しい角度分変更できることを特徴とする。
【0054】
この構成は、図10の(D)乃至(F)に対応するものである。
即ち、請求項18に記載の発明の表示装置によれば、前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置の効果に加えて、非投影時に小さく収めることができ、携帯時や保管時に良好な形態となる。
【0055】
また、上記の目的を達成するために、請求項19に記載の発明による照明装置は、
請求項1乃至14の何れかに記載の表示装置に搭載可能な照明装置において、
拡散光を発する光源手段と、
前記拡散光に対し、自らが出射する光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である前記第1の方向と前記第2の方向のNAが異なるようにNA変換を行う異方NA変換光学素子と、
を有することを特徴とする。
【0056】
この構成は、図1の(E)乃至(G)、及び、図2乃至図6に対応するものである。
即ち、請求項19に記載の発明の照明装置によれば、前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置を構成するのに使用でき、それによって構成された表示装置は前述の請求項1乃至14に記載の発明の表示装置の効果を得ることができる。
【0057】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を詳細に説明する前に、本発明の理解を助けるために、まず、本明細書で使用する用語について説明しておく。
【0058】
「ミラーデバイス」
ミラーの偏向を制御可能にするデバイスをミラーデバイスとし、少なくとも1枚のミラーと該ミラーの偏向を駆動する際の基板と駆動軸とからなる。
このミラーデバイスは、ミラーへの入射光が反射して出射する際に、該ミラーの偏向制御でオン状態にした際のオン光とオフ状態にした際のオフ光の2つの光路に分離可能にしたものである。
表示装置は、その偏向を制御し、所定の時間内におけるオン状態とオフ状態の各々の時間比を、入力するデータ値に応じて調整制御して、更に、オン光をスクリーンなどに投影レンズにより拡大投影することで、観察者が前記データに相応しいスクリーン面の光の階調を認識するもので、ミラーが複数マトリクス状に配置したミラーデバイスとして知られているDMD(商標)である際に、前記スクリーン面に画像が投影することができる。
【0059】
「オン光」と「オフ光」
図11の(D)、図11の(E)には、従来の照明装置の照明方法を示し、ミラーへの入射光と出射光におけるオン光とオフ光の関係を示す。
図1の(C)では、以下の発明の実施の形態で説明する照明装置が形成する照明光のミラーへの入射光束の形状を示すもので、更に、ミラーからの出射光であるオン光とオフ光の形状、光路を示している。
【0060】
「光束」
所定の強度以上の光線の束を示す。
【0061】
「最大光線角度」
所定のポイントに入射、或いは出射する光束において、その中心軸に対して最大の角度を有した光線の角度を示す。最大光線角度とは、前記中心軸に垂直な面の360度全方向毎にそれぞれ値を有する。
【0062】
「NA」
最大光線角度θに対してSINθ=NA。
【0063】
「X方向」,「Y方向」,「Z方向」
光変調素子の入射面に入射する入射光の主光軸方向をZ方向とし、それと垂直な面における2つの各々垂直な方向をX方向及びY方向とする。ここで、偏向する方向をX方向とする。
【0064】
以下の発明の実施の形態では、図1の(C)で示すような、照明装置が出射しミラーに入射する光束が、X方向とY方向とで異なった最大入射角度となる光学素子の構造と配置を示す構成の照明装置、或いは、照明方法を示す。
【0065】
「NA変換可能な光学素子」
照明装置を構成するNA変換可能な光学素子とは、放物面リフレクタ、楕円リフレクタなどのパワーを持った反射鏡や、コンデンサレンズなどのレンズ、ガラスロッドやパイプのテーパ光学素子、光の光路を制限する遮光板、遮光マスク、更には、拡散光の配光、即ち、出射NAを制御可能なプリズムシートや砲弾型レンズなどの光学部材を備えた光源などを含める。
【0066】
「第1の方向」と「第2の方向」
NA変換可能な光学素子毎に相対的に定義する方向を示す用語。
光学素子の主光軸と垂直な平面において各々垂直な第1の方向と第2の方向であって、前記光学素子のNA変換が第1の方向と第2の方向とで異なる方向を指し、前記第1の方向より前記第2の方向の方がNAを狭くする変換能力が高く、均一な拡散光を入射した際には、結果として、第2の方向の方が小さい最大配光角の光束を出射するものである。
ここで、1種類の光学素子に対して、第1の方向と第2の方向は、1組に限定するものではなく、複数あっても良い。
【0067】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0068】
[第1の実施の形態]
図1の(A)及び(B)はそれぞれ、本発明の第1の実施の形態に係る照明装置を使用した表示装置の構成例を示す図である。
【0069】
