JP2004236015A - 画像適応型圧縮装置、画像適応型圧縮振り分け方法、及び画像適応型圧縮振り分けプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断する画像適応型圧縮方式において、周りの圧縮方式を調べて可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくすることにより画像の品質を向上する。
【解決手段】画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と、所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断する圧縮方式判断手段31と、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が可逆方式か非可逆方式かということにもとづき、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する再圧縮方式判断手段32と、再判断の結果にもとづいて画像を圧縮するデータ圧縮手段33とを有する画像適応型圧縮装置1。
【選択図】 図1
【解決手段】画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と、所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断する圧縮方式判断手段31と、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が可逆方式か非可逆方式かということにもとづき、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する再圧縮方式判断手段32と、再判断の結果にもとづいて画像を圧縮するデータ圧縮手段33とを有する画像適応型圧縮装置1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断する画像適応型圧縮方式において、対象エリアの周囲のエリアの圧縮方式を取得し、可逆方式が多い場合には対象エリアの圧縮方式として可逆方式を適用し、非可逆方式が多い場合には非可逆方式を適用することにより、対象エリアの圧縮方式を修正して、画像の品質を向上する画像適応型圧縮装置、画像適応型圧縮振り分け方法、及び画像適応型圧縮振り分けプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像圧縮方式を大別すると、主に文字系の画像を効率よく圧縮することができるランレングス圧縮方式などの可逆方式と、主にカラー静止画像を伝送する際に用いられるJPEG(Joint Photograhic Exeperts
Group)方式などの非可逆方式の2個に分けることができる。
可逆方式による圧縮方式は、元の画質を維持することができるものの圧縮率は低く、非可逆方式による圧縮方式は、高い圧縮率を得ることができるものの画質が低下するという特徴がある。
このため、従来、画像の用途や使用目的等に応じて、それぞれ適切な圧縮方式が選択され利用されてきている。
【0003】
また、画像のエリア毎に、可逆方式又は非可逆方式のいずれを用いる方が適切であるかを判別し、より適切に画像圧縮を行うことを可能とする様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
これらの発明によれば、各エリアの圧縮方式を可逆方式とするか非可逆方式とするかの判断を、所定の基準値にもとづいて行うことが可能となっている。
例えば、特許文献1によれば、可逆方式により圧縮した場合の圧縮データ量を所定値と比較することによって圧縮方式を判断している。特許文献2では、可逆方式による累積発生情報量及び色数を所定値と比較することによって、圧縮方式を判断している。特許文献3では、画像における隣り合った輝度ヒストグラムの輝度差にもとづいて、圧縮方式を判断している。
【0004】
さらに、ビットマップ画像を多数のピクセルブロックに分割し、各ピクセルブロック毎に、隣接し合うピクセルが同じ値をもつ頻度を計算して、同じ値(同じ色)のピクセルが連続する頻度の高いブロックは文字と判断されて可逆圧縮され、逆に隣り合うピクセルの色が異なる頻度の高いブロックは絵と判断されて非可逆圧縮される方法なども提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
これらの従来の方法等によれば、一つの画像内における画像内容に応じて、圧縮方式をより適切に選択し、適用することが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−54208号公報
【特許文献2】
特開平8−167030号公報
【特許文献3】
特開2001−57637号公報
【特許文献4】
特開2001−43363号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の方法等によっては、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、逆に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式が現れる場合があり、このような場合には、その部分だけ異なった色表現で表示され見苦しい画像になることがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断する画像適応型圧縮方式において、対象エリアの周囲のエリアの圧縮方式を取得し、可逆方式が多い場合には対象エリアの圧縮方式として可逆方式を適用し、非可逆方式が多い場合には非可逆方式を適用することにより、対象エリアの圧縮方式を修正して、画像の品質を向上する画像適応型圧縮装置、画像適応型圧縮振り分け方法、及び画像適応型圧縮振り分けプログラムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の画像適応型圧縮装置は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮装置において、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断する圧縮方式判断手段と、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に定められた所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する再圧縮方式判断手段と、再判断の結果にもとづいて画像を圧縮するデータ圧縮手段と、を有する構成としてある。
【0009】
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式を一度判断した後に、各エリアの圧縮方式を、その周囲のエリアの判断結果にもとづいて再判断することにより調整することができる。
このため、各エリアの圧縮方式をその周囲のエリアの圧縮方式に整合させることができ、周りの方式に可逆方式が多い場合には、可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には、非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
その結果、画像圧縮により、不自然に一部だけが異なった色表現となって見苦しい画像となる可能性を低減し、画質の向上を図ることが可能となる。
なお、「画像のエリア」とは、画像を所定の基準で分割した各領域を意味しており、例えば、ピクセル単位の矩形とすることができる。
【0010】
本発明の請求項2記載の画像適応型圧縮装置は、各エリアの近辺のエリアが、判断対象である各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアである構成としてある。
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断を、例えば、その周囲を取り囲む8個のエリアについての圧縮方式の判断結果にもとづいて行うことができる。
すなわち、このようにすれば周囲の圧縮方式を十分に考慮して、各エリアの圧縮方式の再判断を行うことが可能となる。
また、例えば、各エリアの圧縮方式の再判断を行うにあたり考慮する周囲のエリアを、上下左右の4個のエリアのみとしたり、あるいは上下のみや左右のみの2個のエリアとすることもできる。
この場合は、周囲の圧縮方式を考慮しつつ、より圧縮速度を高速化することが可能となる。
【0011】
本発明の請求項3記載の画像適応型圧縮装置は、各エリアの近辺のエリアが、判断対象である各エリアから一エリア以上離れた周囲のエリアを含む一又は二以上のエリアである構成としてある。
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断にあたり、その周囲に隣接するエリアのみならず、一エリア以上離れた周囲のエリアの圧縮方式を考慮することができる。
