JP2004241322A - Manufacturing method for shadow mask - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、カラー陰極線管に適用されるシャドウマスクの製造方法に係り、特に、フォーカスマスク型シャドウマスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラー陰極線管の重要な特性の一つとして、画面の輝度が挙げられる。カラー陰極線管の輝度を向上させるために種々の技術が検討されいる。中でも、フォーカスマスクと呼ばれる方法で輝度を向上させる試みがなされている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
以下、フォーカスマスクの原理について説明する。
【0004】
現在主流とされているカラー陰極線管は、その内部に色選択機能を有するシャドウマスクを備えている。電子銃構体から放出された電子ビームは、偏向磁界により偏向された後、その一部がシャドウマスクの開孔を通過して蛍光体に衝突する。この際、電子銃構体から放出された電子ビームの内、シャドウマスクの開孔を通過する電子ビームは全体の約20%であり、残りの約80%はシャドウマスクに衝突するだけで画面の輝度には寄与していない。フォーカスマスクは、このようなシャドウマスクに衝突する電子ビームの一部を蛍光体に到達させることを目的としている。
【0005】
具体的に述べると、フォーカスマスク型シャドウマスクは、その電子銃構体側の表面に配置された電極を備えている。この電極にシャドウマスクと別電位を与え、シャドウマスクと電極とで4極子レンズを構成する。この4極子レンズによりシャドウマスクに衝突する電子ビームの軌道を変え、電子ビームを蛍光体まで導くように構成されている。
【0006】
特許文献1によれば、シャドウマスクの電子銃構体側の表面に絶縁層を配置し、絶縁層の上に導電層を形成した構造が提案されている。また、特許文献2によれば、このようなフォーカスマスク型シャドウマスクの製造方法が具体的に開示されている。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第4,427,918号明細書
【0008】
【特許文献2】
特開昭63−62129号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1及び特許文献2ともに、絶縁層及び導電層を別々の工程で形成しているが、これら絶縁層及び導電層は、シャドウマスク基材をプレス成型する前の工程にて形成されている。特に、導電層は、プレス成型工程によりシャドウマスク基材に応力が加えられた際に剥離しやすい。
【0010】
このように、導電層が部分的に剥離した場合、シャドウマスクの開孔近傍において所望する電子レンズを形成することができず、画面全域において、安定した電子ビームのフォーカス性能が得られない。このため、所望の電子レンズが形成されている部分と不所望な電子レンズが形成されている部分とで電子ビームのフォーカス性能が異なり、画面の輝度ムラを生ずるおそれがある。したがって、安定して品位良好な画面を表示することができないといった問題を生ずる。
【0011】
この発明は、上述した課題に鑑みなされたものであって、その目的は、製造が容易であって、安定したフォーカス性能を得ることができ、しかも品位良好な画面を表示することが可能なフォーカスマスク型シャドウマスクの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の様態によるシャドウマスクの製造方法は、
電子銃構体からの電子ビームを選別するシャドウマスクの製造方法において、
規則的に穿孔された複数の開孔を有するシャドウマスク基材の前記電子銃構体と対向する一主面上に誘電体層を形成する工程と、
前記シャドウマスク基材を所定形状に成型する工程と、
前記誘電体層上に導電性粒子を含有したインクの微小液滴を噴出させて低抵抗層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とする。
【0013】
このシャドウマスクの製造方法によれば、低抵抗層は、導電性粒子を含有したインクの微小液滴を噴出させることで形成される。このような方法で低抵抗層を形成する工程は、シャドウマスク基材を所定形状に成型した後に行うことができる。つまり、低抵抗層をローラコーティングやスクリーン印刷などの方法によって印刷塗布して形成する場合には、ペースト状の導電物質をシャドウマスク基材に応力を与えつつ塗布するため、支持体上に載置された状態の平坦な形状のシャドウマスク基材の上で行われることが望ましい。すなわち、シャドウマスク基材を成型する前に低抵抗層を形成することが望ましい。しかしながら、低抵抗層を形成した後にシャドウマスク基材を成型した場合、上述したような低抵抗層の剥離を生ずるおそれがある。
【0014】
これに対して、導電性粒子を含有したインクの微小液滴を噴出させるいわゆるインクジェット法によって低抵抗層を形成する場合、シャドウマスク基材に対して応力を与えずにインクを塗布することができる。このため、所定形状に成型されたシャドウマスク基材に対しても精度良く低抵抗層を形成することができる。このように、成型された後のシャドウマスク基材に低抵抗層を形成するため、上述したような低抵抗層の剥離を抑制することが可能となる。また、低抵抗層の剥離に伴う不良の発生を抑制できるため、製造歩留まりを向上することができ、コストの低減を図ることが可能となる。
【0015】
このようなフォーカスマスク型シャドウマスクを搭載したカラー陰極線管では、動作時に、電子ビームが照射された誘電体層は、マイナスに帯電する。これにより、誘電体層は、電子ビームに作用する電子レンズを形成する。電子ビームは、シャドウマスクの開孔を通過する際、この開孔の両側に設けられた誘電体層間を通り、これらの誘電体層により両側から反発力を受けてフォーカスされる。このため、開孔に向かう電子ビームのうち、シャドウマスクに衝突していた一部の電子ビームを、開孔を通過させることが可能となる。
【0016】
