JP2004238602A - 洗濯石およびそれを用いた洗濯小袋、および洗濯機の付着黴の除去方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭用電気洗濯機を用いる洗濯において、洗剤量を低減するか、全く使用することなく、汚れを除去することができる洗濯用具を提供する。
【解決手段】マグネシウムを含有するアンチゴライト系鉱石と、鉄を含有するタルク系鉱石と、方解石系鉱石を主原料とした直径1〜30cmの砕石を混合し、300〜600°Cにて攪拌下20〜40分間焼成し、粉砕し、篩分し、表面研磨して、直径0.5〜3.0cmの砕石粒としたものを洗濯石として用いる。
洗濯石の好適な使用態様は、その30〜200gを浮力調整体とともに網袋内に収容した洗濯小袋であり、被洗物と共存下に、洗剤不使用または、少量の洗剤添加の条件で電気洗濯機を運転することにより、被洗物から汚れを除去することができる。
洗濯石は同一条件で繰り返し使用することができる。洗剤量を低減することにより、排水の環境負荷を減少させる効果がえられる。さらに、洗濯石を用いる洗濯操作を継続しておこなうことにより,洗濯槽内の付着黴を除去する効果が得られる。
【選択図】なし
【解決手段】マグネシウムを含有するアンチゴライト系鉱石と、鉄を含有するタルク系鉱石と、方解石系鉱石を主原料とした直径1〜30cmの砕石を混合し、300〜600°Cにて攪拌下20〜40分間焼成し、粉砕し、篩分し、表面研磨して、直径0.5〜3.0cmの砕石粒としたものを洗濯石として用いる。
洗濯石の好適な使用態様は、その30〜200gを浮力調整体とともに網袋内に収容した洗濯小袋であり、被洗物と共存下に、洗剤不使用または、少量の洗剤添加の条件で電気洗濯機を運転することにより、被洗物から汚れを除去することができる。
洗濯石は同一条件で繰り返し使用することができる。洗剤量を低減することにより、排水の環境負荷を減少させる効果がえられる。さらに、洗濯石を用いる洗濯操作を継続しておこなうことにより,洗濯槽内の付着黴を除去する効果が得られる。
【選択図】なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等の繊維製品から汚れを除去するために使用する洗浄用具に関し、洗剤の使用量を低減し、あるいは洗剤を使用せずに、被洗物と共存させて水中で機械的に処理することにより、洗浄効果を得るとともに洗濯機内の付着黴の除去をおこなう洗浄用具、ならびにその洗浄用具を用いた付着黴の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類等の繊維製品を家庭で洗濯する場合、ならびに専門業者が商業的に洗濯する場合、被洗物に付着した汚れを除去するために、主として合成洗剤を浴槽に加えて行っている。合成洗剤はその界面張力低下作用により水中にミセルを形成し、付着した汚れを被洗物との接触時に乳化させ、これを攪拌水流の作用で被洗物から除去することにより、洗浄効果を得る。多量の合成洗剤を含有する排水はBOD、CODなどの負荷が大きく、そのままでは、自然の生態系に悪影響がある。しかも凝集沈殿、濾過、活性汚泥処理などの処理も洗剤の界面活性のために浄化効率が悪く、大規模の処理設備が必要とされる。また、洗濯後の水洗浄が不充分であると衣類等に残留した洗剤が、化学物質アレルギー体質の皮膚に悪影響を与えることも知られている。また、家庭用洗濯機は使用を重ねると洗濯槽裏側に黴の付着が発生することが知られているが、その除去は甚だ困難である。
なお、現在家庭用洗濯機の洗濯槽内に被洗物とともに投入し、洗濯することによって洗濯効率を増大させる「洗濯ボール」が市販されているが、これは洗濯中に介在することにより、被洗物の絡みあいの防止を目的としたものであり、それ以上の効果を与えるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような洗濯、特に一般家庭で行う洗濯における合成洗剤使用量を低減できれば、環境負荷の低減とともに、洗濯に要する費用を節約する効果も得られ、多重の省資源効果となる。また、衣類等に残留する洗剤量も減少し、過敏症の人の健康にも望ましい影響を与えることができる。
一般的な家庭用電気洗濯機の洗濯槽に添加し、被洗物の水中での機械的運動効果を向上させることにより、洗剤使用量を低減させる、いわゆる「洗濯ボール」が市販されており、或る程度の低減効果が認められている。また、洗濯機自体に電解水生成機能を備え付け、生成電解水で洗濯することにより、洗剤不使用で洗濯効果がえられるとするものもあるが、洗剤不使用で従来と同等の洗濯効果を得ようとすれば、被洗物がいたむ傾向があり、電力や水の使用量も従来の洗濯方法に比べて大きくなる。
