JP2004250722A - 廃車スクラップ処理方法 - Google Patents

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道貴 佐藤
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達郎 有山
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一政 脇元
Toshio Takaoka
利夫 高岡
Ryota Murai
亮太 村井
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Abstract

【課題】金属鉄以外に有機成分や無機成分を含む廃車スクラップを高炉用原料として使用する際に、タールの発生に起因するガス処理系への影響や亜鉛の炉壁付着を回避し、安定した連続操業を可能とする廃車スクラップの処理方法を提供すること。
【解決手段】廃車スクラップを高炉に装入して溶解処理を行う方法であって、前記廃車スクラップを高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入することを特徴とする廃車スクラップ処理方法を用いる。さらに、廃車スクラップを、炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に装入すること、廃車スクラップが、廃車を最大長さが1.5m以下になるようにプレス処理したものであること、廃車スクラップが、廃車を金属鉄の充填率が0.4以下となるようにプレス処理したものであることが好ましい。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃車スクラップの処理方法に関し、特に高炉における廃車スクラップの有効利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
使用済み自動車は、廃棄処分の際に、解体業者によってエンジン、電装品、ミッション、バッテリー、タイヤ類が取り外され、次いで通常はソフトプレスされることで廃車スクラップとなる。この廃車スクラップは、鉄を主体とする金属成分が約70%、バンパーやダッシュボードなどのプラスチック類およびウレタン、ゴム、繊維などの有機物成分が約20%、珪酸等のガラス成分や砂などの無機成分が約10%で構成されている。鉄を主体とする金属成分は、Si、Mn、P、S、Cu、Ni、Cr、Mo、Al、Ti、V、Pb、Znなどの微量不純物元素を含有する。
【0003】
一般にプレス後の廃車スクラップにはシュレッダー処理が施され、鉄分を多く含む有価成分(シュレッダースクラップと呼ばれる)と同時にシュレッダーダストが発生する。シュレッダースクラップは電炉等に投入され鉄源として再利用される。但し、電炉等で銑鉄を製造する場合には、銅の混入が銑鉄の品質を低下させるため、銅を多く含むハーネス、モーターなどの部品は事前に手選別等で除去するか、銅の濃度が許容範囲に収まる程度の投入量とする必要がある。シュレッダーダストは有機成分を主体として、鉄、銅、亜鉛、鉛などの重金属成分と珪酸等のガラス成分を含有しており、有価成分の安価でかつ有効な分離処理方法が確立されていない現状では大部分が埋め立て処分されているのが実情である。しかしながら、近年の埋め立て地の不足、および廃車のリサイクル率向上に対する社会的な要請の高まりを背景として、このシュレッダーダスト処理に関しては近年多くの新たな処理方法が検討されている。
【0004】
一方、シュレッダー処理は非常に高コストであることから、上述のソフトプレスされた状態の廃車(以降、単に廃車スクラップと呼ぶ。)を、シュレッダー処理することなく、そのままで処理する試みとして、複数の廃車を同時にプレス処理した後に、転炉で溶解する方法(例えば、特許文献1参照。)や、爆発防止等の安全対策として液体を取り除く等の事前処理を行った廃車を転炉で溶解する方法(例えば、特許文献2参照。)が報告されている。しかしながら、これら転炉で溶解する方法については、基本的にバッチプロセスであるため、溶解温度を保つ観点から、あるいは微量不純物元素の混入を最低限に抑制する観点から自ずと廃車スクラップの処理量に限界がある。また、爆発防止の安全対策が必要なことからも分かるように、転炉での処理には有機物成分の急激なガス化による爆発の危険性があるため、溶解処理時には極めて慎重な安全対策が要求される。
【0005】