このとき、低抵抗層の剥離を抑制できたことにより、画面全域において、所望する電子レンズを形成することができ、安定した電子ビームのフォーカス性能を得ることができる。したがって、開孔を通過する電子ビーム量が増加し、蛍光体スクリーンに達する電子ビームの密度を上げ、画面全域の輝度を向上することが可能となる。しかも、輝度ムラのない品位良好な画面を安定して表示することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態に係るシャドウマスクの製造方法について詳細に説明する。
【0018】
図1に示すように、カラー陰極線管は、真空外囲器10を備えている。この真空外囲器10は、周縁にスカート部2を有し外面がほぼ矩形状のパネル1と、パネル1のスカート部2に連接されたファンネル4と、を有している。蛍光体スクリーン6は、パネル1の内面に配置されている。偏向ヨーク7は、ネック3からファンネル4にかけてその外周に装着され、水平偏向コイル及び垂直偏向コイルを含んで構成されている。
【0019】
インライン型電子銃構体9は、ファンネル4の径小部に相当する円筒状のネック3の内部に配設されている。この電子銃構体9は、同一水平面上を通るセンタービーム8Gおよびその両側の一対のサイドビーム8B,8Rからなる水平方向Xに一列に配置された3電子ビーム8(B,G,R)を管軸方向Zに放出する。パネル1とファンネル4との結合部分の内側には、外部磁界を遮蔽するインナーシールド11が配置されている。
【0020】
シャドウマスク12は、真空外囲器10内において蛍光体スクリーン6に対向して配設され、矩形状のマスクフレーム14に取り付けられている。このシャドウマスク12は、後述するように、色選別用の多数の電子ビーム通過開孔(以下、開孔と称する)が形成されたマスク主面20と、マスク主面20の周縁から管軸方向Zに延出されているとともにマスクフレーム14に固定されたスカート部18と、を有し、プレス成形により形成されている。シャドウマスク12は、マスクフレーム14に固定された弾性支持体15をスカート部2の内面に突設されたスタッドピン17と係合することにより、パネル1に対して着脱自在に支持されている。
【0021】
なお、真空外囲器10及びシャドウマスク12は、円筒状のネック3の中心軸からパネル1の中心を通って延びる管軸Zと、管軸Zと直交して延びる長軸(水平軸)Xと、管軸Z及び長軸Xと直交して延びる短軸(垂直軸)Yと、を有している。
【0022】
上述したような構成のカラー陰極線管では、電子銃構体9から放出された3電子ビーム8B、8G、8Rは、偏向ヨーク7により発生された偏向磁界すなわちピンクッション型の水平偏向磁界と、バレル型の垂直偏向磁界とによって形成された非斉一磁界により、水平方向X及び垂直方向Yに偏向され、シャドウマスク12の開孔を介して蛍光体スクリーン6を水平方向X及び垂直方向Yに走査する。これにより、カラー画像が表示される。
【0023】
図2に示すように、蛍光体スクリーン6は、それぞれパネル1の垂直方向Yに沿って延びているとともに水平方向Xに所定の隙間を置いて並列に配列された複数のストライプ状の黒色光吸収層40と、それぞれ光吸収層40間の隙間に設けられ垂直方向Yに沿って延びたストライプ状の3色蛍光体層42B、42G、42Rと、を有している。
【0024】
図1および図3の(a)及び(b)に示すように、シャドウマスク12は、プレス成形により形成され、なだらかなドーム状に成形されたほぼ矩形状のマスク主面20と、マスク主面20の全周に亘ってその周縁21から管軸方向Zに沿って延出されたスカート部18と、を一体に備えている。マスク主面20は、多数の開孔列19が所定の配列ピッチで形成されたほぼ矩形状の有孔部20aと、この有孔部20aの周囲を囲んだ矩形枠状の無孔部20bとを有している。
【0025】
有孔部20aに設けられた複数の開孔列19は、それぞれ垂直方向Yとほぼ平行に延びているとともに水平方向Xに所定の配列ピッチでほぼ並列に設けられている。また、各開孔列19は、それぞれブリッジ32を介して複数個の開孔34を一列に並べて構成されている。各開孔34は、細長いほぼ矩形状に形成され、その幅方向がシャドウマスク12の水平方向Xと平行になるように、かつ、長手方向がシャドウマスクの垂直方向Yと平行になるように形成されている。また、各開孔34は、シャドウマスク12の蛍光体スクリーン側の表面に開口した大孔と、電子銃構体側の表面に開口した小孔と、を互いに連通させてなる連通孔によって構成されている。
【0026】
さらに、1つの開孔列19の開孔34は、隣合う他の開孔列19の開孔34に対して垂直方向Yに1/2ピッチずれて位置し、いわゆるスタガ状に配列されている。また、開孔列19の配列ピッチは、有孔部20aの中央部と周辺部とで異なる値に設定され、特に、有孔部20aの中央部から水平方向Xの周辺部に向かうにしたがって徐々に大きくなっている。
【0027】
この実施の形態において、シャドウマスク12は、板厚0.22mmのアンバー(Fe−36%Ni合金)で形成されている。また、各開孔列19における垂直方向Yの開孔ピッチは0.6mmであり、開孔列19の水平方向Xに沿った配列ピッチは、有孔部20aの中央部で0.75mm、有孔部20aの周辺部で0.82mmであり、中心部から水平方向Xの周辺部に近づくにしたがって大きくなるバリアブルピッチとした。
【0028】
また、開孔34を構成する大孔の幅方向の開孔寸法は、有孔部20aの中央部で0.46mmとし、有孔部20aの周辺部で0.50mmとした。また、開孔34を構成する小孔の幅方向の開孔寸法は、有孔部20aの中央部で0.18mmとし、有孔部20aの周辺部で0.20mmとした。さらに、電子ビームが有孔部20aの周辺部に46°の偏向角度で入射する場合、周辺部の開孔34は、小孔に対して大孔が0.06mmだけ偏心した形状としている。
【0029】
一方、この実施の形態によれば、シャドウマスク12は、有孔部20aの電子銃構体側の表面に設けられた複数のストライプ状の突状部50を備えている。この突状部50は、誘電体層50Aと、この誘電体層50Aより低い体積抵抗率を有する低抵抗層50Bとを有して形成されている。この実施の形態では、低抵抗層50Bは、誘電体層50Aの上に積層されている。
