JP2004251808A - バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 - Google Patents
バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004251808A JP2004251808A JP2003043733A JP2003043733A JP2004251808A JP 2004251808 A JP2004251808 A JP 2004251808A JP 2003043733 A JP2003043733 A JP 2003043733A JP 2003043733 A JP2003043733 A JP 2003043733A JP 2004251808 A JP2004251808 A JP 2004251808A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- battery
- terminal voltage
- display
- image
- luminance level
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
- Camera Bodies And Camera Details Or Accessories (AREA)
- Indication In Cameras, And Counting Of Exposures (AREA)
- Electroluminescent Light Sources (AREA)
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
Abstract
【課題】有機ELディスプレイ等の自発光表示デバイスを用いた電子機器において、バッテリの端子電圧を高精度に監視する。
【解決手段】デジタルカメラ10において、電池12で有機ELディスプレイ26を駆動する。電池12の端子電圧を検出し、CPU20で検出端子電圧としきい電圧とを比較して放電終止状態か否かを判定する。VRAM24に記憶されている次フレームの画像の輝度レベルを検出し、輝度レベルに応じてしきい値を動的に変化させる。
【選択図】 図4
【解決手段】デジタルカメラ10において、電池12で有機ELディスプレイ26を駆動する。電池12の端子電圧を検出し、CPU20で検出端子電圧としきい電圧とを比較して放電終止状態か否かを判定する。VRAM24に記憶されている次フレームの画像の輝度レベルを検出し、輝度レベルに応じてしきい値を動的に変化させる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器に関し、特に自発光表示デバイスを駆動するバッテリの端子電圧を監視する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリ(電池)で駆動される携帯機器では、バッテリの放電終止あるいは放電終止に至るまでのバッテリの状態を検出してインジケートすべく、バッテリの電圧を検出し、A/Dコンバータ等でデジタル化して定期的にモニタしている。但し、単にバッテリの端子電圧を検出するだけでは、A/Dコンバータで検出される値はバッテリの内部抵抗や接触切片抵抗、機器内の配線抵抗等による電圧降下、すなわち負荷消費電流分だけの電圧降下が生じるため見かけ上実際の端子電圧より低くなってしまう。したがって、検出端子電圧を所定のしきい電圧と比較してバッテリが終止状態に達したか否かを判定する場合、負荷電流が大きい場合には本来であれば未だバッテリの端子電圧は十分であってバッテリは終止状態にないと判定されるべきところ、見かけ上端子電圧が低くなっているためしきい電圧以下となり、終止状態にあると誤判定してしまう事態が生じ得る。
【0003】
そこで、従来より以下のような方法によりしきい電圧を調整している。
【0004】
(1)消費電流(消費電力)がほぼ一定の既知となる条件を作り出し、その負荷状態でバッテリの端子電圧を検出して判定を行う。この方法によれば、いつも同一負荷状態であるためしきい電圧を補正する必要がなくなる。
(2)電源ラインに小さな抵抗を挿入し、その両端の電位差(すなわち消費電流)を検出し、この消費電流に基づきしきい電圧を補正する。この方法によれば、バッテリの消費電流自体を検出するため高精度のしきい電圧補正が可能となる。(3)機器の負荷状況を把握するため、機器の各機能ブロックのON/OFF状態を処理装置で管理し、予め測定してある各機能ブロックの動作時の消費電流(消費電力)をメモリにテーブルとして記憶させておき、バッテリ電圧を検出したときに動作中である機能ブロックの消費電流(消費電力)を合計し、その合計値を用いてしきい電圧を補正する。
【0005】
なお、バッテリが放電終止状態か否かは、検出端子電圧としきい値との比較で判定されるから、しきい電圧を補正するのではなく、検出端子電圧を補正しても技術的には等価である。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−281542号公報
【特許文献2】
特開2001−021941号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の方法では機器内の他の機能ブロック動作中に上記消費電流がほぼ一定となる条件を作り出せない場合が生じ得、この場合にはバッテリの監視を実行できない問題がある。
【0007】
また、上記(2)の方法では電源ラインに小さな抵抗を入れて直接的に消費電流を検出するため、オペアンプなど新たに部品を付加する必要が生じ、また消費電流の大きな機器では電源ラインに入れる抵抗での損失が新たに生じてしまう問題がある。
【0008】
一方、上記(3)の方法ではこのような問題は生じないが、機器の表示デバイスの種類によっては問題が生じる。すなわち、機器の表示デバイスとして液晶表示デバイスを用いた場合には液晶で透過/遮蔽を制御して画像の濃淡を表示しているためその消費電力はほぼ一定であるが、有機ELディスプレイ等の自発光表示デバイスを用いた場合、表示画像の明るさによって消費電力が大きく変化してしまう。したがって、自発光表示デバイスを有する携帯機器において上記(3)の方法を用いてバッテリの状態を監視した場合、自発光表示デバイスに表示される表示画像によってバッテリ状態を正しく監視できない問題が生じる。具体的には、自発光表示デバイスでの消費電力をある固定値と想定して機能ブロックのON/OFF毎にしきい電圧を設定した場合、自発光表示デバイスでの表示画像が明るい場合には見かけ上の端子電圧は低く検出されるため、しきい電圧は本来のしきい電圧より相対的に高くなり、逆に自発光表示デバイスの表示画像が暗い場合にはしきい電圧は本来のしきい電圧よりも小さくなってしまい、いずれの場合も誤判定を招く。
【0009】
