JP2004235860A - 受信装置 - Google Patents

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JP2004235860A JP2003020568A JP2003020568A JP2004235860A JP 2004235860 A JP2004235860 A JP 2004235860A JP 2003020568 A JP2003020568 A JP 2003020568A JP 2003020568 A JP2003020568 A JP 2003020568A JP 2004235860 A JP2004235860 A JP 2004235860A
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久仁男 鈴木
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Abstract

【課題】複数の通信波のスペトクラム成分が重なったような場合でも、それぞれの信号成分を完全に復調することができる受信装置を提供することにある。
【解決手段】複数の入射信号が各々に入射される複数のアンテナからの複数の入射信号が混合された複数の混合信号を複数の帯域制限ろ波器21〜24により所定の狭帯域にそれぞれ制限して出力し、狭帯域に制限された複数の信号に基づいて、独立成分分析の手法により複数の入射信号を独立成分分析部50により分離・抽出し、この分離・抽出されたそれぞれの入射信号を複数の復調器71〜74により復調する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナを配置する受信装置に関し、特に、複数の到来波が混合して同時に存在するスペクトラム成分が重なる変調波形を復調することができる受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、無線通信においては、図5(a),(b)に示すように、例えば2機の送信装置101a,101bから極めて近い周波数121a,121bの通信波がそれぞれ送信された場合でも、1機の受信装置111に設けられたフィルタ113に対して周波数121a,121bのうちの一方のみを選択的に通過させて分離し、受信するようにしている。
【0003】
この場合、送信装置101a,101bにおいて、それぞれの通信波のスペクトラム成分が重ならないように周波数f1,f2の間隔を空けておけば、受信装置111では、図5(b)に示すように、例えばフィルタ113を通過した後の信号121aは完全に復調することができる。
【0004】
このような受信装置としては、特許文献1に記載された「FM受信機」が報告されている。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−368640
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図5(a)に示すような場合は極めてまれであり、むしろ、図5(c)に示すような混信状態の方が多い。すなわち、送信装置101a,101bでは、それぞれの通信波のスペクトラム成分が重なり周波数f3,f4,f5の間隔があまり空いていない混信状態である。
【0007】
このような混信状態の場合、受信装置111で信号131aがフィルタ113を通過しても、近接する周波数f4の信号成分もフィルタ113を通過する。この結果、フィルタ113からは信号131aとともに信号131bの重複部分133や、信号131bの信号成分135も出力されるので、信号131aの完全な復調を行うことができない。
【0008】
そこで、複数の通信波のスペトクラム成分が重なったような場合でも、それぞれの信号成分を完全に復調することができる受信装置が望まれている。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的としては、複数の通信波のスペトクラム成分が重なったような場合でも、それぞれの信号成分を完全に復調することができる受信装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、上記課題を解決するため、複数の入射信号が各々に入射される複数のアンテナと、前記複数のアンテナからの前記複数の入射信号が混合された複数の混合信号を所定の狭帯域にそれぞれ制限して出力する複数の帯域制限ろ波器と、前記複数の帯域制限ろ波器からの狭帯域に制限された複数の信号に基づいて、独立成分分析の手法により前記複数の入射信号を分離・抽出する独立成分分析部と、前記独立成分分析部により分離・抽出されたそれぞれの入射信号を復調する複数の復調器を備えたことを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の発明は、上記課題を解決するため、前記復調器は、前記入射信号を複数の復調方式でそれぞれ復調することを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の発明は、上記課題を解決するため、前記複数の帯域制限ろ波器で制限する帯域を制御する帯域制限制御器を更に備えたことを要旨とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。