JP2006101152A - 画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】中間階調の不足している画像を、画質が低下することなく画像の圧縮処理を施す画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法を提供する。
【解決手段】階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理装置において、 上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを備える。
【選択図】 図6
【解決手段】階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理装置において、 上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを備える。
【選択図】 図6
Description
本発明は、画像を表した画像データに対し、圧縮処理を施す画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法に関する。
近年の情報通信技術の進歩に伴い、文字情報だけでなく写真や絵などの画像情報をデータとして取り扱い、このような画像データを送受信する必要性や保存する必要性が増加している。しかし、画像データはデータ量が大きく、そのままネットワーク網に流すとデータの送受信に時間がかかる。また、画像データを様々な記憶媒体に保存する場合にもすぐに記憶媒体の容量が満杯になる。このような場合、人間が特に違和感を持たない程度に画像データから情報量を切り落として送受信や保存を行うために画像データの圧縮処理が必要になる。こうした圧縮処理をデジタル画像に対して行う技術として、画像を複数の単位ブロックに分け、それぞれのブロックの中で圧縮処理を行う技術が提案されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。この技術では、それぞれのブロック内の各画素が持つ階調値のうち最大階調値と最小階調値を求め、その間の階調値については、もとの画像データの階調幅より大きな階調幅で区分けされた階調値を用いた画像データに書き替えることにより、それぞれのブロックの階調値を表すために必要な情報量を減らして画像の圧縮が行われる。
特開昭61−144989号公報
特公平7−93723号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されている技術を用いて圧縮処理を施した場合には、階調がつぶれたブロックが画像のエッジ付近でしばしば生じ、モザイク構造の画像劣化の原因となることが知られている。
本発明は、上記事情に鑑み、画質を低下させることなく画像の圧縮処理を施す画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明の画像圧縮処理装置は、階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理装置において、
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを備えたことを特徴とする。
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを備えたことを特徴とする。
ここで「低階調値域」とは、画像部分内の階調値域を階調値の大きさに応じて3つ以上の領域に観念したときに、階調値の大きさが一番低い側の領域の階調値域を表し、「高階調値域」とは、階調値の大きさが一番高い側の領域の階調値域を表す。そして、「高階調値域」と「低階調値域」の間の階調値域が、人間がいわゆる中間階調として認識する階調値域である。従って低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いが大きいほど人間の目には中間階調が少ないと感じることになる。
本発明の画像圧縮処理装置によれば、画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮するため、画像部分内における階調値が低階調値域および/又は高階調値域に偏在していて中間階調の階調値を与える画素数が少ない画像部分に対しては、階調値についての情報量がより多く与えられることになる。そのため、中間階調が不足している画像の画像データを圧縮しても階調値の幅の情報が失われにくく階調のつぶれが起きないため、画質を低下させることなく画像圧縮を施すことができる。
また、本発明の画像圧縮処理装置において、「上記偏在度合い算出部は、上記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の数の少なさを上記偏在度合いとして求めるものである」という形態は好ましい形態である。
ここで「所定の階調幅部分」とは、最小値から最大値までの階調幅に対する一定の割合であってもよいし、最小値から最大値までの階調幅の間に存在する一定幅の階調幅部分であってもよく、あるいはまた最小値から最大値までの階調幅に応じて所定関数で変化する階調幅部分であってもよい。
