JP2004239123A - バイフューエルエンジンの燃焼室構造 - Google Patents

バイフューエルエンジンの燃焼室構造 Download PDF

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Abstract

【課題】気体燃料による成層燃焼のみならず液体燃料による成層燃焼をも可能とし、出力の向上を図ると共に、その搭載車両の航続距離を延長することができるバイフューエルエンジンの燃焼室構造を提供する。
【解決手段】点火プラグ109が吸気ポート106と排気ポート107との間の燃焼室105の上部中央に配設されている。そして、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130が吸気ポート106を挟む態様で並行して配設されている。さらに、ピストン104の上部には、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130に対応する共通のピストンキャビティ104Cが、吸気ポート106側にオフセットされて形成されている。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はバイフューエルエンジンの燃焼室構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車等においては、大気汚染抑制および省資源の観点からガソリンや軽油等の液体燃料に替えて圧縮天然ガス(CNG:Compressed Natural Gas)等の気体燃料が注目されている。しかし、CNGの場合は、ガソリン等に比べてそのエネルギー密度が小さい(ガソリンの20〜30%程度)ので、CNGを使用するエンジンを搭載した車両は、ガソリンを使用するエンジンを搭載した車両に比べて航続距離が短い。また、インフラ整備の遅れから、その充填ステーションの数も十分ではなく、長距離の移動に不安が残っている。そこで、かかる気体燃料と液体燃料との少なくとも一方をエンジンに供給可能な二元燃料、すなわち、バイフューエルエンジンが提案されている。
【0003】
かかるバイフューエルエンジンとしては、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。このバイフューエルエンジンは、CNG供給用のキャブレタと点火補助用の液体燃料を気筒内に噴射供給する液体燃料噴射弁とを備えている。
【0004】
また、特許文献2に記載のバイフューエルエンジンにおいては、点火プラグが配置され気体燃料が供給される予燃焼室をシリンダヘッドに形成すると共に、主燃焼室に液体燃料を噴射する液体燃料噴射弁が配置された燃焼室構造を備えている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−63076号公報
【特許文献2】
特開平11−324750号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、バイフューエルエンジンにおいて、CNG等の気体を燃料として用いる際に、その特性を有効に利用して航続距離を拡大するためには、高圧縮比化を図ると共に、CNGを直接気筒内に噴射供給して成層燃焼させることが好ましい。このために、通常、CNGの容器内充填圧力(例えば、20MPa)は、気筒内に直接噴射できるようにレギュレータにより制御噴射可能な圧力(例えば、5MPa)にまで減圧されて用いられている。この容器内残圧が20〜5MPaでの範囲では問題なく気筒内直接噴射が可能であり、成層燃焼による超希薄燃焼でのCOの低減が期待できる。なお、成層燃焼とは、燃焼室内に濃混合気と希薄混合気とを層状に形成し、まず、濃混合気の部分に着火し、その火炎によって希薄混合気の部分も燃焼させることにより、不完全燃焼および失火を回避しつつ全体として希薄な混合気を燃焼させて燃料消費率(以下、燃費と称す)の向上を図るものである。
【0007】
しかしながら、従来技術で述べたバイフューエルエンジンのように、気体燃料をキャブレタで供給したり、予燃焼室内に噴射供給する形式では、気体燃料の特性を充分に生かし得る成層燃焼運転を行うことができないという問題がある。
【0008】
そこで、本発明の課題は、気体燃料による成層燃焼のみならず液体燃料による成層燃焼をも可能とし、バイフューエルエンジンの出力の向上を図ると共に、その搭載車両の航続距離を延長することができるバイフューエルエンジンの燃焼室構造を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第一の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁に対応する共通のピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、気体燃料および液体燃料のいずれの燃料でも共通のピストンキャビティで成層燃焼を行わせることができ、燃費の向上が図れると共に、構造が簡略化される。しかも、気体燃料および液体燃料が共に気筒内に噴射され得るので、液体燃料の場合の気化潜熱の利用による耐ノック性、および気体燃料の場合の高オクタン価による高圧縮比化が可能であり、出力の向上が図れる。
【0011】
