JP2004239811A - 面状磁気センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】多数の測定点における磁場を極めて短時間に測定することができると共に、薄膜化が可能な高感度の面状磁気抵抗センサを提供すること。
【解決手段】面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層11と、磁気抵抗効果膜の各面に積層され所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層12,13とを設けるとともに、感知層11の上下に絶縁層41,42を積層した。
【選択図】 図10
【解決手段】面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層11と、磁気抵抗効果膜の各面に積層され所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層12,13とを設けるとともに、感知層11の上下に絶縁層41,42を積層した。
【選択図】 図10
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場を広範囲にわたって測定するのに適する面状磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、測定対象物(例えば、永久磁石、磁石が内蔵された電気機器等)の周囲にどのような磁場が生じているかを測定するに際し、磁束計やガウスメータ等を用い、ホール素子等のセンサを測定対象物の周囲における所定の測定点に位置決めして、手動でこの測定点を変更しながら測定している。そして、このガウスメータ等により測定された磁束密度を測定点ごとにプロットしていくことで、測定対象物回りに生じている磁場の状態を視覚的に認識できるよう処理している。
【0003】
しかしながら、このような磁場測定手段は、一つのセンサを予め決めた測定点ごとに動かす必要があるため、測定に時間がかかる。このため、測定対象物周囲の磁場の変化をリアルタイムにとらえるには適さない。また、測定点の変更を手動で行う手段の場合には、各測定点における位置合わせが容易ではない。一方、このような不都合を解消するに当たって、センサを平面的に多数配置して、磁場を広範囲にわたって一度に測定することも考えられる。これにより、一つの面に沿った各測定点に関しては、センサを移動させなくても短時間に各測定点での磁場を測定することが可能となる。しかしながら、各センサごとに、駆動電圧又は駆動電流を供給するリード線、及び、出力電流又は出力電圧を検出するリード線を接続しなければならず、配線が多数必要で複雑となり実用的ではない。
【0004】
そこで、本願出願人は、トンネル効果により巨大磁気抵抗効果を示す面状に形成された複数の感知層を導体層を挟んで積層し、複数の感知層の一つに金属微粒子を含有した絶縁酸化物からなるグラニュラー膜により構成した面状磁気センサを提案し、利便性を向上させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−40117号公報(第4頁、図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の面状磁気センサは、測定対象磁場内においてセンサを移動することなく、複数の測定点での二次元、三次元方向の磁場を測定できるとともに、磁場の強弱だけでなく磁力線の向きを含む広範囲の磁場解析を極めて短時間に行うことができる。
【0007】
しかしながら、グラニュラー膜を薄くすると感度が低下することがあり、薄膜化あるいは感度向上の面でまだまだ改善の余地があった。
【0008】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、多数の測定点における磁場を極めて短時間に測定することができると共に、薄膜化が可能な高感度の面状磁気抵抗センサを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層と、前記磁気抵抗効果膜の各面に積層されると共に、所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層とを備えた面状磁気センサであって、前記感知層の上下に絶縁層を積層したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記感知層をコバルト粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成したことを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記絶縁層を二酸化ケイ素(SiO2)により形成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記感知層が100〜2000nmの膜厚を有し、前記絶縁層が2〜3nmの膜厚を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記感知層のコバルト粒子の含有量が約40%であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10を示す。この面状磁気センサ10は、ガラス基板10a上に順に積層される一方の導体層12、感知層11、及び他方の導体層13を備えて構成されている。
【0015】
感知層11は、任意の大きさの面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる。この磁気抵抗効果膜は、最大磁気抵抗変化率(最大MR比)が数十%という巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を示す。面状に形成して広範囲の磁場を検知するに際し、測定部位によって磁場の強い部分と弱い部分が生じており、それらを一つの磁気抵抗効果膜で検知しようとする場合には、最大MR比の大きい巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜が必要となる。
【0016】
また、本発明は配線数を少なくすることも課題とするため、後述のように、導体層12,13として、線状のものを用いている。従って、巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜の中でも、導電範囲を制限するため、所定値以上の電圧の場合に電流が流れるトンネル効果を有するもの、すなわち、グラニュラー膜構造のものが用いられる。
【0017】
グラニュラー膜構造の磁気抵抗効果膜とは、例えば、SiO2、ZnO、ZrO、Al2O3、MgOなどの非磁性体である絶縁酸化物中に、Fe、Co、Fe−Coなどの磁性材料からなる金属微粒子を含有させたものであり、図3(a),(b)及び図4に示したように、金属微粒子(磁性微粒子)の磁化の向きがゼロ磁場においてはバラバラで抵抗が大きいのに対し、磁場の印加により磁性微粒子の磁化の向きが同方向となって抵抗が小さくなる特性を示す。
【0018】
図5は、二酸化ケイ素(SiO2)にコバルト(Co)微粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜の電圧−電流特性を示す図であるが、この図から明らかなように、Co−SiO2から形成されたグラニュラー膜は、電圧値が所定値以上に至らないと電流が流れないというトンネル効果を有している。
【0019】