このため、より広い周囲の圧縮方式を加味して再判断を行うことが可能となる。
【0012】
本発明の請求項4記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮振り分け方法において、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断し、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する方法としてある。
【0013】
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたり、周りの圧縮方式を調べて可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくすることができる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、反対に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりする場合の発生を低減し、画質を向上することが可能となる。
【0014】
本発明の請求項5記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、各エリアの指標値に対する所定の数値の加算は、各エリア毎に、圧縮方式別に定められた所定の数値を、そのエリアのすべての近辺のエリアにつき合計して調整値とし、この調整値に所定の係数を乗じて、対応する各エリアの指標値に加算することにより行われる方法としてある。
【0015】
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、各エリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値として調整値を算出し、これを対応するエリアの指標値に加味することによって、そのエリアの圧縮方式を決定することができる。
また、このとき各エリアの指標値の範囲にもとづいて、調整値に所定の係数を乗じて調節した後に、指標値に加算して圧縮方式を決定するようにすることができる。
このため、圧縮方式の再判断処理をよりわかりやすく、調節しやすいものとすることが可能となる。
【0016】
本発明の請求項6記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、各エリアの近辺のエリアの個数が、判断対象である各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアである方法としてある。
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断を、その周囲を取り囲むエリアのうち、任意の個数分のエリアの判断結果にもとづいて行うことができる。
このため、求める振り分け速度に応じて適切な近辺エリア数を選択し、再判断を行うことが可能となる。
【0017】
本発明の請求項7記載の画像適応型圧縮振り分けプログラムは、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断させて圧縮を行わせる画像適応型圧縮振り分けプログラムにおいて、画像適応型圧縮装置に、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出させ、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断させるとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断させ、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算させ、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断させる構成としてある。
【0018】
画像適応型圧縮振り分けプログラムをこのような構成にすれば、画像適応型圧縮装置に、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたって、周りの圧縮方式の判断結果にもとづいて再判断させることが可能となる。
このため、可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくさせることができる。
その結果、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、反対に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりする場合の発生を低減させ、一部分だけ異なった色表現で表示されて見苦しい画像になることを防止させて、画質を向上させることが可能となる。
【0019】
本発明の請求項8記載の画像適応型圧縮振り分けプログラムは、各エリアの指標値に対する所定の数値の加算は、画像適応型圧縮装置に、各エリア毎に、圧縮方式別に定められた所定の数値を、そのエリアのすべての近辺のエリアにつき合計して調整値とさせ、この調整値に所定の係数を乗じて、対応する各エリアの指標値に加算させることにより実行される構成としてある。
【0020】
画像適応型圧縮振り分けプログラムをこのような構成にすれば、各エリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値として調整値を算出することができ、処理の流れを明確化して調節しやすいものとすることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態の構成について、図1を参照して説明する。同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置の構成を示すブロック図である。
[画像適応型圧縮装置1]
図1に示すように、本実施形態の画像適応型圧縮装置1は、入力装置10、記憶装置20、データ処理装置30、及び出力装置40を有している。なお、画像適応型圧縮装置1の構成は、これに限定されるものではなく、入力装置10や出力装置40等を、例えば、画像適応型圧縮装置1に通信回線を介して接続された他の情報処理装置におけるものとするなど外部の構成要素とすることもできる。
【0022】
[入力装置10]
入力装置10は、画像適応型圧縮装置1に圧縮対象となる画像を入力するものであり、例えば、画像適応型圧縮装置1に接続されたスキャナ等とすることができる。
【0023】
[記憶装置20]
記憶装置20は、入力及び出力データを一時的に記憶するものであり、入力画像データバッファ領域21、出力圧縮データバッファ領域22、及び圧縮方式判断バッファ領域23を有している。
入力画像データバッファ領域21は、入力装置10から入力された画像を記憶する。
出力圧縮データバッファ領域22は、出力装置40へ出力する画像を記憶する。
【0024】
圧縮方式判断バッファ領域23は、画像の各エリアの圧縮方式判断結果を記憶する。この判断結果は、例えば、0〜100の数値とすることができる。また、各エリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かという情報を併せて記憶する。なお、各エリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かという情報を、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶させることなく、圧縮方式の再判断時及び圧縮実行時に、上記判断結果の数値にもとづいて圧縮方式を判断させるようにすることもできる。
【0025】
ここで、圧縮方式の判断対象となる画像の各エリアは、それぞれ同一の矩形であり、例えば、ピクセル単位の矩形とすることができる。
非可逆方式としてJPEGを採用する場合は、JPEGのエリアの単位が8×8ピクセル,16×16ピクセルなど、8の倍数単位のエリアであるため、画像のエリアを、このような8の倍数単位の正方形とすることが好ましい。
【0026】
[データ処理装置30]
データ処理装置30は、画像適応型圧縮振り分けプログラムの制御により動作するものであり、圧縮方式判断手段31、再圧縮方式判断手段32、及びデータ圧縮手段33を有している。
圧縮方式判断手段31は、画像を各エリア毎に可逆方式で圧縮するか、非可逆方式で圧縮するかについての最初の判断を行うものであり、この判断結果を圧縮方式判断バッファ領域23へ格納する。
この最初の圧縮方式の判断としては、種々の方法を用いることができるが、大きく厳密に計算する方法と、簡易的に計算する方法に分けることができる。
【0027】
例えば、色数にもとづいて厳密に計算する場合は、実際に各エリアを可逆方式及び非可逆方式の双方で圧縮し、次式によって圧縮方式の判断結果を算出するようにすることができる。なお、次式において、圧縮前のデータサイズをA、可逆圧縮後のサイズをB、非可逆圧縮後のサイズをCとしている。
D=(A−B)/A×50(ただし、D<0となる場合は、D=0とする。)