また、上記課題を解決する本発明の第二の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁のいずれか一方を前記吸気ポート側に配設し、他方を前記排気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁にそれぞれ対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側および排気ポート側にそれぞれオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0012】
上記構成によれば、上述の本発明の第一の形態と同様に、液体燃料の場合の気化潜熱の利用による耐ノック性、および気体燃料の場合の高オクタン価による高圧縮比化が可能であり、出力の向上が図れる。加えて、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁のそれぞれに適切な形状のピストンキャビティを設定できるので、各々独立に噴霧角や噴霧形状の設定が可能である。従って、燃料種類や燃料圧力等の最適化が可能である。
【0013】
さらに、上記課題を解決する本発明の第三の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグおよび気体燃料噴射弁を吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを中央部に、および液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、上記本発明の第二の形態による効果に加えて、気体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティが中央部に形成されているので、中央噴射により何れのクランク位置でもピストンキャビティ内に噴霧を捕らえ、点火プラグ付近が濃い層状混合気を容易に形成できる。従って、気体燃料による成層燃焼可能領域を側方からの噴射に比べて広げることができる。
【0015】
さらに、上記課題を解決する本発明の第四の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側、および気体燃料噴射弁を前記排気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記排気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、上記本発明の第二の形態による効果に加えて、点火プラグと気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、気体燃料による成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、排気ポート側は燃料温度が高くなるが、気体燃料は気泡等が発生せず、噴射速度も速く気体なので空気の取込みも良好であり、層状の成層混合気を比較的容易に形成することができる。
【0017】
さらに、上記課題を解決する本発明の第五の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記排気ポート側、および気体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記排気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、上記本発明の第二の形態による効果に加えて、点火プラグと気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、気体燃料による成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、排気ポート側は燃料温度が高くなるので、液体燃料の気化が促進され、均質燃焼性能の向上や低温時の燃料増量必要性の減少、オイル希釈作用の軽減効果を有する。
【0019】
さらに、上記課題を解決する本発明の第六の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグおよび液体燃料噴射弁を吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、気体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを中央部に形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。
【0020】
この構成によれば、上記本発明の第二の形態による効果に加えて、点火プラグと気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、気体燃料による成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを比較的大きく自由に設定できるので、液体燃料の中央噴射によっても成層混合気の形成が可能である。
【0021】
