JP2004252109A - 復号化装置及び復号化方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】受信データに誤りがあった場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えること。
【解決手段】誤り情報抽出部104は、受信データよりフレーム毎の誤り情報を抽出する。記憶部105は、無音信号をAAC符号化した無音信号符号化データを記憶する。選択部106は、誤りが生じたフレームの受信データに変えて記憶部105に記憶されている無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力するか、もしくは誤りが生じていないフレームの受信データをそのままAAC復号化部107へ出力する。AAC復号化部107は、選択部106にて選択した誤りのない受信データと無音信号符号化データとをAAC復号化する。
【選択図】 図1
【解決手段】誤り情報抽出部104は、受信データよりフレーム毎の誤り情報を抽出する。記憶部105は、無音信号をAAC符号化した無音信号符号化データを記憶する。選択部106は、誤りが生じたフレームの受信データに変えて記憶部105に記憶されている無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力するか、もしくは誤りが生じていないフレームの受信データをそのままAAC復号化部107へ出力する。AAC復号化部107は、選択部106にて選択した誤りのない受信データと無音信号符号化データとをAAC復号化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、復号化装置及び復号化方法に関し、例えばインターネットのように誤りの多い通信路を介して受信した音響符号化データを復号化する復号化装置及び復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音楽を聞くためには、CDやMDといった最大でも数時間程度しか記録できない比較的小容量の音楽専用デバイスに記録し再生して聞くのが普通であったが、近年、例えばパソコンのハードディスク等の大容量記録メディアやポータブルプレーヤー用に半導体メモリ(SDカード、メモリスティック等)に音楽を圧縮して記録するのが大きな流れになってきている。
【0003】
最近では、 ユーザーがCDから半導体メモリにコピーして使うような誤りが発生しにくい使用形態から、ディジタルBS放送や、インターネットや携帯電話網を経由したストリーミング放送といった通信路に誤りが発生しやすい用途にも使われている。
【0004】
ところで、主に音楽の圧縮に使われるのが、MP3やAAC(Advance Audio Coding)、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)と言った音響コーデックである。AACは、CDの音質を維持するのであれば約1/11にデータを圧縮することができる。
【0005】
しかしながら、音響コーデックは一般に符号化データに誤りがある事を考慮していないため、誤りのある通信路を経由する場合、音質劣化を防ぐために特別な処理が必要になる。
【0006】
この音質劣化を防ぐための特別な処理としては、通常、(1)誤りのあるフレーム以後のフレームの復号を中止する処理、(2)誤りのあるフレームの復号を中止して復号化装置の出力を例えば全ての出力を0にするように別の信号に置き換え、正常な符号化データを受け取ると復号を再開する処理、(3)過去に受信した符号化データより、人間の聴覚特性に基づき適当な出力信号を推定して出力し、以後正常な符号化データを受け取った直後は、誤りフレームの再生信号とスムーズにつながる事を考慮しながら復号する処理がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
上記(1)の処理は、最も簡単な方法である。パソコンのハードディスクやポータブルプレイヤー用のメディアに記録してある符号化データを再生する場合は、通常の使用形態ではほとんど誤りは発生しない。そのため、上記(1)の処理は、正常でない符号化データを復号して復号音楽を再生し続けるのは適当でないといった観点から用いられるものである。
【0008】
ところが、ディジタルBS放送やインターネットや電話網を介したストリーミング放送といった放送形態や、通話等のインタラクティブ性が重視されるような使用形態において、(1)の処理を選択すると、誤ったフレーム以後のサービスが継続できず非常に大きな問題になる。こういった使用形態では、再生不可能なフレームの補間や、誤りによって発生する異音によって受聴者や再生する音響機器にダメージを与えないための何らかの制御が必要になる。このような復号を中止する事ができない用途のために、上記(2)の処理を用いる。
【0009】
次に、上記(2)の処理を適用した形態をAACのごく簡単な動作例を用いて説明する。
【0010】
基本的な動作として、AAC符号化部では、まず入力信号をフレーム単位で取り込み、以後フレーム単位で処理を行う。取り込み後、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)を用いて時間軸から周波数軸に変換し、周波軸上で各種AACツールを用いて冗長性を除去する。AACツールによって冗長性を除去した信号を量子化し、最後にハフマン符号化によってロスレス符号化を行い、冗長性を除去するために使用したパラメータを補助情報として一緒に復号化装置に送る。復号化装置では、符号化部で処理した方法とは逆の処理手順で復号を行う。
【0011】
次に、符号化データに誤りがあった際の信号の流れについて図11を用いて説明する。
【0012】
図11(a)は、入力信号をMサンプル毎にフレーム分割したことを示している。図11では、最初のフレームをT(k)とし、以後のフレームではkが1つずつ増加するものとする。
【0013】
次に、MDCTで周波数変換するために、Mサンプルで区切ったフレームを2つ連結し、2Mサンプル分の分析フレームを構成し(図11(b))、この単位でMDCT変換を行い、M個のMDCT係数を得る(図11(c))。入力信号T(k+1)を入力したフレームにおいて、T(k)+T(k+1)の信号をMDCT変換し、F(k+1)を得るものとする。その後、AACの符号化処理を行い、必要な情報を図11(d)に示す符号化データC(k+1)としてAAC符号化装置より出力する。なお、AAC符号化装置より出力された信号は、誤りの発生し得る通信路を介してAAC復号化装置に送信されるものとする。
【0014】
図11(e)に示すように、受信後の符号化データをC′(k+1)と表し、そこから得られる受信後のMDCT係数を、F′(k+1)のように表す。これは、F(k+1)に対応するものである。受信後のMDCT係数をIMDCT(Inverse MDCT)すると周波軸から時間軸へと変換される(図11(f))。F′(k+1)をIMDCTすることで、T′1(k)+T′1(k+1)が得られ、順に次のフレームでは、T′2(k+1)+T′2(k+2)が得られるものとする(図11(g))。最後にF′(k+1)を復号したフレームで、T′1(k+1)とT′2(k+1)をオーバーラップ加算することで、復号化装置の出力T′(k+1)を得ることができる(図11(h))。
【0015】
次に、通信路において誤りが発生し、正常に復号できないケースを説明する。図11において、通信路においてC′(k+3)のフレームに誤りが発生したものとする。C′(k+3)のフレームで誤りが生じると、T′3(k+2)、T′3(k+3)を得ることができなくなり、必然的にT′(k+2)及びT′(k+3)の復号にも影響を与える。
【0016】
この際の対処として最も簡単な方法としては、T′(k+2)及びT′(k+3)の全出力を0の信号に置き換えてしまうことである(ミュート処理)。このような手法をとることで、誤りがあるフレームを受信しても処理を中止することなく連続動作させることが可能となり、また、さらに誤り情報を外部から受け取れるものとすれば、AAC復号化部に一切の追加処理を加える事なく動作させることが可能となる。
【0017】
次に、上記(2)の処理を行った場合の復号波形について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、誤りが無い時の復号波形であり、図13は、T′(k+2)及びT′(k+3)に誤りが生じた場合の復号波形を示したものである。誤りが生じた場合は、図13に示すように、誤りフレームにおける出力信号が突然、有音から無音に切り替わり、また正常フレームに復帰する際にも突然無音から有音に切り替わる。
【0018】
【特許文献1】
特表2000−508440号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の復号化装置及び復号化方法においては、誤りが生じたフレームの両端では波形の連続性が保たれないため、異音が生じる可能性が高いという問題がある。また、従来の復号化装置及び復号化方法においては、誤りフレームとなってしまったフレームの前後の正常フレームでは、MDCT係数から時間軸に戻した復号信号を得ることが可能であるにもかかわらず、その情報を全く利用することができないという問題がある。また、従来の復号化装置及び復号化方法においては、上記(3)の処理は、上記(1)(2)の処理に比べて、誤りがあっても自然に復号できる可能性が高いため、音声品質の観点から最も望ましい処理であるが、AAC復号化部の大幅な変更が必要であり、既存のAAC復号化部に簡単に適用できないという問題がある。また、適用する場合にはメモリ量や計算量が著しく増える可能性があり、また推定が十分でなかった場合にはかえって異音を発生する可能性も考えられるため、あらゆる使用形態で使用できるわけではないという問題がある。
【0020】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、受信データに誤りがあった場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる復号化装置及び復号化方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の復号化装置は、疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する記憶手段と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する復号化手段と、を具備する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0023】