ここで、図1の(A)では、照明装置11からの照明光を、TIR(Total Internal Reflection)プリズム12を介して、光変調素子としてのミラーデバイス、例えばDMD(商標)13に照明するようにした表示装置の光学構成例を示している。即ち、この表示装置では、TIRプリズム12を使って照明光と、DMD(商標)13からのオン光・オフ光とを分離した例であり、オン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影するようになっている。
【0070】
また、図1の(B)では、照明光を直接DMD(商標)の法線方向から入射するようにした表示装置の光学構成例を示している。即ち、この表示装置では、照明装置11が持つ不図示の照明光学系からの照明光をDMD(商標)13に照射し、DMD(商標)13からのオン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影する。
【0071】
そして、照明光を出射する照明装置11は、本第1の実施の形態においては、自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、第1の方向が第2の方向よりNAが大きい異方性照明手段として機能するように構成されている。また、光変調素子である前記DMD(商標)13は、自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、各ミラーの偏向方向に相当するX方向よりY方向で大きなNAの入射光を光変調可能なように構成されている。そして、そのような照明装置11は、そのようなDMD(商標)13の前記X方向に、前記第2の方向が対応するように配置されている。
【0072】
即ち、前述したように従来の表示装置においては、図11の(E)に示すように入射NAがX,Y共に同じ(Lx=Ly)であったが、本第1の実施の形態においては、図1の(C)に示すように、図11の(E)の照明と比べ、Y方向に入射NAを広げた照明光とその出射光であるオン光及びオフ光となるように構成しているものである(Lx<Ly)。
【0073】
勿論、図1の(C)に示すような光束の断面形状が楕円に限定されるものではなく、Xより長いY方向の形状(Lx<Ly)であれば、例えば、図1の(D)に示すように、光束の断面が長方形となるようにしても良い。
【0074】
このような本発明の第1の実施の形態によれば、従来の装置と比較して、光変調素子であるDMD(商標)13のY方向に、より多くのNAを入射可能となり、より明るい表示を得ることができる。
【0075】
また、目標の明るさが得られる光源の場合には、光量を下げても同じ明るさの表示を得ることができ、高効率に、より低消費、熱の発生の防止などが得られる。
【0076】
更に、光変調素子としてDMD(商標)13を使用することで、表示装置の小型化が可能となる。
【0077】
以下、前記のようなDMD(商標)13のミラーへの入射NAがX方向とY方向とで異なる表示装置における前記照明装置11の各種構成例、即ち、各種NA変換可能な光学素子の第1の方向と第2の方向で異なった最大配光角を得る光学素子としての光源、導光手段、照明光学系の各種の構成を、図1の(E)乃至図7を参照して説明する。
【0078】
その際、照明装置11とDMD(商標)13の配置関係を、図1の(A)より簡略化して説明するために、図1の(B)で示したような照明装置11の照明光を直接DMD(商標)13の法線方向から入射するようにした表示装置に適用するものとして説明する。勿論、本発明は、図1の(B)で示した構成に限定されるものではない。
【0079】
なお、投影光学系の配置や光軸などは、本発明の本質に関わらないので、詳細の説明を省略する。また、DMD(商標)13のミラーのオン状態とオフ状態の絶対角度に関しては、表示装置における投影光学系の構成や位置、向きなどに関わるものであるが、本発明の本質に関わらないので、詳細の説明を省略する。
【0080】
[構成例1]
図1の(E)乃至(F)はその第1の構成例を示す図である。この照明装置11は、ランプ15、楕円リフレクタ16、ライトパイプ17、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0081】
この場合、楕円リフレクタ16は、図1の(E)に示すように、その出射面に遮光マスク16Aが設けられ、出射NAが第1の方向より第2の方向の方が狭くなるように構成されたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。そして、このような楕円リフレクタ16の出射面から出射した光束が、DMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、該楕円リフレクタ16は配置されている。
【0082】
このような楕円リフレクタ16からの出射光が入射されるライトパイプ17は、断面形状が長手方向のどの位置でも同一の中空パイプであり、入射光を、その入射NAを維持して、その出射面から出射する。
【0083】
照明レンズ18は、前記DMD(商標)13を前記ライトパイプ17の出射光により照明する照明光学系である。この場合、前記DMD(商標)13と結像関係にある位置近傍に前記ライトパイプ17の出射面を配置したクリティカル照明光学方式である。
【0084】
なお、クリティカル照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と結像関係にある位置から出射する光のNAが大きい方向である。
