JP2004233458A - 物品監視用ラベル - Google Patents
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Abstract
【課題】被検知体を検知するシステムが異なる複数のEASシステムに用いても効果的に作動する、ラベルを提供する。
【解決手段】EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される物品に取付けられるラベル14であって、ラベル14は、所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される複数の感磁性被検知体22,24を含み、複数の感磁性被検知体22,24は、物品を検知して監視するシステムが異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対応して検知されるように、それぞれ、磁気特性が異なるように形成される。
【選択図】 図1
【解決手段】EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される物品に取付けられるラベル14であって、ラベル14は、所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される複数の感磁性被検知体22,24を含み、複数の感磁性被検知体22,24は、物品を検知して監視するシステムが異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対応して検知されるように、それぞれ、磁気特性が異なるように形成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、物品監視用ラベルに関し、店舗,図書館,展示場等において商品または所蔵品等の物品に取付けられ、該物品の監視または盗難の防止等に使用される物品監視用ラベルであって、特に、感磁性材料からなる感磁性被検知体を備えた、物品監視用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、百貨店,スーパーマーケット,小売店,図書館,展示場などから物品が無断で持ち出される被害が急増しているといわれている。
このような物品の無断持ち出しや盗難を防止するために、物品に例えば線状あるいは帯状の感磁性被検知体入りラベルを貼り付けておき、物品が検知領域を通過する際に、このラベルの感磁性被検知体から発生する磁界変化を検知して警報を発するシステム、所謂、EASシステム(電子的物品監視システム)が採用されている。
この場合、ラベルの感磁性被検知体は、該EASシステムの探知領域内において、所定の変化をする外部磁界にさらされる。すると、外部磁界により被検知体自身の磁化状態が変化し、その磁化状態の変化に対応して被検知体から発せられる磁界が所定の変化をする。EASシステムは、この被検知体から発せられる所定の磁界変化が検知されたときに警報が発せられるようにしたシステムである。
感磁性被検知体に用いられる材料としては、パーマロイ,センダスト等の高透磁率合金材料、Co−B系,Co−Fe−B系,Co−Fe−Ni−B系,Fe−Ni−Mo−B系,Fe−Ni−P−B系,Fe−Ni−B系,Fe−B系,Fe−Mo−B系,Co−Fe−Mo−B−Si系等の非晶質金属材料(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)、Fe−Si系、Ni−Fe系等の大バルクハウゼンジャンプを示す金属材料(例えば、特許文献5参照。)、および、ソフトフェライト等の酸化物材料(例えば、特許文献6参照。)などの比較的弱い外部磁界の変化で磁化状態が変化する、所謂、軟磁性の各種磁性材料が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭55−143695号公報
【特許文献2】
特開平9−22492号公報
【特許文献3】
特開平9−22493号公報
【特許文献4】
特開平9−22494号公報
【特許文献5】
特許第3305960号公報
【特許文献6】
特開2002−245559号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の磁性材料は、その材料によって磁気特性が異なるので、材料の磁気特性、つまり、保磁力等の磁気特性にあわせてEASシステムが開発され、実用化されている。
したがって、たとえば非晶質材料からなる被検知体を有するラベルaが効果的に作動するように設計されたEASシステムAでは、たとえば大バルクハウゼンジャンプを示す金属材料からなる被検知体を有するラベルbが該EASシステムAの探知領域内を通過しても、該EASシステムAは、ラベルbの被検知体を検知することができないという問題があった。