詳細に述べると、図4乃至図6に示すように、有孔部20aの電子銃構体側の表面において、隣合う開孔列19の間、すなわち、各開孔列19の両側には、それぞれストライプ状の突状部50が形成され、シャドウマスク12の垂直方向Yに沿ってほぼ平行に延出されている。
【0030】
各突状部50は、ほぼ矩形状の断面を有し、例えば、水平方向Xに沿った幅50Wが約0.25〜0.3mmであり、高さ50Hが約0.03〜0.05mmに形成されている。各突状部50は、下層に配置された誘電体層50Aと、誘電体層50Aの上層に配置された低抵抗層50Bとを備えている。
【0031】
低抵抗層50Bは、誘電体層50Aより狭い幅を有するように形成されている。この実施の形態では、低抵抗層50Bは、誘電体層50Aを形成した後に、この誘電体層50A上に確実に配置することが必要であるため、そのマージンを確保するためにも低抵抗層50Bの幅を誘電体層50Aより狭くすることが望ましい。なお、突状部50の断面形状は、矩形に限らず、ほぼ半円形等の他の形状としてもよい。
【0032】
この実施の形態では、誘電体層50Aは、0.01以上0.03mm以下の厚さを有している。これに対して、低抵抗層50Bは、0.001以上0.01mm、好ましくは0.005以上0.01mm以下の厚さを有している。また、誘電体層50Aは、約0.3mm程度の幅を有している。これに対して、低抵抗層50Bは、約0.2mm程度の幅を有している。
【0033】
また、誘電体層50Aは、ガラスを主成分とする絶縁物質を焼結することによって形成されている。好適な材料としては、ビスマス系硼珪酸ガラスであり、表面粗さ、誘電率、体積抵抗率などが適切であれば、この他にもリチウム系アルカリ硼珪酸ガラス、鉛ガラス等の少なくとも1種類を主成分として用いることも可能である。このようなガラス粉末をセルロース系のバインダー及び溶剤を混錬してなるガラスペーストを印刷塗布し、乾燥・焼結することによって誘電体層50Aが形成される。また、これらのガラスには、表面粗さ、誘電率、体積抵抗率などを調整するための顔料などの調整剤が含まれていても良い。
【0034】
この実施の形態では、誘電体層50Aは、その平均表面粗さが0.2μm以下(好ましくは0.15μm以下)であり、また、その誘電率が3以上(好ましくは5以上)であり、しかも、その体積抵抗率が1.0E+12以上(好ましくは5.0E+12以上)1.0E+16Ω・cm以下である。
【0035】
一方、低抵抗層50Bは、金属性材料、すなわち導電性粒子を有機溶媒に分散させたインクの微小液滴を噴出させて焼結することによって形成されている。好適な材料としては、超微粒子の銀の焼結体を含有するインクである。すなわち、この実施の形態に係る低抵抗層50Bは、圧力制御方式または電界制御方式でインクの微小液滴の噴出を制御するいわゆるインクジェット法によって形成される。このため、0.1μm以下の粒径を有する超微粒子の導電性粒子を適当な粘性を有する有機溶媒に分散させたインクを使用することが望ましい。このようなインクは、焼成されることによって有機溶媒を除去することが可能であるとともに、超微粒子の焼結性が良好である。
【0036】
この低抵抗層50Bは、その体積抵抗率が例えば1.0E+3未満である。なお、低抵抗層50Bの幅は、誘電体層50Aの幅に対して適当に設定することにより、誘電体層50Aの露出面積を変更可能であり、誘電体層50Aの体積抵抗率や誘電率を考慮して決定される。
【0037】
なお、誘電体層50Aの平均表面粗さは、小坂製作所製表面粗さ計SE−30Hにより、カットオフ0.08mmの条件にて測定した。また、誘電率及び体積抵抗率は、JIS C2141「電気絶縁用セラミック材料試験方法」に基づいて測定した。
【0038】
これら突状部50の開孔列19に対する配設位置は、有孔部20aの中央部と、有孔部20aの周辺部とで相違していることが望ましい。すなわち、有孔部20aの中央部において、各突状部50は、隣合う2つの開孔列19間のほぼ中心に配置されている。有孔部20aの中央部では、電子ビーム8がシャドウマスク12の表面に対してほぼ垂直に入射するため、各開孔34の両側に位置した突状部50は、この開孔34に対して左右対称の設けられていることが望ましい。
【0039】
また、有孔部20aの周辺部に設けられた突状部50は、有孔部20aの中央部に設けられた突状部50よりも、開孔列19に対して中央部よりに配置されている。すなわち、周辺部において、隣接する2つの開孔列19間に設けられた突状部50は、マスク中央側の開孔列に近づけて配置されている。有孔部20aの周辺部では、電子ビーム8がシャドウマスク12表面の法線に対して所定角度だけ傾いてに入射する。このため、各開孔34の両側に位置した突状部50をそれぞれ中央部側に配置することにより、各突状部50と開孔34を通過する電子ビーム8との距離を略同一にすることができる。
【0040】
つまり、シャドウマスク12の全域において、開孔34を通過する電子ビーム8と各突状部50との距離を略同一にすることにより、電子ビーム8に両側に設けられた突状部50は、電子ビーム8に対して略均等に作用する。これにより、電子ビーム8の軌道が不所望にシフトすることを防止することができ、全画面領域で良好なフォーカス特性を得ることができる。
【0041】
このような効果は、シャドウマスク有孔部の中央部と周辺部とで、開孔列19に対する誘電体層50Aを含む突状部50の配設位置を変えることにより得られるが、シャドウマスク有孔部20aの中央部と周辺部とで、突状部50の幅や、高さを調整することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0042】
上述したように構成されたカラー陰極線管によれば、シャドウマスクに印加される電圧に対して50〜1000Vの差をつけた電圧を印加することにより、シャドウマスク12の開孔34付近に効率よく安定した4極子レンズが形成される。
【0043】
図4及び図6に示すように、この4極子レンズは、隣接した2つの誘電体層50A間を通って開孔34に向かう電子ビーム8を、開孔34の幅方向が実際の開孔径よりも細く集束するとともに、開孔34の長手方向が実際の開孔径よりも長い発散するようなレンズ作用をもつことになる。この結果、シャドウマスク12の開孔34を通過した電子ビーム8は、縦長形状にフォーカスされることになる。