本発明の復号化装置は、前記構成において、受信データに含まれる誤り情報を抽出する誤り情報抽出手段を具備し、前記選択手段は、前記誤り情報が抽出された場合には前記符号化疑似信号を選択する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、前記効果に加えて、受信データに含まれている誤り情報を抽出するだけで良いので、受信データから誤りを検出する処理が不要になって復号化処理を簡単にすることができる。
【0025】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記復号化手段は、受信データを復号化できない場合には誤り情報を前記選択手段に出力し、前記選択手段は、前記誤り情報が入力するまでは受信データを選択し、前記誤り情報が入力した場合には前記符号化疑似信号を選択する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、前記効果に加えて、復号化しながら誤り検出を行うとともに、誤りが検出された場合には誤りが生じた受信データの代わりに符号化疑似信号を復号化するので、復号化手段にそのデータを補間するための制御を追加することなく復号したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0027】
本発明の復号化装置は、前記構成において、受信データが前記復号化手段にて復号化する時刻に間に合うか否かを判定するとともに、復号化する時刻に間に合わない場合には前記符号化疑似信号を選択するように前記選択手段に指示する復号時間管理手段を具備する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、前記効果に加えて、受信データが復号化する時刻に間に合わない場合には符号化疑似信号を復号化するので、例えば受信データを消失した場合においても、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0029】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記符号化疑似信号は、無音信号を符号化したデータである構成を採る。
【0030】
この構成によれば、前記効果に加えて、符号化疑似信号は無音信号を符号化するだけでよいので、符号化疑似信号を作ることが簡単であるとともに、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0031】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記記憶手段は、正常な受信データであってかつ最後に前記選択手段に入力した受信データを前記符号化疑似信号として記憶する構成を採る。
【0032】
この構成によれば、前記効果に加えて、誤りが生じたフレームの受信データに代えて正常な受信データであってかつ最後に選択手段に入力した受信データをAAC復号化するので、受信データが比較的定常状態にある場合であって、かつ受信データに誤りが生じた場合に、データが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0033】
本発明の復号化方法は、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択するステップと、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化するステップと、を具備するようにした。
【0034】
この方法によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0035】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する手順と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する手順と、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する構成を採る。
【0036】
この構成によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができるとともに、コンピュータにより高速に復号化することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、受信データに誤りが生じていない場合には受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが復号化処理の時刻に間に合わない場合には符号化疑似信号を選択し、選択した受信データまたは符号化疑似信号を復号化することである。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る復号化装置108を備えた受信装置100の構成を示す図である。記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置108を構成している。
【0040】
受信無線部102は、携帯電話網を経由して到来する音響符号化データをアンテナ101にて受信して、無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をして復調部103へ出力する。なお、アンテナ101は必ずしも必要ではなく、データが無線ではなく有線にて受信される場合には回線の端末装置を受信無線部102に接続するようにしても良い。
【0041】
復調部103は、受信無線部102から入力した受信データを復調して誤り情報抽出部104と選択部106へ出力する。
【0042】
誤り情報抽出部104は、復調部103から入力した受信データより、各フレームに誤りがあるか否かの誤り情報を抽出し、抽出した誤り情報を選択部106へ出力する。
【0043】
記憶部105は、無音信号(疑似信号)をAAC符号化したデータ(以下「無音信号符号化データ」と記載する)(符号化疑似信号)を記憶しており、記憶している無音信号符号化データを選択部106へ出力する。なお、記憶部105は、必ずしも必要ではなく、記憶部105をなくして無音信号符号化データが直接選択部106へ入力するようにしても良い。
【0044】
選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っていないフレームの受信データが復調部103から入力した場合には入力した受信データをAAC復号化部107へ出力し、誤っているフレームの受信データが入力した場合には記憶部105から入力した無音信号符号化データを入力した受信データの代わりにAAC復号化部107へ出力する。選択部106は、受信データと無音信号符号化データとの選択を機械的または電子的なスイッチにより切り換えて選択する。なお、選択部106は、機械的または電子的なスイッチにより切り換えて選択する場合に限らず、他の任意の方法により選択することが可能である。
【0045】
復号化手段であるAAC復号化部107は、選択部106から入力した受信データまたは無音信号符号化データをAAC復号化することにより復号信号を得ることができる。
【0046】
次に、受信装置100の動作について、図2を用いて説明する。
【0047】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST201)、受信無線部102にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調され、誤り情報抽出部104にて誤り情報を抽出され、選択部106にてフレーム毎に誤りがあるか否かを判断される(ステップ202)。
【0048】
誤りがあるフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は、誤りのあるフレームの受信データを選択せずに、記憶部105から入力した無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力し(ステップST203)、AAC復号化部107は、無音信号符号化データをAAC復号化する(ステップST204)。
【0049】
一方、ステップST202において、誤りがないフレームの受信データは、そのまま選択部106からAAC復号化部107へ出力されてAAC復号化部107にてAAC復号化される(ステップST204)。
【0050】
そして、通信を終了するか否かを判断し(ステップST205)、通信を終了しない場合はステップST201からステップST204までの処理を繰り返す。
【0051】
次に、受信データの処理方法について、図3を用いて説明する。なお、図3において、送信データの処理(図3(a)〜(d))は、図11に示す従来の送信データの処理(図11(a)〜(d))と同一であるのでその説明は省略する。
【0052】
受信後の符号化データC′(k+3)に誤りがあり、このままでは復号できないものとする。ここで、誤りがあるC′(k+3)に代え、記憶部105に記憶されている符号化データG′(k+3)を使用する(図3(e))。この結果、MDCT係数F′′(k+3)を得ることができ(図3(f))、順次F′′(k+3)をIMDCTしたT′′3(k+2)、T′′3(k+3)を得る(図3(g))。ここで、G′(k+3)は無音信号をAAC符号化したものであるため、T′′3(k+2)、T′′3(k+3)は無音信号波形となる。
【0053】
次に、T′2(k+2)とT′′3(k+2)をオーバーラップ加算することでT′′(k+2)を得ることができ、T′′3(k+3)とT′4(k+3)をオーバーラップ加算することでT′′(k+3)を得ることができる(図3(g)(h))。
【0054】
図4は、図3(h)の場合の復号出力波形イメージを示すものであり、誤りの生じたフレームの受信データを無音信号符号化データに置き換えて、無音信号符号化データのフレームと無音信号符号化データのフレームの次に受信されるフレームとをオーバーラップ加算することから明らかなように、T′′(k+2)とT′′(k+3)との境界付近の信号振幅が0に近付き、それぞれT′(k+1)、T′(k+4)に近付く方向で振幅が大きくなる。なお、この補間波形の振幅は、MDCT変換する際に使用する窓関数により決定される。
