JP2004238211A - Manganese-zinc ferrite - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、Mn−Znフェライトに関し、特にMHz オーダーの高周波数領域での初透磁率の有利な向上を図ろうとするものである。
【0002】
【従来の技術】
軟磁性酸化物磁性材料の代表的な例として、Mn−Znフェライトが挙げられる。このMn−Znフェライトは、高初透磁率材料として用いる場合には、正の磁気異方性を持つFe2+量を多くし、負の磁気異方性を持つFe3+と室温付近で相殺させて高い初透磁率を得る、という操作がなされている。また、初透磁率は、結晶粒内の磁壁の動き易さに比例するため、磁壁の移動を助勢すべく結晶粒が大きくなるように焼成条件および添加物が調整されている。
【0003】
しかしながら、Fe2+量を多くした場合には、Fe3+−Fe2+間での電子の授受が起こり易くなり、結果として比抵抗が非常に小さな値、すなわち0.1(Ω・m)オーダーにまで低下してしまうという欠点がある。そのため、使用する周波数領域が高くなるとフェライト内を流れる渦電流による損失が急増する。
また、結晶粒の粗大化に伴い、結晶粒内の磁壁成分に由来する磁壁損失も増加する。
これらの影響で、高周波領域ではMn−Znフェライトの初透磁率は著しく低下する、という問題が生じ、実質的な耐用周波数は数百kHz 程度が限界であった。
【0004】
そのため、MHz オーダーの周波数領域で使用されるフェライトは、Ni−Znフェライトが主となっている。その理由としては、Ni−Znフェライトは、Mn−Znフェライトの1万倍程度、すなわち105(Ω・m)程度の非常に高い比抵抗を持つため、渦電流損失による悪影響がほとんどなく、高周波領域でも初透磁率の減衰が小さい、ということが挙げられる。
しかしながら、Mnの代わりにNiを使用するため、飽和磁化および初透磁率はMn−Znフェライトに比べると小さく、また原料のNiOがMnOと比較して高価であるところにも問題を残していた。
【0005】
上記の問題の解決策として、Mn−Znフェライト中に含まれるFe2+量を減らすことによって比抵抗を上昇させ、渦電流損失を減少させて高周波にも対応させる、という技術がある。
かかる方法の一つとして、Fe2O3 成分を 50mol%未満としてFe2+量を減少させて比抵抗を高め、高周波領域でも初透磁率の高いMn−Znフェライトが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、この技術は、添加物として V2O5, Bi2O3等の低融点添加物のみを加えて結晶粒径を成長させ、この組成での低周波領域での初透磁率の上昇に主眼が置かれたものであり、比抵抗の増加および高周波対策を目的とした粒界の制御および結晶粒径の適正化に関しての操作は全く行われていない。そのため、通常のMn−Znフェライトと比較すると、10 MHzでの初透磁率は 100以上と多少の改善効果は見られるものの、依然として高周波領域での初透磁率は低い値に止まっている。
【0006】
また、フェライトの製造の際に課題となるのが、異常粒成長である。この異常粒成長は、何らかの原因により局部的に粒成長のバランスが崩れた際に起こる、粉末冶金法を用いた製造時にしばしば見られる現象で、この異常成長粒内には不純物や格子欠陥等の磁壁の移動を大きく妨げる物質が混入するため、軟磁気特性を著しく劣化させる。そのため、異常粒成長の抑制はフェライト製造の際の重要なポイントである。
【0007】
さらに、フェライト原料のFe2O3 は、主に製鉄の際に発生するスケールに依存することから、鉄鋼中に含まれるP,B成分のある程度の混入が不可避である。これらの不純物が、適正量を超えて含有されたフェライトは、異常粒成長を誘発し、結果としてMn−Znフェライトの磁気特性等の諸特性に対して重大な悪影響を及ぼす。
しかしながら、前掲特許文献1では、かような不純物量の制限は行われておらず、そのためこの文献のみを基にしただけでは、文献記載のような望ましい特性を持つMn−Znフェライトの製造はほぼ不可能であり、実現性は極めて低い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を有利に解決するもので、結晶粒径を従来のものより小さく抑え、またCaOおよびSiO2の添加により粒界を十分に成長させることにより、渦電流損失および磁壁損失を効果的に低減して、高周波領域でのMn−Znフェライトの使用を可能ならしめたMn−Znフェライトを提案することを目的とする。
また、本発明は、フェライトの含有するPおよびB成分に適正な制限値を設けることによってフェライトの異常粒成長を抑制し、もって上記の特性を有するMn−Znフェライトの安定製造を実現したものである。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−220222公報(特許請求の範囲、段落〔0011〕)
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.Fe2O3 : 43.0 mol%以上、50.0 mol%未満、
ZnO : 16.5 mol%以上、24.0 mol%以下、
MnO : 残部
を基本成分とし、副成分として
CaO : 0.005 〜0.100 mass%および
SiO2 : 0.001 〜0.025 mass%
を含有し、さらにフェライト中に含まれるPの値を50 ppm未満、Bの値を20 ppm未満にそれぞれ抑制したことを特徴とするMn−Znフェライト。
【0011】
2.上記1において、基本成分のうち Fe2O3およびZnOを、
Fe2O3 : 45.0 mol%以上、50.0 mol%未満、
ZnO : 17.0 mol%以上、21.5 mol%以下
で、かつ次式(1)
x−2y≧ 6.0 −−− (1)
ただし、x:Fe2O3 量( mol%)、
y:ZnO量( mol%)
の関係を満足する範囲で含有し、キュリー温度が 120℃以上であることを特徴とするMn−Znフェライト。
【0012】
3.上記1または2において、フェライトが、さらに
ZrO2 : 0.005 〜0.100 mass%、
Ta2O5 : 0.005 〜0.100 mass%、
HfO2 : 0.005 〜0.100 mass%および
Nb2O5 : 0.005 〜0.100 mass%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とするMn−Znフェライト。
【0013】
4.上記1,2または3において、フェライトが、さらに
V2O5 : 0.001 〜0.100 mass%、
Bi2O3 : 0.001 〜0.050 mass%、
In2O3 : 0.001 〜0.050 mass%、
MoO3 : 0.001 〜0.050 mass%および
WO3 : 0.001 〜0.050 mass%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とするMn−Znフェライト。
【0014】
上記のような構成にして粒界および粒径を制御することにより、キュリー温度が120 ℃以上で、かつ室温(23℃) における初透磁率が 1 kHzの場合で4000以上、10 MHzの場合で 220以上という優れた特性を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体的に説明する。
まず、本発明において、基本成分および副成分を上記の範囲に限定した理由について説明する。