また、一般的な家庭用電気洗濯機の問題点として、洗濯糟の裏側に黴が発生し成長するが、その部位は清掃用具等の到達が困難であり、機械的に除去することができない。洗浄時に黴の成分が被洗物に移行付着し、着用者のアレルギー発症をおこすこともある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、いわゆる「洗濯ボール」タイプの洗濯用具において、その構成要素に水質改変効果を与える物質を使用し、物理化学的効果を与えることによって、投入洗剤の低減ないしは、無洗剤での洗濯を可能にし、廃水による環境負荷および用水量を削減することに成功した。本発明の説明において、この水質改変効果を有する物体を「洗濯石」と呼ぶことにする。また、この洗濯石を単独または浮力調整体とともに網袋内に収容してなるものを「洗濯小袋」と呼ぶことにする。
この洗濯石は、洗濯小袋の形態で洗濯に繰り返し使用するか、循環する水の通路に設置することにより、洗濯糟の裏側に発生付着している黴を除去する効果も得るものである。後者の例としては、糸くずフィルター付近に設置する方法がある。すなわち、本発明はいわゆる「洗濯ボール」タイプの洗濯用具に関するものであって、天然鉱石を加工したものであり、効率向上と省資源効果、さらに衛生面の向上を家庭洗濯にもたらすものである。
【0005】
本発明に使用した天然鉱石は、主成分はタルクであるが、組成の異なる鉱石と隣接して存在する。すなわち、アンチゴライト、方解石、ドロマイト、緑泥石などと混在した形で産出する。それらの鉱石は、専門文献では下記のように表示されている。
タルク:Mg3Si4O10(OH)2
アンチゴライト:(Mg,Fe+3 )3Si2O5(OH)4
方解石:CaCO 3
ドロマイト: CaMg(CO3)2
緑泥石:A4〜6Z4O10(OH)8 但し A=Al,Fe+2,Fe+3,
Li,Mg,またはMn+2 Z=Al,B,Fe+3,Si
本発明に使用する鉱石は、主成分はタルクであるが、その他の鉱物も含有するためマグネシウム10〜40重量%、鉄5〜20重量%、鉄5〜20重量%、カルシウム8〜30重量%、珪素25〜40重量%を含有する鉱石として採取される。
【0006】
採取鉱石は直径1〜30cmの範囲のものを混合し、攪拌下300〜600℃にて20〜40分焼成する。これにより表面硬度が高く且つ表面の円滑な粒石を得る。このようにして得られる粒石が、本発明の洗濯石であり、大きさに特に限定はないが、おおよそ直径0.5〜3.0cmの範囲のものが本発明の実施に好適である。
【0007】
本発明の洗濯石は、合成繊維製ネット中に単独または浮力調整体とともに封入して洗濯小袋とする。ネットは強度が高く、使用後の乾燥が容易で、洗濯時に着色傾向の小さいポリエステル繊維製が好適であるが、これに限定されるものではない。浮力調整体としては、独立気泡構造の軟質乃至は半硬質のプラスチックスまたはゴムが好適であるがこれに限定されるものではない。洗濯小袋の大きさとしては、総重量で100g〜300g、見かけ比重は0.8〜1.2が本発明の目的に好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施に用いる洗濯石は、珪酸塩および炭酸塩鉱物系天然鉱石を原料とし、焼成、粉砕、仕上げ研磨、および篩分の工程を経て得られる粒状の礫である。家庭用電気洗濯機使用の洗濯においては、上記洗濯石礫を網袋内に浮力付与材と共に封入してなる洗濯小袋を使用する。洗濯小袋1個ないし2個を被洗物と共に洗濯槽内に投入し、水および節減された量の洗剤を加えるか、または水のみを加えて洗濯機を稼動させることにより、洗濯をおこなう。本発明の実施に用いる洗濯石礫は、表面が平滑であって、表面硬度が高く、繰り返し使用しても磨耗は認められない。洗濯小袋はその見かけ比重が水にぬれた衣類等の被洗物とほぼ同等であるため、洗濯機稼動中は、水流により被洗物とほぼ同じ速度で洗濯槽内を循環移動する。
【0009】
平均的な上水道から家庭に配送される水のPHは、空気中の炭酸ガスの影響で微弱な酸性を呈する。本発明に使用する洗濯石を、家庭用水道水に投入すると、PHが上昇し、弱アルカリ性に変化することが認められる。また、酸化還元電位が低下する。従って、洗濯石と接触した水は還元作用を有する弱アルカリ性の水に変化する。本発明者らは、このようにして得られた活性化水を、汚れの付着した衣料等の繊維製品の洗濯水として使用すると、洗剤の無添加、あるいは少量の添加において実用的に充分な洗濯効果が得られることが認められる。