竪型炉で廃車スクラップを処理する方法も知られている。廃車スクラップを高炉やキュポラに装入し、鉄分は溶解して安価な鉄源として利用し、付随する有機および無機成分は炉内で還元剤又はフラックスとして利用する方法である(例えば、特許文献3参照。)。竪型炉で廃車スクラップを処理する場合、炉頂付近には酸素が存在しないため、有機物の急激なガス化に伴う爆発を完全に回避することが可能である。また、竪型炉プロセスでは廃車スクラップの連続処理ができる利点がある。
【0006】
一方で、比較的清浄なスクラップを高炉で処理する方法に関しては、多くの公知文献がある。フランスのRombas工場においては、高炉におけるスクラップ100%使用試験を実施している(非特許文献1参照。)。また、スクラップを高炉の中心部に装入し、溶解の過程で炭素未飽和鉄を炉芯に供給することにより炉芯コークス粉率を低下させる方法(例えば、特許文献4参照。)、鉄含有原料またはコークス装入後に30mm超〜200mmのスクラップを専用のシュートから炉口径の1/2以内の中心部に装入する方法(例えば、特許文献5参照。)、約1〜20mm程度の細粒スクラップの装入方法(例えば、特許文献6参照。)、鉄原料の一部をスクラップに代え、これを残りの鉄原料の装入に先立って炉の中心部に装入する方法(例えば、特許文献7参照。)、炉口半径の0.6倍以上の中間から周辺部にかけてスクラップを単独で装入するか、炉口半径の0.6倍以内の炉の中間から中心部にコークスなどの固体還元剤と混合して装入する方法(例えば、特許文献8参照。)が知られている。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−330820号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−117012号公報
【0009】
【特許文献3】
特開平5−222424号公報
【0010】
【特許文献4】
特開平5−295410号公報
【0011】
【特許文献5】
特開平6−256819号公報
【0012】
【特許文献6】
特開平8−239704号公報
【0013】
【特許文献7】
特開平6−279818号公報
【0014】
【特許文献8】
特開平10−60507号公報
【0015】
【非特許文献1】
J−P.Biratら著「ISIJ」6(1993)p.1024
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の特許文献4〜8、非特許文献1に記載の方法は、プラスチックやウレタンなどの有機物あるいは酸化亜鉛などの不純物元素をほとんど含まないスクラップ、例えば普通鋼の切削くずである鋼ダライ粉、普通鋳物切削くずである故銑、上銑、モーターブロック解体などの銑ダライ粉など、基本的にほぼ100%近く金属鉄を含有するスクラップの使用を前提としており、有機成分や無機成分を30%程度含有する廃車スクラップを高炉等の竪型炉で処理する特許文献3の方法とは本質的に異なるものである。
【0017】
廃車スクラップを高炉で処理する場合は、高炉への投入位置や投入量によっては、プラスチックやウレタンなどの有機物の熱分解に伴い多量のタールが発生し、ガス処理系に甚大な悪影響を与える可能性がある。
【0018】
また、廃車スクラップ中に多量に含まれる酸化亜鉛は、装入物が高炉を降下する過程で昇温・還元され亜鉛蒸気に変換されるが、高炉内を通過するガスに同伴して炉内を上昇する過程で再冷却・再酸化し、炉の特定の温度領域に凝縮し、長時間の操業後には炉壁にブロック状に付着するに至り、結果的に装入物の順調な降下を阻害し、安定操業を妨げる重大な阻害要因となる。
【0019】
特許文献3等における従来の高炉における廃車スクラップ処理技術においては、上記のような問題の克服は困難であり、廃車スクラップの装入方法や装入量等の最適条件は確立されておらず、廃車スクラップ有効利用の観点からは解決すべき課題が残されている。
【0020】
したがって本発明の目的は、このような従来技術の課題を解決し、金属鉄以外に有機成分や無機成分を含む廃車スクラップを高炉用原料として使用する際に、上述のようなタールの発生に起因するガス処理系への影響や亜鉛の炉壁付着を回避し、安定した連続操業を可能とする廃車スクラップの処理方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
(1)廃車スクラップを高炉に装入して溶解処理を行う方法であって、前記廃車スクラップを高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入することを特徴とする廃車スクラップ処理方法。