この実施の形態に係る混合信号分離・抽出装置は、入射信号S1,・・・,nをブラインド信号分離の手法により求めるものである。ブラインド信号分離とは、センサの応答性や信号の性質、入射信号の予備知識なしでセンサ数と同数までの入射信号を分離するアルゴリズムである。このアルゴリズムは、ブラインド信号分離や独立成分分析(ICA:Independent Component Analysis)と呼ばれ、多くの公知文献が発表されている。
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る受信装置は、複数のセンサとして複数のアンテナを使用し、複数のアンテナに入射された複数の入射信号の混合信号から原信号を分離して出力する。なお、以下では、説明を簡単にするために、アンテナの数を「4」とし、入射信号の数を「n=4」として説明するが、アンテナの数及び入射信号の数はこれらに限定されず任意である。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【0016】
この受信装置は、第1アンテナ11、第2アンテナ12、第3アンテナ13、第4アンテナ14、第1帯域制限ろ波器21、第2帯域制限ろ波器22、第3帯域制限ろ波器23、第4帯域制限ろ波器24、帯域制限制御器25、サンプリング部30、独立成分分析部50、復調部70及び出力処理部60から構成されている。
【0017】
第1〜第4アンテナ11〜14としては、バーチカルアンテナ、ダイポールアンテナといった無指向性のアンテナ、及び任意の指向性を持ったアンテナ等が用いられ、種々の方位からの電波を受信する。これら第1〜第4アンテナ11〜14を設置する間隔や高さは任意である。
【0018】
第1アンテナ11は、空中からの複数の入射信号(電波)S〜Sを受信し、これらが混合された混合信号を第1帯域制限ろ波器21に送る。同様に、第2〜第4アンテナ12〜14は、空中からの複数の入射信号S〜Sを受信し、これらが混合された混合信号を第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24にそれぞれ送る。
【0019】
第1帯域制限ろ波器21は、第1アンテナ11からの混合信号に含まれる所定帯域の周波数成分のみを通過させてサンプリング部30に送る。同様に、第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24は、第2〜第4アンテナ12〜14からの混合信号に含まれる所定帯域の周波数成分のみをそれぞれ通過させてサンプリング部30に送る。なお、各第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24が通過させる周波数帯域は同じである。
【0020】
帯域制限制御器25は、通過させる周波数帯域、つまり通過させる周波数成分の範囲を指定するための制御信号を生成する。この帯域制限制御器25で生成された制御信号は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24に送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24は、帯域制限制御器25からの制御信号に従って、入力された混合信号に含まれる所定帯域の周波数成分のみを通過させる。
【0021】
この帯域制限制御器25は、任意の帯域の周波数成分を通過させるような制御信号を生成できるように構成されている。したがって、帯域制限制御器25からの制御信号を適宜変更することにより、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24を通過する周波数帯域を任意に変化させることができる。
【0022】
サンプリング部30は、第1中間周波数変換器31、第2中間周波数変換器32、第3中間周波数変換器33、第4中間周波数変換器34、局部発振器35、第1A/D変換器41、第2A/D変換器42、第3A/D変換器43、第4A/D変換器44及び発振器45から構成されている。
【0023】
局部発振器35は、受信電波を中間周波数に変換するために必要とする発信周波数を有する信号を生成する。この局部発振器35で生成された信号は、第1〜第4中間周波数変換器31〜34に送られる。
【0024】
第1〜第4中間周波数変換器31〜34の各々は、何れも図示を省略するが、高周波増幅器、周波数混合器及び中間周波数増幅器から構成されている。
