JP2004242204A - 衝突回避無線パケット通信システム - Google Patents

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Kazumasa Saito
一賢 齋藤
Yasuhiko Inoue
保彦 井上
Takeo Ichikawa
武男 市川
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Abstract

【課題】各無線局が同一の乱数値を発生させる確率を低減し、パケットの衝突を回避してスループットを向上させる。
【解決手段】送信バッファ内にデータパケットが2以上存在するときに、2番目のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する乱数値を1番目のデータパケットの送信時に発生させ、その乱数値を1番目のデータパケットに書き込む乱数発生手段と、1番目のデータパケットに対するACKパケットを無線基地局から受信し、そのACKパケット内に書き込まれた乱数値(無線基地局でスケジューリング)を読み込んで2番目のデータパケット送信時のバックオフ制御に使用する乱数値決定手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、各無線局がパケットの送信に先立ってキャリア検出を行い、さらにバックオフ制御により自律的に送信の可否を判断するとともに、パケットの衝突を許容して無線パケット通信を行う無線パケット通信システムにおいて、パケットの衝突を最小限に抑える衝突回避無線パケット通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明の対象となる無線パケット通信システムの代表的なものとして、IEEE 802.11 (”Wireless LAN Medium Access Control(MAC) and Physical Layer(PHY) specifications”, IEEE std 802.11, 1999)で規定されている無線LANシステムがある。以下の説明では、この規定をIEEE 802.11 規格という。
【0003】
IEEE 802.11 規格では、各無線局がキャリアを検出しながら無線局間でパケットの衝突が生じないようにパケットを送信するCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance) が無線アクセス制御法として規定されている。IEEE 802.11 規格の無線アクセス制御を用いた従来の衝突回避方法について、図17を参照して説明する。
【0004】
図17において、無線基地局100と配下の無線端末201,202,203は、その間でデータパケットの送受信を行う。無線基地局100および無線端末201〜203は所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機し、衝突回避期間(Contention Window:CW)Tcwがそれぞれランダムに与えられる。この衝突回避期間Tcwの決定にあたり、無線基地局および無線端末の全体のルールとして、送信するデータパケットを有する無線基地局および無線端末は0以上の所定の範囲の整数が一様分布する乱数を発生させる。そして得られた乱数値に、衝突回避期間の単位時間(スロットタイム)tを掛けて衝突回避期間Tcwを決定する。ここでは、衝突回避期間Tcwとして、無線端末201に2×t、無線端末202に6×t、無線端末203に5×tが与えられているものとする。
【0005】
無線端末201の衝突回避期間Tcwが他の無線端末202,203に比べて短いために、無線端末201の衝突回避期間Tcw(2t)経過後に、無線端末201から無線基地局100にデータDが送信される。このとき、無線端末202,203のデータ送信は延期され、次回の衝突回避期間Tcwはそれぞれ2tを減じた4t,3tとなる。無線基地局100は受信したデータDに対する肯定応答(ACK)パケットAを無線端末201に送信し、無線端末201がそれを受信する。その後、無線基地局100および無線端末201〜203は、所定時間Td を経過するまで待機する。
【0006】
次に、無線端末201は新たに乱数値「5」を発生し、衝突回避期間Tcwとして5tが与えられる。したがって、無線端末203の衝突回避期間Tcwが他の無線端末201,202に比べて短くなるために、無線端末203の衝突回避期間Tcw(3t)経過後に、無線端末203から無線基地局100にデータDが送信される。このとき、無線端末201,202のデータ送信は延期される。以下同様である。
【0007】
このように、所定時間Td (DIFS)経過後の待ち時間となるランダムな衝突回避期間Tcwは、同時に送信しようとする無線局間のデータパケットの衝突の確率を低減させる操作である。すなわち、送信するデータを有する無線基地局および無線端末は、データ送信前にそれぞれ乱数によって得られた異なる衝突回避期間Tcwの待機を行うバックオフ制御により、同時送信を回避してパケットの衝突を防ぐことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、各無線局がパケットの送信に先立ってキャリア検出を行い、さらにバックオフ制御を自律的に行うことにより、パケットの衝突確率を低減させていた。しかし、各無線局はバックオフ制御において自律的に乱数を発生させるため、同一の数値を発生させる可能性もあり、その結果パケットの衝突が起きることがある。CSMA/CAではパケットの衝突を許容しており、衝突が発生した場合にそのパケットを送信した無線基地局または無線端末は、2進指数バックオフ手順に従って乱数の発生範囲を広げ、次回のパケット送信時に再度パケットの衝突が起こらないようにする。なお、2進指数バックオフ手順とは、衝突の回数nに応じて、発生させる乱数の最大値CWを
CW=2×(CWmin +1)−1
に従って変える手順である。ここで、CWmin は新規のパケット送信時に発生させる乱数の最大値である。
【0009】
図18は、複数の無線局が同一の乱数値を発生させ、パケットの衝突が起きたときのCSMA/CA制御の例を示す。まず、無線端末201が無線基地局100へデータDを送信し、無線基地局100は受信したデータDに対するACKパケットAを送信し、無線端末201に受信されると、無線基地局100および無線端末201〜203は、所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機する。
【0010】
その後、送信データを有する無線端末202,203はバックオフ制御に入る。図18に示す例では、無線端末202,203は、それぞれ0〜15の範囲で一様分布する整数から乱数を発生させるが、その値が共に3の場合である。すなわち、衝突回避期間Tcwは共に3tとなり、同時にデータパケットを送信して衝突が起こる。その結果、無線端末202,203は次の衝突回避期間Tcwを決めるに当たり、0〜31の範囲で一様分布する整数から乱数を発生させ、それぞれ5,10を得る。これにより、無線端末201,202は、次のデータ送信時には衝突を起こすことなく、データ送信を完了させることができる。
