JP2004248032A - 同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】同一相手に対して単一または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、ネットワークデータのQoS(Quality of Service)を維持して効率よく通信をおこなえるようにする。
【解決手段】送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する。
任意の通信チャネルに送信中の非リアルタイム系ネットワークデータを、任意のタイミングでリアルタイムに分割するよう制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する。
任意の通信チャネルに送信中の非リアルタイム系ネットワークデータを、任意のタイミングでリアルタイムに分割するよう制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年になって、G4ファクシミリ、デジタル電話機、TA(ターミナルアダプタ)、ISDNルータなど、ISDN(Integrated ServiceDigital Network)回線を用いる通信装置が普及しつつある。
【0003】
ISDNの特色として、局線1本で複数のチャネルを同時に使用して通信をおこなえる点があげられる。たとえば、基本インターフェース(BRI:Basic Rate Interface)は、Bチャネル2本とDチャネルからなり、Bチャネル1本を電話で、もう1本をインターネットで同時に用いて通信をおこなうことができる。また、一次群インターフェース(PRI:PrimaryRate Interface)は主にビジネス用で、PBX用などにBチャネル23本とDチャネルまたはBチャネル24本からなる。
【0004】
前記複数のBチャネルは束ねて同じ通信相手と通信する、いわゆるバルク通信モードも用いることができる。たとえば、2Bを束ねてバルク通信すれば、Bチャネルの転送速度64kbpの2倍である128kbpsで通信できるため、より短時間にデータを転送することができる。このバルク通信では、各チャネルはそれぞれ別の発呼制御により接続され、課金も別に行われる。
【0005】
バルク通信においては、複数のリンク(チャネル)を仮想的な1つのリンクにみせるためのプロトコルが有効になる。こうしたプロトコルとして、RFC(Request For Comment)1717に記載されるMP(Multilink Protocol)がある。MPは、複数のリンクをまとめて一つのリンクにするためのプロトコルである。MPでは、送信すべきネットワークデータを各リンクに分割するために、図1に示すMPヘッダを付加する。始点ビットは、はじめのフラグメントには1を、それ以外には0をセットする。終点ビットは、最後のフラグメントには1を、それ以外には0をセットする。シーケンスナンバーは、各フラグメント毎にインクリメントしてセットされる。分割されたデータを受信した場合、分割前のデータがすべて揃うのを待って、それらを組み立て、ネットワーク・プロトコルに通知する。
【0006】
また、スループットBOD(Bandidth On Demand)などと呼ばれる技術、すなわち現在の時刻におけるチャネルの累積使用頻度や、現在の時刻における回線使用料金に応じてバルク通信する/しないを決定する技術や単位時間あたりの転送データ量に応じて動的に使用するチャネル数を増減する技術が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、MPでは、ネットワークデータを分割する際に、最初のフラグメントと最後のフラグメントを認識する必要がある。すなわち、送信すべきネットワークデータをあらかじめ分割した後に、MPヘッダを付加する必要がある。これは、ISDNのリンク毎にネットワークデータを分割する場合には有効だが、たとえば、あるリンク上で非リアルタイム系のネットワークデータを送信中に、リアルタイム系のネットワークデータの送信要求があり、前記非リアルタイム系のネットワークデータを分割する場合などは最後のフラグメントを認識することが困難である。なぜなら、前記リアルタイム系のネットワークデータの送信要求がいつ発生するかは不明であるため、前記非リアルタイム系のネットワークデータがどのように分割されるかも不明であるからだ。このような場合には、MPでは最後のフラグメントを認識できないために、受信側において分割されたネットワークデータを再構築することができないという問題がある。
【0008】
また、MPでは、それぞれのリンクに対してどういう割合でネットワークデータを分割するかについては考慮されていない。そのため、たとえば、あるリンクに対してネットワークデータが集中すると、別のリンクとの間でネットワークデータの転送時間に差が生じるため、ネットワーク層からの送信要求時のネットワークデータ・シーケンスと受信時のネットワークデータ・シーケンスに差が生じる。このような場合に、MPでは分割されたネットワークデータをキューに蓄え、分割前の(ネットワーク層からの送信要求時の)ネットワークデータに再構築し、送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順にネットワーク・プロトコルに通知するといった複雑な処理を必要とする。よって、ネットワークデータを物理層が受信してからネットワーク層に通知するまでに、シーケンスの差を吸収する時間がかかることがあるという問題がある。
【0009】
また、MPでは、シーケンスナンバーどおりにネットワークデータを受信しなかった場合に、そのデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかをタイムアウトを設定するなどして認識する。よって、タイムアウトするまで、ネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを認識することができないという問題がある。
【0010】
本発明の課題は、上記の問題を解決し、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、ネットワークデータを任意のタイミングで分割して送信しても、受信側において効率よく再構築できるようにすることである。
【0011】
また、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、受信側において送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順に効率よくネットワーク・プロトコルに通知できるようにすることである。
【0012】
また、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、ネットワークデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく認識できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明においては、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信が可能な通信装置において、送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する手段を有する。
【0014】
あるいは、前記通信装置において、同一相手に対して接続されているリンク数に等分割されたネットワークフラグメントデータにそれぞれデータ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバー)、シーケンスナンバーおよび終端ビットを含むCF(Constant Fragment)ヘッダを付加して送信し、受信側において前記CFヘッダを参照することにより送信要求時のネットワークデータを再構築する手段を有する。
【0015】
あるいは、前記通信装置において、前記等分割されたネットワークフラグメントデータを受信した際に、ネットワークデータAi(iはCFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータBj(jはiと異なるCFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータAiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータAiを廃棄し、次のネットワークデータBjを受信するよう制御する手段を有する。
【0016】
あるいは、前記通信装置において、非リアルタイム系ネットワークデータを任意の1本の通信チャネル(リンク)に送信する際に、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、各リンク毎にもつ)、パケット長、分割ビット(分割前は0)、データ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)を含むRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加して送信し、前記通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータの送信要求があるとその時点で前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割して送借を中断し、前記リアルタイム系ネットワークデータを送信するよう制御する手段を有する。
【0017】
あるいは、前記通信装置において、前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割する際に、分割後の残りの非リアルタイム系ネットワークデータに前記RFヘッダ(ID、データ種別は分割前と同じ、分割ビットは1、パケット長は付加しない)を付加して送信し、受信側において前記RFヘッダを参照することにより前記通信チャネルに送信された非リアルタイム系ネットワークデータを再構築する手段を有する。
【0018】
