JP2004243373A - クランクシャフトの製造法 - Google Patents
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- B21K1/06—Making machine elements axles or shafts
- B21K1/08—Making machine elements axles or shafts crankshafts
Abstract
【課題】加工工程におけるロール加工を不要とするかまたは低減できるクランクシャフトの製造法の提供。
【解決手段】(1)クランクシャフトの鍛造工程10に、放冷後、クランクシャフトのピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6に対応する型部位に突起7を設けた型8を用いて、つなぎ部6をコイニングする冷間コイニング工程12を追加したクランクシャフトの製造法。加工工程20における冷間コイニング工程は廃止または低減する。(2)突起7を、クランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型8を用いて、つなぎ部6を周方向に部分的にコイニングする。
【選択図】 図3
【解決手段】(1)クランクシャフトの鍛造工程10に、放冷後、クランクシャフトのピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6に対応する型部位に突起7を設けた型8を用いて、つなぎ部6をコイニングする冷間コイニング工程12を追加したクランクシャフトの製造法。加工工程20における冷間コイニング工程は廃止または低減する。(2)突起7を、クランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型8を用いて、つなぎ部6を周方向に部分的にコイニングする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトの製造法に関し、とくにクランクシャフトのピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部の疲労強度を向上できるクランクシャフトの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平2000−337345号公報は、従来の内燃機関のクランクシャフトの製造方法を示している。
従来、内燃機関のクランクシャフトは、図4に示すように、
(イ)鍛造工程10において、素材を熱間鍛造し(熱間鍛造は、丸棒の荒打ち、仕上げ打ち、バリ抜き、熱間コイニングを含む)、放冷後、
(ロ)加工工程20において、ピン、ジャーナル、およびピン、ジャーナルとウエッブとのつなぎ部に、必要に応じて高周波焼入れ・低温焼もどしを行い、ついで、つなぎ部のフィレット部全周にロール加工21を施して製造していた。
高周波焼入れ・低温焼もどしによる硬さ向上、ロール加工によるピン、ジャーナルとウエッブとのつなぎ部に生じる残留歪により、クランクシャフトの曲げ疲労強度が向上していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平2000−337345号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術にはつぎの問題がある。
加工工程においてロール加工を施すことは、加工設備を必要とし、かつ加工に時間を要するので、クランクシャフトの製造費を高くしていた。また、ロール加工は、つなぎ部の全周に施していたため、曲げ荷重がかかった時に圧縮応力がかかる部位にも加工硬化を入れており、無駄な部位にも加工を施していた。
本発明の目的は、加工工程におけるロール加工を不要とするかまたは低減できるクランクシャフトの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) クランクシャフトの鍛造工程に、放冷後、クランクシャフトのピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部に対応する型部位に突起を設けた型を用いて、前記つなぎ部をコイニングする冷間コイニング工程を追加したクランクシャフトの製造法。
(2) 前記突起を、クランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、前記つなぎ部を周方向に部分的にコイニングする(1)記載のクランクシャフトの製造法。
【0006】
上記(1)のクランクシャフトの製造法では、鍛造工程に、放冷後に冷間コイニング工程を追加し、ピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部をコイニングするので、つなぎ部を加工硬化させることができ、クランクシャフトの曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、加工工程でのロール加工を廃止または低減することができる。
上記(2)のクランクシャフトの製造法では、突起をクランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、つなぎ部を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に引っ張り応力が生じる部分のみに加工硬化を施すことができ、つなぎ部の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化(つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に圧縮応力が生じる部分の加工硬化)を除去できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のクランクシャフトの製造法を図1〜図3を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本発明のクランクシャフトの製造法は、
(イ)放冷後コイニング工程12を追加した鍛造工程10と、
(ロ)ロール加工を廃止または低減した加工工程20と、
からなる。
【0008】
クランクシャフトの鍛造工程10は、通常の熱間鍛造工程11と、熱間鍛造工程11に追加された放冷後のコイニング工程12とからなる。
通常の熱間鍛造工程11では、従来と同様、丸棒1の素材を荒打ち11a、仕上げ打ち11b、バリ抜き11c、熱間コイニング11dが行われてクランクシャフト鍛造後素材2とされる。熱間鍛造は1000〜1200℃程度で行われる。ついで、放冷11eされる。従来は放冷後加工工程に搬送されて高周波焼入れ・低温焼もどし、ロール加工が施されていたが、本発明では、鍛造工程で、放冷11e後、クランクシャフトのピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6に対応する型部位に突起7を設けた型8(熱間鍛造の熱間コイニングで用いた型に準じる成形部の形状、寸法をもつ型に突起7を形成したプレス型)を用いて、クランクシャフト鍛造後素材2のつなぎ部6をコイニングする冷間コイニングが行われる。冷間コイニングは常温で行われる。なお、冷間コイニング後の形状も考慮し、初期の熱間鍛造型も設計する。