【0011】
このように、従来のCSMA/CA制御では、同一の乱数値が発生したことにより生ずる衝突は、次のバックオフ制御で乱数の発生範囲を広げることにより、複数の無線局が同一の乱数値を発生させる確率を低減し、衝突確率を低減させていた。
【0012】
しかし、無線局の数が少ない場合には、図18に示すように複数の無線局が同一の乱数値を発生させる確率は少ないが、無線局数が増えるに従ってこの確率が高くなる。それによってパケットの衝突確率が増加し、無線チャネルのスループットが低下する問題がある。
【0013】
本発明は、各無線局が同一の乱数値を発生させる確率を低減し、パケットの衝突を回避してスループットを向上させることができる衝突回避無線パケット通信システムを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線端末は、送信バッファ内にデータパケットが2以上存在するときに、2番目のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する乱数値を1番目のデータパケットの送信時に発生させ、その乱数値を1番目のデータパケットに書き込む乱数発生手段と、1番目のデータパケットに対するACKパケットを無線基地局から受信し、そのACKパケット内に書き込まれた乱数値を読み込んで2番目のデータパケット送信時のバックオフ制御に使用する乱数値決定手段とを備える。
【0015】
請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局は、送信待機状態の全無線端末とそれぞれのバックオフ制御で使用する乱数値を対応させ、かつバックオフ制御に応じて減算する乱数値をリアルタイムで管理する乱数値管理手段と、無線端末から送信された1番目のデータパケットに記述された2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rを読み込み、その乱数値Rが乱数値管理手段に記述されていれば記述されている乱数値の最大値Pを超える値Xを、記述されていなければその値Rを1番目のデータパケットに対するACKパケットに書き込み、かつ値XまたはRをその無線端末に対応する乱数値として乱数値管理手段に記述する乱数値変更手段とを備える。
【0016】
これにより、無線基地局では配下の各無線端末が次のバックオフ制御に使用する乱数値を収集管理し、乱数値が重複する場合には異なる乱数値を無線端末に通知して変更させるスケジューリングを行うことができるので、無線端末から送信されるデータパケットが衝突する確率を低減することができる。
【0017】
請求項2に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線端末は、乱数発生手段で発生させた乱数値Rを記憶する乱数値記憶手段を備え、乱数値決定手段は、ACKパケットが所定期間内に受信されないときに、乱数値記憶手段に記憶された乱数値を2番目のデータパケット送信時のバックオフ制御に使用する構成である。
【0018】
請求項3に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局の乱数値変更手段は、2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが乱数値管理手段に記述されていれば、X=P+1とする。これにより、乱数値Rを変更する場合でも最小の値に設定することができ、バックオフ制御における衝突回避期間を短くすることができる。
【0019】
請求項4に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局の乱数値変更手段は、無線基地局の送信バッファ量が所定値K未満であり、かつ2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが乱数値管理手段に記述されていればX=P+1とし、送信バッファ量が所定値K以上であり、かつ乱数値Rが乱数値管理手段に記述されていれば、送信バッファ量に応じた値M(≧2)を用いてX=P+Mとする。
【0020】
これにより、無線基地局の送信バッファ量に応じて、無線端末のバックオフ制御における衝突回避期間を調整することができる。特に、送信バッファ量が多くなった場合には、無線端末の乱数値を大きくすることにより無線基地局のデータ送信機会を増やすことができる。
【0021】
請求項5に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局の乱数値変更手段は、2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが乱数値管理手段に記述されている乱数値の最大値Pより2以上大きい場合に、ACKパケットに書き込む値および乱数値管理手段に記述する値をRからP+1に変更する構成である。これにより、未使用の乱数値Rであっても、大きすぎる値の場合には最小の値に設定することができ、バックオフ制御における衝突回避期間を短くすることができる。
【0022】
請求項6に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局のバックオフ制御手段は、無線端末へ送信するデータパケットを有する場合に、乱数値管理手段に記述されていない乱数値(空き乱数値)の中の最小値をデータパケット送信時のバックオフ制御の乱数値として使用する構成である。これにより、無線基地局におけるバックオフ制御のスケジューリングが可能になる。
【0023】
請求項7に記載の衝突回避無線パケット通信システムの無線基地局は、乱数値管理手段に記述されている無線端末と乱数値との関係を制御パケットに書き込み、所定の周期で各無線端末へ同報する手段を備え、無線端末のバックオフ制御手段および乱数発生手段は、制御パケット内に記述されている乱数値以外の乱数値を用いる構成である。これにより、無線基地局と無線端末との間で、バックオフ制御の自律的なスケジューリングが可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態:請求項1,3)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第1の実施形態について、図1〜図7を参照して説明する。
【0025】
図1は、第1の実施形態の無線端末の構成例を示す。図1において、無線端末は、無線送受信処理部210、アクセス制御部220、上位レイヤ送受信処理部230およびアンテナ240から構成される。なお、実線矢印は受信信号および送信信号の流れ、破線矢印は制御信号の流れを表す。
【0026】