同様に、上記ラベルbが効果的に作動するように設計されたEASシステムBでは、ラベルaが該EASシステムBの探知領域内を通過しても、該EASシステムBは、ラベルaの被検知体を検知することができないという問題があった。
【0005】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、被検知体を検知するシステムが異なる複数のEASシステムに用いても効果的に作動する、物品監視用ラベルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる本願発明は、EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される物品に取付けられる物品監視用ラベルであって、物品監視用ラベルは、所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される複数の感磁性被検知体を含み、複数の感磁性被検知体は、物品を検知して監視するシステムが異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対応して検知されるように、それぞれ、磁気特性が異なるように形成されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1に記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の感磁性被検知体は、長さ方向を有し、感磁性被検知体の長さ方向に交差する方向における複数の感磁性被検知体間の間隔は、少なくとも1mm以上の間隔を有し、且つ、複数の感磁性被検知体の内、最長の感磁性被検知体の長さの1/4を超えない間隔に設定されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項3にかかる本願発明は、請求項2に記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の各感磁性被検知体の長さの比は、最長の感磁性被検知体の長さを1としたとき、1:2/3〜1:1の範囲に設定されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項4にかかる本願発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の感磁性被検知体は、それぞれ、保磁力が異なる磁性材料で形成されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項5にかかる本願発明は、帯状の剥離台紙と、剥離台紙の長手方向に間隔を隔てて仮着される複数の物品監視用ラベルとを含む物品監視用ラベル連続体であって、物品監視用ラベルは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の物品監視用ラベルで形成されることを特徴とする、物品監視用ラベル連続体である。
[作用]
本願発明にかかる物品監視用ラベルでは、磁気特性の異なる複数の感磁性被検知体を有するので、検知システムの異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対して有効に作動することが可能となる。例えば、店舗AでEASシステムA、店舗BでEASシステムBと、異なったシステムを採用しても、それぞれのシステムに対応する感磁性被検知体がEASシステムで正常に検知される。
このため、本願発明の物品監視用ラベルでは、EASシステムが異なっても、物品監視用ラベルを作り変える必要がなく、同一の物品監視用ラベルで対応できる。したがって、店舗ごとに物品監視用ラベルを変えるという煩雑な対応をしなくてすむ。そして、一品種のロットを大きくできるので、製造コストの削減にもつながる。
ところで、1つの感磁性被検知体は、該感磁性被検知体の保磁力を超える磁界にさらされると、感磁性被検知体の長手方向に磁化される。磁化された感磁性被検知体からの磁束は、感磁性被検知体の一方端から該感磁性被検知体の一方端の延長上に漏洩し、漏洩磁束は、空間で放射状に広がり、そして該感磁性被検知体のもう一方端に集束する。
1つの感磁性被検知体から漏洩した磁束の密度の大きいところ、つまり磁界の大きいところに他の感磁性被検知体が置かれると、他の感磁性被検知体は、所定の外部磁界のみならず1つの感磁性被検知体の磁界が重畳された磁界にさらされるので、所定の磁界変化とは異なった磁界変化を起こし、EASシステムが所定の作動をしなくなる恐れがある。
これを回避するために、本願発明のラベルでは、他の感磁性被検知体が、1つの感磁性被検知体からの磁界の影響が小さいところで、且つ、ラベルの全体のサイズが大きくなりすぎないように配置される。
また、1つの感磁性被検知体から漏洩した磁束により形成される磁界は、感磁性被検知体の長手方向に交差する方向においては、1つの感磁性被検知体から遠く離れたところおよび近傍で小さい。他の感磁性被検知体から漏洩した磁束により形成される磁界も、1つの感磁性被検知体と同様の作用を示す。