E=(A−C)/A×50(ただし、E<0となる場合は、D=0とする。)
判断結果=E−D+50
【0028】
具体的には、例えば、24ビットカラーの16×16エリアを圧縮したと想定すると、圧縮前データサイズは、16×16×3=768バイトとなり、可逆圧縮後のサイズが600バイト、非可逆圧縮後のサイズが100バイトであったとした場合、判断結果は、次のように計算される。
D=(768−600)/768×50=10.9375・・切り捨てて10
E=(768−100)/768×50=43.4895・・切り捨てて43
判断結果=43−10+50=83
この判断結果は、50より大きいため、そのエリアの圧縮方式は非可逆方式と判断される。
【0029】
また、色数にもとづいて簡易的に計算する場合は、例えば、そのエリアで使用されている色数が多い場合に非可逆方式とし、少ない場合に可逆方式とする方法とすることができる。このとき、画像ピクセル数をA、使用色数をBとした場合、仮に128色以上使用していた場合に非圧縮へ流れると仮定すると、判断結果=B/A×100により求めることができる。
具体的には、24ビットカラーの16×16エリアの場合、画像ピクセルは16×16=256ピクセルとなり、仮に使用色数が100色であるとすると、判断結果=100/256×100≒39となり、50より小さいため、このエリアの圧縮方式は可逆方式と判断される。
【0030】
圧縮方式の具体例としては、可逆方式としてPNG(Portable Network Graphics)やランレングス等を、非可逆方式としてJPEGやJPEG2000等を用いることができる。
圧縮方式として、これらのような一般的なものを用いた場合、上述の例に示す本発明の圧縮方式の振り分けは、特に問題なく実行することが可能である。
【0031】
再圧縮方式判断手段32は、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶されている圧縮方式の判断結果にもとづいて、各エリアの周りの圧縮方式を調べ、可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくなるように各エリアの圧縮方式を再判断することによって、画質が向上するように調整し、再判断結果を圧縮方式判断バッファ領域23へ格納する。
【0032】
<圧縮方式の再判断の方法>
ここで、再圧縮方式判断手段32による圧縮方式の再判断の方法について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態の画像適応型圧縮装置1における最初の圧縮方式判断処理結果を示す図であり、圧縮方式判断手段31により圧縮方式判断バッファ領域23に格納される情報を示している。図3は、同画像適応型圧縮装置1における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図であり、再圧縮方式判断手段32により圧縮方式判断バッファ領域23に格納される情報を示している。
【0033】
図2において、最初の判断結果が0〜100の数値として表示されており、かつ、可逆方式と非可逆方式を識別する閾値が50と設定されて、各エリアの数値にもとづく圧縮方式が示されている。同図において、判断結果の数値が50より大きい場合は非可逆方式とされ、判断結果の数値が50以下である場合は可逆方式とされている。
このような各エリアの判断結果に対して、再圧縮方式判断手段32は、各エリアの周囲8個の近辺エリアが、それぞれ可逆方式である場合は−5を加算し、非可逆方式である場合は+5を加算し、エリアがない場合は0を加算して、その合計値を2で割った数値を調整値とし、各エリアの判断結果の数値に加算して、圧縮方式を再判断している。なお、本実施形態では、合計値を2で割った数値の小数点以下は、切り捨てることとしている。
【0034】
例えば、図2の「2−B」の近辺エリアは、可逆方式であるエリアが、「1−A」,「1−B」,「1−C」,「2−A」,「2−C」,「3−A」,「3−C」の7個となっており、非可逆方式であるエリアが、「3−B」の1個となっている。このため、再圧縮方式判断手段32による調整値の計算は、「(−5×7個+5×1個)÷2=−15」となる。
その結果、図3において、「2−B」の判断結果として、「40−15」が示されており、この計算結果である「25」は、50以下であるため、このエリアの圧縮方式は、「可逆」方式のままと再判断されている。
【0035】
一方、図2の「3−B」の近辺エリアは、8個とも可逆方式となっているため、再圧縮方式判断手段32による調整値の計算は、「(−5×8個)÷2=−20」となる。
その結果、図3において、「3−B」の判断結果は、「55−20(=35)」となり、50以下であるため、このエリアの圧縮方式は、可逆方式と再判断される。このため、当エリアは、周りのエリアと同じ圧縮方式である可逆方式へと修正される。
同様にして、「8−B」のエリアも周囲のエリアと同じ圧縮方式である非可逆方式へと修正されている。
【0036】
なお、この再圧縮方式判断手段32による調整値の計算にあたり、合計値を2で除算しているが、これは、最初の判断結果に対する調整値を、最大で±20となるように調節したものである。
この除算における割る数は、圧縮方式判断結果の値の範囲にもとづいて、適宜調整することが好ましい。
【0037】
また、この再判断の方法によれば、各エリアの最初の判断結果の数値が、極端に可逆方式又は非可逆方式に傾いている場合には、最初の圧縮判断処理を行うようにしてある。
例えば、図2において、仮に「3−B」の判断結果の数値が、「75」である場合には、再判断結果の数値は「55」となり、最初の圧縮方式が維持されることとなる。
【0038】
これは、各エリアにおける圧縮方式の判断結果の数値が、近辺エリアのものと極端に異なる場合には、その近辺エリアのデータは、判断対象となるエリアと全く異なる画像となっている可能性が高いためである。
例えば、写真に手書き文字や図形等が単色で描かれているような場合を考慮したものである。
このような場合には、その文字や図形等のエリアは、可逆で処理しても画像がおかしくなることはなく、しかも可逆方式で圧縮した方が高い圧縮率が得られるため、無理に圧縮方式を非可逆方式に変えて処理を行い、圧縮データのサイズを増やす必要はない。
【0039】
データ圧縮手段33は、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶されている再判断結果にもとづいて、各エリア毎に適切な圧縮方式で、画像の圧縮を実行する。そして、この圧縮データを出力装置40へ出力する。
【0040】
[出力装置40]
出力装置40は、データ圧縮手段33から入力した圧縮データを展開し、画像を表示したり、印刷するものであり、例えば、画像適応型圧縮装置1におけるディスプレイや、画像適応型圧縮装置1に接続されたプリンター等とすることができる。
【0041】
[画像適応型圧縮振り分け処理手順]
次に、本実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順について、図4を参照して説明する。
同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
まず、圧縮方式判断手段31が、画像のエリア毎に圧縮方式の判断処理を実行する(ステップ10)。
そして、この判断結果(以下、判断結果の数値を、圧縮方式判断値と称する場合がある。)を圧縮方式判断バッファ領域23に格納する(ステップ11)。
このステップ10とステップ11の処理をすべてのエリアについて実行することによって、すべてのエリアの判断結果が圧縮方式判断バッファ領域23に格納される(ステップ12)。上述のように、図2は、この圧縮方式判断バッファ領域23に格納された圧縮方式判断処理結果の例を示している。
【0043】
次に、再圧縮方式判断手段32が、近辺エリアの圧縮方式の調整値を格納する変数Aを0で初期化する(ステップ13)。
そして、再圧縮方式判断手段32は、判断対象とする一のエリアについて、その近辺エリアが可逆方式の場合は変数Aに5を減算し(ステップ14とステップ15)、近辺エリアが非可逆方式の場合は変数Aに5を加算する(ステップ16とステップ17)。近辺エリアが範囲外の場合は、なにも処理されずに処理が進む。
ステップ14からステップ17を、この判断対象とする一のエリアのすべての近辺エリアについて実行することにより、この判断対象とする一のエリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値が、変数Aに格納される(ステップ18)。
【0044】
次に、再圧縮方式判断手段32は、変数Aを圧縮方式判断結果の値の範囲に沿うように調節する(ステップ19)。本実施形態においては、変数Aの数値を2で除算しているが、これは調整値の最大値を±20となるように設定したものである。上述のように、この調節内容は、圧縮方式判断結果の値の範囲にもとづいて、適宜設計変更することができる。
【0045】
