JP2004234539A - データ処理システム及びデータ処理方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム - Google Patents
データ処理システム及びデータ処理方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ファイルを要求してからファイルを操作可能になるまでの時間を考慮して、ファイル形式を好適に選択してダウンロード処理を行なう。
【解決手段】ファイル転送速度を取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測し、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式いずれのファイルを転送するかを選択し、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くする。
【選択図】 図4
【解決手段】ファイル転送速度を取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測し、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式いずれのファイルを転送するかを選択し、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くする。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ファイル実行環境に応じて圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
昨今、情報処理や情報通信などのコンピューティング技術が飛躍的に向上し、コンピュータ・システムが広汎に普及してきている。さらに、コンピュータどうしを相互接続するネットワーク・コンピューティング技術に対する要望も高まってきている。ネットワーク接続環境下では、コンピュータ資源の共有や、情報の共有・流通・配布・交換などの協働的作業を円滑に行なうことができる。
【0004】
現在、多くのコンピュータ同士は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークにより相互接続されている。コンテンツやプログラムなどのデータをシステム間で移動させたい場合、従来はフレキシブル・ディスクやCD(Compact Disc)などの可搬型の記憶媒体を利用していたが、最近ではネットワーク経由で行われることが多くなってきている。
【0005】
データ移動のうち、プログラムを保管するデータ管理装置(サーバなど)からプログラムを利用するデータ利用装置(クライアントなど)に移動して利用することを、一般に「ダウンロード」と呼ぶ。例えば、ネットワーク上のファイルを実行する、読む、見るといった操作を行なうとき、ネットワーク上からファイルをダウンロードして、それぞれの操作を行なうことになる。
【0006】
他方、原データは一般に冗長性が高く且つサイズが膨大であり、原データのまま記憶装置に格納したりネットワーク上で伝送したりすると、記憶容量や通信負荷が過大となってしまう。このため、ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的となっている。圧縮されたファイルは、展開処理を施して復元してから再び利用に供される。
【0007】
ここで、クライアントがサーバにファイルを要求してから、クライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間は、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間の合計となる。ファイルを圧縮することによりネットワーク上の転送時間を削減することができるが、この場合、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならず、展開時間がかかってしまう。
【0008】
ファイルの展開時間が比較的短くて済みファイルのダウンロード時間が長い場合には、圧縮ファイルを転送することが好ましいが、逆に、ファイルの展開時間が長い場合には、非圧縮のファイルを転送した方がむしろトータルの所要時間は短いことがある。
【0009】
ネットワーク上のファイルは、実行ファイルの場合、その多くに圧縮が施されている。これは、圧縮ファイルのダウンロード時間と圧縮の展開時間が、非圧縮ファイルのダウンロード時間より小さいためである。画像ファイルの場合もjpegやgifに代表されるように、多くの場合圧縮が施されている。
【0010】
しかし、HTML(Hyper Text Markup Language)に代表されるテキスト・ファイルの場合、通常圧縮は施されていない。これは、非圧縮ファイルのダウンロード時間が、圧縮ファイルのダウンロード時間と圧縮ファイルの展開時間より小さいか、実用上差し支えのない時間差となるからである。
【0011】
ファイルのダウンロード時間はファイル・サイズとネットワークのファイル転送速度から決定され、圧縮ファイルの展開時間は処理を行なう処理装置(例えばクライアント)の能力から決定される。
【0012】
ネットワークのファイル転送速度は接続された環境により異なる。100BaseTのイーサーネットであれば100Mbps、10BaseTのイーサーネットであれば10Mbps、802.11Bであれば11Mbps、Bluetoothであれば723Kbpsといった具合である。
【0013】
また、携帯電話のようなモバイル端末や、デスクトップPC、ハイエンド・サーバとでは処理能力が異なるため、圧縮ファイルの展開時間は異なる。
【0014】
このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0015】
しかしながら、圧縮又は非圧縮いずれの形式でファイルをダウンロードすべきかをユーザが判断するのは複雑で難しい。また、その判断を自動で行なうシステムは存在しない。仮にユーザが判断をすることができたとしても、圧縮ファイルあるいは非圧縮ファイルの両方がネットワーク上に存在する訳ではなく、適切な時間で実行することはできない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ファイル実行環境に応じて圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことかできる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうデータ処理システムであって、
ファイルを保持するするサーバからファイルを操作するクライアントへファイル転送するファイル転送手段と、
前記サーバ及びクライアント間の前記ファイル転送手段によるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
クライアントがファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システムである。
【0020】
また、本発明の第2の側面は、ファイルを転送して操作可能にするデータ処理システムであって、
ファイルを保持する補助記憶手段と、
演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行手段と、
前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へファイル転送するファイル転送手段と、 前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
前記ファイル操作実行手段においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システムである。
【0021】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。また、ファイルの操作は、ファイルを実行する、ファイルを読む/見る、ファイルを書く、のうちいずれかを含むものとする。
【0022】
また、本発明に係るデータ処理システムは、ファイル転送手段としてのネットワークで相互接続されているサーバからクライアントへファイルを転送する、ネットワーク上のファイル配信システムを対象としてもよいが、スタンドアロンの情報処理装置上で、2次記憶装置からファイルを読み出してメモリ上にロードし実行をするものとしてもよい。
【0023】
ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的となっている。この場合、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならず、展開時間がかかってしまう。ファイルの展開時間が比較的短くて済みファイルのダウンロード時間が長い場合には、圧縮ファイルを転送することが好ましいが、逆に、ファイルの展開時間が長い場合には、非圧縮のファイルを転送した方がむしろトータルの所要時間は短いことがある。
【0024】
このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0025】
本発明に係るデータ処理システムによれば、ファイル転送速度をファイル転送速度取得手段により取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測し、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択することによって、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くすることができる。
【0026】
前記ファイル転送速度取得手段は、サーバ又はクライアント側において動的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を計測するようにしてもよい。例えば、サーバ又はクライアント側においてファイル転送中に複数回計測して、動的にファイル転送速度を計測することができる。あるいは、サーバ又はクライアント側において静的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。
【0027】
また、前記ファイル転送速度取得手段は、動的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を計測するようにしてもよい。あるいは、静的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。
【0028】
また、各ファイル毎に1以上の操作不可能ファイル形式を備えていてもよい。このような場合、各形式毎にファイル・サイズ及びファイル形式変換処理時間が必ずしも一致しない。
【0029】
また、前記ファイル形式変換処理手段は、所定の圧縮アルゴリズムを用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式のファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換する。操作不可能ファイル形式のファイルは、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されていてもよい。
【0030】
この場合、前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを複数の圧縮アルゴリズム(zip、gzip、lhaなど)を用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換するようにしてもよい。また、前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを所定の圧縮アルゴリズム(gzipなど)により異なる圧縮率により圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換するようにしてもよい。
【0031】
あるいは、前記ファイル形式変換処理手段は、コンパイル処理が必要な操作不可能ファイル形式のファイルをコンパイル処理して操作可能ファイル形式に変換する。
【0032】
操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている場合、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、転送するファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0033】
例えば、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルのサイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0034】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0035】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式のサイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)とを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0036】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、ファイル要求元のクライアントからファイル形式変換処理速度を得て、要求されている操作不可能形式ファイルのサイズからファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0037】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理を行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0038】
ここで言うクライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、例えば、各ホストにおいて装備するメモリやプロセッサ、外部記憶装置の処理能力、同時に実行するタスク間のリソース割り当てに基づいて決定される。あるいは、装備するプロセッサのクロック数、又はプロセッサのクロック数とプロセッサのタイプに基づいて決定される。
【0039】
また、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル操作実行手段によりあらかじめ単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、前記補助記憶手段にあるファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0040】
また、前記転送ファイル選択手段は、サーバ側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択することができる。
【0041】
あるいは、前記転送ファイル選択手段は、クライアント側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択することができる。
【0042】
サーバ又はクライアントのいずれにおいて転送ファイルの形式を選択する場合も、前記転送ファイル選択手段は、(ファイル形式変換処理時間+操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)と(操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択することができる。
【0043】
前記転送ファイル選択手段は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択するようにしてもよい。
【0044】