所定の大きさの面状に形成された上記の感知層11の各面には、導体層12,13が積層される。導体層12,13は、銅などの導電材料からなり、線状に形成された複数の線状導体膜12a,13aから構成され、感知層11の各面において、それぞれ隣接する線状導体膜12a,12a同士又は線状導体膜13a,13a同士が、相互に連結されずにそれぞれ独立した配置構造で所定間隔をおいて付着されている。具体的には、一方の導体層12を構成する線状導体膜12aが、隣接するもの同士間隔をおいて、一方向に沿って互いに略平行に配設されており、他方の導体層13を構成する線状導体膜13aが、隣接するもの同士間隔をおいて、一方の導体層12を形成する上記線状導体膜12aと略直交する方向に沿って互いに略平行に配設されている。これにより、面状磁気センサ10を平面方向から見た場合には、一方の導体層12を形成する各線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aとが複数点で交差する位置関係で、すなわち平面視で略格子状となるような位置関係で配置される。
【0020】
ガラス基板10a上に、線状導体膜12aからなる一方の導体層12、磁気抵抗効果膜からなる感知層11、及び線状導体膜13aからなる他方の導体層13を積層する手段は任意であるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法などを用いることができる。なお、各導体層12,13を構成する線状導体膜12a,13aを上記のような所定のパターンに形成するに当たっては、スパッタリング等の際に所定のパターンに形成されたマスク(図示せず)を介して行うことができる。
【0021】
また、一方の導体層12と他方の導体層13との間に駆動回路と検出回路を接続する。例えば、図1及び図2に示したように、駆動回路として駆動電力を定電圧で供給する定電圧回路14をリード線14aを介して一方の導体層12の各線状導体膜12aに接続すると共に、リード線14bを介して他方の導体層12の各線状導体膜13aに接続する。また、検出回路を構成する電流計15を両者間に介装する。
【0022】
本実施形態によれば、定電圧回路14により所定の駆動電圧を印加すると、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aから感知層11を介して他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aに電流が流れる。この際、本実施形態によれば、上記のように、感知層11を構成する磁気抵抗効果膜がトンネル効果を有するため、図5に示したように、所定値以上の電圧が印加されないと電流が流れない性質を有する。従って、図2の一部断面図に示したように、一方の導体層12を構成する線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する線状導体膜13aとの間では、感知層11の電気抵抗の最も低い、平面視で両者の交点間、すなわち最短距離間(図中、破線矢印で示す)に電流が流れ易く、交点付近から離れるに従って電流が流れにくくなる。このため、この交点間付近に限定した電流値を検出することができる。
【0023】
例えば、図1に示したように、一方の線状導体膜12aと他方の線状導体膜13aとの交点が、X1〜X16まで設けられているとする。この場合における磁場を測定するに当たっては、本実施形態によれば、例えば、一方の導体層12のうち図中もっとも下側の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも左側の線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X1における電流値を測定できる。同様に、例えば、一方の導体層12のうち図中、下から2番目の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも左側に配置された線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X5における電流値を測定できる。さらには、例えば、一方の導体層12のうち図中もっとも上側の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも右側の線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X16における電流値を測定できる。
【0024】
すなわち、本実施形態によれば、駆動電圧を印加する線状導体膜12a,13aの組み合わせをスイッチング操作により変更するだけで複数の測定点における磁場を測定することができる。なお、スイッチング操作は、図示しないが、例えば、上記の定電圧回路14に接続される任意の制御手段により行うことができる。特に、制御手段としてコンピュータ制御によるものを用いた場合には、スイッチングの順序等をソフトウエア上の設定により処理でき、極めて短時間に複数の測定点を測定でき、よりリアルタイムな測定が可能となる。
【0025】
また、図1に示したように、例えば、交点X1〜X16までの16点で測定する場合、必要となるリード線数は、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aに接続される4本のリード線14aと、他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aに接続される4本のリード線14bとの計8本で済む。仮に、16点の測定点にそれぞれ個別のセンサを配置したとしたならば、測定点ごとに2本ずつ、計32本のリード線が必要となり、合計配線数は4倍になる。当然、この差は、測定点数が多くなるほど大きくなる。従って、本実施形態によれば、所定の範囲の複数の測定点における磁場を一度に測定するセンサとして、配線数が極めて少なく済むことから実用に適している。
【0026】
なお、図1に示した例では、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aとを平面視で交差させるに当たって、ほぼ略直角に交差させているが、これに限らず、両者の交差角がそれ以下の角度、例えば、60度、45度程度で交差するように配置することもできる。
【0027】
図6〜図7は、本発明の第2の実施形態を示す面状磁気センサ20の平面図及び一部断面図である。本実施形態では、駆動回路に接続される一対の導電層と検出回路に接続される一対の導電層とを区別した点が上記第1の実施形態と異なる。
【0028】
すなわち、本実施形態にかかる面状磁気センサ20は、ガラス基板20aに対し、3層の感知層21〜23と、第1の感知層21とガラス基板20aとの間に積層された第1の導体層24と、第1の感知層21と第2の感知層22との間に積層された第2の導体層25と、第2の感知層22と第3の感知層23との間に積層された第3の導体層26と、第3の感知層23の外面に積層された第4の導体層27との合計で7層の膜の積層体から構成されている。
【0029】
但し、各感知層21〜23が、上記第1の実施形態と同様の巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜から構成され、また、それらが所定の面積を有する面状に形成されている点、さらには、各導体層24〜27を銅等の導電材料から線状に形成された線状導体膜から構成される点は上記第1の実施形態と同じである。
【0030】
本実施形態では、第1の感知層21とガラス基板20aとの間に積層される第1の導体層24を構成する各線状導体膜24aと、第3の感知層23の外面に積層される第4の導体層27を構成する各線状導体膜27aは、各線状導体膜24a同士、あるいは各線状導体膜27a同士が、いずれも隣接するもの同士相互に独立した連結されていない線状に形成されている。そして、第1の導体層24を構成する各線状導体膜24aの配置方向と、第4の導体層27を構成する各線状導体膜27aの配置方向とは平面視で略直交して交差する位置関係で形成されている。なお、この交差角が必ずしも略直角に限定されるものではないことは上記第1の実施形態の場合と同様である。