したがって、本願発明のラベルでは、他の感磁性被検知体が、1つの感磁性被検知体からの該感磁性被検知体の長手方向に交差する方向の間隔が、ラベルの複数の感磁性被検知体の内の最長の感磁性被検知体の長さの1/4以下となるように、1つの感磁性被検知体の近傍に配置される。感磁性被検知体が2個でなく、2個を超える数でも各感磁性被検知体間の間隔は1/4を超えないように配置される。
さらに、本願発明のラベルでは、複数のEASシステムに対応したラベルであることが目視あるいは触診で容易にわかるようにするために、各ラベルの複数の感磁性被検知体の各々の感磁性被検知体の長手方向に交差する方向の間隔は、少なくとも1mm以上に設定される。少なくとも1mmの間隙をあけると、ラベルを個々の感磁性被検知体が配置されている部分を該感磁性被検知体を傷つけることなく、ナイフ等の切断手段で切り分けることができる。そのため、EASシステムにたとえば検知異常があったとき、他の感磁性被検知体の影響を受けずに、該EASシステムに対応している感磁性被検知体のみを含めたEASシステムの異常原因を追求することが可能となる。
一方、感磁性被検知体の長さが短くなると、感磁性被検知体からの漏洩磁束密度の高い領域、すなわち、漏洩磁束による磁界の高い領域が、相対的に感磁性被検知的に近づくので、最短の感磁性被検知体の長さは、最長の感磁性被検知体の長さの2/3以上に設定される。なお、感磁性被検知体の長さは、特に限定されるものではないが、磁界変化を検知できる程度の長さ、たとえば5mmを下廻らない長さであることが好ましい。また、感磁性被検知体の長さが大きくなると、ラベルの長さも必然的に長くなるが、この場合、たとえば小さい物品(被着物)にラベル全体を貼付することができなくなる。それゆえ、ラベルの長さは、実用的にはたとえば70mm程度までが好ましく、さらに、55mm〜10mmに設定されることがより好ましい。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図1は、本願発明の一実施例の一部を示す平面図である。図2は、図1の線A−Aにおける断面図であり、図3は、図1の線B−Bにおける断面図である。本実施例にかかるラベル連続体10は、図1に示すように、帯状の剥離台紙12を含む。剥離台紙12の幅は、たとえば60mmに形成される。剥離台紙12の一方主面には、その長手方向に所定の間隔を隔てて平行に、複数のたとえば平面視矩形状のラベル14が配置される。本実施例では、ラベル14の大きさがたとえば長さ40mm、幅10mmに形成される。複数のラベル14は、剥離台紙12の長手方向に交差する方向に各ラベル14の長さ方向をそろえて連続して仮着される。複数のラベル14は、それぞれ、その裏面にたとえば感圧型接着剤を塗布してなる接着剤層16により剥離台紙12の一方主面に仮着される。
【0009】
ラベル14は、図2,図3に示すように、ラベル基材18を含む。ラベル基材18の上には、たとえばラベル14と同じ形状を有する表面紙からなるオーバーラミネート層20が形成される。ラベル基材18およびオーバーラミネート層20の幅方向は、剥離台紙12の長手方向と一致するように形成される。なお、ラベル基材18、および、オーバーラミネート層20を形成する表面紙には、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレン,ナイロン,ポリ塩化ビニール等のフィルム、あるいは、シート,アート紙,クラフト紙,上質紙,コート紙,樹脂含浸紙等の紙および合成紙等を用いることができる。
【0010】
オーバーラミネート層20の内部には、図2,図3に示すように、たとえば2種類の感磁性被検知体22および24が所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置される。感磁性被検知体22および24は、たとえば接着剤層により、オーバーラミネート層20の内部に保持される。感磁性被検知体22および24は、剥離台紙12の幅方向と平行となるように形成される。感磁性被検知体22は、たとえば断面矩形で平面視帯状に形成され、感磁性被検知体24は、たとえば断面円形で平面視線状に形成される。感磁性被検知体22および24は、たとえば保磁力等の磁気特性が異なる磁性材料で形成される。
【0011】
本実施例では、一方の感磁性被検知体22がたとえばFe−Ni−B系の非晶質合金材料で形成され、その保磁力がたとえば3A/mに形成される。感磁性被検知体22の大きさは、たとえば、長さ37mm、幅2mm、厚さ35μmに形成される。また、他方の感磁性被検知体24は、たとえばFe−Si系の合金材料で形成され、その保磁力がたとえば30A/mに形成される。感磁性被検知体24の大きさは、たとえば、直径55μm、長さ37mmに形成される。
【0012】