Fe2O3 : 43.0 mol%以上、50.0 mol%未満
基本成分のうち、Fe2O3 が過剰な場合には、Fe2+量が増加し、それによりMn−Znフェライトの比抵抗が低下して高周波領域での磁気特性に悪影響を及ぼす。これを避けるためには、Fe2O3 量は 50mol%未満に抑える必要がある。しかしながら、少なすぎた場合には、今度は飽和磁化、初透磁率、さらにはキュリー温度の低下を招くため、最低でも 43.0mol%は含有するものとした。
【0016】
ZnO:16.5 mol%以上、24.0 mol%以下
ZnOは、フェライトの飽和磁化を増加させ、また比較的飽和蒸気圧が低いことから、焼結密度の上昇にも有効な成分である。これらの効果を得るためには、少なくとも16.5 mol%の含有を必要とするが、過剰の添加は逆に飽和磁化の低下を招くので、ZnOは16.5〜24.0 mol%の範囲に限定した。
【0017】
また、上記した Fe2O3およびZnOは共にキュリー温度に影響を与える。実用上問題を生じないキュリー温度の一つの目安である、Tc ≧120 ℃を満たすことを考慮すると、Fe2O3 : 45.0 mol%以上、50.0 mol%未満、ZnO:17.0 mol%以上、21.5 mol%以下で、かつ次式(1)
x−2y≧ 6.0 −−− (1)
ただし、x:Fe2O3 量( mol%)、
y:ZnO量( mol%)
の関係を満足する範囲で含有させることが望ましい。
【0018】
CaO:0.005 〜0.100 mass%およびSiO2:0.001 〜0.025 mass%
CaOおよびSiO2は、結晶粒界に偏析することによりフェライトの電気抵抗を高める効果があり、また焼結を促進するという効果もある。しかしながら、添加量が少なすぎるとこれらの効果が明確には得られないため、最低でもCaO:0.005mass%、SiO2:0.001 mass%の添加が必要である。一方、過剰に添加した場合には、フェライト粒内の異常粒成長を誘発し、またこれらの添加物は非磁性物質であるためフェライトの初透磁率の低下を招く。そこでこれらの上限はそれぞれ、CaO:0.100 mass%、SiO2:0.025 mass%に制限した。
【0019】
また、本発明では、フェライト内へのPやBの混入を抑制することも重要である。
すなわち、PやBは共に原料酸化鉄に含まれる成分である。これらはごく微量であれば、フェライトの粒成長を促進する働きを見せるが、比較的多量に含有された場合にはフェライトの異常粒成長を誘発し、得られるフェライトの諸特性に重大な悪影響を及ぼす。そのため、本発明では、PおよびBはそれぞれ50 ppm未満、20 ppm未満(好ましくはいずれも10 ppm未満)に抑制するものとした。従って、これらのPやBは、原料調整段階で極力混入しないように配慮することが重要である。
【0020】
以上、基本成分および副成分について説明したが、本発明では、さらに以下に述べる成分を適宜含有させることができる。
ZrO2:0.005 〜0.100 mass%、Ta2O5 : 0.005 〜0.100 mass%、HfO2:0.005 〜0.100 mass%およびNb2O5 : 0.005 〜0.100 mass%(第1添加成分群)
これらの成分はいずれも、高い融点を持つ化合物であり、Mn−Znフェライトに添加した場合には結晶粒を小さくする働きを持つ。しかしながら、添加量が上記した下限値を下回ると十分な効果が得られず、一方上限値を超えて多量に含有された場合には初透磁率の低下を招くため、これらはいずれも上記の範囲で含有させることが好ましい。
【0021】
V2O5:0.001 〜0.100 mass%、Bi2O3 : 0.001 〜0.050 mass%、In2O3 : 0.001〜0.050 mass%、MoO3:0.001 〜0.050 mass%およびWO3:0.001 〜0.050 mass%(第2添加成分群)
これらの成分はいずれも、低い融点を持つ化合物であり、Mn−Znフェライトの焼結密度を上昇させ、初透磁率を上昇させるという働きを持つ。しかしながら、添加量が下限値に満たない場合には十分な効果が得られず、一方上限値を超えた場合には異常粒成長の発生および高周波領域での初透磁率の低下を招くため、これらはいずれも上記の範囲で含有させることが好ましい。
【0022】
次に、本発明に従うMn−Znフェライトの好適製造方法について説明する。
Mn−Znフェライトの製造に際しては、まず所定の比率となるように基本成分である Fe2O3,ZnOおよびMnO粉末を秤量し、これらを十分に混合した後に仮焼を行う。ついで、得られた仮焼粉に、上記した各種添加物を所定の比率で加えたのち、粉砕する。この作業で、添加した成分の濃度が偏らないように、粉末の充分な均質化を行うことが重要である。その後、目標組成の粉末を、ポリビニルアルコール等の有機物バインダーを用いて造粒し、圧力を加えて成形後、適切な焼成条件の下で焼成する。
【0023】
かくして得られたMn−Znフェライトは、Fe2+量が通常のものに比べ大幅に減少しているため、比抵抗が上昇している。また、結晶粒界の厚さおよび結晶粒径が適切な値に制御されているために、高周波領域での初透磁率の減少という課題が大幅に改善されている。
ここに、結晶粒界の厚さは 0.001〜0.05μm 程度、また結晶粒径は7〜13μm程度とするのが好適である。
【0024】
【実施例】
実施例1
焼成後に、Fe2O3 、ZnOおよびMnOの比率が表1に示す値となるように秤量した各原料粉末を、ボールミルを用いて16時間混合したのち、空気中にて925 ℃,3時間の仮焼を行った。ついで、副成分としてCaOおよびSiO2を、焼成後の最終組成が表1に示す比率となるように添加し、ボールミルで12時間の粉砕を行った。この混合粉に、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、118 MPa (1.2 ton/cm2) の圧力を加えてトロイダルコアを成形した。その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素流入により酸素濃度を制御した雰囲気中にて1350℃の温度で焼成したのち冷却し、外径:30.5mm、内径:18.5mm、高さ:6.3 mmの焼結体コアを得た。
これらの各試料について、結晶粒径、比抵抗および1kHz,10 MHzにおける初透磁率を測定した。
得られた結果を表1に示す。
【0025】
【表1】
【0026】
同表に示したとおり、発明例はいずれも、異常粒成長の発生がなく、1kHz での初透磁率が4000以上,10 MHzでの初透磁率が 220以上という優れた特性を有している。
これに対し、Fe2O3 が 50.0mol%以上の比較例(試料番号1−1, 1−2 )はいずれも、比抵抗が低いため、高周波域で渦電流損失の影響を受け、10 MHzでの初透磁率は1になっている。また、Fe2O3 が 43.0mol%未満の比較例(試料番号1−14)およびZnOが 16.5mo1%未満の比較例(試料番号1−11)はいずれも、1kHz での初透磁率が目標値の4000よりも低い値に止まっている。
さらに、副成分であるCaOおよびSiO2に着目すると、両成分を含まない比較例(試料番号1−8 )は、10 MHzでの初透磁率の値が極めて小さく、一方両成分を上限値を超えて多量に含有する比較例(試料番号1−9 )は、異常粒成長の発生が確認され、磁気特性、比抵抗とも著しく劣化している。
【0027】
実施例2