次に、再圧縮方式判断手段32は、求めた変数Aを、当該判断対象の一のエリアの圧縮方式判断値に加算し、圧縮方式判断バッファ領域23に格納する(ステップ20)。
ステップ13からステップ20までを、画像のすべてのエリアについて実行することによって、すべてのエリアの判断結果が再判断されて、適切に補正される(ステップ21)。
最後に、データ圧縮手段33が、この補正された圧縮方式判断結果にもとづいて、画像の圧縮を行い、処理は終了する(ステップ22)。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の画像適応型圧縮装置によれば、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたり、周りの圧縮方式に可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりすることにより、見苦しい画像となることを抑制することが可能となる。
【0047】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
本実施形態は、画像圧縮方式の再判断にあたり、近辺エリアとして、判断対象となる一のエリアの周囲8個のエリアを用いるのではなく、この8個のエリアから斜め方向のエリアを除外した上下左右の4個のエリアを用いる点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様であり、本実施形態のブロック図は図1と、圧縮方式判断処理手順のフローチャートは図4と同様のものとすることができる。また、本実施形態の画像適応型圧縮装置1における最初の圧縮方式判断処理結果についても、第一実施形態と同様に図2を用いることとする。
【0048】
本実施形態においては、例えば、図2の「3−B」の圧縮方式の再判断は、「2−B」,「3−A」,「3−C」,「4−B」の上下左右の4個のエリアを近辺エリアとして行うものとしている。
また、本実施形態においては、図4のステップ19における除算の割る数を1として(またはステップ19を省略して)、圧縮方式判断結果の値の調整値を最大値±20となるようにすることとしている。
この場合、上記近辺エリアは、いずれも可逆方式であることから、調整値は、「−5×4=−20」となり、圧縮方式の再判断結果は、図5に示すように「55−20(=35)」となって、非可逆方式から可逆方式へ圧縮方式が変更される。
他のエリアについても同様に再判断し、図5に示すように、本実施形態の場合も第一実施形態の場合と同様、「3−B」と「8−B」が周囲の圧縮方式に合わせて修正されている。
【0049】
このように、本実施形態の画像適応型圧縮装置1によれば、各エリアの圧縮方式の再判断を、その周囲の4個の近辺エリアの圧縮方式にもとづいて行うことができるため、圧縮方式の振り分け処理を第一実施形態における画像適応型圧縮装置1よりも高速化することが可能となる。
同様にして、近辺エリアを各エリアの斜め方向の周囲にある4個のエリアとしたり、近辺エリアを上下又は左右の2個のエリアとして、圧縮方式の振り分け処理を高速化することも可能である。
【0050】
上記の実施形態における圧縮方式の判断や、圧縮方式の再判断等は、画像適応型圧縮振り分けプログラムにより実行される。
この画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、圧縮方式の判断処理や、圧縮方式の再判断処理等を行わせる。
これによって、これらの処理は、画像適応型圧縮振り分けプログラムとコンピュータとが協働した画像適応型圧縮装置1などにより実現される。
【0051】
なお、画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータのROMやハードディスクに記憶させる他、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することができる。
外部記憶装置とは、磁気ディスク等の記録媒体を内蔵し、例えば画像適応型圧縮装置1などに外部接続される記憶増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
【0052】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAMにロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した本実施形態の画像適応型圧縮装置1の機能が実現される。
さらに、コンピュータで画像適応型圧縮振り分けプログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された画像適応型圧縮振り分けプログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。
このダウンロードされた画像適応型圧縮振り分けプログラムも、CPUにより実行され、本実施形態の圧縮方式の判断処理や、圧縮方式の再判断処理等を実現する。
【0053】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、圧縮方式の再判断にあたり、近辺エリアを各エリアに隣接する周囲のみならず、一エリア以上離れた周囲のエリアを含むものなどとして、より広い周囲の圧縮方式を加味したり、あるいは、圧縮方式の再判断処理の実行後、さらに所定回数再判断処理を実行して、圧縮方式を判断するなど適宜変更することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像の各エリアの圧縮方式を一度判断した後、その周囲のエリアの判断結果にもとづいて再判断することにより調整することができる。そして、周りの方式に可逆方式が多い場合には、可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には、非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、逆に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式が現れたりすることを抑制することができ、画質の向上を図ることが可能となる。
さらに、圧縮方式の再判断において考慮する近辺エリアの個数を調整し、圧縮方式の振り分け処理を高速化することも可能である。
【0055】
また、画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータの各構成要素へ所定の指令を送ることにより、この圧縮方式の判断機能や、圧縮方式の再判断機能等を実現させることができる。
これによって、これらの機能等は、画像適応型圧縮振り分けプログラムとコンピュータとが協働した画像適応型圧縮装置により実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の画像適応型圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における最初の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第二実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【符号の説明】
1 画像適応型圧縮装置
10 入力装置
20 記憶装置
21 入力画像データバッファ領域
22 出力圧縮データバッファ領域
23 圧縮方式判断バッファ領域
30 データ処理装置
31 圧縮方式判断手段
32 再圧縮方式判断手段
33 データ圧縮手段
40 出力装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断する画像適応型圧縮方式において、対象エリアの周囲のエリアの圧縮方式を取得し、可逆方式が多い場合には対象エリアの圧縮方式として可逆方式を適用し、非可逆方式が多い場合には非可逆方式を適用することにより、対象エリアの圧縮方式を修正して、画像の品質を向上する画像適応型圧縮装置、画像適応型圧縮振り分け方法、及び画像適応型圧縮振り分けプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
画像圧縮方式を大別すると、主に文字系の画像を効率よく圧縮することができるランレングス圧縮方式などの可逆方式と、主にカラー静止画像を伝送する際に用いられるJPEG(Joint Photograhic Exeperts
Group)方式などの非可逆方式の2個に分けることができる。
可逆方式による圧縮方式は、元の画質を維持することができるものの圧縮率は低く、非可逆方式による圧縮方式は、高い圧縮率を得ることができるものの画質が低下するという特徴がある。
このため、従来、画像の用途や使用目的等に応じて、それぞれ適切な圧縮方式が選択され利用されてきている。
【0003】
また、画像のエリア毎に、可逆方式又は非可逆方式のいずれを用いる方が適切であるかを判別し、より適切に画像圧縮を行うことを可能とする様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照。)。