この好ましい形態の画像圧縮処理装置によれば、階調値の最小値から最大値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の数が多いほど、少ない数の離散階調値を用いて画像データを圧縮するため、中間階調の階調値を与える画素数が少ない画像部分に対しては、階調値についての情報量がより多く与えられ、画質を低下させることなく画像圧縮を施すことができる。
また、「上記偏在度合い算出部は、上記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅の広さを上記偏在度合いとして算出するものである」という形態も好ましい形態である。
中間階調の階調値を与える画素数が少ない画像部分であっても、最小階調値から最大階調値までの階調幅が小さい場合には、量子化に伴い中間階調の階調のつぶれが生じても圧縮後の画像の質が低下するほどの問題は起きないので、量子化を行う際の階調数を決定する偏在度合いの指標の一つとすることができる。
また、本発明の画像圧縮処理装置において、「上記偏在度合い算出部は、上記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の少なさと、上記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅の広さとを用いて上記偏在度合いを算出するものである」という形態は好ましい形態である。
このように、画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅と、この階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の少なさとの両方を加味して偏在度合いを算出することにより、階調値についての情報量がどちらか片方だけを用いて偏在度合いを算出する場合に比べ、より正確に偏在度合いを算出することができ、このため階調値についての情報量がより適切に切り落とされて画像データが圧縮される。
また、本発明の画像圧縮処理装置において、「上記圧縮部は、上記画像部分の偏在度合いが所定レベル以上の場合は、該画像部分内の各画素が有する各階調値を、圧縮処理済の階調値としてそのまま用いるものである」という形態は好ましい形態である。
この好ましい形態の画像圧縮処理装置によれば、中間階調が足りない画像部分と判定される、偏在度合いが所定レベル以上の画像部分に対しては、その画像部分内の各画素が有する各階調値を、圧縮処理済の階調値としてそのまま用いるため、圧縮処理作業の手間が省け効率よく圧縮処理が遂行される。
また、上記目的を達成するための本発明の画像圧縮処理プログラムは、コンピュータシステム上で実行され、そのコンピュータシステムに、
階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施させる画像圧縮プログラムにおいて、
上記コンピュータシステム上で、
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを構築することを特徴とする。
階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施させる画像圧縮プログラムにおいて、
上記コンピュータシステム上で、
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを構築することを特徴とする。
この本発明の画像圧縮処理プログラムをコンピュータシステム内で実行することによって、本発明の画像圧縮処理装置を容易に実現することができる。
なお、本発明にいう画像圧縮処理プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう画像圧縮処理プログラムには、上記の本形態のみでなく、前述した画像圧縮処理装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
さらに、本発明の画像圧縮処理プログラムがコンピュータシステム上に構成する検出部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、1つの要素が複数のプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行されるものとして構築されていてもよく、あるいは、コンピュータシステムに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されていてもよい。
また、上記目的を達成するための本発明の画像圧縮処理方法は、
階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理方法において、
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出過程と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮過程とを有することを特徴とする。
階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理方法において、