【0085】
従って、図1の(F)及び(G)に示すように、照明レンズ18を介してDMD(商標)13を照明する照明光は、結果的に、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)がθx<θyを満たす照明光となる。
【0086】
このように、この第1の構成例によれば、NA変換可能な光学素子である楕円リフレクタ16によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を、光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0087】
また、NA変換可能な光学素子として楕円リフレクタ16を用いているので、簡単な構成で明るい表示が得られる。しかも、この楕円リフレクタ16は、第1の方向より第2の方向で出射断面が小さい遮光マスク16Aにより構成しているので、簡単に得ることができる。
【0088】
なお、NA変換可能な光学素子としては、楕円リフレクタ16の出射面に遮光マスク16Aを構成することで形成するのに限らず、楕円面を黒く塗ったり、削るなど、どのような手段で構成しても、所望の出射光が得られるのであれば構わない。
【0089】
更には、例えば、特開平8−286274号公報に開示されているような二軸回転楕円面鏡を使用することも可能である。
【0090】
また、ライトパイプ17の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をする平行ロッドを用いても良いことは勿論である。
【0091】
[構成例2]
次に、図2の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第2の構成例を説明する。
【0092】
この照明装置11は、ランプ15、放物面リフレクタ19、フライアイレンズ20、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0093】
この場合、フライアイレンズ20は、図2の(A)に示すように正方形の微小レンズであるマイクロレンズ20Aを2次元マトリックス状に配列して構成されるものであり、本構成例では、第1の方向より第2の方向の方がマイクロレンズ20Aの個数が少ないものとすることで、NA変換可能な光学素子(異方性光学素子)として機能する。そして、このようなフライアイレンズ20が2枚、図2の(B)及び(C)に示すように、第2の方向より第1の方向でその出射光の主光軸に対して距離の離れた位置にマイクロレンズ20Aを備えるように配置されている。即ち、それぞれ第1の方向より第2の方向の方が少ない個数のマイクロレンズ20Aを配した第1及び第2のフライアイレンズ20−1,20−2を介して出射した光束が、照明レンズ18を介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるようにフライアイレンズ群を配置している。
【0094】
またこの場合、照明レンズ18は、所謂ケーラー照明光学系を構成するように、第2のフライアイレンズ20−2とDMD(商標)13の両方が焦点距離fとなるように配置されている。
【0095】
従って、この第2の構成例も、図2の(B)及び(C)に示すように、照明レンズ18を介してDMD(商標)13を照明する照明光は、結果的に、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)がθx<θyを満たす照明光となる。
【0096】
このように、この第2の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるフライアイレンズ20によって第1の方向と第2の方向で異なった位置で出射された光をケーラー照明光学系により光変調素子にNAを異ならせて入射することができる。
【0097】
また、フライアイレンズ20により、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0098】
なお、フライアイレンズ20は、図示のように2枚に限らず1枚のみ使用するものであっても良い。
【0099】
[構成例3]
次に、図3の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第3の構成例を説明する。
【0100】
この照明装置11は、LED21、異方性のテーパパイプ22、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0101】
この場合、光源としてのLED21は、DMD(商標)13の入射光の主光軸方向であるZ方向に対する垂直面に均一な配光特性を持つ、即ち、第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するものである。
【0102】
また、テーパパイプ22は、図3の(A)に示すように、第1の方向より第2の方向の方がNA変換能力の大きい、入射端と出射端の長さの比が第1の方向より第2の方向の方が大きい(Tox/Tix>Toy/Tiy)NA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。
