JP2004246554A - 道路データ生成方法 - Google Patents

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Hideaki Arita
秀昶 有田
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Abstract

【課題】カラー画像データから、地図データを自動生成する。
【解決手段】入力されたカラー画像データに対して、YUV変換および線形変換を行い、UV画像を生成し(S11)、ユーザの指示に基づき、道路の色度特性情報を表すカラー楕円を生成する(S12)。カラー楕円に基づき、UV画像内の道路候補領域を抽出し(S13)、二値画像を生成して、膨張・収縮処理およびラベリング処理を行い、道路候補領域となり得ない雑音を除去する(S14)。そして、道路候補領域の輪郭点列および中心点列を抽出し(S15)、ベクトル化を行って輪郭線分および中心線分を作成する(S16)。作成した線分に基づいて道路幅を決定し、中心線分と道路幅から、道路要素候補矩形を生成する(S17)。道路要素候補矩形を、道路の連結性を考慮して連結し(S18)、地図データを生成する(S19)。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像データから、地図データを生成する処理に関し、特に、道路ネットワークデータを生成する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータで利用可能に電子化された地図データ(以下、電子地図データとよぶ)の利用が広まっている。電子地図データは、いわゆるパーソナルコンピュータでの地図表示、車載用のナビゲーションシステム、インターネットを介した地図提供などに利用される。
【0003】
近年では、電子地図データを、高解像度衛星画像や航空写真データなどの画像データをもとに生成するという方法も採られている。例えば、航空写真の場合、道路、家屋などの地物の輪郭を、少なくとも目視で明瞭に認識できる高分解能データが普及しつつあるため、オペレータが、目視によりトレースし電子地図データを生成するという方法が挙げられる。地図データは、常に最新の状態であることが好ましいため、航空写真データなどは、広い領域を一度に認識でき、かつ、安価に入手可能という利点がある。
【0004】
【非特許文献1】
電子情報通信学会論文誌、1999年11月、pp1990―1999;
【非特許文献2】
1996年第5回地理情報システム学会講演論文集、「カラー市街地図からの基本道路抽出とグラフネットワーク生成」;
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術のように、オペレータが手入力で地図データを生成する方法は、非常に煩雑であり、オペレータに負荷がかかるという問題点があった。また、膨大な時間を必要とするため、常に最新の状態に更新することが困難であるという問題点もあった。そのため、コンピュータによる地図データの自動生成という技術が強く要望されている。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、航空写真データなどの画像データから、コンピュータによる道路データの自動生成を可能とすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では、次の道路データ生成方法によって、画像データから道路データを生成する。すなわち、本発明の第1の構成として、カラー画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
前記道路データの生成対象領域について、所定の表色系における階調値を有するカラー画像データを入力する入力工程と、
前記カラー画像データに対して、前記表色系から、明度と色度が別成分として定義された表色系への色変換を行う色変換工程と、
該変換後の表色系における道路の色度特性情報を入力する色度特性入力工程と、
前記色度特性情報に基づいて、前記カラー画像データにおける道路の候補領域として検出する道路領域検出工程とを実行することを要旨とする。
【0008】
本発明の道路データ生成方法によれば、カラー画像データを、明度と色度とを別成分として扱うことが可能な表色系へ色変換を行い、道路の色度特性情報を入力することにより、例えば、天候・時間などの環境条件が明度に与える影響を排除して画像認識を行うことができる。画像認識の精度低下を抑制することができ、道路候補領域の検出精度を向上することが可能となる。
【0009】
明度と色度とを別成分として扱うことが可能な表色系としては、例えば、YUV、Lab、YIQ、YCbCrなどを用いることができる。
【0010】
道路の色度特性情報は、逐一入力するものとしてもよいし、予め設定されている道路の色度特性パターンを入力することとしてもよい。色度特性情報を、逐一入力する場合には、入力された画像データの環境条件に適した情報の入力を行うことができ利便である。また、予め設定されている色度特性パターンを入力する場合には、多種多様な環境条件に応じたパターンを用意することで、入力画像データの環境条件を考慮する必要がなくなり利便である。
【0011】
本発明の道路データ生成方法において、色変換工程は、更に、色度の感度を増幅する変換を行うこととすることが好ましい。こうすることにより、地物ごとの色度分布を明瞭に分離することができ、画像認識の精度を向上することが可能となる。すなわち、道路候補領域の検出精度を向上することが可能となる。
【0012】
本発明の道路データ生成方法において、
前記カラー画像データは、RGB表色系のデータであり、
前記所定の画像変換手段とは、RGB表色系から、YUV表色系に変換を行った後に、U値およびV値の少なくとも一方を拡大する線形変換を行うこととすることが好ましい。例えば、U値を拡大すると共にV値を縮小することとしてもよいし、U値、V値ともに拡大してもよい。
【0013】
RGB表色系から、明度Y、色度(U,V)のYUV表色系に変換を行う変換式の一般形は、以下の式が挙げられる。
Y=a0*R+a1*G+a2*B;
U=b0*R+b1*G+b2*B;
V=c0*R+c1*G+c2*B;
(a0〜c2は各種変換方式で定まる係数を表す)
【0014】
上述の変換式では、明度Yの値に比較し、色度(U,V)の値は、相対的に非常に小さい値を示し、また、負の値となることがある。YUV変換後、線形変換を行うことにより、色度(U,V)信号を、評価しやすい値に変換することができるため、色度分布をより明瞭に分離することができ、道路候補領域の抽出精度を向上することが可能となる。かかる変換式の例を以下に列挙する。
【0015】
(a)
X=0.61*R+0.17*G+0.20*B;
Y=0.30*R+0.59*G+0.11*B;
Z=0.00*R+0.07*G+1.12*B;
T=X+Y+Z;
U=X/T*512.0(U値調整);
V=Y/T*512.0(V値調整);
【0016】
(b)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=(B−Y)*0.565;
V=(R−Y)*0.713;
U=U*3.00+128.0(U値調整);
V=V*3.00+128.0(V値調整);
【0017】
(c)
Y=0.257*R+0.504*G+0.098*B;
U=0.439*R−0.368*G−0.071*B;
V=−0.148*R−0.291*G+0.439*B;
U=U*3.00+128.0(U値調整);
V=V*3.00+128.0(V値調整);
【0018】
(d)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=0.596*R−0.274*G−0.322*B;
V=0.211*R−0.522*G+0.311*B;
U=U*3.00+128.0(U値調整);
V=V*3.00+128.0(V値調整);
【0019】
(e)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=−0.1687*R−0.3313*G+0.5*B;
V=0.5*R−0.4187*G+0.0813*B;
U=U*3.00+128.0(U値調整);
V=V*3.00+128.0(V値調整);
【0020】
(f)
Y=0.3*R+0.6*G+0.1*B;
U=0.7*R−0.6*G−0.1*B;
V=−0.3*R−0.6*G−0.9*B;
U=U*3.00+128.0(U値調整);