送信信号は、上位レイヤ送受信処理部230からアクセス制御部220の送信バッファ228に入力され、さらに無線送受信処理部210を介してアンテナ240から送信される。受信信号は、アンテナ240から無線送受信処理部210を介して受信バッファ226に入力され、受信バッファ226から上位レイヤ送受信処理部230に送出される。また、アクセス制御部220には、キャリアを検出するキャリア検出部221およびパケットの衝突回避のためのバックオフ制御を行うバックオフ制御部222、ACKパケットを受信するACK受信部227、ACKパケットを送信するACK送信部229が備えられ、CSMA/CAをベースに自律的に送信の可否を判断してパケットの送信制御を行う。
【0027】
ここで、本実施形態の無線端末の特徴は、送信バッファ228に2つ以上のデータパケットが存在する場合に、先頭から2番目のデータパケットを送信する際の乱数値Rを発生させ、その乱数値Rを先頭のデータパケットに書き込む乱数値発生部223と、乱数値Rを書き込んで送信されたデータパケットに対するACKパケットに記述された乱数値RまたはXを読み取り、次のデータパケットの送信時のバックオフ制御に用いる乱数値としてバックオフ制御部222に与える乱数値決定部225を備えるところにある。
【0028】
図2は、第1の実施形態の無線基地局の構成例を示す。図2において、無線基地局は、無線送受信処理部110、アクセス制御部120、上位レイヤ送受信処理部130およびアンテナ140から構成される。なお、実線矢印は受信信号および送信信号の流れ、破線矢印は制御信号の流れを表す。
【0029】
送信信号は、上位レイヤ送受信処理部130からアクセス制御部120の送信バッファ128に入力され、さらに無線送受信処理部110を介してアンテナ140から送信される。受信信号は、アンテナ140から無線送受信処理部110を介して受信バッファ127に入力され、さらに上位レイヤ送受信処理部130に送出される。また、アクセス制御部120には、キャリアを検出するキャリア検出部121、パケットの衝突回避のためのバックオフ制御を行うバックオフ制御部122、ACKパケットを送信するACK送信部126、ACKパケットを受信するACK受信部129が備えられ、CSMA/CAをベースに自律的に送信の可否を判断してパケットの送信制御を行う。
【0030】
ここで、本実施形態の無線基地局の特徴は、バックオフ制御による減算値をカウントする乱数値カウンタ123と、乱数値カウンタ123のカウント値をもとに送信待機状態にある無線端末の乱数値をリアルタイムで管理する乱数値管理部125と、受信したデータパケットに書き込まれた乱数値Rが乱数値管理部125に記述されているか否かを判断し、記述されていなければその乱数値Rを、すでに記述されていれば乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pを超える値Xを決定し、受信したデータパケットに対するACKパケットに書き込むとともに、乱数値管理部125に記述する乱数値変更部124を備えるところにある。
【0031】
以下、第1の実施形態における無線基地局および無線端末の制御手順、さらに具体的な衝突回避例について説明する。
【0032】
図3および図4は、第1の実施形態の無線端末の制御手順を示す。図1,3において、無線端末は、送信バッファ228にデータパケットが存在するか否かを判断し(S001)、存在する場合にキャリア検出部221でキャリア検出を開始する(S002)。ここで、送信に使用する無線チャネル上の電波の有無または受信電力を検知し、それに応じて他の無線局から送信された電波の有無を確認し、送信に使用する無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、未使用の状態が所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機する(S003, S004)。その後、バックオフ制御部222におけるバックオフ制御を開始する(S005)。
【0033】
ここで、バックオフ制御に使用する乱数値が決まっている場合にはその乱数値を用い、乱数値が決まっていない場合には新規に乱数値Lを発生させ(S006, S007) 、バックオフ制御の単位時間tのタイマをスタートさせる(S008)。その後、無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、単位時間tが経過するごとに乱数値が0になるまで1つずつ減算していく(S009,S010,S011,S012)。なお、ステップS003のキャリア検出およびステップS009のバックオフ制御の待機中に無線チャネルが使用中になった場合には、ステップS002のキャリア検出に戻る。ここまでは、従来のキャリア検出およびバックオフ制御と同様である。
【0034】
次に、ステップS012で乱数値が0になってバックオフ制御が終了すると、図4に示すように、送信バッファ228にデータパケットが2つ以上存在するか否かを判断する(S013)。2つ以上存在する場合には、乱数値発生部223で2番目のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する乱数値Rを発生させ(S014)、その乱数値Rを1番目のデータパケットに書き込み(S015)、乱数値Rを含むデータパケットを送信する(S016)。一方、送信バッファ228にデータパケットが1つしかない場合には、そのデータパケットをそのまま送信する(S013,S016)。そして、送信したデータパケットに対するACKパケットを受信するためのACKタイマをスタートさせ、ACKタイムアウトする前にACKパケットを受信するか否かを監視する(S017,S018)。ここで、ACKタイムアウトする前にACKパケットを受信しなかった場合は、ステップS002のキャリア検出に戻る。一方、ACKパケットを受信した場合は、乱数値決定部225でACKパケット内に書き込まれた乱数値RまたはXを読み込み(S019)、その乱数値RまたはXを次回のバックオフ制御の乱数値とし(S020)、ステップS001に戻る。
【0035】
図5および図6は、第1の実施形態の無線基地局の制御手順を示す。図2,5において、無線基地局は、乱数値管理部125に送信待機状態の全無線端末とそれぞれのバックオフ制御で使用する乱数値の対応が記述されているか否かを判断し(S101)、記述されている場合にはキャリア検出部121でキャリア検出を開始する(S102)。そして、無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、未使用の状態が所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機する(S103,S104)。その後、バックオフ制御部122におけるバックオフ制御を開始し(S105)、バックオフ制御の単位時間tのタイマをスタートさせる(S106)。その後、無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、乱数値カウンタ123で無線チャネルが使用中になるまで経過した時間を単位時間tごとにカウントし、そのカウント値をSとする(S107,S108,S109)。
【0036】