サーバ側において転送すべきファイルの形式を選択する場合には、クライアント側において、転送ファイルの形式を判別するファイル形式判別手段をさらに備える必要がある。サーバは、ファイル転送時のヘッダなどにファイル形式を記述した情報を付加して、クライアントに通知するようにしてもよい。あるいは、クライアント側において、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよい。あるいは、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0045】
ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことのできるクライアントあるいはファイル操作実行手段の場合、ファイル形式変換処理時間を(最後に処理するブロックを除いてほぼ)無視することができる。このような場合は、転送ファイル選択手段は、操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と操作可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、操作不可能ファイル形式のファイル・サイズが小さいため、操作不可能ファイル形式を常に選択することになる。
【0046】
一方、ファイル転送時間が短い、つまり、ファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができない。この場合は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル形式のファイル・サイズ/ファイル転送速度の双方を比べる必要がある。
【0047】
また、本発明の第3の側面は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
クライアントにおいてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0048】
また、本発明の第4の側面は、ファイルを保持する補助記憶装置と、演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行装置とを備えた情報処理システムにおいて前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置にファイルを転送して操作可能にするためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
前記ファイル操作実行装置においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0049】
本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1及び第2の各側面に係るデータ処理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0052】
図1には、本発明に係るデータ処理方法を適用することができるネットワーク・システム全体の構成を模式的に示している。このシステムは、サーバ(Server)1と、クライアント(Client)2,3…が、ファイル転送手段としてのネットワーク(Network)4によって相互接続されることによって構成されている。
【0053】
サーバ1やクライアント2,3…は、例えば、ワークステーション(WS)やパーソナル・コンピュータ(PC)などの一般的なコンピュータ・システム上でそれぞれサーバ・ソフトウェアやクライアント・ソフトウェアを起動するという形態で実現される。この種のコンピュータは、中央コントローラとしてのCPU(Central Processing Unit)と、RAMやROMなどのメモリ装置、ハード・ディスクなどの外部記憶装置、ディスプレイやキーボード/マウスなどのユーザ・インターフェースを備え、オペレーティング・システムの制御下でプログラムの実行が行なわれる(後述)。
【0054】
サーバ1は、ファイル1−1、ファイル1−2などの、クライアントに提供することができる複数のファイルを持つ。本実施形態では、サーバ1は、各ファイルを圧縮及び非圧縮の双方の形式で蓄積している。
【0055】
サーバ1とクライアント2、クライアント3は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク4によって接続されている。クライアント2とクライアント3は、プログラム1−1又はプログラム1−2を実行する際には、サーバ1よりファイルのダウンロードを行なうとともに、実行する、読む、見るといったファイル操作を行なう。但し、サーバ1からダウンロードされたファイルが圧縮形式である場合にはそのままでは操作不可能であり、一旦ファイル展開処理を行なう必要がある。本明細書中では、圧縮形式のファイルを「操作不可能ファイル形式」とも呼び、また、非圧縮形式のファイルを「操作可能ファイル形式」とも呼ぶ。なお、コンパイル処理が必要なファイルのことを「操作不可能ファイル形式」と呼び、コンパイル処理後のファイルのことを「操作可能ファイル形式」と呼んでもよい。
【0056】
図示の例では、ネットワーク4を介してサーバ1と各クライアント2,3が接続されているが、それ以外の媒体すなわちファイル転送手段を利用した接続又は構成でもあってもよい。例えば、ファイル1−1,1−2がハード・ディスクやDVD(Digital Versatile Disc)などの2次記憶装置に格納され、クライアント2,3…と接続されているとしてもよい。そして、各クライアント2,3…はファイルの操作に際して、それら2次記憶装置からファイルを読み出してメモリ上にロードし実行をするものとしてもよい。
【0057】
図2には、図1に示したネットワーク・システムにおいて、サーバあるいはクライアントとして動作するホスト装置のハードウェア構成を模式的に示している。
【0058】
メイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)101は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行する。本実施形態では、ホストがクライアント端末であれば、CPU101は、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式返還処理を行なうクライアント・アプリケーションを実行する。また、ホストが、サーバとして動作する場合には、CPU101は、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションを実行する。図示の通り、CPU101は、バス108によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0059】
主メモリ102は、CPU101において実行されるプログラム・コードをロードしたり、実行プログラムの作業データを一時保管したりするために使用される記憶装置であり、例えばDRAM(Dynamic RAM)のような半導体メモリが使用される。ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションが実行プログラムとして主メモリ102にロードされる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションが実行プログラムとして主メモリ102にロードされる。
【0060】
また、ROM(Read Only Memory)103は、データを恒久的に格納する半導体メモリであり、例えば、起動時の自己診断テスト(POST:Power On Self Test)や、ハードウェア入出力用のプログラム・コード(BIOS:Basic Input/Output System)などが書き込まれている。
【0061】
ディスプレイ・コントローラ104は、CPU101が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイ・コントローラ103において処理された描画データは、例えばフレーム・バッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、ディスプレイ111によって画面出力される。ディスプレイ111の表示画面は、一般に、操作可能ファイル形式に変換されたファイルの操作画面やファイル実行の処理結果、あるいはエラーその他のシステム・メッセージをユーザに視覚的にフィードバックする役割を持つ。
【0062】
入力機器インターフェース105は、キーボード112やマウス113、あるいはその他のユーザ入力機器を対話装置100に接続するための装置である。例えば、クライアント端末上で、ユーザは、キーボード112やマウス113を用いて、ファイル転送要求やファイル形式の変換処理などの指示を行なうことができる。
【0063】
ネットワーク・インターフェース106は、Ethernet(登録商標)などの所定の通信プロトコルに従って、システム100をLAN(Local Area Network)などの局所的ネットワーク、さらにはインターネットのような広域ネットワークに接続することができる。
【0064】
ネットワーク上では、ファイルを要求するクライアントやファイルを提供するサーバなど、複数のホスト端末がトランスペアレントな状態で接続され、分散コンピューティング環境が構築されている。ネットワーク上では、ソフトウェア・プログラムやデータ・コンテンツなどのコンピュータ・ファイルについての配信サービスを行なうことができる。
【0065】
例えば、ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションをダウンロードすることができる他、サーバへのファイル要求、ファイルの選択要求又はファイル選択に必要な情報の送信などの手続きをネットワーク経由で実行することができる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションをネットワーク経由でダウンロードできる他、クライアントへのファイル転送、転送ファイルのファイル形式を選択するために必要な情報をクライアントから取得するなどの手続きをネットワーク経由で実行することができる。
【0066】
外部機器インターフェース107は、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)114やメディア・ドライブ115などの外部装置をホスト100に接続するための装置である。
【0067】
HDD114は、記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり(周知)、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。ソフトウェア・プログラムを実行可能な状態でHDD114上に置くことを、プログラムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。通常、HDD114には、CPU101が実行すべきオペレーティング・システムのプログラム・コードや、アプリケーション・プログラム、デバイス・ドライバなどが不揮発的に格納されている。
【0068】
例えば、ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションなどを、HDD114上にインストールすることができる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションをHDD114上にインストールすることができる。また、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のファイルをHDD114上に保存することができる。サーバは、各ファイルについて1以上の操作不可能ファイル形式を持っているものとする。
【0069】
メディア・ドライブ115は、CD(Compact Disc)やMO(Magneto−Opticaldisc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型メディアを装填して、そのデータ記録面にアクセスするための装置である。
【0070】
可搬型メディアは、主として、ソフトウェア・プログラムやデータ・ファイルなどをコンピュータ可読形式のデータとしてバックアップすることや、これらをシステム間で移動(すなわち販売・流通・配布を含む)する目的で使用される。例えば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションや、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションなどを、これら可搬型メディアを利用して複数の機器間で物理的に流通・配布することができる。勿論、サーバにおいて提供するファイルを可搬型メディアを介してホスト装置間で移動することもできる。
【0071】
本実施形態に係るネットワーク・システムでは、クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送する。
【0072】
他方、ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的であるが、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならない。このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0073】
本実施形態では、サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測する。そして、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する。これによって、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くすることができる。
【0074】
このような転送ファイルの形式を選択する処理は、サーバ側において、クライアントから所定の情報を取得して行なうようにしてもよいし、逆に、クライアント側において、サーバから所定の情報を取得して行なうようにしてもよい。以下では、サーバ側において転送ファイルの形式を選択する場合の実施形態について詳解する。
【0075】
図3には、クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順をフローチャートの形式で示している。図示のフローチャートは、実際には、クライアント並びにサーバとして動作するそれぞれのホスト端末上で所定のクライアント・アプリケーション並びにサーバ・アプリケーションを実行することによって実現される。以下、同図に示すフローチャートを参照しながら、クライアントからサーバへファイルを転送する手順について詳解する。
【0076】
まず、クライアントがサーバに対してファイルの転送を要求する(ステップS1)。
【0077】
サーバは、ファイル転送要求に応答して、所定のファイル転送速度計算法方法に基づき、ファイル転送速度を計算する。
【0078】
サーバ又はクライアントのいずれかの側において、動的にクライアント又はサーバ間のファイル転送速度を計測することができる。勿論、サーバ又はクライアント側において静的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。あるいは、サーバ又はクライアントのいずれかの側において、ファイル転送中に複数回計測して、動的にファイル転送速度を計測することができる。
【0079】
図示の処理手順では、ファイル転送速度計算法方法は、以下の手順により実現される。
【0080】
サーバは、クライアントにファイル転送速度計測用ファイルの転送を開始するとともに、時間の測定を同時に開始する(ステップS2)。
【0081】
クライアントは、ファイル転送速度計測用ファイルを受信し、その受信を終えたことをサーバに通知する(ステップS3)。
【0082】