これらの発明によれば、各エリアの圧縮方式を可逆方式とするか非可逆方式とするかの判断を、所定の基準値にもとづいて行うことが可能となっている。
例えば、特許文献1によれば、可逆方式により圧縮した場合の圧縮データ量を所定値と比較することによって圧縮方式を判断している。特許文献2では、可逆方式による累積発生情報量及び色数を所定値と比較することによって、圧縮方式を判断している。特許文献3では、画像における隣り合った輝度ヒストグラムの輝度差にもとづいて、圧縮方式を判断している。
【0004】
さらに、ビットマップ画像を多数のピクセルブロックに分割し、各ピクセルブロック毎に、隣接し合うピクセルが同じ値をもつ頻度を計算して、同じ値(同じ色)のピクセルが連続する頻度の高いブロックは文字と判断されて可逆圧縮され、逆に隣り合うピクセルの色が異なる頻度の高いブロックは絵と判断されて非可逆圧縮される方法なども提案されている(例えば、特許文献4参照。)。
これらの従来の方法等によれば、一つの画像内における画像内容に応じて、圧縮方式をより適切に選択し、適用することが可能となっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−54208号公報
【特許文献2】
特開平8−167030号公報
【特許文献3】
特開2001−57637号公報
【特許文献4】
特開2001−43363号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの従来の方法等によっては、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、逆に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式が現れる場合があり、このような場合には、その部分だけ異なった色表現で表示され見苦しい画像になることがあるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断する画像適応型圧縮方式において、対象エリアの周囲のエリアの圧縮方式を取得し、可逆方式が多い場合には対象エリアの圧縮方式として可逆方式を適用し、非可逆方式が多い場合には非可逆方式を適用することにより、対象エリアの圧縮方式を修正して、画像の品質を向上する画像適応型圧縮装置、画像適応型圧縮振り分け方法、及び画像適応型圧縮振り分けプログラムの提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1記載の画像適応型圧縮装置は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮装置において、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断する圧縮方式判断手段と、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に定められた所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する再圧縮方式判断手段と、再判断の結果にもとづいて画像を圧縮するデータ圧縮手段と、を有する構成としてある。
【0009】
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式を一度判断した後に、各エリアの圧縮方式を、その周囲のエリアの判断結果にもとづいて再判断することにより調整することができる。
このため、各エリアの圧縮方式をその周囲のエリアの圧縮方式に整合させることができ、周りの方式に可逆方式が多い場合には、可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には、非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
その結果、画像圧縮により、不自然に一部だけが異なった色表現となって見苦しい画像となる可能性を低減し、画質の向上を図ることが可能となる。
なお、「画像のエリア」とは、画像を所定の基準で分割した各領域を意味しており、例えば、ピクセル単位の矩形とすることができる。
【0010】
本発明の請求項2記載の画像適応型圧縮装置は、各エリアの近辺のエリアが、判断対象である各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアである構成としてある。
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断を、例えば、その周囲を取り囲む8個のエリアについての圧縮方式の判断結果にもとづいて行うことができる。
すなわち、このようにすれば周囲の圧縮方式を十分に考慮して、各エリアの圧縮方式の再判断を行うことが可能となる。
また、例えば、各エリアの圧縮方式の再判断を行うにあたり考慮する周囲のエリアを、上下左右の4個のエリアのみとしたり、あるいは上下のみや左右のみの2個のエリアとすることもできる。
この場合は、周囲の圧縮方式を考慮しつつ、より圧縮速度を高速化することが可能となる。
【0011】
本発明の請求項3記載の画像適応型圧縮装置は、各エリアの近辺のエリアが、判断対象である各エリアから一エリア以上離れた周囲のエリアを含む一又は二以上のエリアである構成としてある。
画像適応型圧縮装置をこのような構成にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断にあたり、その周囲に隣接するエリアのみならず、一エリア以上離れた周囲のエリアの圧縮方式を考慮することができる。
このため、より広い周囲の圧縮方式を加味して再判断を行うことが可能となる。
【0012】
本発明の請求項4記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮振り分け方法において、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断し、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算し、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断する方法としてある。
【0013】
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたり、周りの圧縮方式を調べて可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくすることができる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、反対に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりする場合の発生を低減し、画質を向上することが可能となる。
【0014】
本発明の請求項5記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、各エリアの指標値に対する所定の数値の加算は、各エリア毎に、圧縮方式別に定められた所定の数値を、そのエリアのすべての近辺のエリアにつき合計して調整値とし、この調整値に所定の係数を乗じて、対応する各エリアの指標値に加算することにより行われる方法としてある。
【0015】
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、各エリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値として調整値を算出し、これを対応するエリアの指標値に加味することによって、そのエリアの圧縮方式を決定することができる。
また、このとき各エリアの指標値の範囲にもとづいて、調整値に所定の係数を乗じて調節した後に、指標値に加算して圧縮方式を決定するようにすることができる。
このため、圧縮方式の再判断処理をよりわかりやすく、調節しやすいものとすることが可能となる。
【0016】
本発明の請求項6記載の画像適応型圧縮振り分け方法は、各エリアの近辺のエリアの個数が、判断対象である各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアである方法としてある。
画像適応型圧縮振り分け方法をこのような方法にすれば、画像の各エリアの圧縮方式の再判断を、その周囲を取り囲むエリアのうち、任意の個数分のエリアの判断結果にもとづいて行うことができる。
このため、求める振り分け速度に応じて適切な近辺エリア数を選択し、再判断を行うことが可能となる。
【0017】