上記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出過程と、
上記画像部分内の各画素が有する各階調値を、上記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮過程とを有することを特徴とする。
この本発明の画像圧縮処理方法によれば、本発明の画像圧縮処理装置と同様に画質を低下させることなく画像の圧縮処理を施すことができる。
本発明によれば、画質が低下することなく圧縮処理を施す画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法を提供することができる。
まず、本発明の画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法の一実施形態を用いて行われる作業の具体的な目標を明確にするために、従来の画像圧縮処理の問題点とその原因について具体的に説明する。
特許文献1および特許文献2に記載されている技術を用いて画像圧縮処理を行う際、圧縮処理後の画像がもとの画像と比べて階調のつぶれが起きるのは、中間階調に属する画素数が少ないブロックを有する画像に対して圧縮処理を施した場合である。
図1は、中間階調を与える画素数が少ない画像データの一例を表す図である。
階調値の最大値「Pmax」付近に階調値の幅ΔPにわたる画素数分布があり、また階調
値の最小値「0」付近にも画素数分布があるが、その間の中間階調の階調値を持つ画素は存在していない。
値の最小値「0」付近にも画素数分布があるが、その間の中間階調の階調値を持つ画素は存在していない。
図2は、この画像データを特許文献1および特許文献2に記載されている技術で圧縮処理を施した後の階調値と画素数の分布を表す図である。
図1に示した幅ΔP内の階調値は、圧縮処理により対応する少数の離散階調値に集約さ
れる。このため、圧縮処理後の階調値の幅がつぶれて、圧縮前の階調値の幅ΔPに比べて
大幅に狭い幅ΔP'に小さくなっていることがわかる。この結果、人間には階調のつぶれ
として認識される。
れる。このため、圧縮処理後の階調値の幅がつぶれて、圧縮前の階調値の幅ΔPに比べて
大幅に狭い幅ΔP'に小さくなっていることがわかる。この結果、人間には階調のつぶれ
として認識される。
以下では、このような階調のつぶれを防ぎつつ画像データを圧縮する本発明の実施の形態について説明する。
図3は、本発明の画像圧縮処理装置の一実施形態として動作するコンピュータシステムの外観斜視図である。
このコンピュータシステム100は、CPU、RAMメモリ、ハードディスク等を内蔵した本体部110、本体部110からの指示により蛍光面121に画面表示を行なうCRTディスプレイ120、このコンピュータシステム100内にユーザの指示や文字情報を入力するためのキーボード130、蛍光面121上の任意の位置を指定することによりその位置に応じた指示を入力するマウス140を備えている。
本体部110は、さらに、外観上、フレキシブルディスクやCD−ROMが装填されるフレキシブルディスク装填口111およびCD−ROM装填口112を有しており、その内部には、装填されたフレキシブルディスクやCD−ROMをドライブする、フレキシブルディスクドライブ、CD−ROMドライブも内蔵されている。
ここで、本発明にいう画像圧縮処理プログラムの一実施形態が、例えばCD−ROMに記憶されていて、このCD−ROMがCD−ROM装填口112から本体110内に装填されると、そのCD−ROMに記憶された画像補正処理プログラムがCD−ROMドライブによりこのコンピュータシステム100のハードディスク内にインストールされる。そして、このハードディスク内にインストールされた画像補正処理プログラムが起動されると、このコンピュータシステム100は、本発明の画像圧縮処理装置の一実施形態として動作し、本発明の画像圧縮処理方法の一実施形態が実行される。
図4は、本発明の画像圧縮処理プログラムの一実施形態を示す図である。ここでは、この画像圧縮処理プログラム200は、CD−ROM150に記憶されている。なお、本発明にいう画像圧縮処理プログラムが記憶される記憶媒体としては、CD−ROMやハードディスクのみならず、フレキシブルディスクやDVDやMO等といった種々の記憶媒体が採用されうる。
この画像圧縮処理プログラム200は、図3に示すコンピュータシステム100内で実行され、上述したように、そのコンピュータシステム100を本発明の一実施形態として動作させて、本発明の画像圧縮処理方法の一実施形態を実行させるものであり、検出部210と画素計数部220と圧縮部230とを有している。
この画像補正処理プログラム200の各要素の詳細な内容については後述する。
図5は、本発明の画像圧縮処理装置の一実施形態を示す機能ブロック図である。この画像補正処理装置300は、図4の画像補正処理プログラム200が図3のコンピュータシステム100にインストールされて実行されることによって構成されるものである。
