JP2004240163A - ディスプレイの方向調整装置 - Google Patents

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JP2004240163A JP2003029203A JP2003029203A JP2004240163A JP 2004240163 A JP2004240163 A JP 2004240163A JP 2003029203 A JP2003029203 A JP 2003029203A JP 2003029203 A JP2003029203 A JP 2003029203A JP 2004240163 A JP2004240163 A JP 2004240163A
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崇志 石崎
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Abstract

【課題】ディスプレイのチルトあるいはスイーベル可能な範囲が大きい場合であっても、ディスプレイを安定的に保持することができるディスプレイの方向調整装置を提供すること。
【解決手段】ディスプレイの背面に取り付けられる可動部10と、この可動部10を支持するベース20とを備え、ベース20は、ディスプレイ側に凸な球形面からなる受け面22aを有し、可動部10は、受け面22aに沿って摺動可能な球形面からなる摺動面12aを有する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータやテレビ受像機のディスプレイをチルト、スイーベルおよびピボット可能に支持するディスプレイの方向調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンピュータやテレビ受像機のディスプレイ(「モニタ」ともいう。)をチルト、スイーベルあるいはピボット可能に支持するディスプレイの方向調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このような方向調整装置によれば、ディスプレイの画面をその用途や使用状態に応じて適宜な方向へ調節することができるので、使用者にとって非常に便宜である。
【0003】
なお、「チルト」とは、ディスプレイの上下を前後に傾動させることをいい(図7(a)参照)、「スイーベル」とは、ディスプレイの左右を前後に傾動させることをいい(図7(b)参照)、「ピボット」とは、ディスプレイをその画面と略平行な面内で回動させることをいう(図7(c)参照)。
【0004】
ディスプレイの方向調整装置の支持機構には、様々な形式があるが、例えば、図7(a)に示す方向調整装置Hのように、ディスプレイDの背面に取り付けられる可動部110を架台Mに固定されたベース120で支持するものが知られている。この方向調整装置Hの可動部110は、図8に示すように、ディスプレイDの背面に形成された取付座D1に固着される取付板110Aと球帯部111を有するフランジ110Bとから構成されており、可動部110の球帯部111内には、ベース120側に付勢されたサポートキャップ130が配置される。
【0005】
そして、図9に示すように、可動部110の球帯部111がベース120側に凸な球形面からなる摺動面111aを備えるとともに、ベース120が摺動面111aと同一の曲率半径を有する球形面からなる受け面120aを備えており、さらに、サポートキャップ130が可動部110の球帯部111の内面と同一の曲率半径を有する球形面からなる押え面130aを備えていることから、可動部110が摺動面111aの曲率中心Qを中心として旋回自在、かつ、軸線P回りに回動自在となり、その結果、可動部110に取り付けられているディスプレイDがチルト、スイーベルあるいはピボット可能となる。
【0006】
すなわち、方向調整装置Hは、ベース120とサポートキャップ130とで可動部110の球帯部111を適宜な押圧力で摺動自在に挟持することにより、可動部110をチルト、スイーベルあるいはピボット可能とするものである。ここで、当該押圧力は、図9に示すように、サポートキャップ130の挿通孔130bにディスプレイD側からボルト141を挿通してその軸部をベース120に突出させるとともに、その軸部に付勢部材142を圧縮状態で外挿してサポートキャップ130をベース120側に付勢することにより発生する。なお、ピボット可能な範囲は、可動部110の取付板110Aに設けた回動規制部112をサポートキャップ130に設けた壁部132で係止することにより規制される。