【0055】
次に、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに用いるデータの本実施の形態1における他の例として、雑音を用いる場合について説明する。
【0056】
この場合の受信装置は、図1において、無音信号符号化データの代わりに雑音符号化データを用いる以外は同一構成であるので、その説明は省略する。
【0057】
雑音符号化データを用いる場合は、定常的な雑音符号化データを用いる方法、または過去に復号化したデータを分析してそれに適した定常雑音符号化データを適宜選択する方法等の任意の方法を選択可能である。過去に復号化したデータを分析してそれに適した定常雑音符号化データを適宜選択する方法を選択する場合は、受信データがカーノイズを含むデータを符号化したものと判断できれば、雑音符号化データとしてカーノイズを符号化したデータを用い、また、受信データが雑踏において符号化された音声データであるものと判断できれば、雑音符号化データとして雑踏の音を符号化したデータを用いることが可能である。これにより、復号化したデータを取得したユーザーが、劣化したデータであると感じることを極力抑えることができる。
【0058】
さらに、雑音符号化データを用いる場合は、受信データの受信レベルも分析して雑音符号化データを符号化する際にゲイン調整することにより、復号化したデータを取得したユーザーが不自然な感覚を受けることを極力少なくすることができる。
【0059】
このように、本実施の形態1によれば、誤りが生じたフレームの受信データを無音信号符号化データまたは雑音符号化データに置き換えてAAC復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態1によれば、あらかじめ記憶しておいた無音信号符号化データまたは雑音符号化データを誤りが生じた受信データと置き換えるだけであるので、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態1によれば、無音信号符号化データまたは雑音符号化データを誤りの生じた受信データの代わりにAAC復号化するので、誤って予測したデータに基づいてAAC復号化する場合に比べて感覚的に不自然な信号を復号化してしまうことがなく、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0060】
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態2に係る復号化装置501を備えた受信装置500の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0061】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置501を構成している。
【0062】
選択部106は、AAC復号化部107から誤り情報が入力しない場合には復調部103から入力した受信データをAAC復号化部107へ出力する。一方、選択部106は、AAC復号化部107から誤り情報が入力した場合には記憶部105から入力した無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力する。
【0063】
AAC復号化部107は、選択部106から入力した受信データをAAC復号化する。AAC復号化部107は、復号途中で誤りを検出する事ができ、検出した場合には復号を中止し選択部106に誤りがあったことを通知する。誤りを検出する手段としては例えば以下の方法がある。AACコーデックであれば、符号化データとは別にチャネル数やビットレートを設定してあり、誤りによって符号化データを復号した結果事前設定値とは矛盾する情報を読み取る場合が考えられ、この場合は誤りが発生したことを検出する事が可能である。また、AACはスペクトルデータを符号化する方法として、頻繁に用いる信号には短い符号を割り当て、あまり使わない符号には長い符号を割り当てることで平均的に情報量を圧縮する方式であるハフマン符号化を用いているが、一般的にハフマン符号化された符号化データを復号する時は、先頭もしくは末尾からハフマン符号化する際に用いた変換表であるハフマン符号表に一致するデータを順じ抜き出していき、そのデータをハフマン符号表にしたがって逆変換することで元のデータを得る。ところがこの符号化データにビット誤りがあると、表に対応する符号が存在しない場合や、ビット長の異なる別の符号に一致することで同期がはずれることで誤りが検出できる場合がある。このような状態になった場合、AAC復号化部107は、AAC復号化できない受信データを廃棄して、廃棄した受信データの代わりとして無音信号符号化データが選択部106から入力されるように、誤り情報を選択部106へ出力する。
【0064】
次に、受信装置500の動作について、図6を用いて説明する。
【0065】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST601)、受信無線部103にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調される。
【0066】
次に、受信データは、AAC復号化部107にてAAC復号化処理される(ステップST602)。そして、AAC復号化部107は、AAC復号化処理を行いながら復号化が可能か否かを判定する(ステップST603)。復号化できない状態になった場合に、AAC復号化部107は受信データを廃棄し(ステップST604)、誤り情報を選択部106へ出力する(ステップST605)。次に、選択部106は、記憶部105から入力した無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力する(ステップST606)。
【0067】
次に、無音信号符号化データは、AAC復号化部107にてAAC復号化され(ステップST607)、AAC復号化部107より復号信号として出力される(ステップST608)。
【0068】
一方、ステップST603において、復号化処理が完了して復号化可能である場合には、AAC復号化部107は、復号信号を出力する(ステップST608)。
【0069】
そして、通信を終了するか否かを判定し(ステップST609)、通信を終了しない場合にはステップST601からステップST608までの処理を繰り返す。
【0070】
このように、本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、復号化処理の段階にて受信データの誤りを検出するので、正確な誤り情報に基づいて復号化処理することができる。また、AAC復号化部が誤り検出も行うので、誤り検出のための特別の回路が不要になるとともに、回路規模及び装置全体を小型化することができる。
【0071】
(実施の形態3)
図7は、本実施の形態3に係る復号化装置701を備えた受信装置700の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0072】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置701を構成している。
【0073】
記憶部105は、選択部106から入力した受信データ(符号化疑似信号)を記憶して、タイミング信号の入力毎に記憶した受信データを選択部106へ出力する。記憶部105は、正常な受信データであってかつ選択部106に最後に入力した受信データを記憶する。タイミング信号は、復調部103から選択部106へ受信データが入力する毎に記憶部105へ入力する。
【0074】
選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っていないフレームの受信データが復調部103から入力した場合には、入力した受信データをAAC復号化部107と記憶部105へ出力する。一方、選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っているフレームの受信データが入力した場合には、記憶部105へは受信データを出力せずに、記憶部105から入力した正常な受信データをAAC復号化部107へ出力する。
【0075】
次に、受信装置700の動作について、図8を用いて説明する。
【0076】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST801)、受信無線部102にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調され、誤り情報抽出部104にて誤り情報を抽出される。
【0077】
次に、選択部106は、誤り情報に基づいて受信データに誤りがあるか否かを判定する(ステップST802)。
【0078】
そして、誤りがあるフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は、記憶部105から入力した誤りがない正常な受信データを選択し(ステップST803)、AAC復号化部107にてAAC復号化して出力する(ステップST805)。
【0079】
一方、ステップST802において、誤りがないフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は誤りがない正常な受信データを記憶部105へ出力して記憶部105は正常な受信データを記憶する(ステップST804)。そして、選択部106は、復調部103から入力した受信データをそのままAAC復号化部107へ出力してAAC復号化する(ステップST805)。
【0080】
そして、通信を終了するか否かを判定し(ステップST806)、通信を終了しない場合にはステップST801からステップST805までの処理を繰り返す。
【0081】
このように、本実施の形態3によれば、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに記憶部に記憶されている正常な受信データを選択してAAC復号化するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態3によれば、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに記憶部に記憶されている正常な受信データを選択してAAC復号化するので、カーノイズや母音が続く等の変化が少ない受信データを連続して受信している最中に誤りが生じた際には、音質劣化の少ない復号化信号を得ることができる。