【0031】
第2の導体層25は、隣接する各線状導体膜25a同士が相互に連結されている。具体的には、図6の破線で示したように、感知層21〜23を平面方向から見た場合に、各線状導体膜25aは斜めにその端から端まで配置されており、順に、一端側、他端側というようにジグザグ状に連結された配置構造、すなわち、全体で1本の一体的な線状導体膜を構成する配置構造に形成されている。
【0032】
第3の導体層26も、図6の点線で示したように、第2の導体層25と同様に、各線状導体膜26aが隣接するもの同士連結され、全体で1本の一体的な線状導体膜を構成する配置構造に形成されている。第2の導体層25と第3の導体層26を構成する各線状導体膜25a,26aは、このように全体で1本の線状導体膜を構成するように形成されているが、それらを構成する各線状導体膜25aと各線状導体膜26aとは平面視で任意の交差角で、例えば略直角に交差する向きで形成される。
【0033】
第1の実施形態において説明したように、トンネル効果を有する磁気抵抗効果膜の電流が流れる範囲は、第2の導体層25の各線状導体膜25aと第3の導体層26の各線状導体膜26aとの交点間(最短距離間)となることから、このような配置構造とすることにより、所定の測定点(交点)位置における磁気抵抗を検知することが可能となる。
【0034】
また、検出回路に接続される第2の導体層25の各線状導体膜25aと第3の導体層26を構成する各線状導体膜26aとの交点の位置と、駆動回路に接続される上記の第1の導体層24の各線状導体膜24aと第4の導体層27の各線状導体膜27aとの交点の位置とが、平面視で略一致するように形成される。これにより、4つの導体層を構成する各線状導体膜が平面視で同じ位置で交差することになり、磁気抵抗効果膜の有するトンネル効果により、当該交点位置における磁気抵抗を測定することが可能となる。
【0035】
従って、例えば、図6に示したように、第1の導体層24の線状導体膜24aと第4の導体層27の線状導体膜27aとを略直交するように交差させた場合には、第2の導体層25の線状導体膜25aと第3の導体層26の線状導体膜26aとは、それら自体は互いに略直交する一方、第1の導体層24の線状導体膜24aと第4の導体層27の線状導体膜27aに対しては、それぞれ、平面視で略45度の交差角をなすように形成することにより、各導体層の交点位置のみを一致させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、図6及び図7に示したように、例えば、駆動回路として、駆動電力を定電流で供給する定電流回路28をリード線28aを介して第1の導体層24の各線状導体膜24aに接続すると共に、リード線28bを介して第4の導体層27の各線状導体膜27aに接続する。検出回路を構成する電圧計29は、第2の導体層25の線状導体膜25aと第3の導体層26の線状導体膜26aとの間に、リード線29a,29bを介して接続されるが、この線状導体膜25aと26aとは全体で1本の膜となっている。従って、電圧計29を接続するための配線は、第2の導体層25と第3の導体層26に対してそれぞれ1本ずつ、計2本で済む。定電流回路28を接続するためのリード線28a,28bは、図6のように、16カ所の交点(測定点)を有する場合には、それぞれ4本ずつの計8本必要であるが、全体の配線数は10本で済む。
【0037】
また、本実施形態によれば、第1の導体層24と第4の導体層27との間に駆動電流を流すと、各測定点における両者間の電圧値が、第2の導体層25と第3の導体層26に接続した電圧計29により測定される。このため、電圧の測定範囲が限定されることから、他の回路による影響が小さく、高い測定精度が得られる。なお、いずれの測定点に対して電流を流すかは、図示しない制御手段によるスイッチング操作により制御できる。この点は上記した第1の実施形態と同様である。
【0038】
図8及び図9は、本発明の第3の実施形態にかかる面状磁気センサ30の構成を説明するための平面図及び一部断面図である。本実施形態にかかる面状磁気センサ30は、第2の実施形態と同様に、ガラス基板30a上に積層される3つの感知層31〜33と、第1の感知層31とガラス基板30aとの間に積層される第1の導体層34と、第1の感知層31と第2の感知層32との間に積層させる第2の導体層35と、第2の感知層32と第3の感知層33との間に積層される第3の導体層36と、第3の感知層33の外面に積層される第4の導体層37との計7層の膜の積層体からなる。
【0039】
そして、各感知層31〜33が、巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜から構成され、また、それらが所定の面積を有する面状に形成されている点、さらに、各導体層34〜37を銅等の導電材料からなる複数の線状導体膜より構成する点は上記第2の実施形態と同じである。また、第1の導体層34を構成する各線状導体膜34a及び第4の導体層37を構成する各線状導体膜37aの配置構造も第2の実施形態と同様である。
【0040】
但し、第2の導体層35を構成する線状導体膜35aと第3の導体層36を構成する線状導体膜36aとの各配置構造が上記第2の実施形態とは異なる。すなわち、上記第2の実施形態では、第2の導体層25の線状導体膜25a及び第3の導体層26の線状導体膜26aは、いずれも全体で1本の線状導体膜を構成する配置構造であるが、本実施形態では、隣接する線状導体膜35a同士、又は隣接する線状導体膜36a同士が、それぞれ独立した連結されてない配置構造に形成されている。
【0041】
具体的には、第1の導体層34の各線状導体膜34aの配置方向に対し、第1の感知層31を挟んで、第2の導体層35の各線状導体膜35aの配置方向は、図の破線で示したように約45度傾いた方向となるように形成されており、第3の導体層36の各線状導体膜36aは、図の点線で示したように、第2の導体層35の各線状導体膜35aの配置方向に対して約90度向きを変えた配置方向で形成され、さらに、第4の導体層37の各線状導体膜37aは、第1の導体層34の各線状導体膜34aに対して約90度向きを変えた配置方向で形成されている。また、駆動回路に接続される第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aの交点と、検出回路に接続される第2の導体層35の各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aの交点とは、平面視で互いに略一致するように形成されている。
【0042】
従って、第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aの交点間に、例えば、駆動回路を構成する定電流回路38により電流を流すと、第2の導体層35の各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aの交点間の電圧を、電圧計39により測定することができる。本実施形態の場合にも電圧測定範囲が限定されている構造であるため、第2の実施形態と同様に高い測定精度が得られる。
【0043】