高周波増幅器は、受信周波数帯の高周波を、次段の周波数混合器の入力電圧として適当な大きさになるように増幅する。周波数混合器は、高周波増幅器で増幅された信号と局部発振器35の出力信号とを混合し、それらの和又は差の周波数を作ることにより中間周波数の信号に変換する。中間周波数増幅器は、受信電波の周波数を、より低い中間周波数に変換して増幅する。これにより、安定で高利得の増幅を行うことができ、感度を向上させることができる。
【0025】
上記のように構成される第1〜第4中間周波数変換器31〜34から出力される信号は、第1〜第4A/D変換器41〜44にそれぞれ送られる。
発振器45は、第1〜第4中間周波数変換器31〜34からの信号をサンプリングするためのサンプリングクロックを生成する。この発振器45で生成されたサンプリングクロックは第1〜第4A/D変換器41〜44に送られる。
【0026】
第1〜第4A/D変換器41〜44は、発振器45からの信号をサンプリングクロックとして、第1〜第4中間周波数変換器31〜34からのアナログ信号をサンプリングすることにより、デジタル信号にそれぞれ変換する。第1〜第4A/D変換器41〜44の各々から出力されるデジタル信号は、独立成分分析部50に供給される。
【0027】
独立成分分析部50は、ブラインド信号分離の手法により原信号(入射信号S〜S)が混合されてなる観測信号から原信号を分離・抽出する。この独立成分分析部50の詳細は後述する。この独立成分分析部50で抽出された信号は復調部70に送られる。
【0028】
復調部70は、独立成分分析部50で分離・抽出された信号y1,・・・,n(t)を復調して信号Y1,・・・,n(t)を出力処理部60に出力する。この復調部70には、第1〜第4復調器71〜74が設けられており、第1〜第4復調器71〜74でそれぞれ復調された信号Y1,・・・,n(t)は出力処理部60に設けられた第1〜第4D/A変換器61〜64に送られる。
【0029】
ここで、図2を参照して、復調部70に設けられた第1復調器71の詳細な構成について説明する。なお、第2〜第4復調器72〜74も第1復調器71と同様に構成されている。
【0030】
AM復調器71aは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がAM(Amplitude Modulation)変調されている場合には、AM復調を行うとともに、AM受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRfaを復調制御器71hに出力する。AM復調器71aが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEa を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0031】
FM復調器71bは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がFM(Frequency Modulation)変調されている場合には、FM復調を行うとともに、FM受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRfbを復調制御器71hに出力する。FM復調器71bが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEb を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0032】
PSK復調器71cは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がPSK(Phase Shift Keying)変調されている場合には、PSK復調を行うとともに、PSK受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRfcを復調制御器71hに出力する。PSK復調器71cが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEc を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0033】
FSK復調器71dは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がFSK(Frequency Shift Keying)変調されている場合には、FSK復調を行うとともに、FSK受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRfdを復調制御器71hに出力する。FSK復調器71dが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEd を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0034】
