JP2004249092A - 座席の暖房装置 - Google Patents

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Daihatsu Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】ごわごわ感を緩和し、しかも、温度むらがなく、機械的疲労にも強く、温度の立ち上がりが速く省エネルギー化が図れる座席の暖房装置を提供する。
【解決手段】ヒーターをフレキシブルで細長状に形成し、該ヒーターを着座者の身体接触部位に沿うように前記パッドに線状に配設したことを特徴とする。前記ヒーターは電気抵抗体及び電極を備えたヒーターであることが望ましい。
【選択図】 図1


Description

本発明は、例えば乗用車、ゴルフカート等の車両の座席や、マッサージ機の座席等に用いられる暖房装置に関する。
自動車の座席の暖房装置としては、ニクロム線を面状の基材に配線して構成される発熱体が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、該発熱体は座席の表面と略同じ面積を有するので、表面が凸凹したパッドに皺を発生させることなくセットするのに手間がかかる。また、着座者の僅かな移動でも皺が発生して着座者にごわごわ感を与え、座り心地が悪くなる。また、ニクロム線は電気抵抗率が小さく目標抵抗値を得るには線径を小さくしなければならないので、前記発熱体の構成を採用した場合には、機械的疲労に弱くなり、着座者の加圧によって断線してヒーター機能が停止する。更に、発熱体を避けて座席に設けられる乗員検知センサーとの両立性が困難であった。
実開昭62―53064号公報
本発明は、これらの問題点を解決するために、ごわごわ感を緩和し、しかも、温度むらがなく、機械的疲労にも強く、温度の立ち上がりが速く省エネルギー化が図れる座席の暖房装置を提供する。
本発明の座席の暖房装置は、ヒーターをフレキシブルで細長状に形成し、該ヒーターを着座者の身体接触部位に沿うように前記パッドに線状に配設したことを特徴とする。
前記ヒーターは、電気抵抗体及び電極を備えたPTC特性を有するヒーターであることが望ましい。なお、前記PTC(Positive Temperature Coefficient)特性とは、温度が高くなると電気抵抗値が上昇する特性のことをいう。
前記電気抵抗体は、平面状の柔軟な基材に導電性粉末とバインダーよりなる導電性発熱性塗料をコーティング及び/又は含浸して形成され、前記電極は、前記基材の材面に沿って層状に形成されるのが望ましい。
前記電極は、無電解めっき又は印刷又は塗装又は転写により形成されるのが望ましい。
前記基材は前記パッドを覆う柔軟な表皮材であり、該表皮材の裏面側に前記導電性発熱性塗料をコーティング及び/又は含浸するのが望ましい。
前記基材を細長状に形成し、該基材を前記パッドを覆う柔軟な表皮材の裏面側に取り付けるのが望ましい。
前記基材を細長状に形成し、該基材を前記パッド表面に取り付けるのが望ましい。
前記電極は、前記電気抵抗体の長さ方向の両側に沿って細長状に形成され、前記電気抵抗体は、電源が接続される前記電極の一端側から他端側に行くほど幅が狭くなるように形成されるのが望ましい。これにより、温度分布を均一化することができる。
PTC特性を有する前記ヒーターの電気抵抗体は、ゴム原料及び/又は樹脂原料に炭素粒子及び/又は金属粒子を主体とする導電性粒子を配合して形成するのが望ましい。
前記ヒーターを着座者の大腿部の接触部位に沿うように配設するのが望ましい。
前記ヒーターを着座者の背中の接触部位に沿うように前記パッドに配設するのが望ましい。
前記ヒーターを着座者の尻部の接触部位に沿うように前記パッドに配設するのが望ましい。
前記パッドに収容溝を形成し、該収容溝にヒーターを配設し、該ヒーターを前記座席の表皮材で覆うのが望ましい。
前記ヒーターの電極に対して連続電流及びパルス電流を切替可能に給電する温度制御手段を設けるのが望ましい。
本発明の座席の暖房装置によれば、ヒーターをフレキシブルで細長状に形成し、該ヒーターを着座者の身体接触部位に沿うように前記パッドに線状に配設したので、ヒーターを着座者の身体に沿って変形させることができ、座り心地が良くなる。また、面状発熱体を座席に配設した場合のように着座者の身体接触部位の周囲に皺が発生することがないので、面状発熱体のようにごわごわ感によって座り心地が低下することがない。
更に、電気抵抗体及び電極を備えたPTC特性を有するヒーターを前記ヒーターとして用いれば、以下の効果がある。すなわち、ヒーターはニクロム線(局部加熱方式)に較べて温度むらが生じず、しかも、ヒーターを着座者の着座部位に沿うように前記パッドに線状に配設することによって着座者の着座部位を的確に暖房することができる。また、ヒーターを細長状に形成しても、ヒーターの構成からみてニクロム線のような断線トラブルが発生せず、温度特性も安定しているので、子供等にも安心して使用できる。また、水の侵入やピン等による軽微な破損によるトラブルも解消できる。また、ヒーターは速やかに所定温度にまで昇温するので、使い心地が良くなる。更に、ヒーターを密の状態で配設する必要がないので、乗員検知センサーとの両立性が図れる。
なお、ニクロム線を備えた細長状のヒーターを用いた場合であっても、座り心地は良くなり、また、ニクロム線を密に配線するなどして温度むらなどの問題を解消できる。
ヒーターを、ゴム原料に炭素粒子を主体とする導電性粒子を配合して形成すれば、ヒーターの可撓性が更に向上して座り心地を向上させることができる。