V=V/2.00+256.0(V値調整);
【0021】
本発明の道路データ生成方法において、
前記色度特性入力工程は、
ユーザの操作により、前記カラー画像データ中の道路に相当する領域の指定を受け付ける工程と、
該領域中に含まれる複数画素に対する色度分布から、前記色度特性情報を特定する工程とを備えることとしてもよい。
【0022】
道路の色は、道路データを生成する対象領域や撮影条件等によって異なることがある。上記方法によれば、ユーザが道路に相当する代表的な領域を指定するため、これらの原因による色の相違による影響を回避でき、道路の検出精度を向上することができる。
【0023】
本発明の道路データ生成方法において、
前記色度特性情報は、前記道路を表す色度の分布領域を示すカラー楕円であり、
前記道路領域検出工程は、前記カラー楕円内に存在する色度を有する画素を検出することとすることが好ましい。
【0024】
一般に、抽出すべき地物の色度特性情報は、一点に集中することはなく、複数画素の色度(U,V)値の平均値の周囲に、楕円形状に近似することができるように分布することが知られている。カラー楕円とは、かかる分布特性に基づいて作成されるものであり、例えば、抽出すべき地物の領域の一部をサンプルデータとして採取し、サンプルデータ内に含まれる複数画素の色度(U,V)値の平均および分散を算出し、かかる算出値に基づいて作成された楕円を表すこととできる。
【0025】
こうすることにより、サンプルデータに含まれないが、実際には、道路候補となりうる色度(U,V)値を包含したカラー楕円を作成し、色度特性情報を特定することができるため、道路候補領域の検出精度を、更に向上することが可能となる。
【0026】
本発明の第3の構成として、画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法において、
該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
道路の候補領域を画素単位で抽出した画像データを入力する入力工程と、
前記道路候補領域の輪郭点列および中心点列の少なくとも一方を抽出する点列抽出工程と、
前記抽出点列をベクトル化する線分化工程とを実行することを要旨とする。
【0027】
輪郭点列を抽出する方法としては、種々の方法が存在するが、例えば、画像データを走査し、道路候補領域と背景との境界に存在する画素のみを抽出することとしてもよい。中心点列を抽出する方法としては、種々の方法が存在するが、例えば、「ヒルディッチの方法」と呼ばれるアルゴリズムを使用し、細線化と呼ばれる処理を行い、中心線候補の点列を求めることにより抽出することとしてもよい。
【0028】
細線化とは、注目画像の連結性を保持したまま幅を1にする操作であり、かかる操作により、中心点列を抽出することとすれば、精度良く求まり好適である。ベクトル化とは、抽出した輪郭点列および中心点列を線分化する処理であり、例えば、ハフ変換により行うこととしてもよい。
【0029】
本発明の道路データ生成方法によれば、道路候補領域の輪郭線および中心線を抽出することにより、道路の概略形状を検出することが可能となるため、後に続く処理の利便性を向上することができ、道路データの生成効率を向上することが可能となる。
【0030】
本発明の道路データ生成方法において、
前記線分化工程は、
a) 前記抽出点列の任意の画素を第1画素に設定する工程と、
b) 前記抽出点列のうち、該第1画素に隣接する画素を第2画素として特定する工程と、
c) 前記第1画素から前記第2画素への方向を進行方向に設定し、前記抽出点列のうち、前記第2画素に隣接するとともに、前記該進行方向からのずれ量が最小となる画素を第3画素として特定する工程と、
d) 前記第2画素を第1画素と扱い、前記第3画素を第2画素と扱って、前記工程c)を繰り返し実行することにより、ベクトル化する工程とを備えることとしてもよい。
【0031】
a)に示す「任意の画素」とは、例えば、画像データを下端ラインから左→右方向へ水平方向に走査し、前記抽出点列と最初にあたる画素とすることができる。こうすることにより、輪郭点列および中心点列を折れ線近似することが可能となり、後に続く処理の利便性を向上することができ、道路データの生成効率を向上することが可能となる。
【0032】
本発明の第4の構成として、画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法において、
該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
前記道路候補領域の輪郭線分および中心線分を含む画像データを入力する入力工程と、
道路の要素となる矩形を、前記中心線分上に対称軸が存在し、該中心線分と前記輪郭線分との位置関係に基づいて設定された幅を有するよう決定する道路要素候補矩形決定工程とを実行することを要旨とする。
【0033】
本発明の道路データ生成方法によれば、道路の中心線および幅を考慮した道路要素候補矩形を作成することができ、道路データを精度良く生成することが可能となる。
【0034】
本発明の道路データ生成方法において、
前記道路要素候補矩形決定工程は、
前記中心線分から任意の1線分を選択する工程と、
該線分を対称軸とする所定範囲内にある輪郭線分を抽出する工程と、
該抽出された輪郭線分のうち、前記中心線分の両側について、該中心線分に最も近い折れ線を可視線分として抽出する工程と、
該可視線分を包含する外接矩形を候補矩形として定義する工程と、
該候補矩形の短辺を前記幅と定義して前記道路要素候補矩形を決定する工程とを備えることとしてもよい。
【0035】
こうすることにより、例えば、ループした道路、多角形から構成される交差点領域、あるいは、駐車場領域などの、認識の困難な道路候補領域の抽出精度を向上することができ、道路データの生成効率を向上することが可能となる。
【0036】
本発明の道路データ生成方法において、
前記入力工程は、前記画像データと対応したデータであって、前記道路候補領域とその他の領域を二値的に区分した二値画像データを入力し、
該道路データ生成方法は、更に、
前記二値画像データに基づき、前記各道路要素候補矩形について、該道路要素候補矩形と道路候補領域との重複面積を特定する面積特定工程と、
前記重複面積と前記道路要素候補矩形領域の面積との比に基づき、該道路要素候補矩形の妥当性を評価する評価工程とを備えることとすることが好ましい。
【0037】
二値画像は、例えば、二値化という手法により作成することができる。二値化とは、一般的に、所定の閾値により、対象と背景とに分離し対象を抽出する手法を指し、例えば、p−タイル法、モード法、判別分析法、可変閾値法など種々の方法を用いることができる。所定の閾値とは、例えば、道路の候補領域と背景との色度の境界値とすることができ、かかる閾値を使用して二値化を行うこととすれば、道路の候補領域と背景とを分離し道路の候補領域を抽出することができるため好適である。閾値は、ユーザが任意に指定することとしてもよいし、計算により算出することとしてもよい。
【0038】
二値画像には、雑音とよばれる抽出対象領域以外の微少領域が存在することが多い。かかる雑音は、二値化後に行われる種々の認識および抽出処理に悪影響を及ぼすことが多いため、認識精度の向上という観点から、除去することが好ましい。
【0039】
道路要素候補矩形の妥当性評価後に、道路要素候補矩形として妥当でないと評価された場合は、例えば、道路要素候補矩形の幅を、適宜、狭めて同様の処理を繰り返し、妥当であると評価されるまで繰り返すこととしてもよい。
【0040】
こうすることにより、道路要素候補矩形の検出精度を向上することができる、すなわち、信頼性の高い道路データの生成を行うことが可能となる。
【0041】
本発明の第5の構成として、画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法において、
該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
前記道路要素候補矩形領域および中心線分を含む画像データを入力する入力工程と、
前記道路要素候補矩形に含まれる中心線分を連結し、道路ネットワークを生成する連結工程とを実行することを要旨とする。
【0042】
連結処理は、例えば、任意の中心線分の両端点を「頂点」、中心線分を「線分」と考え、頂点ファイル、線分ファイルを生成することにより連結性情報を有するグラフデータに変換を行う、いわゆる「グラフ理論」を使用することとしても良い。
【0043】