【0044】
このように電子ビーム8を縦長形状にフォーカスすることにより、シャドウマスク12に衝突していた電子ビームの一部を開孔34を通過させて蛍光体スクリーン6に導くことが可能となる。そして、開孔34の長手方向、つまり、シャドウマスク12の垂直方向Yについては、シャドウマスク12のブリッジ32によって影になっていた蛍光体層部分を発光させ、かつ、水平方向Xについては、ビームスポットの密度を高めることができる。これにより、蛍光体層の発光効率を向上し、画面の輝度を向上させることが可能となる。
【0045】
なお、本願発明者らによる実験では、前記した条件でカラー陰極線管を動作させた場合、従来よりも約20%の輝度向上を達成することができた。
【0046】
次に、上記のように構成されたカラー陰極線管の製造方法におけるシャドウマスクの製造方法について説明する。
【0047】
まず、図7に示すように、アンバー材などの矩形板状のシャドウマスク基材(フラットマスク)52を用意し、有孔部20aとなる領域に規則的に多数の開孔34を穿孔する。
【0048】
続いて、シャドウマスク基材52の電子銃構体と対向する一主面上に誘電体層50Aを形成する。すなわち、この誘電体層形成工程は、絶縁物質を含むペーストをスクリーン印刷法などを用いて印刷塗布する工程と、印刷塗布されたペーストを焼成する工程とを含んでいる。あるいは、この誘電体層形成工程は、少なくとも誘電体層を有する転写フィルムを用いてフォトリソグラフィ法によって転写フィルムの誘電体層を転写する工程と、転写された誘電体層を焼成する工程とを含んでいてもよい。
【0049】
この実施の形態では、誘電体層103が積層された転写フィルム100を用いてシャドウマスク12上に誘電体層50Aを形成する場合について説明する。すなわち、図8の(a)に示すように、シャドウマスク基材52の電子銃構体と対向する一主面上において、少なくとも誘電体層103が積層された転写フィルム100を設置する。
【0050】
すなわち、この転写フィルム100は、図9に示すように、ベースフィルム101上に誘電体層103を積層して構成されている。誘電体層103は、先に説明したように、ビスマス系の硼珪酸ガラスを主成分とする絶縁物質などで形成されており、さらに、感光性樹脂を含有している。この誘電体層103が含有する感光性樹脂は、所定波長の光照射によって架橋反応を起こし、所定の現像液に対して不溶化するものである。また、この誘電体層103は、光透過性を有しており、つまり露光用の所定波長の光に対して所定の透過率を有している。なお、この転写フィルム100は、ベースフィルム101と誘電体層103との間に離形剤を配置してもよいし、誘電体層103の表面に接着剤を配置してもよいし、さらには、誘電体層103の表面に保護膜を配置してもよい。
【0051】
このような構造の転写フィルム100は、誘電体層103をシャドウマスク基材52に向けた状態で配置された後、加圧して、あるいは、加圧及び過熱を併用してシャドウマスク基材52の表面上に接着される。これにより、シャドウマスク基材52の上に、転写フィルム100の誘電体層103、及び、ベースフィルム101がこの順で積層される。
【0052】
続いて、図8の(b)に示すように、所定パターンを有するフォトマスクPMを介して転写フィルム100を露光する。この露光工程では、転写フィルム100の少なくとも誘電体層103が所定パターンに対応して露光されればよい。つまり、ベースフィルム101が光透過性を有している場合、すなわち露光用の所定波長の光に対して所定の透過率を有している場合には、ベースフィルム101を設けた状態の転写フィルム100を露光することによって、誘電体層103が露光される。また、ベースフィルム101が遮光性を有している場合、露光工程前にベースフィルム101が除去されて、誘電体層103が直接露光される。このように、転写フィルム100のベースフィルム101は、露光工程前または露光工程後に除去される。
【0053】
なお、この露光工程で適用されるフォトマスクPMは、シャドウマスク基材52に形成された各開孔列19の両側に対応して、ストライプ状の開口パターンを有している。つまり、フォトマスクPMが転写フィルム100上に位置合わせされた状態では、シャドウマスク基材52の開孔34を含む開孔列上が遮光され、開孔列間の転写フィルム100がストライプ状に露出されることになる。
【0054】
続いて、図8の(c)に示すように、露光された転写フィルム100を所定の現像液を用いて所定条件にて現像する。この現像工程では、転写フィルム100の誘電体層103を選択的に除去する。すなわち、この実施の形態で採用した転写フィルム100の誘電体層103は、いわゆるネガタイプの感光性樹脂を含有しているため、未露光の誘電体層103が除去される。つまり、シャドウマスク基材52の開孔34を含む開孔列上に位置した誘電体層103が除去され、開孔列間に位置する誘電体層103がストライプ状に残留する。
【0055】
これら一連のフォトリソグラフィ法によって転写フィルム100の誘電体層103をシャドウマスク基材52上に転写した後に、誘電体層103の焼成工程が行われる。すなわち、シャドウマスク基材52上に残留した誘電体層103が所定温度にて焼成される。これにより、シャドウマスク基材52上に誘電体層50Aが形成される。
【0056】
続いて、図8の(d)に示すように、シャドウマスク基材52をプレス用金型に装着し、所定条件にてプレス成型する。これにより、所望形状のマスク主面20およびスカート部18を有したシャドウマスク12が形成される。なお、誘電体層103の焼成工程は、シャドウマスク基材52の成型工程の後に行ってもよい。
【0057】
続いて、図8の(e)に示すように、誘電体層103上に導電性粒子を含有したインクの微小粒子を噴出させて低抵抗層110を形成する。すなわち、この低抵抗層形成工程は、いわゆるインクジェット法により誘電体層103上にインクを精度良く噴出させる工程と、誘電体層103上のインクを焼成する工程とを含んでいる。なお、低抵抗層110の焼成工程は、このタイミングで誘電体層103の焼成工程と同時に行っても良い。これにより、誘電体層50A及び低抵抗層50Bからなる突状部50が形成される。
【0058】