サーバは、時間の測定を終え、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズと時間を基に、ファイル転送速度を得る(ステップS4)。その計算式は以下の通りである。
【0083】
【数1】
ファイル転送速度=ファイル転送速度計測用ファイルのサイズ/時間
【0084】
サーバは、得られたファイル転送速度を保持しておく(ステップS5)。
【0085】
次いで、サーバは、ファイル形式変換処理時間計測方法を用いて、ファイル形式変換処理時間を計測する。
【0086】
ここで言うファイル形式の変換処理とは、所定の圧縮アルゴリズムを用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式のファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換することを意味する。勿論、それ以外のファイル形式の変換処理、例えば、コンパイル処理が必要な操作不可能ファイル形式のファイルをコンパイル処理して操作可能ファイル形式に変換することも含まれる。
【0087】
本実施形態では、サーバは、各ファイルについて1以上の操作不可能ファイル形式を持っているものとする。例えば、元のファイルは複数の圧縮アルゴリズム(zip、gzip、lhaなど)を用いて圧縮されている。あるいは、元のファイルは所定の圧縮アルゴリズム(gzipなど)により異なる圧縮率により圧縮されている。このような場合、圧縮形式毎にファイル・サイズ及びファイル形式変換処理時間が必ずしも一致しない。
【0088】
クライアント側では、ファイル形式変換処理、すなわち操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換することにより、ファイルの操作が可能になる。
【0089】
例えば、操作不可能ファイル形式のファイルは、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている。このような場合、クライアント側での単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、転送するファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0090】
あるいは、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理をサーバ側で行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0091】
ここで言うクライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するメモリやプロセッサ、外部記憶装置の処理能力、同時に実行するタスク間のリソース割り当てに基づいて決定される。
【0092】
より具体的に言えば、クライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するプロセッサのクロック数、又はプロセッサのクロック数とプロセッサのタイプに基づいて決定される。
【0093】
例えば、以下の表1に示すように、CPUタイプ毎にファイル形式変換の処理能力を示す指標値をあらかじめ定義しておく。
【0094】
【表1】
【0095】
あるいは、以下の表2に示すように、ホストが装備するメモリ、CPU、外部記憶装置それぞれの処理能力、並びにタスクのリソース割り当てと、ファイル形式変換の処理能力との対応表をあらかじめ定義しておく。
【0096】
【表2】
【0097】
上表において、CPU、メモリ、外部記憶装置についての処理能力はそれぞれクロック数[MHz]、記憶容量[Mbyte]、アクセス速度[Mbps]で表わされる。また、タスクのリソース使用率は最小時及び最小時のパーセンテージで表わされる。ホストが同表よりも大きい値を持つ場合には、表中の最大の値を使用する。ファイル形式変換の処理能力を表わす指標(A,B,C,…)は計測により測定された値、又は所定の計算(シミュレーション)により算出された値である。
【0098】
あるいは、以下の表3に示すように、要求されているファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)と、ファイル形式変換の処理能力との対応表をあらかじめ定義しておく。
【0099】
【表3】
【0100】
上表において、ファイル形式変換の処理能力を表わす指標(A,B,C,…)は計測により測定された値、又は所定の計算(シミュレーション)により算出された値である。
【0101】
図3に示す例では、ファイル形式変換処理をサーバ側で行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算する。この場合の手順は以下の通りである。
【0102】
サーバは、クライアントに対して単位時間当たりの処理能力の値を要求する(ステップS6)。
【0103】
次いで、サーバは、クライアントから得られた値と、サーバの単位時間当たりの処理能力と、サーバにおけるファイル処理時間に基づいて、ファイル形式変換処理時間を計算する(ステップS7)。その計算式は以下の通りである。
【0104】
【数2】
ファイル形式変換処理時間
=サーバ側ファイル展開時間×f(サーバの処理能力,クライアントの処理能力)
【0105】
上式において、f(a,b)はサーバ及びクライアントそれぞれの処理能力a,bを引数とする関数である。ここで、処理能力をCPUクロック数として考えると、関数f(a,b)は下式のように定義される。
【0106】
【数3】
f(a,b)=a/b
【0107】
また、処理能力をCPUクロック数とCPUタイプの組み合わせとして考えると、サーバのCPUクロック数をα、クライアントのCPUクロック数をβ、サーバのCPUタイプにおけるクライアントのCPUタイプ定数γを乗算して、関数fは下式のように定義される。なお、CPUタイプ定数γは表1から得られる値である。
【0108】
【数4】
f((α,β),(γ,1))=α/β×γ
【0109】
次いで、サーバは、ステップS4で得られたファイル転送速度、及びステップS7で得られたファイル形式変換処理時間に基づいて、転送するファイルを選択する。
【0110】
ここでは、まずクライアントに対して、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えているかどうかを問い合わせる(ステップS8)。
【0111】
クライアントがこのようなアルゴリズムを備えている場合には、ファイル形式変換処理時間と非圧縮ファイル(操作不可能ファイル形式のファイル)の転送時間とを比較する(ステップS9)。ファイル転送時間は、非圧縮ファイルのサイズをファイル転送速度で割り算することによって得られる。
【0112】
クライアント側では単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理を行なう場合であって、ファイル形式変換処理時間の方が短い場合には、ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことにより、図4に示すように、ファイル形式変換処理時間をほぼ無視することができる(但し、最後に処理するブロックを除く)。圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と非圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、圧縮ファイル形式のファイル・サイズの方が小さいため、圧縮ファイル形式を常に選択することになる(ステップS10)。
【0113】
この場合、サーバは、単位サイズ毎に展開可能な単位でファイル転送することをクライアントに通知する必要がある(ステップS11)。サーバは、ファイル転送時のヘッダなどにファイル形式を記述した情報を付加して通知するようにしてもよい。あるいは、クライアント側において、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよいし、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0114】
一方、ファイル転送時間の方が短い、つまりファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができないので(図5を参照のこと)、非圧縮ファイルを選択する(ステップS12)。
【0115】
また、クライアントが単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えていない場合には(ステップS8)、圧縮ファイル、非圧縮ファイルをそれぞれ転送開始してからクライアント側でファイル操作可能になるまでの時間を比較する(ステップS13)。圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、クライアント側におけるファイル形式変換処理時間と、圧縮ファイルの転送時間(=圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。また、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、非圧縮ファイルの転送時間(=非圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。
【0116】
圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、圧縮ファイルを選択する(ステップS14)。他方、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、非圧縮ファイルを選択する(ステップS12)。
【0117】
このようにして、クライアントから要求されているファイルを実際に転送するファイル形式が選択されるので、サーバは、選択されたファイルをクライアントにファイル転送する(ステップS15)。
【0118】
クライアント側では、受信したファイルが圧縮又は非圧縮いずれの形式であるかを判別する(ステップS16)。クライアントは、ファイル転送時のヘッダなどに付加されているファイル形式を記述した情報からファイル形式を判別するようにしてもよい。あるいは、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよいし、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0119】
そして、圧縮ファイルが転送されてきた場合には(ステップS17)、クライアント側において、対応する伸張方式を用いてこれを展開処理する(ステップS18)。
【0120】
このような処理手順を経て、クライアント側では、実行する、読む/見る、書くなどのファイル操作が可能な状態となる(ステップS19)。
【0121】
図3に示す例では、要求されているファイルの形式をサーバ側で選択するようになっているが、クライアント側でファイル形式を選択することによって、同様に、ファイルを要求してから操作が可能になるまでの時間がより短くなるようにすることができる。図6には、クライアント側でファイルを選択する場合のサーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順についてフローチャートの形式で示している。
【0122】
まず、クライアントがサーバに対してファイルの転送を要求する(ステップS21)。これに伴い、クライアントは、所定のファイル転送速度計算法方法に基づき、ファイル転送速度を計算する。図示の処理手順では、ファイル転送速度計算法方法は、以下の手順により実現される。
【0123】
クライアントは、サーバにファイル転送速度計測用ファイルの転送を要求するとともに、時間の測定を同時に開始する(ステップS22)。
【0124】
クライアントは、ファイル転送速度計測用ファイルを受信し(ステップS23)、その受信を終えると、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズと時間を基に、ファイル転送速度を得る(ステップS24)。ファイル転送速度は、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズをファイル転送の所要時間で割ることによって求まる(同上)。クライアントは、得られたファイル転送速度を保持しておく(ステップS25)。
【0125】
次いで、クライアントは、サーバに対し、転送するファイルのサイズを要求するとともに(ステップS26)、単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、これらを乗算することによってファイル形式変換処理時間を計算する(ステップS27)。
【0126】
次いで、クライアントは、ステップS24で得られたファイル転送速度、及びステップS27で得られたファイル形式変換処理時間に基づいて、転送するファイルを選択する。
【0127】
ここでは、まずクライアント自身が、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えているかどうかを確認する(ステップS28)。
【0128】
クライアントがこのようなアルゴリズムを備えている場合には、ファイル形式変換処理時間と非圧縮ファイル(操作不可能ファイル形式のファイル)の転送時間とを比較する(ステップS29)。ファイル転送時間は、非圧縮ファイルのサイズをファイル転送速度で割り算することによって得られる。
【0129】
クライアント側では単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理を行なう場合であって、ファイル形式変換処理時間の方が短い場合には、ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことにより、図4に示すように、ファイル形式変換処理時間をほぼ無視することができる(但し、最後に処理するブロックを除く)。圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と非圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、圧縮ファイル形式のファイル・サイズの方が小さいため、圧縮ファイル形式を常に選択することになる(ステップS30)。
【0130】
一方、ファイル転送時間の方が短い、つまりファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができないので(図5を参照のこと)、非圧縮ファイルを選択する(ステップS31)。
【0131】
また、クライアントが単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えていない場合には(ステップS28)、圧縮ファイル、非圧縮ファイルをそれぞれ転送開始してからクライアント側でファイル操作可能になるまでの時間を比較する(ステップS32)。圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、クライアント側におけるファイル形式変換処理時間と、圧縮ファイルの転送時間(=圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。また、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、非圧縮ファイルの転送時間(=非圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。
【0132】
圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、圧縮ファイルを選択する(ステップS33)。他方、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、非圧縮ファイルを選択する(ステップS31)。