【0009】
冷間コイニング工程12は、加工工程20ではなく、鍛造工程10に追加される。冷間コイニングによりつなぎ部6に加工硬化を施すことができる。冷間コイニング工程12が鍛造工程10に追加されることにより、加工工程で従来行われていたロール工程は廃止されるか、または低減される。
【0010】
冷間コイニング工程12の前、または後に、必要に応じて、クランクシャフト鍛造後素材2のピン3およびジャーナル4の表面部に、高周波加熱、急冷による高周波焼入れ・焼もどしを施してもよい。ただし、高周波焼入れ・焼もどしは必須ではない。冷間コイニング工程12の前に高周波焼入れ・焼もどしを行う場合は、高周波焼入れ・焼もどしは鍛造工程10で行われ、冷間コイニング工程12の後に高周波焼入れ・焼もどしを行う場合は、高周波焼入れ・焼もどしは加工工程20かまたは鍛造工程10で行われる。
【0011】
冷間コイニング工程12では、突起7を、クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aに対応する型部位とクランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bに対応する型部位に設けた型8を用いて、つなぎ部6を周方向に部分的にコイニングする。クランクシャフトのつなぎ部6のうち冷間コイニングされた部分は、加工硬化され、強度、硬さが増大される。熱間のままコインニングしても加工硬化は生じないが、冷間コイニングのためコイニング部は加工硬化する。
クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aと、クランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bは、クランクシャフトに曲げ荷重がかかった時に引っ張り応力が生じる部位であり、その部分の強度、硬さが冷間コイニングにより増大される。なお、冷間コイニングは、つなぎ部6だけでなくピン3の内側部の全長、ジャーナル4の外側部の全長にも施されてもよい。
【0012】
つぎに、本発明の作用を説明する。
本発明のクランクシャフトの製造法では、鍛造工程10に、放冷後に冷間コイニング工程12を追加し、ピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6を常温において突起7を形成した型8で700〜800トンでプレスすることにより、加工率で20%程度、コイニングする。この冷間コイニングにより、つなぎ部6を加工硬化させることができ、クランクシャフトのつなぎ部(フィレットR部)の曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、従来必要であった、加工工程20でのロール加工を廃止することができるか、または、ロール加工を従来に比べて低減することができる。ロール加工の廃止により、ロール加工の設備が不要となり、また、ロール加工時間が不要となり、クランクシャフトの製造費を低減することができる。
【0013】
また、本発明のクランクシャフトの製造法では、クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aに対応する型部位とクランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bに対応する型部位に突起7を設けた型8を用いてつなぎ部6を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部6のうち、曲げ荷重がかかった時に主に引っ張り応力が生じる部分のみに加工硬化を施すことができる。その結果、つなぎ部6の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化、すなわち、つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に圧縮応力が生じる部分の加工硬化を除去できる。しかも、型によるコイニングのため、ロール加工に比べて加工硬化に要する時間と作業量を大幅に短縮することができる。
クランクシャフトの疲労強度の向上により、ピン、ジャーナル径の細径化が可能になり、内燃機関の軽量化、フリクションロスの低減、燃費の向上が得られる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1のクランクシャフトの製造法によれば、鍛造工程に、放冷後に冷間コイニング工程を追加し、ピンおよびジャーナルと、ウエッブとのつなぎ部をコイニングするので、つなぎ部を加工硬化させることができ、クランクシャフトの曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、加工工程でのロール加工を廃止または低減することができる。
請求項2のクランクシャフトの製造法によれば、突起をクランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、つなぎ部を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランクシャフトの製造法の工程図である。
【図2】本発明のクランクシャフトの製造法の冷間コイニングで用いるプレス型(上下型のうち下型を示す)の斜視図である。
【図3】図2のプレス型のA−A断面図である。
【図4】従来のクランクシャフトの製造法の工程図である。
【符号の説明】
1 丸棒
2 クランクシャフト鍛造後素材
10 鍛造工程
11 通常の熱間鍛造工程
11a 荒打ち
11b 仕上げ打ち
11c バリ抜き
11d 熱間コイニング
11e 放冷
12 放冷後のコイニング工程
20 加工工程
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のクランクシャフトの製造法に関し、とくにクランクシャフトのピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部の疲労強度を向上できるクランクシャフトの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平2000−337345号公報は、従来の内燃機関のクランクシャフトの製造方法を示している。
従来、内燃機関のクランクシャフトは、図4に示すように、
(イ)鍛造工程10において、素材を熱間鍛造し(熱間鍛造は、丸棒の荒打ち、仕上げ打ち、バリ抜き、熱間コイニングを含む)、放冷後、