本発明の目的は、画像を表示する表示手段に電力を供給するバッテリの端子電圧を高精度に監視できる装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像を表示する表示手段に電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、検出端子電圧としきい電圧とを比較する比較手段と、前記表示手段に表示される前記画像の輝度レベルを検出する検出手段と、前記輝度レベルに応じて前記しきい電圧あるいは前記検出端子電圧を調整する調整手段を有し、前記比較手段で比較することにより前記バッテリの端子電圧を監視することを特徴とする。表示手段での輝度レベルに応じてバッテリの見かけ上の端子電圧が変動するから、輝度レベルに応じてしきい電圧あるいは検出端子電圧を調整することで、輝度レベルによらずバッテリの状態を高精度に監視できる。輝度レベルに応じて表示手段での消費電流(消費電力)が増大する場合、輝度レベルが大なるほどしきい値は低く、あるいは検出端子電圧は大きく調整され、これにより見かけ上の端子電圧低下分が校正される。
【0011】
本発明において、さらに、前記輝度レベルと前記バッテリの放電電流との関係を予め記憶する記憶手段を有し、前記調整手段は前記記憶手段に記憶された前記関係を用いて調整することが好適である。
【0012】
また、本発明は、画像を表示する自発光ディスプレイに電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記バッテリにより駆動される装置内の各機能ブロックの動作あるいは非動作を検出することにより前記バッテリの各機能ブロックを駆動するときの第1消費電流を算出する第1演算手段と、前記自発光ディスプレイに表示される画像の平均輝度レベルを検出することにより前記自発光ディスプレイを駆動するときの第2消費電流を算出する第2演算手段と、前記第1消費電流及び前記第2消費電流に基づき前記バッテリの端子電圧を監視するためのしきい電圧を算出し、あるいは検出端子電圧を補正する第3演算手段と、検出端子電圧と前記しきい電圧とを比較して出力する第4演算手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明のバッテリ状態監視装置は、自発光表示手段を備えた電子機器に広く適用できる。このような電子機器は、例えばデジタルカメラやPDA、あるいは携帯電話である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1には、本実施形態の概念構成図が示されている。本実施形態の電子機器は、電池1、電池監視部2、比較部3、しきい値設定部4及び表示部5を有して構成される。表示部5は、印加された電気エネルギを光のエネルギに変換して発光する自発光表示デバイスである。
【0016】
電池1は機器各部に電力を供給するもので、表示部5にも電力を供給する。
【0017】
電池監視部2は、電池1の端子電圧を検出し、検出端子電圧を比較部3に供給する。
【0018】
比較部3は、電池監視部2からの検出端子電圧と、しきい値設定部4からのしきい値とを比較し、その比較結果を電池1の状態として出力する。すなわち、検出端子電圧がしきい電圧を越えていれば未だ残容量はあると判定し、しきい値以下となった場合には放電終止状態にあると判定して出力する。
【0019】
しきい値設定部4は、機器内の機能ブロックの動作状態及び表示部5に表示される画像の輝度レベルに応じてしきい値を設定し、設定したしきい値を比較部3に供給する。しきい値としては、上述した放電終止状態を判定するためのしきい値の他、電池1の残容量が少ないことを示すしきい値等を設定することができる。
【0020】
なお、電池監視部2で電池1の端子電圧を検出し、しきい値設定部4で設定されたしきい値を入力して電池監視部2において検出端子電圧としきい値とを比較してもよい。すなわち、電池監視部2と比較部3とは分離独立している必要はない。
【0021】
また、比較部3は、電池監視部2で検出された電池1の検出電圧としきい値とを比較しているが、しきい値設定部4は輝度レベルと無関係に機器各部の機能ブロックのON/OFFに応じたしきい値を設定して比較部3に供給し、比較部3は電池監視部2からの検出電圧を表示部5の輝度レベルに応じて補正し、補正した検出電圧をしきい値と比較してその比較結果を出力することもできる。要は、輝度レベルに応じて検出端子電圧あるいはしきい値のいずれかを調整して両者を比較すればよい。
【0022】
図2には、表示部5に表示される画像の輝度レベルと電池1の消費電流との関係が示されている。輝度レベルが増大するほど消費電流は輝度レベルにほぼ比例して増大する。例えば、表示部5が有機ELディスプレイの場合、有機ELディスプレイ素子の発光強度は注入するキャリア密度、すなわち注入電流に比例し、素子の発光強度をP(i,j)とすると複数の素子のアレイで構成される表示部5の全体の輝度レベルはΣP(i,j)となるから、輝度レベルと消費電流とはほぼ比例関係となる。したがって、しきい値設定部4は、輝度レベルが増大するほどしきい値を下方に(つまり小さくなるように)設定し、あるいは輝度レベルが増大するほど検出電圧値を上方に(つまり大きくなるように)調整して両者を比較する。表示部5に表示される画像が時系列で変化する場合、しきい電圧あるいは検出端子電圧の補正量も画像の変化と共に動的に変化する。このように、輝度レベルに応じてしきい値あるいは検出電圧のいずれかを調整することで、表示部5に表示された画像の輝度レベルを考慮して電池1の状態を高精度に監視することができる。
【0023】
図3には、しきい値設定部4における、機器内の各機能ブロックの動作状態及び表示部5における輝度レベルに応じた消費電流を考慮したしきい値設定方法が示されている。図において、機器内には機能ブロックとしてブロックA、ブロックB及びブロックCが存在するものとする。各機能ブロックの動作中における消費電流は予め測定されしきい値設定部4の内部あるいは外部の記憶部にテーブルとして記憶される。さらに、図2に示されるように、表示部5における輝度レベルと消費電流との関係は一対一で決定されるから、表示部5における消費電流も一義的に決定される。したがって、電池1のトータルの消費電流はこれらの合計として与えられ、合計消費電流に基づきしきい値が設定される。例えば、ブロックA、ブロックB、ブロックCがいずれも動作中であり、表示部5における輝度レベルがL1である場合、トータルの消費電流はiaとなり、これによりしきい値はVthaと設定される。また、ブロックA、ブロックBがともに動作中でブロックCは非動作中であり、表示部5の輝度レベルがL2である場合、トータルの消費電流はibとなり、これによりしきい値はVthbと設定される。さらに、ブロックAが動作中であり、ブロックB及びブロックCが共に非動作であり、表示部5の輝度レベルがL3である場合、トータルの消費電流はicとなり、しきい値はVthcと設定される。