【0133】
このようにして、クライアントは、転送要求しているファイルを実際に転送するファイル形式が選択し(ステップS34)、これをサーバに通知することによって、クライアントへのファイル転送が実行される(ステップS35)。
【0134】
そして、圧縮ファイルが転送されてきた場合には(ステップS36)、クライアント側において、対応する伸張方式を用いてこれを展開処理する(ステップS37)。
【0135】
このような処理手順を経て、クライアント側では、実行する、読む/見る、書くなどのファイル操作が可能な状態となる(ステップS38)。
【0136】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0137】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことかできる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0138】
また、本発明によれば、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0139】
本発明によれば、クライアントがサーバにファイルを要求してからファイルを操作することができるようになるまでの時間が短縮される。
【0140】
また、本発明によれば、サーバにファイルを要求するクライアントにおいてファイルを実行するまでのダウンロード、展開、実行といった操作を単一のステップで行なうことができる。
【0141】
また、本発明によれば、ファイル要求元のクライアントに対し圧縮ファイル又は非圧縮ファイルのいずれをダウンロードすべきかを自動で判別することができる。
【0142】
また、本発明によれば、サーバの運営者は、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルのどちらを配置すべきかを悩まずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ処理方法を適用することができるネットワーク・システム全体の構成を模式的に示した図である。
【図2】図1に示したネットワーク・システムにおいて、サーバあるいはクライアントとして動作するホスト装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図3】クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順(但し、サーバ側でファイルを選択する場合)を示したフローチャートである。
【図4】ファイル形式変換処理時間とファイル転送時間の関係を説明するための図である(但し、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えている場合)。
【図5】ファイル形式変換処理時間とファイル転送時間の関係を説明するための図である(但し、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えている場合)。
【図6】クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順(但し、クライアント側でファイルを選択する場合)を示したフローチャートである。
【符号の説明】
100…ホスト
101…CPU,
102…主メモリ,103…ROM
104…ディスプレイ・コントローラ
105…入力機器インターフェース
106…ネットワーク・インターフェース
107…外部機器インターフェース
108…バス
111…ディスプレイ
112…キーボード,113…マウス
114…ハード・ディスク装置
115…メディア・ドライブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ファイル実行環境に応じて圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに係り、特に、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムに関する。
【0003】
【従来の技術】
昨今、情報処理や情報通信などのコンピューティング技術が飛躍的に向上し、コンピュータ・システムが広汎に普及してきている。さらに、コンピュータどうしを相互接続するネットワーク・コンピューティング技術に対する要望も高まってきている。ネットワーク接続環境下では、コンピュータ資源の共有や、情報の共有・流通・配布・交換などの協働的作業を円滑に行なうことができる。
【0004】
現在、多くのコンピュータ同士は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワークにより相互接続されている。コンテンツやプログラムなどのデータをシステム間で移動させたい場合、従来はフレキシブル・ディスクやCD(Compact Disc)などの可搬型の記憶媒体を利用していたが、最近ではネットワーク経由で行われることが多くなってきている。
【0005】
データ移動のうち、プログラムを保管するデータ管理装置(サーバなど)からプログラムを利用するデータ利用装置(クライアントなど)に移動して利用することを、一般に「ダウンロード」と呼ぶ。例えば、ネットワーク上のファイルを実行する、読む、見るといった操作を行なうとき、ネットワーク上からファイルをダウンロードして、それぞれの操作を行なうことになる。
【0006】
他方、原データは一般に冗長性が高く且つサイズが膨大であり、原データのまま記憶装置に格納したりネットワーク上で伝送したりすると、記憶容量や通信負荷が過大となってしまう。このため、ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的となっている。圧縮されたファイルは、展開処理を施して復元してから再び利用に供される。
【0007】
ここで、クライアントがサーバにファイルを要求してから、クライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間は、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間の合計となる。ファイルを圧縮することによりネットワーク上の転送時間を削減することができるが、この場合、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならず、展開時間がかかってしまう。
【0008】
ファイルの展開時間が比較的短くて済みファイルのダウンロード時間が長い場合には、圧縮ファイルを転送することが好ましいが、逆に、ファイルの展開時間が長い場合には、非圧縮のファイルを転送した方がむしろトータルの所要時間は短いことがある。
【0009】
ネットワーク上のファイルは、実行ファイルの場合、その多くに圧縮が施されている。これは、圧縮ファイルのダウンロード時間と圧縮の展開時間が、非圧縮ファイルのダウンロード時間より小さいためである。画像ファイルの場合もjpegやgifに代表されるように、多くの場合圧縮が施されている。
【0010】
しかし、HTML(Hyper Text Markup Language)に代表されるテキスト・ファイルの場合、通常圧縮は施されていない。これは、非圧縮ファイルのダウンロード時間が、圧縮ファイルのダウンロード時間と圧縮ファイルの展開時間より小さいか、実用上差し支えのない時間差となるからである。
【0011】
ファイルのダウンロード時間はファイル・サイズとネットワークのファイル転送速度から決定され、圧縮ファイルの展開時間は処理を行なう処理装置(例えばクライアント)の能力から決定される。
【0012】
ネットワークのファイル転送速度は接続された環境により異なる。100BaseTのイーサーネットであれば100Mbps、10BaseTのイーサーネットであれば10Mbps、802.11Bであれば11Mbps、Bluetoothであれば723Kbpsといった具合である。
【0013】
また、携帯電話のようなモバイル端末や、デスクトップPC、ハイエンド・サーバとでは処理能力が異なるため、圧縮ファイルの展開時間は異なる。
【0014】
このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0015】
しかしながら、圧縮又は非圧縮いずれの形式でファイルをダウンロードすべきかをユーザが判断するのは複雑で難しい。また、その判断を自動で行なうシステムは存在しない。仮にユーザが判断をすることができたとしても、圧縮ファイルあるいは非圧縮ファイルの両方がネットワーク上に存在する訳ではなく、適切な時間で実行することはできない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ファイル実行環境に応じて圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0017】
本発明のさらなる目的は、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことかできる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる目的は、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうデータ処理システムであって、
ファイルを保持するするサーバからファイルを操作するクライアントへファイル転送するファイル転送手段と、
前記サーバ及びクライアント間の前記ファイル転送手段によるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
クライアントがファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システムである。
【0020】
また、本発明の第2の側面は、ファイルを転送して操作可能にするデータ処理システムであって、
ファイルを保持する補助記憶手段と、
演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行手段と、
前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へファイル転送するファイル転送手段と、 前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
前記ファイル操作実行手段においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システムである。
【0021】
但し、ここで言う「システム」とは、複数の装置(又は特定の機能を実現する機能モジュール)が論理的に集合した物のことを言い、各装置や機能モジュールが単一の筐体内にあるか否かは特に問わない。また、ファイルの操作は、ファイルを実行する、ファイルを読む/見る、ファイルを書く、のうちいずれかを含むものとする。
【0022】
また、本発明に係るデータ処理システムは、ファイル転送手段としてのネットワークで相互接続されているサーバからクライアントへファイルを転送する、ネットワーク上のファイル配信システムを対象としてもよいが、スタンドアロンの情報処理装置上で、2次記憶装置からファイルを読み出してメモリ上にロードし実行をするものとしてもよい。
【0023】
ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的となっている。この場合、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならず、展開時間がかかってしまう。ファイルの展開時間が比較的短くて済みファイルのダウンロード時間が長い場合には、圧縮ファイルを転送することが好ましいが、逆に、ファイルの展開時間が長い場合には、非圧縮のファイルを転送した方がむしろトータルの所要時間は短いことがある。
【0024】
このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0025】
本発明に係るデータ処理システムによれば、ファイル転送速度をファイル転送速度取得手段により取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測し、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択することによって、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くすることができる。
【0026】
前記ファイル転送速度取得手段は、サーバ又はクライアント側において動的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を計測するようにしてもよい。例えば、サーバ又はクライアント側においてファイル転送中に複数回計測して、動的にファイル転送速度を計測することができる。あるいは、サーバ又はクライアント側において静的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。
【0027】
また、前記ファイル転送速度取得手段は、動的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を計測するようにしてもよい。あるいは、静的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。
【0028】
また、各ファイル毎に1以上の操作不可能ファイル形式を備えていてもよい。このような場合、各形式毎にファイル・サイズ及びファイル形式変換処理時間が必ずしも一致しない。
【0029】
また、前記ファイル形式変換処理手段は、所定の圧縮アルゴリズムを用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式のファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換する。操作不可能ファイル形式のファイルは、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されていてもよい。
【0030】
この場合、前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを複数の圧縮アルゴリズム(zip、gzip、lhaなど)を用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換するようにしてもよい。また、前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを所定の圧縮アルゴリズム(gzipなど)により異なる圧縮率により圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換するようにしてもよい。
【0031】
あるいは、前記ファイル形式変換処理手段は、コンパイル処理が必要な操作不可能ファイル形式のファイルをコンパイル処理して操作可能ファイル形式に変換する。
【0032】
操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている場合、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、転送するファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0033】