前記電気抵抗体を、平面状の柔軟な基材に導電性粉末とバインダーよりなる導電性発熱性塗料をコーティング及び/又は含浸して形成し、前記電極を、前記基材の材面に沿って層状に形成すれば、ごわごわ感を緩和することができ、座り心地を向上させることができる。しかも、収容溝や固定バンド等の固定具が不要になるので、座席の組み立て作業が容易になる。また、ヒーターを薄く設定することができるので、長時間着座していても座席の表皮材はヒーターによって傷付くことがなくなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施形態1
座席の暖房装置は、図1のように座席1に着座者の身体接触部位に沿って一直線状に配設される細長状のPTC特性を有するヒーター2と、ヒーター2の温度制御手段3とを備えている。
図2のようにヒーター2は、細長状の電気抵抗体4と該電気抵抗体4に埋設される電極線5とを備え、電気抵抗体4は電気絶縁体6で被覆され、また、図3のように一端部からはリード線2aが導出されている。電気抵抗体4の寸法は、例えば厚さは0.5mm〜3mm程度、幅は10mm〜50mm程度、長さは100mm〜1000mm程度に設定され、電気抵抗体4の幅方向の両側部には電極線5が配設されている。電気抵抗体4は、ゴム原料に炭素粒子を主体とする導電性粒子を配合した組成物であり、電気抵抗率を10〜10-4 Ω・cm程度に設定することにより、熱拡散効率を向上させている。平均粒径が4種以上の炭素粒子を用い、また、平均粒径を30メッシュパスに設定すると共に、炭素材料のゴムに対する比率が20〜50重量%にし、目標抵抗値が5〜100Ω・cm、好ましくは10〜50Ω・cmで24V以下の低電圧駆動が得られる。
また、ゴム原料としては、炭素粒子を含浸又は練りこむことができるものであれば特に限定はされない。例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、ブチルゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコーンゴム等のゴムを挙げることができる。
また、電気抵抗体4は、ゴム原料及び樹脂原料の混合体や樹脂原料に炭素粒子を主体とする導電性粒子を配合した組成物であっても良い。
電極線5の材質としては、例えば、ステンレス、銅、金、銀、アルミニウム等の導電性金属が挙げられ、その形状としては撚線状、網状、平板状、棒状、箔状等のものが挙げられる。また、電気絶縁体6の材質としては、例えば、電気抵抗率が1012 Ω・cm程度以上で耐熱性があり、容易に破壊されないものを採用している。具体的には、シェラック、ポリエステル樹脂、ポリエチレン(PE)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、テフロン(登録商標)、ポリビニルクロライド(PVC)、ポリビニリデンクロライド(PVDC)等の有機高分子化合物、シリコーン、セラミックペーパー等の無機材料等が例示される。
このように座席1にPTC特性を有するヒーターを用いれば、温度の立ち上がりが速くなり、また、従来のニクロム発熱体のものに較べて、例えば20〜80%の省電効果が得られる。
図1のように座席1は、座部パッド7と背凭れパッド71とこれらのパッド7,71を覆う表皮材10(図3に示す)とを備えている。座部パッド7及び背凭れパッド71はウレタンフォームで形成され、これらのパッド7,71の表面には凹溝7aが形成されている。
図1及び図3(a)に示す座部パッド7の凹溝7aのうち、左右両側に位置する凹溝7aには材質の異なる表皮材10の図外の縫い合わせ部が収容され、また、図1に示す背凭れパッド71の凹溝7aのうち、左右両側に位置する凹溝7aにも材質の異なる表皮材10の図外の縫い合わせ部が収容されるようになっている。また、これらの凹溝7a以外の座部パッド7及び背凭れパッド71の凹溝7aには、図3(b)のように同質材料の表皮材10の縫い合わせ部7cが収容される。
図3(b)のように座部パッド7にはインサートワイヤ7bが埋設され、表皮材10の縫い合わせ部7cの裏面側には吊り込み部7dが設けられ、この吊り込み部7dには吊り込み用ワイヤ7eが挿通されている。
また、吊り込み用ワイヤ7eとインサートワイヤ7bとは、図1及び図3(a)に示す連結部位7gにおいて図外の金属リングによって連結され、同質材料の表皮材10の縫い合わせ部7cの凹溝7aへの引き込みを可能にしている。
図1及び図3のように座部パッド7の座面のうち着座者の大腿部が接触する部位には該大腿部の中心線に沿うようにして左右一対の収容溝9が形成され、また、収容溝9の深さはヒーター2の厚みとほぼ同じに設定されている。収容溝9には上述のヒーター2が収容され、ヒーター2は座部パッド7の座面とほぼ並行となるように配設され、収容溝9に配設されたヒーター2は座席の表皮材10で覆われることにより固定されるものである。
また、図1及び図3のようにヒーター2の収容溝9は座部パッド7の凹溝7aと交差し、該交差部91に位置する収容溝9の深さは凹溝7aの深さとほぼ同じとなるように設定されている。また、交差部91の収容溝9に収まる部位のヒーター2は図3のように凹溝7aの深さに合わせて屈曲し、該屈曲部2Aの端部2Bは緩やかな曲線状に形成されている。したがって、着座者の体圧により屈曲部2Aの端部2Bが表皮材10に押し付けられても表皮材10に加わる圧力が緩和される。これにより、図3(c)のように曲率の大きな屈曲部2A’を有するヒーター2’を収容溝9’に配設するのに較べて、屈曲部2Aの端部2Bによる表皮材10の損傷が軽減され、座席1の耐久性を向上させることができる。
図1のように背凭れパッド71の着座者の背中が接触する部位にも収容溝9が形成され、該収容溝9にはヒーター2が収容されている。なお、背凭れパッド71も座部パッド7と同様に表皮材10で覆われている。