【0007】
また、可動部110が摺動面111aの曲率中心Qを中心として旋回可能な範囲、すなわち、ディスプレイDのチルトあるいはスイーベル可能な範囲は、図10(a)(b)に示すように、摺動面111aの中心角θの大きさに依存する。すなわち、摺動面111aの中心角θが大きいほど可動部120の旋回可能範囲が広がり、ディスプレイDをより広範囲にチルトあるいはスイーベルさせることができる。
【0008】
ところで、可動部110が取り付けられるディスプレイDの取付座D1(図8参照)の寸法・形状は、VESA規格などによって規定されていることが多く、この場合には、当該規格に適合するように可動部110の寸法・形状を設定しなければならない。例えば、図10(a)に示す可動部110の旋回可能範囲を広げる場合には、可動部110の外形寸法xを変更することができないので、摺動面111aの中心角θを大きくする一方で、その曲率半径rを小さくする必要がある(図10(b)参照)。
【0009】
【特許文献1】
登録実用新案第3063920号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ディスプレイDの方向を調整する際の操作性・安定性は、摺動面111aの曲率半径rの大きさに依存しており、曲率半径rが小さくなると、ディスプレイDの方向を調整する際の操作荷重が不安定になるので、むやみに曲率半径rを小さくすることはできない。このように、可動部110の寸法・形状が制約されている状況下では、可動部110の旋回可能範囲を拡大すべく摺動面111aの中心角θを大きくすると、その曲率半径rを小さくせざるを得ず、その結果、ディスプレイを安定的に保持することができなくなってしまう。このため、実質的には、ディスプレイDのチルトあるいはスイーベル可能な範囲を自由に設定することが困難であった。
【0011】
また、かかる問題は、可動部の摺動面およびベースの受け面を球形面とした場合に限らず、例えば、当該摺動面及び受け面を円筒面として、チルトあるいはスイーベルのみ可能とした場合にも共通する問題である。
【0012】
そこで、本発明は、ディスプレイのチルトあるいはスイーベル可能な範囲が大きい場合であっても、ディスプレイを安定的に保持することができるディスプレイの方向調整装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、請求項1に記載された発明は、ディスプレイの背面に取り付けられる可動部と、当該可動部を支持するベースとを備え、前記ベースは、ディスプレイ側に凸な球形面からなる受け面を有し、前記可動部は、当該受け面に沿って摺動可能な球形面からなる摺動面を有することを特徴とするディスプレイの方向調整装置である。
【0014】
かかるディスプレイの方向調整装置によると、ディスプレイ側に凸なベースの受け面に沿って可動部の摺動面が摺動するように構成されているので、当該可動部の摺動可能な範囲(受け面の曲率中心を中心として旋回可能な範囲)は、受け面の中心角の大きさに依存することになるが、当該ベースの寸法・形状には規格等による制約がないので、受け面の曲率半径および中心角を自由に設定することができる。すなわち、ディスプレイの取付座の寸法・形状に関係なく受け面の曲率半径および中心角を自由に設定することができるので、可動部の旋回可能な範囲を広げるべく受け面の中心角を大きくした場合であっても、ディスプレイを安定的に保持することができる曲率半径を確保することができる。
【0015】
また、請求項2に記載された発明は、ディスプレイの背面に取り付けられる可動部と、当該可動部を支持するベースとを備え、前記ベースは、ディスプレイ側に凸な円筒面からなる受け面を有し、前記可動部は、当該受け面に沿って摺動可能な円筒面からなる摺動面を有することを特徴とするディスプレイの方向調整装置である。
【0016】