ステップS103またはS107で無線チャネルが使用中になると、乱数値管理部125に記述されている各無線端末に対応する乱数値からカウント値Sだけ減算し(S111)、乱数値カウンタ123のカウント値Sを0にリセットする(S112)。次に、受信パケットが自局(無線基地局)宛であるか否かを判断し(S113)、自局宛でなければステップS101に戻る。また、ステップS101で乱数値管理部125に記述がない場合は、無線チャネルが使用中になるか否かを監視し(S110)、使用中でなければステップS101に戻り、使用中になればその受信パケットが自局(無線基地局)宛であるか否かを判断し(S113)、自局宛でなければステップS101に戻る。
【0037】
ステップS113で受信パケットが自局宛であれば、図6に示すように、受信パケット内に乱数値Rが含まれているか否かを判断し(S114)、含まれていない場合はACKパケットを送信元の無線端末へ送信し(S121)、ステップS101に戻る。一方、受信パケット内に乱数値Rが含まれていれば、乱数値変更部124はその乱数値Rが乱数値管理部125に記述されているか否かを判断する(S115)。乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていれば、記述されている乱数値の最大値Pを超える値X(例えばX=P+1)を決め(S116)、送信元の無線端末に対応する乱数値Xとして乱数値管理部125に記述し(S117)、その乱数値XをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S118)、ステップS101に戻る。これにより、送信元の無線端末は、次のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する予定の乱数値Rに対して、乱数値管理部125に未記述の乱数値XがACKパケットにより通知され、図4のステップS020でその乱数値Xがバックオフ制御に使用される。
【0038】
一方、ステップS115で乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていなければ、送信元の無線端末に対応する乱数値Rとして乱数値管理部125に記述し(S119)、その乱数値RをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S120)、ステップS101に戻る。これにより、送信元の無線端末は、次のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する予定の乱数値Rに対して、同じ乱数値RがACKパケットにより通知され、図4のステップS020でその乱数値Rがそのままバックオフ制御に使用される。
【0039】
以上示した無線基地局および無線端末の構成および制御手順による具体的な衝突回避例を図7に示す。
【0040】
図7において、D1〜D3はデータパケット、A1〜A3はACKパケットを示す。ここで、無線端末201〜203がそれぞれ送信バッファにデータパケットを有しており、バックオフ制御に使用する乱数値として「2」、「6」、「5」がすでに設定され、無線基地局100の乱数値管理部125に記述されているものとする(図7(a))。
【0041】
無線端末201〜203は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御において最小の乱数値「2」を有する無線端末201が衝突回避期間Tcwとして2t経過後にデータパケットD1を無線基地局100に送信する。このとき、無線端末201の送信バッファ内にはもう一つのデータパケットD4が存在するものとする。このため、データパケットD1内には、データパケットD4送信時のバックオフ制御に使用する乱数値Rとして、ここでは「4」が書き込まれる(以上、図3,4のS001〜S016)。
【0042】
一方、無線基地局100は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御中に無線端末201から送信されたデータパケットD1が受信される。このとき、乱数値カウンタ123ではカウント値Sとして無線端末201の乱数値「2」をカウントしており、乱数値管理部125に記述されている乱数値からそれぞれ「2」を減算し、無線端末202の乱数値が「6」から「4」、無線端末203の乱数値が「5」から「3」に書き換えられる(以上、図5のS101〜S111)。このとき、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pは「4」となる(図7(b))。
【0043】
さらに、乱数値R=4が書き込まれたデータパケットD1を受信した無線基地局100は、その乱数値「4」が乱数値管理部125に記述されていることから、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値P=4を超える値Xとして、ここではX=P+1、すなわち「5」を決定する(請求項3に対応)。そして、無線端末201の乱数値として「5」を乱数値管理部125に記述するとともに(図7(c))、データパケットD1のACKパケットA1に書き込んで送信する(以上、図5,6のS113〜S118)。なお、XはP+1に限らず、XはPを超える値であればよい。
【0044】
無線端末201はこのACKパケットA1を受信すると、ACKパケットA1に書き込まれた乱数値「5」を読み取り、データパケットD4を送信する際のバックオフ制御に用いる乱数値Rが「4」から「5」に変更されたことを知り、次回のバックオフ制御では乱数値「5」を使用する(以上、図4のS016〜S020)。
【0045】
その後、無線端末201〜203は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御において最小の乱数値「3」を有する無線端末203が衝突回避期間Tcwとして3t経過後にデータパケットD2を無線基地局100に送信する。このとき、無線端末203の送信バッファ内にはもう一つのデータパケットD5が存在するものとする。このため、データパケットD2内には、データパケットD5送信時のバックオフ制御に使用する乱数値Rとして、ここでは「6」が書き込まれる(以上、図3,4のS001〜S016)。
【0046】
一方、無線基地局100は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御中に無線端末203から送信されたデータパケットD2が受信される。このとき、乱数値カウンタ123ではカウント値Sとして無線端末203の乱数値「3」をカウントしており、乱数値管理部125に記述されている乱数値からそれぞれ「3」を減算し、無線端末201の乱数値が「5」から「2」、無線端末202の乱数値が「4」から「1」に書き換えられる(以上、図5のS101〜S111)。このとき、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pは「2」となる(図7(d))。
【0047】
さらに、乱数値R=6が書き込まれたデータパケットD2を受信した無線基地局100は、その乱数値「6」が乱数値管理部125に記述されていないことから、無線端末203の乱数値として「6」を乱数値管理部125に記述するとともに(図7(e))、データパケットD2のACKパケットA2に書き込んで送信する(以上、図5,6のS113〜S115、S119〜S120)。