【0103】
そして、この第3の構成例では、該テーパパイプ22を介して出射した光束が円形の照明レンズを介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、このようなテーパパイプ22を配置している。即ち、このようなテーパパイプ22では、配光特性が第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するLED21からの光を入射し、出射する光は、Sy>SxとなるようにY方向にNAを大きくした出射光を得る。
【0104】
従って、そのテーパパイプ22の出射光をクリティカル照明系で構成した照明レンズ18によりDMD(商標)13に集光する際、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)はθy>θxを満たす照明光となる。
【0105】
なお、クリティカル照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と結像関係にある位置から出射する光のNAが大きい方向である。
【0106】
このように、この第3の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるテーパパイプ22によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0107】
また、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22を使用することにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0108】
なお、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をするテーパロッドのような他のテーパ光学素子を用いても良いことは勿論である。
【0109】
[構成例4]
次に、図4の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第4の構成例を説明する。
【0110】
この照明装置11は、前記第3の構成例と同様に、LED21、異方性のテーパパイプ22、及び円形の照明レンズ18から構成されるものであるが、照明レンズ18の焦点距離fの位置にDMD(商標)13のミラーを配置したケーラー照明系とした場合の例である。
【0111】
この場合、テーパパイプ22は、出射端の長さが第1の方向より第2の方向で短いNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)であり、配光特性が第1の方向と第2の方向とで同じ配光特性を有するLED21からの光を入射し、出射する光は、Sy=SxとなるようなX,Y方向何れも同じNAの出射光を得る。しかし、前述の第3の構成例と異なる点は、ケーラー照明光学系に対して、テーパパイプ22のTox<Toyを満たす際のToy方向を第1の方向として、その第1の方向をDMD(商標)13に対するY方向に合わせて配置するようにしたものである。
【0112】
なお、ケーラー照明系において、DMD(商標)13のY方向は、DMD(商標)13と反対側の焦点位置近傍におけるテーパパイプ22の光軸に対する距離が離れた出射位置を有した方向、或いは、出射サイズが大きい方向である。
【0113】
その結果、DMD(商標)13のミラーへのX方向の入射NA(θx)とY方向の入射NA(θy)はθx<θyを満たす照明光となる。
【0114】
このように、この第4の構成例によれば、NA変換可能な光学素子であるテーパパイプ22によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光を光変調素子であるDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0115】
また、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22を使用することにより、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0116】
なお、NA変換可能な光学素子としてテーパパイプ22の代わりに、ガラスなどによって中密に構成され、側面で全反射をするテーパロッドのような他のテーパ光学素子を用いても良いことは勿論である。
【0117】
[構成例5]
次に、図5の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第5の構成例を説明する。
【0118】
この照明装置11は、レンズ付LED23、テーパロッド24、及び円形の照明レンズ18から構成される。
【0119】
レンズ付LED23は、図5の(A)に示すように、拡散光を発光するLED23Aと、半円柱形状に形成された異方形状レンズ23Bとから構成されたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。このレンズ付LED23は、例えば特開2001−177156号公報に開示されており、主光軸に垂直な第1の方向(円柱の軸方向)に対して前記主光軸と該第1の方向との両方に垂直で、且つ、第1の方向より最大配光角が小さい第2の方向を有する光源である。即ち、異方形状レンズ23Bは、第1の方向でパワーを持たなく第2の方向にパワーを持ったレンズである。