BおよびPの含有量が異なる種々の酸化鉄原料を使用し、試料が最終的にP:50 ppm以下, B:20 ppm以下の種々の値をとるように計算した上で、焼成後の比率が Fe2O3:48.5 mol%,ZnO:21.0 mol%,残部:MnOとなるように調整した原料を、秤量し、ボールミルを用いて混合した後、空気中にて 925℃, 3時間の仮焼を行った。次に、副成分としてCaOおよびSiO2を、最終的にそれぞれ0.050mass%,0.010 mass%となるよう添加し、ボールミルで12時間の粉砕を行った。この混合粉に、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、118 MPa (1.2 ton/cm2)の圧力を加えてトロイダルコアを成形した。その後、この成形体を焼戌炉に入れ、窒素流入により酸素濃度を制御した雰囲気中にて1350℃の温度で焼成した後、冷却し、外径:30.5mm、内径:18.5mm、高さ:6.3 mmの焼結体コアを得た。
これらの各試料について、結晶粒径、比抵抗および1kHz,10 MHzにおける初透磁率を測定した。
得られた結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】
同表から明らかなように、PおよびB成分がそれぞれ50 ppm未満、20 ppm未満を同時に満たす発明例(試料番号2−1 ,2−2 )はいずれも、異常粒成長が見られず、比抵抗が80Ω・m 以上で、初透磁率については1kHz で4000以上、10 MHzで 220以上という優れた特性値が得られた。
これに対し、P, B成分のどちらか一方、または両方とも上限値を超えて含有する比較例(試料番号2−3 ,2−4 ,2−5 )はいずれも、異常粒の発生が観察され、比抵抗および初透磁率ともに大きく劣化している。
【0030】
実施例3
実施例1の発明例について、 Fe2O3およびZnO量を次式(1)’
x−2y −−− (1)’
ただし、x:Fe2O3 量( mol%)、
y:ZnO量( mol%)
に代入した時の値およびキュリー温度について調査した結果を、表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
同表に示したとおり、上掲式(1)’で示した Fe2O3量とZnO量の関係式が 6.0以上を満足する場合には、キュリー温度を実用上問題を生じない目安である 120℃以上に制御できることが分かる。従って、Fe2O3 とZnOの成分比は、前掲式(1)の関係を満足する範囲に調整することが望ましい。
【0033】
実施例4
実施例2と同組成の混合粉(但し、P:5 ppm, B:5 ppm)に、副成分であるCaOおよびSiO2をそれぞれ最終成分が0.050 mass%,0.010 mass%となるように添加し、さらに添加物としてZrO2, Ta2O5, HfO2, Nb2O5(第1添加成分群)をそれぞれ最終成分が表4に示すとおりになるよう加え、ボールミルで12時間の粉砕を行った。この混合粉に、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、118 MPa (1.2 ton/cm2) の圧力を加えてトロイダルコアを成形し、その後、この成形体を焼成炉に入れ、窒素流入により酸素濃度を制御した雰囲気中にて1350℃の温度で焼成したのち、冷却し、外径:30.5mm、内径:18.5mm、高さ:6.3 mmの焼結体コアを得た。
これらの各試料について、結晶粒径、比抵抗および1kHz および10 MHzにおける初透磁率を測定した。
得られた結果を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】
同表に示したとおり、ZrO2, Ta2O5, HfO2, Nb2O5をそれぞれ、最終的に成分がZrO2:0.005 〜0.100 mass%、Ta2O5 : 0.005 〜0.100 mass%、HfO2:0.005 〜0.100 mass%、Nb2O5 : 0.005 〜0.100 mass%を満足する範囲で1種または2種以上添加した発明例(試料番号3−1 〜3−15)はいずれも、結晶の成長が抑制され、その結果比抵抗および10 MHzにおける初透磁率が上昇した。
しかしながら、これら4成分のうち1種類でも適正範囲を超えて多量に含有する比較例(試料番号3−16〜3−18)では、異常粒成長を誘発し、不純物を多く含む異常粒内での磁壁の移動がスムーズに行かないことおよび非磁性イオンの増加が原因となって、低周波および高周波領域共に初透磁率が低い値に止まっている。
【0036】
実施例5
実施例2と同組成の混合粉(但し、P:5 ppm, B:5 ppm)に、副成分としてCaOおよびSiO2をそれぞれ最終成分が0.050 mass%,0.010 mass%となるように添加し、さらに添加物としてV2O5, Bi2O3, In2O3, MoO3およびWO3(第2添加成分群)をそれぞれ、焼結体中の成分が表5に示すとおりになるよう加え、ボールミルで12時間の粉砕を行った。この混合粉に、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、118 MPa (1.2 ton/cm2) の圧力を加えてトロイダルコアを成形し、その後この成形体を焼成炉に入れ、窒素流入により酸素濃度を制御した雰囲気中にて1350℃の温度で焼成したのち、冷却し、外径:30.5mm、内径:18.5mm、高さ:6.3 mmの焼結体コアを得た。
これらの各試料について、結晶粒径、比抵抗および1kHz および10 MHzにおける初透磁率を測定した。
得られた結果を表5に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
表5に示したとおり、V2O5, Bi2O3, In2O3, MoO3およびWO3の1種または2種以上を適量添加した発明例(試料番号4−1 〜4−31)はいずれも、結晶粒の成長および焼結密度の上昇が見られ、その結果無添加のものに比べて1kHz における初透磁率が上昇した。
これに対し、5成分のうちどれか1つでも適正な値より多く含む比較例(試料番号4−32, 4−33)はいずれも、異常粒が発生し、粒内に多数の不純物、空孔を含むため、初透磁率、比抵抗はともに大きく劣化している。
【0039】
実施例6
実施例2と同組成の混合粉(但し、P:5 ppm, B:5 ppm)に、副成分としてCaOおよびSiO2をそれぞれ最終成分が0.050 mass%,0.010 mass%となるように添加し、さらに添加物としてZrO2, Ta2O5, HfO2, Nb2O5(第1添加成分群)およびV2O5, Bi2O3, In2O3, MoO3, WO3(第2添加成分群)をそれぞれ、焼結体中の成分が表6に示すとおりになるよう組み合わせて加え、ボールミルで12時間の粉砕を行った。この混合粉に、ポリビニルアルコールを加えて造粒し、118 MPa(1.2 ton/cm2) の圧力を加えてトロイダルコアを成形し、その後この成形体を焼成炉に入れ、窒素流入により酸素濃度を制御した雰囲気中にて1350℃の温度で焼成したのち、冷却し、外径:30.5mm、内径:18.5mm、高さ:6.3 mmの焼結体コアを得た。
これらの各試料について、結晶粒径、比抵抗および1kHz および10 MHzにおける初透磁率を測定した。
得られた結果を表6に示す。
【0040】
【表6】
【0041】
表6に示したとおり、第1添加成分群および第2添加成分群に記載の添加物を組み合わせて添加した発明例(試料番号5−1 〜5−27)はいずれも、これらが無添加の場合に比べて、1kHz および10 MHzにおける初透磁率が共に上昇した。