本発明の請求項7記載の画像適応型圧縮振り分けプログラムは、画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断させて圧縮を行わせる画像適応型圧縮振り分けプログラムにおいて、画像適応型圧縮装置に、画像のエリア毎に圧縮方式の指標値を算出させ、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断させるとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断させ、この判断による各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である各エリアの指標値に加算させ、この加算結果にもとづいて各エリアの圧縮方式を再判断させる構成としてある。
【0018】
画像適応型圧縮振り分けプログラムをこのような構成にすれば、画像適応型圧縮装置に、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたって、周りの圧縮方式の判断結果にもとづいて再判断させることが可能となる。
このため、可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくさせることができる。
その結果、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、反対に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりする場合の発生を低減させ、一部分だけ異なった色表現で表示されて見苦しい画像になることを防止させて、画質を向上させることが可能となる。
【0019】
本発明の請求項8記載の画像適応型圧縮振り分けプログラムは、各エリアの指標値に対する所定の数値の加算は、画像適応型圧縮装置に、各エリア毎に、圧縮方式別に定められた所定の数値を、そのエリアのすべての近辺のエリアにつき合計して調整値とさせ、この調整値に所定の係数を乗じて、対応する各エリアの指標値に加算させることにより実行される構成としてある。
【0020】
画像適応型圧縮振り分けプログラムをこのような構成にすれば、各エリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値として調整値を算出することができ、処理の流れを明確化して調節しやすいものとすることが可能となる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明の第一実施形態の構成について、図1を参照して説明する。同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置の構成を示すブロック図である。
[画像適応型圧縮装置1]
図1に示すように、本実施形態の画像適応型圧縮装置1は、入力装置10、記憶装置20、データ処理装置30、及び出力装置40を有している。なお、画像適応型圧縮装置1の構成は、これに限定されるものではなく、入力装置10や出力装置40等を、例えば、画像適応型圧縮装置1に通信回線を介して接続された他の情報処理装置におけるものとするなど外部の構成要素とすることもできる。
【0022】
[入力装置10]
入力装置10は、画像適応型圧縮装置1に圧縮対象となる画像を入力するものであり、例えば、画像適応型圧縮装置1に接続されたスキャナ等とすることができる。
【0023】
[記憶装置20]
記憶装置20は、入力及び出力データを一時的に記憶するものであり、入力画像データバッファ領域21、出力圧縮データバッファ領域22、及び圧縮方式判断バッファ領域23を有している。
入力画像データバッファ領域21は、入力装置10から入力された画像を記憶する。
出力圧縮データバッファ領域22は、出力装置40へ出力する画像を記憶する。
【0024】
圧縮方式判断バッファ領域23は、画像の各エリアの圧縮方式判断結果を記憶する。この判断結果は、例えば、0〜100の数値とすることができる。また、各エリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かという情報を併せて記憶する。なお、各エリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かという情報を、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶させることなく、圧縮方式の再判断時及び圧縮実行時に、上記判断結果の数値にもとづいて圧縮方式を判断させるようにすることもできる。
【0025】
ここで、圧縮方式の判断対象となる画像の各エリアは、それぞれ同一の矩形であり、例えば、ピクセル単位の矩形とすることができる。
非可逆方式としてJPEGを採用する場合は、JPEGのエリアの単位が8×8ピクセル,16×16ピクセルなど、8の倍数単位のエリアであるため、画像のエリアを、このような8の倍数単位の正方形とすることが好ましい。
【0026】
[データ処理装置30]
データ処理装置30は、画像適応型圧縮振り分けプログラムの制御により動作するものであり、圧縮方式判断手段31、再圧縮方式判断手段32、及びデータ圧縮手段33を有している。
圧縮方式判断手段31は、画像を各エリア毎に可逆方式で圧縮するか、非可逆方式で圧縮するかについての最初の判断を行うものであり、この判断結果を圧縮方式判断バッファ領域23へ格納する。
この最初の圧縮方式の判断としては、種々の方法を用いることができるが、大きく厳密に計算する方法と、簡易的に計算する方法に分けることができる。
【0027】
例えば、色数にもとづいて厳密に計算する場合は、実際に各エリアを可逆方式及び非可逆方式の双方で圧縮し、次式によって圧縮方式の判断結果を算出するようにすることができる。なお、次式において、圧縮前のデータサイズをA、可逆圧縮後のサイズをB、非可逆圧縮後のサイズをCとしている。
D=(A−B)/A×50(ただし、D<0となる場合は、D=0とする。)
E=(A−C)/A×50(ただし、E<0となる場合は、D=0とする。)
判断結果=E−D+50
【0028】
具体的には、例えば、24ビットカラーの16×16エリアを圧縮したと想定すると、圧縮前データサイズは、16×16×3=768バイトとなり、可逆圧縮後のサイズが600バイト、非可逆圧縮後のサイズが100バイトであったとした場合、判断結果は、次のように計算される。
D=(768−600)/768×50=10.9375・・切り捨てて10
E=(768−100)/768×50=43.4895・・切り捨てて43
判断結果=43−10+50=83
この判断結果は、50より大きいため、そのエリアの圧縮方式は非可逆方式と判断される。
【0029】
また、色数にもとづいて簡易的に計算する場合は、例えば、そのエリアで使用されている色数が多い場合に非可逆方式とし、少ない場合に可逆方式とする方法とすることができる。このとき、画像ピクセル数をA、使用色数をBとした場合、仮に128色以上使用していた場合に非圧縮へ流れると仮定すると、判断結果=B/A×100により求めることができる。
具体的には、24ビットカラーの16×16エリアの場合、画像ピクセルは16×16=256ピクセルとなり、仮に使用色数が100色であるとすると、判断結果=100/256×100≒39となり、50より小さいため、このエリアの圧縮方式は可逆方式と判断される。
【0030】
圧縮方式の具体例としては、可逆方式としてPNG(Portable Network Graphics)やランレングス等を、非可逆方式としてJPEGやJPEG2000等を用いることができる。
圧縮方式として、これらのような一般的なものを用いた場合、上述の例に示す本発明の圧縮方式の振り分けは、特に問題なく実行することが可能である。
【0031】
再圧縮方式判断手段32は、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶されている圧縮方式の判断結果にもとづいて、各エリアの周りの圧縮方式を調べ、可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくなるように各エリアの圧縮方式を再判断することによって、画質が向上するように調整し、再判断結果を圧縮方式判断バッファ領域23へ格納する。
【0032】
<圧縮方式の再判断の方法>
ここで、再圧縮方式判断手段32による圧縮方式の再判断の方法について、図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施形態の画像適応型圧縮装置1における最初の圧縮方式判断処理結果を示す図であり、圧縮方式判断手段31により圧縮方式判断バッファ領域23に格納される情報を示している。図3は、同画像適応型圧縮装置1における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図であり、再圧縮方式判断手段32により圧縮方式判断バッファ領域23に格納される情報を示している。
【0033】
図2において、最初の判断結果が0〜100の数値として表示されており、かつ、可逆方式と非可逆方式を識別する閾値が50と設定されて、各エリアの数値にもとづく圧縮方式が示されている。同図において、判断結果の数値が50より大きい場合は非可逆方式とされ、判断結果の数値が50以下である場合は可逆方式とされている。