かかるディスプレイの方向調整装置は、可動部の摺動面およびベースの受け面をそれぞれ円筒面としたものであるが、当該受け面の曲率半径および中心角の大きさをディスプレイの取付座の寸法・形状に関係なく自由に設定することができるので、可動部の旋回可能な範囲を広げるべく受け面の中心角を大きくした場合であっても、ディスプレイを安定的に保持することができる曲率半径を確保することができる。すなわち、ディスプレイ側に凸なベースの受け面に沿って可動部の摺動面が摺動するように構成されているので、当該可動部の摺動可能な範囲(受け面の曲率中心を中心として旋回可能な範囲)は、受け面の中心角の大きさに依存することになるが、当該ベースの寸法・形状には規格等による制約がないので、受け面の曲率半径および中心角を自由に設定することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
なお、以下の実施形態では、ディスプレイDの上下を前後に傾動させることを「チルト」(図4(a)参照)と称し、ディスプレイDの左右を前後に傾動させることを「スイーベル」(図4(b)参照)と称し、ディスプレイDをその画面と略平行な面内で回動させることを「ピボット」(図4(c)参照)と称することとする。
【0019】
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係るディスプレイの方向調整装置H1(以下、「方向調整装置H1」という。)は、図1および図2に示すように、ディスプレイDの背面に形成された取付座D1に取り付けられる可動部10と、この可動部10を摺動自在に支持するベース20と、ベース20を挟んで可動部10と対向するサポートキャップ30とを備えて構成されている。
【0020】
可動部10は、図1および図2に示すように、略円錐台形を呈する本体部11と、この本体部11のベース20側の縁端に形成された摺動凹部12と、本体部11のディスプレイD側の縁端に沿って形成された取付部13とを備えている。また、可動部10は合成樹脂製であり、本体部11、摺動凹部12および取付部13は一体に成形されている。
【0021】
摺動凹部12は、図2に示すように、そのベース20側の面12a(以下、「摺動面12a」という)が球形面を呈し、その中央に後記するサポートキャップ30の突出部32が挿通される略楕円形(非円形)の挿通孔12bが穿設されている。また、図3に示すように、摺動面12aは、摺動凹部12のベース20側の面をディスプレイD側に窪ませることで形成される。すなわち、摺動面12aはディスプレイD側に凹であり、その曲率中心Qはベース20の背面22b側に位置する。
【0022】
取付部13は、ディスプレイDの取付座D1の寸法・形状に適合するように形成されており、その四隅には、取付孔13aが穿設されている。
【0023】
ベース20は、図1および図2に示すように、架台Mに高さ調節自在に取り付けられる架台部21と、架台部21の上部においてディスプレイD側に膨出する受け部22とを備えている。また、ベース20は、合成樹脂製であり、架台部21と受け部22とは一体に成形されている。
【0024】
架台部21の寸法・形状は、その設置方法やディスプレイの重量等に応じて自由に設定することができる。なお、本実施形態では、架台部21が架台Mに取り付けられているが、これに限定されることはなく、例えば、架台Mを介さずに、図示しない卓上や壁面などに直接に載置あるいは固定されるものであってもよい。すなわち、架台部21と受け部22とを一体に成形するとともに、架台部21を卓上や壁面になどに直接に載置可能な構成とすれば、部品点数の削減および組立作業の簡略化を図ることができる。また、架台部21と受け部22とを別体とし、架台部21に受け部22を固着してベース20を構成しても差し支えない。
【0025】
受け部22は、球帯状を呈しており、そのディスプレイD側の面22a(以下、「受け面22a」という)および背面22b(図2参照)がそれぞれ球形面に形成されている。受け面22aは、図3に示すように、可動部10の摺動面12aと同一の曲率半径rを有し、摺動面12aと摺動自在に当接する。また、受け面22aはディスプレイD側に凸であり、その曲率中心は摺動面12aの曲率中心Qと一致し、その中心角θは可動部10の摺動面12aの中心角θよりも大きい。
【0026】