さらに、上記課題を解決する本発明の第七の形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造は、点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とする。この構成によれば、上記本発明の第二の形態による効果に加えて、点火プラグと気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、気体燃料による成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、各々のキャビティは独立なので、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁のそれぞれに適切な形状のキャビティを設定できるので、各々独立に噴霧角や噴霧形状の設定が可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
まず、図1を参照して、本発明が適用されるバイフューエルエンジン100の概要を説明する。101はエンジン本体、102はシリンダブロック、103はシリンダヘッド、104はピストン、105は燃焼室、106は吸気ポート、107は排気ポート、108Iは吸気弁、108Eは排気弁、109は点火プラグをそれぞれ示している。吸気ポート106は吸気マニフォルド110を介してサージタンク111に接続され、サージタンク111は吸気ダクト112を介してエアクリーナ113に接続されている。吸気ダクト112内にはステップモータ114により駆動されるスロットル弁115が配置されている。一方、排気ポート107は排気マニフォルド116および排気管117を介してNOx吸蔵触媒コンバータ118に接続されている。
【0024】
図1のエンジン100は気体燃料供給系と液体燃料供給系とを具備しており、気体燃料としてCNGを用い、液体燃料としてガソリンを用いている。気体燃料供給系はCNG噴射弁120を具備し、このCNG噴射弁120はCNG供給管122を介し車載された気体燃料容器としてのCNGボンベ124に接続されている。なお、CNG供給管122内には図示しない燃料遮断弁およびレギュレータ126が配置されている。CNGボンベ124内に充填圧力(例えば、20MPa)で充填されているCNGは、レギュレータ126により一定の設定圧(例えば、5MPa)まで減圧され、通常のエンジン制御状態では、この設定圧PRでもってCNG噴射弁120から気筒内に噴射される。
【0025】
同様に、液体燃料供給系はガソリン噴射弁130を具備し、このガソリン噴射弁130はガソリン供給管132を介し車載された液体燃料容器としてのガソリンタンク134に接続されている。なお、ガソリン供給管132内には図示しない燃料ポンプが配置されている。これらのCNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130はそれぞれ電子制御ユニット300からの出力信号に基づいて制御される。
【0026】
電子制御ユニット300はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス310を介して相互に接続されたROM(リードオンリメモリ)320、RAM(ランダムアクセスメモリ)330、CPU(マイクロプロセッサ)340、常時電源に接続されているB−RAM(バックアップRAM)350、入力ポート360、および出力ポート370を具備している。
【0027】
サージタンク111にはサージタンク111内の絶対圧に比例した出力電圧を発生する圧力センサ140が取り付けられている。CNGボンベ124の出口のCNG供給管122内にはCNGボンベ124内の残存CNG量、すなわち残圧に比例した出力電圧を発生するCNG残圧センサ141が配置され、ガソリンタンク134にはガソリンタンク134内の残存ガソリン量に比例した出力電圧を発生するガソリン残量センサ142が配置されている。これらセンサ140、141および142の出力電圧はそれぞれ対応するAD変換器380を介して入力ポート360に入力される。また、入力ポート360にはエンジン回転数Nを表す出力パルスを発生する回転数センサ143および運転モード切替スイッチ144が接続されている。一方、出力ポート370はそれぞれ対応する駆動回路390を介して点火プラグ109、ステップモータ114、CNG噴射弁120、およびガソリン噴射弁130に接続されている。
【0028】
ここで、本発明の第一の実施形態に係る燃焼室構造についてさらに説明する。第一の実施形態においては、図4に拡大して示すように、上述の点火プラグ109が吸気ポート106と排気ポート107との間の燃焼室105の上部中央に配設されている。そして、気体燃料噴射弁としてのCNG噴射弁120および液体燃料噴射弁としてのガソリン噴射弁130が共に吸気ポート106側に吸気ポート106を挟む態様で並行して配設されている。さらに、ピストン104の上部には、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130に対応する共通のピストンキャビティ104Cが、吸気ポート106側にオフセットされて形成されている。なお、このピストンキャビティ104CはCNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130からの噴霧流が回り込んで点火プラグ109のギャップに到達するように吸気ポート106側にオフセットされた舟底状に形成されている。また、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130のピストンキャビティ104Cに対する噴霧角および噴霧形状は、共通のピストンキャビティ104CでCNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、同一に設定されている。
