JP2004249399A - アングル型の電動工具 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業性を向上させることに優れた構造を備えるアングル型の電動工具を提供する。
【解決手段】モータ21によって軸回転する水平軸部31と、水平軸部31の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部32と、水平軸部31の軸回転を垂直軸部32の軸回転に変換する角度変換機構5とを有するアングル型の電動工具1であって、出力ツール7が取付けられる出力軸部33が、垂直軸部32とは別に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32と平行に設けられ、かつ垂直軸部32よりも電動工具1の先端部1a側に設けられ、垂直軸部32の軸回転を出力軸部33の軸回転に変換する連結変換機構6を介して軸回転する。
【選択図】 図2
【解決手段】モータ21によって軸回転する水平軸部31と、水平軸部31の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部32と、水平軸部31の軸回転を垂直軸部32の軸回転に変換する角度変換機構5とを有するアングル型の電動工具1であって、出力ツール7が取付けられる出力軸部33が、垂直軸部32とは別に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32と平行に設けられ、かつ垂直軸部32よりも電動工具1の先端部1a側に設けられ、垂直軸部32の軸回転を出力軸部33の軸回転に変換する連結変換機構6を介して軸回転する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アングル型の電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アングルドライバーやアングルドリルなどのアングル型の電動工具が知られていた。そしてアングル型の電動工具は、狭い場所でのネジ締め作業や穴空け作業をする際に利用される電動工具として知られていた。
しかし従来のアングル型の電動工具は、例えば下記の特許文献1のように構成されていたために、作業性を向上させることに限界がある構造であった。
すなわち特許文献1によると、電動工具は、モータによって軸回転する水平軸部と、その水平軸の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、水平軸部の軸回転を垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有していた。そして角度変換機構は、水平軸部を軸として回転する傘歯車と、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有していた。
【0003】
しかし傘歯車は、回転角度を変換すると同時に減速させるためにその直径(歯先直径)が比較的に大きい。とりわけ電動工具に用いられる電動モータは、非常に高回転であるため、大きな減速比(ギヤ比)を設定する必要があって傘歯車の直径が大きくなる傾向にある。
そして傘歯車の直径が大きいために、垂直軸部を電動工具の先端部に寄せることができなかった。そして従来は、その垂直軸部に出力ツールが取付けられる構造であった。
そのため電動工具の先端部と出力ツールとの距離(センタハイト)を小さくすることができなかった。したがって壁際におけるネジ締め作業や穴空け作業を向上させることに限界がある構造であった。
【0004】
また特許文献1によると、垂直軸部に取付けられた傘歯車とハウジングとの間には、傘歯車を支持する支持構造が設けられていた。その支持構造は、傘歯車からハウジングへ向けて突出する軸部と、傘歯車とハウジングとの間に設けられた軸受とによって構成されていた。
したがってハウジングと傘歯車との間には、軸受を設けるためのスペースが必要であった。すなわちハウジングの径を小さくしようとする場合、支持構造が邪魔になる構造であった。そのためハウジングを小さくすることで狭い作業場所での作業性を向上させることに限界がある構造であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−154065号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、作業性を向上させることに優れた構造を備えるアングル型の電動工具を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備えるアングル型の電動工具であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、出力ツールが取付けられる出力軸部が、垂直軸部とは別に設けられている。そして出力軸部は、垂直軸部と平行に設けられ、かつ垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられ、垂直軸部の軸回転を出力軸部の軸回転に変換する連結変換機構を介して軸回転する。
【0008】
すなわち出力軸部は、垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられている。そして垂直軸部は、連結変換機構によって軸回転する。
ところで角度変換機構は、角度を変換したり減速比を大きくする機構であるために、その構造が一般的に大きい。そのため角度変換機構を介して軸回転する垂直軸部は、角度変換機構によって電動工具の先端部側へ近づけることが困難な構成である。
しかし本発明は、垂直軸部とは別に出力軸部を有する。そして出力軸部は、垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられる。