【0120】
なお、この第5の構成例は、このようなレンズ付LED23に密接して配置したテーパロッド24と照明レンズ18によって、光変調素子としてのDMD(商標)13を照明するものであるが、この場合、テーパロッド24は、入射端と出射端が共に正方形で、入射端より大きな面積を有する出射端であって、ガラスで中密状態にして空気との屈折率の違いによる全反射によって側面で反射するものであり、照明レンズ18は、テーパロッド24の出射端面をDMD(商標)面に結像するように構成したレンズである。
【0121】
そして、図5の(B)及び(C)に示すように、前記レンズ付LED23を、第1の方向がDMD(商標)13のミラーのY方向、第2の方向がX方向になるように向きを合わせて配置している。
【0122】
このような第5の構成例においても、NA変換可能な光学素子である異方形状レンズ付LED23によって第1の方向と第2の方向で異なったNAで出射された光をクリティカル照明光学系により光変調素子としてのDMD(商標)13にNAを異ならせて入射することができる。
【0123】
また、異方形状レンズ付LEDを使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0124】
[構成例6]
次に、図6の(A)乃至(C)を参照して、照明装置11の第6の構成例を説明する。
【0125】
この照明装置11は、ランプ15と放物面リフレクタ19によってライトパイプ17の入射端に光源像を形成し、ライトパイプ17に入射した光の一部がライトパイプ17の側面で反射しライトパイプ17の出射端で均一化し、その出射端からの光が楕円形状照明レンズ25によりDMD(商標)面に結像するように構成したものである。
【0126】
この場合、楕円形状照明レンズ25は、第1の方向より第2の方向の方が出射NAが狭いものとなるように、図6の(A)に示すよう円形状のレンズを削って第1の方向のサイズより第2の方向のサイズの方が小さい楕円形状にしたNA変換可能な光学素子(異方性光学素子)である。そして、図6の(B)及び(C)に示すように、このような第1の方向より第2の方向の方が出射NAが狭い楕円形状照明レンズ25を介してDMD(商標)13のミラーに入射する際に、X方向に第2の方向、Y方向に第1の方向となるように、該楕円形状照明レンズ25を配置しているものである。
【0127】
このように、NA変換可能な光学素子として楕円形状照明レンズ25を使用することで、簡単な構成で明るい表示が得られる。
【0128】
なお、照明レンズの形状がX,Yとで異方性を有するような例で説明したが、それに限定をするものではない。
【0129】
絞りがX方向とY方向で異なった開口であっても良い。例えば、レンズは、異方性ではなく円形や四角形であったとして、レンズ近傍にある遮光マスクがX,Yとで異方性を有していても良い。
【0130】
また、拡散する光を入射して集光するレンズに限定するものではなく、偏心、球面、及び放物面の何れかを含むパワーを持った反射鏡であっても良い。
【0131】
更に、ライトパイプ17とDMD(商標)13の間の光路に、NA軽減のためのコリメータレンズや反射ミラーなどを含んでいても良い。
【0132】
また、ライトパイプ17の代わりに平行ロッドであっても良いことは勿論である。
【0133】
[構成例7]
次に、図7の(A)及び(B)を参照して、照明装置11の第7の構成例を説明する。
【0134】
この照明装置11は、2個のランプ15、2個の放物面リフレクタ19、テーパロッド24、及び円形の照明レンズ18から構成されるものである。
【0135】
この場合、テーパロッド24は、入射端と出射端が共に正方形で、入射端より大きな面積を有する出射端であって、ガラスで中密状態にして空気との屈折率の違いによる全反射によって側面で反射するものであり、照明レンズ18は、テーパロッド24の出射端面をDMD(商標)面に結像するように構成したレンズである。
【0136】
そして、ランプ15及び放物面リフレクタ19を第2の方向よりも第1の方向に多数配置するものとし、第1の方向がDMD(商標)13のミラーのY方向、第2の方向がX方向になるように向きを合わせて配置している。
【0137】
このような第7の構成例によれば、第2の方向より第1の方向に多数の発光体を配置することで、更に、明るい表示を得ることができる。
【0138】
なお、発光体は、2個に限定するものではなく、第1の方向と第2の方向でNAが異なっていれば、発光体数を限定するものではない。
【0139】
また、ランプ15と放物面リフレクタ19との組み合わせに限定するものではなく、LEDや蛍光体などからの発光源とレンズとの組み合わせであっても良い。
【0140】
以上、照明装置11の各種構成例を説明したが、それらに限定するものではないことは勿論である。
【0141】
例えば、LED基板などの工夫によりLEDから出射される光の配光特性が異方性を有するようにしても良い。
【0142】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