さらに付加的効果として、本発明の方法で洗濯した衣類等には洗濯後の静電気帯電性が低く、柔軟剤の使用量を減少させても、良好な感触の仕上がりが得られる。また、本発明に使用する洗濯石は、遠赤外線放射能を有することも認められている。本発明の洗濯石あるいは洗濯小袋は、これを繰り返し使用する過程で洗濯機内の黴を除去する作用も発現することが認めているが、これは、洗濯石から放射される遠赤外線の効果によるものと推定される。
【0010】
洗濯石の洗濯槽内の黴の除去は、洗濯石あるいは洗濯小袋を循環する洗濯水の通路内に固定しておく方法でも達成できる。たとえば、糸くずフィルター内に洗濯石を数個設置するとか、糸くずフィルター近傍に洗濯小袋を固定懸垂する方法がある。
本発明の洗濯石使用による固着黴の除去は、現象として観察されるが、緩徐に行われるので、数値的評価は困難である。また、洗濯槽内から脱落した黴の被洗物への再付着はほとんど認められない。
洗濯機内の黴を除去する従来の方法には、たとえば塩素系の薬品を使用する方法があるが、取り扱いに注意を要し、十分な後洗浄の後でなければ、通常の洗濯作業に入ることができない。
【0011】
【製造例】
本発明の洗濯石は以下のようにして製造した。
タルクが貫入している緑泥石系の鉱石砕石(粒径1〜30cm)を、さらにクラッシャーで破砕し、連続焼成炉で500℃、30分間焼成した。さらにこれを摩鉱機で面取り処理して尖鋭なエッジを除去し、篩い分けして直径0.5〜3.0cmの表面が平滑な礫として取得した。
得られた石鹸石の元素分析値は以下の通りであった。(重量%)
Mg:29.19 Al:0.61 Si:30.57 Ca:21.89
Mn:0.31 Fe:16.09 その他:1.34
【0012】
【実験例1】
ビーカーにいれた水道水1Lに洗濯石5gを加え、攪拌後静置した物の、水のPHと酸化還元電位を測定した。その結果を以下に示す。
【0013】
【実施例1】
目付け約165g/m2の木綿製白色テーブルクロスの30cmX30cm裁断片の14枚を試験片として準備し、その2枚を除く残り合計12枚に、6種類の食品を別々に、1枚あたり5gの食品を付着させたもの各2枚作成し、3日間自然乾燥させた。この14枚の試験片のうち、同じもの2枚のうち1枚ずつ計7枚に、家庭洗濯の対象となる標準的な汚れの付着した肌着、シーツを加えて合計3kgの被洗物とし、家庭用2槽式洗濯機を用い、水量50Lにて、洗濯石100gを含む洗濯小袋一個を投入し、予洗3分、洗濯15分、水洗2分(合計20分)の条件で洗濯し、晴天の日に屋外乾燥した。比較試験として、上記の残り7枚に対し、洗濯小袋を用いず、市販の粒状洗剤20gを用い、予洗3分、洗濯12分、水洗5分(合計20分)とした以外は前記と同一条件になるよう設定した比較試験を行った。
洗濯乾燥後の試験片は、3人の判定者が観察し、視覚および嗅覚により汚れの脱落度を判定した。判定結果は以下のように表示した。3人の判定者の判定はそれぞれ全員一致するものであった。その結果を表1に示す。なお、食品を付着させずに洗濯乾燥した試験片2枚は、いずれも、汚れ、臭いを認めないものであった。
汚れ、臭いの残存が全く認められない―――A
非常に注意して観察すれば、汚れ、臭いの痕跡が認められる。―――B
汚れ、臭いの残存がわずかに認められる―――C
汚れ、臭いの残存が明瞭に認められる―――D
実施例、すなわち本発明の洗濯小袋を用いた洗濯は、マヨネーズを除いて、洗剤を用いた洗濯に比して同等またはそれ以上の汚れ除去効果がえられた。
なお、判定がBとなった試験片は、同一条件の洗濯をもう一度追加実施すると、すべて判定がAとなった。
また、本発明の洗濯小袋は、上記実施例終了後に回収し、再度同一条件で行う洗濯試験に使用した場合、全く同様の結果が得られることを認めた。
【0014】
【実施例2】
実施例1における実施例と比較試験のそれぞれの洗濯終了時にすすぎ前の洗濯機内の水を採取し、COD値を測定した。その結果は以下の通りである。
洗濯に用いた水道水 1.8mgO/L
実施例の洗濯終了時の水 6.5mgO/L
比較例の洗濯終了時の水 32.2mgO/L
すなわち、本発明の洗濯小袋を用いた洗濯では、排水の酸素要求量が小さく、環境負荷が低い。さらにすすぎ時間が少なくてすみ、合計所要水量も少ない。
【0015】
【実施例3】
実施例1の食品汚れ付着試験片にかえて洗濯試験に用いるために、次の条件で運動・作業汚れ付着試料を準備した。
1.木綿・ポリエステル混紡の白色厚手ゴルフ用ソックスを一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を履き替えて使用。
2.木綿製軍手を農園の除草作業に一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を着用替して使用。