【0024】
テーブルは、機能ブロックの動作/非動作に応じた消費電流を規定する第1テーブルと、輝度レベルに応じた消費電流を規定する第2テーブルと、全消費電流に応じたしきい電圧を規定する第3テーブルに分かれていてもよい。すなわち、第1テーブルで機能ブロックの動作/非動作に応じた消費電流を読み出し、さらに第2テーブルで輝度レベルに応じた消費電流を読み出し、両者の和を算出する。そして、両者の和の消費電流から第3テーブルを用いてしきい電圧を読み出す。
【0025】
以下、本実施形態に係るバッテリ状態監視装置を具体的に説明する。
【0026】
図4には、本実施形態におけるバッテリ状態監視装置を組み込んだ電子機器としてデジタルカメラ10の構成が示されている。デジタルカメラ10は、電池12、電池12の内部抵抗14、電源ライン抵抗16、A/Dコンバータ18、CPU20、CCDカメラ22、ビデオRAM(VRAM)24及び有機ELディスプレイ26を備える。
【0027】
電池12はデジタルカメラ10の各部に必要な電力を供給する。電池12は有機ELディスプレイ26にも電力を供給する。
【0028】
A/Dコンバータ18は、電池12の端子電圧を検出し、検出値をデジタル値に変換してCPU20に供給する。
【0029】
CPU20は、CCDカメラ22で得られた画像を所定のフォーマット、例えばJPEGフォーマットに変換してVRAM24に格納する。JPEGフォーマットの場合、CPU20はCCDカメラ22で得られた画像信号を構成する輝度信号Y及び色差信号Cr、CbをそれぞれDCT、量子化及びエントロピー符号化の各処理を行って圧縮しVRAM24に格納する。そして、CPU20は、VRAM24に格納された画像データを読み出して有機ELディスプレイ26に表示する。
【0030】
このような構成において、CPU20はA/D18から入力した検出端子電圧を終止状態判定用しきい電圧Vthと比較し、検出端子電圧>しきい電圧Vthであれば放電終止状態にないと判定し、検出端子電圧≦しきい電圧Vthであれば放電終止状態と判定して有機ELディスプレイ26に表示する。なお、CPU20は終止状態判定用しきい電圧Vthの他、残容量が少ない状態を判定するためのしきい値(WEAK用しきい電圧)を設定し、このしきい電圧と検出端子電圧とを比較してその結果を有機ELディスプレイ26に表示してもよい。判定結果の表示対応は任意であり、例えばインジケータ方式で表示してもよく、あるいはアラームメッセージを表示してもよい。CPU20はVRAM24に格納された画像データから有機ELディスプレイ26に表示される画像の輝度レベルを検出し、この輝度レベルに基づきしきい電圧Vthを設定する。すなわち、CPU20のメモリには、予めデジタルカメラ10の各機能ブロックのON/OFF及び輝度レベルに応じた全消費電流としきい電圧Vthとの関係を規定するテーブルが記憶されており、デジタルカメラ10の各機能ブロックにおけるON/OFF及びVRAM24に記憶された画像データから検出した輝度レベルに基づき、対応するしきい電圧Vthを読み出して検出端子電圧と比較する。テーブルは、機能ブロックのON/OFFと消費電流との関係を規定するテーブルと、輝度レベルと消費電流との関係を規定するテーブルと、全消費電流としきい電圧Vthとの関係を規定するテーブルに分かれていてもよい。あるいは、機能ブロックのON/OFFと基本しきい電圧との関係を規定するテーブルと、輝度レベルと基本しきい電圧の調整量との関係を規定するテーブルに分かれていてもよい。後者の場合、CPU20はまず機能ブロックの動作状態から基本しきい電圧を読み出し、次に検出した輝度レベルに応じて基本しきい電圧を調整することで最終的なしきい電圧Vthを設定する。
【0031】
図5には、CPU20のメモリに記憶される輝度レベルと消費電流との関係が示されている。輝度レベル0〜最大値MAXを0〜L1、L1〜L2、L2〜L3、L3〜L4、L4〜MAXの5段階に分け、各段階に消費電流値を割り当てて輝度レベルと消費電流との関係を規定する。すなわち、
輝度レベル0〜L1:消費電流=0
輝度レベルL1〜L2:消費電流=i1
輝度レベルL2〜L3:消費電流=i2
輝度レベルL3〜L4:消費電流=i3
輝度レベルL4〜MAX:消費電流=i4
もちろん、輝度レベルと消費電流との関係をより細かく規定することも可能である。輝度レベルは、VRAM24に記憶された画像データから検出されるが、具体的には、VRAM24に記憶された輝度信号Yのレベルに応じて有機ELディスプレイ26の輝度レベルを検出する。すなわち、画素の輝度信号YのレベルP(i,j)を全ての画素について加算して画像全体の輝度レベルを検出する。もちろん、輝度信号Yだけでなく、Cr及びCrのレベルも検出し、R画素、G画素、B画素全てのレベルの和として輝度レベルを算出してもよい。また、輝度レベルを検出する際に、有機ELディスプレイの全ての画素の輝度レベルの平均を算出し、平均輝度レベルに応じて消費電流を決定してもよい。さらに、全ての画素ではなく、所定数、例えば1/4程度に間引いた後の画素の全体の輝度レベルあるいは平均輝度レベルを用いてもよい。
【0032】
図6には、CPU20におけるしきい電圧Vthの調整タイミングが示されている。図6(a)はVRAM24に画像データが格納されるタイミングであり、図6(b)は有機ELディスプレイ26に表示されるタイミング、図6(c)はCPU20でのしきい電圧Vth算出タイミング、図6(d)はCPU20での電池12の監視タイミングである。
【0033】
図6(a)に示されるように、VRAM24に順次画像データP1、P2、P3が格納されるとする。有機ELディスプレイ26には、VRAM24に格納された画像データを読み出して表示するため、VRAM24に新たにP1が格納されるときにはそれ以前に格納された画像データP0がVRAM24から読み出されて表示される。VRAM24に画像データP1が格納された後、次の切替タイミングでこの画像データが読み出されて有機ELディスプレイ26に表示され、このときCPU20は画像データP2をVRAMに書き込む。画像データP1をVRAM24に書き込んだ後、CPU20はこの画像データP1を用いて輝度レベルを算出し、画像データP1用のしきい電圧Vth1を設定する。設定されたしきい電圧Vth1は現在有機ELディスプレイ26に表示されている画像P0において用いられるのではなく、次の切替タイミング、すなわち画像データP1が有機ELディスプレイ26に表示されるタイミングで用いられ、電池12の端子電圧が監視される。
【0034】
同様にして、画像P1が有機ELディスプレイ26上に表示されている間に次の画像データP2がVRAM24に格納され、CPU20は画像データP2を用いて輝度レベルを算出し画像データP2用のしきい電圧Vth2を設定する。有機ELディスプレイ26の画像がP1からP2に切り替わるタイミングでしきい電圧をVth1からVth2に切替え、P2が表示されている間に検出端子電圧としきい値Vth2とを大小比較する。このように、本実施形態では、有機ELディスプレイに画像が表示される毎にしきい電圧が新たに設定されることになる。