【0029】
上記構成になる本発明の第一の実施形態に係る燃焼室構造を有するエンジン100に対しては、例えば、以下に説明する形態で燃料が供給される。すなわち、図2(A)に示すように、通常時の運転においては、燃焼の形式が、エンジン100の運転状態、例えば、エンジン負荷を表すサージタンク111内の絶対圧とエンジン回転数とに対応させて、低中速・低中負荷の成層燃焼を行わせる領域(I)および低中速・高負荷と高速の均質燃焼を行わせる領域(II)とに切り分け
られている。そしてさらに、図2(B)に示すように、燃料の最適特性を考慮して同じ成層燃焼領域(I)内でも、低速・低負荷のCNGによる成層燃焼領域(I−1)と中速・低中負荷および低速・中負荷のガソリンによる成層燃焼領域(I−2)とに切り分けられ、均質燃焼領域(II)内も低中速・高負荷のガソリン
にCNGを添加する均質燃焼領域(II−1)と高速のガソリンのみの均質燃焼領域(II−2)とに切り分けられている。
【0030】
そして、いずれの燃料についても、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130から噴射される燃料の噴射時期および噴射時間に関するデータが、上述のエンジン100の負荷と回転数とで示されるエンジン運転状態の関数として、マップの形で予めROM320内に記憶されている。このCNGの噴射時間は、レギュレータ126で減圧設定される設定圧PRの下で、要求量だけCNGを気筒内に噴射させるのに必要な時間である。また、ガソリンの噴射時間は、燃料ポンプで昇圧された一定圧の下で、要求量だけガソリンを気筒内に噴射させるのに必要な時間である。
【0031】
この本発明の第一の実施形態では、例えば、図3に示す燃料噴射制御ルーチンに従って、エンジン100に燃料が供給される。この制御ルーチンは予め定められた設定クランク角毎の割込みによって実行される。まず、ステップS301において、どの運転モードが選択されているかが運転モード切替スイッチ144からの入力に基づいて判断される。
【0032】
「CNG運転モード」
そこで、CNG運転モードが選択されている場合には、ステップS302に進み、CNGの残量がチェックされる。すなわち、CNG残圧センサ141により検出されたCNGボンベ124内の残圧が圧縮行程で気筒内噴射が可能な圧力である通常噴射圧より高い(残量が十分)か否かが判断される。YESの場合にはステップS303に進み、全運転領域においてCNGでの運転が行われる。CNGでの運転モードでは、そのときの運転状態に対応する噴射時期および噴射時間で必要量のCNGがCNG噴射弁120から圧縮行程または吸入行程において、ピストンキャビティ104Cに向けて噴射される。なお、ステップS302におけるCNGの残量チェックで、残量が十分でないときはステップS304に進み、残量が十分でない旨の警告を行い、後述のステップS305に進む。
【0033】
「ガソリン運転モード」
ステップS301における判断で、ガソリン運転モードが選択されている場合には、ステップS305に進み、ガソリンの残量がチェックされる。すなわち、ガソリン残量センサ142により検出されたガソリンタンク134内の残存ガソリン量が所定量より多いか否かが判断される。YESの場合にはステップS306に進み、全運転領域においてガソリンでの運転が行われる。ガソリンでの運転モードでは、そのときの運転状態に対応する噴射時期および噴射時間で必要量のガソリンがガソリン噴射弁130から圧縮行程または吸入行程において、ピストンキャビティ104Cに向けて噴射される。ステップS305においてNOの場合には、ステップS307に進み、補給を促すべく警告を発した後、前述のステップS302に進む。
【0034】
上述のCNG運転モードおよびガソリン運転モードにおいて、選択された運転モードに使用されるべき燃料の残量が十分でない場合には、補給を促すべく警告を発した後、残存する燃料でもって運転が行われる。
【0035】
「AUTOモード」
ステップS301における判断で、AUTOモードが選択されている場合にはステップS308に進み、ここでCNG燃料による運転が効率的に行われる領域か否かが判断される。YESの場合にはステップS309に進み、CNGの残量がチェックされる。すなわち、上述のステップS302と同様にCNG残圧センサ141により検出されたCNGボンベ124内の残圧が圧縮行程で気筒内噴射が可能な圧力である通常噴射圧より高い(残量が十分)か否かが判断される。そして、YESの場合にはステップS310に進み、CNGでの運転が行われる。このCNGでの運転モードでは、上述のCNG成層燃焼領域(Iー1)の運転状態に対応する噴射時期および噴射時間で必要量のCNGがCNG噴射弁120から圧縮行程において、ピストンキャビティ104Cに向けて噴射される。噴射されたCNGは気筒内での噴速も速く、ガソリンのように気化する必要もないので、容易に空気を取込み成層混合気が容易に形成され、点火プラグ109により着火されることによる成層燃焼が行われる。なお、ステップS309におけるCNGの残量チェックで、残量が十分でないときはステップS311に進み、残量が十分でない旨の警告を行い、後述のステップS312に進む。
【0036】