3.木綿・ポリエステル混紡の軍手を機械の分解掃除および整備に一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を着用替して使用。
以上3点の汚れた繊維品の片方ずつを、実施例1の実施例と同じ条件で洗濯小袋を用いた洗濯試験を行ない、実施例1と同様の方法で評価した(実施例3)。また、上記3点の汚れた繊維品の残った片方を実施例1の比較試験と同じ条件で洗剤を用いた洗濯試験(洗剤20g使用)をおこなった。
洗濯乾燥後の試験試料は、実施例1と同様の判定方法で評価した。その結果を表2に示す。
機械整備作業用軍手、すなわち、油脂系の汚れが付着した試験試料は、洗剤を用いた洗濯(比較試料)に比し、やや洗濯効果が低かったが、それ以外は洗剤を用いた洗濯とほぼ同等の洗濯効果が得られた。
【0016】
【実施例4】
実施例3で準備した試験試料と同等の汚れ付着試料をもう1組作成した。洗濯小袋を用いるとともに、洗剤5g(実施例3の比較試料の洗剤量の4分の1)を併用した以外は実施例3と同じ条件で洗濯し、同様に評価した。その結果を表3に示す。表3に併記した比較試料は実施例3に併記した結果(洗剤20g使用)の再掲である。洗濯小袋に少量の洗剤を併用したものは、標準量の洗剤を使用したものと同等またはそれ以上の洗濯効果が得られた。
洗濯終了後ですすぎを行う前の時点にて、洗濯機内の水のCOD値を測定した。その結果を以下に示す。
実施例4の試料 9.6mgO/L
比較試料 32.2mgO/L
【0017】
【実施例5】
実施例1に用いたものと同等の木綿クロス裁断片各3枚に4種類の食品を1種類ずつ付着させ、乾燥し、固着させ、合計12枚の試料布を作成した。試料布4種類を1セットとし、4枚1セットずつを、下記条件で洗濯した。
(1)洗濯石のみを用いて洗濯
(2)家庭用洗剤のみを用いて洗濯
洗濯方法:JIS L−0217 103法準拠
電気洗濯機を用い、水温20°Cの水道水34L使用。(浴比1:60)
洗濯乾燥後の試料は、 JIS L−0805 に定める汚染用グレースケールの明度に最も近いものの等級で評価した。(5段階。5級が最も明度が高く、洗濯効果が優秀であることを示す。1級まで。)
すなわち、洗濯石のみを用いた洗濯により、ほぼ洗剤使用洗濯と同等の効果がえられた。
【0018】
【実験例2】
本発明の洗濯小袋を使用して、家庭用全自動洗濯機による洗濯をくりかえしているうちに、洗濯槽内に設置された糸くずフィルター内部に黒褐色の繊維状ないしペースト物質が付着するのが、みとめられるようになった。被洗物の汚れとは異なり、且つ、フィルターの目を詰める傾向が少ないことから、洗濯槽の裏側から脱落した黴が捕集されたものと考えられる。また、洗濯終了後の排水管末端部にフィルターを設置したところ、やはり脱落した黴と思われる黒褐色物質を捕集した。
【0019】
【実施例6】
約3年間(約900回)市販の洗剤を用いて洗濯に使用した家庭用全自動洗濯機に付着した黴の除去試験を実施した。洗濯機に水道水50Lを入れ、洗濯石150gのみを入れた洗濯小袋1個を加え、30°Cで2時間放置した後、30分間攪拌し攪拌状態で洗濯槽内の水を1Lのビーカーに採取した。ビーカー内の水には、洗濯槽のブラインド箇所から剥離したと思われる黴の小片が多数浮遊しているのが観察された。黴は黒色ないし褐色で鱗片状である。1Lビーカー内の黴のうち、肉眼で観察されるもの(直径約3mm以上)の数を計測した。その結果、洗濯槽内5カ所の平均黴数は1L中6.8個であった。平均的な大きさの黴の湿潤状態の重量は約6mg/個であった。
その後、同じ電気洗濯機に、洗濯石のみを入れた洗濯小袋1個を用いて、以前と同じような負荷条件で通常の家庭洗濯を継続した。
その後、前回と同じ条件で黴取り試験を実施したが計測された黴の数は平均1.6個/Lとなり、更に3カ月後では、0.4個/と黴数は大幅に減少した。
【0020】
【発明の効果】
本発明の洗濯石は、関東地方に産出するタルク系の鉱石を、特定の条件で分別し、粉砕し、焼成し、篩分し、表面研磨して得られる、マグネシウム10〜40重量%、鉄5〜20重量%、カルシウム8〜30重量%、珪素25〜40重量%をそれぞれ含有する砕石粒である。本発明の洗濯石を家庭用水道水に投入すると、水のPHを弱アルカリ域に移動させ、酸化還元電位を低下させる。この水で汚れの付着した衣類等を洗浄すると、汚れを効果的に除去する。
洗濯石を通水性・可撓性の容器に、浮力調整部材とともに収容したのが、本発明の洗濯小袋である。家庭用電気洗濯機の水槽中に衣類等の被洗物と共存させ、運転すると、洗剤を加えないか、少量の添加の条件で、汚れを除去することができる。