あるいは、前記通信装置において、前記分割された非リアルタイム系ネットワークデータを前記通信チャネルから受信した際に、ネットワークデータCi(iはRFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータDj(jはiと異なるRFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータCiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータCiを廃棄し、次のネットワークデータDjを受信するよう制御する手段を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係るISDN端末装置のブロック構成図を示す。CPU200はメモリ230に格納されているプログラムを読み出し、実行することにより装置全体の制御をおこなう。HDLC(Highlevel Data LinkControl)コントローラ210は、DMAC(Direct Memory Access Controller)を内臓しており、210と230の間で高速にデータをDMA転送し、HDLCフレームとしてシリアルデータに変換して送信する。また、受信されたHDLCフレームを分解し、210と230の間で高速にデータをDMA転送する。ISDN Line Interface220は、ISDNのBRI(Basic Rate Interface:2B+D)またはPRI(Primary Rate Interface:23B+D/24B)におけるユーザ・網インターフェースを実現する。また、ITU−T勧告のI.430に定められたレイヤ1制御機能を有すると共に、ITU−T勧告のQ.920、Q.921に定められたレイヤ2(LAP−Dプロトコル)制御機能をサポートする。Ethernet(R) Controller240は、複数のRJ−45ポートを備え、イーサネット(R)プロトコルをサポートする。前記ISDN端末装置2台閣において、Line I/F220によりDチャネルを通じて、ITU−T勧告のQ.931シグナリングプロトコルにより、複数のBチャネル(Bl〜Bn)を接続することができる。
【0021】
本実施例では、前記ISDN端末装置2台間で、Bチャネルがn本接続されている場合に、IP(Internet Protocol)データを送受信することを考える。本実施例では、IPデータのQoS(Quality of Service)は考えない。すなわち、リアルタイム系IPデータも非リアルタイム系IPデータも同様に扱う。前記ISDN端末装置において、ネットワーク層からIPデータの送信要求があったときのフローチャートを図4に示す。
【0022】
ステップS400にてネットワーク層からIPデータの送信要求があると、ステップS410にて前記IPデータを接続Bチャネル数nで等分割する。ステップS420にて前記分割された各IPフラグメントデータに対して、図3に示すCFヘッダを付加する。CF・Typeフィールド(CFヘッダのIDを示す。以下同様)。300は2Bitであり、IPデータの種別を示す。たとえば、音声0、FAX1、LAN2、制御3というように定める。CF・終端ビット310は1Bitであり、1のとき、IPフラグメントの終端を示す。CF・シーケンスナンバー320は5Bitであり、フラグメント先頭を0として、フラグメントの順序を示す。CF・ID330は8Bitであり、各フラグメントが送信要求時に同一IPデータであることを示すサイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーである。たとえば、Bチャネルが1本だけ接続されている場合、IPデータは分割せず、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0とする。Bチャネルが2本接続されている場合、IPデータは半分に分割され、前半のIPフラグメントデータに対しては、CF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=0とし、後半のIPフラグメントデータに対しては、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=1とする。前半のフラグメントデータも後半のフラグメントデータもCF・IDは共通である。Bチャネルがn本接続されている場合、IPデータはn等分割され、先頭を1としてi番目のフラグメントデータに対して、i<nのとき、CF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=i−1とし、i=nのとき、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=n−1とする。i=1〜nのフラグメントデータに対して、CF・IDは共通である。ここで、フラグメントヘッダを付加したi番目のフラグメントデータはメモリ230上におかれ、HDLCコントローラ210によりISDNのBiチャネルに対してDNA送信する。
【0023】
前記ISDN端末装置において、ISDNからIPデータの受信イベントがあったときのフローチャートを図5に示す。ステップS500にてISDNからIPデータを受信すると、ステップS510にて図3のCFヘッダを参照する。もし、再構築待ちのIPフラグメントデータが存在し、そのCF・IDと異なるCF・IDのIPフラグメントデータを受信すれば、前記再構築待ちのIPデータはその一部(フラグメント)がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ステップS520にて前記再構築待ちのIPフラグメントデータをすべて廃棄してステップS530に進む。ステップS510にて再構築待ちのIPフラグメントデータが存在しない、または再構築待ちのIPフラグメントデータが存在し、そのCF・IDと同一のCF・IDのIPフラグメントデータを受信すれば、ステップS530に進む。ステップS530にて同一のIDのIPフラグメントデータがすべて揃えば、ステップS540に進んでIPフラグメントデータをCF・シーケンスナンバー順に再構築してネットワーク層に通知する。たとえば、受信されたIPデータのCFヘッダのCF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0の場合、Bチャネルが1本だけ接続されていると判断し、再構築することなく受信されたIPデータをネットワーク層に通知する。また、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=1、CF・ID=0のIPフラグメントデータを受信済みの場合、Bチャネルが2本接続されていると考えられる。この場合に、次にCF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=0、CF・ID=0のIPフラグメントデータを受信すれば、CF・ID=0のIPフラグメントデータはすべて揃ったと判断し、IPフラグメントデータをCF・シーケンスナンバー順に再構築してネットワーク層に通知する。前記の場合に、次にCF・ID=1のIPフラグメントデータを受信すれば、CF・シーケンスナンバー=0、CF・ID=0のIPフラグメントデータはネットワーク伝送路上で消失したと判断し、CF・ID=0のIPフラグメントデータを廃棄する。
【0024】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明に係るISDN端末装置のブロック構成図を示す。CPU200、HDLC(Highlevel Data Link Control)コントローラ210、ラインインターフェース220、メモリ230、イーサネット(R)コントローラ240は第1の実施例と同様である。PCMコーデック600は、アナログの音声信号を8kHz&8Bitでサンプリングして64kBpsのPCMデータにする。DSP(Digital Signaling Processor)610は、電話機の呼出信号生成に必要な電圧を作る昇圧部、リンガ(呼出信号)発生部、DTMFデコーダ部、フック判定部などの各電話回線に対する様々なインタフェースを司るための回路を有するとともに入力された音声データを符号化/復号化する回路が含まれている。また、FAXデータを自動検出して符号化/復号化する回路が含まれている。DSPは4つのRJllアナログポートを備え、それぞれ電話チャネル0〜3に対応する。本実施例では音声圧縮方式としてG7298kBpsを用いる。G729 8kBpsでは、10m秒毎に有音の場合は10Byte、無音の場合は0Byteの音声データを発生する。
【0025】
本実施例では、前記ISDN端末装置2台間で、Bチャネルが1本接続されている場合に、アナログ電話からの音声データとイーサネット(R)LANからのLANデータを多重して前記Bチャネルで送受信することを考える。本実施例では、アナログ電話からの音声データをリアルタイム系データとして扱い、イーサネット(R)LANからのLANデータを非リアルタイム系データとして扱い、音声データをLANデータよりも優先的に送信することを考える。
【0026】
前記ISDN端末装置において、前記Bチャネルに対して送信要求をおこなうとき、図3に示すCFヘッダを付加する。CFヘッダのTypeフィールドは音声データ=0、LANデータ=2と定める。本実施例ではBチャネルを1本しか使用しないため、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0とする。
【0027】
前記ISDN端末装置において、前記Bチャネルに対して送信要求があったときのフローチャートを図8に示す。ステップS800の送信要求待ち状態において、CFヘッダ付LANデータの送信要求があると(ステップS805)、図7に示すRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加する。RF・Typeフィールド700は2Bitであり、図3のCF・Typeフィールド300と同じ値をセットする。RF・分割ビット710は1Bitであり、送信要求時は0である。RF・ID730は5Bitであり、分割されたパケットが送信要求時に同一パケットであることを示すサイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、通信チャネル(リンク)毎にもつ。RF・パケット長740は送信要求時のCFヘッダも含めたパケット長(Byte単位)、すなわちリアルタイムデータによる分割前のパケット長であり、RF・分割ビット710が0のとき、すなわち最初のフラグメントのみ16ビットで示す。ステップS835にてメモリ上の非リアルタイムデータキューに前記RFヘッダを付加したLANデータを入れる。その後、音声データが送信中でなく(ステップS840)、かつLANデータも送信中でない(ステップS845)場合、ステップS850において、前記非リアルタイムデータキューからLANデータを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。音声データが送信中またはLANデータが送信中の場合、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。