サポートキャップ30は、合成樹脂製であり、図1および図2に示すように、球冠状を呈する球冠部31と、この球冠部31のディスプレイD側の面に突設された突出部32とを備えており、ベース20の受け部22に収容される(図3参照)。
【0027】
球冠部31は、図3に示すように、そのベース20側の面31a(以下、「押え面31a」という。)がベース20の背面22b(図2参照)と同一の曲率半径rを有する球形面に形成されており、ベース20の背面22bに摺動自在に当接する。また、図2に示すように、球冠部31の背面側には、後記するボルト41の頭部41aが係合する非円形の被係合部31bが凹設されている。なお、図3に示すように、押え面31aの中心角は、可動部10の摺動面12aの中心角θとおおよそ等しくされている。
【0028】
突出部32は、図1および図2に示すように、可動部10の挿通孔12bの寸法・形状に対応して略楕円形に形成されており、挿通孔12bに嵌入可能である。すなわち、サポートキャップ30は、可動部10に対して回動不能に取り付けられ、可動部10とともに旋回・回動する。また、突出部32の中央には、ボルト41の軸部41bが挿通可能な挿通孔31cが穿設されている。
【0029】
ボルト41は、図2に示すように、サポートキャップ30の被係合部31bに係合可能な非円形の頭部41aと、サポートキャップ30の挿通孔31cに挿通可能な軸部41bとを備えており、サポートキャップ30に対して回動不能に取り付けられる。また、図3に示すように、可動部10の本体部11内に突出したボルト41の軸部41bには、コイル状の付勢部材42が圧縮状態で外挿される。この付勢部材42の付勢力(復元力)は、ワッシャ43およびナット44を介してボルト41に伝達され、さらにこのボルト41を介してサポートキャップ30に伝達され、結果としてサポートキャップ30をベース20側に引き寄せる力となる。すなわち、ベース20の受け部22が可動部10とサポートキャップ30との間に適宜な押圧力で挟持されることになる。なお、付勢部材42は、コイル状のものに限定されることはなく、例えば板ばねや皿ばねであっても差し支えない。
【0030】
そして、可動部10の摺動面12aとこれに当接するベース20の受け面22aとがそれぞれ曲率半径rの球形面を有し、ベース20の背面22bとこれに当接するサポートキャップ30の押え面31aとがそれぞれ曲率半径rの球形面を有し、かつ、これらの曲率中心Qが一致していることから、可動部10は、その摺動面12aがベース20の受け面22aに当接した状態で、曲率中心Qを中心としてベース20の受け面22aに沿って旋回可能となり、さらには、軸線P回りに回動可能となる。
【0031】
すなわち、図4(a)に示すように、可動部10を上下方向に旋回させると、ディスプレイDがチルトすることになり、図4(b)に示すように、可動部10を左右方向に旋回させるとディスプレイDがスイーベルすることになる。また、可動部10を軸線P(図3参照)回りに回動させると、図4(c)に示すように、ディスプレイDがピボットすることになる。
【0032】
次に、以上のように構成された方向調整装置H1の組立方法を説明する。
【0033】
図3に示すように、まず、ベース20の受け面22aに可動部10の摺動面12aを当接させたうえで、サポートキャップ30をベース20の受け部22に配置し、突出部32を可動部10の挿通孔12bに嵌入する。そして、サポートキャップ30の挿通孔31bにボルト41を挿通してその軸部41bを可動部10の本体部11内部に突出させたうえで、この軸部41bにコイル状の付勢部材42とワッシャ43を外挿するとともに、ナット44を螺合して付勢部材42を圧縮すれば方向調整装置H1の組み立てが完了する。
【0034】
また、方向調整装置H1をディスプレイDの背面に取り付けるには、図2に示すように、ディスプレイDの取付座D1に可動部10の取付部13をあてがったうえで、取付孔13aから図示しないビスなどの固着具を挿通して固定すればよい。
【0035】
以上のように構成された方向調整装置H1によれば、図3に示すように、可動部10を支持するベース20の受け面22aをディスプレイD側に凸な球形面とし、この受け面22aに沿って可動部10の摺動面12aが摺動するように構成したので、ディスプレイDの画面の方向を自由に調節することができる(図4参照)。