これに対し、これら9成分のうちどれか1つでも適正な値より多く含む比較例(試料番号5−28〜5−30)はいずれも、異常粒が発生し、また粒内に多数の不純物や空孔を含むために、初透磁率および比抵抗ともに大きく劣化している。
【0042】
【発明の効果】
かくして、本発明に従い、Fe2O3 : 43.0 mol%以上、50.0 mol%未満、ZnO:16.5 mol%以上、24.0 mol%以下、残部:MnOの基本組成になるMn−Znフェライトに、副成分としてCaOおよびSiO2の1種または2種添加し、粒界偏析および焼結促進の効果を利用することにより、比抵抗が70Ω・m 以上で、高周波領域である10 MHzでの初透磁率が 220を超えるMn−Znフェライトを得ることができる。
また、この組成に、ZrO2, Ta2O5, HfO2 および Nb2O5(第1添加成分群)を適量添加することにより高周波領域における初透磁率のさらなる上昇を、他方V2O5, Bi2O3, In2O3, MoO3およびWO3(第2添加成分群)を適量添加させることにより低周波領域における初透磁率を上昇させることができ、加えてこれらを組み合わせて添加することにより、高周波領域および低周波領域両方の初透磁率の上昇を達成することができる。
さらに、原料酸化鉄に含まれるPやBのフェライトへの混入を極力制限することにより、実用上発生する不良品を減少させることができ、製造の安定化に大きく貢献する。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to Mn-Zn ferrite, and more particularly to achieve an advantageous improvement in initial magnetic permeability in a high-frequency region on the order of MHz.
[0002]
[Prior art]
A typical example of the soft magnetic oxide magnetic material is Mn-Zn ferrite. When this Mn-Zn ferrite is used as a material having a high initial permeability, the amount of Fe 2+ having a positive magnetic anisotropy is increased to offset the amount of Fe 3+ having a negative magnetic anisotropy at around room temperature. An operation of obtaining a high initial magnetic permeability is performed. In addition, since the initial magnetic permeability is proportional to the easiness of movement of the domain wall in the crystal grain, the firing conditions and additives are adjusted so that the crystal grain becomes large to assist the movement of the domain wall.
[0003]
However, when the amount of Fe 2+ is increased, the transfer of electrons between Fe 3+ -Fe 2+ is likely to occur, and as a result, the specific resistance becomes a very small value, that is, to the order of 0.1 (Ω · m). There is a disadvantage that it is lowered. Therefore, as the frequency range used increases, the loss due to eddy current flowing in the ferrite increases rapidly.
Further, as the crystal grains become coarse, domain wall loss due to domain wall components in the crystal grains also increases.
Due to these effects, a problem arises that the initial permeability of the Mn-Zn ferrite is remarkably reduced in a high frequency region, and the practical useful frequency is limited to about several hundred kHz.
[0004]
For this reason, Ni-Zn ferrite is mainly used as ferrite used in a frequency range on the order of MHz. The reason is that the Ni—Zn ferrite has a very high specific resistance of about 10,000 times that of the Mn—Zn ferrite, that is, about 10 5 (Ω · m). That is, the attenuation of the initial magnetic permeability is small even in the region.
However, since Ni is used instead of Mn, the saturation magnetization and the initial permeability are smaller than that of Mn-Zn ferrite, and there still remains a problem in that the raw material NiO is more expensive than MnO.
[0005]
As a solution to the above problem, there is a technique of increasing the specific resistance by reducing the amount of Fe 2+ contained in the Mn—Zn ferrite, reducing the eddy current loss, and coping with high frequencies.
One such method, Fe 2 O 3 component reduced the amount of Fe 2+ as less than 50 mol% of raising the specific resistivity, Mn-Zn ferrite having high initial permeability even in the high frequency region has been proposed (e.g. Patent Documents 1).