図4は、前記温度制御手段3の回路の一例を示す。該回路はシュミットトリガタイプのインバータ4584を使用しており、連続電流及びパルス電流をPTC特性を有するヒーターに供給することができる。スイッチSW1において「強」端子が接続された場合、インバータ4584の入力端子がローレベルとなり、出力端子からハイレベルの電位がFETトランジスタに供給され、FETトランジスタがオンとなる。これによって、PTC特性を有するヒーターに電流が供給される。インバータ4584は、出力端子が抵抗を介して入力端子に接続されているので、出力端子がハイレベルに維持され、連続的にPTC特性を有するヒーターに電流が供給される。
スイッチSW1において「弱」端子が接続された場合、インバータ4584の入力端子がハイレベルとなり、出力端子からローレベルの電位がFETトランジスタに供給され、FETトランジスタがオフとなる。そして次の瞬間には、インバータ4584の出力端子のローレベルが抵抗を介して入力端子に帰還され、入力端子の電位が低下してローレベルとなり、出力端子がハイレベルとなる。これによって、FETトランジスタがオンとなり、PTC特性を有するヒーターに電流が供給される。更に次の瞬間には、インバータ4584の出力端子のハイレベルが入力端子に帰還され、入力端子がハイレベルとなり、出力端子がローレベルとなる。これによって、FETトランジスタが再びオフとなり、PTC特性を有するヒーターへの電流供給が停止する。以上の動作が繰り返されて、PTC特性を有するヒーターにはパルス電流が供給される(パルス通電)。
そして、スイッチSW1による連続通電及びパルス通電の切り替えによってPTC特性を有するヒーターの表面温度が調整され、例えば、連続通電の場合には表面温度が40℃前後となり、パルス通電の場合には22℃前後となるようにPTC特性を有するヒーターの温度を制御する。これにより、着座者の体感温度に合った暖房温度に設定可能となる。
上述のPTC特性を有するヒーター2及び温度制御手段3は、以下の実施態様の座席の暖房装置にも用いられる。
実施形態1によれば、着座者が座席1に着席した場合には細長状のPTC特性を有するヒーター2が着座者の身体に沿って変形するので、ヒーター2を座席1に配設しても違和感がなくなり、座り心地が良くなる。
なお、PTC特性を有するヒーター2は自己温度制御性を有するが、安全性を高めるために温度制御手段3が設けられている。
また、ヒーターとしては、上述の構成のヒーター2に代えて他の構成の細長状のヒーターを用いても良く、例えば細長状の基材にニクロム線を配設して構成されるヒーターを採用することもできる。
実施形態2
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は座部パッド7及び背凭れパッド71の身体接触部位に沿って配設されるものであり、ヒーター2は図5に示す固定バンドBによって図6乃至図8のように座部パッド7に固定されている。
固定バンドBは、図5のように可撓性を有する軟質合成樹脂製のバンド本体B1を備え、バンド本体B1には複数の係止孔B2が設けられ、バンド本体B1の一端には係止部B3が設けられ、該係止部B3には第1及び第2の挿通孔B4,B5が形成され、各挿通孔B4,B5の近傍には第1及び第2のフック部B6,B7が設けられている。また、図7のようにバンド本体B1の他端B9は係止部B3の一対の挿通孔B4,B5に挿通され、バンド本体B1の係止孔B2は係止部B3のフック部B6,B7に係止されるようになっている。
一方、座部パッド7には図7のようにスリット状の貫通孔70が設けられ、該貫通孔70近くの座部パッド7の裏面側には固定バンドBの連結体11(座席の平ばねを一例として示す。)が設けられている。そして、固定バンドBを座部パッド7の貫通孔70に挿通すると共に連結体11に連結することによりヒーター2を座部パッド7に固定する。なお、図6中の符号12はヒーター2の端部のキャップである。
次に、固定バンドBを用いたヒーター2の固定作業について説明する。図6及び図7のように固定バンドBのバンド本体B1を2つに折り曲げ、該折り曲げ部B8を先頭にして固定バンドBを座席パッド7の裏面側から貫通孔70に挿通して座席パッド7の座面側から突出し、固定バンドBの折り曲げ部B8にヒーター2を挿通する。
その後、バンド本体B1の下側を連結体11に連結する。すなわち、折り曲げ部B8にヒーター2を挿通した状態でバンド本体B1を下方に引っ張り、バンド本体B1の他端B9を係止部B3の第1挿通孔B4に通して連結体11を巻き込んだ後、バンド本体B1の他端B9を更に強く下方に引っ張り、この状態でバンド本体B1の係止孔B2を係止部B3の第1フック部B6に係止する。次に、バンド本体B1の他端B9を第2挿通孔B5に挿通して下方に引っ張り、この状態でバンド本体B1の係止孔B2を係止部B3の第2フック部B7に係止する。なお、バンド本体B1の他端B9を第1挿通孔B4に通して第1フック部B6に係止するだけでもヒーター2の固定は可能である。
この作業により、ヒーター2を座部パッド7の座面にめり込ませた状態で固定することができ、ヒーター2が座面から突出して着座者に違和感を与えることがなく、断線トラブルも回避でき、ヒーター2のがたつきも防止できる。なお、固定バンドBはヒーター2の長手方向に適宜間隔で複数本配設される。
また、ヒーター2の交換作業は次のようにして行われる。すなわち、図7の状態からバンド本体B1の他端B9を下方に引いて第2フック部B7からバンド本体B1の係止孔B2を外した後、他端B9を上方に引いて第1フック部B6からバンド本体B1の係止孔B2を外すことにより、固定バンドBを緩め、次に、ヒーター2を固定バンドBから引き抜く。その後、新たなヒーター2を固定バンドBに挿入し、該固定バンドBを締め付ける。
また、ヒーター2は、背凭れパッド71に対しても固定バンドBによって上述の要領で固定される。