但し、本実施形態の場合には、定電流回路38をリード線38a,38bにより、第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aのそれぞれに接続する必要があると共に、電圧計39も、リード線39a,39bを用いて、第2の導体層35を構成する各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aのそれぞれに接続する必要がある。従って、図8に示したように測定点が16カ所ある場合には、駆動回路用のリード線38a,38bとして計8本、検出回路用のリード線39a,39bとして計8本の合わせて16本必要となる(なお、図8では、一部のリード線のみ図示している)。本実施形態の場合には、リード線の配線数の点では第2の実施形態よりも多くなるが、それでも、16カ所の測定点のそれぞれに独立したセンサを配設した場合に必要となる配線数と比較すれば半分で済む。なお、いずれの測定点に対して電流を流すかについては、図示しない制御手段によるスイッチング操作によって制御できる点は上記した第1及び第2の実施形態と同様である。
【0044】
図10は、本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40の構成を示しており、図1及び図2に示される本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10に設けられた感知層11の上下面に絶縁層41,42を積層して電気的絶縁を図ることにより感度を向上させたものである。
【0045】
すなわち、この面状磁気センサ40は、ガラス基板10aの上に、導体層12、絶縁層41、感知層11、絶縁層42、導体層13が順に積層されて構成されており、面状磁気センサ40の他の構成は面状磁気センサ10と同じである。
【0046】
【実施例】
上述した本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40において、感知層11をコバルト(Co)微粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成するとともに、二つの絶縁層41,42を二酸化ケイ素(SiO2)により形成し、第1及び第2の導体層12,13を構成する各線状導体膜12a,13aを銅により形成している。
【0047】
上記構成において、感知層11の膜厚を100〜2000nmに設定し、感知層11の上下に積層された二つの絶縁層41,42の膜厚を2〜3nmに設定して電気的絶縁を図ることにより面状磁気センサ20の各測定ポイントの感度が向上した。また、コバルト(Co)微粒子を約40%含有させたグラニュラー膜により感知層11を形成すると、良好な感度を示すことが確認された。
【0048】
さらに、本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10において、感知層11を鉄(Fe)微粒子を含有させたFe−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成した場合、その膜厚を400nm以下にすると感度の低下が確認されたが(Feの酸化に起因するものと思われる)、本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40においては、感知層11にCo−SiO2膜を使用することで薄膜化及び感度向上を図ることができた。
【0049】
図11は、図10に示される面状磁気センサ40のGMR効果を示しており、磁場強度の変化に伴い磁気抵抗比が大きく変化していることがわかる。
【0050】
なお、本発明の第2あるいは第3の実施形態にかかる面状磁気センサ20,30において、第1〜第3の感知層21〜23、31〜33の各層の上下に二つの絶縁層を積層することにより同様な効果を奏することができる。
【0051】
また、本発明の面状磁気センサは上記した各実施形態に限定されるものでないことはもちろんである。例えば、第1の実施形態では定電圧動作、第2及び第3の実施形態では定電流動作させているが、これらを逆にすることもできる。また、いずれも測定点を16カ所に設定しているが、これはあくまでも一例であり、感知層が面状であって複数点を測定可能であれば、これ以上又はこれ以下の測定点であってもよく、さらには、感知層の面積、各導体層を構成する各線状導体膜同士の間隔も限定されるものではない。また、いずれの実施形態においても、感知層や導体層の積層数は図示したものに限定されない。
【0052】
さらに、上記した各面状磁気センサ10〜40に対し、磁気異方性を有する他の面状磁気センサを絶縁部材を介して1以上積層することにより、二次元方向、三次元方向の磁場を検知可能な多次元磁場解析用面状磁気センサ(図示せず)とすることもできる。
【0053】
この磁気異方性を有する面状磁気センサとしては、任意の大きさの面状に形成された磁気異方性を有する磁気抵抗効果膜からなる感知層と、該感知層の各面に積層されると共に、各面方向に沿って所定間隔をおいて複数線状に形成された線状導体膜からなる導体層とを含み、前記一方の導体層を構成する各線状導体膜と、他方の導体層を構成する各線状導体膜とが、前記磁気抵抗効果膜を挟んで平面視で互いに交差する位置関係となるように配置されている構造のものを用いることができる。すなわち、磁気抵抗効果膜として、上記各実施形態のように電流と磁場の方向に依存しない磁気抵抗変化を示すものを用いるのではなく、例えば、垂直磁化膜、面内異方性膜などを用いて感知層を形成した構造である。なお、線状導体膜からなる導体層の構成は、上記各実施形態と同様に種々のパターンの配置構造とすることができる。
【0054】
かかる構成の多次元磁場解析用面状磁気センサを用いた場合には、測定対象磁場内において、該センサを移動することなく、複数の測定点での二次元、三次元方向の磁場を測定でき、磁場の強弱だけでなく、磁力線の向きも含めた広範囲の磁場解析を極めて短時間に行うことが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層と、磁気抵抗効果膜の各面に積層されると共に、所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層とを備えた面状磁気センサを使用することで、多数の測定点における磁場を極めて短時間に測定することができる。また、感知層の上下に絶縁層を積層することにより面状磁気センサの感度向上を図ることができる。
【0056】
また、感知層をコバルト粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成することにより、薄膜化が可能な高感度の面状磁気抵抗センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状磁気センサの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の面状磁気センサの一部断面図である。
【図3】図1の面状磁気センサで用いた感知層を構成するグラニュラー膜の特性を説明するための図である。
【図4】図1の面状磁気センサで用いた感知層を構成するグラニュラー膜の磁場強度と抵抗値との関係を示すグラフである。
【図5】Co−SiO2からなるグラニュラー膜の電圧−電流特性を示すグラフである。
【図6】本発明の面状磁気センサの第2の実施形態を示す平面図である。
【図7】図6の面状磁気センサの一部断面図である。
【図8】本発明の面状磁気センサの第3の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8の面状磁気センサの一部断面図である。
【図10】本発明の面状磁気センサの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10の磁気センサの磁場強度に対する磁気抵抗比を示すグラフである。
【符号の説明】
10 面状磁気センサ、 11 感知層、 12,13 導体層、
12a,13a 線状導体膜、 20 面状磁気センサ、
21,22,23 感知層、 24,25,26,27 導体層、
24a,25a,26a,27a 線状導体膜、 30 面状磁気センサ、