MSK復調器71eは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がMSK(Minimum Shift Keying)変調されている場合には、MSK復調を行うとともに、MSK受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRfeを復調制御器71hに出力する。FSK復調器71eが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEe を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0035】
QAM復調器71fは、独立成分分析部50から入力される信号y を入力し、このデジタル信号がQAM(Quqdrature Amplitude Modulation)変調されている場合には、QAM復調を行うとともに、QAM受信が確認できたことを表す1に設定された受信確認フラグRffを復調制御器71hに出力する。QAM復調器71fが、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEf を受け付けた場合には、復調中の信号をバッファ回路71i に出力する。
【0036】
なお、AM復調器71a〜QAM復調器71fのそれぞれの出力状態は、出力許可信号OEa 〜OEf が1に設定されている場合にのみ復調中の信号がバッファ回路71i に出力される。
【0037】
操作器71gは、AM選択キー、FM選択キー、PSK選択キー、FSK選択キー、MAK選択キー、QAM選択キーなどのマニュアルモードキー、自動選択を表す自動モードキーを有し、オペレータの操作により選択されたキー入力を復調制御器71hに出力する。
【0038】
復調制御器71hは、操作器71gから上述したマニュアルモードキーが入力された場合には、選択されたキーに対応する出力許可信号OEa 〜OEf のうち1信号のみを1に、他を0に設定してAM復調器71a〜QAM復調器71fに出力する。また、復調制御器71hは、操作器71g上述した自動モードキーが入力された場合には、AM復調器71a〜QAM復調器71fからそれぞれ入力される受信確認フラグRfa〜Rffのうち1が入力されているときに、この入力に対応する出力許可信号OEa 〜OEf のうち1信号のみを1に、他を0に設定してAM復調器71a〜QAM復調器71fに出力する。
【0039】
バッファ回路71i は、AM復調器71a〜QAM復調器71fの何れか1つから出力される復調中の信号を入力して信号Yとして出力する。
【0040】
次いで、復調部70で復調された信号Y1,・・・,n(t)は出力処理部60に送られる。
【0041】
出力処理部60は、第1D/A変換器61、第2D/A変換器62、第3D/A変換器63及び第4D/A変換器64から構成されている。第1〜第4D/A変換器61〜64は、復調部70からのデジタル信Y1,・・・,n(t)号をアナログ信号にそれぞれ変換し、分離信号O〜Oとしてそれぞれ出力する。
【0042】
次に、上記のように構成される本発明の第1の実施の形態に係る混合信号分離・抽出装置の動作を説明する。
各アンテナ11〜14で観測される入射信号S1,・・・,nの混合信号x1,・・・,n(t)は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24にそれぞれ送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24は、混合信号x1,・・・,n(t)の所定帯域の周波数成分のみをそれぞれ通過させ、サンプリング部30に送る。
【0043】
サンプリング部30の第1中間周波数変換器31は、第1帯域制限ろ波器21からの混合信号x(t)を入力して中間周波数の信号に変換する。詳しくは、第1中間周波数変換器31内の高周波増幅器は混合信号x(t)を高周波増幅する。この高周波増幅された信号は、局部発振器35からの信号と混合されてそれらの和又は差の周波数が作られることにより中間周波数の信号に変換される。中間周波数の信号は中間周波数増幅器により増幅されて第1A/D変換器41に送られる。
【0044】
第1A/D変換器41は、第1中間周波数変換器31からのアナログ信号を、発振器45からのサンプリングクロックを用いてサンプリングすることによりデジタル信号に変換し、観測信号X(t)として出力する。
同様に、第2〜第4中間周波数変換器32〜34は、第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24からの混合信号x2,3,4(t)をそれぞれ入力して中間周波数の信号に変換し、第2〜第4A/D変換器41にそれぞれ送る。
【0045】
第2〜第4A/D変換器42〜44は、第2〜第4中間周波数変換器32〜34からのアナログ信号を、発振器45からのサンプリングクロックを用いてサンプリングすることによりデジタル信号に変換し、観測信号X2,3,4(t)として出力する。この際、サンプリング間隔(サンプリングクロックの周波数)は、各アンテナ11〜14に到達する入射信号S1,・・・,nの時間差の影響が出ない値に調整される。このようにしてサンプリング部30で生成された観測信号X1,・・・,n(t)は、独立成分分析部50に送られる。
