JP2004240989A - リサイクル保証方法とサーバ、リサイクル保証プログラムとコンピュータ読取可能な記録媒体、リサイクル保証情報記録媒体、リサイクル保証付き販売方法、リサイクル保証製品、リサイクル保証口座 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】製品を構成する素材の再生に必要な条件がサーバに入力され、サーバが、入力された条件を、当該条件を識別する情報であって素材に付される保証番号および製品に付される保証番号と共に蓄積し、素材の加工者の端末から当該素材に付された保証番号を受付けた場合、蓄積された素材の再生に必要な条件を抽出して当該加工者の端末に送信し、製品の消費者の端末から当該製品に付された保証番号を受付けた場合、蓄積された素材の再生に必要な条件を抽出して当該消費者の端末に送信する。
【選択図】図2
Description
具体的には、たとえば家具の生産者が、家具を構成する木質系素材の再生を考慮して設計し、生産・販売したとしても、当該家具を購入した消費者が、木質系素材の再生に不適当な接着剤を家具に付着させて使用し、その状態で廃棄してしまえば、家具を構成する木質系素材の再生の処理負担は、生産者が予定していた以上に大きなものとなってしまう。
また製品の選択権を持ち、かつ廃棄物の排出者である消費者をリサイクルに積極的に関与させるためには、販売する製品が再利用を考慮したものであることを認知させなければならない。さらに消費者には、購入した製品の再利用に適した使用態様を知らしめることも必要である。
したがって、従来のリサイクルの仕組みでは、製品が廃棄物として排出される際には、製品を構成する素材が再生に適した状態であることを期待することはできない。その結果、再生に不適当な状態で製品が排出され、素材の再生処理の負担が大きくなり、処理費用が高額ともなれば、廃棄物の受入先を確保することが困難となるため製品の再生を断念し、焼却や埋立てなどといった処理方法が取られることにもなりかねない。
このように従来のリサイクルシステムでは、廃棄物として排出された製品を十分に再利用、つまり製品を構成する素材を繰返し再生することは困難である。
なお、以下に説明する実施の形態は、木質系素材で構成される家具のリサイクル保証を例とする。つまり、製品は家具で、製品を構成する素材は木質系素材である。木質系素材の例としては、木材、あるいは、繊維板(切削板やファイバーボードなど)や合板などの木質ボード、などがある。
ここで木質系素材メーカAは、木質系素材を生産・販売すると共に、当該木質系素材を加工して生産した家具が廃棄物として排出される際に、当該家具を回収して、木質系素材を再生する事業者である。
家具メーカBは、木質系素材メーカAから購入した木質系素材を加工して家具を生産・販売する事業者である。
消費者Cは、家具メーカBが生産した家具を購入して使用すると共に、使用した家具を、将来、廃棄物として排出する者である。
端末21,22,23は、通信ネットワーク3を介して本サーバ1と通信することができる情報処理装置であればよく、たとえば、パーソナルコンピュータをはじめ、データ通信機能を有するPDA(Personal Digital Assistant)や携帯電話機などがある。
また、本サーバ1では、本発明にかかるリサイクル保証プログラム(以下、「本プログラム」という)が動作して本サーバ1内の各手段を制御することで、以下に説明する本発明にかかるリサイクル保証方法(以下、「本方法」という)を実現する。
ここで、本プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体(以下、「本記録媒体」という)を用いれば、図示しないコンピュータを本サーバ1と同様に機能させることができる。すなわち、図示しないコンピュータが、本記録媒体から本プログラムを読取、実行することで、本方法を実現することができる。
また本サーバ1は、木質系素材メーカA、家具メーカBのいずれか一方、あるいは共同で管理・運営するようにしてもよいし、第三者機関が管理・運営するようにしてもよい。
木質系素材の保証条件は、木質系素材を用いて家具を生産するための加工条件と、生産された家具の使用条件とからなる。
木質系素材の保証条件に対する家具の満足度とは、木質系素材を加工して生産された家具が、当該木質系素材の保証条件を遵守している程度(割合)のことである。ここでは、家具メーカBが、木質系素材を加工して家具を生産する際に遵守した加工条件の程度と、消費者Cが、家具を使用する際に遵守した使用条件の程度とから判定する。また、家具の満足度を判定する基準は、保証条件の遵守率である。
家具の満足度に対する保証内容は、廃棄物として排出される家具を回収する費用の割引率として設定する。この「廃棄物として排出される家具を回収する費用(回収費用)」とは、当該家具の再生処理を行う素材メーカAが、当該家具から木質系素材の原料を生成(再生)する処理の費用として当該家具を排出する消費者Cから受け取る金額である。なお、この回収費用には、消費者Cが家具を素材メーカAに輸送するために負担する費用は含まないものとする。