31,32,33 感知層、 34,35,36,37 導体層、
34a,35a,36a,37a 線状導体膜、 40 面状磁気センサ、
41,42 絶縁層。
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁場を広範囲にわたって測定するのに適する面状磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、測定対象物(例えば、永久磁石、磁石が内蔵された電気機器等)の周囲にどのような磁場が生じているかを測定するに際し、磁束計やガウスメータ等を用い、ホール素子等のセンサを測定対象物の周囲における所定の測定点に位置決めして、手動でこの測定点を変更しながら測定している。そして、このガウスメータ等により測定された磁束密度を測定点ごとにプロットしていくことで、測定対象物回りに生じている磁場の状態を視覚的に認識できるよう処理している。
【0003】
しかしながら、このような磁場測定手段は、一つのセンサを予め決めた測定点ごとに動かす必要があるため、測定に時間がかかる。このため、測定対象物周囲の磁場の変化をリアルタイムにとらえるには適さない。また、測定点の変更を手動で行う手段の場合には、各測定点における位置合わせが容易ではない。一方、このような不都合を解消するに当たって、センサを平面的に多数配置して、磁場を広範囲にわたって一度に測定することも考えられる。これにより、一つの面に沿った各測定点に関しては、センサを移動させなくても短時間に各測定点での磁場を測定することが可能となる。しかしながら、各センサごとに、駆動電圧又は駆動電流を供給するリード線、及び、出力電流又は出力電圧を検出するリード線を接続しなければならず、配線が多数必要で複雑となり実用的ではない。
【0004】
そこで、本願出願人は、トンネル効果により巨大磁気抵抗効果を示す面状に形成された複数の感知層を導体層を挟んで積層し、複数の感知層の一つに金属微粒子を含有した絶縁酸化物からなるグラニュラー膜により構成した面状磁気センサを提案し、利便性を向上させている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−40117号公報(第4頁、図6)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の面状磁気センサは、測定対象磁場内においてセンサを移動することなく、複数の測定点での二次元、三次元方向の磁場を測定できるとともに、磁場の強弱だけでなく磁力線の向きを含む広範囲の磁場解析を極めて短時間に行うことができる。
【0007】
しかしながら、グラニュラー膜を薄くすると感度が低下することがあり、薄膜化あるいは感度向上の面でまだまだ改善の余地があった。
【0008】
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、多数の測定点における磁場を極めて短時間に測定することができると共に、薄膜化が可能な高感度の面状磁気抵抗センサを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層と、前記磁気抵抗効果膜の各面に積層されると共に、所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層とを備えた面状磁気センサであって、前記感知層の上下に絶縁層を積層したことを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、前記感知層をコバルト粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成したことを特徴とする。
【0011】
さらに、請求項3に記載の発明は、前記絶縁層を二酸化ケイ素(SiO2)により形成したことを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、前記感知層が100〜2000nmの膜厚を有し、前記絶縁層が2〜3nmの膜厚を有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、前記感知層のコバルト粒子の含有量が約40%であることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1及び図2は、本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10を示す。この面状磁気センサ10は、ガラス基板10a上に順に積層される一方の導体層12、感知層11、及び他方の導体層13を備えて構成されている。
【0015】
感知層11は、任意の大きさの面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる。この磁気抵抗効果膜は、最大磁気抵抗変化率(最大MR比)が数十%という巨大磁気抵抗効果(GMR効果)を示す。面状に形成して広範囲の磁場を検知するに際し、測定部位によって磁場の強い部分と弱い部分が生じており、それらを一つの磁気抵抗効果膜で検知しようとする場合には、最大MR比の大きい巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜が必要となる。
【0016】
また、本発明は配線数を少なくすることも課題とするため、後述のように、導体層12,13として、線状のものを用いている。従って、巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜の中でも、導電範囲を制限するため、所定値以上の電圧の場合に電流が流れるトンネル効果を有するもの、すなわち、グラニュラー膜構造のものが用いられる。
【0017】
グラニュラー膜構造の磁気抵抗効果膜とは、例えば、SiO2、ZnO、ZrO、Al2O3、MgOなどの非磁性体である絶縁酸化物中に、Fe、Co、Fe−Coなどの磁性材料からなる金属微粒子を含有させたものであり、図3(a),(b)及び図4に示したように、金属微粒子(磁性微粒子)の磁化の向きがゼロ磁場においてはバラバラで抵抗が大きいのに対し、磁場の印加により磁性微粒子の磁化の向きが同方向となって抵抗が小さくなる特性を示す。
【0018】
図5は、二酸化ケイ素(SiO2)にコバルト(Co)微粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜の電圧−電流特性を示す図であるが、この図から明らかなように、Co−SiO2から形成されたグラニュラー膜は、電圧値が所定値以上に至らないと電流が流れないというトンネル効果を有している。
【0019】
所定の大きさの面状に形成された上記の感知層11の各面には、導体層12,13が積層される。導体層12,13は、銅などの導電材料からなり、線状に形成された複数の線状導体膜12a,13aから構成され、感知層11の各面において、それぞれ隣接する線状導体膜12a,12a同士又は線状導体膜13a,13a同士が、相互に連結されずにそれぞれ独立した配置構造で所定間隔をおいて付着されている。具体的には、一方の導体層12を構成する線状導体膜12aが、隣接するもの同士間隔をおいて、一方向に沿って互いに略平行に配設されており、他方の導体層13を構成する線状導体膜13aが、隣接するもの同士間隔をおいて、一方の導体層12を形成する上記線状導体膜12aと略直交する方向に沿って互いに略平行に配設されている。これにより、面状磁気センサ10を平面方向から見た場合には、一方の導体層12を形成する各線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aとが複数点で交差する位置関係で、すなわち平面視で略格子状となるような位置関係で配置される。