【0048】
無線端末203はこのACKパケットA2を受信すると、ACKパケットA2に書き込まれた乱数値「6」を読み取り、データパケットD5を送信する際のバックオフ制御に用いる乱数値Rが「6」のまま変更されていないので、次回のバックオフ制御では乱数値「6」を使用する(以上、図4のS016〜S020)。
【0049】
(第2の実施形態:請求項2)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第2の実施形態について、図8〜図9を参照して説明する。
【0050】
第1の実施形態では、無線端末はACKパケットに書き込まれた乱数値RまたはXをそのまま次回のバックオフ制御の乱数値として用いる構成であったが、本実施形態では無線端末で次回用に発生させた乱数値Rを記憶しておき、ACKパケットを受信できない場合に対応するものである。
【0051】
図8は、第2の実施形態の無線端末の構成例を示す。図8において、無線端末は図1の無線端末の構成に加えて、乱数値発生部223で発生させた乱数値を記憶する乱数値記憶部224を備え、乱数値決定部225は乱数値を記述して送信されたデータパケットに対するACKパケットが受信できない場合に、乱数値記憶部224に記憶された乱数値を次のデータパケットの送信時のバックオフ制御に用いる乱数値としてバックオフ制御部222に与える構成とする。
【0052】
図9は、第2の実施形態の無線端末の制御手順(要部)を示す。図9における本実施形態の制御手順は、図3のステップS001からステップS012までは同じであるの省略しており、図4に示す制御手順(その2)に代わるものであり、ステップS201〜S202が追加になっている。
【0053】
送信バッファ228にデータパケットが2つ以上存在する場合には、乱数値発生部223で2番目のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する乱数値Rを発生させ(S014)、その乱数値Rを1番目のデータパケットに書き込む(S015)。さらに、その乱数値Rを乱数値記憶部224に記憶し(S201)、乱数値Rを含むデータパケットを送信する(S016)。そして、送信したデータパケットに対するACKパケットを受信するためのACKタイマをスタートさせ、ACKタイムアウトする前にACKパケットを受信するか否かを監視する(S017,S018)。
【0054】
ここで、ACKタイムアウトする前にACKパケットを受信した場合は、乱数値決定部225でACKパケット内に書き込まれた乱数値RまたはXを読み込み(S019)、その乱数値RまたはXを次回のバックオフ制御の乱数値とし(S020)、ステップS001に戻る。一方、ステップS018でACKタイムアウトする前にACKパケットを受信できなければ、乱数値記憶部224に記憶されている乱数値Rを次回のバックオフ制御の乱数値とし(S202)、ステップS002のキャリア検出に戻る。
【0055】
(第3の実施形態:請求項4)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第3の実施形態について、図10〜図11を参照して説明する。
【0056】
第1の実施形態では、無線端末側から申告された乱数値Rが乱数値管理部125にすでに記述されている場合に、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pを超える値X(例えばX=P+1)を無線端末側に通知していたが、本実施形態では無線基地局の送信バッファ128に蓄積されているデータパケットの量(送信バッファ量)が規定値以上の場合に、その送信バッファ量に応じた大きな値Xを決定し、無線基地局からの送信機会を増やすようにするものである。
【0057】
図10は、第3の実施形態の無線基地局の構成例を示す。図10において、無線基地局は図2の無線基地局の第1の実施形態の構成に、送信バッファ128から乱数値変更部124への制御信号線が追加され、送信バッファ量が通知される構成である。
【0058】
図11は、第3の実施形態の無線基地局の制御手順(要部)を示す。図11における本実施形態の制御手順は、図5の第1の実施形態のステップS101からステップS113までは同じであるの省略しており、図6に示す制御手順(その2)に代わるものであり、ステップS301〜S302が追加されている。
【0059】
受信パケットが自局宛であるときに、受信パケット内に乱数値Rが含まれていれば、乱数値変更部124は送信バッファ128に蓄積されているデータパケットの量(送信バッファ量)が規定値K以上か否かを判断する(S301)。この送信バッファ量が規定値K以上であれば、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pを超える値Xとして、最大値Pに送信バッファ量に応じた値M(M≧2)を加算した値(X=P+M)を決め(S302)、送信元の無線端末に対応する乱数値Xとして乱数値管理部125に記述し(S117)、その乱数値XをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S118)、ステップS101に戻る。
【0060】
一方、この送信バッファ量が規定値K未満であれば、受信パケットに書き込まれた乱数値Rが乱数値管理部125に記述されているか否かを判断する(S115)。乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていれば、記述されている乱数値の最大値Pを超える値X=P+1を決め(S116)、送信元の無線端末に対応する乱数値Xとして乱数値管理部125に記述し(S117)、その乱数値XをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S118)、ステップS101に戻る。また、ステップS115で乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていなければ、送信元の無線端末に対応する乱数値Rとして乱数値管理部125に記述し(S119)、その乱数値RをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S120)、ステップS101に戻る。
【0061】
(第4の実施形態:請求項5)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第4の実施形態について、図12を参照して説明する。
【0062】
第1の実施形態では、無線端末側から申告された乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていない場合に、その乱数値RをそのままACKパケットで無線端末側に通知していたが、本実施形態ではその乱数値Rが乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pを大きく超える場合に、乱数値RがP+1になるように変更するものである。