木質系素材メーカAは、木質系素材を生産(S1)した後に、当該木質系素材のリサイクル保証情報を本サーバ1に登録する。本サーバ1は、保証情報受信部11を用いて、端末21から木質系素材のリサイクル保証情報を受付けて保証情報蓄積部12に蓄積し(S2)、受付けたリサイクル保証情報を識別するための保証番号を端末21に送信(出力)する(S3)。ここで保証番号とは、木質系素材の保証条件と、判定基準と、保証内容、とを識別する情報である。なお、前述の通り、本サーバ1は、端末21から受付けたリサイクル保証情報を、端末21に送信する保証番号と共に保証情報蓄積部12に蓄積する。
さらに、判定基準として、保証条件の遵守率が100%であればランクA、75%以上100%未満であればランクB、50%以上75%未満であればランクC、25%以上50%未満であればランクD、25%未満であればランクEとすることを登録する。
さらにまた、回収条件であるところの回収時点の回収単価に対する割引率(回収単価割引率)は、ランクAが50%、ランクBが30%、ランクCが20%、ランクDが10%、ランクEが0%として登録する。
図5(a)は、過去に登録したリサイクル保証情報を識別する情報(保証情報識別子)を受付けるWebページP1xであり、また図5(b)は、過去にリサイクル保証情報を登録した者を識別する情報(会員識別子)を受付けるWebページP1yと、当該登録した者が過去に登録したリサイクル保証情報に対応する保証情報識別子を受付けるWebページP1zである。
WebページP1xを用いれば、木質系素材メーカAは、過去に登録したリサイクル保証情報と同一の内容であれば、保証情報識別子を本サーバ1に送信することで、保証番号を取得することができる。
また、WebページP1yを用いれば、木質系素材メーカAは、過去に登録したリサイクル保証情報が複数ある場合、自己を特定する会員識別子を本サーバ1に送信して、複数の保証情報識別子の一覧(WebページP1z)を受信し、その中から保証情報識別子を選択して本サーバ1に送信することで、保証番号を取得することができる。
木質系素材メーカAは、登録したリサイクル保証情報に対する保証番号を付して、家具メーカBに木質系素材を販売する(S4)。木質系素材に保証番号を付す態様としては、たとえば、図6に示すように、保証番号N1が記載された本発明にかかるリサイクル保証情報記録媒体であるところのリサイクル保証書5を木質系素材4に添付する。リサイクル保証書5は、木質系素材メーカAが作成してもよいし、あるいは、本サーバ1が作成して、保証番号の出力(S3)として端末21に送信してもよい(受信した後に木質系素材メーカAが紙などに印刷する)。
このように家具メーカBは、木質系素材4の加工条件などを確認することができ、木質系素材4の再生を考慮して家具を設計・生産することができる。
図7は、本サーバ1が加工情報を受付けるWebページの例である。家具メーカBは、端末22から本サーバ1に接続してWebページP31を受信し、木質系素材4に付された保証番号N1を入力して、本サーバ1に送信する。本サーバ1は、図示しない手段を用いて、保証情報蓄積部12内を検索し、受信した保証番号N1に対応する加工条件を抽出してWebページP32を作成し、端末22に送信する。家具メーカBは、受信したWebページP32に表示された加工条件の中から、自己が遵守した条件を選択して、本サーバ1に送信する。ここでは、表面加工材の条件は満足している、つまり「印刷紙」以外の表面加工材は使っていない旨と、接着剤の条件は満足していない、つまり「酢酸ビニール系」以外の接着剤を使って加工している旨とを送信(登録)することを示している。
家具メーカBは、保証番号を付して、消費者Cに家具を販売する(S7)。家具に保証番号を付す態様としては、たとえば、図8に示すように、保証番号N1が記載されたリサイクル保証書7を家具6に添付する。リサイクル保証書7は、図6に示す、木質系素材4に添付されたリサイクル保証書5の写しでもよいし、あるいは本サーバ1が、加工情報を受信(S6)した際に発行するようにしてもよい。
このように消費者Cは、家具6を構成する木質系素材4の使用条件を確認することができるため、木質系素材4の再生を考慮して家具6を使用することができる。
消費者Cは、家具6を使用(S8)した後に廃棄物として排出する際に、使用情報を本サーバ1に登録する。本サーバ1は、使用情報受信部14を用いて、端末23から使用情報を受信し、使用条件と関連付けて保証情報蓄積部12に蓄積する(S9)。つまり本サーバ1は、保証情報蓄積部12を検索することで、保証番号N1に対する使用条件と、対応する使用情報とを抽出することができる。
図9は、本サーバ1が使用情報を受付けるWebページの例である。消費者Cは、端末23から本サーバ1に接続してWebページP41を受信し、家具6に付された保証番号N1を入力して、本サーバ1に送信する。本サーバ1は、図示しない手段を用いて、保証情報蓄積部12内を検索し、受信した保証番号N1に対応する使用条件を抽出してWebページP42を作成し、端末23に送信する。消費者Cは、受信したWebページ42に表示された使用条件の中から、自己が遵守した条件を選択して、本サーバ1に送信する。ここでは、装着品の条件は満足している、つまり「磁性金具」以外は、家具に装着していない旨を送信(登録)することを示している。
本サーバ1は、使用情報を受信した後に、保証内容算出部15を用いて、木質系素材4の保証条件に対する家具6の満足度を判定し、回収条件を算出する(S10)。つまり、図3,7,9に示す例によれば、木質系素材4についての表面加工材、接着剤、装着品の3つの保証条件に対して、表面加工材と装着品の2つの条件が遵守されていることから、本サーバ1は、判定基準に基づいてランクCと判定し(2÷3≒0.67)、回収単価割引率が20%であることを算出する。