(2)廃車スクラップを、炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に装入することを特徴とする、(1)に記載の廃車スクラップ処理方法。
(3)廃車スクラップが、廃車を最大長さが1.5m以下になるようにプレス処理したものであることを特徴とする(1)または(2)に記載の廃車スクラップ処理方法。
(4)廃車スクラップが、廃車を金属鉄の充填率が0.4以下となるようにプレス処理したものであることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
(5)高炉内に装入される鉄分の装入量が200kg−Fe/THM以下となるように廃車スクラップを高炉内に装入することを特徴とする、(1)ないし(4)のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
(6)廃車スクラップに含まれる有機物を炉内でガス化し、炉排ガスの一部として回収することを特徴とする(1)ないし(5)のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明者らは廃車を高炉にて有効に処理する方法について鋭意検討した結果、プレス処理された廃車スクラップを用い、廃車スクラップを高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入することにより安定した連続使用が可能となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0023】
以下、各処理条件を詳しく説明する。
【0024】
本発明で用いる廃車スクラップは、使用済みの車両等の廃棄物としての車を原料として、廃車からエンジン、電装品、ミッション、外装、バッテリー、タイヤ等のリサイクル利用が可能な部品や、容易に分離可能な部品を取り除いた残部を、プレス機等でプレス処理して、角型等に圧縮成形したスクラップ塊である。プレス処理の際の圧力は適宜設定すれば良く、あまり強い圧力をかけない、所謂ソフトプレスでプレス処理した廃車スクラップを用いれば良い。本発明で用いる廃車スクラップは、上記のようなある程度の通気性を有するスクラップを、破砕処理することなくそのまま、通常1台の車両で1個のスクラップを形成して、高炉用原料として炉内に装入するものである。
【0025】
本発明では、廃車スクラップを高炉の炉頂部から高炉軸中心に向けて投入し、炉中心近傍に装入する。高炉操業では安定操業を維持するため、通常、中心付近のガス流れを強化するように装入物分布制御が実施されている。従って、結果的に高炉の中心部付近は他の部位に比較してガス速度が速く、かつガス温度が顕著に高くなる特性を有している。温度は概略700℃〜1000℃に達する。このような高温である高炉の中心部付近に通気性を有する廃車スクラップを装入することで、高炉の通気性を阻害することなく以下のA)、B)のような効果が得られる。
【0026】
A)、廃車スクラップに含まれる有機成分のガス化。廃車スクラップに含まれる有機物を高炉中心付近の高温を利用して熱分解せしめ、有機物の大部分を高炉ガス(Bガス)として回収することができる。すなわち、中心付近の高温を利用して急速昇温を行うことにより有機物のガス化を促進し水素やメタンなどの有価ガスとして回収すると共に、低温で発生するタール量を極力抑制することができる。高炉中心付近の高温範囲は高炉軸の中心からほぼ30%以内の範囲に限定され、この領域を外れると温度が顕著に低下する。ガス温度の低下時には、有機物成分から多量のタールが発生するため、Bガスの回収率が低下するばかりか、ガスに同伴して系外に排出されるタール量が増すことになる。このタールはベンチュリースクラバー等で除去可能であるが、処理水中にタールが多量に混入するようになる。このタールはエマルジョンの形で水と混合しているため、分離は極めて困難であり、水の循環利用を妨げる要因となる。
【0027】
B)、廃車スクラップに含まれる有機または無機成分の蒸発処理。酸化亜鉛等の還元揮発性無機物を高炉中心付近の高温還元雰囲気を利用して蒸発除去することができる。高炉中心部は高温であるのみならず、CO、Hガスを多量に含有する強還元雰囲気となっている。このため、酸化亜鉛などの易還元性酸化物は還元され金属亜鉛蒸気となるが、炉頂付近には酸素が存在しないため、再酸化することなく蒸気としてガス中に移行することができる。よって亜鉛が高炉内で循環、蓄積する問題を完全に回避できる。塩素化合物も一部は還元され、HClの形態で除去され、酸素が存在しないためダイオキシンの発生もない。遊離塩素、フロンなどの低沸点無機化合物は蒸気としてBガス中に移行する。