【0063】
図12は、第4の実施形態の無線基地局の制御手順(要部)を示す。図12における本実施形態の制御手順は、図5の第1の実施形態のステップS101からステップS113までは同じであるの省略しており、図6に示す制御手順(その2)に代わるものであり、ステップS401〜S402が追加になっている。
【0064】
受信パケットが自局宛であるときに、受信パケット内に乱数値Rが含まれていれば(S114)、その乱数値Rが乱数値管理部125に記述されているか否かを判断する(S115)。乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていなければ、乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pを確認し(S401)、乱数値RがP+2以上であるか否かを判断する(S402)。
【0065】
ここで、R≧P+2であれば、乱数値Rが乱数値管理部125に記述されている場合と同様にX=P+1を決め(S116)、送信元の無線端末に対応する乱数値Xとして乱数値管理部125に記述し(S117)、その乱数値XをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S118)、ステップS101に戻る。また、乱数値Rが乱数値管理部125に記述されておらず、かつR≧P+2でなければ(R=P+1を含む)、送信元の無線端末に対応する乱数値Rとして乱数値管理部125に記述し(S119)、その乱数値RをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信し(S120)、ステップS101に戻る。
【0066】
これにより、例えば図7に示す第1の実施形態の衝突回避例において、無線基地局100が無線端末203から乱数値「6」を受け取ったときに、その時点の乱数値管理部125に記述されている乱数値の最大値Pは「2」であるので、乱数値「6」をそのまま無線端末203に返さず、最大値Pに1を加えた乱数値「3」を無線端末203に返すことにより、バックオフ制御における衝突回避期間Tcwの短縮を図ることができる。
【0067】
(第5の実施形態:請求項6)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第5の実施形態について、図13〜図15を参照して説明する。
【0068】
以上示した第1〜第4の実施形態では、無線基地局が配下の無線端末のバックオフ制御における衝突回避期間Tcwをスケジューリングするものであるが、本実施形態ではそのスケジューリングに用いた情報(乱数値管理部125に記述されている乱数値)を、無線基地局自身のバックオフ制御に用いるようにしたものである。
【0069】
図13は、第5の実施形態の無線基地局の構成例を示す。図13において、無線基地局は図2の無線基地局の第1の実施形態の構成に、乱数値管理部125からバックオフ制御部122への制御信号線と、バックオフ制御部122から送信バッファ128への制御信号線が追加された構成である。
【0070】
図14および図15は、第5の実施形態の無線基地局の制御手順を示す。図14および図15における本実施形態の制御手順は、図5および図6の第1の実施形態のステップS101からステップS120は同じであり、さらにステップS501〜S506が追加になっている。
【0071】
図14,15において、無線基地局は、乱数値管理部125に送信待機状態の全無線端末とそれぞれのバックオフ制御で使用する乱数値の対応が記述されている場合に、送信バッファ128にデータパケットがあるか否かを判断し(S101,S501)、データパケットがあればその送信時のバックオフ制御に用いる乱数値として、乱数値管理部125に記述されていない乱数値の最小値Dを決定する(S502)。
【0072】
そして、キャリア検出部121でキャリア検出を開始し(S102)、無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、未使用の状態が所定時間Td (DIFS)を経過後、バックオフ制御部122におけるバックオフ制御を開始し(S103,S104,S105)、バックオフ制御の単位時間tのタイマをスタートさせる(S106)。その後、無線チャネルが使用中になるか否かを監視しながら、乱数値カウンタ123で無線チャネルが使用中になるまで経過した時間を単位時間tごとにカウントし、そのカウント値をSとするとともに、乱数値Dを1ずつ減算していく(S107,S108,S503)。ここで、乱数値Dが0になり、かつ送信バックオフ制御にデータパケットがあれば、そのデータパケットを送信してステップS101に戻る(S504,S505)。これにより、無線基地局では配下の無線端末で使用していない乱数値Dに基づいてバックオフ制御を行い、無線端末が送信するデータパケットとの衝突を回避することができる。しかも、乱数値管理部125に記述されていない乱数値の最小値Dを使用することにより、無線基地局からの送信を優先させることができが、その必要がない場合には無線端末で未使用の乱数値を使用する。
【0073】
また、ステップS113で受信パケットが自局宛であれば、図15に示すように、受信パケット内に乱数値Rが含まれているか否かを判断し(S114)、含まれていない場合はACKパケットを送信元の無線端末へ送信する(S121)。一方、受信パケット内に乱数値Rが含まれ、さらに乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていれば、記述されている乱数値の最大値Pを超える値X(例えばX=P+1)を決め(S115,S116)、送信元の無線端末に対応する乱数値Xとして乱数値管理部125に記述し(S117)、その乱数値XをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信する(S118)、ステップS101に戻る。一方、ステップS115で乱数値Rが乱数値管理部125に記述されていなければ、送信元の無線端末に対応する乱数値Rとして乱数値管理部125に記述し(S119)、その乱数値RをACKパケットに書き込んで送信元の無線端末へ送信する(S120)。このようにステップS118,S120,S121でACKパケットを送信した後に、送信バッファ128にデータパケットがあるか否かを判断し(S506)、送信するデータパケットがあればステップS102に戻り、キャリア検出およびバックオフ制御に入り、送信するデータパケットがなければステップS101に戻る。
【0074】
(第6の実施形態:請求項7)
本発明の衝突回避無線パケット通信システムの第6の実施形態について、図16を参照して説明する。
【0075】
以上示した第1〜第4の実施形態では、無線基地局が配下の無線端末のバックオフ制御における衝突回避期間Tcwをスケジューリングするものであるが、本実施形態ではそのスケジューリングに用いた情報(乱数値管理部125に記述されている乱数値)を配下の無線端末に同報し、各無線端末がその情報を用いて自律的にスケジューリングを行うようにしたものである。