消費者Cは、保証番号を付して、廃棄物として家具6を排出する(S12)。保証番号を付す態様としては、たとえば、リサイクル保証書7、あるいは、その写しを家具6に添付する。
製品の回収費用をリサイクル保証口座にデポジットし、デポジットした回収費用を当該製品に付された保証番号と対応付けて管理しておくことで、製品の回収を保証する者は、将来発生し得る回収費用に関する会計上のリスクを軽減することができる。また、製品の使用者(将来の排出者)に対して、当該製品の回収費用がデポジットされていることを当該製品に付された保証番号に基づき本サーバを用いて知らしめることができ、製品のリサイクル保証に対する安心感を与えることもできる。
したがって、加工条件と使用条件とが遵守された家具6は、再利用に適した状態で排出されることとなり、木質系素材4の再生を実現することができる。しかも、加工条件と使用条件とが遵守された割合に応じて、家具6を回収する費用の割引率を決定するため、回収の費用を支払う消費者Cに使用条件を遵守させやすく、さらに、加工条件を遵守していることを確認した上で家具6を購入させることもできるため、家具メーカBに加工条件を遵守させやすく、木質系素材4の再生を実現する効果をさらに高めることができる。
その際、保証条件として、加工条件、使用条件に加えて解体条件を追加するなど、製品のライフサイクルの段階ごとに保証条件は設定すればよい。
図17は、本サーバ1がリサイクル保証情報を受付けるWebページの例であり、図3のWebページP1に相当するものである。木質系素材メーカAは、端末21から本サーバ1に接続してWebページP10を受信し、表示された「表面加工剤」「接着剤」「装着品」・・・といった保証条件のカテゴリの中から、製品の回収を保証する条件を選択して、本サーバ1に送信する。図17は、たとえば、表面加工剤に「印刷紙」以外を使用した製品の回収は拒否することを保証条件としていることを示している。また、保証条件は、加工条件と使用条件の別なく設定されることを示している。
先に説明した実施の形態は、1の加工メーカのみの例であったが、本実施の形態は、2の加工メーカが存在する場合の例である。
本実施の形態は、本サーバ1は、2の加工メーカから加工情報を受信することとなり(S6a,S6b)、両者の加工情報と、消費者から受信する使用情報とに基づき保証条件に対する満足度を判定することとなる。
以上説明した実施の形態によれば、2以上の加工メーカが介在する製品のリサイクル保証が可能である。
先に説明した実施の形態では、図6と図8に示すように、木質系素材4と家具6に付す保証番号は同じN1であったが、本実施の形態では、図12に示すように、木質系素材4と家具6に付す保証番号が異なるものである。
本実施の形態では、本サーバ1は、木質系素材メーカAの端末21からリサイクル保証情報を受信する(S2)と保証番号N1を発行(S3x)し、家具メーカBの端末22から保証番号N1と共に加工情報を受信する(S6x)と、保証番号N1に関連付けた保証番号N2を発行する(S61)。つまり、木質系素材メーカAは、保証番号N1を付して木質系素材4を家具メーカBに販売(S4x)し、家具メーカBは、保証番号N2を付して家具6を消費者Cに販売(S7x)する。消費者Cは、保証番号N2を付して家具6を排出する(S12x)。
以上説明した実施の形態によれば、製品のライフサイクルの各段階で別の保証番号を発行して管理することもできる。
これまで説明した実施の形態は、製品を構成する1の素材を再生することを目的とするものであったが、本実施の形態は、製品を構成する2以上の素材を再生することを目的とするものである。
図15は、本実施の形態における本方法のフローチャートである。端末22aと22bは、それぞれ素材4aと4bの生産者が本サーバ1を利用するために用いる端末を示す。
加工メーカは、保証番号N3が付された素材4aと、保証番号N4が付された素材4bとを購入(S4a,S4b)し、製品6yを生産(S5y)した際に、保証番号N3とN4に対する加工情報を本サーバ1に登録する(S6y)。
本サーバ1は、加工メーカからの加工情報を受信すると、保証番号N3,N4と関連付けた保証番号N5を発行する(S61y)。
加工メーカは、保証番号N5を付して製品6yを消費者に販売(S7y)し、消費者は、保証番号N5を付して、廃棄物として製品6yを排出する。
以上説明した実施の形態によれば、2以上の素材で構成される製品のリサイクル保証が可能である。
この手段によれば、たとえば、本サーバは、パーティクルボードを加工して家具を生産する加工メーカの端末からパーティクルボードの保証番号を受信すると、パーティクルボードの保証条件を満足する素材、たとえば、表面加工材や接着剤の一覧を加工メーカの端末に送信することで、加工メーカが、パーティクルボードとの組合せ可能な表面加工材などを選択するのを支援することができる。なお、当該手段は、パーティクルボードの保証条件を満足する表面加工材を抽出する際、当該表面加工材の保証条件をパーティクルボードが満足していることも併せて確認するものであってもよい。
これまで説明した実施の形態は、製品を構成する素材の生産者が、製品の回収(再生)を行うとするものであったが、本実施の形態は、製品を構成する素材の生産者と、製品の回収者(再生者)とは異なる場合のものである。