【0035】
本実施形態によれば、有機ELディスプレイ26にどのような画像が表示されても適応的にしきい電圧が調整され、電池12の端子電圧が監視される。したがって、電池12が放電終止状態にあるか否かを正確に判定でき、したがって明るい画像が表示されたときにCPU20が電池12の端子電圧不足のため不意に動作不能となる事態も未然に防止することができる。
【0036】
なお、表示画像毎(フレーム毎)にしきい電圧を切り替えるのではなく、前後の画像のしきい電圧を線形補間することにより中間のしきい電圧を設定することもできる。
【0037】
また、上述した例では、有機ELディスプレイ26の全体の輝度レベルあるいは平均輝度レベルに応じてしきい電圧Vthを表示画像毎に調整しているが、検出端子電圧を表示画像毎に調整することもできる。すなわち、VRAM24に格納された画像データの輝度レベルを検出して検出端子電圧の補正値を決定し、表示画像毎に検出端子電圧を補正する。テーブルとしては、機能ブロックのON/OFF毎の消費電流テーブルと輝度レベル毎の消費電流テーブル、並びに全消費電流毎の検出端子電圧補正値を規定するテーブルがあればよい。図3において、しきい電圧の代わりに検出端子電圧補正値としたテーブルを用いることもできる。
【0038】
検出端子電圧がVdetである場合、画像P1が表示される場合にはVdet+ΔV1に補正され、画像P2が表示される場合にはVdet+ΔV2に補正されてしきい電圧と比較される。ここで、ΔV1及びΔV2は輝度レベルに応じた補正値である。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、本実施形態においてはデジタルカメラを例にとり説明したが、自発光表示デバイスを備える携帯機器であれば任意の電子機器に適用することが可能であり、このような電子機器としてはデジタルカメラの他にPDA(パーソナルデジタルアシスタント)や携帯電話がある。
【0041】
また、自発光表示デバイスとしては、有機ELディスプレイの他、LEDディスプレイやプラズマディスプレイでもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バッテリの端子電圧を高精度に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の概念構成図である。
【図2】輝度レベルと消費電流との関係を示すグラフ図である。
【図3】機能ブロックの動作/非動作と輝度レベル及びしきい値との関係を示す説明図である。
【図4】実施形態におけるデジタルカメラの構成図である。
【図5】輝度レベルと消費電流との関係を示すグラフ図である。
【図6】実施形態のタイミングチャートである。
【符号の説明】
12 電池、18 A/D、20 CPU、22 CCDカメラ、24 VRAM、26 有機ELディスプレイ。
【発明の属する技術分野】
本発明はバッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器に関し、特に自発光表示デバイスを駆動するバッテリの端子電圧を監視する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、バッテリ(電池)で駆動される携帯機器では、バッテリの放電終止あるいは放電終止に至るまでのバッテリの状態を検出してインジケートすべく、バッテリの電圧を検出し、A/Dコンバータ等でデジタル化して定期的にモニタしている。但し、単にバッテリの端子電圧を検出するだけでは、A/Dコンバータで検出される値はバッテリの内部抵抗や接触切片抵抗、機器内の配線抵抗等による電圧降下、すなわち負荷消費電流分だけの電圧降下が生じるため見かけ上実際の端子電圧より低くなってしまう。したがって、検出端子電圧を所定のしきい電圧と比較してバッテリが終止状態に達したか否かを判定する場合、負荷電流が大きい場合には本来であれば未だバッテリの端子電圧は十分であってバッテリは終止状態にないと判定されるべきところ、見かけ上端子電圧が低くなっているためしきい電圧以下となり、終止状態にあると誤判定してしまう事態が生じ得る。
【0003】
そこで、従来より以下のような方法によりしきい電圧を調整している。
【0004】
(1)消費電流(消費電力)がほぼ一定の既知となる条件を作り出し、その負荷状態でバッテリの端子電圧を検出して判定を行う。この方法によれば、いつも同一負荷状態であるためしきい電圧を補正する必要がなくなる。
(2)電源ラインに小さな抵抗を挿入し、その両端の電位差(すなわち消費電流)を検出し、この消費電流に基づきしきい電圧を補正する。この方法によれば、バッテリの消費電流自体を検出するため高精度のしきい電圧補正が可能となる。(3)機器の負荷状況を把握するため、機器の各機能ブロックのON/OFF状態を処理装置で管理し、予め測定してある各機能ブロックの動作時の消費電流(消費電力)をメモリにテーブルとして記憶させておき、バッテリ電圧を検出したときに動作中である機能ブロックの消費電流(消費電力)を合計し、その合計値を用いてしきい電圧を補正する。
【0005】
なお、バッテリが放電終止状態か否かは、検出端子電圧としきい値との比較で判定されるから、しきい電圧を補正するのではなく、検出端子電圧を補正しても技術的には等価である。
【0006】
【特許文献1】
特開平09−281542号公報
【特許文献2】
特開2001−021941号公報
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)の方法では機器内の他の機能ブロック動作中に上記消費電流がほぼ一定となる条件を作り出せない場合が生じ得、この場合にはバッテリの監視を実行できない問題がある。
【0007】
また、上記(2)の方法では電源ラインに小さな抵抗を入れて直接的に消費電流を検出するため、オペアンプなど新たに部品を付加する必要が生じ、また消費電流の大きな機器では電源ラインに入れる抵抗での損失が新たに生じてしまう問題がある。
【0008】
一方、上記(3)の方法ではこのような問題は生じないが、機器の表示デバイスの種類によっては問題が生じる。すなわち、機器の表示デバイスとして液晶表示デバイスを用いた場合には液晶で透過/遮蔽を制御して画像の濃淡を表示しているためその消費電力はほぼ一定であるが、有機ELディスプレイ等の自発光表示デバイスを用いた場合、表示画像の明るさによって消費電力が大きく変化してしまう。したがって、自発光表示デバイスを有する携帯機器において上記(3)の方法を用いてバッテリの状態を監視した場合、自発光表示デバイスに表示される表示画像によってバッテリ状態を正しく監視できない問題が生じる。具体的には、自発光表示デバイスでの消費電力をある固定値と想定して機能ブロックのON/OFF毎にしきい電圧を設定した場合、自発光表示デバイスでの表示画像が明るい場合には見かけ上の端子電圧は低く検出されるため、しきい電圧は本来のしきい電圧より相対的に高くなり、逆に自発光表示デバイスの表示画像が暗い場合にはしきい電圧は本来のしきい電圧よりも小さくなってしまい、いずれの場合も誤判定を招く。