【0046】
独立成分分析部50は、観測信号X1,・・・,n(t)として送られてくるn個のサンプリング時系列を用いて、ブラインド信号分離のアルゴリズムにより、選択された帯域内の信号y(t)を分離・抽出する。以下、分離・抽出の手順を詳細に説明する。
【0047】
この第1の実施の形態におけるブラインド信号分離は、時間遅れなく混合された信号の分離に対して用いられる。先ず、その基本となるブラインド信号分離の問題についてここで定義する。信号源が下記式(1)のベクトルで与えられるとする。
【0048】
【数1】
Figure 2004235860
但し、s(t)は、n個の入射信号であり、平均「0」であって、互いに独立であるとする。また、Tは転置を表す。
【0049】
観測は、各アンテナ11〜14で観測され帯域制限された時系列データを意味しており、
【数2】
Figure 2004235860
で表すものとする。これは、1,・・・,nの各アンテナ11〜14で観測された信号であると考えることができる。一般には、アンテナの数と信号源の数とは必ずしも一致しないが、ここでは一致しているものとする。
【0050】
単純なICAの問題では、s(t)とx(t)との間に、
【数3】
Figure 2004235860
なる単純な線形関係を仮定する。Aは、各アンテナ11〜14の配置と特性で決まる信号混合行列(n行×n列)の実数行列である。s(t)やAに関する知識を持たずx(t)を独立な信号成分に分離する。
【0051】
即ち、あるn×nの実数行列を求めることにより、
【数4】
Figure 2004235860
で求まる互いに独立なy(t)を再構成することがICAの目的である。Bは理想的にはA−1となればよいわけだが、そうはならず順番の入れ違い(permutation)と大きさ(amplitude)の任意性は残ってしまう。
【0052】
この問題の解法の1つとして、確率分布の独立性に基づく分離法がある。各s(t)が(強)定常でガウシアン(Gaussian)でないという仮定のもとで、y(t)が互いに独立になるようにBを求める手法がさまざまに提案されているが、それらの多くは次のようにまとめることができる。y(t)を強定常過程として、その同時分布の密度関数を、
【数5】
Figure 2004235860
とすると、独立性の定義はp(y)をp(y)のyについての周辺分布として、
【数6】
Figure 2004235860
とかける。
【0053】
同時分布と周辺分布の積との間Kullback−Leibler 発散(divergence)は、
【数7】
Figure 2004235860
となる。但し、H(Y;B)は同時分布p(y)のエントロピー、H(Y;B)は周辺分布p(y)のエントロピーである。
これは{Y}(i=1,・・・,n)の相互情報量である。信号源が正規分布でないという仮定からKL(B)はp(y)が互いに独立な場合に限り「0」となる。これらはp(x)とBによって定まるものである。
【0054】
ここで、p(y)dy=p(x)dx、p(y)=p(x)/|B|(|B|はBの行列式)であることに注意すると、
【数8】
Figure 2004235860
となる。
【0055】
一方、周辺分布のエントロピーは、
【数9】
Figure 2004235860
である。よって、
【数10】
Figure 2004235860
となり、
【数11】
Figure 2004235860
のようにすれば最急降下法として正しいBを求めることができる。上記式(11)の中で問題となるのは逆行列(B−1を計算している点である。
【0056】
収束性に関しては、これにいかなる正定値行列を掛けても構わないことから、BBを掛ければ(これは正則な行列の多様体上でのリーマン(Rieman)計量に対応している)、
【数12】
Figure 2004235860
が新たな学習則となる。定常性の仮定よりp(s)、p(x)とp(y)は時間的に独立である。この仮定のもと、アンサンブル平均を時間平均に置き換えることができる。
【0057】
【数13】
Figure 2004235860
したがって、ηを正の定数とし、データが観測される毎に下記式(14)に従ってパラメータを更新すればBが得られる。
【0058】
【数14】
Figure 2004235860
ここで、当然問題になるのは、上記式(10)のp(y)或いはψ(y)をいかに定義するかである。通常、これはパラメトリックな非線形関数や統計的な展開法が用いられる。
【0059】
大雑把な考え方を示すと、もしp(y)が正規分布ならはψ(y)は線形関数となる。一方、正規分布より裾が”重い”場合(sub−Gaussian)多項式などで近似するのがよく、正規分布より裾が”軽い”場合(super−Gaussian)シグモイド(Sigmoid)関数などで近似するのがよいとされている。音声信号などは裾が”軽い”ので、シグモイド関数などがうまく働く。
【0060】