本発明の道路データ生成方法によれば、道路の一部として決定された道路要素候補矩形を、連結性を考慮した道路ネットワークとすることができ、道路データを高い認識精度で生成することができると共に、道路データの生成効率を向上することができ、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0044】
本発明の道路データ生成方法において、
前記連結工程は、前記中心線分の幾何学的位置関係に加えて、道路の特性を考慮した所定のルールを考慮して前記道路要素候補矩形の連結を行い、
該所定のルールは、
道路は、原則としてデータの境界領域以外では連結しているとする連結性、
道路は、交差点間では多くの場合、直線的であるか、または緩やかにカーブするとする直線性、
道路は、交差点間では、ほぼ同一の道路幅であることが多いとする道路幅一定性、
道路が交差するときは、直交に交差する場合が多いとする直交性、
交差点は、凸n多角形(n>=4)で近似できるとする交差点の形状特性、
駐車場は、カラー特性として道路とほぼ同じであることが多く、かつ道路に隣接あるいは連結した道路幅よりも広い矩形領域である場合が多いとする駐車場特性の少なくとも一つを含むこととすることが好ましい。
【0045】
こうすることにより、幾何学的な条件のみでは連結が困難であった孤立した道路要素候補矩形と他の道路要素候補矩形との連結性を向上することができ、より精度良く道路データを生成することが可能となる。
【0046】
本発明の方法は、適宜、組み合わせて実行することが可能である。例えば、上述の全ての方法を順次実行して、道路データを生成してもよい。
こうして構成される発明は、画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法において、
該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
前記道路データの生成対象領域について、画素ごとに所定の表色系における階調値を有するカラー画像データを入力する入力工程と、
該カラー画像データから、各画素の階調値に基づき、道路の候補領域となる画素を抽出する道路領域検出工程と、
前記候補領域のうち、道路となりえない微小な面を形成する画素を、該候補領域から除去する除去工程と、
前記道路候補領域の輪郭点列および中心点列の少なくとも一方を抽出する点列抽出工程と、
前記抽出点列をベクトル化する線分化工程と、
道路の要素となる矩形を、前記中心線分上に対称軸が存在し、該中心線分と前記輪郭線分との位置関係に基づいて設定された幅を有するよう決定する道路要素候補矩形決定工程と、
前記道路要素候補矩形に含まれる中心線分を連結し、道路ネットワークを生成する連結工程とを実行することを要旨とする。
【0047】
道路領域検出工程では、例えば、先に説明した二値化を使用し、二値画像により道路の候補領域となる画素を抽出することとしてもよい。かかる二値画像を使用すれば、次工程の除去工程を効率的に行うことができる。
【0048】
除去工程の処理として、例えば、膨張および収縮処理が挙げられる。二値画像において、抽出対象領域を「1」、背景を「0」として表す場合、膨張処理とは、例えば、値が「1」である任意の1画素に対して、その周囲8画素(「8近傍」と呼ぶ)を「1」とすることで実現できる。8近傍に変えて、任意の画素の上下左右の4近傍を「1」とすることとしてもよい。収縮処理は、例えば、値が「0」である任意の1画素に対して、8近傍を「0」とすることで、実現できる。4近傍を「0」とすることとしても構わない。また、かかる膨張処理・収縮処理を複数回繰り返して行うこととすれば、雑音除去率が向上するため好適である。
【0049】
また、上述した膨張・収縮処理後、更に、グループ化を行い、孤立点を除去することとすれば、道路候補領域の検出精度が向上するため好適である。グループ化とは、例えば、ラベリングと呼ばれる手法を使用して行うこととしてもよい。ラベリングとは、隣接する画素に対して同じラベルを与えることにより、いくつかの画素が固まった領域を、そのラベルに対応した一つのグループと認識可能にするための処理である。かかる手法により、例えば、ラベルごとに、そのラベルに属する道路候補領域の面積(すなわち、二値画像における「1」の値を持つ画素数)、存在範囲、周囲長、および重心位置などを算出し、これらの値に基づいて雑音を除去することが可能となる。例えば、「面積<400」という条件に合致するラベル領域は、雑音であると判断し除去することとしてもよい。
【0050】
本発明の道路データ生成方法によれば、入力したカラー画像から、道路候補領域を精度良く検出することができ、より信頼性の高い道路ネットワークデータを生成することができるため、利便性の向上を図ることが可能となる。上記、各工程には、先に説明した種々の特徴を組み込むことが可能である。
【0051】
本発明は、上述した道路データ生成方法としての構成の他、道路データ生成装置として構成しても良い。また、本発明の道路データ生成を、コンピュータによって実現するためのコンピュータプログラム、かかるプログラムを記録した記録媒体として構成してもよい。記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(ROMやRAMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用することができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、以下の項目に分けて説明する。
A.実施例:
A1.システム構成および機能ブロック概要:
A2.地図データ生成処理:
A3.カラー楕円:
A4.道路候補領域抽出結果:
A5.雑音除去処理:
A5(1).膨張・収縮処理:
A5(2).ラベリング処理:
A6.点列抽出処理:
A7.線分化処理:
A8.道路要素候補矩形決定処理:
A8(1).道路要素候補矩形作成処理:
A8(2).道路要素候補矩形妥当性評価処理:
A9.道路要素候補矩形連結処理:
A10.連結性増加処理:
A11.道路要素候補矩形連結処理結果:
B.変形例:
【0053】
A.実施例:
A1.システム構成および機能ブロック図:
図1は、実施例における地図データ生成システム100のシステム構成および機能ブロックを例示する説明図である。地図データ生成システム100は、スタンドアロンで構成されたコンピュータにより構成され、コンパクトディスクCDを読み込み可能なコンパクトディスクドライブを備えている。コンパクトディスクCDには、航空写真のカラー画像データが格納されており、地図データの生成システム100は、コンパクトディスクCDからカラー画像データを読み込み、地図データの生成を行う。本実施例では、スタンドアロンタイプのコンピュータ内に、地図データ生成システム100が搭載されていることとしたが、ネットワークに接続されたコンピュータであっても良い。かかる場合には、ネットワークを介して画像データを入力することとしてもよい。また、本実施例におけるカラー画像データは、RGB表色系のデータであることとする。
【0054】
地図データ生成システム100は、図示するように、主制御部101と、入力部102と、色変換部103、カラー楕円生成部104と、雑音除去部105と、点列抽出部106と、ベクトル化処理部107と、矩形生成部108と、連結部109、ルール格納部110と、データ生成部111とを備えている。これらの機能ブロックは、地図データ生成システム100内にソフトウェア的に構成されているが、ハードウェア的に構成することも可能である。
【0055】
主制御部101は、地図データ生成システム100の各機能ブロックの動作制御を行う。かかる制御には、外部記憶装置からの情報取得の制御、地図データの生成などが含まれる。入力部102は、コンパクトディスクCDに格納されている画像データを入力する。
【0056】
色変換部103は、ユーザにより指定されたパラメータに基づき、YUV変換および線形変換を行い、RGB表色系の画像データをYUV表色系のデータ(以降、「UV画像」と呼ぶ)に変換する。カラー楕円生成部104は、ユーザから道路の一部の領域選択を受け付け、選択領域内部に存在する画素の色度(U,V)値を取得し、平均、分散および角度などのカラー楕円特性量を算出する。算出された特性量に基づき、道路の色度特性情報を表すカラー楕円を生成する。
【0057】
雑音除去部105は、まず、カラー楕円生成部104において生成されたカラー楕円を参照しながらUV画像を一画素ずつ走査し、カラー楕円内に包含されるUV値を持つ画素、すなわち、道路の候補となる画素を抽出する。道路候補領域である画素には「1」を、それ以外の画素には「0」を設定することで、道路候補領域を表す二値画像を生成する。かかる二値画像に対して、膨張・収縮処理、ラベリング処理により雑音の除去を行い、雑音除去後に再度二値化を行って、道路候補領域画像を生成する。膨張・収縮処理およびラベリング処理に関しては後述する。