【0009】
本発明の目的は、画像を表示する表示手段に電力を供給するバッテリの端子電圧を高精度に監視できる装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像を表示する表示手段に電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、検出端子電圧としきい電圧とを比較する比較手段と、前記表示手段に表示される前記画像の輝度レベルを検出する検出手段と、前記輝度レベルに応じて前記しきい電圧あるいは前記検出端子電圧を調整する調整手段を有し、前記比較手段で比較することにより前記バッテリの端子電圧を監視することを特徴とする。表示手段での輝度レベルに応じてバッテリの見かけ上の端子電圧が変動するから、輝度レベルに応じてしきい電圧あるいは検出端子電圧を調整することで、輝度レベルによらずバッテリの状態を高精度に監視できる。輝度レベルに応じて表示手段での消費電流(消費電力)が増大する場合、輝度レベルが大なるほどしきい値は低く、あるいは検出端子電圧は大きく調整され、これにより見かけ上の端子電圧低下分が校正される。
【0011】
本発明において、さらに、前記輝度レベルと前記バッテリの放電電流との関係を予め記憶する記憶手段を有し、前記調整手段は前記記憶手段に記憶された前記関係を用いて調整することが好適である。
【0012】
また、本発明は、画像を表示する自発光ディスプレイに電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、前記バッテリにより駆動される装置内の各機能ブロックの動作あるいは非動作を検出することにより前記バッテリの各機能ブロックを駆動するときの第1消費電流を算出する第1演算手段と、前記自発光ディスプレイに表示される画像の平均輝度レベルを検出することにより前記自発光ディスプレイを駆動するときの第2消費電流を算出する第2演算手段と、前記第1消費電流及び前記第2消費電流に基づき前記バッテリの端子電圧を監視するためのしきい電圧を算出し、あるいは検出端子電圧を補正する第3演算手段と、検出端子電圧と前記しきい電圧とを比較して出力する第4演算手段を有することを特徴とする。
【0013】
本発明のバッテリ状態監視装置は、自発光表示手段を備えた電子機器に広く適用できる。このような電子機器は、例えばデジタルカメラやPDA、あるいは携帯電話である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1には、本実施形態の概念構成図が示されている。本実施形態の電子機器は、電池1、電池監視部2、比較部3、しきい値設定部4及び表示部5を有して構成される。表示部5は、印加された電気エネルギを光のエネルギに変換して発光する自発光表示デバイスである。
【0016】
電池1は機器各部に電力を供給するもので、表示部5にも電力を供給する。
【0017】
電池監視部2は、電池1の端子電圧を検出し、検出端子電圧を比較部3に供給する。
【0018】
比較部3は、電池監視部2からの検出端子電圧と、しきい値設定部4からのしきい値とを比較し、その比較結果を電池1の状態として出力する。すなわち、検出端子電圧がしきい電圧を越えていれば未だ残容量はあると判定し、しきい値以下となった場合には放電終止状態にあると判定して出力する。
【0019】
しきい値設定部4は、機器内の機能ブロックの動作状態及び表示部5に表示される画像の輝度レベルに応じてしきい値を設定し、設定したしきい値を比較部3に供給する。しきい値としては、上述した放電終止状態を判定するためのしきい値の他、電池1の残容量が少ないことを示すしきい値等を設定することができる。
【0020】
なお、電池監視部2で電池1の端子電圧を検出し、しきい値設定部4で設定されたしきい値を入力して電池監視部2において検出端子電圧としきい値とを比較してもよい。すなわち、電池監視部2と比較部3とは分離独立している必要はない。
【0021】
また、比較部3は、電池監視部2で検出された電池1の検出電圧としきい値とを比較しているが、しきい値設定部4は輝度レベルと無関係に機器各部の機能ブロックのON/OFFに応じたしきい値を設定して比較部3に供給し、比較部3は電池監視部2からの検出電圧を表示部5の輝度レベルに応じて補正し、補正した検出電圧をしきい値と比較してその比較結果を出力することもできる。要は、輝度レベルに応じて検出端子電圧あるいはしきい値のいずれかを調整して両者を比較すればよい。
【0022】
図2には、表示部5に表示される画像の輝度レベルと電池1の消費電流との関係が示されている。輝度レベルが増大するほど消費電流は輝度レベルにほぼ比例して増大する。例えば、表示部5が有機ELディスプレイの場合、有機ELディスプレイ素子の発光強度は注入するキャリア密度、すなわち注入電流に比例し、素子の発光強度をP(i,j)とすると複数の素子のアレイで構成される表示部5の全体の輝度レベルはΣP(i,j)となるから、輝度レベルと消費電流とはほぼ比例関係となる。したがって、しきい値設定部4は、輝度レベルが増大するほどしきい値を下方に(つまり小さくなるように)設定し、あるいは輝度レベルが増大するほど検出電圧値を上方に(つまり大きくなるように)調整して両者を比較する。表示部5に表示される画像が時系列で変化する場合、しきい電圧あるいは検出端子電圧の補正量も画像の変化と共に動的に変化する。このように、輝度レベルに応じてしきい値あるいは検出電圧のいずれかを調整することで、表示部5に表示された画像の輝度レベルを考慮して電池1の状態を高精度に監視することができる。
【0023】
図3には、しきい値設定部4における、機器内の各機能ブロックの動作状態及び表示部5における輝度レベルに応じた消費電流を考慮したしきい値設定方法が示されている。図において、機器内には機能ブロックとしてブロックA、ブロックB及びブロックCが存在するものとする。各機能ブロックの動作中における消費電流は予め測定されしきい値設定部4の内部あるいは外部の記憶部にテーブルとして記憶される。さらに、図2に示されるように、表示部5における輝度レベルと消費電流との関係は一対一で決定されるから、表示部5における消費電流も一義的に決定される。したがって、電池1のトータルの消費電流はこれらの合計として与えられ、合計消費電流に基づきしきい値が設定される。例えば、ブロックA、ブロックB、ブロックCがいずれも動作中であり、表示部5における輝度レベルがL1である場合、トータルの消費電流はiaとなり、これによりしきい値はVthaと設定される。また、ブロックA、ブロックBがともに動作中でブロックCは非動作中であり、表示部5の輝度レベルがL2である場合、トータルの消費電流はibとなり、これによりしきい値はVthbと設定される。さらに、ブロックAが動作中であり、ブロックB及びブロックCが共に非動作であり、表示部5の輝度レベルがL3である場合、トータルの消費電流はicとなり、しきい値はVthcと設定される。