このような各エリアの判断結果に対して、再圧縮方式判断手段32は、各エリアの周囲8個の近辺エリアが、それぞれ可逆方式である場合は−5を加算し、非可逆方式である場合は+5を加算し、エリアがない場合は0を加算して、その合計値を2で割った数値を調整値とし、各エリアの判断結果の数値に加算して、圧縮方式を再判断している。なお、本実施形態では、合計値を2で割った数値の小数点以下は、切り捨てることとしている。
【0034】
例えば、図2の「2−B」の近辺エリアは、可逆方式であるエリアが、「1−A」,「1−B」,「1−C」,「2−A」,「2−C」,「3−A」,「3−C」の7個となっており、非可逆方式であるエリアが、「3−B」の1個となっている。このため、再圧縮方式判断手段32による調整値の計算は、「(−5×7個+5×1個)÷2=−15」となる。
その結果、図3において、「2−B」の判断結果として、「40−15」が示されており、この計算結果である「25」は、50以下であるため、このエリアの圧縮方式は、「可逆」方式のままと再判断されている。
【0035】
一方、図2の「3−B」の近辺エリアは、8個とも可逆方式となっているため、再圧縮方式判断手段32による調整値の計算は、「(−5×8個)÷2=−20」となる。
その結果、図3において、「3−B」の判断結果は、「55−20(=35)」となり、50以下であるため、このエリアの圧縮方式は、可逆方式と再判断される。このため、当エリアは、周りのエリアと同じ圧縮方式である可逆方式へと修正される。
同様にして、「8−B」のエリアも周囲のエリアと同じ圧縮方式である非可逆方式へと修正されている。
【0036】
なお、この再圧縮方式判断手段32による調整値の計算にあたり、合計値を2で除算しているが、これは、最初の判断結果に対する調整値を、最大で±20となるように調節したものである。
この除算における割る数は、圧縮方式判断結果の値の範囲にもとづいて、適宜調整することが好ましい。
【0037】
また、この再判断の方法によれば、各エリアの最初の判断結果の数値が、極端に可逆方式又は非可逆方式に傾いている場合には、最初の圧縮判断処理を行うようにしてある。
例えば、図2において、仮に「3−B」の判断結果の数値が、「75」である場合には、再判断結果の数値は「55」となり、最初の圧縮方式が維持されることとなる。
【0038】
これは、各エリアにおける圧縮方式の判断結果の数値が、近辺エリアのものと極端に異なる場合には、その近辺エリアのデータは、判断対象となるエリアと全く異なる画像となっている可能性が高いためである。
例えば、写真に手書き文字や図形等が単色で描かれているような場合を考慮したものである。
このような場合には、その文字や図形等のエリアは、可逆で処理しても画像がおかしくなることはなく、しかも可逆方式で圧縮した方が高い圧縮率が得られるため、無理に圧縮方式を非可逆方式に変えて処理を行い、圧縮データのサイズを増やす必要はない。
【0039】
データ圧縮手段33は、圧縮方式判断バッファ領域23に記憶されている再判断結果にもとづいて、各エリア毎に適切な圧縮方式で、画像の圧縮を実行する。そして、この圧縮データを出力装置40へ出力する。
【0040】
[出力装置40]
出力装置40は、データ圧縮手段33から入力した圧縮データを展開し、画像を表示したり、印刷するものであり、例えば、画像適応型圧縮装置1におけるディスプレイや、画像適応型圧縮装置1に接続されたプリンター等とすることができる。
【0041】
[画像適応型圧縮振り分け処理手順]
次に、本実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順について、図4を参照して説明する。
同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順を示すフローチャートである。
【0042】
まず、圧縮方式判断手段31が、画像のエリア毎に圧縮方式の判断処理を実行する(ステップ10)。
そして、この判断結果(以下、判断結果の数値を、圧縮方式判断値と称する場合がある。)を圧縮方式判断バッファ領域23に格納する(ステップ11)。
このステップ10とステップ11の処理をすべてのエリアについて実行することによって、すべてのエリアの判断結果が圧縮方式判断バッファ領域23に格納される(ステップ12)。上述のように、図2は、この圧縮方式判断バッファ領域23に格納された圧縮方式判断処理結果の例を示している。
【0043】
次に、再圧縮方式判断手段32が、近辺エリアの圧縮方式の調整値を格納する変数Aを0で初期化する(ステップ13)。
そして、再圧縮方式判断手段32は、判断対象とする一のエリアについて、その近辺エリアが可逆方式の場合は変数Aに5を減算し(ステップ14とステップ15)、近辺エリアが非可逆方式の場合は変数Aに5を加算する(ステップ16とステップ17)。近辺エリアが範囲外の場合は、なにも処理されずに処理が進む。
ステップ14からステップ17を、この判断対象とする一のエリアのすべての近辺エリアについて実行することにより、この判断対象とする一のエリアが、可逆方式の多い場所に位置しているのか、非可逆方式が多い場所に位置しているのかを判断するための値が、変数Aに格納される(ステップ18)。
【0044】
次に、再圧縮方式判断手段32は、変数Aを圧縮方式判断結果の値の範囲に沿うように調節する(ステップ19)。本実施形態においては、変数Aの数値を2で除算しているが、これは調整値の最大値を±20となるように設定したものである。上述のように、この調節内容は、圧縮方式判断結果の値の範囲にもとづいて、適宜設計変更することができる。
【0045】
次に、再圧縮方式判断手段32は、求めた変数Aを、当該判断対象の一のエリアの圧縮方式判断値に加算し、圧縮方式判断バッファ領域23に格納する(ステップ20)。
ステップ13からステップ20までを、画像のすべてのエリアについて実行することによって、すべてのエリアの判断結果が再判断されて、適切に補正される(ステップ21)。
最後に、データ圧縮手段33が、この補正された圧縮方式判断結果にもとづいて、画像の圧縮を行い、処理は終了する(ステップ22)。
【0046】
以上説明したように、本実施形態の画像適応型圧縮装置によれば、画像の各エリアの圧縮方式の判断にあたり、周りの圧縮方式に可逆方式が多い場合には可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式の部分が現れたりすることにより、見苦しい画像となることを抑制することが可能となる。
【0047】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、図5を参照して説明する。同図は、本実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
本実施形態は、画像圧縮方式の再判断にあたり、近辺エリアとして、判断対象となる一のエリアの周囲8個のエリアを用いるのではなく、この8個のエリアから斜め方向のエリアを除外した上下左右の4個のエリアを用いる点で第一実施形態と異なる。その他の点については、第一実施形態と同様であり、本実施形態のブロック図は図1と、圧縮方式判断処理手順のフローチャートは図4と同様のものとすることができる。また、本実施形態の画像適応型圧縮装置1における最初の圧縮方式判断処理結果についても、第一実施形態と同様に図2を用いることとする。
【0048】
本実施形態においては、例えば、図2の「3−B」の圧縮方式の再判断は、「2−B」,「3−A」,「3−C」,「4−B」の上下左右の4個のエリアを近辺エリアとして行うものとしている。
また、本実施形態においては、図4のステップ19における除算の割る数を1として(またはステップ19を省略して)、圧縮方式判断結果の値の調整値を最大値±20となるようにすることとしている。
この場合、上記近辺エリアは、いずれも可逆方式であることから、調整値は、「−5×4=−20」となり、圧縮方式の再判断結果は、図5に示すように「55−20(=35)」となって、非可逆方式から可逆方式へ圧縮方式が変更される。
他のエリアについても同様に再判断し、図5に示すように、本実施形態の場合も第一実施形態の場合と同様、「3−B」と「8−B」が周囲の圧縮方式に合わせて修正されている。
【0049】
このように、本実施形態の画像適応型圧縮装置1によれば、各エリアの圧縮方式の再判断を、その周囲の4個の近辺エリアの圧縮方式にもとづいて行うことができるため、圧縮方式の振り分け処理を第一実施形態における画像適応型圧縮装置1よりも高速化することが可能となる。
同様にして、近辺エリアを各エリアの斜め方向の周囲にある4個のエリアとしたり、近辺エリアを上下又は左右の2個のエリアとして、圧縮方式の振り分け処理を高速化することも可能である。
【0050】
上記の実施形態における圧縮方式の判断や、圧縮方式の再判断等は、画像適応型圧縮振り分けプログラムにより実行される。
この画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータの各構成要素に指令を送り、所定の処理、例えば、圧縮方式の判断処理や、圧縮方式の再判断処理等を行わせる。