前述の第1の実施の形態では、照明装置のNA変換可能な光学素子の各種例を示して説明したが、この第2の実施の形態では、そのNA変換可能な光学素子を使用した照明装置を備えた表示装置の別の構成について説明する。
【0143】
前述したように、表示装置の光変調素子として使用されるミラーデバイスであるDMD(商標)は、図8の(A)に示すように、微小ミラー26Aを複数マトリクス状に配置してなり、各微小ミラー26Aを回動させることで、入射光をオン光とオフ光に分離することができるものである。このようなミラーデバイスとして、特開平10−319330号公報には、図8の(B)に示すように、各微小ミラー26Aを、その対角を回動軸Oとして回動することで、微小ミラー26Aの配列方向の一方に対して45°方向に偏向するようにしたDMD(商標)26が開示されている。
【0144】
そこで、本第2の実施の形態では、微小ミラー26Aが、マトリックス状に長方形のエリア変調面を形成する場合であって、微小ミラー26Aの偏向方向が長方形の各辺の方向と異なるDMD(商標)26を使用することで、投影光学系を小型化、軽量化し、携帯性の優れた表示装置を提供しようとするものである。
【0145】
図9の(A)は、本実施の形態に係る表示装置の光学構成を示す図であり、例えば前述した第3の構成例のような照明装置11からの照明光を、TIRプリズム12を介して、光変調素子としてのDMD(商標)26に照明するようにしたものである。即ち、この表示装置では、TIRプリズム12を使って照明光と、DMD(商標)26からのオン光・オフ光とを分離した例であり、オン光を投影光学系14によって不図示のスクリーンに投影するようになっている。
【0146】
図9の(B)は、図9の(A)のDMD(商標)26の法線方向でオン光の出射側から見た図であり、入射光、オン光、オフ光の光路、並びに、前述の第1の実施の形態における投影光学系14のレンズ14Aの形状を示している。
【0147】
本発明の前記照明装置11は、従来の照明装置と比較してY方向に大きなNAを有した光束をDMD(商標)26より反射することになり、その分、大きな径の投影光学系14にすることが望ましい。そこで、図9の(C)に示すように、その形状を楕円形状にした投影光学レンズ14Bとする。
【0148】
なお、図9の(B)及び(C)では、投影光学レンズ14A,14Bを透過するオン光のNAを表現すべく、最大角度の光線が投影光学レンズ14A,14Bに入射する光束形状を示している。
【0149】
即ち、本第2の実施の形態に係る表示装置は、投影光学系14として入射光が通らない部分を削って、小型化、軽量化するようにしたものである。
【0150】
また、投影光学系14Bは、オフ光が入射しないようにする必要があるが、楕円形状にすることで、DMDに近づけた配置にすることができ、更に小型化することができる。
【0151】
なお、図9の(C)で示したDMD(商標)26が出射した光束は、画像と投影光束の楕円方向とが45°傾いており、その光束を折り返しミラーなどにより折り返しをしたとしても、その関係は変わらない。
【0152】
図10の(A)は、本実施の形態に係る表示装置の筐体27と前記投影光学レンズ14Bの関係を示す図であり、(B)は、図9の(C)で示した投影光学レンズ14Bを搭載した表示装置と投影光学レンズ14Bとの関係を示す図である。
【0153】
即ち、前記折り返しミラーなどで折り返ししない場合で、DMD(商標)26に対する微小ミラー26Aの偏向方向が画像の長方形の長短方向の角度と一致しない場合に、DMD(商標)26から出射する光の最大光線角度は、該画像に対して前記角度分傾いた楕円形状の光束となり、それに伴って投影光学レンズ14Bも円形のレンズを斜め方向に削って楕円となる形状としたものである。表示装置筐体27とDMD(商標)26のミラー配列方向とを一致させた場合、表示装置筐体27と前記投影光学レンズ14Bとが図10の(B)のようになる。そのため、表示装置筐体27を小型化しようとすると、投影光学レンズ14Bがその楕円長辺側が筐体27からはみ出る場合が生じる。
【0154】
そこで、小型化した表示装置を持ち運ぶなどする際に、前記はみ出る部分が邪魔にならないように、図10の(C)で示すように、携帯時や収納時には、前記投影光学レンズ14Bを回転させ、はみ出さないようにする。
【0155】
或いは、投影光学レンズ14Bを、筐体27に対し着脱可能にしても良い。
【0156】
これにより、装置を小型化したとしても、携帯時や保管時に持ち運び易くすることができる。
【0157】
また、表示装置筐体27とDMD(商標)26のミラー配列方向とを45°回転させ、図10の(D)に示すように配置した場合には、図10の(E)に示すように、表示装置筐体27に対し前記投影光学レンズ14Bの長手方向が平行となるように、筐体27に投影光学レンズ14Bを取り付けることができる。そして、この場合には、筐体27に対しひんじとロック機構とを備えた載置用足部材28を取り付けておく。
【0158】
而して、このような構成とすることにより、投影時には、図10の(F)に示すように、45°傾けた姿勢に保持することで正しい投影像が投影されるようにし、また、携帯時には、図10の(E)に示すように、ロック機構を解除して足部材を折り畳むことで、携帯し易くすることができる。
【0159】