【0024】
テーブルは、機能ブロックの動作/非動作に応じた消費電流を規定する第1テーブルと、輝度レベルに応じた消費電流を規定する第2テーブルと、全消費電流に応じたしきい電圧を規定する第3テーブルに分かれていてもよい。すなわち、第1テーブルで機能ブロックの動作/非動作に応じた消費電流を読み出し、さらに第2テーブルで輝度レベルに応じた消費電流を読み出し、両者の和を算出する。そして、両者の和の消費電流から第3テーブルを用いてしきい電圧を読み出す。
【0025】
以下、本実施形態に係るバッテリ状態監視装置を具体的に説明する。
【0026】
図4には、本実施形態におけるバッテリ状態監視装置を組み込んだ電子機器としてデジタルカメラ10の構成が示されている。デジタルカメラ10は、電池12、電池12の内部抵抗14、電源ライン抵抗16、A/Dコンバータ18、CPU20、CCDカメラ22、ビデオRAM(VRAM)24及び有機ELディスプレイ26を備える。
【0027】
電池12はデジタルカメラ10の各部に必要な電力を供給する。電池12は有機ELディスプレイ26にも電力を供給する。
【0028】
A/Dコンバータ18は、電池12の端子電圧を検出し、検出値をデジタル値に変換してCPU20に供給する。
【0029】
CPU20は、CCDカメラ22で得られた画像を所定のフォーマット、例えばJPEGフォーマットに変換してVRAM24に格納する。JPEGフォーマットの場合、CPU20はCCDカメラ22で得られた画像信号を構成する輝度信号Y及び色差信号Cr、CbをそれぞれDCT、量子化及びエントロピー符号化の各処理を行って圧縮しVRAM24に格納する。そして、CPU20は、VRAM24に格納された画像データを読み出して有機ELディスプレイ26に表示する。
【0030】
このような構成において、CPU20はA/D18から入力した検出端子電圧を終止状態判定用しきい電圧Vthと比較し、検出端子電圧>しきい電圧Vthであれば放電終止状態にないと判定し、検出端子電圧≦しきい電圧Vthであれば放電終止状態と判定して有機ELディスプレイ26に表示する。なお、CPU20は終止状態判定用しきい電圧Vthの他、残容量が少ない状態を判定するためのしきい値(WEAK用しきい電圧)を設定し、このしきい電圧と検出端子電圧とを比較してその結果を有機ELディスプレイ26に表示してもよい。判定結果の表示対応は任意であり、例えばインジケータ方式で表示してもよく、あるいはアラームメッセージを表示してもよい。CPU20はVRAM24に格納された画像データから有機ELディスプレイ26に表示される画像の輝度レベルを検出し、この輝度レベルに基づきしきい電圧Vthを設定する。すなわち、CPU20のメモリには、予めデジタルカメラ10の各機能ブロックのON/OFF及び輝度レベルに応じた全消費電流としきい電圧Vthとの関係を規定するテーブルが記憶されており、デジタルカメラ10の各機能ブロックにおけるON/OFF及びVRAM24に記憶された画像データから検出した輝度レベルに基づき、対応するしきい電圧Vthを読み出して検出端子電圧と比較する。テーブルは、機能ブロックのON/OFFと消費電流との関係を規定するテーブルと、輝度レベルと消費電流との関係を規定するテーブルと、全消費電流としきい電圧Vthとの関係を規定するテーブルに分かれていてもよい。あるいは、機能ブロックのON/OFFと基本しきい電圧との関係を規定するテーブルと、輝度レベルと基本しきい電圧の調整量との関係を規定するテーブルに分かれていてもよい。後者の場合、CPU20はまず機能ブロックの動作状態から基本しきい電圧を読み出し、次に検出した輝度レベルに応じて基本しきい電圧を調整することで最終的なしきい電圧Vthを設定する。
【0031】
図5には、CPU20のメモリに記憶される輝度レベルと消費電流との関係が示されている。輝度レベル0〜最大値MAXを0〜L1、L1〜L2、L2〜L3、L3〜L4、L4〜MAXの5段階に分け、各段階に消費電流値を割り当てて輝度レベルと消費電流との関係を規定する。すなわち、
輝度レベル0〜L1:消費電流=0
輝度レベルL1〜L2:消費電流=i1
輝度レベルL2〜L3:消費電流=i2
輝度レベルL3〜L4:消費電流=i3
輝度レベルL4〜MAX:消費電流=i4
もちろん、輝度レベルと消費電流との関係をより細かく規定することも可能である。輝度レベルは、VRAM24に記憶された画像データから検出されるが、具体的には、VRAM24に記憶された輝度信号Yのレベルに応じて有機ELディスプレイ26の輝度レベルを検出する。すなわち、画素の輝度信号YのレベルP(i,j)を全ての画素について加算して画像全体の輝度レベルを検出する。もちろん、輝度信号Yだけでなく、Cr及びCrのレベルも検出し、R画素、G画素、B画素全てのレベルの和として輝度レベルを算出してもよい。また、輝度レベルを検出する際に、有機ELディスプレイの全ての画素の輝度レベルの平均を算出し、平均輝度レベルに応じて消費電流を決定してもよい。さらに、全ての画素ではなく、所定数、例えば1/4程度に間引いた後の画素の全体の輝度レベルあるいは平均輝度レベルを用いてもよい。
【0032】
図6には、CPU20におけるしきい電圧Vthの調整タイミングが示されている。図6(a)はVRAM24に画像データが格納されるタイミングであり、図6(b)は有機ELディスプレイ26に表示されるタイミング、図6(c)はCPU20でのしきい電圧Vth算出タイミング、図6(d)はCPU20での電池12の監視タイミングである。
【0033】
図6(a)に示されるように、VRAM24に順次画像データP1、P2、P3が格納されるとする。有機ELディスプレイ26には、VRAM24に格納された画像データを読み出して表示するため、VRAM24に新たにP1が格納されるときにはそれ以前に格納された画像データP0がVRAM24から読み出されて表示される。VRAM24に画像データP1が格納された後、次の切替タイミングでこの画像データが読み出されて有機ELディスプレイ26に表示され、このときCPU20は画像データP2をVRAMに書き込む。画像データP1をVRAM24に書き込んだ後、CPU20はこの画像データP1を用いて輝度レベルを算出し、画像データP1用のしきい電圧Vth1を設定する。設定されたしきい電圧Vth1は現在有機ELディスプレイ26に表示されている画像P0において用いられるのではなく、次の切替タイミング、すなわち画像データP1が有機ELディスプレイ26に表示されるタイミングで用いられ、電池12の端子電圧が監視される。
【0034】