そのため出力軸部に取付けられる出力ツールは、角度変換機構に影響を受けることなく、電動工具の先端部側に設けられ得る。そして出力ツールと電動工具の先端部との距離(センタハイト)を短くすることで、壁際のネジ締め作業や穴空け作業を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、出力軸部は、連結変換機構を介して垂直軸部の軸周りに位置変換可能に垂直軸部に連結されている。
したがって出力軸部を垂直軸部の軸周りに位置変換させることで、出力軸部を電動工具の先端部へ近づけた先端寄り位置と、出力軸部を把持部側へ移動させた手前位置とに位置変換できる。
そのため出力軸部を先端寄り位置にすることで、壁際におけるネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。そして出力軸部を手前位置にすることで、手からの力を出力軸部に付加しやすく、ネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、角度変換機構は、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有する。また傘歯車は、傘歯車と電動工具のハウジングとの間に設けられた支持構造によって支持される。そしてその支持構造は、ハウジングから突出する支持軸と、傘歯車に設けられた凹部とを備え、支持軸が凹部内で傘歯車を支持する構成になっている。
すなわち支持構造は、傘歯車内において傘歯車を支持する。
したがって支持構造は、傘歯車とハウジングとを近接させた状態においても傘歯車を支持する。そのため傘歯車とハウジングを近接させた構成にすることができ、ハウジングの高さを低くすることができる。その結果、狭い作業場所に電動工具を挿入することができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
本形態は、アングル型の電動工具の一つであるアングルドライバー1である。
アングルドライバー1は、図1に示すように工具本体2と、工具本体2の先端に組み付けられるヘッド部3とから構成される。
【0012】
工具本体2は、筒形の本体ハウジング20を備え、本体ハウジング20のヘッド寄りには、駆動源となる電動モータ21が内蔵されている。電動モータ21は、本体ハウジング20の後端部から供給された電力によって駆動する。
電動モータ21は、ヘッド寄り先端に駆動軸部22を有し、駆動軸部22は、本体ハウジング20からヘッド部3側へ突出する。
そして駆動軸部22は、電動モータ21によって軸回転する。
【0013】
ヘッド部3は、図1に示すように殻体をなすヘッドハウジング30と、ヘッドハウジング30の内部からヘッドハウジング30の下側へ突出する出力軸部33を有する。またヘッド部3は、電動モータ21の動力を出力軸部33に伝達する動力伝達機構をヘッドハウジング30内に有する。
動力伝達機構は、駆動軸部22と平行に設けられた水平軸部31と、水平軸部31に対して直交する垂直軸部32とを有する。また動力伝達機構は、駆動軸部22と水平軸部31の間に設けられた連結変換機構4と、水平軸部31と垂直軸部32との間に設けられた角度変換機構5と、垂直軸部32と出力軸部33との間に設けられた連結変換機構6とを有する。
【0014】
水平軸部31は、図2に示すようにヘッドハウジング30との間に設けられた軸受70,71によって後端部と前端部が軸回転可能に支持されている。これによって水平軸部31は、駆動軸部22の軸中心線と平行に設けられた水平軸線を中心に軸回転する。
また垂直軸部32は、ヘッドハウジング30との間に設けられた支持構造8と軸受73によって軸回転可能に支持されている。これによって垂直軸部32は、水平軸部31の軸中心線(水平軸線)に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する。
なお直交方向に配置された関係とは、実質的に直交方向に配置される関係であれば良く、例えば、水平軸線と垂直軸線のなす角が75〜105°の範囲内にある関係であっても良いという意である。
【0015】
連結変換機構4は、図2に示すように駆動軸部22を軸中心に駆動軸部22とともに回転する歯車40と、水平軸部31を軸中心に水平軸部31とともに回転する歯車41とを備える。そして歯車40,41は、相互に噛合って回転することで、駆動軸部22の軸回転を減速して水平軸部31の軸回転に変換する。このため水平軸部31は、電動モータ21によって水平軸線を中心に軸回転する。
角度変換機構5は、水平軸部31を軸として水平軸部31とともに回転する傘歯車(ベベルギヤ)50と、垂直軸部32を軸として垂直軸部32とともに回転する傘歯車(ベベルギヤ)51とを備える。傘歯車50は、水平軸部31の先端側に設けられおり、先細り状に形成されている。そして傘歯車50は、斜め前方を向く歯を有する。
【0016】
傘歯車51は、垂直軸部32の上端側に設けられており、下側が細くなるように形成されている。そして傘歯車51は、斜め下方を向く歯を有する。
傘歯車51は、傘歯車50の上方側に配設されており、傘歯車50の上方側から傘歯車50に噛み合う。そして傘歯車50,51は、相互に噛合った状態で回転することで、水平軸部31の軸回転を減速させた状態で垂直軸部32の軸回転に変換する。このため垂直軸部32は、電動モータ21によって垂直軸線を軸中心に軸回転する。
【0017】
出力軸部33は、図2に示すように垂直軸部32とは別に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32よりもアングルドライバー1の先端部1a(ヘッドハウジング30の先端部1a)側に設けられている。すなわち出力軸部33は、垂直軸部32と先端部1aとの間に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32と平行に設けられている。