例えば、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルのサイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0034】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0035】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式のサイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)とを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0036】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、ファイル要求元のクライアントからファイル形式変換処理速度を得て、要求されている操作不可能形式ファイルのサイズからファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0037】
あるいは、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理を行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0038】
ここで言うクライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、例えば、各ホストにおいて装備するメモリやプロセッサ、外部記憶装置の処理能力、同時に実行するタスク間のリソース割り当てに基づいて決定される。あるいは、装備するプロセッサのクロック数、又はプロセッサのクロック数とプロセッサのタイプに基づいて決定される。
【0039】
また、前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル操作実行手段によりあらかじめ単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、前記補助記憶手段にあるファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0040】
また、前記転送ファイル選択手段は、サーバ側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択することができる。
【0041】
あるいは、前記転送ファイル選択手段は、クライアント側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択することができる。
【0042】
サーバ又はクライアントのいずれにおいて転送ファイルの形式を選択する場合も、前記転送ファイル選択手段は、(ファイル形式変換処理時間+操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)と(操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択することができる。
【0043】
前記転送ファイル選択手段は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択するようにしてもよい。
【0044】
サーバ側において転送すべきファイルの形式を選択する場合には、クライアント側において、転送ファイルの形式を判別するファイル形式判別手段をさらに備える必要がある。サーバは、ファイル転送時のヘッダなどにファイル形式を記述した情報を付加して、クライアントに通知するようにしてもよい。あるいは、クライアント側において、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよい。あるいは、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0045】
ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことのできるクライアントあるいはファイル操作実行手段の場合、ファイル形式変換処理時間を(最後に処理するブロックを除いてほぼ)無視することができる。このような場合は、転送ファイル選択手段は、操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と操作可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、操作不可能ファイル形式のファイル・サイズが小さいため、操作不可能ファイル形式を常に選択することになる。
【0046】
一方、ファイル転送時間が短い、つまり、ファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができない。この場合は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル形式のファイル・サイズ/ファイル転送速度の双方を比べる必要がある。
【0047】
また、本発明の第3の側面は、ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
クライアントにおいてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0048】
また、本発明の第4の側面は、ファイルを保持する補助記憶装置と、演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行装置とを備えた情報処理システムにおいて前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置にファイルを転送して操作可能にするためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
前記ファイル操作実行装置においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラムである。
【0049】
本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムは、コンピュータ・システム上で所定の処理を実現するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムを定義したものである。換言すれば、本発明の第3及び第4の各側面に係るコンピュータ・プログラムをコンピュータ・システムにインストールすることによって、コンピュータ・システム上では協働的作用が発揮され、本発明の第1及び第2の各側面に係るデータ処理システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0050】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施形態や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳解する。
【0052】
図1には、本発明に係るデータ処理方法を適用することができるネットワーク・システム全体の構成を模式的に示している。このシステムは、サーバ(Server)1と、クライアント(Client)2,3…が、ファイル転送手段としてのネットワーク(Network)4によって相互接続されることによって構成されている。
【0053】
サーバ1やクライアント2,3…は、例えば、ワークステーション(WS)やパーソナル・コンピュータ(PC)などの一般的なコンピュータ・システム上でそれぞれサーバ・ソフトウェアやクライアント・ソフトウェアを起動するという形態で実現される。この種のコンピュータは、中央コントローラとしてのCPU(Central Processing Unit)と、RAMやROMなどのメモリ装置、ハード・ディスクなどの外部記憶装置、ディスプレイやキーボード/マウスなどのユーザ・インターフェースを備え、オペレーティング・システムの制御下でプログラムの実行が行なわれる(後述)。
【0054】
サーバ1は、ファイル1−1、ファイル1−2などの、クライアントに提供することができる複数のファイルを持つ。本実施形態では、サーバ1は、各ファイルを圧縮及び非圧縮の双方の形式で蓄積している。
【0055】
サーバ1とクライアント2、クライアント3は、LAN(Local Area Network)やインターネットなどのネットワーク4によって接続されている。クライアント2とクライアント3は、プログラム1−1又はプログラム1−2を実行する際には、サーバ1よりファイルのダウンロードを行なうとともに、実行する、読む、見るといったファイル操作を行なう。但し、サーバ1からダウンロードされたファイルが圧縮形式である場合にはそのままでは操作不可能であり、一旦ファイル展開処理を行なう必要がある。本明細書中では、圧縮形式のファイルを「操作不可能ファイル形式」とも呼び、また、非圧縮形式のファイルを「操作可能ファイル形式」とも呼ぶ。なお、コンパイル処理が必要なファイルのことを「操作不可能ファイル形式」と呼び、コンパイル処理後のファイルのことを「操作可能ファイル形式」と呼んでもよい。
【0056】
図示の例では、ネットワーク4を介してサーバ1と各クライアント2,3が接続されているが、それ以外の媒体すなわちファイル転送手段を利用した接続又は構成でもあってもよい。例えば、ファイル1−1,1−2がハード・ディスクやDVD(Digital Versatile Disc)などの2次記憶装置に格納され、クライアント2,3…と接続されているとしてもよい。そして、各クライアント2,3…はファイルの操作に際して、それら2次記憶装置からファイルを読み出してメモリ上にロードし実行をするものとしてもよい。
【0057】
図2には、図1に示したネットワーク・システムにおいて、サーバあるいはクライアントとして動作するホスト装置のハードウェア構成を模式的に示している。
【0058】
メイン・コントローラであるCPU(Central Processing Unit)101は、オペレーティング・システム(OS)の制御下で、各種のアプリケーションを実行する。本実施形態では、ホストがクライアント端末であれば、CPU101は、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式返還処理を行なうクライアント・アプリケーションを実行する。また、ホストが、サーバとして動作する場合には、CPU101は、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションを実行する。図示の通り、CPU101は、バス108によって他の機器類(後述)と相互接続されている。
【0059】
主メモリ102は、CPU101において実行されるプログラム・コードをロードしたり、実行プログラムの作業データを一時保管したりするために使用される記憶装置であり、例えばDRAM(Dynamic RAM)のような半導体メモリが使用される。ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションが実行プログラムとして主メモリ102にロードされる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションが実行プログラムとして主メモリ102にロードされる。
【0060】
また、ROM(Read Only Memory)103は、データを恒久的に格納する半導体メモリであり、例えば、起動時の自己診断テスト(POST:Power On Self Test)や、ハードウェア入出力用のプログラム・コード(BIOS:Basic Input/Output System)などが書き込まれている。
【0061】
ディスプレイ・コントローラ104は、CPU101が発行する描画命令を実際に処理するための専用コントローラである。ディスプレイ・コントローラ103において処理された描画データは、例えばフレーム・バッファ(図示しない)に一旦書き込まれた後、ディスプレイ111によって画面出力される。ディスプレイ111の表示画面は、一般に、操作可能ファイル形式に変換されたファイルの操作画面やファイル実行の処理結果、あるいはエラーその他のシステム・メッセージをユーザに視覚的にフィードバックする役割を持つ。
【0062】
入力機器インターフェース105は、キーボード112やマウス113、あるいはその他のユーザ入力機器を対話装置100に接続するための装置である。例えば、クライアント端末上で、ユーザは、キーボード112やマウス113を用いて、ファイル転送要求やファイル形式の変換処理などの指示を行なうことができる。
【0063】
ネットワーク・インターフェース106は、Ethernet(登録商標)などの所定の通信プロトコルに従って、システム100をLAN(Local Area Network)などの局所的ネットワーク、さらにはインターネットのような広域ネットワークに接続することができる。
【0064】
ネットワーク上では、ファイルを要求するクライアントやファイルを提供するサーバなど、複数のホスト端末がトランスペアレントな状態で接続され、分散コンピューティング環境が構築されている。ネットワーク上では、ソフトウェア・プログラムやデータ・コンテンツなどのコンピュータ・ファイルについての配信サービスを行なうことができる。
【0065】
例えば、ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションをダウンロードすることができる他、サーバへのファイル要求、ファイルの選択要求又はファイル選択に必要な情報の送信などの手続きをネットワーク経由で実行することができる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションをネットワーク経由でダウンロードできる他、クライアントへのファイル転送、転送ファイルのファイル形式を選択するために必要な情報をクライアントから取得するなどの手続きをネットワーク経由で実行することができる。
【0066】
外部機器インターフェース107は、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)114やメディア・ドライブ115などの外部装置をホスト100に接続するための装置である。
【0067】
HDD114は、記憶担体としての磁気ディスクを固定的に搭載した外部記憶装置であり(周知)、記憶容量やデータ転送速度などの点で他の外部記憶装置よりも優れている。ソフトウェア・プログラムを実行可能な状態でHDD114上に置くことを、プログラムのシステムへの「インストール」と呼ぶ。通常、HDD114には、CPU101が実行すべきオペレーティング・システムのプログラム・コードや、アプリケーション・プログラム、デバイス・ドライバなどが不揮発的に格納されている。
【0068】
例えば、ホストがクライアント端末であれば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションなどを、HDD114上にインストールすることができる。また、ホストがサーバとして動作する場合には、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションをHDD114上にインストールすることができる。また、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のファイルをHDD114上に保存することができる。サーバは、各ファイルについて1以上の操作不可能ファイル形式を持っているものとする。
【0069】
メディア・ドライブ115は、CD(Compact Disc)やMO(Magneto−Opticaldisc)、DVD(Digital Versatile Disc)などの可搬型メディアを装填して、そのデータ記録面にアクセスするための装置である。
【0070】
可搬型メディアは、主として、ソフトウェア・プログラムやデータ・ファイルなどをコンピュータ可読形式のデータとしてバックアップすることや、これらをシステム間で移動(すなわち販売・流通・配布を含む)する目的で使用される。例えば、サーバへのファイル要求やファイル形式の選択、ファイルのダウンロード、ダウンロードした操作不可能ファイル形式のファイルを操作可能ファイル形式に変換するファイル形式変換処理を行なうクライアント・アプリケーションや、クライアントへのファイル転送や、操作可能ファイル形式のファイルの操作不可能ファイル形式への変換、ファイル蓄積、ファイル形式の選択処理などを行なうサーバ・アプリケーションなどを、これら可搬型メディアを利用して複数の機器間で物理的に流通・配布することができる。勿論、サーバにおいて提供するファイルを可搬型メディアを介してホスト装置間で移動することもできる。