同様にして、画像P1が有機ELディスプレイ26上に表示されている間に次の画像データP2がVRAM24に格納され、CPU20は画像データP2を用いて輝度レベルを算出し画像データP2用のしきい電圧Vth2を設定する。有機ELディスプレイ26の画像がP1からP2に切り替わるタイミングでしきい電圧をVth1からVth2に切替え、P2が表示されている間に検出端子電圧としきい値Vth2とを大小比較する。このように、本実施形態では、有機ELディスプレイに画像が表示される毎にしきい電圧が新たに設定されることになる。
【0035】
本実施形態によれば、有機ELディスプレイ26にどのような画像が表示されても適応的にしきい電圧が調整され、電池12の端子電圧が監視される。したがって、電池12が放電終止状態にあるか否かを正確に判定でき、したがって明るい画像が表示されたときにCPU20が電池12の端子電圧不足のため不意に動作不能となる事態も未然に防止することができる。
【0036】
なお、表示画像毎(フレーム毎)にしきい電圧を切り替えるのではなく、前後の画像のしきい電圧を線形補間することにより中間のしきい電圧を設定することもできる。
【0037】
また、上述した例では、有機ELディスプレイ26の全体の輝度レベルあるいは平均輝度レベルに応じてしきい電圧Vthを表示画像毎に調整しているが、検出端子電圧を表示画像毎に調整することもできる。すなわち、VRAM24に格納された画像データの輝度レベルを検出して検出端子電圧の補正値を決定し、表示画像毎に検出端子電圧を補正する。テーブルとしては、機能ブロックのON/OFF毎の消費電流テーブルと輝度レベル毎の消費電流テーブル、並びに全消費電流毎の検出端子電圧補正値を規定するテーブルがあればよい。図3において、しきい電圧の代わりに検出端子電圧補正値としたテーブルを用いることもできる。
【0038】
検出端子電圧がVdetである場合、画像P1が表示される場合にはVdet+ΔV1に補正され、画像P2が表示される場合にはVdet+ΔV2に補正されてしきい電圧と比較される。ここで、ΔV1及びΔV2は輝度レベルに応じた補正値である。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく種々の変更が可能である。
【0040】
例えば、本実施形態においてはデジタルカメラを例にとり説明したが、自発光表示デバイスを備える携帯機器であれば任意の電子機器に適用することが可能であり、このような電子機器としてはデジタルカメラの他にPDA(パーソナルデジタルアシスタント)や携帯電話がある。
【0041】
また、自発光表示デバイスとしては、有機ELディスプレイの他、LEDディスプレイやプラズマディスプレイでもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バッテリの端子電圧を高精度に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の概念構成図である。
【図2】輝度レベルと消費電流との関係を示すグラフ図である。
【図3】機能ブロックの動作/非動作と輝度レベル及びしきい値との関係を示す説明図である。
【図4】実施形態におけるデジタルカメラの構成図である。
【図5】輝度レベルと消費電流との関係を示すグラフ図である。
【図6】実施形態のタイミングチャートである。
【符号の説明】
12 電池、18 A/D、20 CPU、22 CCDカメラ、24 VRAM、26 有機ELディスプレイ。
Claims (12)
- 画像を表示する表示手段に電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、
前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、
検出端子電圧としきい電圧とを比較する比較手段と、
前記表示手段に表示される前記画像の輝度レベルを検出する検出手段と、
前記輝度レベルに応じて前記しきい電圧あるいは前記検出端子電圧を調整する調整手段
を有し、前記比較手段で比較することにより前記バッテリの端子電圧を監視することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、さらに、
前記輝度レベルと前記バッテリの放電電流との関係を予め記憶する記憶手段
を有し、前記調整手段は前記記憶手段に記憶された前記関係を用いて調整することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記調整手段は、前記表示手段に表示される前記画像の平均輝度レベルに応じて調整することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記調整手段は、前記表示手段に表示される前記画像が輝度データ及び色差データで構成される場合に前記輝度データに応じて調整することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記調整手段は、前記表示手段に表示される前記画像がR画素データ、G画素データ及びB画素データから構成される場合に前記R画素データ、G画素データ及びB画素データの全輝度データに応じて調整することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記調整手段は、前記表示手段に表示される前記画像を所定の画素数だけ間引いて得られる間引き画像の平均輝度レベルに応じて調整することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1記載の装置において、
前記表示手段は、前記バッテリからの電力により自発光するものであることを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項7記載の装置において、
前記表示手段は、有機ELディスプレイであることを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 画像を表示する自発光ディスプレイに電力を供給するバッテリの端子電圧を監視する装置であって、
前記バッテリの端子電圧を検出する電圧検出手段と、
前記バッテリにより駆動される装置内の各機能ブロックの動作あるいは非動作を検出することにより前記バッテリの各機能ブロックを駆動するときの第1消費電流を算出する第1演算手段と、
前記自発光ディスプレイに表示される画像の平均輝度レベルを検出することにより前記自発光ディスプレイを駆動するときの第2消費電流を算出する第2演算手段と、
前記第1消費電流及び前記第2消費電流に基づき前記バッテリの端子電圧を監視するためのしきい電圧を算出し、あるいは検出端子電圧を補正する第3演算手段と、
検出端子電圧と前記しきい電圧とを比較して出力する第4演算手段
を有することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項9記載の装置において、さらに、