However, this technique adds only low-melting-point additives such as V 2 O 5 and Bi 2 O 3 as additives to grow the crystal grain size, and to increase the initial magnetic permeability in a low-frequency region with this composition. It is the main focus, and no operation is performed on the control of grain boundaries and the optimization of the crystal grain size for the purpose of increasing the specific resistance and taking measures against high frequency. Therefore, as compared with ordinary Mn-Zn ferrite, the initial magnetic permeability at 10 MHz is 100 or more, and although the effect is somewhat improved, the initial magnetic permeability in a high frequency region is still low.
[0006]
Another problem in the production of ferrite is abnormal grain growth. This abnormal grain growth is a phenomenon that often occurs when manufacturing is performed using powder metallurgy, which occurs when the grain growth is locally unbalanced for some reason. Since a substance that greatly hinders the movement of the domain wall is mixed, the soft magnetic characteristics are significantly deteriorated. Therefore, suppression of abnormal grain growth is an important point in ferrite production.
[0007]
Furthermore, since Fe 2 O 3, which is a ferrite raw material, mainly depends on the scale generated at the time of iron making, it is inevitable that P and B components contained in steel are mixed to some extent. Ferrite containing these impurities in excess of an appropriate amount induces abnormal grain growth and consequently has a serious adverse effect on various properties such as magnetic properties of the Mn-Zn ferrite.
However, in Patent Document 1 mentioned above, such an amount of impurities is not limited, and therefore, the production of Mn—Zn ferrite having desirable properties as described in the document is almost impossible only based on this document. Impossible and extremely low feasibility.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention advantageously solves the above-mentioned problems. The present invention suppresses the crystal grain size smaller than that of the conventional one, and sufficiently grows the grain boundaries by adding CaO and SiO 2 , thereby achieving eddy current loss and domain wall loss. It is an object of the present invention to propose a Mn-Zn ferrite capable of effectively reducing Mn-Zn ferrite in a high frequency region.
Further, the present invention suppresses abnormal grain growth of ferrite by providing appropriate limits to the P and B components contained in ferrite, thereby achieving stable production of Mn-Zn ferrite having the above characteristics. is there.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 2001-220222A (Claims, paragraph [0011])
[0010]
[Means for Solving the Problems]
That is, the gist configuration of the present invention is as follows.
1. Fe 2 O 3 : 43.0 mol% or more and less than 50.0 mol%,
ZnO: 16.5 mol% or more, 24.0 mol% or less,
MnO: balance was used as a basic component, CaO as an auxiliary component: 0.005 to 0.100 mass% and SiO 2: 0.001 ~0.025 mass%
And the value of P contained in the ferrite is suppressed to less than 50 ppm and the value of B is suppressed to less than 20 ppm.
[0011]
2. In the above item 1, Fe 2 O 3 and ZnO among the basic components are
Fe 2 O 3 : 45.0 mol% or more and less than 50.0 mol%,
ZnO: 17.0 mol% or more and 21.5 mol% or less, and the following formula (1)
x-2y ≧ 6.0 (1)
However, x: Fe 2 O 3 amount (mol%),
y: ZnO amount (mol%)
A Mn-Zn ferrite, characterized by having a Curie temperature of 120 ° C. or higher.
[0012]
3. In the above 1 or 2, the ferrite further contains ZrO 2 : 0.005 to 0.100 mass%,
Ta 2 O 5: 0.005 ~0.100 mass %,
HfO 2: 0.005 ~0.100 mass% and Nb 2 O 5: 0.005 ~0.100 mass %
Mn-Zn ferrite comprising one or more selected from the group consisting of:
[0013]
4. In the 1, 2 or 3, ferrite, further V 2 O 5: 0.001 ~0.100 mass %,
Bi 2 O 3: 0.001 ~0.050 mass %,
In 2 O 3 : 0.001 to 0.050 mass%,
MoO 3: 0.001 ~0.050 mass% and WO 3: 0.001 ~0.050 mass%
Mn-Zn ferrite comprising one or more selected from the group consisting of:
[0014]
By controlling the grain boundary and the grain size in the above-described configuration, the Curie temperature is 120 ° C. or higher, and the initial permeability at room temperature (23 ° C.) is 1 kHz. Excellent characteristics of 220 or more can be obtained.
[0015]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described specifically.
First, the reason why the basic component and the subcomponent are limited to the above ranges in the present invention will be described.
Fe 2 O 3 : 43.0 mol% or more and less than 50.0 mol% When the amount of Fe 2 O 3 is excessive among the basic components, the amount of Fe 2+ increases, thereby increasing the specific resistance of the Mn—Zn ferrite. And adversely affect the magnetic properties in the high frequency range. In order to avoid this, the amount of Fe 2 O 3 needs to be suppressed to less than 50 mol%. However, if the amount is too small, the saturation magnetization, the initial magnetic permeability, and the Curie temperature will be lowered. Therefore, the content should be at least 43.0 mol%.
[0016]
ZnO: 16.5 mol% or more and 24.0 mol% or less ZnO is an effective component for increasing the sintering density because it increases the saturation magnetization of ferrite and has a relatively low saturated vapor pressure. In order to obtain these effects, it is necessary to contain at least 16.5 mol%. However, excessive addition causes a decrease in saturation magnetization, so ZnO is contained in the range of 16.5 to 24.0 mol%. Limited to.
[0017]
Further, both Fe 2 O 3 and ZnO described above affect the Curie temperature. In view of satisfying Tc ≧ 120 ° C., which is one measure of the Curie temperature that does not cause a practical problem, Fe 2 O 3 : 45.0 mol% or more and less than 50.0 mol%, ZnO: 17.0 mol% or more and 21.5 mol% or less, and the following formula (1)
x-2y ≧ 6.0 (1)
However, x: Fe 2 O 3 amount (mol%),
y: ZnO amount (mol%)
Is desirably contained in a range that satisfies the relationship of
[0018]
CaO: 0.005 ~0.100 mass% and SiO 2: 0.001 ~0.025 mass%
CaO and SiO 2 have the effect of increasing the electrical resistance of ferrite by segregating at the crystal grain boundaries, and also have the effect of promoting sintering. However, if the added amount is too small, these effects cannot be clearly obtained. Therefore, it is necessary to add at least 0.005% by mass of CaO and 0.001% by mass of SiO 2 . On the other hand, when added excessively, it induces abnormal grain growth in the ferrite grains, and since these additives are non-magnetic substances, they lower the initial permeability of ferrite. Therefore, these upper limits were respectively limited to 0.100 mass% of CaO and 0.025 mass% of SiO 2 .