【0058】
点列抽出部106は、雑音除去部105から道路候補領域画像を取得し、道路候補領域の輪郭点列および中心点列を抽出する。輪郭点列は、道路候補領域画像を1画素ずつ順に走査し、画素値「0」、「1」の境界に存在する画素のみを抽出する。中心点列は、道路候補領域画像に対して細線化処理を行い、得られた中心点列を抽出する。点列抽出部106は、輪郭点列および中心点列を、それぞれ、輪郭点列画像および中心点列画像として生成する。
【0059】
ベクトル化処理部107は、点列抽出部106で生成された輪郭点列画像および中心点列画像を取得し、隣接する画素の方向、角度などに基づきベクトル化、すなわち、線分化を行うことにより、道路候補領域の輪郭線および中心線を抽出し、ベクトル化画像を生成する。輪郭線および中心線は、複数の折れ線により構成される。
【0060】
矩形生成部108は、ベクトル化処理部107からベクトル化画像を取得し、かかる画像を、左下隅を原点とする座標空間として取り扱い、中心線分および輪郭線分に基づいて道路の幅を決定し、中心線分を基準として、かかる幅の1/2を左右幅に持つ矩形を道路要素候補矩形として決定する。ベクトル化画像内の全ての中心線分に対して道路要素候補矩形を決定後、各道路要素候補矩形の妥当性を評価し、道路要素候補矩形画像を生成する。道路要素候補矩形の妥当性の評価手段は、任意の道路要素候補矩形内の整数点座標の数Nとし、雑音除去部105から道路候補領域画像を取得し、道路要素候補矩形に対応する領域に「1」の値を持つ画素数をnとする(N,n共に自然数)。このとき、「p=100.0*n/N」という計算式の結果が、「p>=80」であれば、その道路要素候補矩形は、存在位置、幅ともに妥当であると判断する。計算式の結果が、「p>=80」でない場合には、道路要素候補矩形の幅を狭めて再度計算を行い、「p>=80」となるまで繰り返す。計算できなくなった場合には、その矩形を道路要素候補矩形として妥当でないと判断し、削除する。
【0061】
連結部109は、矩形生成部108から道路要素候補矩形画像を取得し、中心線分を「線分」とし、中心線分の両端点を「頂点」として取り扱い、線分ファイル、頂点ファイルを生成することにより、ベクトルデータを、連結性情報を有するグラフデータに変換する。また、連結部109は、線分ファイル、頂点ファイル生成後、ルール格納部110に格納されている道路の連結性増加を図るルールに沿って処理を行い、適宜、道路要素候補矩形を追加し、最終道路要素候補矩形画像を生成する。
【0062】
データ生成部111は、連結部109から、線分ファイル、頂点ファイルおよび最終道路要素候補矩形画像を取得し、道路データを生成する。
【0063】
以上説明したシステム構成により、本実施例の地図データ生成システム100は、航空写真などのカラー画像データを用いて、信頼性の高い地図データの自動生成を実現している。以下では、地図データ生成システム100が、カラー画像データを入力し、地図データを生成する処理内容を説明する。
【0064】
A2.地図データ生成処理:
図2は、本実施例における地図データ生成処理のフローチャートである。主制御部101が各機能ブロックを制御して行う処理である。
【0065】
入力部102は、コンパクトディスクCDからカラー画像データを取得する(ステップS10)。色変換部103は、入力されたカラー画像データを、主制御部101を介して受け取ると、カラー画像データに対してYUV変換および線形変換を行い、UV画像を生成する(ステップS11)。次に、主制御部101は、ユーザからUV画像内における道路領域の一部の選択を受け付けると、カラー楕円生成部104を制御して、道路の色度分布を抽出し、道路の色度特性情報を表すカラー楕円を生成する(ステップS12)。
【0066】
雑音除去部105は、色変換部103からUV画像を取得し、また、カラー楕円生成部104において生成されたカラー楕円を参照して、UV画像内の道路候補領域を抽出し、二値画像を生成する(ステップS13)。次に、雑音除去部105は、二値画像に対して、膨張・収縮処理を行い、点在する雑音を除去し、更に、ラベリング処理を行うことによって、道路とはなり得ない微少領域を除去し、道路候補領域画像を生成する(ステップS14)。
【0067】
点列抽出部106は、雑音除去部105から道路候補領域画像を受け取り、道路候補領域の輪郭点列および中心点列を抽出し、それぞれ、輪郭点列画像および中心点列画像を生成する(ステップS15)。ベクトル化処理部107は、点列抽出部106から、輪郭点列画像および中心点列画像を受け取り、隣接画素の位置に基づき線分化を行い、輪郭線分および中心線分を抽出してベクトル化画像を生成する(ステップS16)。
【0068】
次に、主制御部101は、ベクトル化処理部107からベクトル化画像を、また、雑音除去部105から道路候補領域画像を、矩形生成部108へ受け渡す。矩形生成部108は、受け取った画像に基づき、道路の幅を決定し、かかる道路幅およびベクトル化画像の中心線分に基づいて、道路要素候補矩形を生成し妥当性の評価後、道路要素候補矩形画像を生成する(ステップS17)。連結部109は、矩形生成部108から、道路要素候補矩形画像を受け取り、道路の連結性を考慮して道路要素候補矩形を連結し、最終道路要素候補矩形画像を生成する(ステップS18)。
【0069】
主制御部101は、データ生成部111を制御して、最終道路要素候補矩形画像から、地図データを生成する(ステップS19)。
【0070】
A3.カラー楕円:
図3〜図4は、入力画像データから、カラー楕円を生成する処理を説明する説明図である。図2のステップS10〜ステップS12において、主制御部101が、各機能ブロックを制御して行う処理である。
【0071】
図3は、本実施例における入力画像データ10である。入力画像データ10は、目視で、「道路」、「建物」、「森」などの地物ごとに、区別が可能な程度の分解能を持つ。地図データ生成システム100は、図にハッチングで示すように、道路領域11、道路領域12、森領域13の各領域の指定をユーザから受け付け、かかる領域内に存在する画素の色度(U,V)値を抽出する。
【0072】
本実施例において、地図データ生成システム100の色変換部103が行うYUV変換および線形変換の式は、以下に示す式を使用することとする。
【0073】
Y=0.3*R+0.6*G+0.1*B;
U=0.7*R−0.6*G−0.1*B;
V=−0.3*R−0.6*G−0.9*B;
U=U*3.00+128.0;
V=V/2.00+256.0;
【0074】
図4は、図3において、指定した各領域の色度分布を示す説明図である。UVグラフ1は、図3において指定した各領域に含まれる画素の色度(U,V)値の分布状態を示している。本実施例では、入力画像データ10はRGB形式であり、RGBそれぞれ「0〜255」という値を持つため、色度(U,V)値も同様に、「0〜255」という範囲内に収まるように変換されていることとする。
【0075】
UVグラフ1に示すように、図3において指定した道路領域11に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布11a内にほぼ含まれる。同様に道路領域12に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布12a内にほぼ含まれ、森領域13に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布13a内にほぼ含まれる。このとき、地図データ生成システム100は、道路領域11および道路領域12内に含まれる色度分布11aおよび12aを、「道路」という一つの地物として取り扱い、道路領域11および道路領域12内に含まれる画素の色度(U,V)値の平均、分散などの特性値から道路のカラー楕円20を生成する。
【0076】
図4に、併せてカラー楕円の生成方法および道路の候補画素の判断方法を説明するカラー楕円模式図20aを示した。抽出したい地物の一部領域を指定し、かかる指定領域に含まれる画素の色度(U,V)値を抽出すると、(U,V)値は、一点に集中するのではなく、平均値の周囲に分布するという特性を持つ。
【0077】
指定領域に含まれる画素の色度(U,V)値から、平均(Ug,Vg)、分散(varU、varV)、および主軸方向の角度θを求め、楕円を表す式を作成する。楕円を表す式は以下である。