【0028】
ステップS800の送信要求待ち状態において、CFヘッダ付音声データの送信要求があると(ステップS805)、ステップS810にてメモリ上のリアルタイムデータキューに前記音声データを入れる。その後、音声データが送信中でなく(ステップS815)、かつLANデータが中断中でなく(ステップS820)、かつLANデータが送信中でない(ステップS825)場合、ステップS830において、前記リアルタイムデータキューから音声データを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。音声データが送信中またはLANデータが中断中の場合、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。LANデータが送信中の場合、ステップS855にて前記LANデータを分割し、LANデータは中断中の状態に入る。このときに、分割後の残りのLANデータに付加するRFヘッダは、RF・分割ビット710=1、RF・パケット長730は付加しない。RF・Typeフィールド700、RF・ID720は分割前と同じ値である。その後、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。
【0029】
ステップS860にて送信DNA完了が発生すると、ステップS865にて送信完了Bチャネルのリアルタイムデータキューに音声データがあれば、ステップS875にて前記リアルタイムデータキューから音声データを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。その後、ステップS860の送信DMA完了待ち状態に戻る。ステップS870にて前記リアルタイムデータキューに音声データがなく、送信完了Bチャネルの非リアルタイムデータキューにLANデータがあれば、ステップS880にて前記非リアルタイムデータキューからLANデータを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。その後、ステップS860の送信DMA完了待ち状態に戻る。
【0030】
前記ISDN端末装置において、前記1本のBチャネルから受信イベントが発生したとき、まずヘッダの上位2BitすなわちTypeフィールドを参照することにより、受信されたパケットが音声データなのかLANデータなのかを識別する。受信されたパケットが音声データの場合、CFヘッダをのぞいて、DSP610に通知する。
【0031】
受信されたパケットがLANデータの場合のフローチャートを図9に示す。受信アルゴリズムは各通信チャネル(リンク)毎に、次に組み立てるパケットのRF・IDをもち、それをRxSeqNoとする。また、受信アルゴリズムは各通信チャネル(リンク)毎に、受信キューをもつ。ステップS900にてLANデータを受信すると、RFヘッダ内のID720を参照し、それをNowSeqNoとする。また、RFヘッダ内の分割ビットが0ならば、RFヘッダ内のパケット長730を参照し、それをPacketLength(Byte)とする。ステップS910にてRxSeqNoとNowSeqNoが一致すれば、ステップS930にて前記受信キューに前記受信パケットを入れる。ステップS910にてRxSeqNoとNowSeqNoが一致しなければ、RF・IDがRxSeqNoのパケットはネットワーク伝送路上で消失したと判断し、前記受信キュー内のデータをクリアする。その後、RxSeqNoにNowSeqNoを代入し、ステップS930にて前記クリアした受信キューに前記受信パケットを入れる。ステップS940にて前記受信キュー内の総データ長と前記PacketLengthが一致すれば、分割前のパケットが受信キュー内で再構築されたと判断し、ステップS950にて受信キューからLANデータを抜き出し、CFヘッダをのぞいてネットワーク層に通知する。その後、ステップS960にてRxSeqNoをインクリメントし、ステップS900のLANデータ受信待ち状態に戻る。ステップS940にて前記受信キュー内の総データ長と前記PacketLengthが一致しなければ、まだ分割されたパケットがすべて揃っていないと判断し、ステップS900のLANデータ受信待ち状態に戻る。
【0032】
[第3の実施の形態]
本実施例では、図6のISDN端末装置2台閣で、ISDNのBチャネルが2本(Bl,B2)接続されている場合に、アナログ電話からの音声データとイーサネット(R)LANからのLANデータを多重して2本のBチャネルで送受信することを考える。本実施例では、アナログ電話からの音声データをリアルタイム系データとして扱い、イーサネット(R)LANからのLANデータを非リアルタイム系データとして扱い、音声データをLANデータよりも優先的に送信することを考える。
【0033】
図10にリアルタイム系データと非リアルタイム系データの送受信の例を示す。リアルタイムデータ1000の送信要求があると、図4のアルゴリズムにしたがって、リアルタイムデータ1000はリアルタイムデータ1010とリアルタイムデータ1020に2等分される。ここで、1010がリアルタイムデータの前半部分、1020がリアルタイムデータの後半部分である。このとき、1010、1020にそれぞれ図3に示すCFヘッダ1011、1021が付加される。1011のCF・Type(データ種別)=0(音声)、CF・終端ビット=0、CF・Sequencenumber=0(先頭のフラグメント)となる。1021のCF・Type(データ種別)=0(音声)、CF・終端ビット=1(最後のフラグメント)、CF・Sequence number=1(2番目のフラグメント)となる。1011付の1010をBlチャネルに、1021付の1020をB2チャネルに、それぞれ図8のアルゴリズムにしたがって送信する。
【0034】
非リアルタイムデータ2000も同様、図4のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータ2010と非リアルタイムデータ2020に2等分される。ここで、2010が非リアルタイムデータの前半部分、2020が非リアルタイムデータの後半部分である。このとき、2010、2020にそれぞれ図3に示すCFヘッダ2011、2021が付加される。2011のCF・Type(データ種別)=0(LAN)、CF・終端ビット=0、CF・Sequencenumber=0(先頭のフラグメント)となる。2021のCF・Type(データ種別)=0(LAN)、CF・終端ビット=1(最後のフラグメント)、CF・Sequence number=1(2番目のフラグメント)となる。2011付の2010をBlチャネルに、2021付の2020をB2チャネルに、それぞれ図8のアルゴリズムにしたがって送信する。
【0035】
ここで、非リアルタイムデータに対してはRFヘッダを付加する。図10には2011付の2010を送信中にリアルタイムデータの送信要求があり、2011付の2010が前から順番に3つのパケット2012、2013、2014に分割された例を示す。このとき、2012、2013、2014にそれぞれ図7に示すRFヘッダ2015、2016、2017が付加される。2015のRF・Type(データ種別)=2(LAN)、RF・分割ビット=0、RF・ID=0、RF・パケット長=1024Byteとなる。2016、2017のRF・Type(データ種別)=2(LAN)、RF・分割ビット=1、RF・ID=0となる。
【0036】
次に、前記ISDN端末装置において、あるBチャネルから受信イベントが発生したとき、まずヘッダの上位2BitすなわちTypeフィールドを参照することにより、受信されたパケットがリアルタイムデータなのか非リアルタイムデータなのかを識別する。受信されたパケットがリアルタイムデータの場合、CFヘッダを参照することにより、図5のアルゴリズムにしたがって、リアルタイムデータを送信要求時の状態に再構築する。図10の例では、1011と1021を参照することにより、フラグメント1010と1020を1000に再構築する。ここで、1011付1010を受信したのち、1011付1010/とCF・IDの異なる(CF・ID=0ではない)パケットを受信すると、1021付1020はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた1011付1010をクリアする。
【0037】
受信されたパケットが非リアルタイムデータの場合、RFヘッダを参照することにより、図8のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータを各Bチャネルへの送信要求時の状態に再構築する。図10の例では、2015、2016、2017を参照することにより、2012、2013、2014を2010に再構築する。ここで、2015付2012と2016付2013を受信したのち、2015付2012とRF・IDの異なる(RF・ID=0ではない)パケットを受信すると、2017付2014はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた2015付2012と2016付2013をクリアする。この段階では、再構築された非リアルタイムデータはCFヘッダが付加されており、送信要求時の非リアルタイムデータの一部である。次に、CFヘッダを参照することにより、図5のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータを送信要求時の状態に再構築する。図10では、2011と2021を参照することにより、フラグメント2010と2020を2000に再構築する。ここでも、2011付2010を受信したのち、2011付2010とCF・IDの異なる(CF・ID=1ではない)パケットを受信すると、2021付2020はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた2011付2010をクリアする。