また出力軸部33は、ヘッドハウジング30との間に設けられた軸受74,75によって、上端部と中央部がそれぞれ軸回転可能に支持されている。これによって出力軸部33は、垂直軸部32と平行な垂直軸線を中心に軸回転する。
また出力軸部33は、下側先端部に出力ツール7が脱着可能に取付けられる取付部33aを有する。出力ツール7は、ドライバ用のビットまたはソケットなどである。
【0018】
連結変換機構6は、図2に示すように垂直軸部32を軸として垂直軸部32とともに回転する歯車60と、出力軸部33を軸として出力軸部33とともに回転する歯車61とを備える。そして歯車60,61は、相互に噛合って回転することで、垂直軸部32の軸回転を減速させた状態で出力軸部33の軸回転に変換する。このため出力軸部33は、電動モータ21によって垂直軸線を軸中心に軸回転する。
【0019】
また出力軸部33とヘッドハウジング30との間には、図2に示すように出力軸部33をヘッドハウジング30に対して移動可能に支持する支持構造35が設けられている。
支持構造35は、軸受74が取り付けられる支持体35aと、軸受75が取付けられる支持体35bを有する。したがって支持構造35は、軸受74,75を介して出力軸部33を支持する。
【0020】
また支持構造35は、ヘッドハウジング30に取付けられた回転盤34とともにヘッドハウジング30に対して移動する。
回転盤34は、図3に示すように円盤状に形成されており、ヘッドハウジング30の下側面を塞ぐ。そして回転盤34は、図2に示すようにヘッドハウジング30との間に設けられた回転支持部76によって、外周縁が回転可能に支持されている。したがって回転盤34は、支持構造35と出力軸部33とともに垂直軸部32を中心に回転する。
【0021】
そして連結変換機構6の歯車61は、図2に示すように歯車60に噛合っており、歯車60に噛合ったまま垂直軸部32を軸中心に位置移動する。すなわち歯車61は、歯車60を中心に公転する遊星歯車を構成し、歯車60が太陽歯車を構成する。
したがって出力軸部33は、連結変換機構6を介して垂直軸部32の軸周りに位置変換可能に垂直軸部32に連結される。
【0022】
またヘッド部3は、出力軸部33を所定位置で保持するストッパ機構9を有する。ストッパ機構9は、図3に示すようにヘッドハウジング30の下側に取付けられたストッパ部材96と、回転盤34に設けられた係止部95(95a〜95g)を主体に構成される。
【0023】
ストッパ部材96は、図5に示すようにケース90とケース蓋91を有する。そしてケース90とケース蓋91との間には、スイッチ部92と付勢部材93を有する。またストッパ部材96は、図5,6に示すようにスイッチ部92によって上下動するボール94を有する。
スイッチ部92は、ケース90の凹部90a内をスライドするスライド部92bと、スライド部92bからケース90の開口部90bを通ってケース90の下側へ突出する操作部92aを有する。
【0024】
付勢部材93は、コイルスプリングなどの弾性部材によって形成されており、スイッチ部92を所定方向(図5の右方向)へ付勢する。
ボール94は、図5,6に示すようにケース蓋91に設けられた貫通穴91aを通過可能な構成である。そしてボール94は、図5に示すようにスイッチ部92によって押し上げられることで、下側半分が貫通穴91aに収納され、上側半分が貫通穴91aを通過して回転盤34の係止部95に収納される(係止位置)。したがって係止位置でのボール94は、回転盤34の移動を防止し、回転盤34を介して出力軸部33の移動も防止する。
【0025】
またボール94は、図6に示すようにスイッチ部92を付勢部材93に反して左方向へ移動させることで、スイッチ部92に設けられた凹部92c内に移動する(解除位置)。したがってボール94が係止部95から外れ、これによって回転盤34が移動可能になる。そして出力軸部33も移動可能になる。
そしてストッパ部材96は、複数の係止部95a〜95gのいずれかに係止される。このため出力軸部33は、垂直軸部32の右側の位置と(図4位置)、左側位置との180°(±20°)の間の所定の設定位置で保持される。
【0026】
また傘歯車51とヘッドハウジング30との間には、図2に示すように傘歯車51を支持する支持構造8が設けられている。支持構造8は、ヘッドハウジング30から突出する支持軸80と、傘歯車51に設けられた凹部81と、凹部81内に設けられた軸受72とを有する。
支持軸80は、ヘッドハウジング30と一体に設けられており、ヘッドハウジング30の内壁から傘歯車51側へ突出する。
【0027】
凹部81は、ヘッドハウジング30側に開口部を有し、開口部から軸受72と支持軸80が差込まれる。そして凹部81の周壁面に軸受72の外周部が取付けられ、軸受72の内周部に支持軸80が取付けられる。したがって支持軸80は、軸受72を介して傘歯車51を軸回転可能に支持する。
また凹部81の径は、傘歯車51の歯の内側径よりも大きく、外側径(歯先直径)よりも小さい。そして凹部81の深さは、傘歯車51の厚みの半分よりも深くなっている。
【0028】
以上のようにしてアングルドライバー1が構成される。
すなわち出力軸部33は、図2に示すように垂直軸部32よりも電動工具の先端部1a側に設けられている。そして垂直軸部32は、連結変換機構6によって軸回転する。
ところで角度変換機構は、角度を変換したり減速比を大きくする機構であるために、その構造が大きい。すなわち傘歯車51の歯先直径が大きい。そのため角度変換機構5を介して軸回転する垂直軸部32は、傘歯車51によってアングルドライバー1の先端部1aへ近づけることが困難な構成である。
【0029】
また傘歯車51は、以下の理由によって径が大きくなる傾向にあります。
すなわちアングルドライバー1は、出力軸部33において最適の回転数及びトルクを出せるように、電動モータ21の特性から減速比を決定しています。そしてアングルドライバー1などの電動工具に用いられる電動モータ21は、一般的に非常に高回転であり、大きな減速比を設定する必要があります。