次いで、独立成分分析部50で分離・抽出された信号y1,・・・,n(t)は復調部70に送られる。
【0061】
復調部70では、独立成分分析部50で分離・抽出された信号y1,・・・,n(t)を復調して信号Y1,・・・,n(t)を出力処理部60に出力する。
【0062】
詳しくは、操作器71gから上述した複数のマニュアルモードキーのうちの1つが入力された場合には、選択されたキーに対応する出力許可信号OEa 〜OEf のうち1信号のみを1に、他を0に設定してAM復調器71a〜QAM復調器71fに出力する。この結果、AM復調器71a〜QAM復調器71fの何れか1つから出力される復調中の信号がバッファ回路71i に入力され信号Yとして出力される。
【0063】
また、操作器71g上述した自動モードキーが入力された場合には、復調制御器71hは、AM復調器71a〜QAM復調器71fからそれぞれ入力される受信確認フラグRfa〜Rffのうち1が入力されているときに、この入力に対応する出力許可信号OEa 〜OEf のうち1信号のみを1に、他を0に設定してAM復調器71a〜QAM復調器71fに出力する。この結果、AM復調器71a〜QAM復調器71fの何れか1つから出力される復調中の信号がバッファ回路71i に入力され信号Yとして出力される。
【0064】
例えば、独立成分分析部50から入力される信号y がAM復調器71aに入力され、このデジタル信号がAM(Amplitude Modulation)変調されている場合には、AM復調が行われるとともに、AM受信が確認できたことを表す1が設定された受信確認フラグRfaが復調制御器71hに出力される。また、復調制御器71hから1に設定された出力許可信号OEa をAM復調器71aが受け付けた場合には、復調中の信号がバッファ回路71i に出力される。
【0065】
次いで、復調部70で復調された信号Y1,・・・,n(t)は出力処理部60に送られる。
【0066】
出力処理部60では、復調部70からのデジタル信号として送られてくる信号Y1,・・・,n(t)をアナログ信号に変換する。より詳しくは、第1復調器71から出力される信号Y(t)は、第1D/A変換器61でデジタル信号に変換され、分離信号Oとして外部に送出される。同様に、信号Y2,3,4(t)は、第2〜第4D/A変換器62〜64でデジタル信号にそれぞれ変換され、分離信号O〜Oとして外部にそれぞれ送出される。
【0067】
以上説明したように、この第1の実施の形態に係る受信装置によれば、各アンテナの受信信号を各アンテナの信号の到達時間に差がなくなる狭帯域信号にまで帯域制限を行い、その狭帯域に帯域制限された各アンテナの信号を用いて独立成分分析を行うようにしたので、各アンテナの信号到達時間の差が生じる条件下でも一般的なブラインド信号分離の手法によりアンテナからの観測信号である混合信号中に含まれる原信号を分離・抽出することができる。さらに、分離・抽出されたそれぞれの原信号を復調して出力することができる。
【0068】
特に、図3(a)に示すように、アンテナ11〜14に到来するそれぞれの通信波のスペクトラム成分が重なり周波数f3,f4,f5の間隔があまり空いていない場合、従来の技術では、それぞれの信号を完全に復調することができなかった。
【0069】
これに対して、本実施の形態によれば、図3(a)に示すように、複数の通信波のスペトクラム成分が重なったような場合でも、図3(b),(c),(d)に示すように、それぞれの信号成分を分離・抽出した後に完全に復調することができる。
【0070】
(第2の実施の形態)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
本実施の形態の特徴は、図1に示すサンプリング部30に代わって、図4に示すサンプリング部40を備えたことにある。
【0071】
サンプリング部40は、第1A/D変換器41、第2A/D変換器42、第3A/D変換器43、第4A/D変換器44、発振器45、第1デジタル周波数変換器46、第2デジタル周波数変換器47、第3デジタル周波数変換器48、第4デジタル周波数変換器49から構成されている。
【0072】
発振器45は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24からの信号をサンプリングするためのサンプリングクロックを生成する。この発振器45で生成されたサンプリングクロックは第1〜第4A/D変換器41〜44に送られる。
【0073】
第1〜第4A/D変換器41〜44は、発振器45からの信号をサンプリングクロックとして、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24からのアナログ信号をサンプリングすることにより、デジタル信号にそれぞれ変換する。第1〜第4A/D変換器41〜44の各々から出力されるデジタル信号は、第1〜第4デジタル周波数変換器46〜49に供給される。
【0074】