この画像補正処理装置300は、検出部310と画素計数部320と圧縮部330とを有している。検出部310、画素計数部320、圧縮部330は、図4に示す画像補正処理プログラム200における、検出部210、画素計数部220、および圧縮部230それぞれによってコンピュータシステム100上に構築されるものである。従って図4の各要素は図5の各要素に対応するが、この図5の各要素は、図3に示すコンピュータシステム100のハードウェアとそのコンピュータシステム100で実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図4に示す画像補正処理プログラム200の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
ここで、検出部310および画素計数部320が、本発明の画像圧縮処理装置における偏在度合い算出部の一例に相当し、圧縮部330は、本発明の画像圧縮処理装置における圧縮部の一例に相当する。
この画像補正処理装置では、処理対象の画像データが表わす画像を複数の画像部分に分けたときのそれぞれの画像部分における階調値の最大値と最小値、および最小値から最大値までの階調幅が検出部310で検出される。そして検出された最小値から最大値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の数が画素計数部320によって求められる。さらに、圧縮部330によって、最小値から最大値までの階調幅が狭いほど少ない階調数で量子化され、最小値から最大値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の数が少ないほど多い階調数で量子化されるように圧縮処理が施される。
この画像補正処理装置の各要素の詳細な内容については後述する。
図6は、本発明の画像圧縮処理方法の一実施形態を示すフローチャートである。
この画像圧縮処理方法は、本発明の一実施形態として動作している図3に示すコンピュータシステム100で実行されるものである。
以下図6に示す画像圧縮処理方法の各過程を説明することによって、図4に示す画像補正処理プログラム200の各要素と、図5に示す画像処理装置の各要素も合せて説明する。
本実施形態では、画像は256通りの階調値、すなわち8ビットの階調値を有する画像データで表される。まず画像データがコンピュータシステム100に入力されると(ステップS1)、コンピュータシステム100上でこの画像は、8個×8個の2次元的な配列をしている64個の画素のブロックを単位として区分され(ステップS2)、それぞれのブロックごとに圧縮処理が施される。
まず、ブロック内の階調値の最大値(Dmax)と最小値(Dmin)がステップS3で検出される。このステップS3が、図5に示す画像補正処理装置の検出部310の実行する処理に対応する。ブロック内の階調値に全く変化がない場合、例えばそのブロックが単調な白色一色であるような場合は、ステップS4で最大値(Dmax)と最小値(Dmin)は等しいと判定され(ステップS4;No)、出力データとして(Dmax,Dmin)が出力される(ステップS10)。この出力データ(Dmax,Dmin)は、最大値(Dmax)と最小値(Dmin)が等しく、該当ブロック中の各画素の階調値がすべてDmax(=Dmin)に等しいことを表しているデータである。
ブロックの階調値に変化がある場合には、最大値(Dmax)と最小値(Dmin)は異なる値を持ち、ブロック内の階調値(Din)が、ステップS5において次のように値「0」から値「7」までの8段階の階調レベル、すなわち3ビットの階調レベル(Dq)に書き替えられることにより量子化される。
Dq=[(Din−Dmin)×7/(Dmax−Dmin) + 0.5]
ここで、かぎ括弧はかぎ括弧内の値以下の最大の整数を与える演算記号である。量子化された階調レベル(Dq)は、最小値(Dmin)から最大値(Dmax)までの階調幅に対する階調値の割合を表しており、最大値(Dmax)、最小値(Dmin)、および量子化された階調レベル(Dq)によって、8通りの離散的な階調値のいずれにブロック内の階調値(Din)が書き替えられるかが表される。例えば、最大値(Dmax)、最小値(Dmin)がそれぞれDmax=240、Dmin=170の場合、最小値(Dmin)から最大値(Dmax)までの階調値を8段階に離散化した階調値は、「170」、「180」,「190」、「200」、「210」、「220」、「230」、「240」となり、階調レベルがDq=3である場合は、階調値(Din)が値「190」に量子化されたことを表している。 次にこの量子化された階調値(Dq)が2≦Dq≦5に属する画素数(Smid)がステップS6でカウントされる。このステップS6が、図5に示す画像補正処理装置の画素計数部320が実行する処理に対応する。また、画素数(Smid)が中間階調に属する画素数である。
ここで、かぎ括弧はかぎ括弧内の値以下の最大の整数を与える演算記号である。量子化された階調レベル(Dq)は、最小値(Dmin)から最大値(Dmax)までの階調幅に対する階調値の割合を表しており、最大値(Dmax)、最小値(Dmin)、および量子化された階調レベル(Dq)によって、8通りの離散的な階調値のいずれにブロック内の階調値(Din)が書き替えられるかが表される。例えば、最大値(Dmax)、最小値(Dmin)がそれぞれDmax=240、Dmin=170の場合、最小値(Dmin)から最大値(Dmax)までの階調値を8段階に離散化した階調値は、「170」、「180」,「190」、「200」、「210」、「220」、「230」、「240」となり、階調レベルがDq=3である場合は、階調値(Din)が値「190」に量子化されたことを表している。 次にこの量子化された階調値(Dq)が2≦Dq≦5に属する画素数(Smid)がステップS6でカウントされる。このステップS6が、図5に示す画像補正処理装置の画素計数部320が実行する処理に対応する。また、画素数(Smid)が中間階調に属する画素数である。