【0078】
X=cos(θ)*(U−Ug) + sin(θ)*(V−Vg);
Y=−sin(θ)*(U−Ug) + cos(θ)*(V−Vg);
(X,Yは、UV座標上の任意の点を表す変数)
【0079】
任意の画素の色度(U,V)値を測定し、上述した式により(X,Y)に変換し、
f=X*X/varU + Y*Y/varV;
という計算を行うことで、その画素とカラー楕円との距離を算出することができる。すなわち、
f=1ならば、(U,V)は楕円周上、
f<1ならば、(U,V)は楕円の内部、
f>1ならば、(U,V)は、楕円の外部、
に存在することを意味する。本実施例では、楕円周上および楕円内部に存在する色度(U,V)値を持つ画素を道路の候補画素として判断することとする。すなわち、図3において、カラー楕円20の楕円周上および楕円内部に存在する色度(U,V)値を持つ画素を道路の候補領域と判断することとする。
【0080】
A4.道路候補領域抽出結果:
図5は、図4のカラー楕円20に基づき抽出された道路の候補画素の二値画像200である。地図データ生成システム100は、入力画像データ10に対して色変換を行いUV画像(図示省略)生成後、UV画像を一画素ずつ走査し、道路の候補画素には「1」を、道路の候補でない画素には「0」を設定することで、二値画像200を生成する。本実施例では、二値画像において、「1」の値を持つ画素を黒画素で表し、「0」の値を持つ画素を白画素で表すこととする。
【0081】
A5.雑音除去処理:
A5(1).膨張・収縮処理:
図6は、二値画像200から雑音を除去するために画像処理を行った処理後画像である。図6(a)は、膨張処理後の画像であり、図6(b)は、収縮処理後の画像である。
【0082】
図6(a)に、膨張処理を説明する模式図210を併せて示した。膨張処理は、模式図210に示すように、任意の画素Pが「1」である場合に、その8近傍の画素をすべて「1」に変換する処理である。また、図6(b)に、収縮処理を説明する模式図211を併せて示した。収縮処理は、模式図211に示すように、任意の画素Qが「0」である場合に、その8近傍をすべて「0」に変換する処理である。
【0083】
膨張処理を行うことにより、孤立している画素同士を連結することができ、また、収縮処理を行うことにより、点在する孤立画素を除去することができる。本実施例では、膨張処理と収縮処理を2サイクル実施することとした。
【0084】
A5(2).ラベリング処理:
図6において説明した、膨張処理および収縮処理後の画像において、道路の候補領域となり得ない微少な孤立領域が存在する。かかる孤立領域を除去するために、ラベリング処理を行うことで、道路の認識精度を向上することができる。以降では、ラベリング処理について説明する。
【0085】
図7は、ラベリング処理を説明する模式図である。ラベリング処理とは、二値画像において、任意の「1」を持つ画素の8近傍に「1」を持つ画素が存在する場合に、それらに同一の番号、すなわち、ラベルを付ける処理である。
【0086】
図7(a)は、一例としての二値画像を表している。二値画像を左上の画素から走査し、「1」を持つ画素を発見した場合、その画素にラベルを付し、その画素の8近傍に、同様に「1」を持つ画素に対して同一のラベルを付す。図7(b)は、最後の画素まで走査し、ラベル付けが終了した状態を示している。図7(b)に示す左上の画素の「1」は、ラベル番号を表し、二値画像の「1」とは異なるものである。図示するように、ラベル番号「1」の画素数は1、ラベル番号「2」の画素数は6、ラベル番号「3」の画素数は8、ラベル番号「4」の画素数は、1、ラベル番号「5」の画素数は2である。
【0087】
同一ラベル番号を持つ画素数が、5以下のラベル領域を、雑音と判断し除去することとした場合に、図7(c)に示すように、ラベル番号「1」、ラベル番号「4」、ラベル番号「5」を持つ画素は除去され、ラベル番号「2」およびラベル番号「3」を持つ画素のみが残る。残った画素に対して、再度二値化を行うことで、図7(d)に示すように、雑音が除去された二値画像を得る。
【0088】
本実施例では、膨張・収縮処理後の画像に対してラベリング処理を行い、同一ラベル番号を持つ画素数が400未満のラベル領域は、雑音と判断し除去することとした。
【0089】
図8は、図6および図7において説明した膨張処理、収縮処理、ラベリング処理により、雑音を除去し、二値化を行った結果を表す二値画像300である。以降では、地図データ生成システム100が、二値画像300を使用して、道路ネットワークを形成し、地図データを生成する処理を説明する。
【0090】
A6.点列抽出処理:
図9は、二値画像300から、道路の輪郭点列および中心点列を抽出した図である。図9(a)は、輪郭点列を抽出した図(以降、輪郭点列画像400と呼ぶ)であり、併せて抽出処理の模式図401を示した。図9(b)は、中心点列を抽出した図(以降、中心点列画像410と呼ぶ)であり、同様に抽出処理の模式図411を示した。
【0091】
図9(a)の模式図401は、輪郭点列の抽出処理を説明する模式図である。輪郭点列の抽出は、二値画像401(a)を、左上から一画素ずつ走査し、白画素と黒画素との境界に存在する黒画素を残し、境界に存在しない黒画素を白画素とすることにより行う。走査が終了すると、二値画像401(b)に示すように、ハッチングを付した非境界部分は白画素となり、境界部分の黒画素がそのまま残る。
【0092】
図9(b)の模式図410は、中心点列の抽出処理を説明する模式図である。本実施例では、「ヒルディッチの方法」と呼ばれるアルゴリズムを用いて、細線化処理を行い、中心点列を抽出する。以下に「ヒルディッチの方法」を説明する。
【0093】
(1)任意の画素に着目する。
(2)着目画素が、図形要素(本実施例では、道路候補を指す)であることを調べる。
(3)着目画素が、境界点であることを調べる。
(4)着目画素が、端点でないことを調べる。
(5)着目画素が、孤立点でないことを調べる。
(6)着目画素の近傍値を調べ、連結性を失わないことを調べる。
(7)線幅2の線分でないことを調べる。
(8)(2)〜(7)の条件が全て真の時のみ、着目画素を白画素とする。
以上の処理を、画像が変化しなくなるまで繰り返す。(4)において、端点とは、着目画素の8近傍に黒画素が1つのみ存在する状態を表し、(5)において、孤立点とは、着目画素の周囲8近傍に黒画素が存在しない状態を表す。(6)において、「連結性を失わないこと」とは、着目画素を白画素とした場合に、隣接画素間が一続きのままであることを表す。また、(7)において、横幅が2の場合には、片側だけを白画素とする。
【0094】
二値画像411(a)に、上述の細線化処理を行った結果を、二値画像411(b)に示す。二値画像411(b)に、ハッチングで示す領域が、白画素とされた領域である。
【0095】
A7.線分化処理:
図10は、図9で得られた輪郭点列画像400および中心点列画像410から、道路の輪郭線および中心線を抽出するベクトル化処理を、模式的に示した説明図である。図2のステップS16において、ベクトル化処理部107が行う処理である。図10(a)は、一例としての二値画像を表し、ハッチング部分が、中心点列を表している。本実施例では、以下のようにベクトル化処理が行われることとする。
【0096】
(a)左下の画素を原点として、原点から水平方向に走査し、最初に発見された黒画素を「P」とする。
(b)黒画素「P」の8近傍に黒画素が存在する場合、1つ選び、それをQとする。黒画素「P」の8近傍に黒画素が存在しない場合には、黒画素「P」は、孤立点と判断し、白画素とする。
(c)「Q」を第2点として登録する。道路は多くの場合、直線もしくは緩やかに変化する曲線であることを考慮し、「Q」から、進行方向「P−>Q」の方向を第1優先、進行方向に対し左右45°の方向を第2、第3優先、その他を第4優先として「P−>Q−>R・・・」として黒画素の追跡を行う。
(d)追跡が終了した黒画素を消去し、(a)〜(c)の工程を繰り返し行う。
【0097】
すなわち、図10(a)の二値画像対して、上述のベクトル化処理を行った場合、図10(b)に示すようになる。すなわち、
(a)原点から走査を行い、最初に発見された黒画素である4つ目の画素を「P」とする。
(b)黒画素「P」の垂直上方向に黒画素が存在するため、それを「Q」とする。
(c)「Q」を第2点として登録し、矢印に示すように、進行方向「P−>Q」の方向に、黒画素の追跡を行う。「P−>Q−>R−>S」まで追跡を行い、進行方向に黒画素が存在しないことを確認すると、第2、第3優先である左右45°方向に黒画素が存在するか追跡を行う。右45°方向に存在する黒画素を「T」として登録する。次に、矢印に示すように、「S−>T」方向を進行方向として設定し、同様に追跡を行い、最終的に、「P−>Q−>R−>S−>T−>U−>V」という線分を得る。