[0019]
In the present invention, it is also important to suppress the incorporation of P and B into the ferrite.
That is, both P and B are components contained in the raw iron oxide. If they are very small, they can promote ferrite grain growth.However, if they are contained in relatively large amounts, they induce abnormal ferrite grain growth and have a serious adverse effect on the properties of the resulting ferrite. Exert. Therefore, in the present invention, P and B are suppressed to less than 50 ppm and less than 20 ppm, respectively (preferably, both less than 10 ppm). Therefore, it is important to consider that these P and B are not mixed as much as possible in the raw material adjustment stage.
[0020]
As described above, the basic component and the sub-component have been described. However, in the present invention, the following components can be further appropriately contained.
ZrO 2: 0.005 ~0.100 mass%, Ta 2 O 5: 0.005 ~0.100 mass%, HfO 2: 0.005 ~0.100 mass% and Nb 2 O 5: 0.005 ~ 0.100 mass% (first additive component group)
Each of these components is a compound having a high melting point, and when added to Mn-Zn ferrite, has a function of reducing crystal grains. However, if the amount is less than the lower limit described above, a sufficient effect cannot be obtained.On the other hand, if the added amount exceeds the upper limit, a decrease in initial magnetic permeability is caused. It is preferable to include them.
[0021]
V 2 O 5: 0.001 ~0.100 mass %, Bi 2 O 3: 0.001 ~0.050 mass%, In 2 O 3: 0.001~0.050 mass%, MoO 3: 0. 001 to 0.050 mass% and WO 3: 0.001 ~0.050 mass% (second additive component group)
Each of these components is a compound having a low melting point, and has a function of increasing the sintering density of Mn-Zn ferrite and increasing the initial magnetic permeability. However, if the addition amount is less than the lower limit, a sufficient effect cannot be obtained.On the other hand, if the addition amount exceeds the upper limit, the occurrence of abnormal grain growth and a decrease in the initial magnetic permeability in a high frequency region are caused. Is preferably contained in the above range.
[0022]
Next, a preferred method for producing Mn-Zn ferrite according to the present invention will be described.
In the production of Mn-Zn ferrite, first, Fe 2 O 3 , ZnO, and MnO powder, which are basic components, are weighed so as to have a predetermined ratio, and calcined after sufficiently mixing these. Then, the above-mentioned various additives are added to the obtained calcined powder at a predetermined ratio, and then pulverized. In this operation, it is important to sufficiently homogenize the powder so that the concentration of the added component is not biased. Thereafter, the powder having the target composition is granulated by using an organic binder such as polyvinyl alcohol, molded by applying pressure, and then fired under appropriate firing conditions.
[0023]
In the Mn-Zn ferrite thus obtained, the Fe2 + content is greatly reduced as compared with a normal Mn-Zn ferrite, so that the specific resistance is increased. In addition, since the thickness of the crystal grain boundary and the crystal grain size are controlled to appropriate values, the problem of reducing the initial magnetic permeability in a high-frequency region has been significantly improved.
Here, the thickness of the crystal grain boundary is preferably about 0.001 to 0.05 μm, and the crystal grain size is preferably about 7 to 13 μm.
[0024]
【Example】
Example 1
After firing, the raw material powders weighed so that the ratio of Fe 2 O 3 , ZnO and MnO become the values shown in Table 1 were mixed for 16 hours using a ball mill, and then mixed at 925 ° C. for 3 hours in the air. Calcination was performed. Then, CaO and SiO 2 were added as accessory components so that the final composition after firing had the ratio shown in Table 1, and the mixture was ground by a ball mill for 12 hours. Polyvinyl alcohol was added to the mixed powder to granulate, and a pressure of 118 MPa (1.2 ton / cm 2 ) was applied to form a toroidal core. Thereafter, the formed body is placed in a firing furnace, fired at a temperature of 1350 ° C. in an atmosphere in which the oxygen concentration is controlled by flowing nitrogen, and then cooled, and the outer diameter: 30.5 mm, the inner diameter: 18.5 mm, and the height: A 6.3 mm sintered body core was obtained.
For each of these samples, the crystal grain size, specific resistance, and initial magnetic permeability at 1 kHz and 10 MHz were measured.
Table 1 shows the obtained results.
[0025]
[Table 1]
[0026]
As shown in the table, all of the examples of the invention have excellent characteristics that no abnormal grain growth occurs and the initial permeability at 1 kHz is 4000 or more and the initial permeability at 10 MHz is 220 or more. .
On the other hand, the comparative examples (Sample Nos. 1-1 and 1-2) each containing 50.0 mol% or more of Fe 2 O 3 are affected by eddy current loss in a high frequency range because of low specific resistance. The initial magnetic permeability at MHz is 1. In addition, in each of Comparative Examples in which Fe 2 O 3 was less than 43.0 mol% (Sample No. 1-14) and Comparative Examples in which ZnO was less than 16.5 mol 1% (Sample No. 1-11), the initial permeability at 1 kHz was obtained. Is lower than the target value of 4000.
Further, paying attention to CaO and SiO 2 as auxiliary component, Comparative Examples not containing both components (Sample No. 1-8), the very small value of initial magnetic permeability at 10 MHz, whereas the upper limit of both components In the comparative example (Sample No. 1-9) containing a large amount exceeding that, occurrence of abnormal grain growth was confirmed, and both the magnetic properties and the specific resistance were significantly deteriorated.
[0027]
Example 2
Using various iron oxide raw materials having different contents of B and P, calculation was made so that the sample finally took various values of P: 50 ppm or less, B: 20 ppm or less, and the ratio after firing. Were weighed and mixed using a ball mill, and then mixed at 925 ° C. in the air at a temperature of 925 ° C., with Fe 2 O 3 : 48.5 mol%, ZnO: 21.0 mol%, and the balance: MnO. Calcination was performed for 3 hours. Next, CaO and SiO 2 were added as subcomponents so that the final amounts would be 0.050% by mass and 0.010% by mass, respectively, and pulverization was performed for 12 hours by a ball mill. Polyvinyl alcohol was added to the mixed powder to granulate, and a pressure of 118 MPa (1.2 ton / cm 2 ) was applied to form a toroidal core. Thereafter, the molded body was placed in a burning furnace, fired at a temperature of 1350 ° C. in an atmosphere in which the oxygen concentration was controlled by inflow of nitrogen, cooled, and cooled to an outer diameter of 30.5 mm, an inner diameter of 18.5 mm and a height of 18.5 mm. Sa: A sintered body core of 6.3 mm was obtained.