【0038】
【発明の効果】
以上から明らかなように本発明によれば、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する手段を有する構成を採用することにより、あるリンクに対してネットワークデータが集中することを防ぎ、別のリンクとの間でネットワークデータの転送時間に差を生じないようにできる、および、ネットワークデータを送信順序どおりに受信することができる、およびネットワークデータの送信順序と受信順序が異なることによる受信処理時間を省くことができる、という優れた効果がある。
【0039】
あるいは、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、同一相手に対して接続されているリンク数に等分割されたネットワークフラグメントデータにそれぞれデータ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバー)、シーケンスナンバーおよび終端ビットを含むCF(ConstantFragment)ヘッダを付加して送信し、受信側において前記CFヘッダを参照することにより送信要求時のネットワークデータを再構築する手段と、前記等分割されたネットワークフラグメントデータを受信した際に、ネットワークデータAi(iはCFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータBj(jはiと異なるCFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータAiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータAiを廃棄し、次のネットワークデータBjを受信するよう制御する手段と、を有する構成を採用することにより、ネットワークデータを受信する際に、ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、ネットワークフラグメントデータをフラグメント前のネットワークデータに正しく再構築できる、および、再構築されたネットワークデータを送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順にネットワーク層に通知することができる、という優れた効果がある。
【0040】
あるいは、同一相手に対して単一または複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、非リアルタイム系ネットワークデータを任意の1本の通信チャネル(リンク)に送信する際に、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、各リンク毎にもつ)、パケット長、分割ビット(分割前は0)、データ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)を含むRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加して送信し、前記通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータの送信要求があるとその時点で前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割して送信を中断し、前記リアルタイム系ネットワークデータを送信するよう制御する手段と、前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割する際に、分割後の残りの非リアルタイム系ネットワークデータに前記RFヘッダ(ID、データ種別は分割前と同じ、分割ビットは1、パケット長は付加しない)を付加して送信し、受信側において前記RFヘッダを参照することにより前記通信チャネルに送信された非リアルタイム系ネットワークデータを再構築する手段と、前記分割された非リアルタイム系ネットワークデータを前記通信チャネルから受信した際に、ネットワークデータCi(iはRFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータDj(jはiと異なるRFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータCiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータCiを廃棄し、次のネットワークデータDjを受信するよう制御する手段と、を有する構成を採用することにより、任意の1本の通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータを非リアルタイム系ネットワークデータよりも優先的に送信する際に、非リアルタイム系ネットワークデータを任意のタイミングで分割しても非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、前記非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータを前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータに正しく再構築できる、および、前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータ・シーケンス順に受信することができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MP(Multilink Protocol)ヘッダの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態のISDN端末装置のブロック構成図である。
【図3】CF(Constant Fragment)ヘッダの構成を示す図である。
【図4】CF(Constant Fragment)送信のフローチャート図である。
【図5】CF(Constant Fragment)受信のフローチャート図である。
【図6】第2、第3の実施形態のISDN端末装置のブロック構成図である。
【図7】RF(Realtime Fragment)ヘッダの構成を示す図である。
【図8】RF(Realtime Fragment)送信のフローチャート図である。
【図9】RF(Realtime Fragment)受信のフローチャート図である。
【図10】第3の実施形態におけるデータのパケット化を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年になって、G4ファクシミリ、デジタル電話機、TA(ターミナルアダプタ)、ISDNルータなど、ISDN(Integrated ServiceDigital Network)回線を用いる通信装置が普及しつつある。
【0003】
ISDNの特色として、局線1本で複数のチャネルを同時に使用して通信をおこなえる点があげられる。たとえば、基本インターフェース(BRI:Basic Rate Interface)は、Bチャネル2本とDチャネルからなり、Bチャネル1本を電話で、もう1本をインターネットで同時に用いて通信をおこなうことができる。また、一次群インターフェース(PRI:PrimaryRate Interface)は主にビジネス用で、PBX用などにBチャネル23本とDチャネルまたはBチャネル24本からなる。
【0004】
前記複数のBチャネルは束ねて同じ通信相手と通信する、いわゆるバルク通信モードも用いることができる。たとえば、2Bを束ねてバルク通信すれば、Bチャネルの転送速度64kbpの2倍である128kbpsで通信できるため、より短時間にデータを転送することができる。このバルク通信では、各チャネルはそれぞれ別の発呼制御により接続され、課金も別に行われる。
【0005】
バルク通信においては、複数のリンク(チャネル)を仮想的な1つのリンクにみせるためのプロトコルが有効になる。こうしたプロトコルとして、RFC(Request For Comment)1717に記載されるMP(Multilink Protocol)がある。MPは、複数のリンクをまとめて一つのリンクにするためのプロトコルである。MPでは、送信すべきネットワークデータを各リンクに分割するために、図1に示すMPヘッダを付加する。始点ビットは、はじめのフラグメントには1を、それ以外には0をセットする。終点ビットは、最後のフラグメントには1を、それ以外には0をセットする。シーケンスナンバーは、各フラグメント毎にインクリメントしてセットされる。分割されたデータを受信した場合、分割前のデータがすべて揃うのを待って、それらを組み立て、ネットワーク・プロトコルに通知する。
【0006】
また、スループットBOD(Bandidth On Demand)などと呼ばれる技術、すなわち現在の時刻におけるチャネルの累積使用頻度や、現在の時刻における回線使用料金に応じてバルク通信する/しないを決定する技術や単位時間あたりの転送データ量に応じて動的に使用するチャネル数を増減する技術が知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述したように、MPでは、ネットワークデータを分割する際に、最初のフラグメントと最後のフラグメントを認識する必要がある。すなわち、送信すべきネットワークデータをあらかじめ分割した後に、MPヘッダを付加する必要がある。これは、ISDNのリンク毎にネットワークデータを分割する場合には有効だが、たとえば、あるリンク上で非リアルタイム系のネットワークデータを送信中に、リアルタイム系のネットワークデータの送信要求があり、前記非リアルタイム系のネットワークデータを分割する場合などは最後のフラグメントを認識することが困難である。なぜなら、前記リアルタイム系のネットワークデータの送信要求がいつ発生するかは不明であるため、前記非リアルタイム系のネットワークデータがどのように分割されるかも不明であるからだ。このような場合には、MPでは最後のフラグメントを認識できないために、受信側において分割されたネットワークデータを再構築することができないという問題がある。