(ロ)加工工程20において、ピン、ジャーナル、およびピン、ジャーナルとウエッブとのつなぎ部に、必要に応じて高周波焼入れ・低温焼もどしを行い、ついで、つなぎ部のフィレット部全周にロール加工21を施して製造していた。
高周波焼入れ・低温焼もどしによる硬さ向上、ロール加工によるピン、ジャーナルとウエッブとのつなぎ部に生じる残留歪により、クランクシャフトの曲げ疲労強度が向上していた。
【0003】
【特許文献1】
特開平2000−337345号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術にはつぎの問題がある。
加工工程においてロール加工を施すことは、加工設備を必要とし、かつ加工に時間を要するので、クランクシャフトの製造費を高くしていた。また、ロール加工は、つなぎ部の全周に施していたため、曲げ荷重がかかった時に圧縮応力がかかる部位にも加工硬化を入れており、無駄な部位にも加工を施していた。
本発明の目的は、加工工程におけるロール加工を不要とするかまたは低減できるクランクシャフトの製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明はつぎの通りである。
(1) クランクシャフトの鍛造工程に、放冷後、クランクシャフトのピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部に対応する型部位に突起を設けた型を用いて、前記つなぎ部をコイニングする冷間コイニング工程を追加したクランクシャフトの製造法。
(2) 前記突起を、クランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、前記つなぎ部を周方向に部分的にコイニングする(1)記載のクランクシャフトの製造法。
【0006】
上記(1)のクランクシャフトの製造法では、鍛造工程に、放冷後に冷間コイニング工程を追加し、ピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部をコイニングするので、つなぎ部を加工硬化させることができ、クランクシャフトの曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、加工工程でのロール加工を廃止または低減することができる。
上記(2)のクランクシャフトの製造法では、突起をクランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、つなぎ部を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に引っ張り応力が生じる部分のみに加工硬化を施すことができ、つなぎ部の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化(つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に圧縮応力が生じる部分の加工硬化)を除去できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明のクランクシャフトの製造法を図1〜図3を参照して説明する。
図1〜図3に示すように、本発明のクランクシャフトの製造法は、
(イ)放冷後コイニング工程12を追加した鍛造工程10と、
(ロ)ロール加工を廃止または低減した加工工程20と、
からなる。
【0008】
クランクシャフトの鍛造工程10は、通常の熱間鍛造工程11と、熱間鍛造工程11に追加された放冷後のコイニング工程12とからなる。
通常の熱間鍛造工程11では、従来と同様、丸棒1の素材を荒打ち11a、仕上げ打ち11b、バリ抜き11c、熱間コイニング11dが行われてクランクシャフト鍛造後素材2とされる。熱間鍛造は1000〜1200℃程度で行われる。ついで、放冷11eされる。従来は放冷後加工工程に搬送されて高周波焼入れ・低温焼もどし、ロール加工が施されていたが、本発明では、鍛造工程で、放冷11e後、クランクシャフトのピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6に対応する型部位に突起7を設けた型8(熱間鍛造の熱間コイニングで用いた型に準じる成形部の形状、寸法をもつ型に突起7を形成したプレス型)を用いて、クランクシャフト鍛造後素材2のつなぎ部6をコイニングする冷間コイニングが行われる。冷間コイニングは常温で行われる。なお、冷間コイニング後の形状も考慮し、初期の熱間鍛造型も設計する。
【0009】
冷間コイニング工程12は、加工工程20ではなく、鍛造工程10に追加される。冷間コイニングによりつなぎ部6に加工硬化を施すことができる。冷間コイニング工程12が鍛造工程10に追加されることにより、加工工程で従来行われていたロール工程は廃止されるか、または低減される。
【0010】
冷間コイニング工程12の前、または後に、必要に応じて、クランクシャフト鍛造後素材2のピン3およびジャーナル4の表面部に、高周波加熱、急冷による高周波焼入れ・焼もどしを施してもよい。ただし、高周波焼入れ・焼もどしは必須ではない。冷間コイニング工程12の前に高周波焼入れ・焼もどしを行う場合は、高周波焼入れ・焼もどしは鍛造工程10で行われ、冷間コイニング工程12の後に高周波焼入れ・焼もどしを行う場合は、高周波焼入れ・焼もどしは加工工程20かまたは鍛造工程10で行われる。
【0011】
冷間コイニング工程12では、突起7を、クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aに対応する型部位とクランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bに対応する型部位に設けた型8を用いて、つなぎ部6を周方向に部分的にコイニングする。クランクシャフトのつなぎ部6のうち冷間コイニングされた部分は、加工硬化され、強度、硬さが増大される。熱間のままコインニングしても加工硬化は生じないが、冷間コイニングのためコイニング部は加工硬化する。
クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aと、クランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bは、クランクシャフトに曲げ荷重がかかった時に引っ張り応力が生じる部位であり、その部分の強度、硬さが冷間コイニングにより増大される。なお、冷間コイニングは、つなぎ部6だけでなくピン3の内側部の全長、ジャーナル4の外側部の全長にも施されてもよい。
【0012】
つぎに、本発明の作用を説明する。