【0082】
(実施の形態4)
図9は、本実施の形態4に係る復号化装置901を備えた受信装置900の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0083】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置901を構成している。
【0084】
復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に蓄積された符号化された受信データから一定時間毎に適切な受信データを選択し、選択した受信データを選択部106へ出力するように指示する。この時、復号時間管理部902は、適切な受信データが選択できなかった場合には受信データが選択できなかった旨の情報を選択部106へ出力する。復号時間管理部902は、受信データを受信データバッファ部903から選択部106へ出力させるためのタイミングをタイマーにより計測しており、所定の時刻になった場合に選択した受信データを受信データバッファ部903から選択部106へ出力するように指示する。
【0085】
受信データバッファ部903は、復調部103から入力した受信データを時系列に一定量蓄積し、復号時間管理部902により出力を指示された受信データを選択部106へ出力する。
【0086】
次に、受信装置900の動作について、図10を用いて説明する。
【0087】
最初に、アンテナ101にて受信データを受信し(ステップST1001)、受信した受信データを復調する。
【0088】
次に、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に空きがあるか否かを判定し(ステップST1002)、受信データバッファ部903に空きがあれば受信データが受信データバッファ部903に蓄積される(ステップST1003)。
【0089】
受信データバッファ部903に空きがない場合には、受信データは廃棄される(ステップST1004)。
【0090】
次に、受信データバッファ部903は、受信データのタイムスタンプとシーケンス番号を見て、一番古いタイムスタンプ及びシーケンス番号の受信データが優先的に出力されるように受信データの並び替えを行う。
【0091】
次に、復号時間管理部902は、タイマーにより時間を計測して受信データを出力する時刻か否かを判定する(ステップST1005)。
【0092】
次に、復号時間管理部902は、受信データを出力する時刻になった場合には受信データバッファ部903から読み出す受信データがあるか否かを判定する(ステップST1006)。読み出す受信データがあるか否かは、送信器(図示省略)にて受信データに付加した符号化された時の時間情報(タイムスタンプ)やシーケンス番号に基づいて復号時間管理部902が判断する。
【0093】
送信器は、常に一定のタイミングにて符号化データを送信するものであり、タイムスタンプは常に前のフレームに対して1フレーム長分等の一定の数字が加算され、シーケンス番号は、フレーム毎に1つずつ増えていくものである。したがって、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に入力したフレームのシーケンス番号が、1つ前に入力したフレームのシーケンス番号に対して2以上であればフレームを失ったものと判断することができ、受信データバッファ部903に入力したタイムスタンプが、1つ前に入力したフレームのタイムスタンプに対して所定以上の差であればフレームを失ったものと判断することができる。
【0094】
読み出す受信データがある場合には、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に記憶されている受信データの中から最適な受信データを選択して読み出す(ステップST1007)。
【0095】
次に、復号時間管理部902は、AAC復号化する時刻に間に合うか否かを判定する(ステップST1008)。
【0096】
AAC復号化する時刻に間に合わない場合には、選択した受信データを廃棄し(ステップST1009)、受信データバッファ部903を更新する(ステップST1010)。
【0097】
ステップST1008において、AAC復号化すべき時刻に間に合う場合には、復号時間管理部902は、AAC復号化する時刻よりも早いか否かを判定する(ステップST1011)。
【0098】
AAC復号化する時刻よりも早くない場合には、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903から選択部106へ入力する受信データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1012)。
【0099】
その後、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903を更新するように指示する(ステップST1013)。
【0100】
ステップST1011において、AAC復号化する時刻よりも早い場合には、記憶部105から選択部106へ入力する無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1014)。
【0101】
一方、ステップST1006において、受信データバッファ部903に読み出す受信データがない場合には、記憶部105から選択部106へ入力する無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1014)。
【0102】
次に、選択部106からAAC復号化部107へ入力した受信データまたは無音信号符号化データは、AAC復号化部107にてAAC復号化されて復号信号が出力される(ステップST1015)。
【0103】
次に、通信を終了するか否かを判定し(ステップST1016)、通信を終了しない場合にはステップST1001からステップST1015までの処理を繰り返す。
【0104】
このように、本実施の形態4によれば、AAC復号化の時刻に間に合わなかった受信データの代わりに無音信号符号化データをAAC復号化するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データの復号化に遅延が生じた場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態4によれば、あらかじめ記憶しておいた無音信号符号化データを遅延が生じた受信データと置き換えるだけであるので、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態4によれば、無音信号符号化データを遅延が生じた受信データの代わりにAAC復号化するので、誤って予測したデータに基づいてAAC復号化する場合に比べて感覚的に不自然な信号を復号化してしまうことがなく、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0105】
なお、本実施の形態4において、記憶部105には無音信号符号化データを記憶することとしたが、これに限らず、雑音符号化データを記憶するようにしても良い。また、本実施の形態4において、受信データにAAC復号化する時刻に間に合わなかった場合に無音信号符号化データをAAC復号化するようにしたが、これに限らず、誤り情報抽出部を設けて、受信データに誤りが生じた場合と受信データがAAC復号化する時刻に間に合わなかった場合の両方にて受信データの代わりに無音信号符号化データをAAC復号化するようにしても良い。
【0106】
上記実施の形態1〜4において、AAC符号化されたデータを受信してAAC復号化することとしたが、これに限らず、AACと同様に時間軸周波数軸変換方式にMDCTを用いるATRAC等の音響コーデックを用いても同様の効果を得ることができる。また、上記実施の形態1〜4の復号化装置は、基地局装置及び通信端末装置に適用することが可能である。また、上記実施の形態1〜4において、復号化装置を用いて復号化する場合について説明したが、これに限らず、復号化装置における復号化の処理をプログラムを用いてコンピュータにて処理するようにしても良い。この場合は、CD−ROMまたはDVD等の記憶媒体に記憶させたプログラムを用いても良いし、またはネットワークを介して提供されたプログラムを用いるようにしても良い。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信データに誤りがあった場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図3】信号の流れを説明する図
【図4】復号化した信号の波形を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図7】本発明の実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図9】本発明の実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図11】従来の信号の流れを説明する図
【図12】復号化した信号の波形を示す図
【図13】復号化した信号の波形を示す図
【符号の説明】
104 誤り情報抽出部
105 記憶部
106 選択部
107 AAC復号化部
108 復号化装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、復号化装置及び復号化方法に関し、例えばインターネットのように誤りの多い通信路を介して受信した音響符号化データを復号化する復号化装置及び復号化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、音楽を聞くためには、CDやMDといった最大でも数時間程度しか記録できない比較的小容量の音楽専用デバイスに記録し再生して聞くのが普通であったが、近年、例えばパソコンのハードディスク等の大容量記録メディアやポータブルプレーヤー用に半導体メモリ(SDカード、メモリスティック等)に音楽を圧縮して記録するのが大きな流れになってきている。
【0003】
最近では、 ユーザーがCDから半導体メモリにコピーして使うような誤りが発生しにくい使用形態から、ディジタルBS放送や、インターネットや携帯電話網を経由したストリーミング放送といった通信路に誤りが発生しやすい用途にも使われている。