【0008】
また、MPでは、それぞれのリンクに対してどういう割合でネットワークデータを分割するかについては考慮されていない。そのため、たとえば、あるリンクに対してネットワークデータが集中すると、別のリンクとの間でネットワークデータの転送時間に差が生じるため、ネットワーク層からの送信要求時のネットワークデータ・シーケンスと受信時のネットワークデータ・シーケンスに差が生じる。このような場合に、MPでは分割されたネットワークデータをキューに蓄え、分割前の(ネットワーク層からの送信要求時の)ネットワークデータに再構築し、送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順にネットワーク・プロトコルに通知するといった複雑な処理を必要とする。よって、ネットワークデータを物理層が受信してからネットワーク層に通知するまでに、シーケンスの差を吸収する時間がかかることがあるという問題がある。
【0009】
また、MPでは、シーケンスナンバーどおりにネットワークデータを受信しなかった場合に、そのデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかをタイムアウトを設定するなどして認識する。よって、タイムアウトするまで、ネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを認識することができないという問題がある。
【0010】
本発明の課題は、上記の問題を解決し、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、ネットワークデータを任意のタイミングで分割して送信しても、受信側において効率よく再構築できるようにすることである。
【0011】
また、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、受信側において送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順に効率よくネットワーク・プロトコルに通知できるようにすることである。
【0012】
また、同一相手に対して単独または複数の通信チャネルを用いて通信する際に、ネットワークデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく認識できるようにすることである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するために、本発明においては、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信が可能な通信装置において、送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する手段を有する。
【0014】
あるいは、前記通信装置において、同一相手に対して接続されているリンク数に等分割されたネットワークフラグメントデータにそれぞれデータ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバー)、シーケンスナンバーおよび終端ビットを含むCF(Constant Fragment)ヘッダを付加して送信し、受信側において前記CFヘッダを参照することにより送信要求時のネットワークデータを再構築する手段を有する。
【0015】
あるいは、前記通信装置において、前記等分割されたネットワークフラグメントデータを受信した際に、ネットワークデータAi(iはCFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータBj(jはiと異なるCFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータAiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータAiを廃棄し、次のネットワークデータBjを受信するよう制御する手段を有する。
【0016】
あるいは、前記通信装置において、非リアルタイム系ネットワークデータを任意の1本の通信チャネル(リンク)に送信する際に、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、各リンク毎にもつ)、パケット長、分割ビット(分割前は0)、データ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)を含むRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加して送信し、前記通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータの送信要求があるとその時点で前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割して送借を中断し、前記リアルタイム系ネットワークデータを送信するよう制御する手段を有する。
【0017】
あるいは、前記通信装置において、前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割する際に、分割後の残りの非リアルタイム系ネットワークデータに前記RFヘッダ(ID、データ種別は分割前と同じ、分割ビットは1、パケット長は付加しない)を付加して送信し、受信側において前記RFヘッダを参照することにより前記通信チャネルに送信された非リアルタイム系ネットワークデータを再構築する手段を有する。
【0018】
あるいは、前記通信装置において、前記分割された非リアルタイム系ネットワークデータを前記通信チャネルから受信した際に、ネットワークデータCi(iはRFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータDj(jはiと異なるRFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータCiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータCiを廃棄し、次のネットワークデータDjを受信するよう制御する手段を有する。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
[第1の実施の形態]
図2は、本発明に係るISDN端末装置のブロック構成図を示す。CPU200はメモリ230に格納されているプログラムを読み出し、実行することにより装置全体の制御をおこなう。HDLC(Highlevel Data LinkControl)コントローラ210は、DMAC(Direct Memory Access Controller)を内臓しており、210と230の間で高速にデータをDMA転送し、HDLCフレームとしてシリアルデータに変換して送信する。また、受信されたHDLCフレームを分解し、210と230の間で高速にデータをDMA転送する。ISDN Line Interface220は、ISDNのBRI(Basic Rate Interface:2B+D)またはPRI(Primary Rate Interface:23B+D/24B)におけるユーザ・網インターフェースを実現する。また、ITU−T勧告のI.430に定められたレイヤ1制御機能を有すると共に、ITU−T勧告のQ.920、Q.921に定められたレイヤ2(LAP−Dプロトコル)制御機能をサポートする。Ethernet(R) Controller240は、複数のRJ−45ポートを備え、イーサネット(R)プロトコルをサポートする。前記ISDN端末装置2台閣において、Line I/F220によりDチャネルを通じて、ITU−T勧告のQ.931シグナリングプロトコルにより、複数のBチャネル(Bl〜Bn)を接続することができる。
【0021】
本実施例では、前記ISDN端末装置2台間で、Bチャネルがn本接続されている場合に、IP(Internet Protocol)データを送受信することを考える。本実施例では、IPデータのQoS(Quality of Service)は考えない。すなわち、リアルタイム系IPデータも非リアルタイム系IPデータも同様に扱う。前記ISDN端末装置において、ネットワーク層からIPデータの送信要求があったときのフローチャートを図4に示す。
【0022】
ステップS400にてネットワーク層からIPデータの送信要求があると、ステップS410にて前記IPデータを接続Bチャネル数nで等分割する。ステップS420にて前記分割された各IPフラグメントデータに対して、図3に示すCFヘッダを付加する。CF・Typeフィールド(CFヘッダのIDを示す。以下同様)。300は2Bitであり、IPデータの種別を示す。たとえば、音声0、FAX1、LAN2、制御3というように定める。CF・終端ビット310は1Bitであり、1のとき、IPフラグメントの終端を示す。CF・シーケンスナンバー320は5Bitであり、フラグメント先頭を0として、フラグメントの順序を示す。CF・ID330は8Bitであり、各フラグメントが送信要求時に同一IPデータであることを示すサイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーである。たとえば、Bチャネルが1本だけ接続されている場合、IPデータは分割せず、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0とする。Bチャネルが2本接続されている場合、IPデータは半分に分割され、前半のIPフラグメントデータに対しては、CF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=0とし、後半のIPフラグメントデータに対しては、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=1とする。前半のフラグメントデータも後半のフラグメントデータもCF・IDは共通である。Bチャネルがn本接続されている場合、IPデータはn等分割され、先頭を1としてi番目のフラグメントデータに対して、i<nのとき、CF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=i−1とし、i=nのとき、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=n−1とする。i=1〜nのフラグメントデータに対して、CF・IDは共通である。ここで、フラグメントヘッダを付加したi番目のフラグメントデータはメモリ230上におかれ、HDLCコントローラ210によりISDNのBiチャネルに対してDNA送信する。