本発明のクランクシャフトの製造法では、鍛造工程10に、放冷後に冷間コイニング工程12を追加し、ピン3およびジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6を常温において突起7を形成した型8で700〜800トンでプレスすることにより、加工率で20%程度、コイニングする。この冷間コイニングにより、つなぎ部6を加工硬化させることができ、クランクシャフトのつなぎ部(フィレットR部)の曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、従来必要であった、加工工程20でのロール加工を廃止することができるか、または、ロール加工を従来に比べて低減することができる。ロール加工の廃止により、ロール加工の設備が不要となり、また、ロール加工時間が不要となり、クランクシャフトの製造費を低減することができる。
【0013】
また、本発明のクランクシャフトの製造法では、クランクシャフトのピン3とウエッブ5とのつなぎ部6の内側6aに対応する型部位とクランクシャフトのジャーナル4とウエッブ5とのつなぎ部6の外側6bに対応する型部位に突起7を設けた型8を用いてつなぎ部6を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部6のうち、曲げ荷重がかかった時に主に引っ張り応力が生じる部分のみに加工硬化を施すことができる。その結果、つなぎ部6の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化、すなわち、つなぎ部のうち曲げ荷重がかかった時に主に圧縮応力が生じる部分の加工硬化を除去できる。しかも、型によるコイニングのため、ロール加工に比べて加工硬化に要する時間と作業量を大幅に短縮することができる。
クランクシャフトの疲労強度の向上により、ピン、ジャーナル径の細径化が可能になり、内燃機関の軽量化、フリクションロスの低減、燃費の向上が得られる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1のクランクシャフトの製造法によれば、鍛造工程に、放冷後に冷間コイニング工程を追加し、ピンおよびジャーナルと、ウエッブとのつなぎ部をコイニングするので、つなぎ部を加工硬化させることができ、クランクシャフトの曲げ疲労強度を向上させることができる。その結果、加工工程でのロール加工を廃止または低減することができる。
請求項2のクランクシャフトの製造法によれば、突起をクランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、つなぎ部を周方向に部分的にコイニングするので、つなぎ部の全周に加工硬化を施していた従来に比べて、無駄な加工硬化を除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクランクシャフトの製造法の工程図である。
【図2】本発明のクランクシャフトの製造法の冷間コイニングで用いるプレス型(上下型のうち下型を示す)の斜視図である。
【図3】図2のプレス型のA−A断面図である。
【図4】従来のクランクシャフトの製造法の工程図である。
【符号の説明】
1 丸棒
2 クランクシャフト鍛造後素材
10 鍛造工程
11 通常の熱間鍛造工程
11a 荒打ち
11b 仕上げ打ち
11c バリ抜き
11d 熱間コイニング
11e 放冷
12 放冷後のコイニング工程
20 加工工程
Claims (2)
- クランクシャフトの鍛造工程に、放冷後、クランクシャフトのピンおよびジャーナルとウエッブとのつなぎ部に対応する型部位に突起を設けた型を用いて、前記つなぎ部をコイニングする冷間コイニング工程を追加したクランクシャフトの製造法。
- 前記突起を、クランクシャフトのピンとウエッブとのつなぎ部の内側に対応する型部位とクランクシャフトのジャーナルとウエッブとのつなぎ部の外側に対応する型部位に設けた型を用いて、前記つなぎ部を周方向に部分的にコイニングする請求項1記載のクランクシャフトの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035854A JP2004243373A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | クランクシャフトの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003035854A JP2004243373A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | クランクシャフトの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004243373A true JP2004243373A (ja) | 2004-09-02 |
Family
ID=33021122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003035854A Pending JP2004243373A (ja) | 2003-02-14 | 2003-02-14 | クランクシャフトの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004243373A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1983487A2 (en) | 2007-04-12 | 2008-10-22 | FUJIFILM Corporation | Projection image generation apparatus and method and computer-readable recording medium |
US10300523B2 (en) | 2014-03-20 | 2019-05-28 | Honda Motor Co., Ltd. | Crankshaft and method of strengthening shaft component |
-
2003
- 2003-02-14 JP JP2003035854A patent/JP2004243373A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1983487A2 (en) | 2007-04-12 | 2008-10-22 | FUJIFILM Corporation | Projection image generation apparatus and method and computer-readable recording medium |
US10300523B2 (en) | 2014-03-20 | 2019-05-28 | Honda Motor Co., Ltd. | Crankshaft and method of strengthening shaft component |
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