以上の工程により、電子銃構体側の表面にストライプ状の突状部50を有した所定形状のシャドウマスク12が得られる。
【0059】
このような製造方法によれば、シャドウマスク基材52の一主面上に所定パターンの誘電体層50Aを形成し、シャドウマスク基材52を所定形状に成型した後に、インクジェット法により低抵抗層50Bを形成する。このような方法で低抵抗層50Bを形成するため、シャドウマスク基材52に対して精度よく低抵抗層50Bを形成することが可能となる。また、成型された後のシャドウマスク基材52に低抵抗層50Bを形成するため、低抵抗層50Bの不所望な剥離を抑制することが可能となる。また、低抵抗層50Bの剥離に伴う不良の発生を抑制できるため、製造歩留まりを向上することができ、コストの低減を図ることが可能となる。
【0060】
また、このようにして製造されたシャドウマスク12を搭載したカラー陰極線管によれば、低抵抗層の剥離を抑制できたことにより、画面全域において、所望する電子レンズを形成することができ、安定した電子ビームのフォーカス性能を得ることができる。したがって、シャドウマスク12の開孔34を通過する電子ビーム量が増加し、蛍光体スクリーン6に達する電子ビームの密度を上げ、画面全域の輝度を向上することが可能となる。しかも、輝度ムラのない品位良好な画面を安定して表示することが可能となる。
【0061】
次に、他のシャドウマスクの製造方法について説明する。この実施の形態においても、誘電体層50Aを形成する工程は、上述した実施の形態と同様にスクリーン印刷法によって行っても良いし、少なくとも誘電体層103が積層された転写フィルム100を用いて行ってもよい。ここでは、転写フィルム100を用いた例について説明するが、上述した実施の形態と適用する転写フィルムの構造が若干異なる。
【0062】
すなわち、この転写フィルム100は、図10に示すように、ベースフィルム101上に感光性樹脂からなるフォトレジスト層104を有し、さらにこのフォトレジスト層104上に誘電体層103を順に積層して構成されている。上述した実施の形態と同様に、誘電体層103は、ビスマス系の硼珪酸ガラスを主成分とする絶縁物質などで形成されている。また、このような構造の転写フィルム100の場合、誘電体層103に感光性樹脂を含有させる必要はない。フォトレジスト層104は、所定波長の光照射によって架橋反応を起こし、所定の現像液に対して不溶化するものである。なお、この転写フィルム100は、ベースフィルム101とフォトレジスト層104との間に離形剤を配置してもよいし、誘電体層103の表面に接着剤を配置してもよいし、さらには、誘電体層103の表面に保護膜を配置してもよい。
【0063】
この実施の形態によるシャドウマスクの製造方法では、まず、アンバー材などの矩形板状のシャドウマスク基材(フラットマスク)52を用意し、有孔部20aとなる領域に規則的に多数の開孔34を穿孔する。
【0064】
続いて、一連のフォトリソグラフィ法によりシャドウマスク基材52の一種面上に誘電体層50Aを形成する。すなわち、図11の(a)に示すように、シャドウマスク基材52の電子銃構体と対向する一主面上において、少なくとも誘電体層103及びフォトレジスト層104が積層された転写フィルム100を設置する。これにより、シャドウマスク基材52の上に、転写フィルム100の誘電体層103、フォトレジスト層104、及び、ベースフィルム101がこの順で積層される。
【0065】
続いて、図11の(b)に示すように、所定パターンを有するフォトマスクPMを介して転写フィルム100を露光する。この露光工程では、転写フィルム100の少なくともフォトレジスト層104が所定パターンに対応して露光されればよい。つまり、ベースフィルム101が光透過性を有している場合には、ベースフィルム101を設けた状態の転写フィルム100を露光することによって、フォトレジスト層104が露光される。また、ベースフィルム101が遮光性を有している場合、露光工程前にベースフィルム101が除去されて、フォトレジスト層104が直接露光される。なお、この露光工程で適用されるフォトマスクPMは、シャドウマスク基材52に形成された各開孔列19の両側に対応して、ストライプ状の開口パターンを有している。
【0066】
続いて、図11の(c)に示すように、露光された転写フィルム100を所定の現像液を用いて所定条件にて現像する。この現像工程では、転写フィルム100のフォトレジスト層104を選択的に除去する。すなわち、この実施の形態で採用した転写フィルム100のフォトレジスト層104は、いわゆるネガタイプの感光性樹脂であるため、未露光のフォトレジスト層104が除去される。つまり、シャドウマスク基材52の開孔34を含む開孔列上に位置したフォトレジスト層104が除去され、開孔列間に位置するフォトレジスト層104がストライプ状に残留する。
【0067】
続いて、図11の(d)に示すように、フォトレジスト層104が除去され誘電体層103が露出された部分を所定条件にてエッチング処理することによって除去する。このエッチング工程では、露出された誘電体層103を除去する。これにより、シャドウマスク基材52の開孔34を含む開孔列上に位置した誘電体層103が除去される。この後、残留したフォトレジスト層104を除去することによって、開孔列間に位置する誘電体層103がストライプ状に残留する。
【0068】
なお、この実施の形態では、現像工程とエッチング工程とを別々のプロセスで行ったが、適当な現像液を選択し適当な現像条件を設定することにより、フォトレジスト層104の現像処理と誘電体層103のエッチング処理とを同時に一括して行うことも可能である。
【0069】
これら一連のフォトリソグラフィ法によって転写フィルム100の誘電体層103をシャドウマスク基材52上に転写した後に、誘電体層103の焼成工程が行われる。すなわち、シャドウマスク基材52上に残留した誘電体層103が所定温度にて焼成される。これにより、シャドウマスク基材52上に誘電体層50Aが形成される。
【0070】
続いて、図11の(e)に示すように、シャドウマスク基材52をプレス用金型に装着し、所定条件にてプレス成型する。これにより、所望形状のマスク主面20およびスカート部18を有したシャドウマスク12が形成される。なお、誘電体層103の焼成工程は、シャドウマスク基材52の成型工程の後に行ってもよい。