座部パッド7の裏面側に平ばねが存在しない場合には、例えば、図8(b)のように座席1のボトムパネル1aに一対の貫通孔8Bを形成し、貫通孔8Bで挟まれる部位を連結体11とすることにより、同図(a)のようにしてヒーター2を座部パッド7に固定できる。
実施形態2によれば、実施形態1の効果に加えて、固定バンドBを用いることによりヒーター2の取り付け作業が容易になる。また、パッド7,71に収容溝9を設ける必要はなくスリット状の貫通孔70を設けるだけで良いので、ヒーター2を固定しない場合にも該パット7,71を用いることができ、パッド7,71の共用化が可能になる。更に、ヒーター2の交換作業も容易になる。
なお、ヒーター2は背凭れパッド71に対しても同じようにして固定される。
実施形態3
図9乃至図11のようにPTC特性を有するヒーター2は連結プレートB10を備えた固定バンドBにより座部パッド7に固定される。本実施形態では上述の連結体11に代えて連結プレートB10が用いられ、連結プレートB10には1つの通し孔B11と一対の分岐孔B12とが形成されている。
ヒーター2を固定バンドBで固定する作業内容は、実施形態2の連結体11に代えて連結プレートB10を用いること以外は実施形態2と同じである。すなわち、図10のようにバンド本体B1を連結プレートB10の一方の通し孔B11及び分岐孔B12に挿通した後、バンド本体B1の折り曲げ部B8を座席パッド7の貫通孔70に挿通する。バンド本体B1の他端B9は連結プレートB10の他方の通し孔B11及び分岐孔B12に挿通した後に上述のようにして該他端B9を係止部B3に係止する。
このように、連結プレートB10を用いることにより、平ばね等の連結体11が存在しない場合であってもヒーター2を固定できる。
なお、ヒーター2は背凭れパッド71に対しても同じようにして固定される。
実施形態4
PTC特性を有するヒーター2は上述のように身体接触部位に沿って一直線状に配設されるものであり、図12(a)はヒーター2を着座者の尻部の接触部位に沿って配設した状態を示し、該ヒーター2は図12(b)(c)及び図13のようにクリップ13及びボグリング等の止着具14によりパッド7,71に固定されるようになっている。
図12(b)(c)のようにクリップ13は弾性変形可能なクリップ本体13aに傘形の係止部13bを取り付けて形成されている。また、ヒーター2のうち電極線5を避けた電気抵抗体4の中央部には固定孔2bが形成され、座部パッド7には収容溝9が形成され、該収容溝9の底部には該底部に沿ってインサートワイヤ7bが配設されている。
そして、ヒーター2を座席パッド7に固定する場合には、図12(b)(c)及び図13のようにクリップ本体13aをヒーター2の固定孔2bに挿通し、クリップ本体13aとインサートワイヤ7bとを止着具14で連結する。これによってヒーター2はクリップ13によって収容溝9の底方向に引き寄せられ、ヒーター2の幅方向の両端部は図12(b)のように収容溝9の開口部の両側部にめり込むようにして固定される。したがって、ヒーター2を座面に配設しても着座者に違和感を与えることがなく、ヒーター2の断線トラブルも回避でき、ヒーター2のがたつきも防止できる。クリップ13はヒーター2の長手方向に適宜間隔で複数個配設され、固定孔2bもヒーター2の長手方向に沿って複数個設けられる。
また、図12(b)(c)及び図13のようにアルミニウムシートや銅シート等の熱伝導率の高いシート15(2点鎖線で示す。)をヒーター2とクリップ13との間に介在させることにより、熱伝導面積を大きくしても良い。
ヒーター2は背凭れパッド71に対しても上述と同じ要領でクリップ13を用いて固定される。
実施形態5
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は身体接触部位に沿って一直線状に配設されるものである。図14(b)のようにヒーター2には電極線5を避けるようにして固定孔2bが形成され、該ヒーター2はクリップ16により座部パッド7に固定される。図14(c)のようにクリップ16は線状のクリップ本体16aを有し、クリップ本体16aの一端には傘のように開閉可能で且つ開方向に弾性付勢されるヒーター保持体16bが形成され、クリップ本体16aの他端には係止体16cが形成されている。また、図14(b)のように座部パッド7にはスリット状の貫通孔70が設けられている。
そして、クリップ16を用いてヒーター2を固定する場合には、図14(b)のように座部パッド7の座面に貫通孔70を覆うようにしてヒーター2を位置させ、クリップ16を座部パッド7の裏面側から貫通孔70に挿入する。このとき、クリップ16のヒーター保持体16bは閉じた状態で貫通孔70の中を上方に向けて移動し、ヒーター2の固定孔2b内に至る。そして、ヒーター2を座部パッド7に押さえ付けて該座部パッド7を弾性変形させることにより、ヒーター保持体16bはヒーター2の固定孔2bを突き抜け、ヒーター保持体16bは自身の弾性復元力によって拡開する。その後、ヒーター2への押圧力を除くと、座部パッド7の復元力により、図14(b)のようにクリップ16の係止体16cは座部パッド7の裏面側に係止されると共にヒーター2は座部パッド7にめり込んだ状態で固定される。したがって、座部パッド7の座面にヒーター2を配設しても着座者に違和感を与えることがなく、断線トラブルも回避でき、ヒーター2のがたつきも防止できる。また、クリップ16はヒーター2の長手方向に適宜間隔で複数個配設され、固定孔2bもヒーター2の長手方向に沿って複数個設けられる。なお、上述の熱伝導率の高いシート15をヒーター2とヒーター保持体16bとの間に介在させても良い。
また、背凭れパッド71に対してもヒーター2はクリップ16を用いて上述の要領で固定される。
実施形態6