【0071】
本実施形態に係るネットワーク・システムでは、クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送する。
【0072】
他方、ファイルを蓄積したり伝送したりする際には、ファイルを一旦符号化して冗長性を取り除く、すなわち圧縮処理を施すのが一般的であるが、ファイルのダウンロード先となるクライアントにおいて、圧縮ファイルを展開処理しなければならない。このようなファイル操作環境下では、ネットワーク上のファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くするためには、(a)圧縮ファイルをダウンロードし、ファイルの展開を行ない、目的の操作を行なうという方法と、(b)非圧縮ファイルをダウンロードし目的の操作を行なうという方法とから時間の短い方法を選択する必要がある。
【0073】
本実施形態では、サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するとともに、ファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測する。そして、ファイル転送速度及びファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する。これによって、ファイルを要求してからファイルを実行する/読む/見るといった操作を行なうまでにかかる時間をより短くすることができる。
【0074】
このような転送ファイルの形式を選択する処理は、サーバ側において、クライアントから所定の情報を取得して行なうようにしてもよいし、逆に、クライアント側において、サーバから所定の情報を取得して行なうようにしてもよい。以下では、サーバ側において転送ファイルの形式を選択する場合の実施形態について詳解する。
【0075】
図3には、クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順をフローチャートの形式で示している。図示のフローチャートは、実際には、クライアント並びにサーバとして動作するそれぞれのホスト端末上で所定のクライアント・アプリケーション並びにサーバ・アプリケーションを実行することによって実現される。以下、同図に示すフローチャートを参照しながら、クライアントからサーバへファイルを転送する手順について詳解する。
【0076】
まず、クライアントがサーバに対してファイルの転送を要求する(ステップS1)。
【0077】
サーバは、ファイル転送要求に応答して、所定のファイル転送速度計算法方法に基づき、ファイル転送速度を計算する。
【0078】
サーバ又はクライアントのいずれかの側において、動的にクライアント又はサーバ間のファイル転送速度を計測することができる。勿論、サーバ又はクライアント側において静的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を決定しておくようにしてもよい。あるいは、サーバ又はクライアントのいずれかの側において、ファイル転送中に複数回計測して、動的にファイル転送速度を計測することができる。
【0079】
図示の処理手順では、ファイル転送速度計算法方法は、以下の手順により実現される。
【0080】
サーバは、クライアントにファイル転送速度計測用ファイルの転送を開始するとともに、時間の測定を同時に開始する(ステップS2)。
【0081】
クライアントは、ファイル転送速度計測用ファイルを受信し、その受信を終えたことをサーバに通知する(ステップS3)。
【0082】
サーバは、時間の測定を終え、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズと時間を基に、ファイル転送速度を得る(ステップS4)。その計算式は以下の通りである。
【0083】
【数1】
ファイル転送速度=ファイル転送速度計測用ファイルのサイズ/時間
【0084】
サーバは、得られたファイル転送速度を保持しておく(ステップS5)。
【0085】
次いで、サーバは、ファイル形式変換処理時間計測方法を用いて、ファイル形式変換処理時間を計測する。
【0086】
ここで言うファイル形式の変換処理とは、所定の圧縮アルゴリズムを用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式のファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換することを意味する。勿論、それ以外のファイル形式の変換処理、例えば、コンパイル処理が必要な操作不可能ファイル形式のファイルをコンパイル処理して操作可能ファイル形式に変換することも含まれる。
【0087】
本実施形態では、サーバは、各ファイルについて1以上の操作不可能ファイル形式を持っているものとする。例えば、元のファイルは複数の圧縮アルゴリズム(zip、gzip、lhaなど)を用いて圧縮されている。あるいは、元のファイルは所定の圧縮アルゴリズム(gzipなど)により異なる圧縮率により圧縮されている。このような場合、圧縮形式毎にファイル・サイズ及びファイル形式変換処理時間が必ずしも一致しない。
【0088】
クライアント側では、ファイル形式変換処理、すなわち操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換することにより、ファイルの操作が可能になる。
【0089】
例えば、操作不可能ファイル形式のファイルは、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている。このような場合、クライアント側での単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、転送するファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0090】
あるいは、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理をサーバ側で行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算することができる。
【0091】
ここで言うクライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するメモリやプロセッサ、外部記憶装置の処理能力、同時に実行するタスク間のリソース割り当てに基づいて決定される。
【0092】
より具体的に言えば、クライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するプロセッサのクロック数、又はプロセッサのクロック数とプロセッサのタイプに基づいて決定される。
【0093】
例えば、以下の表1に示すように、CPUタイプ毎にファイル形式変換の処理能力を示す指標値をあらかじめ定義しておく。
【0094】
【表1】
【0095】
あるいは、以下の表2に示すように、ホストが装備するメモリ、CPU、外部記憶装置それぞれの処理能力、並びにタスクのリソース割り当てと、ファイル形式変換の処理能力との対応表をあらかじめ定義しておく。
【0096】
【表2】
【0097】
上表において、CPU、メモリ、外部記憶装置についての処理能力はそれぞれクロック数[MHz]、記憶容量[Mbyte]、アクセス速度[Mbps]で表わされる。また、タスクのリソース使用率は最小時及び最小時のパーセンテージで表わされる。ホストが同表よりも大きい値を持つ場合には、表中の最大の値を使用する。ファイル形式変換の処理能力を表わす指標(A,B,C,…)は計測により測定された値、又は所定の計算(シミュレーション)により算出された値である。
【0098】
あるいは、以下の表3に示すように、要求されているファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)と、ファイル形式変換の処理能力との対応表をあらかじめ定義しておく。
【0099】
【表3】
【0100】
上表において、ファイル形式変換の処理能力を表わす指標(A,B,C,…)は計測により測定された値、又は所定の計算(シミュレーション)により算出された値である。
【0101】
図3に示す例では、ファイル形式変換処理をサーバ側で行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算する。この場合の手順は以下の通りである。
【0102】
サーバは、クライアントに対して単位時間当たりの処理能力の値を要求する(ステップS6)。
【0103】
次いで、サーバは、クライアントから得られた値と、サーバの単位時間当たりの処理能力と、サーバにおけるファイル処理時間に基づいて、ファイル形式変換処理時間を計算する(ステップS7)。その計算式は以下の通りである。
【0104】
【数2】
ファイル形式変換処理時間
=サーバ側ファイル展開時間×f(サーバの処理能力,クライアントの処理能力)
【0105】
上式において、f(a,b)はサーバ及びクライアントそれぞれの処理能力a,bを引数とする関数である。ここで、処理能力をCPUクロック数として考えると、関数f(a,b)は下式のように定義される。
【0106】
【数3】
f(a,b)=a/b
【0107】
また、処理能力をCPUクロック数とCPUタイプの組み合わせとして考えると、サーバのCPUクロック数をα、クライアントのCPUクロック数をβ、サーバのCPUタイプにおけるクライアントのCPUタイプ定数γを乗算して、関数fは下式のように定義される。なお、CPUタイプ定数γは表1から得られる値である。
【0108】
【数4】
f((α,β),(γ,1))=α/β×γ
【0109】
次いで、サーバは、ステップS4で得られたファイル転送速度、及びステップS7で得られたファイル形式変換処理時間に基づいて、転送するファイルを選択する。
【0110】
ここでは、まずクライアントに対して、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えているかどうかを問い合わせる(ステップS8)。
【0111】
クライアントがこのようなアルゴリズムを備えている場合には、ファイル形式変換処理時間と非圧縮ファイル(操作不可能ファイル形式のファイル)の転送時間とを比較する(ステップS9)。ファイル転送時間は、非圧縮ファイルのサイズをファイル転送速度で割り算することによって得られる。
【0112】
クライアント側では単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理を行なう場合であって、ファイル形式変換処理時間の方が短い場合には、ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことにより、図4に示すように、ファイル形式変換処理時間をほぼ無視することができる(但し、最後に処理するブロックを除く)。圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と非圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、圧縮ファイル形式のファイル・サイズの方が小さいため、圧縮ファイル形式を常に選択することになる(ステップS10)。
【0113】
この場合、サーバは、単位サイズ毎に展開可能な単位でファイル転送することをクライアントに通知する必要がある(ステップS11)。サーバは、ファイル転送時のヘッダなどにファイル形式を記述した情報を付加して通知するようにしてもよい。あるいは、クライアント側において、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよいし、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0114】
一方、ファイル転送時間の方が短い、つまりファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができないので(図5を参照のこと)、非圧縮ファイルを選択する(ステップS12)。
【0115】
また、クライアントが単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えていない場合には(ステップS8)、圧縮ファイル、非圧縮ファイルをそれぞれ転送開始してからクライアント側でファイル操作可能になるまでの時間を比較する(ステップS13)。圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、クライアント側におけるファイル形式変換処理時間と、圧縮ファイルの転送時間(=圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。また、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、非圧縮ファイルの転送時間(=非圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。
【0116】
圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、圧縮ファイルを選択する(ステップS14)。他方、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、非圧縮ファイルを選択する(ステップS12)。
【0117】
このようにして、クライアントから要求されているファイルを実際に転送するファイル形式が選択されるので、サーバは、選択されたファイルをクライアントにファイル転送する(ステップS15)。
【0118】
クライアント側では、受信したファイルが圧縮又は非圧縮いずれの形式であるかを判別する(ステップS16)。クライアントは、ファイル転送時のヘッダなどに付加されているファイル形式を記述した情報からファイル形式を判別するようにしてもよい。あるいは、転送ファイルの拡張子(zip、gzip、lha)などを参照して操作不可能ファイル形式であることを判断してもよいし、サーバ側から単位サイズ毎に転送することを通知されたことによって、ファイル形式を判別するようにしてもよい。
【0119】
そして、圧縮ファイルが転送されてきた場合には(ステップS17)、クライアント側において、対応する伸張方式を用いてこれを展開処理する(ステップS18)。
【0120】
このような処理手順を経て、クライアント側では、実行する、読む/見る、書くなどのファイル操作が可能な状態となる(ステップS19)。
【0121】
図3に示す例では、要求されているファイルの形式をサーバ側で選択するようになっているが、クライアント側でファイル形式を選択することによって、同様に、ファイルを要求してから操作が可能になるまでの時間がより短くなるようにすることができる。図6には、クライアント側でファイルを選択する場合のサーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順についてフローチャートの形式で示している。
【0122】
まず、クライアントがサーバに対してファイルの転送を要求する(ステップS21)。これに伴い、クライアントは、所定のファイル転送速度計算法方法に基づき、ファイル転送速度を計算する。図示の処理手順では、ファイル転送速度計算法方法は、以下の手順により実現される。
【0123】
クライアントは、サーバにファイル転送速度計測用ファイルの転送を要求するとともに、時間の測定を同時に開始する(ステップS22)。
【0124】
クライアントは、ファイル転送速度計測用ファイルを受信し(ステップS23)、その受信を終えると、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズと時間を基に、ファイル転送速度を得る(ステップS24)。ファイル転送速度は、ファイル転送速度計測用ファイルのサイズをファイル転送の所要時間で割ることによって求まる(同上)。クライアントは、得られたファイル転送速度を保持しておく(ステップS25)。