図16は、本実施の形態を示すフローチャートである。端末24は、消費者から製品を回収して、製品を構成する素材の原料を生成する事業者(回収者)が、本サーバ1を利用するために用いる端末である。
本サーバ1は、算出した保証内容を消費者と回収者に送信する(S11z)。
回収者は、本サーバ1が算出した保証内容に基づき消費者から製品を回収(S12z)して素材の原料を生成(S131)し、素材メーカに販売する(S132)。素材メーカは、回収者から購入した原料をもとに素材を生産(S133)する。
その場合、回収した製品の再生処理は、加工メーカ自身が行うようにしてもよいし、あるいは加工メーカとは別の事業者が行うようにしてもよい。つまり、たとえば、先の木質系素材と家具を例とすると、家具メーカBが、消費者Cから回収した家具6を解体・再生処理して、木質系素材の原料チップを生成し、木質系素材メーカAに販売するようにしてもよいし、あるいは、家具メーカBとは別の事業者が、家具メーカBから回収した家具6を引き取り、木質系素材の原料チップを生成し、木質系素材メーカAに販売するようにしてもよい。
その場合、たとえば、製品の満足度に応じた回収者ごとの回収単価割引率を登録しておき、図10に例示するリサイクル保証情報を出力するWebページに、製品の受入可能な回収者の連絡先と共に回収費用などを掲載して、消費者に回収者を選択させるとよい。
以上説明した実施の形態によれば、素材メーカと、製品を回収して素材の原料を生成する者とが異なる場合であっても、製品のリサイクル保証が可能である。
これまで説明した実施の形態は、リサイクル保証書には、製品のリサイクルが保証される場合、つまり製品を「再資源化(素材の再生)」するための条件が記載されていた。したがって、リサイクル保証書に記載された保証条件に反する加工や使用の態様をとれば、製品の再資源化が不可能となることを加工メーカや消費者に知らしめることができた。ただし、その場合の廃棄物処理方法が、「再資源化」以外の「焼却(エネルギー回収)」となるのか、あるいは「埋立」となるのかについては、加工メーカや消費者は知り得なかった。
本実施の形態は、リサイクル保証書に製品を「再資源化」するための条件のみならず、リサイクルが保証されない条件も「焼却」や「埋立」といった廃棄物処理方法と共に記載するようにしたものである。
ここで、図19は、たとえば、表面加工剤のうち「印刷紙」は再資源化が可能であるが、「メラミン化粧剤」と「金属シート」は再資源化が不可能であり、それぞれの廃棄物処理方法が焼却と埋立である旨が登録されることを示している。
このように、リサイクル保証書に廃棄物処理方法ごとの条件を記載しておくことで、加工メーカや消費者に対して、製品の再資源化が可能な条件のみならず、焼却や埋立といった再資源化以外の廃棄物処理方法を選択せざるを得ない加工・使用の態様を知らしめることができる。その結果、焼却や埋立に比べて環境への負荷の小さい再資源化が可能な加工・使用の態様を加工メーカや消費者に選択させることが期待できる。
このように、リサイクル保証書に廃棄物処理方法ごとの環境負荷値を記載することで、加工メーカや消費者に対して、加工や使用の態様によって製品の廃棄処理における環境への影響がどの程度かを知らしめることができる。
これまで説明した実施の形態は、素材と、この素材で構成された製品のそれぞれに保証番号を付すようにしたものである。たとえば、図6・図8に示した実施の形態では、木質系素材4と家具6には同一の保証番号N1を付し、また、図12に示した実施の形態では、木質系素材4と家具6にはそれぞれ異なる保証番号N1とN2を付していた。
本実施の形態は、保証番号を付すのは製品のみであって、素材には付さないようにしたものである。
加工メーカBは、パーティクルボードを加工して家具を生産すると(S5)、加工情報を本サーバ1に登録する。
本サーバ1は、端末22からの要求に基づき、図示しない手段を用いて、図25に示す加工情報受付画面であるWebページP31xを生成し端末22に送信する。WebページP31xには、本サーバ1にリサイクル保証情報が登録されている素材の名称が一覧表示されていて、画面上の各名称が選択されると、対応する保証情報識別子が本サーバ1に送信されるようになっている。
加工メーカBが、WebページP31x上で文字列「パーティクルボード」を選択すると、本サーバ1は、図示しない手段を用いて、端末22から保証情報識別子PBを受信し、保証情報蓄積部12を検索して加工条件を抽出し、WebページP32xを生成して端末22に送信する。
本サーバ1は、加工情報受信部13を用いて、加工メーカBがWebページP32xを用いて選択した加工情報を受信する(S60)と、保証番号を発行する(S61)。当該保証番号は、加工メーカBが生産した家具に付される。
これまで説明したように、本実施の形態では、素材メーカが、素材のリサイクル保証情報を登録した上で素材を生産して販売する(T1,T2,T3)。本サーバは、リサイクル保証情報を保証情報識別子で管理する。
加工メーカは、加工条件を確認する場合(T4)や、素材を加工して加工情報を登録する場合(T5,T6)には、当該素材の保証情報識別子を本サーバに送信して行い、消費者に販売する製品には保証番号を付す(T7)。
消費者は、使用条件を確認する場合(T8)や、使用情報を登録して保証内容を確認する場合(T9,T10,T11)には、製品に付された保証番号を本サーバに送信して行う。