また、上述のステップS308における判断で、CNG燃料による運転が効率的に行われる領域ではないと判断されると、ステップS312に進み、ガソリンの残量がチェックされる。すなわち、上述のようにガソリン残量センサ142により検出されたガソリンタンク134内の残存ガソリン量が所定量より多いか否かが判断される。NOの場合には、ステップS313に進み残量が十分でない旨の警告を行い、前述のステップS309に進む。
【0037】
ステップS312での判断において、ガソリンの残量が十分であるときには、ステップS314に進み、運転状態が「ノック発生領域」にあるか否かが判断される。ここで、NOの場合にはステップS315に進みガソリンでの運転が行われる。このガソリンでの運転モードでは、そのときの運転状態に対応する噴射時期および噴射時間で必要量のガソリンがガソリン噴射弁130から、ピストンキャビティ104Cに向けて噴射される。なお、この噴射は、ガソリン成層燃焼領域(Iー2)の場合には圧縮行程にて行われ、ガソリン均質燃焼領域(IIー2)
の場合には吸入行程で行われる。
【0038】
一方、ステップS314において、「ノック発生領域」にあると判断されたときには、ステップS316に進み、再度、CNGの残量が十分であるか否かが判断される。十分に残存しているときはステップS317に進み、ガソリンにCNGを添加した運転が行われる。すなわち、この場合には、ガソリン噴射弁130からのガソリン噴射に加えて、CNG噴射弁120からピストンキャビティ104Cに向けてCNGが噴射される。CNGはオクタン価が高くノック抑制作用を有するので、点火プラグ109の点火時期を遅角させることなくノックを防ぎ、性能低下を防止することができる。
【0039】
なお、ステップS316での判断で、CNGの残量が十分でない場合には、上述のCNG添加ができないので、ステップS318における警告の後、ステップS319における通常のノックコントロールセンサ(KCS)の検出に基づく進角(遅角)制御、すなわち、KCS制御が実施されつつ、ステップS315のガソリンでの運転モードが行われることになる。
【0040】
以上説明した本発明の第一の実施形態に係る燃焼室構造によれば、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも共通のピストンキャビティ104Cで成層燃焼を行わせることができ、燃費の向上が図れると共に、共通一個のピストンキャビティ104Cであるから構造が簡略化される。しかも、CNGおよびガソリンが共に気筒内に噴射され得るので、ガソリンの場合の気化潜熱の利用による耐ノック性、およびCNGの場合の高オクタン価による高圧縮比化が可能であり、出力の向上が図れる。
【0041】
次に、本発明の第二の実施形態に係る燃焼室構造を図5に示す。第二の実施形態の一態様においては、点火プラグ109を吸気ポート106と排気ポート107との間の燃焼室105上部中央に配設すると共に、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130のうちの一方のCNG噴射弁120を吸気ポート106側に配設し、他方のガソリン噴射弁130を排気ポート107側に配設している。
【0042】
そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、CNG噴射弁120に対応するピストンキャビティ104Ccが吸気ポート106側に、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ140Cgが排気ポート107側にそれぞれオフセットされて形成されている。また、本発明の第二の実施形態の他の態様(図5に括弧付きで示す)においては、CNG噴射弁120とガソリン噴射弁130との吸排側の位置関係を上記一態様とは入換えて、点火プラグ109を吸気ポート106と排気ポート107との間の燃焼室105上部中央に配設すると共に、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130のうちの一方のガソリン噴射弁130を吸気ポート106側に配設し、他方のCNG噴射弁120を排気ポート107側に配設している。そして、同様に、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgが吸気ポート106側に、CNG噴射弁120に対応するピストンキャビティ140Ccが排気ポート107側にそれぞれオフセットされて形成されている。
【0043】
この本発明の第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様に、図3に示す燃料噴射制御ルーチンに従って、エンジン100に燃料が供給され得る。
【0044】
この本発明の第二の実施形態に係る燃焼室構造によれば、CNG噴射弁120から噴射されるCNGの燃焼に適切な形状のピストンキャビティ104Ccおよびガソリン噴射弁130から噴射されるガソリンの燃焼に適切な形状のピストンキャビティ104Cgをそれぞれ設定できるので、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130について各々独立に噴霧角や噴霧形状の設定が可能であり、それぞれの噴射燃料圧力等の最適化が可能である。
【0045】