For each of these samples, the crystal grain size, specific resistance, and initial magnetic permeability at 1 kHz and 10 MHz were measured.
Table 2 shows the obtained results.
[0028]
[Table 2]
[0029]
As is clear from the table, the invention examples (Sample Nos. 2-1 and 2-2) in which the P and B components simultaneously satisfy less than 50 ppm and less than 20 ppm respectively do not show abnormal grain growth, and When the resistance was 80 Ω · m or more, excellent characteristic values of initial magnetic permeability of 4000 or more at 1 kHz and 220 or more at 10 MHz were obtained.
On the other hand, in any of Comparative Examples (Sample Nos. 2-3, 2-4, 2-5) in which one or both of the P and B components exceeded the upper limit, generation of abnormal grains was observed. As a result, both the specific resistance and the initial magnetic permeability are greatly deteriorated.
[0030]
Example 3
Regarding the invention example of Example 1, the amounts of Fe 2 O 3 and ZnO were determined by the following formula (1) ′.
x-2y --- (1) '
However, x: Fe 2 O 3 amount (mol%),
y: ZnO amount (mol%)
Table 3 shows the results obtained by investigating the value and the Curie temperature at the time of substituting into.
[0031]
[Table 3]
[0032]
As shown in the table, when the relational expression between the amount of Fe 2 O 3 and the amount of ZnO expressed by the above equation (1) ′ satisfies 6.0 or more, the Curie temperature is a measure that does not cause a practical problem. It can be seen that the temperature can be controlled to 120 ° C. or higher. Therefore, it is desirable to adjust the component ratio of Fe 2 O 3 and ZnO to a range that satisfies the relationship of the above-described formula (1).
[0033]
Example 4
In the mixed powder having the same composition as in Example 2 (however, P: 5 ppm, B: 5 ppm), CaO and SiO 2 as sub-components have final components of 0.050 mass% and 0.010 mass%, respectively. And ZrO 2 , Ta 2 O 5 , HfO 2 , and Nb 2 O 5 (first additive component group) as additives, respectively, so that the final components are as shown in Table 4, and are added by a ball mill for 12 hours. Was crushed. Polyvinyl alcohol is added to the mixed powder to granulate, and a pressure of 118 MPa (1.2 ton / cm 2 ) is applied to form a toroidal core. Thereafter, the formed body is placed in a firing furnace, and nitrogen is introduced by flowing nitrogen. After firing at a temperature of 1350 ° C. in an atmosphere with a controlled oxygen concentration, it was cooled to obtain a sintered body core having an outer diameter of 30.5 mm, an inner diameter of 18.5 mm, and a height of 6.3 mm.
For each of these samples, the crystal grain size, specific resistance, and initial permeability at 1 kHz and 10 MHz were measured.
Table 4 shows the obtained results.
[0034]
[Table 4]
[0035]
As shown in the table, ZrO 2 , Ta 2 O 5 , HfO 2 , and Nb 2 O 5 are each finally composed of ZrO 2 : 0.005 to 0.100 mass%, and Ta 2 O 5 : 0. 005 ~0.100 mass%, HfO 2: 0.005 ~0.100 mass%, Nb 2 O 5: 0.005 ~0.100 invention example of adding one or more in a range satisfying mass% In all of (Sample Nos. 3-1 to 3-15), the crystal growth was suppressed, and as a result, the specific resistance and the initial permeability at 10 MHz increased.
However, in Comparative Examples (Sample Nos. 3-16 to 3-18) in which even one of these four components is contained in a large amount exceeding an appropriate range, abnormal grain growth is induced and abnormal grains containing a large amount of impurities are caused. The initial magnetic permeability remains at a low value in both the low-frequency and high-frequency regions due to the non-smooth movement of the domain wall and the increase in non-magnetic ions.
[0036]
Example 5
CaO and SiO 2 were added as auxiliary components to the mixed powder having the same composition as in Example 2 (P: 5 ppm, B: 5 ppm) so that the final components became 0.050 mass% and 0.010 mass%, respectively. And V 2 O 5 , Bi 2 O 3 , In 2 O 3 , MoO 3 and WO 3 (second additive component group) as additives are shown in Table 5 below. And pulverized by a ball mill for 12 hours. Polyvinyl alcohol is added to the mixed powder to perform granulation, and a pressure of 118 MPa (1.2 ton / cm 2 ) is applied to form a toroidal core. Thereafter, the formed body is placed in a firing furnace, and oxygen is introduced by flowing nitrogen. After firing at a temperature of 1350 ° C. in an atmosphere with a controlled concentration, the resultant was cooled to obtain a sintered body core having an outer diameter of 30.5 mm, an inner diameter of 18.5 mm, and a height of 6.3 mm.
For each of these samples, the crystal grain size, specific resistance, and initial permeability at 1 kHz and 10 MHz were measured.
Table 5 shows the obtained results.
[0037]
[Table 5]
[0038]
As shown in Table 5, V 2 O 5, Bi 2 O 3, In 2 O 3, invention example of an appropriate amount of one or more of MoO 3 and WO 3 (Sample No. 4-1 ~4-31 In each of the cases (1) and (2), the growth of crystal grains and an increase in the sintered density were observed, and as a result, the initial permeability at 1 kHz was increased as compared with the case where no additive was added.
On the other hand, in Comparative Examples (Sample Nos. 4-32 and 4-33) containing any one of the five components more than an appropriate value, abnormal grains were generated, and many impurities and vacancies were present in the grains. Because of the inclusion of the holes, both the initial permeability and the specific resistance are greatly degraded.