そして本形態では、連結変換機構4,6と角度変換機構5によって減速比を決定します。そのため連結変換機構4による減速比を大きくして、角度変換機構5による減速比を小さくすることで、角度変換機構5の傘歯車51を小さくすることができると考えられます。しかしこの場合は、連結変換機構4の歯車41の径を大きくする必要があり、これによってヘッドハイトHH(図2参照)が大きくなってしまいます。以上のことから傘歯車51は、必要な減速比を得るために径を小さくすることができず、どうしても径が大きくなってしまいます。
【0030】
しかし本形態は、傘歯車51が取付けられる垂直軸部32とは別に出力軸部33を有する。そして出力軸部33は、垂直軸部32よりもアングルドライバー1の先端部1a側に設けられる。
そのため出力軸部33に取付けられる出力ツール7は、図2に示すように角度変換機構5に影響を受けることなく、アングルドライバー1の先端部1a側に設けられ得る。そして出力ツール7と先端部1aとの距離(センタハイトCH)を短くすることで、壁際のネジ締め作業や穴空け作業を容易に行うことができる。
【0031】
また出力軸部33は、図3,4に示すように連結変換機構6を介して垂直軸部32の軸周りに位置変換可能に垂直軸部32に連結されている。
したがって出力軸部33を垂直軸部32の軸周りに位置変換させることで、出力軸部33を図3に示す電動工具の先端部1aへ近づけた先端寄り位置と、図4に示す把持部側へ移動させた手前位置との間の設定位置に位置変換できる。
そのため出力軸部33を先端寄り位置にすることで、壁際におけるネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。そして出力軸部33を手前位置にすることで、手からの力を出力軸部33に付加しやすく、ネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。
【0032】
また支持構造8は、図2に示すように傘歯車51内において傘歯車51を支持する。したがって支持構造8は、傘歯車51とヘッドハウジング30とを近接させた状態においても傘歯車51を支持する。そのため傘歯車51とヘッドハウジング30を近接させた構成にすることができ、ヘッドハウジング30の高さ(H)を低くすることができる。またヘッドハウジング30の上端と出力軸部33の下側先端との距離(ヘッドハイトHH)も短くすることができる。その結果、狭い作業場所にアングルドライバー1を挿入することができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
【0033】
(他の実施の形態)
また本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち上記の実施の形態は、図2に示すように駆動軸部22と垂直軸部32との間に水平軸部31を有する。しかし水平軸部31を有さず、駆動軸部22が垂直軸部32に直接連結する構成であってもよい。すなわちモータによって軸回転する駆動軸部と、駆動軸部の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、駆動軸部の軸回転を垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有する。そしてその角度変換機構が、駆動軸部を軸として軸回転する傘歯車と、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有する形態である。
そしてこの形態によると「駆動軸部」が、請求項1〜3に記載の「水平軸部」に相当する。
(2)また上記の実施の形態は、図2に示すように傘歯車51内で傘歯車51を支持する支持構造8を有する。そして傘歯車51とともに回転する垂直軸部32と、垂直軸部32と別に設けられた出力軸部33とを有する。しかし出力軸部を有さず、垂直軸部がヘッドハウジングの下側から突出し、垂直軸部に出力ツールが取付けられる形態であってもよい。そして、この形態であっても支持構造8を有することで、ヘッドハウジングの径を小さくすることができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
(3)また上記の実施の形態は、本発明がアングルドライバーに適用される形態であった。しかし本発明がアングルドリルに適用される形態であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るアングル型の電動工具によれば、作業性を向上させることに優れた構造を備えるアングル型の電動工具が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】アングルドライバーの側面図と、その一部断面側面図である。
【図2】図1の拡大図である。
【図3】図2の矢印A方向からのアングルドライバーの下面図である。
【図4】図2の矢印A方向からのアングルドライバーの下面図である。
【図5】図2の矢印B−B線断面矢視図である。
【図6】図2の矢印B−B線断面矢視図である。
【符号の説明】
1…アングルドライバー(電動工具)
1a…先端部
4,6…連結変換機構
5…角度変換機構
7…出力ツール
8…支持構造
9…ストッパ機構
20…本体ハウジング(ハウジング)
30…ヘッドハウジング(ハウジング)
21…電動モータ(モータ)
22…駆動軸部(水平軸部)
31…水平軸部
32…垂直軸部
33…出力軸部
40,41,60,61…歯車
50,51…傘歯車
80…支持軸
81…凹部
【発明の属する技術分野】
この発明は、アングル型の電動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アングルドライバーやアングルドリルなどのアングル型の電動工具が知られていた。そしてアングル型の電動工具は、狭い場所でのネジ締め作業や穴空け作業をする際に利用される電動工具として知られていた。