回収者は、保証番号の付された製品を廃棄物として回収して解体し、素材の原料を生産して素材メーカに販売する(T12,T13,T14)。
素材メーカは、回収者から購入した素材の原料を使って素材を生産し、加工メーカに販売する(T2,T3)。このとき、素材のリサイクル保証情報は、既に登録済のため改めて登録する必要はなく、保証情報識別子も変更されない。
以上説明した実施の形態によれば、一旦リサイクル保証情報を登録しておけば、素材を生産・販売する都度、改めて同じ内容のリサイクル保証情報を登録する必要がなくなるため、リサイクル保証情報の登録負担を軽減することができる。
リサイクル保証製品とは、これまで説明してきた実施の形態で示した廃棄物として排出されるときに回収が保証された製品であって、保証番号が付された製品のことである。
これまで説明した実施の形態によれば、リサイクル保証製品の特徴は、以下の通りである。
(1)製品を構成する素材の再生に必要な条件(保証条件)を識別する情報(保証番号)が付されている。
(2)あるいは、製品を構成する素材の再生に必要な条件(保証条件)を識別する情報(保証番号)が付されていて、上記条件は、上記情報に基づき検索可能となるように情報処理装置(本サーバ)に蓄積されている。
(3)なお、上記(1)または(2)において、製品を構成する素材の再生に必要な条件は、少なくとも当該素材の加工条件と当該製品の使用条件とを含む。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかにおいて、製品に付されている情報は、当該製品を構成する素材の再生に必要な条件と共に、当該条件に対する上記製品の満足度に対応する保証内容を識別するためのものである。
(5)さらに、上記(4)において、保証内容は、製品を構成する素材の再生に必要な条件に対する当該製品の満足度に応じて異なる。
(6)さらにまた、上記(4)または(5)において、保証内容は、製品の回収費用に関する。
(7)さらにまた、上記(1)乃至(6)において、製品を構成する素材は複数である。
しかも、製品の保証条件の満足度に応じて、将来、製品を廃棄物として排出する際の費用が変動する等を保証内容とすれば、消費者に、積極的に保証条件の付された製品を購入させることができると共に、素材の再生に適した製品の使用態様を取らせることができ、さらには、素材の加工メーカに保証条件を遵守させることができる。その結果、製品のライフサイクルに関わるすべての者の協力のもとで素材の再生を実現する効果をさらに高めることができる。
Claims (15)
- 第一の端末と第二の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバであって、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信する手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証番号を上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記第二の端末に表示させる手段と、
上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を加工情報として上記第二の端末から受信し、上記表示させた加工条件と上記受信した加工情報を用いてこの加工条件に対する上記製品の遵守率を算出し、上記保証情報蓄積部に蓄積されている上記算出した遵守率に応じた回収条件を上記第二の端末に表示させる手段と、を有してなることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - 第一の端末と第二の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバであって、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信し、この受信したリサイクル保証情報を識別する保証情報識別子を発行し、この発行した保証情報識別子を上記第一の端末に表示させる手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、上記発行した保証情報識別子と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証情報識別子を上記第二のから受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証情報識別子と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記第二の端末に表示させる手段と、