これによって、これらの処理は、画像適応型圧縮振り分けプログラムとコンピュータとが協働した画像適応型圧縮装置1などにより実現される。
【0051】
なお、画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータのROMやハードディスクに記憶させる他、コンピュータ読み取り可能な記録媒体、たとえば、外部記憶装置及び可搬記録媒体等に格納することができる。
外部記憶装置とは、磁気ディスク等の記録媒体を内蔵し、例えば画像適応型圧縮装置1などに外部接続される記憶増設装置をいう。一方、可搬記録媒体とは、記録媒体駆動装置(ドライブ装置)に装着でき、かつ、持ち運び可能な記録媒体であって、たとえば、CD−ROM、フレキシブルディスク、メモリカード、光磁気ディスク等をいう。
【0052】
そして、記録媒体に記録されたプログラムは、コンピュータのRAMにロードされて、CPUにより実行される。この実行により、上述した本実施形態の画像適応型圧縮装置1の機能が実現される。
さらに、コンピュータで画像適応型圧縮振り分けプログラムをロードする場合、他のコンピュータで保有された画像適応型圧縮振り分けプログラムを、通信回線を利用して自己の有するRAMや外部記憶装置にダウンロードすることもできる。
このダウンロードされた画像適応型圧縮振り分けプログラムも、CPUにより実行され、本実施形態の圧縮方式の判断処理や、圧縮方式の再判断処理等を実現する。
【0053】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、圧縮方式の再判断にあたり、近辺エリアを各エリアに隣接する周囲のみならず、一エリア以上離れた周囲のエリアを含むものなどとして、より広い周囲の圧縮方式を加味したり、あるいは、圧縮方式の再判断処理の実行後、さらに所定回数再判断処理を実行して、圧縮方式を判断するなど適宜変更することが可能である。
【0054】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、画像の各エリアの圧縮方式を一度判断した後、その周囲のエリアの判断結果にもとづいて再判断することにより調整することができる。そして、周りの方式に可逆方式が多い場合には、可逆方式になりやすく、非可逆方式が多い場合には、非可逆方式になりやすくすることが可能となる。
このため、可逆方式のエリアが多い部分で途中に非可逆方式の部分が現れたり、逆に非可逆方式のエリアが多い部分で途中に可逆方式が現れたりすることを抑制することができ、画質の向上を図ることが可能となる。
さらに、圧縮方式の再判断において考慮する近辺エリアの個数を調整し、圧縮方式の振り分け処理を高速化することも可能である。
【0055】
また、画像適応型圧縮振り分けプログラムは、コンピュータの各構成要素へ所定の指令を送ることにより、この圧縮方式の判断機能や、圧縮方式の再判断機能等を実現させることができる。
これによって、これらの機能等は、画像適応型圧縮振り分けプログラムとコンピュータとが協働した画像適応型圧縮装置により実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の画像適応型圧縮装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における最初の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【図3】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【図4】本発明の第一実施形態の画像適応型圧縮装置における画像適応型圧縮振り分け処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第二実施形態の画像適応型圧縮装置における再度の圧縮方式判断処理結果を示す図である。
【符号の説明】
1 画像適応型圧縮装置
10 入力装置
20 記憶装置
21 入力画像データバッファ領域
22 出力圧縮データバッファ領域
23 圧縮方式判断バッファ領域
30 データ処理装置
31 圧縮方式判断手段
32 再圧縮方式判断手段
33 データ圧縮手段
40 出力装置
Claims (8)
- 画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮装置において、
前記画像のエリア毎に前記圧縮方式の指標値を算出し、当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断する圧縮方式判断手段と、
この判断による前記各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に定められた所定の数値を判断対象である前記各エリアの前記指標値に加算し、この加算結果にもとづいて前記各エリアの圧縮方式を再判断する再圧縮方式判断手段と、
前記再判断の結果にもとづいて前記画像を圧縮するデータ圧縮手段と、を有する
ことを特徴とする画像適応型圧縮装置。 - 前記各エリアの近辺のエリアが、判断対象である前記各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアであることを特徴とする請求項1記載の画像適応型圧縮装置。
- 前記各エリアの近辺のエリアが、判断対象である前記各エリアから一エリア以上離れた周囲のエリアを含む一又は二以上のエリアであることを特徴とする請求項1記載の画像適応型圧縮装置。
- 画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断して圧縮を行う画像適応型圧縮振り分け方法において、
前記画像のエリア毎に前記圧縮方式の指標値を算出し、
当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断するとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断し、
この判断による前記各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である前記各エリアの前記指標値に加算し、
この加算結果にもとづいて前記各エリアの圧縮方式を再判断する
ことを特徴とする画像適応型圧縮振り分け方法。 - 前記各エリアの前記指標値に対する前記所定の数値の加算は、
前記各エリア毎に、前記圧縮方式別に定められた前記所定の数値を、そのエリアのすべての前記近辺のエリアにつき合計して調整値とし、
この調整値に所定の係数を乗じて、対応する前記各エリアの前記指標値に加算することにより行われる
ことを特徴とする請求項4記載の画像適応型圧縮振り分け方法。 - 前記各エリアの近辺のエリアの個数が、判断対象である前記各エリアの周囲に隣接する一又は二以上のエリアであることを特徴とする請求項4又は5記載の画像適応型圧縮振り分け方法。
- 画像のエリア毎に圧縮方式として可逆方式又は非可逆方式のいずれを適用するかを判断させて圧縮を行わせる画像適応型圧縮振り分けプログラムにおいて、
画像適応型圧縮装置に、
前記画像のエリア毎に前記圧縮方式の指標値を算出させ、
当該指標値が所定の閾値より大きい場合に非可逆方式と判断させるとともに、当該指標値が所定の閾値以下である場合に可逆方式と判断させ、
この判断による前記各エリアの近辺のエリアの圧縮方式が、可逆方式か非可逆方式かということにもとづいて、それぞれの方式別に所定の数値を判断対象である前記各エリアの前記指標値に加算させ、
この加算結果にもとづいて前記各エリアの圧縮方式を再判断させる
ことを実行させるための画像適応型圧縮振り分けプログラム。 - 前記各エリアの前記指標値に対する前記所定の数値の加算は、
前記画像適応型圧縮装置に、
前記各エリア毎に、前記圧縮方式別に定められた前記所定の数値を、そのエリアのすべての前記近辺のエリアにつき合計して調整値とさせ、
この調整値に所定の係数を乗じて、対応する前記各エリアの前記指標値に加算させることにより実行される
ことを特徴とする請求項7記載の画像適応型圧縮振り分けプログラム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007317222A (ja) * | 2007-07-23 | 2007-12-06 | Hitachi Ltd | リモート操作システム |
US8759817B2 (en) | 2004-10-25 | 2014-06-24 | Canon Kabushiki Kaisha | Organic light-emitting device array and display |
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- 2003-01-30 JP JP2003022607A patent/JP2004236015A/ja active Pending
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