しかし従来のアングル型の電動工具は、例えば下記の特許文献1のように構成されていたために、作業性を向上させることに限界がある構造であった。
すなわち特許文献1によると、電動工具は、モータによって軸回転する水平軸部と、その水平軸の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、水平軸部の軸回転を垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有していた。そして角度変換機構は、水平軸部を軸として回転する傘歯車と、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有していた。
【0003】
しかし傘歯車は、回転角度を変換すると同時に減速させるためにその直径(歯先直径)が比較的に大きい。とりわけ電動工具に用いられる電動モータは、非常に高回転であるため、大きな減速比(ギヤ比)を設定する必要があって傘歯車の直径が大きくなる傾向にある。
そして傘歯車の直径が大きいために、垂直軸部を電動工具の先端部に寄せることができなかった。そして従来は、その垂直軸部に出力ツールが取付けられる構造であった。
そのため電動工具の先端部と出力ツールとの距離(センタハイト)を小さくすることができなかった。したがって壁際におけるネジ締め作業や穴空け作業を向上させることに限界がある構造であった。
【0004】
また特許文献1によると、垂直軸部に取付けられた傘歯車とハウジングとの間には、傘歯車を支持する支持構造が設けられていた。その支持構造は、傘歯車からハウジングへ向けて突出する軸部と、傘歯車とハウジングとの間に設けられた軸受とによって構成されていた。
したがってハウジングと傘歯車との間には、軸受を設けるためのスペースが必要であった。すなわちハウジングの径を小さくしようとする場合、支持構造が邪魔になる構造であった。そのためハウジングを小さくすることで狭い作業場所での作業性を向上させることに限界がある構造であった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−154065号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、作業性を向上させることに優れた構造を備えるアングル型の電動工具を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備えるアングル型の電動工具であることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、出力ツールが取付けられる出力軸部が、垂直軸部とは別に設けられている。そして出力軸部は、垂直軸部と平行に設けられ、かつ垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられ、垂直軸部の軸回転を出力軸部の軸回転に変換する連結変換機構を介して軸回転する。
【0008】
すなわち出力軸部は、垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられている。そして垂直軸部は、連結変換機構によって軸回転する。
ところで角度変換機構は、角度を変換したり減速比を大きくする機構であるために、その構造が一般的に大きい。そのため角度変換機構を介して軸回転する垂直軸部は、角度変換機構によって電動工具の先端部側へ近づけることが困難な構成である。
しかし本発明は、垂直軸部とは別に出力軸部を有する。そして出力軸部は、垂直軸部よりも電動工具の先端部側に設けられる。
そのため出力軸部に取付けられる出力ツールは、角度変換機構に影響を受けることなく、電動工具の先端部側に設けられ得る。そして出力ツールと電動工具の先端部との距離(センタハイト)を短くすることで、壁際のネジ締め作業や穴空け作業を容易に行うことができる。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、出力軸部は、連結変換機構を介して垂直軸部の軸周りに位置変換可能に垂直軸部に連結されている。
したがって出力軸部を垂直軸部の軸周りに位置変換させることで、出力軸部を電動工具の先端部へ近づけた先端寄り位置と、出力軸部を把持部側へ移動させた手前位置とに位置変換できる。
そのため出力軸部を先端寄り位置にすることで、壁際におけるネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。そして出力軸部を手前位置にすることで、手からの力を出力軸部に付加しやすく、ネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、角度変換機構は、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有する。また傘歯車は、傘歯車と電動工具のハウジングとの間に設けられた支持構造によって支持される。そしてその支持構造は、ハウジングから突出する支持軸と、傘歯車に設けられた凹部とを備え、支持軸が凹部内で傘歯車を支持する構成になっている。
すなわち支持構造は、傘歯車内において傘歯車を支持する。
したがって支持構造は、傘歯車とハウジングとを近接させた状態においても傘歯車を支持する。そのため傘歯車とハウジングを近接させた構成にすることができ、ハウジングの高さを低くすることができる。その結果、狭い作業場所に電動工具を挿入することができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図にしたがって説明する。
本形態は、アングル型の電動工具の一つであるアングルドライバー1である。
アングルドライバー1は、図1に示すように工具本体2と、工具本体2の先端に組み付けられるヘッド部3とから構成される。
【0012】
工具本体2は、筒形の本体ハウジング20を備え、本体ハウジング20のヘッド寄りには、駆動源となる電動モータ21が内蔵されている。電動モータ21は、本体ハウジング20の後端部から供給された電力によって駆動する。