【0071】
続いて、図11の(f)に示すように、誘電体層103上に導電性粒子を含有したインクの微小粒子を噴出させて低抵抗層110を形成する。すなわち、この低抵抗層形成工程は、いわゆるインクジェット法により誘電体層103上にインクを精度良く噴出させる工程と、誘電体層103上のインクを焼成する工程とを含んでいる。なお、低抵抗層110の焼成工程は、このタイミングで誘電体層103の焼成工程と同時に行っても良い。これにより、誘電体層50A及び低抵抗層50Bからなる突状部50が形成される。
【0072】
以上の工程により、電子銃構体側の表面にストライプ状の突状部50を有した所定形状のシャドウマスク12が得られる。このような実施の形態でも先に説明したのと同様の効果が得られる。
【0073】
なお、この発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、この発明の範囲内で種々変形可能である。例えば、シャドウマスクに形成された開孔は、矩形状に限らず円形状としてもよく、蛍光体スクリーン側の蛍光体層もストライプ状に限らずドット状とすることも可能である。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、安定したフォーカス性能を得ることができ、しかも品位良好な画面を表示することが可能なフォーカスマスク型シャドウマスクの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の一実施形態に係るカラー陰極線管の構造を概略的に示す水平断面図である。
【図2】図2は、図1に示したカラー陰極線管における蛍光体スクリーンの一部を拡大して示す平面図である。
【図3】図3の(a)は、図1に示したカラー陰極線管におけるシャドウマスクの構造を概略的に示す斜視図であり、図3の(b)は、シャドウマスクの一部を拡大して示す平面図である。
【図4】図4は、シャドウマスク、蛍光体スクリーン、及び電子ビームの関係を模式的に示す図である。
【図5】図5は、突状部が形成されたシャドウマスクの電子銃構体側表面の構造を概略的に示す斜視図である。
【図6】図6は、シャドウマスクの有孔部の中央部を通る電子ビームのフォーカス状態を模式的に示す図である。
【図7】図7は、シャドウマスクの製造方法に適用されるシャドウマスク基材を示す平面図である。
【図8】図8の(a)乃至(e)は、この発明の一実施の形態に係るシャドウマスクの製造方法を説明するための図である。
【図9】図9は、図8に示したシャドウマスクの製造方法に適用される転写フィルムの構造を概略的に示す断面図である。
【図10】図10は、他の実施の形態に適用される転写フィルムの構造を概略的に示す断面図である。
【図11】図11の(a)乃至(f)は、他の実施の形態に係るシャドウマスクの製造方法を説明するための図である。
【符号の説明】
6…蛍光体スクリーン、9…電子銃構体、10…真空外囲器、12…シャドウマスク、19…開孔列、20…マスク主面、20a…有孔部、34…開孔、42R、42G、42B…蛍光体層、50…突状部、50A…誘電体層、50B…低抵抗層、52…マスク基材、100…転写フィルム、103…誘電体層、110…低抵抗層[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a method of manufacturing a shadow mask applied to a color cathode ray tube, and more particularly, to a method of manufacturing a focus mask type shadow mask.
[0002]
[Prior art]
One of the important characteristics of a color cathode ray tube is luminance of a screen. Various techniques have been studied to improve the brightness of a color cathode ray tube. Above all, attempts have been made to improve the luminance by a method called a focus mask (for example, see
[0003]
Hereinafter, the principle of the focus mask will be described.
[0004]
At present, a color cathode ray tube, which is mainly used, has a shadow mask having a color selection function therein. After being deflected by the deflecting magnetic field, a part of the electron beam emitted from the electron gun assembly passes through the opening of the shadow mask and collides with the phosphor. At this time, about 20% of the electron beam emitted from the electron gun assembly passes through the opening of the shadow mask, and about 80% of the remaining electron beam only collides with the shadow mask, resulting in a brightness of the screen. Has not contributed. The focus mask aims to make a part of the electron beam colliding with such a shadow mask reach the phosphor.