【0076】
本実施形態における無線基地局および無線端末の制御手順および衝突回避例を図16に示す。
【0077】
図16において、D1〜D2はデータパケット、A1〜A2はACKパケット、Cは制御パケットを示す。ここで、無線端末201,202がそれぞれ送信バッファにデータパケットを有しており、バックオフ制御に使用する乱数値として「2」、「5」がすでに設定され、無線基地局100の乱数値管理部125に記述されているものとする(図16(a))。
【0078】
無線端末201,202は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御において最小の乱数値「2」を有する無線端末201が衝突回避期間Tcwとして2t経過後にデータパケットD1を無線基地局100に送信する。このとき、無線端末201の送信バッファ内にはもう一つのデータパケットが存在し、データパケットD1内にはそのバックオフ制御に使用する乱数値Rとして、ここでは「4」が書き込まれる。
【0079】
一方、無線基地局100は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御中に無線端末201から送信されたデータパケットD1が受信される。このとき、乱数値カウンタ123ではカウント値Sとして無線端末201の乱数値「2」をカウントしており、乱数値管理部125に記述されている乱数値からそれぞれ「2」を減算し、無線端末202の乱数値が「5」から「3」に書き換えられる(図16(b))。
【0080】
さらに、乱数値R=4が書き込まれたデータパケットD1を受信した無線基地局100は、その乱数値「4」が乱数値管理部125に記述されていないことから、無線端末203の乱数値として「4」を乱数値管理部125に記述するとともに(図16(c))、データパケットD1のACKパケットA1に書き込んで送信する。無線端末203はこのACKパケットA1を受信すると、ACKパケットA1に書き込まれた乱数値「4」を読み取り、次回のバックオフ制御では乱数値「4」をそのまま使用する。
【0081】
一方、その間に無線端末203に送信要求が発生し、バックオフ制御に用いる乱数値として「4」を発生させたとする。
【0082】
その後、無線基地局100および無線端末201〜203は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、無線基地局100は現在の乱数値管理部125の情報(図16(c))を制御パケットCに書き込み、無線端末201〜203に同報する。この制御パケットCを受信した無線端末203は、乱数値「3」,「4」がすでに使用されていることを認識し、先に発生させた乱数値「4」を例えば「5」に変更し、次のバックオフ制御に用いる。
【0083】
次に、無線端末201〜203は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御において最小の乱数値「3」を有する無線端末202が衝突回避期間Tcwとして2t経過後にデータパケットD2を無線基地局100に送信する。一方、無線基地局100は、キャリア検出しながら所定時間Td (DIFS)を経過するまで待機した後に、バックオフ制御中に無線端末202から送信されたデータパケットD2が受信される。このとき、乱数値カウンタ123ではカウント値Sとして無線端末202の乱数値「3」をカウントしており、乱数値管理部125に記述されている乱数値からそれぞれ「3」を減算し、無線端末201の乱数値が「4」から「1」に書き換えられる(図16(d))。
【0084】
なお、無線端末203で発生させた乱数値「5」はこの時点では反映されていないが、無線基地局100から各無線端末201〜203へ制御パケットCを同報する周期を適当に設定することにより、送信するデータパケットの衝突を最小限に抑えることができる。
【0085】
また、無線端末では、通常はACKパケット内に書き込まれている乱数値により、先に無線基地局へ申告した乱数値に変更が生じていれば、変更されている乱数値を用いるように制御するが、制御パケットCで通知された情報により自身の乱数値に変更が生じていれば、その乱数値を用いるようにしてもよい。
【0086】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明は、無線基地局で配下の各無線端末が次のバックオフ制御に使用する乱数値が重複しないようにスケジューリングを行うことにより、無線端末から送信されるデータパケットが衝突する確率を低減することができ、効率的なデータ転送が可能になる。
【0087】
請求項2に記載の発明は、ACKパケットが所定期間内に受信されない場合でも、一度発生させた乱数値を記憶しておくことにより、有効に活用することができる。
【0088】
請求項3に記載の発明は、スケジューリングによって乱数値Rを変更する場合でも最小の値に設定することにより、バックオフ制御における衝突回避期間を短くすることができ、効率的なデータ転送が可能になる。
【0089】
請求項4に記載の発明は、無線基地局の送信バッファ量が多くなった場合に、無線端末の乱数値を大きくすることにより無線基地局のデータ送信機会を増やすことができる。
【0090】
請求項5に記載の発明は、大きすぎる乱数値Rの場合には、重複しない小さな値に変更することができ、バックオフ制御における衝突回避期間を短くすることができ、効率的なデータ転送が可能になる。
【0091】
請求項6に記載の発明は、無線基地局におけるバックオフ制御のスケジューリングが可能になり、無線基地局と配下の無線端末との間のデータパケットの衝突確率を低減し、効率的なデータ転送が可能になる。
【0092】
請求項7に記載の発明は、無線基地局から配下の無線端末にバックオフ制御に使用する予定の乱数値情報を同報することにより、新規にデータパケットを送信しようとする無線端末と、すでに無線基地局により乱数値のスケジューリングが行われた無線端末との間のデータパケットの衝突確率を低減し、効率的なデータ転送が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の無線端末の構成例を示す図。
【図2】第1の実施形態の無線基地局の構成例を示す図。
【図3】第1の実施形態の無線端末の制御手順(その1)を示すフローチャート。
【図4】第1の実施形態の無線端末の制御手順(その2)を示すフローチャート。
【図5】第1の実施形態の無線基地局の制御手順(その1)を示すフローチャート。
【図6】第1の実施形態の無線基地局の制御手順(その2)を示すフローチャート。
【図7】第1の実施形態における衝突回避例を示すタイムチャート。
【図8】第2の実施形態の無線端末の構成例を示す図。
【図9】第2の実施形態の無線端末の制御手順を示すフローチャート。
【図10】第3の実施形態の無線基地局の構成例を示す図。
【図11】第3の実施形態の無線基地局の制御手順を示すフローチャート。
【図12】第4の実施形態の無線基地局の制御手順を示すフローチャート。