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は身体接触部位に沿って一直線状に配設され、該ヒーター2は図15(b)のようにクリップ17により座部パッド7に固定されるものである。クリップ17は、図16のようにクリップ本体17aを備え、クリップ本体17aの上端には挿通孔17bを有するヒーター保持体17cが設けられ、クリップ本体17aの下端には係止体17dが形成され、係止体17dとクリップ本体17aとの間にはヒンジ部17eが形成され、ヒンジ部17eの弾性変形によって係止体17dはクリップ本体17aとほぼ平行となる位置まで回転できるようになっている。一方、座部パッド7には上述のようにスリット状の貫通孔70が設けられている。
次に、クリップ17を用いたヒーター2の固定作業について説明する。図17(a)のようにヒーター2をクリップ17のヒーター保持体17cの挿通孔17bに挿通した後、同図(b)のように係止体17dをクリップ本体17aとほぼ平行となる位置まで回転させた状態にしてクリップ17を座部パッド7の貫通孔70に座面側から差し込み、座部パッド7の裏面側に突出させる。次に、ヒーター2を座部パッド7の座面に押さえ付けて該座部パッド7を弾性変形させることにより、クリップ17を下方に移動させて係止体17dを貫通孔70から完全に突出させると共にヒンジ部17eの弾性復元力によって係止体17dを元の状態に戻す。次に、ヒーター2への押え力を解除すると、図17(c)のように座部パッド7の弾性復元力により係止体17bは座部パッド7の裏面側に係止し、ヒーター2は座部パッド7の座面にめり込んだ状態で固定される。
このように、ヒーター2は座部パッド7の座面にめり込んだ状態で固定されるので、ヒーター2が座部パッド7に設けられていても着座者に違和感を与えず、断線トラブルも回避できる。
図15(a)のようにクリップ17はヒーター2の長手方向に適宜間隔で複数個配設され、また、ヒーター2の端部に位置するクリップ17はヒーター2のキャップ12と隣接するように配設される。これによりキャップ12がクリップ17で係止され、ヒーター2がヒーター保持体17cの挿通孔17bから抜けるのが防止できる。
なお、上述の熱伝導率の高いシート15をヒーター2とヒーター保持体17bとの間に介在させても良い。
また、背凭れパッド71に対してもヒーター2はクリップ17を用いて上述の要領で固定される。
このように、上述の実施形態3乃至6によっても、実施形態2と同様の効果が得られる。また、実施形態4及び5によれば、電極線5以外の部位に孔をあけても短絡しないというヒーター2の性質を利用してヒーター2を簡単に固定できる。
実施形態7
上述のPTC特性を有するヒーター2は図18のように帯状に形成され、該ヒーター2を折り曲げて座部パッド7及び背凭れパッド71の身体接触部位に沿って配設されている。また、図18のように座席1のシートフレーム1Aは、ボトムパネル1aと、該ボトムパネル1aの後端部に角度調整可能に取り付けられるバックフレーム1bとを備え、バックフレーム1bの下端部にはクロスメンバ1cが取り付けられ、該クロスメンバ1cには引っ掛け部20が設けられている。
図19及び図20のようにヒーター2には長さ方向に適宜間隔で固定孔2bが設けられ、座部パッド7及び背凭れパッド71には貫通孔70aが設けられ、ヒーター2は固定孔2b及び貫通孔70aに挿通される留め具18により座部パッド7及び背凭れパッド71に固定されている。
図18のようにヒーター2の両端部2cには止め孔2dが形成され、該止め孔2dに挿通されるビス19により、図19のようにヒーター2の端部2cがクロスメンバ1cに固定され、また、図18のようにクロスメンバ1cと交差するヒーター2の中央部2fは、図21のようにクロスメンバ1cの引っ掛け部20に掛止されている。
実施形態7によれば、ヒーター2の端部2cをシートフレーム1Aのクロスメンバ1cに固定することにより、ヒーター2の端末処理が簡単になり、また、ヒーター2のリード線2aもクロスメンバ1cに沿わして処理できるので、作業効率及び組付け信頼性を向上させることができる。また、一本のヒーター2を座部パッド7及び背凭れパッド71に配設するので、ヒーター2の端部処理の手間を最小限に押さえることができ、製造コストの低減が図れる。
なお、図22(a)(b)のようにヒーター2をU字状に曲げて座部パッド7及び背凭れパッド71に配設し、これらのヒーター2の端部2cをクロスメンバ1cに固定する形態も採用できる。また、同図(c)(d)のように短冊状のヒーター2を曲げずに座部パッド7及び背凭れパッド71に配設し、これらのヒーター2の端部2cをクロスメンバ1cに固定する形態も採用できる。
実施形態8
上述のPTC特性を有するヒーター2は図24及び図25のように折り曲げた状態で配設されるものである。
図23(a)のようにヒーター2のうち折り曲げられる部分には電極線4を避けるようにして長孔2eが形成されている。したがって、ヒーター2を折り曲げると、図23(b)のように引張側に位置する電極線4は内側に、圧縮側に位置する電極線4は外側にそれぞれ曲がり、ヒーター2の曲げ抵抗が小さくなり、ヒーター2を折り重ねることなく折り曲げることができる。
図24のように座部パッド7には収容溝9が形成され、収容溝9のうちヒーター2の折り曲げ部2hが収容される部位には該折り曲げ部2hを収容するのに必要な深さを有する折り曲げ収容溝9aが形成されている。そして、図24のようにヒーター2を折り曲げた状態で座部パッド7の収容溝9に収容すると共に、ヒーター2の折り曲げ部2hを折り曲げ収容溝9aに収容する。
また、収容溝9の底面部には端子挿通孔7hが形成され、該端子挿通孔7hにヒーター2の端子2aを挿通して該端子2aを座部パッド7の裏面側に導出する。
図25は、ヒーター2の折り曲げ部2hを更に下方に折り曲げて収容溝9に配設するときの組み付け作業状態を示しており、座部パッド7には折り曲げ収容溝9aよりも深い折り曲げ収容溝9bが形成されている。