[0005]
More specifically, the focus mask type shadow mask includes an electrode disposed on the surface on the electron gun structure side. A different potential from the shadow mask is applied to this electrode, and a quadrupole lens is constituted by the shadow mask and the electrode. The trajectory of the electron beam colliding with the shadow mask is changed by the quadrupole lens, and the electron beam is guided to the phosphor.
[0006]
According to
[0007]
[Patent Document 1]
U.S. Pat. No. 4,427,918
[0008]
[Patent Document 2]
JP-A-63-62129
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in both
[0010]
As described above, when the conductive layer is partially peeled, a desired electron lens cannot be formed near the opening of the shadow mask, and stable electron beam focusing performance cannot be obtained over the entire screen. For this reason, the focus performance of the electron beam is different between the portion where the desired electron lens is formed and the portion where the undesired electron lens is formed, and there is a possibility that the screen may have uneven brightness. Therefore, there arises a problem that a high-quality screen cannot be stably displayed.
[0011]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in consideration of the above-described problems, and has as its object to achieve a focus which is easy to manufacture, can obtain stable focus performance, and can display a high-quality screen. An object of the present invention is to provide a method of manufacturing a mask type shadow mask.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
A method for manufacturing a shadow mask according to an embodiment of the present invention includes:
In a method of manufacturing a shadow mask for selecting an electron beam from an electron gun assembly,
Forming a dielectric layer on one principal surface of the shadow mask substrate having a plurality of regularly-perforated openings and facing the electron gun assembly;
Molding the shadow mask substrate into a predetermined shape,
Forming a low-resistance layer by ejecting fine droplets of ink containing conductive particles on the dielectric layer,
It is characterized by having.
[0013]
According to the shadow mask manufacturing method, the low-resistance layer is formed by ejecting minute droplets of ink containing conductive particles. The step of forming the low resistance layer by such a method can be performed after the shadow mask substrate is molded into a predetermined shape. In other words, when the low-resistance layer is formed by printing and coating using a method such as roller coating or screen printing, the paste-like conductive material is applied while applying stress to the shadow mask substrate, and thus is placed on a support. It is desirable that the process be performed on a flat-shaped shadow mask substrate in a sunk state. That is, it is desirable to form the low resistance layer before molding the shadow mask substrate. However, when the shadow mask substrate is molded after the formation of the low resistance layer, there is a possibility that the low resistance layer is peeled as described above.
[0014]
On the other hand, when the low-resistance layer is formed by a so-called inkjet method of ejecting minute droplets of ink containing conductive particles, the ink can be applied without applying stress to the shadow mask substrate. . Therefore, a low-resistance layer can be formed with high accuracy even on a shadow mask substrate molded into a predetermined shape. As described above, since the low-resistance layer is formed on the formed shadow mask base material, it is possible to suppress the separation of the low-resistance layer as described above. In addition, since the occurrence of defects due to the separation of the low resistance layer can be suppressed, the manufacturing yield can be improved, and the cost can be reduced.
[0015]
In a color cathode ray tube equipped with such a focus mask type shadow mask, during operation, the dielectric layer irradiated with the electron beam is negatively charged. Thereby, the dielectric layer forms an electron lens acting on the electron beam. When the electron beam passes through the opening of the shadow mask, it passes through dielectric layers provided on both sides of the opening and receives repulsive force from both sides by these dielectric layers to be focused. For this reason, it becomes possible to pass a part of the electron beam, which has collided with the shadow mask, out of the electron beam heading for the opening through the opening.
[0016]
At this time, since the peeling of the low resistance layer can be suppressed, a desired electron lens can be formed over the entire screen, and stable electron beam focusing performance can be obtained. Therefore, the amount of the electron beam passing through the aperture increases, the density of the electron beam reaching the phosphor screen can be increased, and the brightness of the entire screen can be improved. Moreover, it is possible to stably display a high-quality screen without luminance unevenness.
[0017]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a method for manufacturing a shadow mask according to an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0018]
As shown in FIG. 1, the color cathode ray tube includes a
[0019]
The in-line type
[0020]
The
[0021]
The
[0022]
In the color cathode ray tube having the above-described configuration, the three
[0023]
As shown in FIG. 2, each of the phosphor screens 6 has a plurality of stripe-shaped black light absorbing members extending in the vertical direction Y of the
[0024]
As shown in FIGS. 1 and 3A and 3B, the
[0025]
The plurality of
[0026]
Further, the
[0027]
In this embodiment, the
[0028]
The opening size of the large hole constituting the
[0029]
On the other hand, according to this embodiment, the
More specifically, as shown in FIGS. 4 to 6, on the surface of the perforated
[0030]
Each protruding
[0031]
The
[0032]
In this embodiment, the
[0033]
The
[0034]
In this embodiment, the
[0035]
On the other hand, the
[0036]
The
[0037]
The average surface roughness of the
[0038]
It is desirable that the positions of the
[0039]
In addition, the protruding
[0040]
That is, by making the distance between the
[0041]
Such an effect can be obtained by changing the arrangement position of the
[0042]
According to the color cathode ray tube configured as described above, by applying a voltage having a difference of 50 to 1000 V with respect to the voltage applied to the shadow mask, the vicinity of the
[0043]
As shown in FIG. 4 and FIG. 6, this quadrupole lens transmits an
[0044]
By focusing the
[0045]
In experiments conducted by the inventors of the present application, when the color cathode ray tube was operated under the above-described conditions, it was possible to achieve about 20% improvement in luminance as compared with the conventional case.