上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を上記製品の加工情報として上記第二の端末から受信し、保証番号を発行し、上記受信した加工情報と上記発行した保証番号とを上記保証情報識別子と関連付けて上記保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記発行した保証番号を記載した上記製品に付されるリサイクル保証書を出力する手段と、を有してなることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - 第一の端末と第二の端末と第三の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信する手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証番号を上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件と回収条件とを抽出し、この抽出した加工条件と回収条件とを上記第二の端末に表示させる手段と、
上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を加工情報として上記第二の端末から受信し、この受信した加工情報を上記表示させた加工条件と関連付けて上記保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記保証番号を上記第三の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件と当該加工条件と関連付けて蓄積されている加工情報とを抽出し、この抽出した加工条件と加工情報とを上記第三の端末に表示させる手段と、を有してなるサーバであって、
上記リサイクル保証情報には、デポジットされた上記製品の回収費用の金額が含まれ、
上記保証番号を上記第三の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている上記製品の回収費用の金額を抽出し、上記第三の端末に表示させる手段、を備えることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - リサイクル保証情報には、デポジットされた製品の回収費用を管理する口座の番号が含まれ、
上記保証番号を上記第一の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている上記製品の回収費用を管理する口座の番号を抽出し、上記第一の端末に表示させる手段、を備える請求項3記載のリサイクル保証サーバ。 - 素材メーカの端末と加工者の端末と消費者の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続し、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を上記素材メーカの端末から受信する手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証番号を上記加工者の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記加工者の端末に表示させる手段と、
上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を加工情報として上記加工者の端末から受信し、この受信した加工情報を上記表示させた加工条件と関連付けて上記保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記保証番号を上記消費者の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件と当該加工条件と関連付けて蓄積されている加工情報とを抽出し、この抽出した加工条件と加工情報とを上記消費者の端末に表示させる手段と、を有してなるサーバであって、
上記加工者の端末は複数であることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - 第一の端末と第二の端末と第三の端末と第四の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバであって、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信する手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証番号を上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記第二の端末に表示させ、この表示させた加工条件の中から選択された加工条件を第一の加工情報として上記第二の端末から受信し、この第一の加工情報を上記表示させた加工条件と関連付けて上記保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記保証番号を上記第三の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記第三の端末に表示させ、この表示させた加工条件の中から選択された加工条件を第二の加工情報として上記第三の端末から受信し、この第二の加工情報を上記表示させた加工条件と関連付けて上記保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記保証番号を上記第四の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件とこの加工条件と関連付けて蓄積されている第一の加工情報と第二の加工情報とを抽出し、この抽出した加工条件と第一の加工情報と第二の加工情報とを上記第四の端末に表示させる手段と、を有してなることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - 第一の端末と第二の端末と第三の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバであって、