以上実施の形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形や応用が可能なことは勿論である。
【0160】
本発明は、光変調デバイスとしては、ミラーを偏向して変調するミラーデバイスに限定するものではない。
【0161】
例えば、ホログラムを利用した液晶ライトバルブや異方性のプリズムを含んだ変調素子などにも適用でき、同様の効果を得ることができる。特開2000−235179号公報に開示された液晶ライトバルブや、特開2000−292758号公報に開示されたような全反射特性と屈折率との関係を利用した表面プラズモン変調素子を利用することができる。
【0162】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、投影に関わる照明光量が制限され、明るい投影表示ができないという課題を解決し、より明るい投影像を得ることができる照明装置、及び、その照明装置を搭載した表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)はそれぞれ本発明の第1の実施の形態に係る照明装置を使用した表示装置の構成例を示す図、(C)は楕円照明光を説明するための図、(D)は長方形照明光を説明するための図、(E)は第1の実施の形態に係る照明装置の第1の構成例に使用する長方形状マスクを備えた楕円リフレクタを示す図、(F)は照明装置の第1の構成例をY方向から見た図であり、(G)は同じくX方向から見た図である。
【図2】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第2の構成例に使用するX,Y方向でマイクロレンズの数が異なるフライアイレンズの構成図、(B)は照明装置の第2の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図3】(A)乃至(C)はそれぞれ第1の実施の形態に係る照明装置の第3の構成例の立体図、Y方向から見た図、及びX方向から見た図である。
【図4】(A)乃至(C)はそれぞれ第1の実施の形態に係る照明装置の第4の構成例の立体図、Y方向から見た図、及びX方向から見た図である。
【図5】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第5の構成例に使用するレンズ付LEDの立体図、(B)は照明装置の第5の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図6】(A)は第1の実施の形態に係る照明装置の第6の構成例に使用する楕円形状照明レンズを示す図、(B)は照明装置の第6の構成例をY方向から見た図であり、(C)は同じくX方向から見た図である。
【図7】(A)及び(B)は第1の実施の形態に係る照明装置の第7の構成例をY方向及びX方向から見た図である。
【図8】(A)は本発明の第2の実施の形態に係る表示装置に使用される微小ミラーを複数マトリクス状に配置したDMD(商標)を示す図であり、(B)はその微小ミラーの回動軸を説明するための図である。
【図9】(A)は第2の実施の形態に係る表示装置の構成例を示す図、(B)は(A)のDMD(商標)の法線方向でオン光の出射側から見た図であり、(C)は楕円形状の投影光学レンズを用いた場合のDMD(商標)の法線方向でオン光の出射側から見た図である。
【図10】(A)は第2の実施の形態に係る表示装置の筐体と投影光学レンズの関係を示す図、(B)及び(C)はその場合の表示装置筐体と投影光学レンズとの関係を説明するための投影時及び携帯時の筐体外観を示す図、(D)は表示装置筐体とDMD(商標)のミラー配列方向とを45°回転させて配置した場合の表示装置筐体と投影光学レンズの関係を示す図であり、(E)及び(F)はその場合の表示装置筐体と投影光学レンズとの関係を説明するための携帯時及び投影時の筐体外観を示す図である。
【図11】(A)は従来の表示装置の構成図、(B)はミラー近傍に入射する光の拡大図、(C)は従来の表示装置の別の構成図、(D)はオン光とオフ光の分離を説明するため(B)をY方向から見た図であり、(E)はZ方向から見た図である。
【符号の説明】
11…照明装置、12…プリズム、13,26…DMD(商標)、14…投影光学系、14A,14B…投影光学レンズ、15…ランプ、16…楕円リフレクタ、16A…遮光マスク、17…ライトパイプ、18…照明レンズ、19…放物面リフレクタ、20,20−1,20−2…フライアイレンズ、20A…マイクロレンズ、21,23A…LED、22…テーパパイプ、23…異方形状レンズ付LED、23B…異方形状レンズ、24…テーパロッド、25…楕円形状照明レンズ、26A…微小ミラー、27…表示装置の筐体、28…載置用足部材。
Claims (19)
- 自らの出射面から出射する出射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である第1の方向と第2の方向で、前記第1の方向が前記第2の方向よりNAが大きい異方性照明手段と、
自らの入射面に入射する入射光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向であるX,Y方向で、前記X方向より前記Y方向で大きなNAの入射光を光変調可能な光変調素子と、
を備え、