【0028】
上記のように、高炉の高温範囲は高炉軸の中心からほぼ30%以内の範囲に限定されるため、廃車スクラップの装入は、高炉の炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に投入することが好ましい。廃車スクラップの装入量が多い場合は、可能な限り多数の廃車スクラップが高炉の炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に投入されることが好ましい。
【0029】
廃車スクラップを高炉に装入する際には、大型装入物専用のシュート等を用いることができる。従来、高炉においてはベル・アーマー方式やベルレス方式の原料装入装置が採用され、コークスや鉄鉱石原料の径方向分布の最適化がなされている。しかしながら、原燃料のサイズに関しては、ホッパー内で棚つりを起こさず、排出口から原燃料の順調な排出が達成される観点から最大径は約100mmに制約されている。またこれらの従来の装入装置ではその機構上、高炉の中心部のみに原燃料を装入することは不可能である。よって、従来の装入物に比べて大型の廃車スクラップを高炉内に装入するためには専用シュートを設けると効果的である。このような専用シュートは1本、または円周方向のバランスを考慮して複数本設置することができる。
【0030】
廃車スクラップは、最大長さが1.5m以下にプレス処理されていることが好ましい。特に好ましくは、1m以下である。廃車スクラップのサイズを最大長さが1.5m以下とすることが好ましい理由は、これを超えた大きさにした場合には廃車スクラップの空隙率が高くなり過ぎるため、廃車スクラップ中へのガスの浸透量が増し、高炉の中心ガス流が過剰に強化される場合があるためである。このような場合は、還元能力を有するガスの炉外への排出量が増加するため、鉄鉱石の還元効率の減少、エネルギーの利用の非効率化に繋がり、高炉の効率的操業の観点からは望ましくない。形状は角型が好ましいが、一方向のみにプレス処理して最大長さを1.5m以下とした廃車スクラップを用いることもできる。
【0031】
廃車スクラップは、スクラップの外容積に対する鉄の体積の占める割合である、金属鉄の充填率が0.4以下となるようにプレス処理されていることが好ましい。金属鉄の充填率δは、廃車スクラップに含まれる金属鉄の質量WFe(kg)、鉄の比重ρFe (kg/m)、廃車スクラップの全体積V(m)として、下記(1)式で定義される。
δ=WFe/ρFeV・・・(1)
金属鉄の充填率が0.4超であると、廃車スクラップの比表面積が減少し、周囲のガスとの対流熱伝達が抑制され、十分な昇温速度とこれに伴う有機物の熱分解を促進させることが困難になるためである。また、炉上部で有機物成分の熱分解が終了した廃車スクラップは、装入物の降下に従って羽口へと移動する。この際、炉内のガス温度が1500℃程度になると、急速な浸炭と溶解を開始し、同時に生成した溶融鉄は炉床部へと向かって滴下するようになる。この浸炭、溶解温度域におけるガスとの十分な熱交換を達成するためにも、金属鉄の充填率は0.4以下であることが望ましい。0.4を超える充填率の場合は、浸炭、溶解が遅れ、未溶解スクラップが羽口先まで降下し、炉下部のガス流分布に影響を与えるばかりか、炉下部の温度を低下せしめ、高炉の熱レベル、ひいては高炉の安定操業の維持が困難となる。
【0032】
プレス処理を行うためのプレス方法は特に限定されるものではなく、廃車を最大長さが1.5m以下、および/または金属鉄の充填率が0.4以下とできるものが好ましい。
【0033】
高炉に廃車スクラップを装入する際に、鉄分の装入量が200kg−Fe/THM(溶銑トン当たり鉄分200kgを意味する)以下となるように高炉に装入することが好ましい。さらに、コークスと鉱石等の原燃料の装入1チャージごとに装入される廃車スクラップ数が、各チャージでほぼ均等になるように高炉内に装入することが好ましい。廃車スクラップの装入時には、かかる廃車スクラップをコークスおよび鉱石等の原燃料層中にほぼ埋没させることが好ましいが、装入1チャージにつき、廃車スクラップ由来の鉄分の装入量が200kg−Fe/THMを超える条件下では、廃車スクラップの装入数(台数)が増加するため、中心から30%以内の適正な範囲内に装入することは実質的に困難となる。また、高炉高さ方向の廃車スクラップの存在状態が均一でない場合、ガス流の局所的な偏流や温度場の不均一性を助長し、安定した熱レベル、一定の通気性を維持できない。従って、廃車スクラップの装入が高さ方向で均一になるよう原燃料のチャージごとにほぼ均等に投入し、高炉高さ方向の廃車スクラップの存在状態を一定とすることが好ましい。