【0004】
ところで、主に音楽の圧縮に使われるのが、MP3やAAC(Advance Audio Coding)、ATRAC(Adaptive Transform Acoustic Coding)と言った音響コーデックである。AACは、CDの音質を維持するのであれば約1/11にデータを圧縮することができる。
【0005】
しかしながら、音響コーデックは一般に符号化データに誤りがある事を考慮していないため、誤りのある通信路を経由する場合、音質劣化を防ぐために特別な処理が必要になる。
【0006】
この音質劣化を防ぐための特別な処理としては、通常、(1)誤りのあるフレーム以後のフレームの復号を中止する処理、(2)誤りのあるフレームの復号を中止して復号化装置の出力を例えば全ての出力を0にするように別の信号に置き換え、正常な符号化データを受け取ると復号を再開する処理、(3)過去に受信した符号化データより、人間の聴覚特性に基づき適当な出力信号を推定して出力し、以後正常な符号化データを受け取った直後は、誤りフレームの再生信号とスムーズにつながる事を考慮しながら復号する処理がある(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
上記(1)の処理は、最も簡単な方法である。パソコンのハードディスクやポータブルプレイヤー用のメディアに記録してある符号化データを再生する場合は、通常の使用形態ではほとんど誤りは発生しない。そのため、上記(1)の処理は、正常でない符号化データを復号して復号音楽を再生し続けるのは適当でないといった観点から用いられるものである。
【0008】
ところが、ディジタルBS放送やインターネットや電話網を介したストリーミング放送といった放送形態や、通話等のインタラクティブ性が重視されるような使用形態において、(1)の処理を選択すると、誤ったフレーム以後のサービスが継続できず非常に大きな問題になる。こういった使用形態では、再生不可能なフレームの補間や、誤りによって発生する異音によって受聴者や再生する音響機器にダメージを与えないための何らかの制御が必要になる。このような復号を中止する事ができない用途のために、上記(2)の処理を用いる。
【0009】
次に、上記(2)の処理を適用した形態をAACのごく簡単な動作例を用いて説明する。
【0010】
基本的な動作として、AAC符号化部では、まず入力信号をフレーム単位で取り込み、以後フレーム単位で処理を行う。取り込み後、MDCT(Modified Discrete Cosine Transform)を用いて時間軸から周波数軸に変換し、周波軸上で各種AACツールを用いて冗長性を除去する。AACツールによって冗長性を除去した信号を量子化し、最後にハフマン符号化によってロスレス符号化を行い、冗長性を除去するために使用したパラメータを補助情報として一緒に復号化装置に送る。復号化装置では、符号化部で処理した方法とは逆の処理手順で復号を行う。
【0011】
次に、符号化データに誤りがあった際の信号の流れについて図11を用いて説明する。
【0012】
図11(a)は、入力信号をMサンプル毎にフレーム分割したことを示している。図11では、最初のフレームをT(k)とし、以後のフレームではkが1つずつ増加するものとする。
【0013】
次に、MDCTで周波数変換するために、Mサンプルで区切ったフレームを2つ連結し、2Mサンプル分の分析フレームを構成し(図11(b))、この単位でMDCT変換を行い、M個のMDCT係数を得る(図11(c))。入力信号T(k+1)を入力したフレームにおいて、T(k)+T(k+1)の信号をMDCT変換し、F(k+1)を得るものとする。その後、AACの符号化処理を行い、必要な情報を図11(d)に示す符号化データC(k+1)としてAAC符号化装置より出力する。なお、AAC符号化装置より出力された信号は、誤りの発生し得る通信路を介してAAC復号化装置に送信されるものとする。
【0014】
図11(e)に示すように、受信後の符号化データをC′(k+1)と表し、そこから得られる受信後のMDCT係数を、F′(k+1)のように表す。これは、F(k+1)に対応するものである。受信後のMDCT係数をIMDCT(Inverse MDCT)すると周波軸から時間軸へと変換される(図11(f))。F′(k+1)をIMDCTすることで、T′1(k)+T′1(k+1)が得られ、順に次のフレームでは、T′2(k+1)+T′2(k+2)が得られるものとする(図11(g))。最後にF′(k+1)を復号したフレームで、T′1(k+1)とT′2(k+1)をオーバーラップ加算することで、復号化装置の出力T′(k+1)を得ることができる(図11(h))。
【0015】
次に、通信路において誤りが発生し、正常に復号できないケースを説明する。図11において、通信路においてC′(k+3)のフレームに誤りが発生したものとする。C′(k+3)のフレームで誤りが生じると、T′3(k+2)、T′3(k+3)を得ることができなくなり、必然的にT′(k+2)及びT′(k+3)の復号にも影響を与える。
【0016】
この際の対処として最も簡単な方法としては、T′(k+2)及びT′(k+3)の全出力を0の信号に置き換えてしまうことである(ミュート処理)。このような手法をとることで、誤りがあるフレームを受信しても処理を中止することなく連続動作させることが可能となり、また、さらに誤り情報を外部から受け取れるものとすれば、AAC復号化部に一切の追加処理を加える事なく動作させることが可能となる。
【0017】
次に、上記(2)の処理を行った場合の復号波形について、図12及び図13を用いて説明する。図12は、誤りが無い時の復号波形であり、図13は、T′(k+2)及びT′(k+3)に誤りが生じた場合の復号波形を示したものである。誤りが生じた場合は、図13に示すように、誤りフレームにおける出力信号が突然、有音から無音に切り替わり、また正常フレームに復帰する際にも突然無音から有音に切り替わる。
【0018】
【特許文献1】
特表2000−508440号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の復号化装置及び復号化方法においては、誤りが生じたフレームの両端では波形の連続性が保たれないため、異音が生じる可能性が高いという問題がある。また、従来の復号化装置及び復号化方法においては、誤りフレームとなってしまったフレームの前後の正常フレームでは、MDCT係数から時間軸に戻した復号信号を得ることが可能であるにもかかわらず、その情報を全く利用することができないという問題がある。また、従来の復号化装置及び復号化方法においては、上記(3)の処理は、上記(1)(2)の処理に比べて、誤りがあっても自然に復号できる可能性が高いため、音声品質の観点から最も望ましい処理であるが、AAC復号化部の大幅な変更が必要であり、既存のAAC復号化部に簡単に適用できないという問題がある。また、適用する場合にはメモリ量や計算量が著しく増える可能性があり、また推定が十分でなかった場合にはかえって異音を発生する可能性も考えられるため、あらゆる使用形態で使用できるわけではないという問題がある。
【0020】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、受信データに誤りがあった場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる復号化装置及び復号化方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明の復号化装置は、疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する記憶手段と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する復号化手段と、を具備する構成を採る。
【0022】
この構成によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0023】
本発明の復号化装置は、前記構成において、受信データに含まれる誤り情報を抽出する誤り情報抽出手段を具備し、前記選択手段は、前記誤り情報が抽出された場合には前記符号化疑似信号を選択する構成を採る。
【0024】
この構成によれば、前記効果に加えて、受信データに含まれている誤り情報を抽出するだけで良いので、受信データから誤りを検出する処理が不要になって復号化処理を簡単にすることができる。
【0025】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記復号化手段は、受信データを復号化できない場合には誤り情報を前記選択手段に出力し、前記選択手段は、前記誤り情報が入力するまでは受信データを選択し、前記誤り情報が入力した場合には前記符号化疑似信号を選択する構成を採る。
【0026】
この構成によれば、前記効果に加えて、復号化しながら誤り検出を行うとともに、誤りが検出された場合には誤りが生じた受信データの代わりに符号化疑似信号を復号化するので、復号化手段にそのデータを補間するための制御を追加することなく復号したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0027】
本発明の復号化装置は、前記構成において、受信データが前記復号化手段にて復号化する時刻に間に合うか否かを判定するとともに、復号化する時刻に間に合わない場合には前記符号化疑似信号を選択するように前記選択手段に指示する復号時間管理手段を具備する構成を採る。
【0028】
この構成によれば、前記効果に加えて、受信データが復号化する時刻に間に合わない場合には符号化疑似信号を復号化するので、例えば受信データを消失した場合においても、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0029】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記符号化疑似信号は、無音信号を符号化したデータである構成を採る。
【0030】
この構成によれば、前記効果に加えて、符号化疑似信号は無音信号を符号化するだけでよいので、符号化疑似信号を作ることが簡単であるとともに、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0031】