そして前述のブロック内の最大階調値(Dmax)、最小値(Dmin)、および中間階調に属する画素数(Smid)にもとづき、ステップS7において次のような条件によって中間階調の分布に応じて出力データが出力される。
Smid<25かつ(DmaxーDmin)>150を満たすブロックに対しては、(Dmin,Dmax,Din)の形式で出力データが出力される(ステップS9)。この出力データは、先頭のデータ値(Dmin)よりも次のデータ値(Dmax)の方が大きいことで、8階調の階調値ではなく、入力されたもともとの64個の256階調の階調値(Din)がそのまま出力されたことを表している。
ステップS7の条件を満たさない場合は(ステップS7;No)、(Dmax,Dmin,Dq)の形式で出力データが出力される(ステップS8)。この出力データは、先頭のデータ値(Dmax)の方が次のデータ値(Dmin)よりも大きいことで、その後に続く64個のデータ値(Dq)が上記の8階調の階調値であることを表している。
以上の過程において、ステップS5、ステップS7、ステップS8、およびステップS9が、図5に示す画像補正処理装置の圧縮部330の実行する処理に対応する。
ステップS3以降の手続きを全てのブロックについて行う。全てのブロックについて処理が終了すると、ステップ11において全てのブロックについて処理が終了したと判定され、本実施形態における画像の圧縮処理は終了する。
以上において、ステップS3およびステップS6が、本発明の画像圧縮処理方法における偏在度合い算出過程の一例に相当し、またステップS5、ステップS7、ステップS8、およびステップS9が本発明の画像圧縮処理方法における圧縮過程の一例を構成している。
この画像圧縮処理方法においては、ステップS7で説明した条件で中間階調の不足が判定され、この条件を満たすブロックに対しては、階調値に関する情報量の多い、すなわち階調数の多い表現で階調値を表すことによって中間階調の不足による画像圧縮後の階調のつぶれを防ぎ、この条件を満たさないブロックに対しては、従来から行われているような階調値の圧縮処理が施される。実際には、中間階調の不足していると判定されるブロックは画像全体の中では少ないため、ほとんどのブロックでは階調値の圧縮処理が施されることになり、従来の圧縮処理方法とそれほど変わらない圧縮率となる。しかし、その数少ない中間階調が不足しているブロックにおける階調のつぶれは、人の見た目には大きな画像劣化となるので、本実施形態における画像圧縮処理によって、従来よりも格段に画質が高い画像データが得られる。
なお、本実施形態では、最小階調値(Dmin)から最大階調値(Dmax)までの階調幅に対する一定の割合を中間階調としたが、本発明は、一定の割合ではなく、最大階調値(Dmax)と最小階調値(Dmin)の間の一定の範囲を中間階調の階調値としてもよい。
また、本実施形態では、中間階調の不足しているブロックに対しては、入力されたもともとの256階調の階調値(Din)を出力したが、本発明は、中間階調の不足しているブロックに対してより多くの階調情報を与えながら圧縮率を大きくするために、この過程で256階調よりも小さく8階調よりも大きい階調で量子化を行うことにより圧縮処理を施すものであってもよい。
また、本実施形態では、ステップS7における条件に従って、8階調の階調値あるいは256階調の階調値という2種類の出力データが出力されるが、本発明では、さらに複雑な条件に従って3種類以上の出力データが出力されてもよい。
なお、本実施形態では、最小階調値(Dmin)から最大階調値(Dmax)までの階調幅と、この階調幅に対する一定の割合の階調幅部分に属する階調値を有する画素数(Smid)とを偏在度合いの指標としたが、本発明は、階調値分布が偏在しているか否かを表す指標であればどのような指標を用いるものであってもよい。例えば、画像部分内の階調値のヒストグラムの分散値が大きいほど偏在度合いが大きいとするものであってもよい。また、画像部分内の階調値のヒストグラムのピークを求め、そのピークがより急峻であるほど偏在度合いが大きいとするものであってもよく、高階調値域または低階調値に寄っているほど偏在度合いが大きいとするものであってもよい。また、画像部分内の階調値そのもの、あるいはそのヒストグラムを入力すると、偏在度合いを出力するようなニューラルネットワークを用いるものであってもよい。
100 コンピュータシステム
110 本体部
111 フレキシブルディスク装填口
112 CD−ROM装填口
120 CRTデイスプレイ
121 蛍光面
130 キーボード
140 マウス
150 CD−ROM
200 画像圧縮処理プログラム
210 検出部
220 画素計数部
230 圧縮部
300 画像圧縮処理装置
310 検出部