【0020】
ガラス基板10a上に、線状導体膜12aからなる一方の導体層12、磁気抵抗効果膜からなる感知層11、及び線状導体膜13aからなる他方の導体層13を積層する手段は任意であるが、例えば、スパッタ法、真空蒸着法などを用いることができる。なお、各導体層12,13を構成する線状導体膜12a,13aを上記のような所定のパターンに形成するに当たっては、スパッタリング等の際に所定のパターンに形成されたマスク(図示せず)を介して行うことができる。
【0021】
また、一方の導体層12と他方の導体層13との間に駆動回路と検出回路を接続する。例えば、図1及び図2に示したように、駆動回路として駆動電力を定電圧で供給する定電圧回路14をリード線14aを介して一方の導体層12の各線状導体膜12aに接続すると共に、リード線14bを介して他方の導体層12の各線状導体膜13aに接続する。また、検出回路を構成する電流計15を両者間に介装する。
【0022】
本実施形態によれば、定電圧回路14により所定の駆動電圧を印加すると、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aから感知層11を介して他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aに電流が流れる。この際、本実施形態によれば、上記のように、感知層11を構成する磁気抵抗効果膜がトンネル効果を有するため、図5に示したように、所定値以上の電圧が印加されないと電流が流れない性質を有する。従って、図2の一部断面図に示したように、一方の導体層12を構成する線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する線状導体膜13aとの間では、感知層11の電気抵抗の最も低い、平面視で両者の交点間、すなわち最短距離間(図中、破線矢印で示す)に電流が流れ易く、交点付近から離れるに従って電流が流れにくくなる。このため、この交点間付近に限定した電流値を検出することができる。
【0023】
例えば、図1に示したように、一方の線状導体膜12aと他方の線状導体膜13aとの交点が、X1〜X16まで設けられているとする。この場合における磁場を測定するに当たっては、本実施形態によれば、例えば、一方の導体層12のうち図中もっとも下側の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも左側の線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X1における電流値を測定できる。同様に、例えば、一方の導体層12のうち図中、下から2番目の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも左側に配置された線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X5における電流値を測定できる。さらには、例えば、一方の導体層12のうち図中もっとも上側の線状導体膜12aと、他方の導体層13のうち図中もっとも右側の線状導体膜13aに電圧を印加するようにスイッチングすることにより、交点X16における電流値を測定できる。
【0024】
すなわち、本実施形態によれば、駆動電圧を印加する線状導体膜12a,13aの組み合わせをスイッチング操作により変更するだけで複数の測定点における磁場を測定することができる。なお、スイッチング操作は、図示しないが、例えば、上記の定電圧回路14に接続される任意の制御手段により行うことができる。特に、制御手段としてコンピュータ制御によるものを用いた場合には、スイッチングの順序等をソフトウエア上の設定により処理でき、極めて短時間に複数の測定点を測定でき、よりリアルタイムな測定が可能となる。
【0025】
また、図1に示したように、例えば、交点X1〜X16までの16点で測定する場合、必要となるリード線数は、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aに接続される4本のリード線14aと、他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aに接続される4本のリード線14bとの計8本で済む。仮に、16点の測定点にそれぞれ個別のセンサを配置したとしたならば、測定点ごとに2本ずつ、計32本のリード線が必要となり、合計配線数は4倍になる。当然、この差は、測定点数が多くなるほど大きくなる。従って、本実施形態によれば、所定の範囲の複数の測定点における磁場を一度に測定するセンサとして、配線数が極めて少なく済むことから実用に適している。
【0026】
なお、図1に示した例では、一方の導体層12を構成する各線状導体膜12aと他方の導体層13を構成する各線状導体膜13aとを平面視で交差させるに当たって、ほぼ略直角に交差させているが、これに限らず、両者の交差角がそれ以下の角度、例えば、60度、45度程度で交差するように配置することもできる。
【0027】
図6〜図7は、本発明の第2の実施形態を示す面状磁気センサ20の平面図及び一部断面図である。本実施形態では、駆動回路に接続される一対の導電層と検出回路に接続される一対の導電層とを区別した点が上記第1の実施形態と異なる。
【0028】
すなわち、本実施形態にかかる面状磁気センサ20は、ガラス基板20aに対し、3層の感知層21〜23と、第1の感知層21とガラス基板20aとの間に積層された第1の導体層24と、第1の感知層21と第2の感知層22との間に積層された第2の導体層25と、第2の感知層22と第3の感知層23との間に積層された第3の導体層26と、第3の感知層23の外面に積層された第4の導体層27との合計で7層の膜の積層体から構成されている。
【0029】
但し、各感知層21〜23が、上記第1の実施形態と同様の巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜から構成され、また、それらが所定の面積を有する面状に形成されている点、さらには、各導体層24〜27を銅等の導電材料から線状に形成された線状導体膜から構成される点は上記第1の実施形態と同じである。
【0030】
本実施形態では、第1の感知層21とガラス基板20aとの間に積層される第1の導体層24を構成する各線状導体膜24aと、第3の感知層23の外面に積層される第4の導体層27を構成する各線状導体膜27aは、各線状導体膜24a同士、あるいは各線状導体膜27a同士が、いずれも隣接するもの同士相互に独立した連結されていない線状に形成されている。そして、第1の導体層24を構成する各線状導体膜24aの配置方向と、第4の導体層27を構成する各線状導体膜27aの配置方向とは平面視で略直交して交差する位置関係で形成されている。なお、この交差角が必ずしも略直角に限定されるものではないことは上記第1の実施形態の場合と同様である。
【0031】
第2の導体層25は、隣接する各線状導体膜25a同士が相互に連結されている。具体的には、図6の破線で示したように、感知層21〜23を平面方向から見た場合に、各線状導体膜25aは斜めにその端から端まで配置されており、順に、一端側、他端側というようにジグザグ状に連結された配置構造、すなわち、全体で1本の一体的な線状導体膜を構成する配置構造に形成されている。
【0032】
第3の導体層26も、図6の点線で示したように、第2の導体層25と同様に、各線状導体膜26aが隣接するもの同士連結され、全体で1本の一体的な線状導体膜を構成する配置構造に形成されている。第2の導体層25と第3の導体層26を構成する各線状導体膜25a,26aは、このように全体で1本の線状導体膜を構成するように形成されているが、それらを構成する各線状導体膜25aと各線状導体膜26aとは平面視で任意の交差角で、例えば略直角に交差する向きで形成される。