このようにして、ヒーター2を折り曲げて座部パッド7に配設すれば、図1のように着座者の大腿部に沿ってヒーター2を2本配設するところを実施形態8では1本で済ますことができ、ヒーター2同士の結線が不要になる。また、ヒーター2の折り曲げ部2hが座部パッド7の座面から突出しないので、ヒーター2によって着座者に違和感を与えることがなく、断線トラブルも回避できる。
背凭れパッド9に対しても、ヒーター2が上述の要領で配設されるものである。
実施形態9
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は身体接触部位に沿って一直線状に配設され、図28のようにヒーター2はクリップ21により座部パッド7に固定されるものである。
図26のようにクリップ21は可撓性を有する細長状のクリップ本体21aを備え、クリップ本体21aの基端には挿通孔21bを有するヒーター保持体21cが設けられ、クリップ本体21aの先端には係止部21dが形成されている。クリップ本体21a及び係止部21dは軟質合成樹脂製で可撓性を有し、ヒーター保持体21cは硬質合成樹脂で形成され、クリップ本体21a、係止部21d及びヒーター保持体21cは一体成形されている。また、図26のように係止部21dの両側には抜け止め突起21eが列設され、係止部21dの先端には挿入部21fが設けられ、係止部21dの基端には幅狭の係止孔21gと幅広の挿入孔21hとから成る開口部21iが形成されている。
また、図28のように座席パッド7にはスリット状の貫通孔70が形成され、該貫通孔70近くの座部パッド7の裏面側にはクリップ21を連結するための連結体11(座席の平ばねを一例として示す。)が配設されている。
次に、クリップ21を用いたヒーター2の固定作業について説明する。まず、図26のようにヒーター2をクリップ21のヒーター保持体21cの挿通孔21bに挿通し、クリップ本体21a及び係止部21dを座席パッド7の座面側から貫通孔70に挿通して係止部21dを座部パッド7の裏面側に突出させる。次に、図27のように係止部21dを連結体11に巻き付け、該係止部21dの挿入部21fを開口部21iの幅広の挿入孔21hに挿通した後、該挿入部21fを持ってクリップ21を下方に引っ張ることにより、図28のようにヒーター2を座部パッド7の座面にめり込ませる。そして、この状態でクリップ21の係止部21dの抜け止め突起21eを開口部21iの幅狭の係止孔21gの孔縁部に係止させる。
また、係止部21dの抜け止め突起21eを開口部21iの幅狭の係止孔21gから幅広の係止孔21hに移動させることにより、クリップ21を緩めてヒーター2を交換できる。
図29は、係止部21dのうち該係止部21dの開口部21iに挿通された先端部分21mを座席パッド7の貫通孔70内に挿入して処理した状態を示している。
また、ヒーター保持体21cとクリップ本体21aとを別体とする場合には、図30のようにクリップ本体21aの一端に抜け止め片21jを形成し、図30及び図31のようにヒーター保持体21cの挿通孔21bの下側に取付孔21kを設ける。そして、図30のようにクリップ本体21a及び係止部21dをヒーター保持体21cの取付孔21kに挿入し、該取付孔21kの孔縁部に抜け止め片21jを係止してクリップ本体21aとヒーター保持体21cとを一体化する。
また、背凭れパッド9に対しても、ヒーター2はクリップ21を用いて上述の要領で固定される。
上述の実施形態9によれば、パッド7,71側にはスリット状の貫通孔70を設けるだけで良いので、実施形態2と同じようにパッド7,71の共用化が可能になる。また、係止部21dには抜け止め突起21eが列設されているので、パッド7,71の厚みが異なってもそれに対応できてクリップ21の共用化も可能になる。
実施形態10
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は身体接触部位に沿って一直線状に配設され、該ヒーター2は図33のようにクリップ22により座部パッド7に固定されるものである。
図32のようにクリップ22は可撓性を有する細長状のクリップ本体22aとリング状のヒーター保持体22bを備え、クリップ本体22aの一端には連結孔22cを有する連結プレート22dが取り付けられている。また、クリップ本体22aがヒーター保持体22bに挿通されて折り返される。クリップ本体22aの他端側には図33のように鋸歯状の被係止部22fが形成され、連結プレート22dの連結孔22cの孔壁面には鋸歯状の係止部22gが形成されている。なお、クリップ本体22aと連結プレート22dとを別体にしても良い。
また、図33のように座席パッド7にはスリット状の貫通孔70が形成されている。
次に、クリップ21を用いたヒーター2の固定作業について説明する。まず、クリップ本体22aを座席パッド7の裏面側から貫通孔70に挿通して座席パッド7の座面側に突出させた後にヒーター保持体22bに挿通する。次に、クリップ本体22aを座席パッド7の座面側から貫通孔70に挿通して座席パッド7の裏面側に突出させ、連結プレート22dの連結孔22cに挿通して被係止部22fを係止部22gに係止させる。また、ヒーター保持体22bにヒーター2を挿通する。次に、図33のように連結プレート22dの連結孔22cに挿通されたクリップ本体22aを下方に引っ張ることにより、被係止部22fを係止部22gに沿って下方に滑らせる共にクリップ本体22aをヒーター保持体22bとヒーター2との間をスライドさせる。これにより、図33(a)のようにヒーター2が座部パッド7の座面にめり込んだ状態で固定される。
また、背凭れパッド9に対しても、ヒーター2はクリップ21を用いて上述の要領で固定される。