[0046]
Next, a method of manufacturing the shadow mask in the method of manufacturing the color cathode ray tube configured as described above will be described.
[0047]
First, as shown in FIG. 7, a rectangular plate-shaped shadow mask base material (flat mask) 52 such as an amber material is prepared, and a large number of
[0048]
Subsequently, a
[0049]
In this embodiment, a case will be described in which the
[0050]
That is, the
[0051]
After the
[0052]
Subsequently, as shown in FIG. 8B, the
[0053]
Note that the photomask PM applied in this exposure step has a stripe-shaped opening pattern corresponding to both sides of each of the
[0054]
Subsequently, as shown in FIG. 8C, the exposed
[0055]
After transferring the
[0056]
Subsequently, as shown in FIG. 8D, the shadow
[0057]
Subsequently, as shown in FIG. 8E, fine particles of ink containing conductive particles are ejected onto the
[0058]
Through the above steps, a
[0059]
According to such a manufacturing method, the
[0060]
Further, according to the color cathode ray tube equipped with the
[0061]
Next, a method for manufacturing another shadow mask will be described. Also in this embodiment, the step of forming the
[0062]
That is, as shown in FIG. 10, the
[0063]
In the method of manufacturing a shadow mask according to this embodiment, first, a rectangular plate-shaped shadow mask base material (flat mask) 52 such as an amber material is prepared, and a large number of holes are regularly formed in a region to be the perforated
[0064]
Subsequently, a
[0065]
Subsequently, as shown in FIG. 11B, the
[0066]
Subsequently, as shown in FIG. 11C, the exposed
[0067]
Subsequently, as shown in FIG. 11D, the portions where the
[0068]
In this embodiment, the developing step and the etching step are performed in separate processes. However, by selecting an appropriate developing solution and setting appropriate developing conditions, the developing process of the
[0069]
After transferring the
[0070]
Subsequently, as shown in FIG. 11E, the shadow
[0071]
Subsequently, as shown in FIG. 11F, fine particles of ink containing conductive particles are ejected onto the
[0072]
Through the above steps, a
[0073]
The present invention is not limited to the above-described embodiment, but can be variously modified within the scope of the present invention. For example, the openings formed in the shadow mask may be not only rectangular but also circular, and the phosphor layer on the phosphor screen side may be not only stripe but also dot.
[0074]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a method of manufacturing a focus mask type shadow mask capable of obtaining stable focus performance and displaying a high-quality screen.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a horizontal sectional view schematically showing a structure of a color cathode ray tube according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged plan view showing a part of a phosphor screen in the color cathode ray tube shown in FIG. 1;
3A is a perspective view schematically showing a structure of a shadow mask in the color cathode ray tube shown in FIG. 1, and FIG. 3B is an enlarged view of a part of the shadow mask. FIG.
FIG. 4 is a diagram schematically showing a relationship between a shadow mask, a phosphor screen, and an electron beam.
FIG. 5 is a perspective view schematically showing the structure of the surface of the shadow mask on which the projections are formed on the electron gun assembly side.
FIG. 6 is a diagram schematically illustrating a focus state of an electron beam passing through a central portion of a perforated portion of a shadow mask.
FIG. 7 is a plan view showing a shadow mask base material applied to the shadow mask manufacturing method.
FIGS. 8A to 8E are views for explaining a method of manufacturing a shadow mask according to an embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a sectional view schematically showing a structure of a transfer film applied to the method of manufacturing the shadow mask shown in FIG. 8;
FIG. 10 is a cross-sectional view schematically showing a structure of a transfer film applied to another embodiment.
FIGS. 11A to 11F are diagrams for explaining a method of manufacturing a shadow mask according to another embodiment. FIGS.
[Explanation of symbols]
6: phosphor screen, 9: electron gun assembly, 10: vacuum envelope, 12: shadow mask, 19: aperture row, 20: mask main surface, 20a: aperture, 34: aperture, 42R, 42G , 42B phosphor layer, 50 projecting part, 50A dielectric layer, 50B low resistance layer, 52 mask base material, 100 transfer film, 103 dielectric layer, 110 low resistance layer
Claims (12)
規則的に穿孔された複数の開孔を有するシャドウマスク基材の前記電子銃構体と対向する一主面上に誘電体層を形成する工程と、
前記シャドウマスク基材を所定形状に成型する工程と、
前記誘電体層上に導電性粒子を含有したインクの微小液滴を噴出させて低抵抗層を形成する工程と、
を備えたことを特徴とするシャドウマスクの製造方法。In a method of manufacturing a shadow mask for selecting an electron beam from an electron gun assembly,
Forming a dielectric layer on one principal surface of the shadow mask substrate having a plurality of regularly-perforated openings and facing the electron gun assembly;
Molding the shadow mask substrate into a predetermined shape,
Forming a low-resistance layer by ejecting fine droplets of ink containing conductive particles on the dielectric layer,
A method for manufacturing a shadow mask, comprising:
前記シャドウマスク基材の一主面上に、少なくとも誘電体層を有する転写フィルムを設ける工程と、
所定パターンのフォトマスクを介して前記転写フィルムを露光する工程と、
前記転写フィルムを現像する工程と、
前記シャドウマスク基材上に残留した前記誘電体層を焼成する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のシャドウマスクの製造方法。The step of forming the dielectric layer,
A step of providing a transfer film having at least a dielectric layer on one main surface of the shadow mask substrate,
Exposing the transfer film through a photomask of a predetermined pattern,
Developing the transfer film,
Baking the dielectric layer remaining on the shadow mask substrate,
The method for manufacturing a shadow mask according to claim 1, comprising:
Priority Applications (1)
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