[0039]
Example 6
CaO and SiO 2 were added as auxiliary components to the mixed powder having the same composition as in Example 2 (P: 5 ppm, B: 5 ppm) so that the final components became 0.050 mass% and 0.010 mass%, respectively. , And ZrO 2 , Ta 2 O 5 , HfO 2 , Nb 2 O 5 (first additive component group) and V 2 O 5 , Bi 2 O 3 , In 2 O 3 , MoO 3 , WO as additives. 3 (the second additive component group) was added in combination such that the components in the sintered body were as shown in Table 6, and pulverized for 12 hours by a ball mill. Polyvinyl alcohol is added to the mixed powder to perform granulation, and a pressure of 118 MPa (1.2 ton / cm 2 ) is applied to form a toroidal core. Thereafter, the formed body is placed in a firing furnace, and oxygen is introduced by flowing nitrogen. After firing at a temperature of 1350 ° C. in an atmosphere with a controlled concentration, the resultant was cooled to obtain a sintered body core having an outer diameter of 30.5 mm, an inner diameter of 18.5 mm, and a height of 6.3 mm.
For each of these samples, the crystal grain size, specific resistance, and initial permeability at 1 kHz and 10 MHz were measured.
Table 6 shows the obtained results.
[0040]
[Table 6]
[0041]
As shown in Table 6, the invention examples (Sample Nos. 5-1 to 5-27) in which the additives described in the first additive component group and the second additive component group were added in combination, all of which did not contain these additives. The initial permeability at 1 kHz and 10 MHz both increased compared to the case.
On the other hand, in Comparative Examples (Sample Nos. 5-28 to 5-30) in which any one of these nine components is larger than an appropriate value, abnormal grains are generated and a large number of impurities are present in the grains. Because of the inclusion of pores and voids, both the initial magnetic permeability and the specific resistance are greatly degraded.
[0042]
【The invention's effect】
Thus, according to the present invention, Fe 2 O 3 : 43.0 mol% or more and less than 50.0 mol%, ZnO: 16.5 mol% or more and 24.0 mol% or less, and the balance: Mn which is a basic composition of MnO in -Zn ferrite, adding one or two CaO and SiO 2 as an auxiliary component, by utilizing the effect of the grain boundary segregation and sintering accelerator, in specific resistance 70 ohm · m or more, a high frequency region 10 An Mn-Zn ferrite having an initial magnetic permeability in MHz exceeding 220 can be obtained.
Further, by adding an appropriate amount of ZrO 2 , Ta 2 O 5 , HfO 2, and Nb 2 O 5 (first additive component group) to this composition, the initial magnetic permeability in the high frequency region is further increased, while V 2 O 5 , Bi 2 O 3 , In 2 O 3 , MoO 3, and WO 3 (second additive component group) can be added in appropriate amounts to increase the initial magnetic permeability in the low-frequency region. By doing so, it is possible to achieve an increase in the initial permeability in both the high frequency region and the low frequency region.
Furthermore, by limiting the mixing of P and B contained in the raw iron oxide into ferrite as much as possible, it is possible to reduce defective products that occur practically, which greatly contributes to stabilization of production.
Claims (4)
ZnO : 16.5 mol%以上、24.0 mol%以下、
MnO : 残部
を基本成分とし、副成分として
CaO : 0.005 〜0.100 mass%および
SiO2 : 0.001 〜0.025 mass%
を含有し、さらにフェライト中に含まれるPの値を50 ppm未満、Bの値を20 ppm未満にそれぞれ抑制したことを特徴とするMn−Znフェライト。Fe 2 O 3 : 43.0 mol% or more and less than 50.0 mol%,
ZnO: 16.5 mol% or more, 24.0 mol% or less,
MnO: balance was used as a basic component, CaO as an auxiliary component: 0.005 to 0.100 mass% and SiO 2: 0.001 ~0.025 mass%
And the value of P contained in the ferrite is suppressed to less than 50 ppm, and the value of B is suppressed to less than 20 ppm.
Fe2O3 : 45.0 mol%以上、50.0 mol%未満、
ZnO : 17.0 mol%以上、21.5 mol%以下
で、かつ次式(1)
x−2y≧ 6.0 −−− (1)
ただし、x:Fe2O3 量( mol%)、
y:ZnO量( mol%)
の関係を満足する範囲で含有し、キュリー温度が 120℃以上であることを特徴とするMn−Znフェライト。In claim 1, Fe 2 O 3 and ZnO among the basic components are
Fe 2 O 3 : 45.0 mol% or more and less than 50.0 mol%,
ZnO: 17.0 mol% or more and 21.5 mol% or less, and the following formula (1)
x-2y ≧ 6.0 (1)
However, x: Fe 2 O 3 amount (mol%),
y: ZnO amount (mol%)
A Mn-Zn ferrite, characterized by having a Curie temperature of 120 ° C. or higher.
ZrO2 : 0.005 〜0.100 mass%、
Ta2O5 : 0.005 〜0.100 mass%、
HfO2 : 0.005 〜0.100 mass%および
Nb2O5 : 0.005 〜0.100 mass%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とするMn−Znフェライト。According to claim 1 or 2, ferrite, further ZrO 2: 0.005 ~0.100 mass%,
Ta 2 O 5: 0.005 ~0.100 mass %,
HfO 2: 0.005 ~0.100 mass% and Nb 2 O 5: 0.005 ~0.100 mass %
Mn-Zn ferrite comprising one or more selected from the group consisting of:
V2O5 : 0.001 〜0.100 mass%、
Bi2O3 : 0.001 〜0.050 mass%、
In2O3 : 0.001 〜0.050 mass%、
MoO3 : 0.001 〜0.050 mass%および
WO3 : 0.001 〜0.050 mass%
のうちから選んだ1種または2種以上を含有することを特徴とするMn−Znフェライト。According to claim 1, 2 or 3, ferrite, further V 2 O 5: 0.001 ~0.100 mass %,
Bi 2 O 3: 0.001 ~0.050 mass %,
In 2 O 3 : 0.001 to 0.050 mass%,
MoO 3: 0.001 ~0.050 mass% and WO 3: 0.001 ~0.050 mass%
Mn-Zn ferrite comprising one or more selected from the group consisting of:
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Cited By (3)
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JP2008094663A (en) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Nec Tokin Corp | MnZn FERRITE |
JP2009152256A (en) * | 2007-12-19 | 2009-07-09 | Nec Tokin Corp | MnZn FERRITE |
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2003
- 2003-02-03 JP JP2003026181A patent/JP2004238211A/en active Pending
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