本発明の復号化装置は、前記構成において、前記記憶手段は、正常な受信データであってかつ最後に前記選択手段に入力した受信データを前記符号化疑似信号として記憶する構成を採る。
【0032】
この構成によれば、前記効果に加えて、誤りが生じたフレームの受信データに代えて正常な受信データであってかつ最後に選択手段に入力した受信データをAAC復号化するので、受信データが比較的定常状態にある場合であって、かつ受信データに誤りが生じた場合に、データが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0033】
本発明の復号化方法は、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択するステップと、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化するステップと、を具備するようにした。
【0034】
この方法によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0035】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する手順と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する手順と、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録する構成を採る。
【0036】
この構成によれば、誤りが生じたフレームまたは所定時刻になっても到着していないフレームの受信データを符号化疑似信号に置き換えて復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合または復号化する受信データが到着していない場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができるとともに、コンピュータにより高速に復号化することができる。
【0037】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、受信データに誤りが生じていない場合には受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが復号化処理の時刻に間に合わない場合には符号化疑似信号を選択し、選択した受信データまたは符号化疑似信号を復号化することである。
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0039】
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態1に係る復号化装置108を備えた受信装置100の構成を示す図である。記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置108を構成している。
【0040】
受信無線部102は、携帯電話網を経由して到来する音響符号化データをアンテナ101にて受信して、無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をして復調部103へ出力する。なお、アンテナ101は必ずしも必要ではなく、データが無線ではなく有線にて受信される場合には回線の端末装置を受信無線部102に接続するようにしても良い。
【0041】
復調部103は、受信無線部102から入力した受信データを復調して誤り情報抽出部104と選択部106へ出力する。
【0042】
誤り情報抽出部104は、復調部103から入力した受信データより、各フレームに誤りがあるか否かの誤り情報を抽出し、抽出した誤り情報を選択部106へ出力する。
【0043】
記憶部105は、無音信号(疑似信号)をAAC符号化したデータ(以下「無音信号符号化データ」と記載する)(符号化疑似信号)を記憶しており、記憶している無音信号符号化データを選択部106へ出力する。なお、記憶部105は、必ずしも必要ではなく、記憶部105をなくして無音信号符号化データが直接選択部106へ入力するようにしても良い。
【0044】
選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っていないフレームの受信データが復調部103から入力した場合には入力した受信データをAAC復号化部107へ出力し、誤っているフレームの受信データが入力した場合には記憶部105から入力した無音信号符号化データを入力した受信データの代わりにAAC復号化部107へ出力する。選択部106は、受信データと無音信号符号化データとの選択を機械的または電子的なスイッチにより切り換えて選択する。なお、選択部106は、機械的または電子的なスイッチにより切り換えて選択する場合に限らず、他の任意の方法により選択することが可能である。
【0045】
復号化手段であるAAC復号化部107は、選択部106から入力した受信データまたは無音信号符号化データをAAC復号化することにより復号信号を得ることができる。
【0046】
次に、受信装置100の動作について、図2を用いて説明する。
【0047】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST201)、受信無線部102にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調され、誤り情報抽出部104にて誤り情報を抽出され、選択部106にてフレーム毎に誤りがあるか否かを判断される(ステップ202)。
【0048】
誤りがあるフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は、誤りのあるフレームの受信データを選択せずに、記憶部105から入力した無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力し(ステップST203)、AAC復号化部107は、無音信号符号化データをAAC復号化する(ステップST204)。
【0049】
一方、ステップST202において、誤りがないフレームの受信データは、そのまま選択部106からAAC復号化部107へ出力されてAAC復号化部107にてAAC復号化される(ステップST204)。
【0050】
そして、通信を終了するか否かを判断し(ステップST205)、通信を終了しない場合はステップST201からステップST204までの処理を繰り返す。
【0051】
次に、受信データの処理方法について、図3を用いて説明する。なお、図3において、送信データの処理(図3(a)〜(d))は、図11に示す従来の送信データの処理(図11(a)〜(d))と同一であるのでその説明は省略する。
【0052】
受信後の符号化データC′(k+3)に誤りがあり、このままでは復号できないものとする。ここで、誤りがあるC′(k+3)に代え、記憶部105に記憶されている符号化データG′(k+3)を使用する(図3(e))。この結果、MDCT係数F′′(k+3)を得ることができ(図3(f))、順次F′′(k+3)をIMDCTしたT′′3(k+2)、T′′3(k+3)を得る(図3(g))。ここで、G′(k+3)は無音信号をAAC符号化したものであるため、T′′3(k+2)、T′′3(k+3)は無音信号波形となる。
【0053】
次に、T′2(k+2)とT′′3(k+2)をオーバーラップ加算することでT′′(k+2)を得ることができ、T′′3(k+3)とT′4(k+3)をオーバーラップ加算することでT′′(k+3)を得ることができる(図3(g)(h))。
【0054】
図4は、図3(h)の場合の復号出力波形イメージを示すものであり、誤りの生じたフレームの受信データを無音信号符号化データに置き換えて、無音信号符号化データのフレームと無音信号符号化データのフレームの次に受信されるフレームとをオーバーラップ加算することから明らかなように、T′′(k+2)とT′′(k+3)との境界付近の信号振幅が0に近付き、それぞれT′(k+1)、T′(k+4)に近付く方向で振幅が大きくなる。なお、この補間波形の振幅は、MDCT変換する際に使用する窓関数により決定される。
【0055】
次に、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに用いるデータの本実施の形態1における他の例として、雑音を用いる場合について説明する。
【0056】
この場合の受信装置は、図1において、無音信号符号化データの代わりに雑音符号化データを用いる以外は同一構成であるので、その説明は省略する。
【0057】
雑音符号化データを用いる場合は、定常的な雑音符号化データを用いる方法、または過去に復号化したデータを分析してそれに適した定常雑音符号化データを適宜選択する方法等の任意の方法を選択可能である。過去に復号化したデータを分析してそれに適した定常雑音符号化データを適宜選択する方法を選択する場合は、受信データがカーノイズを含むデータを符号化したものと判断できれば、雑音符号化データとしてカーノイズを符号化したデータを用い、また、受信データが雑踏において符号化された音声データであるものと判断できれば、雑音符号化データとして雑踏の音を符号化したデータを用いることが可能である。これにより、復号化したデータを取得したユーザーが、劣化したデータであると感じることを極力抑えることができる。
【0058】
さらに、雑音符号化データを用いる場合は、受信データの受信レベルも分析して雑音符号化データを符号化する際にゲイン調整することにより、復号化したデータを取得したユーザーが不自然な感覚を受けることを極力少なくすることができる。
【0059】
このように、本実施の形態1によれば、誤りが生じたフレームの受信データを無音信号符号化データまたは雑音符号化データに置き換えてAAC復号化処理するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態1によれば、あらかじめ記憶しておいた無音信号符号化データまたは雑音符号化データを誤りが生じた受信データと置き換えるだけであるので、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態1によれば、無音信号符号化データまたは雑音符号化データを誤りの生じた受信データの代わりにAAC復号化するので、誤って予測したデータに基づいてAAC復号化する場合に比べて感覚的に不自然な信号を復号化してしまうことがなく、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0060】