さらに、洗濯石と接触した用水は、黴の除去作用を示すので、洗濯小袋を使用した洗濯を繰り返し行うか、洗濯石を用水の循環通路の近傍、たとえば糸くずフィルター近傍に設置して洗濯を複数回行うことにより、洗濯槽中のブラインド箇所に付着した黴を除去することができる。したがって、特に黴取りのための作業を設定する必要がなく、日常の洗濯作業において、黴の除去をおこなうことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、衣類等の繊維製品から汚れを除去するために使用する洗浄用具に関し、洗剤の使用量を低減し、あるいは洗剤を使用せずに、被洗物と共存させて水中で機械的に処理することにより、洗浄効果を得るとともに洗濯機内の付着黴の除去をおこなう洗浄用具、ならびにその洗浄用具を用いた付着黴の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
衣類等の繊維製品を家庭で洗濯する場合、ならびに専門業者が商業的に洗濯する場合、被洗物に付着した汚れを除去するために、主として合成洗剤を浴槽に加えて行っている。合成洗剤はその界面張力低下作用により水中にミセルを形成し、付着した汚れを被洗物との接触時に乳化させ、これを攪拌水流の作用で被洗物から除去することにより、洗浄効果を得る。多量の合成洗剤を含有する排水はBOD、CODなどの負荷が大きく、そのままでは、自然の生態系に悪影響がある。しかも凝集沈殿、濾過、活性汚泥処理などの処理も洗剤の界面活性のために浄化効率が悪く、大規模の処理設備が必要とされる。また、洗濯後の水洗浄が不充分であると衣類等に残留した洗剤が、化学物質アレルギー体質の皮膚に悪影響を与えることも知られている。また、家庭用洗濯機は使用を重ねると洗濯槽裏側に黴の付着が発生することが知られているが、その除去は甚だ困難である。
なお、現在家庭用洗濯機の洗濯槽内に被洗物とともに投入し、洗濯することによって洗濯効率を増大させる「洗濯ボール」が市販されているが、これは洗濯中に介在することにより、被洗物の絡みあいの防止を目的としたものであり、それ以上の効果を与えるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような洗濯、特に一般家庭で行う洗濯における合成洗剤使用量を低減できれば、環境負荷の低減とともに、洗濯に要する費用を節約する効果も得られ、多重の省資源効果となる。また、衣類等に残留する洗剤量も減少し、過敏症の人の健康にも望ましい影響を与えることができる。
一般的な家庭用電気洗濯機の洗濯槽に添加し、被洗物の水中での機械的運動効果を向上させることにより、洗剤使用量を低減させる、いわゆる「洗濯ボール」が市販されており、或る程度の低減効果が認められている。また、洗濯機自体に電解水生成機能を備え付け、生成電解水で洗濯することにより、洗剤不使用で洗濯効果がえられるとするものもあるが、洗剤不使用で従来と同等の洗濯効果を得ようとすれば、被洗物がいたむ傾向があり、電力や水の使用量も従来の洗濯方法に比べて大きくなる。
また、一般的な家庭用電気洗濯機の問題点として、洗濯糟の裏側に黴が発生し成長するが、その部位は清掃用具等の到達が困難であり、機械的に除去することができない。洗浄時に黴の成分が被洗物に移行付着し、着用者のアレルギー発症をおこすこともある。
【0004】
【問題を解決するための手段】
本発明者らは、いわゆる「洗濯ボール」タイプの洗濯用具において、その構成要素に水質改変効果を与える物質を使用し、物理化学的効果を与えることによって、投入洗剤の低減ないしは、無洗剤での洗濯を可能にし、廃水による環境負荷および用水量を削減することに成功した。本発明の説明において、この水質改変効果を有する物体を「洗濯石」と呼ぶことにする。また、この洗濯石を単独または浮力調整体とともに網袋内に収容してなるものを「洗濯小袋」と呼ぶことにする。
この洗濯石は、洗濯小袋の形態で洗濯に繰り返し使用するか、循環する水の通路に設置することにより、洗濯糟の裏側に発生付着している黴を除去する効果も得るものである。後者の例としては、糸くずフィルター付近に設置する方法がある。すなわち、本発明はいわゆる「洗濯ボール」タイプの洗濯用具に関するものであって、天然鉱石を加工したものであり、効率向上と省資源効果、さらに衛生面の向上を家庭洗濯にもたらすものである。
【0005】
本発明に使用した天然鉱石は、主成分はタルクであるが、組成の異なる鉱石と隣接して存在する。すなわち、アンチゴライト、方解石、ドロマイト、緑泥石などと混在した形で産出する。それらの鉱石は、専門文献では下記のように表示されている。