前記自発光ディスプレイに表示される画像の画像データを記憶する画像データ記憶手段
を有し、前記第2演算手段は、前記画像データ記憶手段に記憶された前記画像データを用いて前記平均輝度レベルを検出することを特徴とするバッテリ状態監視装置。 - 請求項1〜10のいずれかに記載のバッテリ状態監視装置を備え、さらに前記画像を取得する画像撮影手段を備えた電子機器。
- 請求項11記載の機器において、
前記電子機器はデジタルカメラ、PDAあるいは携帯電話であることを特徴とする電子機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003043733A JP2004251808A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003043733A JP2004251808A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004251808A true JP2004251808A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33026652
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003043733A Pending JP2004251808A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004251808A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20110088239A (ko) * | 2010-01-28 | 2011-08-03 | 삼성전자주식회사 | 자발광 디스플레이를 구비한 휴대용 단말의 배터리 잔량 표시 방법 및 이를 적용한 단말 장치 |
JP2016539379A (ja) * | 2013-09-11 | 2016-12-15 | ゼットティーイー コーポレイション | スクリーンの輝度を調節する方法、装置及び記憶媒体 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003043733A patent/JP2004251808A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20110088239A (ko) * | 2010-01-28 | 2011-08-03 | 삼성전자주식회사 | 자발광 디스플레이를 구비한 휴대용 단말의 배터리 잔량 표시 방법 및 이를 적용한 단말 장치 |
KR101650950B1 (ko) * | 2010-01-28 | 2016-08-25 | 삼성전자주식회사 | 자발광 디스플레이를 구비한 휴대용 단말의 배터리 잔량 표시 방법 및 이를 적용한 단말 장치 |
JP2016539379A (ja) * | 2013-09-11 | 2016-12-15 | ゼットティーイー コーポレイション | スクリーンの輝度を調節する方法、装置及び記憶媒体 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101638393B1 (ko) | 휴대용 장치에서 배터리 잔량 및 충방전 상태 표시 장치 및 방법 | |
US10971060B2 (en) | Method of adjusting display brightness, light-emission control circuit and display device | |
KR101023130B1 (ko) | 표시 장치 및 그의 구동 방법 | |
US20100265263A1 (en) | Image display method | |
EP1758357A2 (en) | Apparatus and method for displaying a mobile terminal standby screen | |
US20130138989A1 (en) | Battery managing method and apparatus, and electronic device using the same | |
JP2011107677A (ja) | 表示装置及びその駆動方法 | |
JP6945877B2 (ja) | 表示装置及び画像データ補正方法 | |
JP2005107059A (ja) | 表示装置 | |
US6864665B2 (en) | Battery state monitoring device and electronic device fitted with such device | |
US20130069448A1 (en) | Electronic apparatus and battery check method | |
US20080150839A1 (en) | Controlling light emission in display device | |
US7489325B2 (en) | Display device | |
KR101427590B1 (ko) | 광센서, 이를 포함하는 디스플레이장치 및 그 제어방법 | |
JP2004251808A (ja) | バッテリ状態監視装置及びこれを備えた電子機器 | |
JP2003186434A (ja) | 表示装置及び携帯機器 | |
JP2009222675A (ja) | 照度センサ、表示装置及び電子機器 | |
JP2007322353A (ja) | 電池容量判定装置および方法ならびにそれを用いる電池パック | |
CN108648723B (zh) | 降低显示屏功耗的方法和电路、显示屏及电子终端 | |
KR102429322B1 (ko) | 유기발광 표시장치 | |
KR20190068923A (ko) | 유기발광소자의 임피던스 추출 장치 및 방법 | |
JP2008176274A (ja) | 表示装置 | |
JP2002289374A (ja) | 光源及び表示装置及び電子機器 | |
JP4969868B2 (ja) | 自発光ディスプレイの画像表示方法および画像表示装置 | |
JP2004138588A (ja) | 電池残量表示装置及び携帯端末 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A711 | Notification of change in applicant |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711 Effective date: 20051111 |