電動モータ21は、ヘッド寄り先端に駆動軸部22を有し、駆動軸部22は、本体ハウジング20からヘッド部3側へ突出する。
そして駆動軸部22は、電動モータ21によって軸回転する。
【0013】
ヘッド部3は、図1に示すように殻体をなすヘッドハウジング30と、ヘッドハウジング30の内部からヘッドハウジング30の下側へ突出する出力軸部33を有する。またヘッド部3は、電動モータ21の動力を出力軸部33に伝達する動力伝達機構をヘッドハウジング30内に有する。
動力伝達機構は、駆動軸部22と平行に設けられた水平軸部31と、水平軸部31に対して直交する垂直軸部32とを有する。また動力伝達機構は、駆動軸部22と水平軸部31の間に設けられた連結変換機構4と、水平軸部31と垂直軸部32との間に設けられた角度変換機構5と、垂直軸部32と出力軸部33との間に設けられた連結変換機構6とを有する。
【0014】
水平軸部31は、図2に示すようにヘッドハウジング30との間に設けられた軸受70,71によって後端部と前端部が軸回転可能に支持されている。これによって水平軸部31は、駆動軸部22の軸中心線と平行に設けられた水平軸線を中心に軸回転する。
また垂直軸部32は、ヘッドハウジング30との間に設けられた支持構造8と軸受73によって軸回転可能に支持されている。これによって垂直軸部32は、水平軸部31の軸中心線(水平軸線)に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する。
なお直交方向に配置された関係とは、実質的に直交方向に配置される関係であれば良く、例えば、水平軸線と垂直軸線のなす角が75〜105°の範囲内にある関係であっても良いという意である。
【0015】
連結変換機構4は、図2に示すように駆動軸部22を軸中心に駆動軸部22とともに回転する歯車40と、水平軸部31を軸中心に水平軸部31とともに回転する歯車41とを備える。そして歯車40,41は、相互に噛合って回転することで、駆動軸部22の軸回転を減速して水平軸部31の軸回転に変換する。このため水平軸部31は、電動モータ21によって水平軸線を中心に軸回転する。
角度変換機構5は、水平軸部31を軸として水平軸部31とともに回転する傘歯車(ベベルギヤ)50と、垂直軸部32を軸として垂直軸部32とともに回転する傘歯車(ベベルギヤ)51とを備える。傘歯車50は、水平軸部31の先端側に設けられおり、先細り状に形成されている。そして傘歯車50は、斜め前方を向く歯を有する。
【0016】
傘歯車51は、垂直軸部32の上端側に設けられており、下側が細くなるように形成されている。そして傘歯車51は、斜め下方を向く歯を有する。
傘歯車51は、傘歯車50の上方側に配設されており、傘歯車50の上方側から傘歯車50に噛み合う。そして傘歯車50,51は、相互に噛合った状態で回転することで、水平軸部31の軸回転を減速させた状態で垂直軸部32の軸回転に変換する。このため垂直軸部32は、電動モータ21によって垂直軸線を軸中心に軸回転する。
【0017】
出力軸部33は、図2に示すように垂直軸部32とは別に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32よりもアングルドライバー1の先端部1a(ヘッドハウジング30の先端部1a)側に設けられている。すなわち出力軸部33は、垂直軸部32と先端部1aとの間に設けられている。そして出力軸部33は、垂直軸部32と平行に設けられている。
また出力軸部33は、ヘッドハウジング30との間に設けられた軸受74,75によって、上端部と中央部がそれぞれ軸回転可能に支持されている。これによって出力軸部33は、垂直軸部32と平行な垂直軸線を中心に軸回転する。
また出力軸部33は、下側先端部に出力ツール7が脱着可能に取付けられる取付部33aを有する。出力ツール7は、ドライバ用のビットまたはソケットなどである。
【0018】
連結変換機構6は、図2に示すように垂直軸部32を軸として垂直軸部32とともに回転する歯車60と、出力軸部33を軸として出力軸部33とともに回転する歯車61とを備える。そして歯車60,61は、相互に噛合って回転することで、垂直軸部32の軸回転を減速させた状態で出力軸部33の軸回転に変換する。このため出力軸部33は、電動モータ21によって垂直軸線を軸中心に軸回転する。
【0019】
また出力軸部33とヘッドハウジング30との間には、図2に示すように出力軸部33をヘッドハウジング30に対して移動可能に支持する支持構造35が設けられている。
支持構造35は、軸受74が取り付けられる支持体35aと、軸受75が取付けられる支持体35bを有する。したがって支持構造35は、軸受74,75を介して出力軸部33を支持する。
【0020】
また支持構造35は、ヘッドハウジング30に取付けられた回転盤34とともにヘッドハウジング30に対して移動する。
回転盤34は、図3に示すように円盤状に形成されており、ヘッドハウジング30の下側面を塞ぐ。そして回転盤34は、図2に示すようにヘッドハウジング30との間に設けられた回転支持部76によって、外周縁が回転可能に支持されている。したがって回転盤34は、支持構造35と出力軸部33とともに垂直軸部32を中心に回転する。
【0021】
そして連結変換機構6の歯車61は、図2に示すように歯車60に噛合っており、歯車60に噛合ったまま垂直軸部32を軸中心に位置移動する。すなわち歯車61は、歯車60を中心に公転する遊星歯車を構成し、歯車60が太陽歯車を構成する。
したがって出力軸部33は、連結変換機構6を介して垂直軸部32の軸周りに位置変換可能に垂直軸部32に連結される。
【0022】
またヘッド部3は、出力軸部33を所定位置で保持するストッパ機構9を有する。ストッパ機構9は、図3に示すようにヘッドハウジング30の下側に取付けられたストッパ部材96と、回転盤34に設けられた係止部95(95a〜95g)を主体に構成される。