(実施の形態2)
図5は、本実施の形態2に係る復号化装置501を備えた受信装置500の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0061】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置501を構成している。
【0062】
選択部106は、AAC復号化部107から誤り情報が入力しない場合には復調部103から入力した受信データをAAC復号化部107へ出力する。一方、選択部106は、AAC復号化部107から誤り情報が入力した場合には記憶部105から入力した無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力する。
【0063】
AAC復号化部107は、選択部106から入力した受信データをAAC復号化する。AAC復号化部107は、復号途中で誤りを検出する事ができ、検出した場合には復号を中止し選択部106に誤りがあったことを通知する。誤りを検出する手段としては例えば以下の方法がある。AACコーデックであれば、符号化データとは別にチャネル数やビットレートを設定してあり、誤りによって符号化データを復号した結果事前設定値とは矛盾する情報を読み取る場合が考えられ、この場合は誤りが発生したことを検出する事が可能である。また、AACはスペクトルデータを符号化する方法として、頻繁に用いる信号には短い符号を割り当て、あまり使わない符号には長い符号を割り当てることで平均的に情報量を圧縮する方式であるハフマン符号化を用いているが、一般的にハフマン符号化された符号化データを復号する時は、先頭もしくは末尾からハフマン符号化する際に用いた変換表であるハフマン符号表に一致するデータを順じ抜き出していき、そのデータをハフマン符号表にしたがって逆変換することで元のデータを得る。ところがこの符号化データにビット誤りがあると、表に対応する符号が存在しない場合や、ビット長の異なる別の符号に一致することで同期がはずれることで誤りが検出できる場合がある。このような状態になった場合、AAC復号化部107は、AAC復号化できない受信データを廃棄して、廃棄した受信データの代わりとして無音信号符号化データが選択部106から入力されるように、誤り情報を選択部106へ出力する。
【0064】
次に、受信装置500の動作について、図6を用いて説明する。
【0065】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST601)、受信無線部103にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調される。
【0066】
次に、受信データは、AAC復号化部107にてAAC復号化処理される(ステップST602)。そして、AAC復号化部107は、AAC復号化処理を行いながら復号化が可能か否かを判定する(ステップST603)。復号化できない状態になった場合に、AAC復号化部107は受信データを廃棄し(ステップST604)、誤り情報を選択部106へ出力する(ステップST605)。次に、選択部106は、記憶部105から入力した無音信号符号化データを選択してAAC復号化部107へ出力する(ステップST606)。
【0067】
次に、無音信号符号化データは、AAC復号化部107にてAAC復号化され(ステップST607)、AAC復号化部107より復号信号として出力される(ステップST608)。
【0068】
一方、ステップST603において、復号化処理が完了して復号化可能である場合には、AAC復号化部107は、復号信号を出力する(ステップST608)。
【0069】
そして、通信を終了するか否かを判定し(ステップST609)、通信を終了しない場合にはステップST601からステップST608までの処理を繰り返す。
【0070】
このように、本実施の形態2によれば、上記実施の形態1の効果に加えて、復号化処理の段階にて受信データの誤りを検出するので、正確な誤り情報に基づいて復号化処理することができる。また、AAC復号化部が誤り検出も行うので、誤り検出のための特別の回路が不要になるとともに、回路規模及び装置全体を小型化することができる。
【0071】
(実施の形態3)
図7は、本実施の形態3に係る復号化装置701を備えた受信装置700の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0072】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置701を構成している。
【0073】
記憶部105は、選択部106から入力した受信データ(符号化疑似信号)を記憶して、タイミング信号の入力毎に記憶した受信データを選択部106へ出力する。記憶部105は、正常な受信データであってかつ選択部106に最後に入力した受信データを記憶する。タイミング信号は、復調部103から選択部106へ受信データが入力する毎に記憶部105へ入力する。
【0074】
選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っていないフレームの受信データが復調部103から入力した場合には、入力した受信データをAAC復号化部107と記憶部105へ出力する。一方、選択部106は、誤り情報抽出部104から入力した誤り情報に基づいて、誤っているフレームの受信データが入力した場合には、記憶部105へは受信データを出力せずに、記憶部105から入力した正常な受信データをAAC復号化部107へ出力する。
【0075】
次に、受信装置700の動作について、図8を用いて説明する。
【0076】
受信データは、アンテナ101にて受信され(ステップST801)、受信無線部102にて無線周波数からベースバンド周波数へダウンコンバート等の処理をされ、復調部103にて復調され、誤り情報抽出部104にて誤り情報を抽出される。
【0077】
次に、選択部106は、誤り情報に基づいて受信データに誤りがあるか否かを判定する(ステップST802)。
【0078】
そして、誤りがあるフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は、記憶部105から入力した誤りがない正常な受信データを選択し(ステップST803)、AAC復号化部107にてAAC復号化して出力する(ステップST805)。
【0079】
一方、ステップST802において、誤りがないフレームの受信データが選択部106に入力した場合、選択部106は誤りがない正常な受信データを記憶部105へ出力して記憶部105は正常な受信データを記憶する(ステップST804)。そして、選択部106は、復調部103から入力した受信データをそのままAAC復号化部107へ出力してAAC復号化する(ステップST805)。
【0080】
そして、通信を終了するか否かを判定し(ステップST806)、通信を終了しない場合にはステップST801からステップST805までの処理を繰り返す。
【0081】
このように、本実施の形態3によれば、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに記憶部に記憶されている正常な受信データを選択してAAC復号化するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データに復号化できない誤りがある場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態3によれば、誤りが生じたフレームの受信データの代わりに記憶部に記憶されている正常な受信データを選択してAAC復号化するので、カーノイズや母音が続く等の変化が少ない受信データを連続して受信している最中に誤りが生じた際には、音質劣化の少ない復号化信号を得ることができる。
【0082】
(実施の形態4)
図9は、本実施の形態4に係る復号化装置901を備えた受信装置900の構成を示す図である。なお、図1と同一構成である部分は同一の符号を付してその説明は省略する。
【0083】
記憶部105、選択部106及びAAC復号化部107は、復号化装置901を構成している。
【0084】
復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に蓄積された符号化された受信データから一定時間毎に適切な受信データを選択し、選択した受信データを選択部106へ出力するように指示する。この時、復号時間管理部902は、適切な受信データが選択できなかった場合には受信データが選択できなかった旨の情報を選択部106へ出力する。復号時間管理部902は、受信データを受信データバッファ部903から選択部106へ出力させるためのタイミングをタイマーにより計測しており、所定の時刻になった場合に選択した受信データを受信データバッファ部903から選択部106へ出力するように指示する。
【0085】
受信データバッファ部903は、復調部103から入力した受信データを時系列に一定量蓄積し、復号時間管理部902により出力を指示された受信データを選択部106へ出力する。
【0086】
次に、受信装置900の動作について、図10を用いて説明する。
【0087】
最初に、アンテナ101にて受信データを受信し(ステップST1001)、受信した受信データを復調する。
【0088】
次に、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に空きがあるか否かを判定し(ステップST1002)、受信データバッファ部903に空きがあれば受信データが受信データバッファ部903に蓄積される(ステップST1003)。
【0089】
受信データバッファ部903に空きがない場合には、受信データは廃棄される(ステップST1004)。
【0090】
次に、受信データバッファ部903は、受信データのタイムスタンプとシーケンス番号を見て、一番古いタイムスタンプ及びシーケンス番号の受信データが優先的に出力されるように受信データの並び替えを行う。
【0091】
次に、復号時間管理部902は、タイマーにより時間を計測して受信データを出力する時刻か否かを判定する(ステップST1005)。
【0092】