【0033】
第1の実施形態において説明したように、トンネル効果を有する磁気抵抗効果膜の電流が流れる範囲は、第2の導体層25の各線状導体膜25aと第3の導体層26の各線状導体膜26aとの交点間(最短距離間)となることから、このような配置構造とすることにより、所定の測定点(交点)位置における磁気抵抗を検知することが可能となる。
【0034】
また、検出回路に接続される第2の導体層25の各線状導体膜25aと第3の導体層26を構成する各線状導体膜26aとの交点の位置と、駆動回路に接続される上記の第1の導体層24の各線状導体膜24aと第4の導体層27の各線状導体膜27aとの交点の位置とが、平面視で略一致するように形成される。これにより、4つの導体層を構成する各線状導体膜が平面視で同じ位置で交差することになり、磁気抵抗効果膜の有するトンネル効果により、当該交点位置における磁気抵抗を測定することが可能となる。
【0035】
従って、例えば、図6に示したように、第1の導体層24の線状導体膜24aと第4の導体層27の線状導体膜27aとを略直交するように交差させた場合には、第2の導体層25の線状導体膜25aと第3の導体層26の線状導体膜26aとは、それら自体は互いに略直交する一方、第1の導体層24の線状導体膜24aと第4の導体層27の線状導体膜27aに対しては、それぞれ、平面視で略45度の交差角をなすように形成することにより、各導体層の交点位置のみを一致させることができる。
【0036】
また、本実施形態では、図6及び図7に示したように、例えば、駆動回路として、駆動電力を定電流で供給する定電流回路28をリード線28aを介して第1の導体層24の各線状導体膜24aに接続すると共に、リード線28bを介して第4の導体層27の各線状導体膜27aに接続する。検出回路を構成する電圧計29は、第2の導体層25の線状導体膜25aと第3の導体層26の線状導体膜26aとの間に、リード線29a,29bを介して接続されるが、この線状導体膜25aと26aとは全体で1本の膜となっている。従って、電圧計29を接続するための配線は、第2の導体層25と第3の導体層26に対してそれぞれ1本ずつ、計2本で済む。定電流回路28を接続するためのリード線28a,28bは、図6のように、16カ所の交点(測定点)を有する場合には、それぞれ4本ずつの計8本必要であるが、全体の配線数は10本で済む。
【0037】
また、本実施形態によれば、第1の導体層24と第4の導体層27との間に駆動電流を流すと、各測定点における両者間の電圧値が、第2の導体層25と第3の導体層26に接続した電圧計29により測定される。このため、電圧の測定範囲が限定されることから、他の回路による影響が小さく、高い測定精度が得られる。なお、いずれの測定点に対して電流を流すかは、図示しない制御手段によるスイッチング操作により制御できる。この点は上記した第1の実施形態と同様である。
【0038】
図8及び図9は、本発明の第3の実施形態にかかる面状磁気センサ30の構成を説明するための平面図及び一部断面図である。本実施形態にかかる面状磁気センサ30は、第2の実施形態と同様に、ガラス基板30a上に積層される3つの感知層31〜33と、第1の感知層31とガラス基板30aとの間に積層される第1の導体層34と、第1の感知層31と第2の感知層32との間に積層させる第2の導体層35と、第2の感知層32と第3の感知層33との間に積層される第3の導体層36と、第3の感知層33の外面に積層される第4の導体層37との計7層の膜の積層体からなる。
【0039】
そして、各感知層31〜33が、巨大磁気抵抗効果を示す磁気抵抗効果膜から構成され、また、それらが所定の面積を有する面状に形成されている点、さらに、各導体層34〜37を銅等の導電材料からなる複数の線状導体膜より構成する点は上記第2の実施形態と同じである。また、第1の導体層34を構成する各線状導体膜34a及び第4の導体層37を構成する各線状導体膜37aの配置構造も第2の実施形態と同様である。
【0040】
但し、第2の導体層35を構成する線状導体膜35aと第3の導体層36を構成する線状導体膜36aとの各配置構造が上記第2の実施形態とは異なる。すなわち、上記第2の実施形態では、第2の導体層25の線状導体膜25a及び第3の導体層26の線状導体膜26aは、いずれも全体で1本の線状導体膜を構成する配置構造であるが、本実施形態では、隣接する線状導体膜35a同士、又は隣接する線状導体膜36a同士が、それぞれ独立した連結されてない配置構造に形成されている。
【0041】
具体的には、第1の導体層34の各線状導体膜34aの配置方向に対し、第1の感知層31を挟んで、第2の導体層35の各線状導体膜35aの配置方向は、図の破線で示したように約45度傾いた方向となるように形成されており、第3の導体層36の各線状導体膜36aは、図の点線で示したように、第2の導体層35の各線状導体膜35aの配置方向に対して約90度向きを変えた配置方向で形成され、さらに、第4の導体層37の各線状導体膜37aは、第1の導体層34の各線状導体膜34aに対して約90度向きを変えた配置方向で形成されている。また、駆動回路に接続される第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aの交点と、検出回路に接続される第2の導体層35の各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aの交点とは、平面視で互いに略一致するように形成されている。
【0042】
従って、第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aの交点間に、例えば、駆動回路を構成する定電流回路38により電流を流すと、第2の導体層35の各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aの交点間の電圧を、電圧計39により測定することができる。本実施形態の場合にも電圧測定範囲が限定されている構造であるため、第2の実施形態と同様に高い測定精度が得られる。
【0043】
但し、本実施形態の場合には、定電流回路38をリード線38a,38bにより、第1の導体層34の各線状導体膜34a及び第4の導体層37の各線状導体膜37aのそれぞれに接続する必要があると共に、電圧計39も、リード線39a,39bを用いて、第2の導体層35を構成する各線状導体膜35a及び第3の導体層36の各線状導体膜36aのそれぞれに接続する必要がある。従って、図8に示したように測定点が16カ所ある場合には、駆動回路用のリード線38a,38bとして計8本、検出回路用のリード線39a,39bとして計8本の合わせて16本必要となる(なお、図8では、一部のリード線のみ図示している)。本実施形態の場合には、リード線の配線数の点では第2の実施形態よりも多くなるが、それでも、16カ所の測定点のそれぞれに独立したセンサを配設した場合に必要となる配線数と比較すれば半分で済む。なお、いずれの測定点に対して電流を流すかについては、図示しない制御手段によるスイッチング操作によって制御できる点は上記した第1及び第2の実施形態と同様である。
【0044】
図10は、本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40の構成を示しており、図1及び図2に示される本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10に設けられた感知層11の上下面に絶縁層41,42を積層して電気的絶縁を図ることにより感度を向上させたものである。
【0045】
すなわち、この面状磁気センサ40は、ガラス基板10aの上に、導体層12、絶縁層41、感知層11、絶縁層42、導体層13が順に積層されて構成されており、面状磁気センサ40の他の構成は面状磁気センサ10と同じである。