【0023】
ストッパ部材96は、図5に示すようにケース90とケース蓋91を有する。そしてケース90とケース蓋91との間には、スイッチ部92と付勢部材93を有する。またストッパ部材96は、図5,6に示すようにスイッチ部92によって上下動するボール94を有する。
スイッチ部92は、ケース90の凹部90a内をスライドするスライド部92bと、スライド部92bからケース90の開口部90bを通ってケース90の下側へ突出する操作部92aを有する。
【0024】
付勢部材93は、コイルスプリングなどの弾性部材によって形成されており、スイッチ部92を所定方向(図5の右方向)へ付勢する。
ボール94は、図5,6に示すようにケース蓋91に設けられた貫通穴91aを通過可能な構成である。そしてボール94は、図5に示すようにスイッチ部92によって押し上げられることで、下側半分が貫通穴91aに収納され、上側半分が貫通穴91aを通過して回転盤34の係止部95に収納される(係止位置)。したがって係止位置でのボール94は、回転盤34の移動を防止し、回転盤34を介して出力軸部33の移動も防止する。
【0025】
またボール94は、図6に示すようにスイッチ部92を付勢部材93に反して左方向へ移動させることで、スイッチ部92に設けられた凹部92c内に移動する(解除位置)。したがってボール94が係止部95から外れ、これによって回転盤34が移動可能になる。そして出力軸部33も移動可能になる。
そしてストッパ部材96は、複数の係止部95a〜95gのいずれかに係止される。このため出力軸部33は、垂直軸部32の右側の位置と(図4位置)、左側位置との180°(±20°)の間の所定の設定位置で保持される。
【0026】
また傘歯車51とヘッドハウジング30との間には、図2に示すように傘歯車51を支持する支持構造8が設けられている。支持構造8は、ヘッドハウジング30から突出する支持軸80と、傘歯車51に設けられた凹部81と、凹部81内に設けられた軸受72とを有する。
支持軸80は、ヘッドハウジング30と一体に設けられており、ヘッドハウジング30の内壁から傘歯車51側へ突出する。
【0027】
凹部81は、ヘッドハウジング30側に開口部を有し、開口部から軸受72と支持軸80が差込まれる。そして凹部81の周壁面に軸受72の外周部が取付けられ、軸受72の内周部に支持軸80が取付けられる。したがって支持軸80は、軸受72を介して傘歯車51を軸回転可能に支持する。
また凹部81の径は、傘歯車51の歯の内側径よりも大きく、外側径(歯先直径)よりも小さい。そして凹部81の深さは、傘歯車51の厚みの半分よりも深くなっている。
【0028】
以上のようにしてアングルドライバー1が構成される。
すなわち出力軸部33は、図2に示すように垂直軸部32よりも電動工具の先端部1a側に設けられている。そして垂直軸部32は、連結変換機構6によって軸回転する。
ところで角度変換機構は、角度を変換したり減速比を大きくする機構であるために、その構造が大きい。すなわち傘歯車51の歯先直径が大きい。そのため角度変換機構5を介して軸回転する垂直軸部32は、傘歯車51によってアングルドライバー1の先端部1aへ近づけることが困難な構成である。
【0029】
また傘歯車51は、以下の理由によって径が大きくなる傾向にあります。
すなわちアングルドライバー1は、出力軸部33において最適の回転数及びトルクを出せるように、電動モータ21の特性から減速比を決定しています。そしてアングルドライバー1などの電動工具に用いられる電動モータ21は、一般的に非常に高回転であり、大きな減速比を設定する必要があります。
そして本形態では、連結変換機構4,6と角度変換機構5によって減速比を決定します。そのため連結変換機構4による減速比を大きくして、角度変換機構5による減速比を小さくすることで、角度変換機構5の傘歯車51を小さくすることができると考えられます。しかしこの場合は、連結変換機構4の歯車41の径を大きくする必要があり、これによってヘッドハイトHH(図2参照)が大きくなってしまいます。以上のことから傘歯車51は、必要な減速比を得るために径を小さくすることができず、どうしても径が大きくなってしまいます。
【0030】
しかし本形態は、傘歯車51が取付けられる垂直軸部32とは別に出力軸部33を有する。そして出力軸部33は、垂直軸部32よりもアングルドライバー1の先端部1a側に設けられる。
そのため出力軸部33に取付けられる出力ツール7は、図2に示すように角度変換機構5に影響を受けることなく、アングルドライバー1の先端部1a側に設けられ得る。そして出力ツール7と先端部1aとの距離(センタハイトCH)を短くすることで、壁際のネジ締め作業や穴空け作業を容易に行うことができる。
【0031】
また出力軸部33は、図3,4に示すように連結変換機構6を介して垂直軸部32の軸周りに位置変換可能に垂直軸部32に連結されている。
したがって出力軸部33を垂直軸部32の軸周りに位置変換させることで、出力軸部33を図3に示す電動工具の先端部1aへ近づけた先端寄り位置と、図4に示す把持部側へ移動させた手前位置との間の設定位置に位置変換できる。
そのため出力軸部33を先端寄り位置にすることで、壁際におけるネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。そして出力軸部33を手前位置にすることで、手からの力を出力軸部33に付加しやすく、ネジ締め作業や穴あけ作業をしやすい。
【0032】
また支持構造8は、図2に示すように傘歯車51内において傘歯車51を支持する。したがって支持構造8は、傘歯車51とヘッドハウジング30とを近接させた状態においても傘歯車51を支持する。そのため傘歯車51とヘッドハウジング30を近接させた構成にすることができ、ヘッドハウジング30の高さ(H)を低くすることができる。またヘッドハウジング30の上端と出力軸部33の下側先端との距離(ヘッドハイトHH)も短くすることができる。その結果、狭い作業場所にアングルドライバー1を挿入することができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