【0034】
次に、高炉を用いた廃車スクラップ処理方法の一実施形態を、図面を用いて詳細に説明する。
【0035】
図1は本発明の一実施形態を説明するための高炉の縦断面の概略図である。内容積4900m、炉口径aが11m、出銑比2.0t/mdayで操業されている高炉1に、廃車スクラップを投入する。高炉1のコークスおよび鉱石の装入条件は、1チャージb当たり、コークスが1バッチ(図中のCC)、鉱石が2バッチ(図中のO1、O2)の合計3バッチで層状に装入され、コークスの平均層厚cは1.0m、鉱石の平均層厚dは0.9m程度である。
【0036】
廃車スクラップ2は、1台の総重量830kgであり、鉄含有率70mass%、有機成分含有率20mass%、その他無機成分等10mass%を含む自家用車1台を、0.75m角の立方体形状にプレス処理して、鉄の充填率を0.174程度としたものである。
【0037】
廃車スクラップ2を1本の廃車スクラップ装入用専用シュート3から高炉の中心部付近に装入する。25kg−Fe/THMの条件で炉内に装入することを考えた場合、本条件下では廃車スクラップ2の装入量は平均4.4個/チャージとなり、2チャージで約9個の廃車スクラップを装入することが適当である。この場合、例えば1チャージ目では、コークス装入中に廃車スクラップを2個装入し、次いで鉱石を装入中に廃車スクラップを2個装入し、2チャージ目ではコークス装入中に廃車スクラップを3個、鉱石を装入中に廃車スクラップを2個装入する。2チャージ目の廃車スクラップ装入後の状態を図1に示すが、1段当たり2個、高さ方向に2個程度積み上がった状態となる。1チャージに投入する個数は、チャージごとにほぼ均等で、かつ1チャージ当たりの平均装入個数が4.4個になるように適宜調整すればよい。
【0038】
図2は高炉の水平断面の概略図であり、高炉の中心部から半径方向に、半径の30%の位置である、直径3.3mの領域(図1のe)を点線で示す。廃車スクラップ2は高炉の中心部から半径方向30%以内の領域に装入する。
【0039】
上記と同様の操業条件の高炉で、上記と同様の廃車スクラップを50kg−Fe/THMの条件で装入する場合は、8.8個/チャージの条件で装入する必要がある。この場合も5チャージで44個を装入するなどのパターンを設定すればよい。5チャージ目に9個装入後の高炉の縦断面図を図3に、水平断面の概略図を図4に示す。径方向に1段当たり3〜4個、高さ方向に2〜3個程度積み上がった状態となる。
【0040】
上記のように廃車スクラップを装入することで、高炉の中心部付近に廃車スクラップ層を連続して形成することができるので、中心部の高温・強還元性雰囲気を利用して廃車スクラップに起因するタールの発生や亜鉛の排出を促進させ、これにより亜鉛の炉壁付着を回避して、廃車スクラップを有効処理しながら安定した高炉の連続操業が可能となる。
【0041】
【実施例】
炉容積2800m、炉口径8.5mのベルレス式高炉において、出銑比2.0t/mdayでの操業時に廃車スクラップを50kg−Fe/THMの条件で装入する試験を実施した。高炉の炉壁を貫通させて廃車スクラップ装入用専用シュートを1本設置した。
【0042】
廃車スクラップの組成は、金属成分が72.2mass%、バンパーやダッシュボードなどのプラスチックおよびウレタン、ゴム、繊維などの有機物成分が22.6mass%、ガラス成分や砂などの無機成分が5.2mass%であった。金属成分の大部分は金属鉄であり、Feが71.0mass%で、その他に微量不純物元素としてCu0.14mass%、Cr0.12mass%、Zn0.5mass%等を含有していた。また廃車スクラップ1台当たりの平均重量は810kgであり、したがって鉄分の含有量は1台当たり575kgであった。廃車スクラップのサイズは0.75m角であり、鉄の比重が7.85であるので、廃車スクラップ中の鉄分の充填率に換算すると0.174であった。
【0043】
高炉の操業では、コークス2バッチ(1C、2C)、鉱石3バッチ(1O、2O、3O)の計5バッチ1チャージ装入を行っており、装入シュートの旋回数は、それぞれのバッチで、17旋回、17旋回、17旋回、17旋回および6旋回である。廃車スクラップを50kg−Fe/THMの条件で装入するためには、1チャージ当たり廃車スクラップを5個投入する必要がある。そこで本試験では各バッチ1個の割合で廃車スクラップを装入することとし、具体的には1Cの3旋回終了時、2Cの7旋回終了時、1Oの3旋回終了時、2Oの11旋回終了時、3Oの2旋回終了時に各1個の廃車スクラップを廃車スクラップ装入用専用シュートから炉口部の中心軸に向けて装入した。