タルク:Mg3Si4O10(OH)2
アンチゴライト:(Mg,Fe+3 )3Si2O5(OH)4
方解石:CaCO 3
ドロマイト: CaMg(CO3)2
緑泥石:A4〜6Z4O10(OH)8 但し A=Al,Fe+2,Fe+3,
Li,Mg,またはMn+2 Z=Al,B,Fe+3,Si
本発明に使用する鉱石は、主成分はタルクであるが、その他の鉱物も含有するためマグネシウム10〜40重量%、鉄5〜20重量%、鉄5〜20重量%、カルシウム8〜30重量%、珪素25〜40重量%を含有する鉱石として採取される。
【0006】
採取鉱石は直径1〜30cmの範囲のものを混合し、攪拌下300〜600℃にて20〜40分焼成する。これにより表面硬度が高く且つ表面の円滑な粒石を得る。このようにして得られる粒石が、本発明の洗濯石であり、大きさに特に限定はないが、おおよそ直径0.5〜3.0cmの範囲のものが本発明の実施に好適である。
【0007】
本発明の洗濯石は、合成繊維製ネット中に単独または浮力調整体とともに封入して洗濯小袋とする。ネットは強度が高く、使用後の乾燥が容易で、洗濯時に着色傾向の小さいポリエステル繊維製が好適であるが、これに限定されるものではない。浮力調整体としては、独立気泡構造の軟質乃至は半硬質のプラスチックスまたはゴムが好適であるがこれに限定されるものではない。洗濯小袋の大きさとしては、総重量で100g〜300g、見かけ比重は0.8〜1.2が本発明の目的に好適である。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の実施に用いる洗濯石は、珪酸塩および炭酸塩鉱物系天然鉱石を原料とし、焼成、粉砕、仕上げ研磨、および篩分の工程を経て得られる粒状の礫である。家庭用電気洗濯機使用の洗濯においては、上記洗濯石礫を網袋内に浮力付与材と共に封入してなる洗濯小袋を使用する。洗濯小袋1個ないし2個を被洗物と共に洗濯槽内に投入し、水および節減された量の洗剤を加えるか、または水のみを加えて洗濯機を稼動させることにより、洗濯をおこなう。本発明の実施に用いる洗濯石礫は、表面が平滑であって、表面硬度が高く、繰り返し使用しても磨耗は認められない。洗濯小袋はその見かけ比重が水にぬれた衣類等の被洗物とほぼ同等であるため、洗濯機稼動中は、水流により被洗物とほぼ同じ速度で洗濯槽内を循環移動する。
【0009】
平均的な上水道から家庭に配送される水のPHは、空気中の炭酸ガスの影響で微弱な酸性を呈する。本発明に使用する洗濯石を、家庭用水道水に投入すると、PHが上昇し、弱アルカリ性に変化することが認められる。また、酸化還元電位が低下する。従って、洗濯石と接触した水は還元作用を有する弱アルカリ性の水に変化する。本発明者らは、このようにして得られた活性化水を、汚れの付着した衣料等の繊維製品の洗濯水として使用すると、洗剤の無添加、あるいは少量の添加において実用的に充分な洗濯効果が得られることが認められる。
さらに付加的効果として、本発明の方法で洗濯した衣類等には洗濯後の静電気帯電性が低く、柔軟剤の使用量を減少させても、良好な感触の仕上がりが得られる。また、本発明に使用する洗濯石は、遠赤外線放射能を有することも認められている。本発明の洗濯石あるいは洗濯小袋は、これを繰り返し使用する過程で洗濯機内の黴を除去する作用も発現することが認めているが、これは、洗濯石から放射される遠赤外線の効果によるものと推定される。
【0010】
洗濯石の洗濯槽内の黴の除去は、洗濯石あるいは洗濯小袋を循環する洗濯水の通路内に固定しておく方法でも達成できる。たとえば、糸くずフィルター内に洗濯石を数個設置するとか、糸くずフィルター近傍に洗濯小袋を固定懸垂する方法がある。
本発明の洗濯石使用による固着黴の除去は、現象として観察されるが、緩徐に行われるので、数値的評価は困難である。また、洗濯槽内から脱落した黴の被洗物への再付着はほとんど認められない。
洗濯機内の黴を除去する従来の方法には、たとえば塩素系の薬品を使用する方法があるが、取り扱いに注意を要し、十分な後洗浄の後でなければ、通常の洗濯作業に入ることができない。
【0011】
【製造例】
本発明の洗濯石は以下のようにして製造した。
タルクが貫入している緑泥石系の鉱石砕石(粒径1〜30cm)を、さらにクラッシャーで破砕し、連続焼成炉で500℃、30分間焼成した。さらにこれを摩鉱機で面取り処理して尖鋭なエッジを除去し、篩い分けして直径0.5〜3.0cmの表面が平滑な礫として取得した。
得られた石鹸石の元素分析値は以下の通りであった。(重量%)
Mg:29.19 Al:0.61 Si:30.57 Ca:21.89
Mn:0.31 Fe:16.09 その他:1.34
【0012】