第一の素材の加工条件と、この第一の素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含む第一のリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信し、この受信した第一のリサイクル保証情報を識別する第一の保証番号を発行し、この発行した第一の保証番号を上記第一の端末に表示させ、上記受信した第一のリサイクル保証情報を、上記発行した第一の保証番号と共に保証情報蓄積部に蓄積する手段と、
上記第一の保証番号と第二の保証番号とを上記第三の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した第一の保証番号と共に蓄積されている加工条件と上記受信した第二の保証番号と共に蓄積されている加工条件とを抽出し、この抽出した加工条件を上記第三の端末に表示させ、この表示させた加工条件の中から選択された加工条件を上記製品の加工情報として上記第三の端末から受信し、この受信した製品の加工情報を識別する第三の保証番号を発行し、この発行した第三の保証番号を上記第三の端末に表示させる手段、とを有してなることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - 第一の端末と第二の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバであって、
素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の廃棄処理方法と、を含むリサイクル保証情報を上記第一の端末から受信する手段と、
上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に蓄積する保証情報蓄積部と、
上記保証番号を上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件を抽出し、この抽出した加工条件を上記第二の端末に表示させる手段と、
上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を加工情報として上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して、上記受信した加工情報に対応する上記製品の廃棄処理方法を上記第二の端末に表示させる手段と、を有してなることを特徴とするリサイクル保証サーバ。 - リサイクル保証情報には、製品の廃棄処理方法ごとの環境負荷値が含まれ、
製品の廃棄処理方法と共に、この廃棄処理方法ごとの環境負荷値を第三の端末に表示させる手段、をさらに有する請求項8記載のリサイクル保証サーバ。 - 製品の回収費用に関する条件に代えて、素材の回収費用に関する条件とした請求項1乃至9のいずれかに記載のリサイクル保証サーバ。
- コンピュータを、請求項1乃至10のいずれかに記載のリサイクル保証サーバとして機能させることを特徴とするリサイクル保証プログラム。
- コンピュータプログラムを記録した記録媒体であって、
上記コンピュータプログラムは、請求項11記載のリサイクル保証プログラムであることを特徴とするコンピュータ読取可能な記録媒体。 - 第一の端末と第二の端末のそれぞれと通信ネットワークを介して接続したサーバによる製品のリサイクル保証の方法であって、
上記サーバが、素材の加工条件と、この素材を加工して生産された製品の上記加工条件に対する遵守率に応じた上記製品の回収費用に関する条件を含む回収条件と、を含むリサイクル保証情報を受信するステップと、
上記サーバが、上記受信したリサイクル保証情報を、このリサイクル保証情報を識別する保証番号と共に保証情報蓄積部に蓄積するステップと、
上記サーバが、上記保証番号を上記第二の端末から受信し、上記保証情報蓄積部を検索して上記受信した保証番号と共に蓄積されている加工条件と回収条件とを抽出し、この抽出した加工条件と回収条件とを上記第二の端末に表示させるステップと、
上記サーバが、上記表示させた加工条件の中から選択された加工条件を加工情報として上記第二の端末から受信し、上記表示させた加工条件と上記受信した加工情報を用いてこの加工条件に対する上記製品の遵守率を算出し、上記保証情報蓄積部に蓄積されている上記算出した遵守率に応じた回収条件を上記第二の端末に表示させるステップと、を有してなることを特徴とするリサイクル保証方法。 - 廃棄物として排出されるときに回収が保証された製品であって、
上記製品を構成する素材の再生に必要な条件を識別する情報が付されていることを特徴とするリサイクル保証製品。 - 廃棄物として排出されるときに回収が保証された製品であって、
上記製品を構成する素材の再生に必要な条件を識別する情報が付されており、
上記条件は、上記情報に基づき検索可能となるように情報処理装置に蓄積されていることを特徴とするリサイクル保証製品。
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