前記異方性照明手段は、前記光変調素子の前記X方向に前記第2の方向が対応するように配置したことを特徴とする表示装置。 - 前記光変調素子は、少なくとも1つのミラーを所定の偏向方向に偏向することで前記異方性光学手段が出射した照明光を光変調をするミラーデバイスであることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記異方性照明手段は、拡散光を発光する発光体を複数備え、
該発光体は、前記第2の方向よりも前記第1の方向に多数配置されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。 - 前記異方性照明手段は、少なくとも異方性光学素子を含むことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、その焦点位置に前記光変調素子を配置したケーラー照明光学方式である、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。 - 前記異方性照明手段は、レンズ或いは凹面反射鏡によって前記光変調素子を前記異方性光学素子の出射光により照明する照明光学系を更に含み、
該照明光学系は、前記光変調素子と結像関係にある位置近傍に前記異方性光学素子の出射面を配置したクリティカル照明光学方式である、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。 - 前記異方性光学素子は、
拡散光を発光する半導体発光素子と、
前記第1の方向より前記第2の方向で集光力の強い異方形状レンズと、
からなることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。 - 前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さい異方形状の反射鏡であることことを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
- 前記異方性光学素子は、前記第1の方向より前記第2の方向で出射断面が小さいマスク手段であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
- 前記異方性光学素子は、入射端長さと出射端長さの長さ比が前記第1の方向より前記第2の方向の方が大きいテーパ光学素子であることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
- 前記異方性光学素子は、出射端の長さが前記第1の方向より前記第2の方向で、短いテーパ光学素子であることを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
- 前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアイレンズは、前記第1の方向より前記第2の方向で少ない微小レンズを備えている、
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。 - 前記異方性光学素子は、複数の微小レンズをマトリックス状に配列したフライアイレンズを有し、
該フライアレンズは、前記第2の方向より前記第1の方向で前記出射光の主光軸に対して距離の離れた位置に微小レンズを備えている、
ことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。 - 前記異方性光学素子は、
拡散する光を入射して集光するレンズである、或いは、偏心、球面、及び放物面の何れかを含むパワーを持った反射鏡であって、
前記第1の方向より前記第2の方向で小さいサイズの形状である、
ことを特徴とする請求項4に記載の表示装置。 - 前記光変調素子から出射する光を投影光として拡大投影する投影光学系を更に備え、
前記投影光学系の形状は、前記投影光のX方向よりY方向に対応した形状を長くした、
ことを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の表示装置。 - 前記投影光学系の形状は、楕円形状であることを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
- 前記投影光学系は、非投影時に回動可能にしたことを特徴とする請求項15に記載の表示装置。
- 前記光変調素子と前記異方性照明手段とを保持する筐体と、
該筐体を載置する際に安定に保つための載置安定化手段と、
を更に備え、
前記光変調素子の変調領域が四角形であって、該四角形の長辺と短辺の何れかの方向と前記Y方向とが所定の傾斜をなしている場合に、前記載置安定化手段は、前記筐体の姿勢を前記所定の傾斜に相応しい角度分変更できることを特徴とする請求項1乃至14の何れかに記載の表示装置。 - 請求項1乃至14の何れかに記載の表示装置に搭載可能な照明装置において、
拡散光を発する光源手段と、
前記拡散光に対し、自らが出射する光の主光軸と垂直な面における2つの各々垂直な方向である前記第1の方向と前記第2の方向のNAが異なるようにNA変換を行う異方NA変換光学素子と、
を有することを特徴とする照明装置。
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