また、CNG噴射弁120を吸気ポート106側に配設し、ガソリン噴射弁130を排気ポート107側に配設した第一の態様においては、排気ポート107側の温度が高くなるので、ガソリンの気化が促進される。従って、均質燃焼性が向上すると共に、エンジン低温時において必要な増量の割合が減少され、且つ潤滑用オイルの希釈作用が軽減される等のメリットを有する。但し、背反事項として、高温再始動時等においては、ガソリン内に気泡が発生する可能性があるので、このような場合には、まず、CNGを用いて始動を行った後に、ガソリンに切替えるようにすることが好ましい。
【0046】
一方、ガソリン噴射弁130を吸気ポート106側に配設し、CNG噴射弁120を排気ポート107側に配設した第二の態様においては、排気ポート107側の温度が高くなることによる気泡の発生の恐れはCNGには存在しない。むしろ、高温時は燃料圧力が上昇しみかけの噴射率が向上する結果、噴射時間が短縮され得るので、空気量不足による性能低下が防止できるというメリットを有する。
【0047】
次に、本発明の第三の実施形態に係る燃焼室構造を図6に示す。この第三の実施形態に係る燃焼室構造では、点火プラグ109およびCNG噴射弁120が吸気ポート106と排気ポート107との間の燃焼室上部中央に配設されると共に、ガソリン噴射弁130が吸気ポート106側に配設されている。そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、CNG噴射弁120に対応する半楕円体状のピストンキャビティ104Ccがピストン104の頂部のほぼ中央部に、およびガソリン噴射弁130に対応する舟底状のピストンキャビティ104Cgが吸気ポート106側にオフセットされて形成されている。この本発明の第三の実施形態においても、第一および第二の実施形態と同様に、図3に示す燃料噴射制御ルーチンに従って、エンジン100に燃料が供給され得る。
【0048】
この第三の実施形態に係る燃焼室構造によれば、それぞれの噴射弁から噴射される燃料の種類に適切な形状のピストンキャビティが形成できるという上記第二の実施形態による効果に加えて、CNG噴射弁120に対応するピストンキャビティ104Ccがピストン104の頂部ほぼ中央部に形成されているので、中央噴射により何れのクランク位置(すなわち、ピストン位置)でもピストンキャビティ104Cc内にCNGの噴霧を捕らえ、反転させることにより、点火プラグ109のギャップ付近が濃い層状混合気を容易に形成できる。これは、CNGにはガソリンのように気化・混合作用がないので、空気を取り込む時間(噴速)と噴霧の位置さえ管理すれば、ピストンキャビティ104Cc内がウエットになることがなく、層状混合気を形成できるからである。従って、CNGによる成層燃焼可能領域(前述した成層燃焼領域(I)に対応する)を燃焼室105の側方からの噴射に比べて広げることができる。
【0049】
さらに、本発明の第四の実施形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造を図7に示す。この第四の実施形態に係る燃焼室構造では、点火プラグ109を吸気ポート106と排気ポート107との間に配設すると共に、ガソリン噴射弁130を吸気ポート106側、およびCNG噴射弁120を排気ポート107側に配設している。そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgを吸気ポート106側にオフセットさせてピストン104の頂部に形成する一方、シリンダヘッド103に点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cを排気ポート107側にオフセットさせて形成している。
【0050】
この本発明の第四の実施形態においても、第一ないし第三の実施形態と同様に、図3に示す燃料噴射制御ルーチンに従って、エンジン100に燃料が供給され得る。
【0051】
この本発明の第四の実施形態によれば、それぞれの噴射弁から噴射される燃料の種類に適切な形状のピストンキャビティおよびシリンダヘッドキャビティが独立して形成できるという上記第二の実施形態による効果を有する。これに加えて、点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動せず、成層混合気の形成が噴射時期と点火時期との期間(インターバル)のみにより決定されるので、成層混合気の形成が容易となり、CNGによる成層燃焼可能領域をピストンキャビティの場合に比べて広げることができる。また、排気ポート107側は燃料温度が高くなるが、CNGはガソリンのようには気泡等が発生せず、噴射速度も速く気体なので空気の取込みも良好であり、層状の成層混合気を比較的容易に形成することができる。
【0052】
さらに、本発明の第五の実施形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造を図8に示す。この第五の実施形態に係る燃焼室構造では、点火プラグ109を吸気ポート106と排気ポート107との間に配設すると共に、CNG噴射弁120を吸気ポート106側、およびガソリン噴射弁130を排気ポート107側に配設している。そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgを排気ポート107側にオフセットさせてピストン104の頂部に形成する一方、シリンダヘッド103に点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cを吸気ポート106側にオフセットさせて形成している。