上述の実施形態10によれば、パッド7,71側にはスリット状の貫通孔70を設けるだけで良いので、パッド7,71の共用化が可能になる。また、クリップ本体22aには鋸歯状の被係止部22fが形成されているので、パッド7,71の厚みが異なってもそれに対応できてクリップ22の共用化が可能になる。
実施形態11
上述のようにPTC特性を有するヒーター2は身体接触部位に沿って一直線状に配設され、また、図34及び図35のように座部パッド7には収容溝9や凹溝7a等に加えて押さえ部23が形成されている。押さえ部23は収容溝9の開口部の両側間に架設され且つ収容溝9の長さ方向に適宜間隔を設けて配設され、押さえ部23と収容溝9との間にはスリット状の固定孔24が形成されている。また、押さえ部23は座部パッド7と一体成形されるものである。なお、図34及び図35中の符号25は押さえ部2を成形するのに必要な型抜き用の穴である。
そして、ヒーター2を座部パッド7に固定する場合には、ヒーター2を収容溝9の一端部から固定孔24に挿通した後、収容溝9の他端部に向けて収容溝9内を移動させる。これにより、ヒーター2は収容溝9のすべての固定孔24に挿通され、押さえ部23により座部パッド7に固定される。
また、背凭れパッド9にも押さえ部23及び固定孔24が設けられ、ヒーター2は上述の要領で押さえ部23により固定される。
実施形態11によれば、クリップや固定バンド等の部品を用いることなくヒーター2をパッド7,71に固定できるので、製造効率が向上し、製造コストを低減できる。
なお、以上の実施形態1〜11は適宜組み合わせることができるものであり、例えば、実施形態7のヒーター2の固定手段として上述の固定ベルトBやクリップ13等を適用することができる。
以上のように座席に配設されるヒーター2及び0.1及び0.3mmの径のミクロム線を備えた面状ヒーターについて耐圧試験を行った。この耐圧試験は、尻型の荷重体(重量530N)を用い、上下振動加速度±4.9m/s2で50万回繰り返し荷重をヒーター2が設けられた座部パッド7及び背凭れパッド9に加えて断線テストを行った。その結果、ニクロム線には断線は確認されたが、ヒーター2には断線は確認されず、また、ヒーター2の割れや剥がれ等の破損は確認されなかった。
また、昇温テストを行ったところ、ヒーター2は通電とほぼ同時に表面が20℃にまで昇温し、ニクロム線と較べて昇温時間が短いことが判明した。
実施形態12
図36のようにPTC特性を有するヒーター2Aの電気抵抗体4Aは、薄い層状をなし、平面状の柔軟な細長状の基材の裏面側に導電性粉末とバインダーよりなる導電性発熱性塗料を印刷や塗布などによりコーティングして形成されている。
電極5Aは、薄い層状をなし、ニッケルや銅や銀などで形成され、電気抵抗体4Aの長さ方向の両側に位置して細長状に形成されている。電極5Aは、マスキング等を施し、無電解めっきや印刷や塗装や転写等によって基材に形成され、電源200に接続されている。
導電性粉末としては、上述の炭素粒子や金属粒子などを採用することができ、バインダーとしては、上述のようにゴム原料やポリエステルなどを採用することができる。前記基材は、無機又は有機の織物、編物、不織物等で構成される繊維布である。電気抵抗体4A及び電極5Aは電気絶縁層で被覆されている。
このように構成されるヒーター2Aは、着座者の身体に沿うように表皮材10の裏面側にV字状に配設されて表皮材10に縫着される。図36(a)は座部パッド7の表皮材10の裏面側にヒーター2AをV字状に縫着した状態を示し、同図(b)は表皮材10を座部パッド7にセットした状態を示す。なお、図中の符号100及び101は表皮材10のカバーリング時のボグリング止め逃げ用の穴及び切り欠きであり、符号102はシート表皮への縫い込み部であり、符号103はカバーリング時の折り込み線である。
図37はヒーター2Aを配設した座席1の斜視図を示しており、背凭れ部分についても上述のようにヒーター2AがV字状に配設されている。
なお、ヒーター2Aをパッドの表面に縫着しても良い。
また、導電性発熱性塗料を表皮材10の裏面側に直接含浸して電気抵抗体4Aを形成しても良く、また、無電解めっき法により表皮材10に電極5Aを直接形成しても良い。このようにすれば、ヒーター2Aの縫着作業が不要になる。
なお、電極5Aは、電気抵抗体4Aの長さ方向の両端に位置するように形成しても良い。
実施態様13
図38のようにPTC特性を有するヒーター2Aの一対の電極5Aの一端には、電気抵抗体4Aに電圧を印加する電源200が接続され、一対の電極5Aで挟まれる電気抵抗体4Aの幅は一定ではなく、電源接続側の端部から該端部とは反対側の端部に行くほど狭くなるように形成され、この電気抵抗体4Aの形状に対応して電極5Aはハ字状に配設されている。図39はヒーター2Aを配設した座席の斜視図を示している。
このように形成されるヒーター2Aは、電極5Aの抵抗により電源接続側からその反対側に行くほど電圧が低下してヒーター2Aの電源接続側とその反対側との間で温度差が生じるのを防止できる。
表1は、全長にわたって2cmの間隔で配設された平行の電極5Aを備えたヒーター2Aと、電源接続側の電極5A間隔が2cmで、その反対側の電極5A間隔が2.5cm〜3.5cmの、ハ字状に配設される電極5Aを備えたヒーター2Aとを、温度差について比較した結果を示す。
ヒーター2Aの電気抵抗体4Aは導電性発熱性塗料を基材にプリント印刷して形成され、電極5Aはニッケル製であって無電解めっき法により形成されたものである。なお、ヒーター2Aの長さはいずれも50cmであり、電極5Aの幅は1cmである。
Figure 2004249092
この表からも明らかなように、電極5Aをハ字状に配設したヒーター2Aの方が温度差が少なくなることが確認された。