【0125】
次いで、クライアントは、サーバに対し、転送するファイルのサイズを要求するとともに(ステップS26)、単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、これらを乗算することによってファイル形式変換処理時間を計算する(ステップS27)。
【0126】
次いで、クライアントは、ステップS24で得られたファイル転送速度、及びステップS27で得られたファイル形式変換処理時間に基づいて、転送するファイルを選択する。
【0127】
ここでは、まずクライアント自身が、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えているかどうかを確認する(ステップS28)。
【0128】
クライアントがこのようなアルゴリズムを備えている場合には、ファイル形式変換処理時間と非圧縮ファイル(操作不可能ファイル形式のファイル)の転送時間とを比較する(ステップS29)。ファイル転送時間は、非圧縮ファイルのサイズをファイル転送速度で割り算することによって得られる。
【0129】
クライアント側では単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理を行なう場合であって、ファイル形式変換処理時間の方が短い場合には、ファイルの転送と同時にファイル形式変換処理を行なうことにより、図4に示すように、ファイル形式変換処理時間をほぼ無視することができる(但し、最後に処理するブロックを除く)。圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度と非圧縮ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度を比べればよいが、圧縮ファイル形式のファイル・サイズの方が小さいため、圧縮ファイル形式を常に選択することになる(ステップS30)。
【0130】
一方、ファイル転送時間の方が短い、つまりファイル転送速度が速い場合には、ファイル形式変換処理時間を無視することができないので(図5を参照のこと)、非圧縮ファイルを選択する(ステップS31)。
【0131】
また、クライアントが単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えていない場合には(ステップS28)、圧縮ファイル、非圧縮ファイルをそれぞれ転送開始してからクライアント側でファイル操作可能になるまでの時間を比較する(ステップS32)。圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、クライアント側におけるファイル形式変換処理時間と、圧縮ファイルの転送時間(=圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。また、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間は、非圧縮ファイルの転送時間(=非圧縮ファイル・サイズ/ファイル転送速度)で表わされる。
【0132】
圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、圧縮ファイルを選択する(ステップS33)。他方、非圧縮ファイルを操作可能になるまでの時間の方が短い場合には、非圧縮ファイルを選択する(ステップS31)。
【0133】
このようにして、クライアントは、転送要求しているファイルを実際に転送するファイル形式が選択し(ステップS34)、これをサーバに通知することによって、クライアントへのファイル転送が実行される(ステップS35)。
【0134】
そして、圧縮ファイルが転送されてきた場合には(ステップS36)、クライアント側において、対応する伸張方式を用いてこれを展開処理する(ステップS37)。
【0135】
このような処理手順を経て、クライアント側では、実行する、読む/見る、書くなどのファイル操作が可能な状態となる(ステップS38)。
【0136】
[追補]
以上、特定の実施形態を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施形態の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、本明書の記載内容を限定的に解釈するべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0137】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、クライアントがサーバにファイルを要求してからクライアント上でファイルを利用可能になるまでの所要時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことかできる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0138】
また、本発明によれば、ファイルのダウンロード時間とファイルの展開時間を考慮して、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルを好適に選択してダウンロード処理を行なうことができる、優れたデータ処理システム及びデータ処理方法、並びにコンピュータ・プログラムを提供することができる。
【0139】
本発明によれば、クライアントがサーバにファイルを要求してからファイルを操作することができるようになるまでの時間が短縮される。
【0140】
また、本発明によれば、サーバにファイルを要求するクライアントにおいてファイルを実行するまでのダウンロード、展開、実行といった操作を単一のステップで行なうことができる。
【0141】
また、本発明によれば、ファイル要求元のクライアントに対し圧縮ファイル又は非圧縮ファイルのいずれをダウンロードすべきかを自動で判別することができる。
【0142】
また、本発明によれば、サーバの運営者は、圧縮ファイル又は非圧縮ファイルのどちらを配置すべきかを悩まずに済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデータ処理方法を適用することができるネットワーク・システム全体の構成を模式的に示した図である。
【図2】図1に示したネットワーク・システムにおいて、サーバあるいはクライアントとして動作するホスト装置のハードウェア構成を模式的に示した図である。
【図3】クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順(但し、サーバ側でファイルを選択する場合)を示したフローチャートである。
【図4】ファイル形式変換処理時間とファイル転送時間の関係を説明するための図である(但し、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えている場合)。
【図5】ファイル形式変換処理時間とファイル転送時間の関係を説明するための図である(但し、単位サイズ毎に展開可能なファイル形式変換処理のアルゴリズムを備えている場合)。
【図6】クライアント側からのファイル要求などに応じて、サーバがクライアントへファイルを転送するための処理手順(但し、クライアント側でファイルを選択する場合)を示したフローチャートである。
【符号の説明】
100…ホスト
101…CPU,
102…主メモリ,103…ROM
104…ディスプレイ・コントローラ
105…入力機器インターフェース
106…ネットワーク・インターフェース
107…外部機器インターフェース
108…バス
111…ディスプレイ
112…キーボード,113…マウス
114…ハード・ディスク装置
115…メディア・ドライブ
Claims (51)
- ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうデータ処理システムであって、
ファイルを保持するするサーバからファイルを操作するクライアントへファイル転送するファイル転送手段と、
前記サーバ及びクライアント間の前記ファイル転送手段によるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
クライアントがファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とするデータ処理システム。 - ファイルを転送して操作可能にするデータ処理システムであって、
ファイルを保持する補助記憶手段と、
演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行手段と、
前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へファイル転送するファイル転送手段と、
前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
前記ファイル操作実行手段においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測手段によるファイル形式変換処理時間の計測結果に基づいて、前記補助記憶手段から前記ファイル操作実行手段に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを徴とするデータ処理システム。 - 前記のファイルの操作は、ファイルを実行する、ファイルを読む/見る、ファイルを書く、のうちいずれかを含む、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送速度取得手段は、サーバ又はクライアント側において動的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送速度取得手段は、サーバ又はクライアント側において静的にクライアント又はサーバとのファイル転送速度を決定しておく、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送速度取得手段は、サーバ又はクライアント側においてファイル転送中に複数回計測して、動的にファイル転送速度を計測する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送速度取得手段は、動的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を計測する、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送速度取得手段は、静的に前記補助記憶手段と前記ファイル操作実行手段との間のファイル転送速度を決定しておく、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。 - 各ファイル毎に1以上の操作不可能ファイル形式を持ち、各形式毎にファイル・サイズ及びファイル形式変換処理時間が必ずしも一致しない、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理手段は、所定の圧縮アルゴリズムを用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式のファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている、
ことを特徴とする請求項10に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理手段は、コンパイル処理が必要な操作不可能ファイル形式のファイルをコンパイル処理して操作可能ファイル形式に変換する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを複数の圧縮アルゴリズム(zip、gzip、lhaなど)を用いて圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理手段は、元のファイルを所定の圧縮アルゴリズム(gzipなど)により異なる圧縮率により圧縮されてなる操作不可能ファイル形式の各ファイルを対応する伸張方式を用いて展開処理して操作可能ファイル形式に変換する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、前記ファイル転送手段により転送するファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルのサイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項15に記載のデータ処理システム。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項15に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、クライアント側において、サーバに要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)とを該サーバから得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項15に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、ファイル要求元のクライアントからファイル形式変換処理速度を得て、要求されている操作不可能形式ファイルのサイズからファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項15に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、サーバ側において、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理を行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元のクライアントの単位時間当たりの計算能力とサーバの単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項15に記載のデータ処理システム。 - クライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するメモリやプロセッサ、外部記憶装置の処理能力、同時に実行するタスク間のリソース割り当てに基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項20に記載のデータ処理システム。 - クライアント又はサーバの単位時間当たりの計算能力は、装備するプロセッサのクロック数、又はプロセッサのクロック数とプロセッサのタイプに基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項20に記載のデータ処理システム。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル操作実行手段によりあらかじめ単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておき、前記補助記憶手段にあるファイルのサイズを得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項2に記載のデータ処理システム。 - 前記転送ファイル選択手段は、サーバ側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記転送ファイル選択手段は、クライアント側において、ファイル転送速度と、ファイル形式変換処理時間と、操作可能及び操作不可能ファイル形式のファイル・サイズを取得して、転送ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記転送ファイル選択手段は、(ファイル形式変換処理時間+操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)と(操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記転送ファイル選択手段は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記転送ファイル選択手段は、サーバ側において転送すべきファイルの形式を選択し、