第1〜第4デジタル周波数変換器46〜49は、第1〜第4A/D変換器41〜44からのデジタル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周波数帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変換する。そして、第1〜第4デジタル周波数変換器46〜49の各々から出力されるデジタル信号は、独立成分分析部50に供給される。
【0075】
次に、第1の変形例における特徴的な動作について説明する。
【0076】
各アンテナ11〜14で観測される入射信号S1,・・・,nの混合信号x1,・・・,n(t)は、第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24にそれぞれ送られる。第1〜第4帯域制限ろ波器21〜24は、混合信号x1,・・・,n(t)の所定帯域の周波数成分のみをそれぞれ通過させ、サンプリング部30に送る。
【0077】
サンプリング部30の第1A/D変換器41は、第1帯域制限ろ波器21からのアナログ信号を、発振器45からのサンプリングクロックを用いてサンプリングすることによりデジタル信号に変換し、観測信号X(t)として出力する。
【0078】
同様に、第2〜第4A/D変換器42〜44は、第2〜第4帯域制限ろ波器22〜24からの混合信号X2,3,4(t)をそれぞれデジタル信号に変換し、観測信号X2,3,4(t)として第2〜第4デジタル周波数変換器46〜49にそれぞれ送る。
【0079】
第1〜第4デジタル周波数変換器は、第1〜第4A/D変換器41〜44からのデジタル信号に含まれている有効な帯域のデータをその周波数帯域よりも低い中間周波数帯域のデータに周波数変換し中間周波数帯域の観測信号X1,2,3,4(t)として、独立成分分析部50に送られる。
【0080】
なお、独立成分分析部50におけるブラインド信号分離、独立成分分析などの処理内容については、上述した内容と同様であるので、その説明を省略する。また、第1の変形例による効果も上述した内容と同様であるので、その説明を省略する。
【0081】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、アンテナの配置間隔が広いことによって信号が各アンテナに到達する時間に差が生じるような条件下であっても一般的なブラインド信号分離の手法によりアンテナからの観測信号から原信号を分離・抽出してそれぞれの原信号を復調するので、複数の通信波のスペトクラム成分が重なったような場合でも、それぞれの信号成分を完全に復調することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る受信装置の第1復調器の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置に入力された入射信号(a)、受信装置により分離・抽出された原信号(b),(c),(d)の様子を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る受信装置の構成を示すブロック図である。
【図5】従来の受信装置(a)、スペクトラムの間隔が離れている場合に入射信号から原信号を抽出した様子(b)、スペクトラムの間隔が重なる場合に入射信号から原信号を抽出した様子(c)を示す図である。
【符号の説明】
11〜14 第1〜第4アンテナ
21〜24 第1〜第4帯域制限ろ波器
25 帯域制限制御器
30、40、90、95 サンプリング部
31〜34 第1〜第4中間周波数変換器
35 局部発振器
41〜44 第1〜第4A/D変換器
45 発振器
46〜49 第1〜第4デジタル周波数変換器
50 独立成分分析部
60 出力処理部
70 復調部
71 第1復調器
71a AM復調器
71b FM復調器
71c PSK復調器
71d FSK復調器
71e MSK復調器
71f QAM復調器
71g 操作器
71h 復調制御器
71i バッファ回路
72 第2復調器
73 第3復調器
74 第4復調器

Claims (3)

  1. 複数の入射信号が各々に入射される複数のアンテナと、
    前記複数のアンテナからの前記複数の入射信号が混合された複数の混合信号を所定の狭帯域にそれぞれ制限して出力する複数の帯域制限ろ波器と、
    前記複数の帯域制限ろ波器からの狭帯域に制限された複数の信号に基づいて、独立成分分析の手法により前記複数の入射信号を分離・抽出する独立成分分析部と、
    前記独立成分分析部により分離・抽出されたそれぞれの入射信号を復調する複数の復調器を備えたことを特徴とする受信装置。
  2. 前記復調器は、
    前記入射信号を複数の復調方式でそれぞれ復調することを特徴とする請求項1記載の受信装置。
  3. 前記複数の帯域制限ろ波器で制限する帯域を制御する帯域制限制御器を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至2の何れか1項に記載の受信装置。
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