【0098】
以上の方法により、輪郭点列画像400および中心点列画像410をベクトル化した状態を、図11に示す。図11において、実線が輪郭線を表し、破線が中心線を表している。以降、図11に示す図を、ベクトル化画像500と呼ぶ。
【0099】
A8.道路要素候補矩形決定処理:
A8(1).道路要素候補矩形作成処理:
ベクトル化画像500に実線で表した輪郭線は、道路形状の候補線分の集合である。また、中心線分は、道路候補領域の内部に存在し、かつ、道路幅の中心付近に存在するという特徴を持つ。本実施例では、かかる特徴に基づき、中心線分を基準とし、中心線分の周りの道路形状を矩形として近似表現することにより、道路候補領域を表現することとする。以降、道路形状を近似表現した矩形を「道路要素候補矩形」と呼ぶ。
【0100】
図12は、ベクトル化画像500において、全ての中心線分に対して、道路要素候補矩形を作成した結果を示す道路要素候補矩形図600である。図12には、道路要素候補矩形図600と併せて、道路要素候補矩形を作成する方法を説明する模式図610を示した。本実施例では、「可視線分理論」を用いて道路要素候補矩形を作成することとした。
【0101】
模式図610(a)に、矩形を作成する基準となる中心線分およびその周囲に存在する輪郭線分を示す。図示するように、実線が輪郭線分を表し、破線が中心線分を表す。着目する中心線分(以降、線分620と呼ぶ)のみ、説明の便宜上、一点鎖線で示した。線分620の始点および終点を(xa,ya)および(xb,yb)とし、長さを「d」とする。このとき、(xa,ya)から(xb,yb)方向に、長さ「d*α」、始点(xa,ya)を中心とした左右幅「d*α」を持つ矩形領域を探索領域621として設定し、探索領域621の内部に存在する、もしくは、探索領域621を通過する輪郭線分をリストアップする。リストアップした輪郭線分を太線で示した。
【0102】
次に、模式図610(b)で行われる処理を説明する。リストアップした輪郭線分に対して、(xb,yb)を「視点E」として、この視点Eから「見える」輪郭線分を抽出する。「見える」とは、輪郭線分を障害物として扱った場合に、任意に指定された一点から障害物に遮られることなく見える(可視である)ことを指す。抽出した輪郭線分の端点集合から、視点Eを内部に含む凸多角形POを作成する。
【0103】
凸多角形POを内部に含む面積最小の外接矩形Reを作成した状態を、模式図610(c)に示した。かかる外接矩形Reにおける短い辺の長さ「m」を道路の「幅」と定義する。そして、模式図610(d)に示すように、中心線分を中心とし、かかる幅の半分(すなわち、m/2)を左右幅に持つ矩形を作成し、これを道路要素候補矩形として決定する。
【0104】
ベクトル化画像500に、以上の処理を行った結果が、道路要素候補矩形図600である。道路要素候補矩形図600において、決定した矩形の、その場所での存在および道路幅の妥当性を評価することにより、より信頼性の高い地図データの生成を行うことができる。以下では、かかる妥当性の評価に関して説明する。
【0105】
A8(2).道路要素候補矩形妥当性評価処理:
地図データ生成システム100は、道路要素候補矩形図600を、座標として取り扱い、任意の矩形に注目し、注目矩形内に存在する整数点座標数Nを検出する。また、二値画像300において、かかる注目矩形に対応する領域に含まれる黒画素数nを検出する(N,nは共に自然数)。以下の式により、注目矩形における黒画素の割合を算出し、道路要素候補矩形としての妥当性を評価する。
【0106】
p=100.0*n/N;
【0107】
p>=80.0、すなわち、矩形における黒画素の割合が80.0%以上である場合、注目矩形は、「その場所に、その幅で存在する道路要素候補矩形として妥当である」と評価し認定する。かかる割合が、80.0%未満である場合には、矩形の幅を狭めて、再度、上述の式により妥当性を評価し、「p>=80」という結果が得られるまで繰り返す。最終的に、「p>=80」という結果が得られなかった場合には、注目矩形は、道路要素候補矩形として妥当でないと判断し削除する。
【0108】
以上の処理を行った結果を、図13に示す。図示するように、道路要素候補矩形図600と比較して、矩形の幅、すなわち道路幅が調整され、道路要素候補矩形として妥当でないと判断された矩形は削除されている。
【0109】
A9.道路要素候補矩形連結処理:
図13で決定された道路要素候補矩形は、矩形間の連結性、すなわち、道路としてのネットワーク性は考慮されていない。図14および図15では、地図データ生成システム100が、道路のネットワーク性を考慮し、矩形間を連結する処理を説明する。図2のステップS18において、連結部109が行う処理である。本実施例では、「グラフ理論」に基づき連結処理を行った。グラフ理論とは、中心線分を「線分」、中心線分の両端点を「頂点」と取り扱い、いくつかの頂点とそれらの間を結ぶ線分の連結性情報を有するデータを生成することで離散的構造を解析する理論である。まず、中心線分をベクトルとして取り扱い処理を行う。
【0110】
頂点数NVおよび線分数NEを0で初期化する(ステップS20)。次に、未処理ベクトルが存在するか否かを判断し(ステップS21)、存在する場合には、未処理ベクトルを一つ選択する(ステップS22)。存在しない場合には、ステップS33(図15に記載)の処理を行う。
【0111】
選択したベクトルの一端の座標を取得し(ステップS23)、その座標が、既に頂点ファイルに頂点として登録されているか否かを判断する(ステップS24)。頂点ファイルに登録されていると判断された場合には、頂点番号Vaを取得し(ステップS25)、ベクトルの他端の座標を取得する(ステップS27)。頂点ファイルに登録されていないと判断された場合には、「NV=NV+1」として、新規に登録を行い(ステップS26)、頂点番号Vaを取得して(ステップS25)、ステップS27の処理を行う。
【0112】
取得した他端の座標も、同様に、頂点ファイルに登録されているか否かを判断する(ステップS28)。頂点ファイルに登録されていると判断された場合には、頂点番号Vbを取得し(ステップS30)、頂点ファイルに登録されていないと判断された場合には、頂点ファイルに「NV=NV+1」として、新規に登録を行い(ステップS29)、頂点番号Vbを取得する(ステップS30)。
【0113】
次に、得られた頂点番号(Va,Vb)の頂点対の線分が、線分ファイルに登録されているか否かを判定する(ステップS31)。登録されていないと判定された場合には、「NE=NE+1」として、新規に登録を行い(ステップS32)、ステップS21へ戻り処理を繰り返す。登録されていると判定された場合にも、ステップS21へ戻り処理を繰り返す。
【0114】
ステップS21で、未処理ベクトルが存在しないと判断された場合には、頂点ファイルに登録された全頂点について、各頂点の属性を頂点ファイルに登録する(ステップS33)。具体的には、その頂点を端点に持つ線分番号をリストアップし、線分個数と、線分番号を反時計回りの方向角順に登録する。次に、線分ファイルに登録された全線分について、各線分の属性を線分ファイルに登録する(ステップS34)。具体的には、線分の端点の座標を頂点ファイルから登録し、線分長さおよび方向角を登録する。線分の両端点について、反時計回りで角度を測るとして、角度的に一つ前の線分の有無を確認し、有ればその線分番号を登録し、そして、角度的に一つ後の線分の有無を確認し、有ればその線分番号を登録する。
【0115】
A10.連結性増加処理:
以上の処理を行い、頂点ファイルおよび線分ファイルを作成することでベクトルデータを、連結性情報を有するグラフデータに変換することができ、道路要素候補矩形の連結を実現することができる。
【0116】
しかしながら、上述の処理を行っても、なお、連結が困難な孤立線分が存在する。地図データ生成システム100は、かかる孤立線分を連結可能とするために、予め設定されている道路ネットワーク構成ルールに基づき、道路要素候補矩形の連結性を増加させる連結性増加処理を行う。
【0117】
図16は、道路要素候補矩形の連結性を増加させるための、道路ネットワーク構成ルールを示す一覧表である。図示するように、6つのルールが存在し、地図データ生成システム100は、かかるルールに基づいて、道路要素候補領域の連結性増加処理を行う。図17は、かかる処理を説明するフローチャートである。
【0118】