本発明の実施形態1の斜視図である。 本発明の実施形態のヒーターの説明図である。 (a)は本発明の実施形態1の分解した斜視図、(b)は(a)のI−I線断面図、(c)は比較例の断面図である。 本発明の実施形態の温度制御手段の回路図である。 (a)は本発明の実施形態2の固定バンドを示す正面図、(b)は固定バンドの背面図、(c)は固定バンドの側面図である。 本発明の実施形態2の斜視図である。 本発明の実施形態2の断面図である。 (a)は本発明の実施形態2に断面図、(b)はボトムパネルの斜視図である。 本発明の実施形態3の固定バンドの連結プレートの斜視図である。 本発明の実施形態3の断面図である。 本発明の実施形態3の斜視図である。 (a)は本発明の実施形態4の斜視図、(b)は(a)のII−II線断面図、(c)は(a)のIII−III線断面図である。
本発明である。
(a)は本発明の実施形態4の平面図、(b)は(a)のIV−IV線断面図である。 (a)は本発明の実施形態5の平面図、(b)は(a)のV−V線断面図、(c)はクリップの斜視図である。 (a)は本発明の実施形態6の平面図、(b)は(a)のVI−VI線断面図である。 本発明の実施形態6のクリップの斜視図である。 本発明の実施形態6のヒーターの固定作業を示す断面図である。 本発明の実施形態7の分解した斜視図である。 図18のVII― VII線断面図である。 図18のVIII― VIII線断面図である。 図20のIX―IX線断面図である。 本発明の実施形態7の他の態様を示す図である。 (a)は本発明の実施形態8のヒーターの平面図、(b)はヒーターの折り曲げ状態を示す平面図である。 本発明の実施形態8の斜視図である。 本発明の実施形態8の斜視図である。 本発明の実施形態9の斜視図である。 本発明の実施形態9の作業説明図である。 本発明の実施形態9の断面図である。 本発明の実施形態9の断面図である。 本発明の実施形態9の組み付け動作を示す斜視図である。 本発明の実施形態9のヒーター保持体の正面図である。 本発明の実施形態10の斜視図である。 (a)は本発明の実施形態10の断面図、(b)は(a)のA部分の拡大図である。 (a)は本発明の実施形態11の斜視図、(b)は(a)の部分断面図である。 (a)は図34のX−X線断面図、(b)は図34のXI−XI線断面図 (a)は本発明の実施形態12のヒーター付き表皮材の展開図、(b)は同実施形態の座部の平面図である。 同実施形態の斜視図である。 本発明の実施形態13のヒーターの平面図である。 同実施形態の斜視図である。
符号の説明
1 座席
2 ヒーター
3 温度制御手段



Claims (14)

  1. ヒーターをフレキシブルで細長状に形成し、該ヒーターを着座者の身体接触部位に沿うようにパッドに線状に配設したことを特徴とする座席の暖房装置。
  2. 前記ヒーターは、電気抵抗体及び電極を備えたPTC特性を有するヒーターであることを特徴とする請求項1に記載の座席の暖房装置。
  3. 前記電気抵抗体は、平面状の柔軟な基材に導電性粉末とバインダーよりなる導電性発熱性塗料をコーティング及び/又は含浸して形成され、前記電極は、前記基材の材面に沿って層状に形成されたことを特徴とする請求項2に記載の座席の暖房装置。
  4. 前記電極は、無電解めっき又は印刷又は塗装又は転写により形成されたことを特徴とする請求項3に記載の座席の暖房装置。
  5. 前記基材は前記パッドを覆う柔軟な表皮材であり、該表皮材の裏面側に前記導電性発熱性塗料をコーティング及び/又は含浸したことを特徴とする請求項3又は4に記載の座席の暖房装置。
  6. 前記基材を細長状に形成し、該基材を前記パッドを覆う柔軟な表皮材の裏面側に取り付けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の座席の暖房装置。
  7. 前記基材を細長状に形成し、該基材を前記パッド表面に取り付けたことを特徴とする請求項3又は4に記載の座席の暖房装置。
  8. 前記電極は、前記電気抵抗体の長さ方向の両側に沿って細長状に形成され、前記電気抵抗体は、電源が接続される前記電極の一端側から他端側に行くほど幅が狭くなるように形成されたことを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  9. PTC特性を有する前記ヒーターの電気抵抗体は、ゴム原料及び/又は樹脂原料に炭素粒子及び/又は金属粒子を主体とする導電性粒子を配合して形成したことを特徴とする請求項2から8のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  10. 前記ヒーターを着座者の大腿部の接触部位に沿うように配設したことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  11. 前記ヒーターを着座者の背中の接触部位に沿うように前記パッドに配設したことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  12. 前記ヒーターを着座者の尻部の接触部位に沿うように前記パッドに配設したことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  13. 前記パッドに収容溝を形成し、該収容溝にヒーターを配設し、該ヒーターを前記座席の表皮材で覆ったことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の座席の暖房装置。
  14. 前記ヒーターの電極に対して連続電流及びパルス電流を切替可能に給電する温度制御手段を設けたことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の座席の暖房装置。



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