【0023】
前記ISDN端末装置において、ISDNからIPデータの受信イベントがあったときのフローチャートを図5に示す。ステップS500にてISDNからIPデータを受信すると、ステップS510にて図3のCFヘッダを参照する。もし、再構築待ちのIPフラグメントデータが存在し、そのCF・IDと異なるCF・IDのIPフラグメントデータを受信すれば、前記再構築待ちのIPデータはその一部(フラグメント)がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ステップS520にて前記再構築待ちのIPフラグメントデータをすべて廃棄してステップS530に進む。ステップS510にて再構築待ちのIPフラグメントデータが存在しない、または再構築待ちのIPフラグメントデータが存在し、そのCF・IDと同一のCF・IDのIPフラグメントデータを受信すれば、ステップS530に進む。ステップS530にて同一のIDのIPフラグメントデータがすべて揃えば、ステップS540に進んでIPフラグメントデータをCF・シーケンスナンバー順に再構築してネットワーク層に通知する。たとえば、受信されたIPデータのCFヘッダのCF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0の場合、Bチャネルが1本だけ接続されていると判断し、再構築することなく受信されたIPデータをネットワーク層に通知する。また、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=1、CF・ID=0のIPフラグメントデータを受信済みの場合、Bチャネルが2本接続されていると考えられる。この場合に、次にCF・終端ビット=0、CF・シーケンスナンバー=0、CF・ID=0のIPフラグメントデータを受信すれば、CF・ID=0のIPフラグメントデータはすべて揃ったと判断し、IPフラグメントデータをCF・シーケンスナンバー順に再構築してネットワーク層に通知する。前記の場合に、次にCF・ID=1のIPフラグメントデータを受信すれば、CF・シーケンスナンバー=0、CF・ID=0のIPフラグメントデータはネットワーク伝送路上で消失したと判断し、CF・ID=0のIPフラグメントデータを廃棄する。
【0024】
[第2の実施の形態]
図6は、本発明に係るISDN端末装置のブロック構成図を示す。CPU200、HDLC(Highlevel Data Link Control)コントローラ210、ラインインターフェース220、メモリ230、イーサネット(R)コントローラ240は第1の実施例と同様である。PCMコーデック600は、アナログの音声信号を8kHz&8Bitでサンプリングして64kBpsのPCMデータにする。DSP(Digital Signaling Processor)610は、電話機の呼出信号生成に必要な電圧を作る昇圧部、リンガ(呼出信号)発生部、DTMFデコーダ部、フック判定部などの各電話回線に対する様々なインタフェースを司るための回路を有するとともに入力された音声データを符号化/復号化する回路が含まれている。また、FAXデータを自動検出して符号化/復号化する回路が含まれている。DSPは4つのRJllアナログポートを備え、それぞれ電話チャネル0〜3に対応する。本実施例では音声圧縮方式としてG7298kBpsを用いる。G729 8kBpsでは、10m秒毎に有音の場合は10Byte、無音の場合は0Byteの音声データを発生する。
【0025】
本実施例では、前記ISDN端末装置2台間で、Bチャネルが1本接続されている場合に、アナログ電話からの音声データとイーサネット(R)LANからのLANデータを多重して前記Bチャネルで送受信することを考える。本実施例では、アナログ電話からの音声データをリアルタイム系データとして扱い、イーサネット(R)LANからのLANデータを非リアルタイム系データとして扱い、音声データをLANデータよりも優先的に送信することを考える。
【0026】
前記ISDN端末装置において、前記Bチャネルに対して送信要求をおこなうとき、図3に示すCFヘッダを付加する。CFヘッダのTypeフィールドは音声データ=0、LANデータ=2と定める。本実施例ではBチャネルを1本しか使用しないため、CF・終端ビット=1、CF・シーケンスナンバー=0とする。
【0027】
前記ISDN端末装置において、前記Bチャネルに対して送信要求があったときのフローチャートを図8に示す。ステップS800の送信要求待ち状態において、CFヘッダ付LANデータの送信要求があると(ステップS805)、図7に示すRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加する。RF・Typeフィールド700は2Bitであり、図3のCF・Typeフィールド300と同じ値をセットする。RF・分割ビット710は1Bitであり、送信要求時は0である。RF・ID730は5Bitであり、分割されたパケットが送信要求時に同一パケットであることを示すサイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、通信チャネル(リンク)毎にもつ。RF・パケット長740は送信要求時のCFヘッダも含めたパケット長(Byte単位)、すなわちリアルタイムデータによる分割前のパケット長であり、RF・分割ビット710が0のとき、すなわち最初のフラグメントのみ16ビットで示す。ステップS835にてメモリ上の非リアルタイムデータキューに前記RFヘッダを付加したLANデータを入れる。その後、音声データが送信中でなく(ステップS840)、かつLANデータも送信中でない(ステップS845)場合、ステップS850において、前記非リアルタイムデータキューからLANデータを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。音声データが送信中またはLANデータが送信中の場合、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。
【0028】
ステップS800の送信要求待ち状態において、CFヘッダ付音声データの送信要求があると(ステップS805)、ステップS810にてメモリ上のリアルタイムデータキューに前記音声データを入れる。その後、音声データが送信中でなく(ステップS815)、かつLANデータが中断中でなく(ステップS820)、かつLANデータが送信中でない(ステップS825)場合、ステップS830において、前記リアルタイムデータキューから音声データを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。音声データが送信中またはLANデータが中断中の場合、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。LANデータが送信中の場合、ステップS855にて前記LANデータを分割し、LANデータは中断中の状態に入る。このときに、分割後の残りのLANデータに付加するRFヘッダは、RF・分割ビット710=1、RF・パケット長730は付加しない。RF・Typeフィールド700、RF・ID720は分割前と同じ値である。その後、ステップS800の送信要求待ち状態に戻る。
【0029】
ステップS860にて送信DNA完了が発生すると、ステップS865にて送信完了Bチャネルのリアルタイムデータキューに音声データがあれば、ステップS875にて前記リアルタイムデータキューから音声データを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。その後、ステップS860の送信DMA完了待ち状態に戻る。ステップS870にて前記リアルタイムデータキューに音声データがなく、送信完了Bチャネルの非リアルタイムデータキューにLANデータがあれば、ステップS880にて前記非リアルタイムデータキューからLANデータを抜き出し、HDLCコントローラによりDMA送信する。その後、ステップS860の送信DMA完了待ち状態に戻る。
【0030】
前記ISDN端末装置において、前記1本のBチャネルから受信イベントが発生したとき、まずヘッダの上位2BitすなわちTypeフィールドを参照することにより、受信されたパケットが音声データなのかLANデータなのかを識別する。受信されたパケットが音声データの場合、CFヘッダをのぞいて、DSP610に通知する。
【0031】
受信されたパケットがLANデータの場合のフローチャートを図9に示す。受信アルゴリズムは各通信チャネル(リンク)毎に、次に組み立てるパケットのRF・IDをもち、それをRxSeqNoとする。また、受信アルゴリズムは各通信チャネル(リンク)毎に、受信キューをもつ。ステップS900にてLANデータを受信すると、RFヘッダ内のID720を参照し、それをNowSeqNoとする。また、RFヘッダ内の分割ビットが0ならば、RFヘッダ内のパケット長730を参照し、それをPacketLength(Byte)とする。ステップS910にてRxSeqNoとNowSeqNoが一致すれば、ステップS930にて前記受信キューに前記受信パケットを入れる。ステップS910にてRxSeqNoとNowSeqNoが一致しなければ、RF・IDがRxSeqNoのパケットはネットワーク伝送路上で消失したと判断し、前記受信キュー内のデータをクリアする。その後、RxSeqNoにNowSeqNoを代入し、ステップS930にて前記クリアした受信キューに前記受信パケットを入れる。ステップS940にて前記受信キュー内の総データ長と前記PacketLengthが一致すれば、分割前のパケットが受信キュー内で再構築されたと判断し、ステップS950にて受信キューからLANデータを抜き出し、CFヘッダをのぞいてネットワーク層に通知する。その後、ステップS960にてRxSeqNoをインクリメントし、ステップS900のLANデータ受信待ち状態に戻る。ステップS940にて前記受信キュー内の総データ長と前記PacketLengthが一致しなければ、まだ分割されたパケットがすべて揃っていないと判断し、ステップS900のLANデータ受信待ち状態に戻る。