次に、復号時間管理部902は、受信データを出力する時刻になった場合には受信データバッファ部903から読み出す受信データがあるか否かを判定する(ステップST1006)。読み出す受信データがあるか否かは、送信器(図示省略)にて受信データに付加した符号化された時の時間情報(タイムスタンプ)やシーケンス番号に基づいて復号時間管理部902が判断する。
【0093】
送信器は、常に一定のタイミングにて符号化データを送信するものであり、タイムスタンプは常に前のフレームに対して1フレーム長分等の一定の数字が加算され、シーケンス番号は、フレーム毎に1つずつ増えていくものである。したがって、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に入力したフレームのシーケンス番号が、1つ前に入力したフレームのシーケンス番号に対して2以上であればフレームを失ったものと判断することができ、受信データバッファ部903に入力したタイムスタンプが、1つ前に入力したフレームのタイムスタンプに対して所定以上の差であればフレームを失ったものと判断することができる。
【0094】
読み出す受信データがある場合には、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903に記憶されている受信データの中から最適な受信データを選択して読み出す(ステップST1007)。
【0095】
次に、復号時間管理部902は、AAC復号化する時刻に間に合うか否かを判定する(ステップST1008)。
【0096】
AAC復号化する時刻に間に合わない場合には、選択した受信データを廃棄し(ステップST1009)、受信データバッファ部903を更新する(ステップST1010)。
【0097】
ステップST1008において、AAC復号化すべき時刻に間に合う場合には、復号時間管理部902は、AAC復号化する時刻よりも早いか否かを判定する(ステップST1011)。
【0098】
AAC復号化する時刻よりも早くない場合には、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903から選択部106へ入力する受信データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1012)。
【0099】
その後、復号時間管理部902は、受信データバッファ部903を更新するように指示する(ステップST1013)。
【0100】
ステップST1011において、AAC復号化する時刻よりも早い場合には、記憶部105から選択部106へ入力する無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1014)。
【0101】
一方、ステップST1006において、受信データバッファ部903に読み出す受信データがない場合には、記憶部105から選択部106へ入力する無音信号符号化データをAAC復号化部107へ出力するように選択部106を制御する(ステップST1014)。
【0102】
次に、選択部106からAAC復号化部107へ入力した受信データまたは無音信号符号化データは、AAC復号化部107にてAAC復号化されて復号信号が出力される(ステップST1015)。
【0103】
次に、通信を終了するか否かを判定し(ステップST1016)、通信を終了しない場合にはステップST1001からステップST1015までの処理を繰り返す。
【0104】
このように、本実施の形態4によれば、AAC復号化の時刻に間に合わなかった受信データの代わりに無音信号符号化データをAAC復号化するので、復号化信号が途切れることがなくて復号化波形の急激な落ち込みまたは急激な立ち上がりがなくなり、受信データの復号化に遅延が生じた場合でも、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態4によれば、あらかじめ記憶しておいた無音信号符号化データを遅延が生じた受信データと置き換えるだけであるので、復号化装置の構成を大幅に変更する必要がなくて安価な復号化装置を用いて復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。また、本実施の形態4によれば、無音信号符号化データを遅延が生じた受信データの代わりにAAC復号化するので、誤って予測したデータに基づいてAAC復号化する場合に比べて感覚的に不自然な信号を復号化してしまうことがなく、復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【0105】
なお、本実施の形態4において、記憶部105には無音信号符号化データを記憶することとしたが、これに限らず、雑音符号化データを記憶するようにしても良い。また、本実施の形態4において、受信データにAAC復号化する時刻に間に合わなかった場合に無音信号符号化データをAAC復号化するようにしたが、これに限らず、誤り情報抽出部を設けて、受信データに誤りが生じた場合と受信データがAAC復号化する時刻に間に合わなかった場合の両方にて受信データの代わりに無音信号符号化データをAAC復号化するようにしても良い。
【0106】
上記実施の形態1〜4において、AAC符号化されたデータを受信してAAC復号化することとしたが、これに限らず、AACと同様に時間軸周波数軸変換方式にMDCTを用いるATRAC等の音響コーデックを用いても同様の効果を得ることができる。また、上記実施の形態1〜4の復号化装置は、基地局装置及び通信端末装置に適用することが可能である。また、上記実施の形態1〜4において、復号化装置を用いて復号化する場合について説明したが、これに限らず、復号化装置における復号化の処理をプログラムを用いてコンピュータにて処理するようにしても良い。この場合は、CD−ROMまたはDVD等の記憶媒体に記憶させたプログラムを用いても良いし、またはネットワークを介して提供されたプログラムを用いるようにしても良い。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、受信データに誤りがあった場合でも、復号化部を大幅に変更せずに復号化したデータが劣化しているように感じることを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図3】信号の流れを説明する図
【図4】復号化した信号の波形を示す図
【図5】本発明の実施の形態2に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図7】本発明の実施の形態3に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図8】本発明の実施の形態3に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図9】本発明の実施の形態4に係る受信装置の構成を示すブロック図
【図10】本発明の実施の形態4に係る受信装置の動作を示すフロー図
【図11】従来の信号の流れを説明する図
【図12】復号化した信号の波形を示す図
【図13】復号化した信号の波形を示す図
【符号の説明】
104 誤り情報抽出部
105 記憶部
106 選択部
107 AAC復号化部
108 復号化装置
Claims (8)
- 疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する記憶手段と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する復号化手段と、を具備することを特徴とする復号化装置。
- 受信データに含まれる誤り情報を抽出する誤り情報抽出手段を具備し、前記選択手段は、前記誤り情報が抽出された場合には前記符号化疑似信号を選択することを特徴とする請求項1記載の復号化装置。
- 前記復号化手段は、受信データを復号化できない場合には誤り情報を前記選択手段に出力し、前記選択手段は、前記誤り情報が入力するまでは受信データを選択し、前記誤り情報が入力した場合には前記符号化疑似信号を選択することを特徴とする請求項1記載の復号化装置。
- 受信データが前記復号化手段にて復号化する時刻に間に合うか否かを判定するとともに、復号化する時刻に間に合わない場合には前記符号化疑似信号を選択するように前記選択手段に指示する復号時間管理手段を具備することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の復号化装置。
- 前記符号化疑似信号は、無音信号を符号化したデータであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の復号化装置。
- 前記記憶手段は、正常な受信データであってかつ最後に前記選択手段に入力した受信データを前記符号化疑似信号として記憶することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の復号化装置。
- 入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択するステップと、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化するステップと、を具備することを特徴とする復号化方法。
- 疑似信号を符号化した符号化疑似信号を記憶する手順と、入力した受信データに誤りが生じていない場合には前記受信データを選択し、受信データに誤りが生じた場合または受信データが所定時刻になっても到着していない場合には前記符号化疑似信号を選択する手順と、選択された受信データまたは前記符号化疑似信号を復号化する手順と、をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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JP2006343456A (ja) * | 2005-06-08 | 2006-12-21 | Canon Inc | 焦点検出装置、撮像装置 |
JP2011521290A (ja) * | 2008-05-22 | 2011-07-21 | 華為技術有限公司 | フレーム損失隠蔽の方法及び装置 |
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2003
- 2003-02-19 JP JP2003041783A patent/JP2004252109A/ja not_active Withdrawn
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