任意の線分を選択する(ステップS40)。一端を始点、他端を終点として、「始点−>終点」を進行方向とし(ステップS41)、進行方向に対して左右45°以内で連結している線分があるか否かを判定する(ステップS42)。連結する線分が存在すると判定された場合、ステップS41へ戻り、他端を始点とし、処理を繰り返す。連結する線分が存在しないと判定された場合、「始点−>終点」の延長で、所定の距離および幅範囲の矩形探索領域を決定し、かかる矩形探索領域内に存在する線分、すなわち連結先の候補となる線分を、終点からの距離の近い順にリストアップする(ステップS43)。連結候補線分が存在しないと判定された場合には、ステップS40へ戻り、処理を続行する。連結候補線分が存在すると判定された場合(ステップS44)には、連結候補線分に、「始点−>終点」の延長線分と交差する線分があるか否かを判定する(ステップS45)。
【0119】
交差する線分が存在する場合には、交点を求め、「終点−>交点」間に、「始点―>終点」の線分が属性として持つ幅と同じ幅の道路要素候補矩形を仮定し(ステップS48)、二値画像300に基づき、道路要素候補矩形として妥当であるか否かを判断する(ステップS49)。妥当であると判断された場合には、道路要素候補矩形として追加する(ステップS50)。妥当でないと判断された場合には、ステップS40へ戻り処理を続行する。
【0120】
ステップS45において、交差する線分が存在しない場合には、連結候補線分への連結可能性を判定する(ステップS46)。具体的には、終点から垂線を下ろした足の進行方向に対して、左右95°以内に線分が存在するか否かを判定する。連結可能性がある、すなわち、条件に合致する線分が存在すると判定された場合には、「終点−>垂線の足」間に、「始点―>終点」の線分が属性として持つ幅と同じ幅の道路要素候補矩形を仮定し(ステップS48)、二値画像300に基づき、道路要素候補矩形として妥当であるか否かを判断する(ステップS49)。妥当であると判断された場合には、道路要素候補矩形として追加する(ステップS50)。妥当でないと判断された場合には、ステップS40へ戻り処理を続行する。
【0121】
A11.道路要素候補矩形連結処理結果:
以上の処理を行った道路要素候補矩形生成処理および矩形連結処理の処理結果を図18に示す。地図データ生成システム100のデータ生成部111は、図18に基づき、地図データを生成する。
【0122】
以上説明した実施例の地図データ生成システム100によれば、入力したカラー画像データから、道路候補領域を精度良く検出することができ、信頼性の高い道路ネットワークデータを生成することができ、また、オペレータの負荷を軽減することができるため、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0123】
B.変形例:
B1.変形例1:
色変換部103が行うYUV変換および線形変換の式は、本実施例で例示した他に種々の式を用いることができる。以下に、式を列挙する。
【0124】
(a)
X=0.61*R+0.17*G+0.20*B;
Y=0.30*R+0.59*G+0.11*B;
Z=0.00*R+0.07*G+1.12*B;
T=X+Y+Z;
U=X/T*512.0;
V=Y/T*512.0;
【0125】
(b)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=(B−Y)*0.565;
V=(R−Y)*0.713;
U=U*3.00+128.0;
V=V*3.00+128.0;
【0126】
(c)
Y=0.257*R+0.504*G+0.098*B;
U=0.439*R−0.368*G−0.071*B;
V=−0.148*R−0.291*G+0.439*B;
U=U*3.00+128.0;
V=V*3.00+128.0;
【0127】
(d)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=0.596*R−0.274*G−0.322*B;
V=0.211*R−0.522*G+0.311*B;
U=U*3.00+128.0;
V=V*3.00+128.0;
【0128】
(e)
Y=0.299*R+0.587*G+0.114*B;
U=−0.1687*R−0.3313*G+0.5*B;
V=0.5*R−0.4187*G+0.0813*B;
U=U*3.00+128.0;
V=V*3.00+128.0;
【0129】
図19(a)〜(e)は、図3の入力画像データ10を、上述の式を用いて色変換を行い、色度分布を抽出したUVグラフである。各グラフにおいて、道路領域11に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布11aにほぼ含まれ、同様に、道路領域12に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布12aに、森領域13に含まれる画素の色度(U,V)値は、色度分布13aにほぼ含まれる。
【0130】
このように、抽出すべき対象物によって、色変換の変換式を使い分けることにより、対象物の抽出精度を向上することができるため、好適である。
【0131】
B2.変形例2:
本実施例では、Y,U,Vのうち、(U,V)のみを用いて、カラー楕円を構成したが、これに限らず、Y,U,Vの全てを用いて、カラー楕円を構成してもよい。このときカラー楕円は3次元楕円体になる。
【0132】
B3.変形例3:
本実施例では、カラー楕円の楕円周上および楕円内部に存在する画素を道路の候補領域として判断することとしたが、任意の画素の色度(U,V)値と、カラー楕円との距離(カラー距離と呼ぶ)が所定の値より小さい場合に、道路の候補領域と判断することとしてもよい。
【0133】
こうすることにより、任意の画素が、カラー楕円に包含されているか否かという判別のみでなく、対象物の色度との相違の程度を詳細に検出することができるため、判別性能の向上を図ることが可能である。
【0134】
B4.変形例4:
本実施例では、膨張・収縮処理を2サイクル行うこととしたが、これに限られない。複数回繰り返す、または、それぞれの処理の回数を異なることとしてもよい。こうすることにより、雑音除去率を向上することが可能となる。
【0135】
B5.変形例5:
本実施例では、点列抽出処理に「ヒルディッチの方法」を用い、細線化処理から点列を抽出したが、これに限られない。点列抽出には、他の種々の方法、例えば、「ハフ変換」を用いることとしてもよい。入力画像の特性によって、種々の手法を使い分けることとすれば、抽出精度を向上することができ、好適である。
【0136】
B6.変形例6:
本実施例では、道路要素候補矩形の連結処理時に、未処理ベクトルを選択する順序は特別規定しなかったが、長さの長い順にソートすることとすれば、長い線分を優先的に処理することができ好適である。
【0137】
以上、本発明の実施の形態について、実施例に基づき説明した。しかし本発明は、上述の実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲において、種々の構成を取ることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるシステム構成および機能ブロックを示す説明図である。
【図2】実施例における地図データ生成処理のフローチャートである。
【図3】実施例における入力画像および色度特性抽出のための標本領域を示す説明図である。
【図4】実施例におけるUVグラフおよびカラー楕円20を説明する模式図である。
【図5】実施例における二値画像200を示す説明図である。
【図6】実施例における膨張処理および収縮処理を示す説明図である。
【図7】実施例におけるラベリング処理を示す説明図である。
【図8】実施例における雑音処理後の二値画像300である。
【図9】実施例における輪郭点列および中心点列の抽出を示す説明図である。
【図10】実施例におけるベクトル化処理を示す説明図である。
【図11】実施例におけるベクトル化処理結果を示す説明図である。
【図12】実施例における道路要素候補矩形の生成を示す説明図である。
【図13】実施例における道路要素候補矩形図600を示す説明図である。
【図14】実施例における道路要素候補矩形の連結処理のフローチャートである。
【図15】実施例における道路要素候補矩形の連結処理のフローチャートである。
【図16】実施例における連結処理時に参照されるルールの一覧を示す説明図である。
【図17】実施例における道路要素候補矩形の連結性を増加させる処理のフローチャートである。