【0032】
[第3の実施の形態]
本実施例では、図6のISDN端末装置2台閣で、ISDNのBチャネルが2本(Bl,B2)接続されている場合に、アナログ電話からの音声データとイーサネット(R)LANからのLANデータを多重して2本のBチャネルで送受信することを考える。本実施例では、アナログ電話からの音声データをリアルタイム系データとして扱い、イーサネット(R)LANからのLANデータを非リアルタイム系データとして扱い、音声データをLANデータよりも優先的に送信することを考える。
【0033】
図10にリアルタイム系データと非リアルタイム系データの送受信の例を示す。リアルタイムデータ1000の送信要求があると、図4のアルゴリズムにしたがって、リアルタイムデータ1000はリアルタイムデータ1010とリアルタイムデータ1020に2等分される。ここで、1010がリアルタイムデータの前半部分、1020がリアルタイムデータの後半部分である。このとき、1010、1020にそれぞれ図3に示すCFヘッダ1011、1021が付加される。1011のCF・Type(データ種別)=0(音声)、CF・終端ビット=0、CF・Sequencenumber=0(先頭のフラグメント)となる。1021のCF・Type(データ種別)=0(音声)、CF・終端ビット=1(最後のフラグメント)、CF・Sequence number=1(2番目のフラグメント)となる。1011付の1010をBlチャネルに、1021付の1020をB2チャネルに、それぞれ図8のアルゴリズムにしたがって送信する。
【0034】
非リアルタイムデータ2000も同様、図4のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータ2010と非リアルタイムデータ2020に2等分される。ここで、2010が非リアルタイムデータの前半部分、2020が非リアルタイムデータの後半部分である。このとき、2010、2020にそれぞれ図3に示すCFヘッダ2011、2021が付加される。2011のCF・Type(データ種別)=0(LAN)、CF・終端ビット=0、CF・Sequencenumber=0(先頭のフラグメント)となる。2021のCF・Type(データ種別)=0(LAN)、CF・終端ビット=1(最後のフラグメント)、CF・Sequence number=1(2番目のフラグメント)となる。2011付の2010をBlチャネルに、2021付の2020をB2チャネルに、それぞれ図8のアルゴリズムにしたがって送信する。
【0035】
ここで、非リアルタイムデータに対してはRFヘッダを付加する。図10には2011付の2010を送信中にリアルタイムデータの送信要求があり、2011付の2010が前から順番に3つのパケット2012、2013、2014に分割された例を示す。このとき、2012、2013、2014にそれぞれ図7に示すRFヘッダ2015、2016、2017が付加される。2015のRF・Type(データ種別)=2(LAN)、RF・分割ビット=0、RF・ID=0、RF・パケット長=1024Byteとなる。2016、2017のRF・Type(データ種別)=2(LAN)、RF・分割ビット=1、RF・ID=0となる。
【0036】
次に、前記ISDN端末装置において、あるBチャネルから受信イベントが発生したとき、まずヘッダの上位2BitすなわちTypeフィールドを参照することにより、受信されたパケットがリアルタイムデータなのか非リアルタイムデータなのかを識別する。受信されたパケットがリアルタイムデータの場合、CFヘッダを参照することにより、図5のアルゴリズムにしたがって、リアルタイムデータを送信要求時の状態に再構築する。図10の例では、1011と1021を参照することにより、フラグメント1010と1020を1000に再構築する。ここで、1011付1010を受信したのち、1011付1010/とCF・IDの異なる(CF・ID=0ではない)パケットを受信すると、1021付1020はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた1011付1010をクリアする。
【0037】
受信されたパケットが非リアルタイムデータの場合、RFヘッダを参照することにより、図8のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータを各Bチャネルへの送信要求時の状態に再構築する。図10の例では、2015、2016、2017を参照することにより、2012、2013、2014を2010に再構築する。ここで、2015付2012と2016付2013を受信したのち、2015付2012とRF・IDの異なる(RF・ID=0ではない)パケットを受信すると、2017付2014はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた2015付2012と2016付2013をクリアする。この段階では、再構築された非リアルタイムデータはCFヘッダが付加されており、送信要求時の非リアルタイムデータの一部である。次に、CFヘッダを参照することにより、図5のアルゴリズムにしたがって、非リアルタイムデータを送信要求時の状態に再構築する。図10では、2011と2021を参照することにより、フラグメント2010と2020を2000に再構築する。ここでも、2011付2010を受信したのち、2011付2010とCF・IDの異なる(CF・ID=1ではない)パケットを受信すると、2021付2020はネットワーク伝送路上で消失したと認識し、バッファリングしていた2011付2010をクリアする。
【0038】
【発明の効果】
以上から明らかなように本発明によれば、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する手段を有する構成を採用することにより、あるリンクに対してネットワークデータが集中することを防ぎ、別のリンクとの間でネットワークデータの転送時間に差を生じないようにできる、および、ネットワークデータを送信順序どおりに受信することができる、およびネットワークデータの送信順序と受信順序が異なることによる受信処理時間を省くことができる、という優れた効果がある。
【0039】
あるいは、同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、同一相手に対して接続されているリンク数に等分割されたネットワークフラグメントデータにそれぞれデータ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバー)、シーケンスナンバーおよび終端ビットを含むCF(ConstantFragment)ヘッダを付加して送信し、受信側において前記CFヘッダを参照することにより送信要求時のネットワークデータを再構築する手段と、前記等分割されたネットワークフラグメントデータを受信した際に、ネットワークデータAi(iはCFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータBj(jはiと異なるCFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータAiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータAiを廃棄し、次のネットワークデータBjを受信するよう制御する手段と、を有する構成を採用することにより、ネットワークデータを受信する際に、ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、ネットワークフラグメントデータをフラグメント前のネットワークデータに正しく再構築できる、および、再構築されたネットワークデータを送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順にネットワーク層に通知することができる、という優れた効果がある。
【0040】
あるいは、同一相手に対して単一または複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、非リアルタイム系ネットワークデータを任意の1本の通信チャネル(リンク)に送信する際に、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、各リンク毎にもつ)、パケット長、分割ビット(分割前は0)、データ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)を含むRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加して送信し、前記通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータの送信要求があるとその時点で前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割して送信を中断し、前記リアルタイム系ネットワークデータを送信するよう制御する手段と、前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割する際に、分割後の残りの非リアルタイム系ネットワークデータに前記RFヘッダ(ID、データ種別は分割前と同じ、分割ビットは1、パケット長は付加しない)を付加して送信し、受信側において前記RFヘッダを参照することにより前記通信チャネルに送信された非リアルタイム系ネットワークデータを再構築する手段と、前記分割された非リアルタイム系ネットワークデータを前記通信チャネルから受信した際に、ネットワークデータCi(iはRFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータDj(jはiと異なるRFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータCiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータCiを廃棄し、次のネットワークデータDjを受信するよう制御する手段と、を有する構成を採用することにより、任意の1本の通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータを非リアルタイム系ネットワークデータよりも優先的に送信する際に、非リアルタイム系ネットワークデータを任意のタイミングで分割しても非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、前記非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータを前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータに正しく再構築できる、および、前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータ・シーケンス順に受信することができる、という優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】MP(Multilink Protocol)ヘッダの構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態のISDN端末装置のブロック構成図である。