【0053】
この本発明の第五の実施形態においても、第一ないし第四の実施形態と同様に、図3に示す燃料噴射制御ルーチンに従って、エンジン100に燃料が供給され得る。
【0054】
この本発明の第五の実施形態によれば、それぞれの噴射弁から噴射される燃料の種類に適切な形状のピストンキャビティおよびシリンダヘッドキャビティが独立して形成できるという前述の第二の実施形態による効果を有する。これに加えて、第四の実施形態と同じく、点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動せず、成層混合気の形成が噴射時期と点火時期との期間(インターバル)のみにより決定されるので、成層混合気の形成が容易となり、CNGによる成層燃焼可能領域をピストンキャビティの場合に比べて広げることができる。また、ガソリン噴射弁130が配設された排気ポート107側は燃料温度が高くなるので、ガソリンの気化が促進される。従って、均質燃焼性が向上すると共に、エンジン低温時において必要な増量の割合が減少され、且つ潤滑用オイルの希釈作用が軽減される等のメリットを有する。但し、背反事項として、高温再始動時等においては、ガソリン内に気泡が発生する可能性があるので、このような場合には、第二の実施形態の場合と同様に、まず、CNGを用いて始動を行った後に、ガソリンに切替えるようにすることが好ましい。
【0055】
さらに、本発明の第六の実施形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造を図9に示す。この第六の実施形態に係る燃焼室構造では、点火プラグ109およびガソリン噴射弁130を吸気ポート106と排気ポート107との間に配設すると共に、CNG噴射弁120を吸気ポート106側に配設している。そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgをピストン104の頂部中央部に形成する一方、シリンダヘッド103に点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cを吸気ポート106側にオフセットさせて形成している。
【0056】
この本発明の第六の実施形態によれば、それぞれの噴射弁から噴射される燃料の種類に適切な形状のピストンキャビティおよびシリンダヘッドキャビティが独立して形成できるという前述の第二の実施形態による効果を有する。これに加えて、点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、CNGによる成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgを比較的大きく自由に設定できるので、ガソリンの中央噴射によっても成層混合気の形成が可能である。
【0057】
さらに、第七の実施形態に係るバイフューエルエンジンの燃焼室構造を図10に示す。この燃焼室構造では、点火プラグ109を吸気ポート106と排気ポート107との間に配設すると共に、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130を吸気ポート106側に配設している。そして、CNGおよびガソリンのいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、ガソリン噴射弁130に対応するピストンキャビティ104Cgを吸気ポート106側にオフセットさせてピストン104の頂部に形成する一方、シリンダヘッド103に点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cを吸気ポート106側にオフセットさせて形成している。
【0058】
この第七の実施形態の燃焼室構造によれば、前述のそれぞれの噴射弁から噴射される燃料の種類に適切な形状のピストンキャビティ104Cおよびシリンダヘッドキャビティ103Cが独立して形成できるという第六の実施形態による効果を有する。これに加えて、点火プラグ109とCNG噴射弁120とが臨むシリンダヘッドキャビティ103Cが設けられており、これはピストンキャビティのようには移動しないので、成層混合気の形成が容易となり、CNGによる成層燃焼可能領域をピストンキャビティに比べて広げることができる。また、各々のキャビティは独立なので、CNG噴射弁120およびガソリン噴射弁130のそれぞれに適切な形状のシリンダヘッドキャビティ103Cおよびピストンキャビティ104Cを設定できるので、各々独立に噴霧角や噴霧形状の設定が可能である。り、燃料種類や燃料圧力等の最適化が可能である。
【0059】
なお、これまで述べてきた実施態様では気体燃料としてCNGを用い、液体燃料としてガソリンを用いた例につき説明した。しかしながら、気体燃料として、例えば、一次燃料である天然ガスおよび石油ガス、或いは二次燃料である石炭転換ガスおよび石油転換ガスを用いることができる。また、液体燃料としてイソオクタン、ヘキサン、ヘプタン、軽油、灯油のような炭化水素、或いは液体の状態で保存しうるブタン、プロパンのような炭化水素、或いはメタノールを用いることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃焼室構造を有するバイフューエルエンジンの概要を示すブロック線図である。
【図2】バイフューエルエンジンにおける(A)燃焼の切り分け、および(B)燃焼・燃料の切り分けの例を示すグラフである。