【図13】第5の実施形態の無線基地局の構成例を示す図。
【図14】第5の実施形態の無線基地局の制御手順(その1)を示すフローチャート。
【図15】第5の実施形態の無線基地局の制御手順(その2)を示すフローチャート。
【図16】第6の実施形態の制御手順および衝突回避例を示すタイムチャート。
【図17】従来の衝突回避方法を説明するタイムチャート。
【図18】従来の衝突回避方法の問題点を説明するタイムチャート。
【符号の説明】
100 無線基地局
110 無線送受信処理部
120 アクセス制御部
121 キャリア検出部
122 バックオフ制御部
123 乱数値カウンタ
124 乱数値変更部
125 乱数値管理部
126 ACK送信部
127 受信バッファ
128 送信バッファ
129 ACK受信部
130 上位レイヤ送受信処理部
140 アンテナ
201〜203 無線端末
210 無線送受信処理部
220 アクセス制御部
221 キャリア検出部
222 バックオフ制御部
223 乱数値発生部
224 乱数値記憶部
225 乱数値決定部
226 受信バッファ
227 ACK受信部
228 送信バッファ
229 ACK送信部
230 上位レイヤ送受信処理部
240 アンテナ

Claims (7)

  1. 共通の無線チャネルを使用して無線パケット通信を行う無線基地局および無線端末に、
    データパケット送信に先立ち、使用する無線チャネル上の電波の有無または受信電力を検知し、それに応じて他の無線局から送信された電波の有無を確認してデータパケット送信の可否を判断するキャリア検出手段と、
    前記キャリア検出手段でデータパケット送信可と判断した後に、0以上の所定の整数値以内で一様に発生する乱数値に応じた衝突回避期間の経過後に前記データパケットの送信を行うバックオフ制御手段と、
    自局宛に送信されたデータパケットの受信に成功したときに、ACKパケットを送信元の無線局に送信するACK送信手段とを備え、
    前記無線基地局および前記無線端末が前記キャリア検出手段および前記バックオフ制御手段により、自律的にデータパケット送信タイミングを制御し、パケットの衝突を許容して無線パケット通信を行う衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線端末は、
    送信バッファ内にデータパケットが2以上存在するときに、2番目のデータパケットの送信時のバックオフ制御に使用する乱数値を1番目のデータパケットの送信時に発生させ、その乱数値を1番目のデータパケットに書き込む乱数発生手段と、
    前記1番目のデータパケットに対するACKパケットを前記無線基地局から受信し、そのACKパケット内に書き込まれた乱数値を読み込んで前記2番目のデータパケット送信時のバックオフ制御に使用する乱数値決定手段とを備え、
    前記無線基地局は、
    送信待機状態の全無線端末とそれぞれのバックオフ制御で使用する乱数値を対応させ、かつ前記バックオフ制御に応じて減算する乱数値をリアルタイムで管理する乱数値管理手段と、
    前記無線端末から送信された前記1番目のデータパケットに記述された前記2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rを読み込み、その乱数値Rが前記乱数値管理手段に記述されていれば記述されている乱数値の最大値Pを超える値Xを、記述されていなければその値Rを前記1番目のデータパケットに対するACKパケットに書き込み、かつ値XまたはRをその無線端末に対応する乱数値として前記乱数値管理手段に記述する乱数値変更手段とを備えた
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  2. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線端末は、前記乱数発生手段で発生させた乱数値Rを記憶する乱数値記憶手段を備え、前記乱数値決定手段は、前記ACKパケットが所定期間内に受信されないときに、前記乱数値記憶手段に記憶された乱数値を前記2番目のデータパケット送信時のバックオフ制御に使用する構成である
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  3. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線基地局の乱数値変更手段は、前記2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが前記乱数値管理手段に記述されていれば、X=P+1とすることを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  4. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線基地局の乱数値変更手段は、無線基地局の送信バッファ量が所定値K未満であり、かつ前記2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが前記乱数値管理手段に記述されていればX=P+1とし、前記送信バッファ量が所定値K以上であり、かつ前記乱数値Rが前記乱数値管理手段に記述されていれば、送信バッファ量に応じた値M(≧2)を用いてX=P+Mとする
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  5. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線基地局の乱数値変更手段は、前記2番目のデータパケットの送信時に使用する乱数値Rが前記乱数値管理手段に記述されている乱数値の最大値Pより2以上大きい場合に、前記ACKパケットに書き込む値および前記乱数値管理手段に記述する値をRからP+1に変更する構成である
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  6. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線基地局のバックオフ制御手段は、前記無線端末へ送信するデータパケットを有する場合に、前記乱数値管理手段に記述されていない乱数値(空き乱数値)の中の最小値をデータパケット送信時のバックオフ制御の乱数値として使用する構成である
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
  7. 請求項1に記載の衝突回避無線パケット通信システムにおいて、
    前記無線基地局は、前記乱数値管理手段に記述されている無線端末と乱数値との関係を制御パケットに書き込み、所定の周期で各無線端末へ同報する手段を備え、
    前記無線端末のバックオフ制御手段および乱数発生手段は、前記制御パケット内に記述されている乱数値以外の乱数値を用いる構成である
    ことを特徴とする衝突回避無線パケット通信システム。
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