【0033】
(他の実施の形態)
また本発明は、上記の実施の形態に限定されず、以下の形態であってもよい。
(1)すなわち上記の実施の形態は、図2に示すように駆動軸部22と垂直軸部32との間に水平軸部31を有する。しかし水平軸部31を有さず、駆動軸部22が垂直軸部32に直接連結する構成であってもよい。すなわちモータによって軸回転する駆動軸部と、駆動軸部の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、駆動軸部の軸回転を垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有する。そしてその角度変換機構が、駆動軸部を軸として軸回転する傘歯車と、垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有する形態である。
そしてこの形態によると「駆動軸部」が、請求項1〜3に記載の「水平軸部」に相当する。
(2)また上記の実施の形態は、図2に示すように傘歯車51内で傘歯車51を支持する支持構造8を有する。そして傘歯車51とともに回転する垂直軸部32と、垂直軸部32と別に設けられた出力軸部33とを有する。しかし出力軸部を有さず、垂直軸部がヘッドハウジングの下側から突出し、垂直軸部に出力ツールが取付けられる形態であってもよい。そして、この形態であっても支持構造8を有することで、ヘッドハウジングの径を小さくすることができ、狭い作業場所での作業性が向上する。
(3)また上記の実施の形態は、本発明がアングルドライバーに適用される形態であった。しかし本発明がアングルドリルに適用される形態であってもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るアングル型の電動工具によれば、作業性を向上させることに優れた構造を備えるアングル型の電動工具が構成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】アングルドライバーの側面図と、その一部断面側面図である。
【図2】図1の拡大図である。
【図3】図2の矢印A方向からのアングルドライバーの下面図である。
【図4】図2の矢印A方向からのアングルドライバーの下面図である。
【図5】図2の矢印B−B線断面矢視図である。
【図6】図2の矢印B−B線断面矢視図である。
【符号の説明】
1…アングルドライバー(電動工具)
1a…先端部
4,6…連結変換機構
5…角度変換機構
7…出力ツール
8…支持構造
9…ストッパ機構
20…本体ハウジング(ハウジング)
30…ヘッドハウジング(ハウジング)
21…電動モータ(モータ)
22…駆動軸部(水平軸部)
31…水平軸部
32…垂直軸部
33…出力軸部
40,41,60,61…歯車
50,51…傘歯車
80…支持軸
81…凹部
Claims (3)
- モータによって軸回転する水平軸部と、前記水平軸部の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、前記水平軸部の軸回転を前記垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有するアングル型の電動工具であって、
出力ツールが取付けられる出力軸部が、前記垂直軸部とは別に設けられており、前記出力軸部は、前記垂直軸部と平行に設けられ、かつ前記垂直軸部よりも前記電動工具の先端部側に設けられ、前記垂直軸部の軸回転を前記出力軸部の軸回転に変換する連結変換機構を介して軸回転することを特徴とするアングル型の電動工具。 - 請求項1に記載のアングル型の電動工具であって、
出力軸部は、連結変換機構を介して前記垂直軸部の軸周りに位置変換可能に前記垂直軸部に連結されていることを特徴とするアングル型の電動工具。 - モータによって軸回転する水平軸部と、前記水平軸部の軸中心線に対して直交方向に配置された垂直軸線を中心に軸回転する垂直軸部と、前記水平軸部の軸回転を前記垂直軸部の軸回転に変換する角度変換機構とを有するアングル型の電動工具であって、
前記角度変換機構は、前記垂直軸部を軸として軸回転する傘歯車を有し、
前記傘歯車は、前記傘歯車と電動工具のハウジングとの間に設けられた支持構造によって支持されており、前記支持構造は、前記ハウジングから突出する支持軸と、前記傘歯車に設けられた凹部とを備え、前記支持軸が前記凹部内で前記傘歯車を支持する構成になっていることを特徴とするアングル型の電動工具。
Priority Applications (1)
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JP2003042623A JP2004249399A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | アングル型の電動工具 |
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JP2003042623A JP2004249399A (ja) | 2003-02-20 | 2003-02-20 | アングル型の電動工具 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN102554886A (zh) * | 2010-12-14 | 2012-07-11 | 罗伯特·博世有限公司 | 手持工具机、尤其是钻机或螺旋钻机 |
-
2003
- 2003-02-20 JP JP2003042623A patent/JP2004249399A/ja active Pending
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