【0036】
そして、可動部10を支持するベース20の受け面22aをディスプレイD側に凸な球形面としたので、ディスプレイDの取付座D1の寸法・形状に関係なくその曲率半径rおよび中心角θを自由に設定することができる。すなわち、可動部10の旋回可能な範囲は、ベース20の受け面22aの中心角θの大きさに依存するが、このベース20の寸法・形状は、規格等により制約を受けることがないので、結果として受け面22aの曲率半径rおよび中心角θを自由に設定することができ、かつ、可動部10を安定的に保持できる受け面22aの曲率半径rを設定することができる。
【0037】
例えば、図5(b)に示す受け面22a’のように、その中心角θ’を図5(a)に示す受け面22aの中心角θよりも大きくすれば、可動部10の旋回可能範囲を広げることができ、さらに、その曲率半径r’を図5(a)に示す曲率半径rと同一かこれよりも大きくすれば、ディスプレイDの向きを調節する際の操作荷重の安定性が損なわれることもない。
【0038】
また、図5(b)に示す受け面22a’の曲率半径r’を、図5(a)に示す曲率半径rと同一にした場合には、可動部10の構成を変更せずに、その旋回可能範囲を広げることができるので、経済的である。
【0039】
なお、本実施形態に係る方向調整装置H1では、サポートキャップ30の突出部32がベース20の開口部22dの側壁22cに当接するまで可動部10を旋回させることができるが、ベース20の開口部22dを縦長(あるいは横長)にすれば、可動部10の旋回可能範囲を広げることができる。このようにすれば、可動部10およびサポートキャップ30の構成を変更しなくても、この可動部10の旋回可能範囲を拡大することができる。
【0040】
このように、寸法・形状に制約のないベース20にディスプレイD側に凸な受け面22aを形成し、この受け面22aに沿って可動部10を旋回させる構成とすることで、ディスプレイDの方向を調整する際に、その操作荷重の安定性を確保しつつ、ディスプレイDのチルトあるいはスイーベル可能な範囲を広げることができる。つまり、可動部10の旋回可能な範囲を広げるべく受け面22aの中心角を大きくした場合であっても、ディスプレイDを安定的に保持することができる曲率半径を確保することができる。
【0041】
(第二の実施形態)
第二の実施形態に係るディスプレイの方向調整装置H2(以下、「方向調整装置H2」という。)は、図6に示すように、可動部50の摺動面52a及びベース60の受け面62aを円筒面とし、ディスプレイDをチルトのみ可能としたものである。
【0042】
より詳細に説明すると、第二の実施形態に係る方向調整装置H2は、図6に示すように、ディスプレイDの背面に形成された取付座D1(図2参照)に取り付けられる可動部50と、この可動部50を摺動自在に支持するベース60と、ベース60を挟んで可動部50と対向するサポートキャップ70とを備えて構成されている。
【0043】
可動部50は、図6に示すように、ディスプレイDの背面に取り付けられる取付部53と、この取付部53と一体に設けられた摺動凹部52とを備えており、摺動凹部52は、円筒面からなる摺動面52aを有している。摺動面52aは、摺動凹部52のベース60側の面をディスプレイD側に窪ませることで形成される。すなわち、摺動面52aはディスプレイ側に凹であり、その曲率中心はベース60の背面側に位置する。また、摺動凹部52には、左右二箇所に略楕円形の挿通孔52b,52bが穿設されている。
【0044】
ベース60は、図示しない卓上や壁面などに載置あるいは固定される架台部61と、架台部61の上部においてディスプレイD側に膨出する受け部62とを備えており、受け部62は、ディスプレイD側に凸な円筒面からなる受け面62aを有している。受け面62aは、可動部50の摺動面52aと同一の曲率半径を有し、摺動面52aと摺動自在に当接する。また、受け面62aの曲率中心は可動部50の摺動面52aのそれと一致し、その中心角は摺動面52aのそれよりも大きい。また、受け部62には、可動部50の挿通孔52bと対応する位置に縦長の開口部62b,62bが形成されている。
【0045】