【図18】実施例における道路要素候補矩形の連結処理後の結果を示す説明図である。
【図19】変形例におけるUVグラフを示す説明図である。
【符号の説明】
10…入力画像データ
11…道路領域
12…道路領域
13…森領域
11a、12a、13a…色度分布
20…カラー楕円
20a…カラー楕円模式図
100…地図データ生成システム
101…主制御部
102…入力部
103…色変換部
104…カラー楕円生成部
105…雑音除去部
106…点列抽出部
107…ベクトル化処理部
108…矩形生成部
109…連結部
110…ルール格納部
111…データ生成部
200…二値画像
210、211…模式図
300…二値画像
400…輪郭点列画像
401…模式図
410…中心点列画像
411…模式図
401…二値画像
410…模式図
411…二値画像
500…ベクトル化画像
600…道路要素候補矩形図
610…模式図
620…線分
621…探索領域

Claims (13)

  1. カラー画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
    該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
    前記道路データの生成対象領域について、所定の表色系における階調値を有するカラー画像データを入力する入力工程と、
    前記カラー画像データに対して、前記表色系から、明度と色度が別成分として定義された表色系への色変換を行う色変換工程と、
    該変換後の表色系における道路の色度特性情報を入力する色度特性入力工程と、
    前記色度特性情報に基づいて、前記カラー画像データにおける道路の候補領域を検出する道路領域検出工程とを実行する道路データ生成方法。
  2. 請求項1記載の道路データ生成方法であって、
    前記色変換工程は、更に、前記色度の感度を増幅する変換を行う道路データ生成方法。
  3. 請求項2記載の道路データ生成方法であって、
    前記カラー画像データは、RGB表色系のデータであり、
    前記色変換工程は、RGB表色系から、YUV表色系に変換を行った後に、U値およびV値の少なくとも一方を拡大する線形変換を行う道路データ生成方法。
  4. 請求項1〜請求項3いずれか記載の道路データ生成方法であって、
    前記色度特性入力工程は、
    ユーザの操作により、前記カラー画像データ中の道路に相当する領域の指定を受け付ける工程と、
    該領域中に含まれる複数画素に対する色度分布から、前記色度特性情報を特定する工程とを備える道路データ生成方法。
  5. 請求項1〜請求項4いずれか記載の道路データ生成方法であって、
    前記色度特性情報は、前記道路を表す色度の分布領域を示すカラー楕円であり、
    前記道路領域検出工程は、前記カラー楕円内に存在する色度を有する画素を検出する道路データ生成方法。
  6. 画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
    該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
    道路の候補領域を画素単位で抽出した画像データを入力する入力工程と、
    前記道路候補領域の輪郭点列および中心点列の少なくとも一方を抽出する点列抽出工程と、
    前記抽出点列をベクトル化する線分化工程とを実行する道路データ生成方法。
  7. 請求項6記載の道路データ生成方法であって、
    前記線分化工程は、
    a) 前記抽出点列の任意の画素を第1画素に設定する工程と、
    b) 前記抽出点列のうち、該第1画素に隣接する画素を第2画素として特定する工程と、
    c) 前記第1画素から前記第2画素への方向を進行方向に設定し、前記抽出点列のうち、前記第2画素に隣接するとともに、前記該進行方向からのずれ量が最小となる画素を第3画素として特定する工程と、
    d) 前記第2画素を第1画素と扱い、前記第3画素を第2画素と扱って、前記工程c)を繰り返し実行することにより、ベクトル化する工程とを備える道路データ生成方法。
  8. 画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
    該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
    前記道路候補領域の輪郭線分および中心線分を含む画像データを入力する入力工程と、
    道路の要素となる矩形を、前記中心線分上に対称軸が存在し、該中心線分と前記輪郭線分との位置関係に基づいて設定された幅を有するよう決定する道路要素候補矩形決定工程とを実行する道路データ生成方法。
  9. 請求項8記載の道路データ生成方法であって、
    前記道路要素候補矩形決定工程は、
    前記中心線分から任意の1線分を選択する工程と、
    該線分を対称軸とする所定範囲内にある輪郭線分を抽出する工程と、
    該抽出された輪郭線分のうち、前記中心線分の両側について、該中心線分に最も近い折れ線を可視線分として抽出する工程と、
    該可視線分を包含する外接矩形を候補矩形として定義する工程と、
    該候補矩形の短辺を前記幅と定義して前記道路要素候補矩形を決定する工程とを備える道路データ生成方法。
  10. 請求項8記載の道路データ生成方法であって、
    前記入力工程は、前記画像データと対応したデータであって、前記道路候補領域とその他の領域を二値的に区分した二値画像データを入力する工程であり、
    該道路データ生成方法は、更に、
    前記二値画像データに基づき、前記各道路要素候補矩形について、該道路要素候補矩形と道路候補領域との重複面積を特定する面積特定工程と、
    前記重複面積と前記道路要素候補矩形領域の面積との比に基づき、該道路要素候補矩形の妥当性を評価する評価工程とを備える道路データ生成方法。
  11. 画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
    該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
    前記道路要素候補矩形領域および中心線分を含む画像データを入力する入力工程と、
    前記道路要素候補矩形に含まれる中心線分を連結し、道路ネットワークを生成する連結工程とを実行する道路データ生成方法。
  12. 請求項11記載の道路データ生成方法であって、
    前記連結工程は、前記中心線分の幾何学的位置関係に加えて、道路の特性を考慮した所定のルールを考慮して前記道路要素候補矩形の連結を行い、
    該所定のルールは、
    道路は、原則としてデータの境界領域以外では連結しているとする連結性、
    道路は、交差点間では多くの場合、直線的であるか、または緩やかにカーブするとする直線性、
    道路は、交差点間では、ほぼ同一の道路幅であることが多いとする道路幅一定性、
    道路が交差するときは、直交に交差する場合が多いとする直交性、
    交差点は、凸n多角形(n>=4)で近似できるとする交差点の形状特性、
    駐車場は、カラー特性として道路とほぼ同じであることが多く、かつ道路に隣接あるいは連結した道路幅よりも広い矩形領域である場合が多いとする駐車場特性の少なくとも一つを含む道路データ生成方法。
  13. カラー画像データから電子地図データ用の道路データを生成する道路データ生成方法であって、
    該道路データを生成するためのコンピュータが、少なくとも、
    前記道路データの生成対象領域について、画素ごとに所定の表色系における階調値を有するカラー画像データを入力する入力工程と、
    該カラー画像データから、各画素の階調値に基づき、道路の候補領域となる画素を抽出する道路領域検出工程と、
    前記候補領域のうち、道路となりえない微小な面を形成する画素を、該候補領域から除去する除去工程と、
    前記道路候補領域の輪郭点列および中心点列の少なくとも一方を抽出する点列抽出工程と、
    前記抽出点列をベクトル化する線分化工程と、
    道路の要素となる矩形を、前記中心線分上に対称軸が存在し、該中心線分と前記輪郭線分との位置関係に基づいて設定された幅を有するよう決定する道路要素候補矩形決定工程と、
    前記道路要素候補矩形に含まれる中心線分を連結し、道路ネットワークを生成する連結工程とを実行する道路データ生成方法。
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