【0044】
試験中には炉口ガス温度分布の変化を水平ゾンデで測定するとともに、ダストキャッチャー前のサンプリング口からガスを採取し、タール濃度を調べた。また、ダストキャッチャーおよびベンチュリースクラバーで捕集したダストの化学分析を行い、亜鉛濃度を調べた。
【0045】
炉口部のガス温度分布については、廃車スクラップの装入前後で大きな変化は認められなかった。ダストキャッチャー前のガスに含まれるタール濃度は0.15ppmであり、問題とならない量であることが確認された。タールは発生したとしてもほとんどはダストに付着して系外に排出されたものと考えられる。
【0046】
ダスト中の亜鉛濃度は、ダストキャッチャーで捕集した乾ダストが0.6%、ベンチュリースクラバーで捕集した湿ダストが2.9%であった。ダストの発生原単位は乾ダストが14kg/THM、湿ダストが16kg/THMであったことから、乾ダスト中には84g/THM、湿ダスト中には464/THMの亜鉛が含まれていることが分かった。廃車スクラップ以外のコークスや焼結鉱からの亜鉛の投入量は220g/THMであることが分かっているので、廃車スクラップ投入による亜鉛の発生増加量は244g/THMである。廃車スクラップ由来の亜鉛の投入量は組成から計算すると250g/THMであることから、廃車スクラップとして投入した亜鉛はほぼ完全に炉外に排出され、ダストとして回収されることが確認された。
【0047】
本試験操業を1週間継続したが、スリップ、棚つり等の装入物降下異常も認められなかったことから、亜鉛の炉内での循環や蓄積はないと判断された。また、コークス比も15kg/THMの低下が可能であったことから、廃車スクラップ中の鉄は有効に鉄源として利用されていることが分かった。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、廃車スクラップを高炉で処理する際のタールの発生に起因するガス処理系への悪影響や亜鉛の炉壁付着を回避し、安定した連続操業を可能とする。このため、廃車スクラップを安価な鉄源として高炉で有効に使用することが可能となる。さらに、高炉におけるコークスなどの還元材の使用量も大幅に減らすことができるので、CO発生量の抑制による地球温暖化対策にも有効である。また、廃車スクラップに含まれる有機物は高炉ガスとしての回収が可能であり、燃料として再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】高炉の縦断面の概略図。
【図2】高炉の水平断面の概略図。
【図3】高炉の縦断面の概略図。
【図4】高炉の水平断面の概略図。
【符号の説明】
1:高炉、
2:廃車スクラップ、
3:廃車スクラップ装入用専用シュート、
a:炉口径、
b:1チャージ、
c:コークスの平均層厚、
d:鉱石の平均層厚、
e:高炉の中心部から半径方向30%以内の領域

Claims (6)

  1. 廃車スクラップを高炉に装入して溶解処理を行う方法であって、前記廃車スクラップを高炉の炉頂部から炉中心近傍に装入することを特徴とする廃車スクラップ処理方法。
  2. 廃車スクラップを、炉半径の30%以下の半径を有する炉中心領域に装入することを特徴とする、請求項1に記載の廃車スクラップ処理方法。
  3. 廃車スクラップが、廃車を最大長さが1.5m以下になるようにプレス処理したものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃車スクラップ処理方法。
  4. 廃車スクラップが、廃車を金属鉄の充填率が0.4以下となるようにプレス処理したものであることを特徴とする、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
  5. 高炉内に装入される鉄分の装入量が200kg−Fe/THM以下となるように廃車スクラップを高炉内に装入することを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
  6. 廃車スクラップに含まれる有機物を炉内でガス化し、炉排ガスの一部として回収することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の廃車スクラップ処理方法。
JP2003039231A 2003-02-18 2003-02-18 廃車スクラップ処理方法 Pending JP2004250722A (ja)

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