【実験例1】
ビーカーにいれた水道水1Lに洗濯石5gを加え、攪拌後静置した物の、水のPHと酸化還元電位を測定した。その結果を以下に示す。
【0013】
【実施例1】
目付け約165g/m2の木綿製白色テーブルクロスの30cmX30cm裁断片の14枚を試験片として準備し、その2枚を除く残り合計12枚に、6種類の食品を別々に、1枚あたり5gの食品を付着させたもの各2枚作成し、3日間自然乾燥させた。この14枚の試験片のうち、同じもの2枚のうち1枚ずつ計7枚に、家庭洗濯の対象となる標準的な汚れの付着した肌着、シーツを加えて合計3kgの被洗物とし、家庭用2槽式洗濯機を用い、水量50Lにて、洗濯石100gを含む洗濯小袋一個を投入し、予洗3分、洗濯15分、水洗2分(合計20分)の条件で洗濯し、晴天の日に屋外乾燥した。比較試験として、上記の残り7枚に対し、洗濯小袋を用いず、市販の粒状洗剤20gを用い、予洗3分、洗濯12分、水洗5分(合計20分)とした以外は前記と同一条件になるよう設定した比較試験を行った。
洗濯乾燥後の試験片は、3人の判定者が観察し、視覚および嗅覚により汚れの脱落度を判定した。判定結果は以下のように表示した。3人の判定者の判定はそれぞれ全員一致するものであった。その結果を表1に示す。なお、食品を付着させずに洗濯乾燥した試験片2枚は、いずれも、汚れ、臭いを認めないものであった。
汚れ、臭いの残存が全く認められない―――A
非常に注意して観察すれば、汚れ、臭いの痕跡が認められる。―――B
汚れ、臭いの残存がわずかに認められる―――C
汚れ、臭いの残存が明瞭に認められる―――D
実施例、すなわち本発明の洗濯小袋を用いた洗濯は、マヨネーズを除いて、洗剤を用いた洗濯に比して同等またはそれ以上の汚れ除去効果がえられた。
なお、判定がBとなった試験片は、同一条件の洗濯をもう一度追加実施すると、すべて判定がAとなった。
また、本発明の洗濯小袋は、上記実施例終了後に回収し、再度同一条件で行う洗濯試験に使用した場合、全く同様の結果が得られることを認めた。
【0014】
【実施例2】
実施例1における実施例と比較試験のそれぞれの洗濯終了時にすすぎ前の洗濯機内の水を採取し、COD値を測定した。その結果は以下の通りである。
洗濯に用いた水道水 1.8mgO/L
実施例の洗濯終了時の水 6.5mgO/L
比較例の洗濯終了時の水 32.2mgO/L
すなわち、本発明の洗濯小袋を用いた洗濯では、排水の酸素要求量が小さく、環境負荷が低い。さらにすすぎ時間が少なくてすみ、合計所要水量も少ない。
【0015】
【実施例3】
実施例1の食品汚れ付着試験片にかえて洗濯試験に用いるために、次の条件で運動・作業汚れ付着試料を準備した。
1.木綿・ポリエステル混紡の白色厚手ゴルフ用ソックスを一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を履き替えて使用。
2.木綿製軍手を農園の除草作業に一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を着用替して使用。
3.木綿・ポリエステル混紡の軍手を機械の分解掃除および整備に一日使用したもの1対。ただし半日使用後左右を着用替して使用。
以上3点の汚れた繊維品の片方ずつを、実施例1の実施例と同じ条件で洗濯小袋を用いた洗濯試験を行ない、実施例1と同様の方法で評価した(実施例3)。また、上記3点の汚れた繊維品の残った片方を実施例1の比較試験と同じ条件で洗剤を用いた洗濯試験(洗剤20g使用)をおこなった。
洗濯乾燥後の試験試料は、実施例1と同様の判定方法で評価した。その結果を表2に示す。
機械整備作業用軍手、すなわち、油脂系の汚れが付着した試験試料は、洗剤を用いた洗濯(比較試料)に比し、やや洗濯効果が低かったが、それ以外は洗剤を用いた洗濯とほぼ同等の洗濯効果が得られた。
【0016】
【実施例4】
実施例3で準備した試験試料と同等の汚れ付着試料をもう1組作成した。洗濯小袋を用いるとともに、洗剤5g(実施例3の比較試料の洗剤量の4分の1)を併用した以外は実施例3と同じ条件で洗濯し、同様に評価した。その結果を表3に示す。表3に併記した比較試料は実施例3に併記した結果(洗剤20g使用)の再掲である。洗濯小袋に少量の洗剤を併用したものは、標準量の洗剤を使用したものと同等またはそれ以上の洗濯効果が得られた。
洗濯終了後ですすぎを行う前の時点にて、洗濯機内の水のCOD値を測定した。その結果を以下に示す。
実施例4の試料 9.6mgO/L
比較試料 32.2mgO/L
【0017】
【実施例5】
実施例1に用いたものと同等の木綿クロス裁断片各3枚に4種類の食品を1種類ずつ付着させ、乾燥し、固着させ、合計12枚の試料布を作成した。試料布4種類を1セットとし、4枚1セットずつを、下記条件で洗濯した。