クライアント側において、転送ファイルの形式を判別するファイル形式判別手段をさらに備える、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル形式判別手段は、サーバから通知される情報に基づいてファイル形式を判別する、
ことを特徴とする請求項28に記載のデータ処理システム。 - サーバは、操作可能ファイル形式ファイルのコピーを操作不可能ファイル形式に変換して蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - サーバは、外部で作成された操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式のファイルを蓄積する、
ことを特徴とする請求項1に記載のデータ処理システム。 - 前記ファイル転送手段は、単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されている圧縮ファイルを単位サイズ毎に転送し、単位サイズ毎に転送することをファイル転送先に通知する、
ことを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のデータ処理システム。 - ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうためのデータ処理方法であって、
前記サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
クライアントにおいてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするデータ処理方法。 - ファイルを保持する補助記憶装置と、演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行装置とを備えた情報処理システム上で、前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置にファイルを転送して操作可能にするためのデータ処理方法であって、
前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
前記ファイル操作実行装置においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするデータ処理方法。 - ファイル要求に応じてファイルを提供する情報処理装置であって、
提供するファイルを操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式で保持するファイル蓄積手段と、
ファイルをファイル要求元に転送するファイル転送手段と、
前記ファイル転送手段によるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
ファイル要求元においてファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を取得するファイル形式変換処理時間取得手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得手段により取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。 - 前記ファイル形式変換処理時間取得手段は、ファイル要求元からファイル形式変換処理速度を得て、要求されている操作不可能形式ファイルのサイズからファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。 - 前記ファイル形式変換処理時間取得手段は、要求されている操作不可能形式ファイルのファイル形式変換処理を行ない、そのときのファイル形式変換処理時間を計測と、ファイル要求元の単位時間当たりの計算能力と当該装置の単位時間当たりの計算能力の比較からファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。 - 前記転送ファイル選択手段は、(ファイル形式変換処理時間+操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)と(操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。 - 前記転送ファイル選択手段は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項35に記載の情報処理装置。 - ファイルを要求してファイルを操作可能にする情報処理装置であって、
ファイルをファイル要求先から転送するファイル転送手段と、
前記ファイル転送手段によるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得手段と、
ファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理手段と、
前記ファイル形式変換処理手段によりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測手段と、
前記ファイル転送速度取得手段により取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得手段により取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを要求するかを選択する転送ファイル選択手段と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、要求したファイルのサイズをファイル要求先から得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項40に記載の情報処理装置。 - 操作不可能ファイル形式のファイルは単位サイズ毎に展開可能なアルゴリズムで圧縮されており、
前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、前記ファイル形式変換処理手段により単位ファイル・サイズ当たりのファイル形式変換処理に要する時間を計測しておくとともに、要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズをファイル要求先から得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項40に記載の情報処理装置。 - 前記ファイル形式変換処理時間計測手段は、要求したファイルの操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式の各サイズの比率と、前記ファイル形式変換処理手段によるファイル形式変換処理の種別(zip、gzip、lhaなど)とをファイル要求先から得ることによりファイル形式変換処理時間を計算する、
ことを特徴とする請求項40に記載の情報処理装置。 - 前記転送ファイル選択手段は、(ファイル形式変換処理時間+操作不可能ファイル形式のファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)と(操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間)を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項40に記載の情報処理装置。 - 前記転送ファイル選択手段は、ファイル形式変換処理時間と操作可能ファイル・サイズ又はファイル転送速度から得られるファイル転送時間を比較し、前者が小さい場合に操作不可能ファイルを転送し、後者が小さい場合に操作可能ファイルを選択する、
ことを特徴とする請求項40に記載の情報処理装置。 - ファイル要求に応じてファイルを提供するための情報処理方法であって、
提供するファイルを操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式で保持するファイル蓄積ステップと、
ファイルをファイル要求元に転送するファイル転送ステップと、
前記ファイル転送ステップによるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
ファイル要求元においてファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を取得するファイル形式変換処理時間取得ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得ステップにより取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とする情報処理方法。 - ファイルを要求してファイルを操作可能にするための情報処理方法であって、
ファイルをファイル要求先から転送するファイル転送ステップと、
前記ファイル転送ステップによるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
ファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理ステップと、
前記ファイル形式変換処理ステップによりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得ステップにより取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを要求するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とする情報処理方法。 - ネットワーク上でファイルのダウンロード処理を行なうためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記サーバ及びクライアント間のファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
クライアントにおいてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、サーバからクライアントに操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - ファイルを保持する補助記憶装置と、演算処理装置と主記憶装置とファイル操作プログラムからなりファイルの操作を行なうファイル操作実行装置とを備えた情報処理システムにおいて前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置にファイルを転送して操作可能にするためのデータ処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置へのファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
前記ファイル操作実行装置においてファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間計測ステップにより計測されたファイル形式変換処理時間に基づいて、前記補助記憶装置から前記ファイル操作実行装置に操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - ファイル要求に応じてファイルを提供するための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
提供するファイルを操作可能ファイル形式及び操作不可能ファイル形式で保持するファイル蓄積ステップと、
ファイルをファイル要求元に転送するファイル転送ステップと、
前記ファイル転送ステップによるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
ファイル要求元においてファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を取得するファイル形式変換処理時間取得ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得ステップにより取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを転送するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。 - ファイルを要求してファイルを操作可能にするための処理をコンピュータ・システム上で実行するようにコンピュータ可読形式で記述されたコンピュータ・プログラムであって、
ファイルをファイル要求先から転送するファイル転送ステップと、
前記ファイル転送ステップによるファイル転送速度を取得するファイル転送速度取得ステップと、
ファイルを操作することができない操作不可能ファイル形式からファイルを操作することができる操作可能ファイル形式にファイルを変換するファイル形式変換処理ステップと、
前記ファイル形式変換処理ステップによりファイルを操作不可能ファイル形式から操作可能ファイル形式にファイル形式変換処理するのに要するファイル形式変換処理時間を計測するファイル形式変換処理時間計測ステップと、
前記ファイル転送速度取得ステップにより取得されたファイル転送速度及び前記ファイル形式変換処理時間取得ステップにより取得されたファイル形式変換処理時間に基づいて、操作可能ファイル形式又は操作不可能ファイル形式のうちいずれのファイルを要求するかを選択する転送ファイル選択ステップと、
を具備することを特徴とするコンピュータ・プログラム。
Priority Applications (1)
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JP2003024820A JP2004234539A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | データ処理システム及びデータ処理方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム |
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JP2003024820A Pending JP2004234539A (ja) | 2003-01-31 | 2003-01-31 | データ処理システム及びデータ処理方法、情報処理装置及び情報処理方法、並びにコンピュータ・プログラム |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101610328A (zh) * | 2009-06-19 | 2009-12-23 | 中兴通讯股份有限公司 | 一种voip媒体网关获取语音资源的方法及系统 |
JP2021043843A (ja) * | 2019-09-13 | 2021-03-18 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | 転送装置、電子制御装置及びこれを製造する方法 |
WO2024075306A1 (ja) * | 2022-10-07 | 2024-04-11 | 富士通株式会社 | 転送方法、転送プログラム、および情報処理装置 |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024820A patent/JP2004234539A/ja active Pending
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