サポートキャップ70は、略半円筒形を呈する円筒部71と、この円筒部71のディスプレイD側の面71a(以下、「押え面71a」という)において可動部50の挿通孔52bに対応する位置に突設された左右一対の突出部72,72とを備え、ベース60の受け部62に収容される。押え面71aは、ベース60の背面と同一の曲率半径を有する円筒面に形成されている。
【0046】
また、前記した第一の実施形態に係る方向調整装置H1と同様に、可動部50に配置された付勢部材42の付勢力(復元力)によりサポートキャップ70がベース60側に引き寄せられる。すなわち、ベース60の受け部62が可動部50とサポートキャップ70との間に適宜な押圧力で挟持され、その結果、可動部50が、その摺動面52aの曲率中心を中心としてベース60の受け面62aに沿って上下方向に旋回可能となる。
【0047】
以上のように、本実施形態に係る方向調整装置H2によれば、可動部50を支持するベース60の受け面62aをディスプレイD側に凸な円筒面とし、この受け面62aに沿って上下方向に可動部50の摺動面52aが摺動するように構成したので、ディスプレイDをチルトさせることができる(図4(a)参照)。
【0048】
また、可動部50を支持するベース60の受け面62aをディスプレイD側に凸な円筒面としたので、ディスプレイDの取付座D1の寸法・形状に関係なくその曲率半径および中心角を自由に設定することができる。そして、受け面62aの寸法・形状を自由に設定することができるが故に、受け面62aの曲率半径の大きさを維持しつつ中心角を大きくすることが可能となり、すなわち、ディスプレイDの方向を調整する際に、その操作荷重の安定性を確保しつつ、そのチルト可能な範囲を広げることができる。
【0049】
なお、図示は省略するが、ディスプレイDをスイーベル可能に支持する場合には、受け部を縦方向に配置すればよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係るディスプレイの方向調整装置によれば、ディスプレイのチルトあるいはスイーベル可能な範囲が大きい場合であっても、当該ディスプレイを安定的に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態に係るディスプレイの方向調整装置をディスプレイの正面側から見た分解斜視図である。
【図2】同じく背面側から見た分解斜視図である。
【図3】同じく側断面図である。
【図4】(a)(b)(c)は可動部の動きを説明する模式図である。
【図5】(a)(b)はチルト可能範囲を説明する模式図である。
【図6】第二の実施形態に係るディスプレイの方向調整装置をディスプレイの正面側から見た分解斜視図である。
【図7】(a)(b)(c)はディスプレイの動きを説明する模式図である。
【図8】従来のディスプレイの方向調整装置をディスプレイの背面側から見た分解斜視図である。
【図9】同じく側断面図である。
【図10】(a)(b)はチルト可能範囲を説明する模式図である。
【符号の説明】
H1 ディスプレイの方向調整装置
10 可動部
11 本体部
12 摺動凹部
12a 摺動面
13 取付部
20 ベース
21 架台部
22 受け部
22a 受け面
30 サポートキャップ
31 球冠部
31a 押え面
31b 被係合部
32 突出部
41 ボルト
42 付勢部材
43 ワッシャ
44 ナット
Q 曲率中心
,r 曲率半径
D ディスプレイ
D1 取付座

Claims (2)

  1. ディスプレイの背面に取り付けられる可動部と、
    当該可動部を支持するベースとを備え、
    前記ベースは、ディスプレイ側に凸な球形面からなる受け面を有し、
    前記可動部は、当該受け面に沿って摺動可能な球形面からなる摺動面を有することを特徴とするディスプレイの方向調整装置。
  2. ディスプレイの背面に取り付けられる可動部と、
    当該可動部を支持するベースとを備え、
    前記ベースは、ディスプレイ側に凸な円筒面からなる受け面を有し、
    前記可動部は、当該受け面に沿って摺動可能な円筒面からなる摺動面を有することを特徴とするディスプレイの方向調整装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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