(1)洗濯石のみを用いて洗濯
(2)家庭用洗剤のみを用いて洗濯
洗濯方法:JIS L−0217 103法準拠
電気洗濯機を用い、水温20°Cの水道水34L使用。(浴比1:60)
洗濯乾燥後の試料は、 JIS L−0805 に定める汚染用グレースケールの明度に最も近いものの等級で評価した。(5段階。5級が最も明度が高く、洗濯効果が優秀であることを示す。1級まで。)
すなわち、洗濯石のみを用いた洗濯により、ほぼ洗剤使用洗濯と同等の効果がえられた。
【0018】
【実験例2】
本発明の洗濯小袋を使用して、家庭用全自動洗濯機による洗濯をくりかえしているうちに、洗濯槽内に設置された糸くずフィルター内部に黒褐色の繊維状ないしペースト物質が付着するのが、みとめられるようになった。被洗物の汚れとは異なり、且つ、フィルターの目を詰める傾向が少ないことから、洗濯槽の裏側から脱落した黴が捕集されたものと考えられる。また、洗濯終了後の排水管末端部にフィルターを設置したところ、やはり脱落した黴と思われる黒褐色物質を捕集した。
【0019】
【実施例6】
約3年間(約900回)市販の洗剤を用いて洗濯に使用した家庭用全自動洗濯機に付着した黴の除去試験を実施した。洗濯機に水道水50Lを入れ、洗濯石150gのみを入れた洗濯小袋1個を加え、30°Cで2時間放置した後、30分間攪拌し攪拌状態で洗濯槽内の水を1Lのビーカーに採取した。ビーカー内の水には、洗濯槽のブラインド箇所から剥離したと思われる黴の小片が多数浮遊しているのが観察された。黴は黒色ないし褐色で鱗片状である。1Lビーカー内の黴のうち、肉眼で観察されるもの(直径約3mm以上)の数を計測した。その結果、洗濯槽内5カ所の平均黴数は1L中6.8個であった。平均的な大きさの黴の湿潤状態の重量は約6mg/個であった。
その後、同じ電気洗濯機に、洗濯石のみを入れた洗濯小袋1個を用いて、以前と同じような負荷条件で通常の家庭洗濯を継続した。
その後、前回と同じ条件で黴取り試験を実施したが計測された黴の数は平均1.6個/Lとなり、更に3カ月後では、0.4個/と黴数は大幅に減少した。
【0020】
【発明の効果】
本発明の洗濯石は、関東地方に産出するタルク系の鉱石を、特定の条件で分別し、粉砕し、焼成し、篩分し、表面研磨して得られる、マグネシウム10〜40重量%、鉄5〜20重量%、カルシウム8〜30重量%、珪素25〜40重量%をそれぞれ含有する砕石粒である。本発明の洗濯石を家庭用水道水に投入すると、水のPHを弱アルカリ域に移動させ、酸化還元電位を低下させる。この水で汚れの付着した衣類等を洗浄すると、汚れを効果的に除去する。
洗濯石を通水性・可撓性の容器に、浮力調整部材とともに収容したのが、本発明の洗濯小袋である。家庭用電気洗濯機の水槽中に衣類等の被洗物と共存させ、運転すると、洗剤を加えないか、少量の添加の条件で、汚れを除去することができる。
さらに、洗濯石と接触した用水は、黴の除去作用を示すので、洗濯小袋を使用した洗濯を繰り返し行うか、洗濯石を用水の循環通路の近傍、たとえば糸くずフィルター近傍に設置して洗濯を複数回行うことにより、洗濯槽中のブラインド箇所に付着した黴を除去することができる。したがって、特に黴取りのための作業を設定する必要がなく、日常の洗濯作業において、黴の除去をおこなうことができる。
Claims (6)
- 珪酸塩および炭酸塩鉱物系天然鉱石を原料とする洗濯石であって、マグネシウム10〜40重量%、鉄5〜20重量%、カルシウム8〜30重量%、珪素25〜40重量%をそれぞれ含有することを特徴とする洗濯石。
- マグネシウムを含有するアンチゴライト系鉱石、鉄を含有するタルク系鉱石、および方解石系鉱石を主原料とした直径1〜30cmの砕石を混合し、温度300〜600℃にて、攪拌下20〜40分焼成し、粉砕、篩分して直径0.5〜3.0cmの砕石粒として得ることを特徴とする請求項1記載の洗濯石の製法。
- 請求項1記載の洗濯石30〜200gを網袋内に収容し封入してなる洗濯小袋。
- 洗濯石と共にプラスチック成型体小片を網袋内に収容し、網袋と内容物を総合したものの湿潤時の見かけ比重が0.8〜1・2となるよう構成してなる請求項3記載の洗濯小袋。
- 請求項3および請求項4記載の洗濯小袋の共存下に、洗濯操作を繰り返しおこなうことからなる、洗濯機の付着黴の除去方法。
- 請求項1記載の洗濯石を、糸くずフイルター設置場所付近に設置し、洗濯操作または水洗操作をおこなうことからなる、洗濯機の付着黴の除去方法。
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