【図3】バイフューエルエンジンの制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第一の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第三の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図7】本発明の第四の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図8】本発明の第五の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図9】本発明の第六の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【図10】本発明の第七の実施形態に係る燃焼室構造を示す断面図である。
【符号の説明】
100 バイフューエルエンジン
103 シリンダヘッド
103C シリンダヘッドキャビティ
104C ピストンキャビティ
104Cc ピストンキャビティ(CNG用)
104Cg ピストンキャビティ(ガソリン用)
105 燃焼室
106 吸気ポート
107 排気ポート
109 点火プラグ
120 CNG噴射弁
124 CNGボンベ
130 ガソリン噴射弁
134 ガソリンタンク
141 CNG残圧センサ
142 ガソリン残量センサ
300 電子制御ユニット

Claims (7)

  1. 点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁に対応する共通のピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  2. 点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁のいずれか一方を前記吸気ポート側に配設し、他方を前記排気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁にそれぞれ対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側および排気ポート側にそれぞれオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  3. 点火プラグおよび気体燃料噴射弁を吸気ポートと排気ポートとの間の燃焼室中央に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記気体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを中央部に、および液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  4. 点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側、および気体燃料噴射弁を前記排気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記排気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  5. 点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、液体燃料噴射弁を前記排気ポート側、および気体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記排気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  6. 点火プラグおよび液体燃料噴射弁を吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、気体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを中央部に形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
  7. 点火プラグを吸気ポートと排気ポートとの間に配設すると共に、気体燃料噴射弁および液体燃料噴射弁を前記吸気ポート側に配設し、気体および液体のいずれの燃料でも成層燃焼可能なように、前記液体燃料噴射弁に対応するピストンキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成する一方、シリンダヘッドに前記点火プラグと前記気体燃料噴射弁とが臨むシリンダヘッドキャビティを前記吸気ポート側にオフセットさせて形成したことを特徴とするバイフューエルエンジンの燃焼室構造。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007024009A (ja) * 2005-07-21 2007-02-01 Jomo Technical Research Center Co Ltd 内燃機関
JP2015135067A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 信哉 荒木 アンモニアエンジン

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