【0046】
【実施例】
上述した本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40において、感知層11をコバルト(Co)微粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成するとともに、二つの絶縁層41,42を二酸化ケイ素(SiO2)により形成し、第1及び第2の導体層12,13を構成する各線状導体膜12a,13aを銅により形成している。
【0047】
上記構成において、感知層11の膜厚を100〜2000nmに設定し、感知層11の上下に積層された二つの絶縁層41,42の膜厚を2〜3nmに設定して電気的絶縁を図ることにより面状磁気センサ20の各測定ポイントの感度が向上した。また、コバルト(Co)微粒子を約40%含有させたグラニュラー膜により感知層11を形成すると、良好な感度を示すことが確認された。
【0048】
さらに、本発明の第1の実施形態にかかる面状磁気センサ10において、感知層11を鉄(Fe)微粒子を含有させたFe−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成した場合、その膜厚を400nm以下にすると感度の低下が確認されたが(Feの酸化に起因するものと思われる)、本発明の第4の実施形態にかかる面状磁気センサ40においては、感知層11にCo−SiO2膜を使用することで薄膜化及び感度向上を図ることができた。
【0049】
図11は、図10に示される面状磁気センサ40のGMR効果を示しており、磁場強度の変化に伴い磁気抵抗比が大きく変化していることがわかる。
【0050】
なお、本発明の第2あるいは第3の実施形態にかかる面状磁気センサ20,30において、第1〜第3の感知層21〜23、31〜33の各層の上下に二つの絶縁層を積層することにより同様な効果を奏することができる。
【0051】
また、本発明の面状磁気センサは上記した各実施形態に限定されるものでないことはもちろんである。例えば、第1の実施形態では定電圧動作、第2及び第3の実施形態では定電流動作させているが、これらを逆にすることもできる。また、いずれも測定点を16カ所に設定しているが、これはあくまでも一例であり、感知層が面状であって複数点を測定可能であれば、これ以上又はこれ以下の測定点であってもよく、さらには、感知層の面積、各導体層を構成する各線状導体膜同士の間隔も限定されるものではない。また、いずれの実施形態においても、感知層や導体層の積層数は図示したものに限定されない。
【0052】
さらに、上記した各面状磁気センサ10〜40に対し、磁気異方性を有する他の面状磁気センサを絶縁部材を介して1以上積層することにより、二次元方向、三次元方向の磁場を検知可能な多次元磁場解析用面状磁気センサ(図示せず)とすることもできる。
【0053】
この磁気異方性を有する面状磁気センサとしては、任意の大きさの面状に形成された磁気異方性を有する磁気抵抗効果膜からなる感知層と、該感知層の各面に積層されると共に、各面方向に沿って所定間隔をおいて複数線状に形成された線状導体膜からなる導体層とを含み、前記一方の導体層を構成する各線状導体膜と、他方の導体層を構成する各線状導体膜とが、前記磁気抵抗効果膜を挟んで平面視で互いに交差する位置関係となるように配置されている構造のものを用いることができる。すなわち、磁気抵抗効果膜として、上記各実施形態のように電流と磁場の方向に依存しない磁気抵抗変化を示すものを用いるのではなく、例えば、垂直磁化膜、面内異方性膜などを用いて感知層を形成した構造である。なお、線状導体膜からなる導体層の構成は、上記各実施形態と同様に種々のパターンの配置構造とすることができる。
【0054】
かかる構成の多次元磁場解析用面状磁気センサを用いた場合には、測定対象磁場内において、該センサを移動することなく、複数の測定点での二次元、三次元方向の磁場を測定でき、磁場の強弱だけでなく、磁力線の向きも含めた広範囲の磁場解析を極めて短時間に行うことが可能となる。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層と、磁気抵抗効果膜の各面に積層されると共に、所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層とを備えた面状磁気センサを使用することで、多数の測定点における磁場を極めて短時間に測定することができる。また、感知層の上下に絶縁層を積層することにより面状磁気センサの感度向上を図ることができる。
【0056】
また、感知層をコバルト粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成することにより、薄膜化が可能な高感度の面状磁気抵抗センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面状磁気センサの第1の実施形態を示す平面図である。
【図2】図1の面状磁気センサの一部断面図である。
【図3】図1の面状磁気センサで用いた感知層を構成するグラニュラー膜の特性を説明するための図である。
【図4】図1の面状磁気センサで用いた感知層を構成するグラニュラー膜の磁場強度と抵抗値との関係を示すグラフである。
【図5】Co−SiO2からなるグラニュラー膜の電圧−電流特性を示すグラフである。
【図6】本発明の面状磁気センサの第2の実施形態を示す平面図である。
【図7】図6の面状磁気センサの一部断面図である。
【図8】本発明の面状磁気センサの第3の実施形態を示す平面図である。
【図9】図8の面状磁気センサの一部断面図である。
【図10】本発明の面状磁気センサの第4の実施形態を示す斜視図である。
【図11】図10の磁気センサの磁場強度に対する磁気抵抗比を示すグラフである。
【符号の説明】
10 面状磁気センサ、 11 感知層、 12,13 導体層、
12a,13a 線状導体膜、 20 面状磁気センサ、
21,22,23 感知層、 24,25,26,27 導体層、
24a,25a,26a,27a 線状導体膜、 30 面状磁気センサ、
31,32,33 感知層、 34,35,36,37 導体層、
34a,35a,36a,37a 線状導体膜、 40 面状磁気センサ、
41,42 絶縁層。
Claims (5)
- 面状に形成された磁気抵抗効果膜からなる少なくとも一つの感知層と、前記磁気抵抗効果膜の各面に積層されると共に、所定間隔をおいて線状に形成された複数の線状導体膜からなる導体層とを備えた面状磁気センサであって、前記感知層の上下に絶縁層を積層したことを特徴とする面状磁気センサ。
- 前記感知層をコバルト粒子を含有させたCo−SiO2から形成されたグラニュラー膜により構成したことを特徴とする請求項1に記載の面状磁気センサ。
- 前記絶縁層を二酸化ケイ素(SiO2)により形成したことを特徴とする請求項1あるいは2に記載の面状磁気センサ。
- 前記感知層が100〜2000nmの膜厚を有し、前記絶縁層が2〜3nmの膜厚を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の面状磁気センサ。
- 前記感知層のコバルト粒子の含有量が約40%であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の面状磁気センサ。
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- 2003-02-07 JP JP2003030673A patent/JP2004239811A/ja active Pending
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