【図3】CF(Constant Fragment)ヘッダの構成を示す図である。
【図4】CF(Constant Fragment)送信のフローチャート図である。
【図5】CF(Constant Fragment)受信のフローチャート図である。
【図6】第2、第3の実施形態のISDN端末装置のブロック構成図である。
【図7】RF(Realtime Fragment)ヘッダの構成を示す図である。
【図8】RF(Realtime Fragment)送信のフローチャート図である。
【図9】RF(Realtime Fragment)受信のフローチャート図である。
【図10】第3の実施形態におけるデータのパケット化を示す図である。
Claims (12)
- 同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、送信要求されたネットワークデータを、同一相手に対して接続されている通信チャネル数(リンク数)に等分割するよう制御する手段を有することを特徴とする通信装置。
- 前記通信手段は、あるリンクに対してネットワークデータが集中することを防ぎ、別のリンクとの間でネットワークデータの転送時間に差を生じないようにできる、および、ネットワークデータを送信順序どおりに受信することができる、およびネットワークデータの送信順序と受信順序が異なることによる受信処理時間を省くことができる、ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信手段は、デジタル回線を介した通信をおこなうことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記デジタル回線は、統合サービス網であることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信手段において、同一相手に対して接続されているリンク数に等分割されたネットワークフラグメントデータにそれぞれデータ種別、ID、シーケンスナンバーおよび終端ビットを含むCF(Constant Fragment)ヘッダを付加して送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 請求項5に記載のIDは、前記等分割されたネットワークフラグメントデータが送信要求時に同一パケットであることを示すサイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 請求項5に記載のシーケンスナンバーは、前記等分割されたネットワークフラグメントデータの先頭からの位置を示すシーケンスナンバーであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信手段において、前記CFヘッダを参照することにより送信要求時のネットワークデータを再構築する手段と、前記等分割されたネットワークフラグメントデータを受信した際に、ネットワークデータAi(iはCFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータBj(jはiと異なるCFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータAiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータAiを廃棄し、次のネットワークデータBjを受信するよう制御する手段と、を有することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記通信手段は、ネットワークデータを受信する際に、ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、ネットワークフラグメントデータを送信要求時のネットワークデータに正しく再構築することができる、および、再構築されたネットワークデータを送信要求時のネットワークデータ・シーケンス順にネットワーク層に通知することができる、ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 同一相手に対して単一または複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置において、任意の通信チャネルに送信中の非リアルタイム系ネットワークデータを、任意のタイミングでリアルタイムに分割するよう制御する手段を有することを特徴とする通信装置。
- 前記通信手段において、非リアルタイム系ネットワークデータを任意の1本の通信チャネル(リンク)に送信する際に、ID(サイクリック・インクリメント・シーケンスナンバーであり、各リンク毎にもつ)、パケット長、分割ビット(分割前は0)、データ種別(リアルタイム系か非リアルタイム系かなど)を含むRF(Realtime Fragment)ヘッダを付加して送信し、前記通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータの送信要求があるとその時点で前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割して送信を中断し、前記リアルタイム系ネットワークデータを送信するよう制御する手段と、前記非リアルタイム系ネットワークデータを分割する際に、分割後の残りの非リアルタイム系ネットワークデータに前記RFヘッダ(ID、データ種別は分割前と同じ、分割ビットは1、パケット長は付加しない)を付加して送信し、受信側において前記RFヘッダを参照することにより前記通信チャネルに送信された非リアルタイム系ネットワークデータを再構築する手段と、前記分割された非リアルタイム系ネットワークデータを前記通信チャネルから受信した際に、ネットワークデータCi(iはRFヘッダのID)を再構築し終わる前にネットワークフラグメントデータDj(jはiと異なるRFヘッダのID)を受信すると、ネットワークデータCiのフラグメントデータの一部または全部がネットワーク伝送路上で消失したと判断し、ネットワークデータCiを廃棄し、次のネットワークデータDjを受信するよう制御する手段と、を有することを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
- 前記通信手段は、任意の1本の通信チャネルにリアルタイム系ネットワークデータを非リアルタイム系ネットワークデータよりも優先的に送信する際に、非リアルタイム系ネットワークデータを任意のタイミングで分割しても非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータがネットワーク伝送路上で消失したのか、または遅延しているのかを効率よく検知することができる、および、前記非リアルタイム系ネットワークフラグメントデータを前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータに正しく再構築できる、および、前記通信チャネルへの送信要求時の非リアルタイム系ネットワークデータ・シーケンス順に受信することができる、ことを特徴とする請求項10に記載の通信装置。
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JP2003036651A JP2004248032A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003036651A JP2004248032A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法 |
Publications (1)
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JP2004248032A true JP2004248032A (ja) | 2004-09-02 |
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JP2003036651A Withdrawn JP2004248032A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | 同一相手に対して複数の通信チャネルを用いた通信を行うことが可能な通信装置、その制御方法 |
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JP (1) | JP2004248032A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010187297A (ja) * | 2009-02-13 | 2010-08-26 | Fujitsu Ltd | データ転送システム、データ転送装置およびデータ転送方法 |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003036651A patent/JP2004248032A/ja not_active Withdrawn
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