320 画素計数部
330 圧縮部
110 本体部
111 フレキシブルディスク装填口
112 CD−ROM装填口
120 CRTデイスプレイ
121 蛍光面
130 キーボード
140 マウス
150 CD−ROM
200 画像圧縮処理プログラム
210 検出部
220 画素計数部
230 圧縮部
300 画像圧縮処理装置
310 検出部
320 画素計数部
330 圧縮部
Claims (7)
- 階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理装置において、
前記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
前記画像部分内の各画素が有する各階調値を、前記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを備えたことを特徴とする画像圧縮処理装置。 - 前記偏在度合い算出部は、前記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の数の少なさを前記偏在度合いとして求めるものであることを特徴とする請求項1記載の画像圧縮処理装置。
- 前記偏在度合い算出部は、前記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅の広さを前記偏在度合いとして算出するものであることを特徴とする請求項1記載の画像圧縮処理装置。
- 前記偏在度合い算出部は、前記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅に対する所定の階調幅部分に属する階調値を有する画素の少なさと、前記画像部分内における最小階調値から最大階調値までの階調幅の広さとを用いて前記偏在度合いを算出するものであることを特徴とする請求項1記載の画像圧縮処理装置。
- 前記圧縮部は、前記画像部分の偏在度合いが所定レベル以上の場合は、該画像部分内の各画素が有する各階調値を、圧縮処理済の階調値としてそのまま用いるものであることを特徴とする請求項1記載の画像圧縮処理装置。
- コンピュータシステム上で実行され、該コンピュータシステムに、
階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施させる画像圧縮プログラムにおいて、
前記コンピュータシステム上で、
前記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出部と、
前記画像部分内の各画素が有する各階調値を、前記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮部とを構築することを特徴とする画像圧縮プログラム。 - 階調値をそれぞれが有する複数の画素からなる画像を表した画像データに対し、該画像の複数の画像部分それぞれについて該画像部分内の階調値を該画像部分内における最小階調値から最大階調値の間の階調数以下の階調数に量子化することによる圧縮処理を施す画像圧縮処理方法において、
前記画像部分内における階調値の、低階調値域および/又は高階調値域への偏在度合いを算出する偏在度合い算出過程と、
前記画像部分内の各画素が有する各階調値を、前記偏在度合いが小さいほど少ない階調数で量子化することによって画像データを圧縮する圧縮過程とを有することを特徴とする画像圧縮処理方法。
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---|---|---|---|
JP2004284338A JP2006101152A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法 |
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JP2004284338A JP2006101152A (ja) | 2004-09-29 | 2004-09-29 | 画像圧縮処理装置、画像圧縮処理プログラム、および画像圧縮処理方法 |
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Cited By (2)
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JP2010057080A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Fujitsu Frontech Ltd | 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム |
JP2010162816A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Seiko Epson Corp | 画像形成装置 |
-
2004
- 2004-09-29 JP JP2004284338A patent/JP2006101152A/ja not_active Withdrawn
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