さらに、本実施例では、一方の感磁性被検知体22が、特に、図1に示すように、たとえばラベル14の幅方向の中心線と、該感磁性被検知体22の幅方向の中心線とが重なる位置に配置される。また、他方の感磁性被検知体24は、一方の感磁性被検知体22とたとえば2mmの間隔を隔てて、ラベル14の幅方向の一方側に配置される。この場合、感磁性被検知体22と感磁性被検知体24とは、その長さ方向に交差する方向における間隔、つまり、幅方向の間隔がたとえば2mmに設定される。
【0013】
一方の感磁性被検知体22の幅と厚さは、特に限定されるものではないが、厚さが10μmを下廻ると感磁性被検知体22が折れ易くなる等取り扱いに細心の注意を要し、300μmを超えるとラベル14が分厚くなるので、300μmまでが好ましい。より好ましくは、10μm〜200μmの範囲である。
ラベル14の幅を狭くするためには、感磁性被検知体22の幅を4mmまでとするのが好ましい。感磁性被検知体22の幅が0.4mmを下廻ると、厚さによっては感磁性被検知体22の帯形状が撚れてしまう恐れがあるので、0.4mm以上が好ましい。より好ましくは、0.4mm〜3mmの範囲である。
【0014】
他方の感磁性被検知体24の直径は、特に限定されるものではないが、磁界変化を検知できる程度の径、たとえば15μmを下廻らない直径が好ましい。感磁性被検知体24の直径が大きくなると、ラベル14の一部分が分厚くなるので、400μmまでが好ましい。より好ましくは、15μm〜200μmの範囲である。また、感磁性被検知体24の長手方向と交差する方向の断面形状は、円である必要はなく、楕円形でも、矩形でもその他の形状でもよい。
【0015】
感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、その保磁力が90A/m以下の軟磁性体が好ましく、より好ましくは45A/m以下の軟磁性体である。保磁力の好ましい下限は特にはないが、ノイズ的な外部磁界の変化に対応しないようにするために、0.1A/mを下廻らないことが好ましい。但し、EASシステムの使用環境によってはこの保磁力の値はさらに小さいものでも問題はない。
【0016】
複数の各感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、それぞれ、本質的に軟磁性体のみからなるものだけでなく、例えば、軟磁性体に半硬磁性体あるいは硬磁性体を組み合わせたものでもよい。また、各感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、それぞれ、複数の軟磁性体からなるものでもよく、さらに、複数の軟磁性体と半硬磁性体あるいは硬磁性体を組み合わせたものでもよい。
【0017】
次に、上述したラベル連続体10の製造方法の一例について、図4,図5,図6および図7を参照しながら説明する。
先ず、工程剥離台紙30、ポリプロピレンフイルム等からなる第1の積層材32,第2の積層材34、Fe−Ni−B系の非晶質合金材料で形成された帯状の感磁性金属片36およびFe−Si系の合金材料で形成された線状の感磁性金属片38が3組準備される。
この場合、工程剥離台紙30と第1の積層材32,第2の積層材34とは、帯状に且つ同じ幅になるように形成される。また、第1の積層材32,第2の積層材34の裏面全面には、それぞれ、接着剤層40および42が形成される。
【0018】
次に、工程剥離台紙30の上には、第1の積層材32が重ね合わされ、接着剤層40によって接着される。また、第1の積層材32の上には、2種類の感磁性金属片36および感磁性金属片38がそれぞれ所定の間隔を隔ててほぼ平行に3組配置される。さらに、第1の積層材32の上には、第2の積層材34が重ね合わされる。この場合、第2の積層材34は、第1の積層材32との間に、感磁性金属片36および感磁性金属片38を挟み込むように重ね合わされ、接着剤層42によって、第1の積層材32の上に接着される。
【0019】
工程剥離台紙30、第1の積層材32、感磁性金属片36,感磁性金属片38および第2の積層材34を積層接着していく場合には、第2の積層材34を第1の積層材32に接着していく境目部分にたとえばダイカットロール(図示せず)が配置される。そして、工程剥離台紙30、第1の積層材32,第2の積層材34および感磁性金属片36,感磁性金属片38がそれらの長手方向に引張られる。このとき、3組の感磁性金属片36および感磁性金属片38に対応するように、ダイカットロール(図示せず)に配設された複数のカッタ(図示せず)で感磁性金属片36および感磁性金属片38がそれぞれ所定の長さに切断される。この場合、感磁性金属片36および感磁性金属片38を切断しつつ、工程剥離台紙30、第1の積層材32、感磁性金属片36,感磁性金属片38および第2の積層材34が積層接着され、図4,図5,図6に示すように、積層体44が形成される。
【0020】
それから、積層体44は、図4に示す点線aの位置で感磁性金属片36および感磁性金属片38を囲むようにして、第1の積層材32,第2の積層材34の部分でダイカットされる。
【0021】
一方、少なくとも一方の面が剥離処理された剥離台紙12の剥離処理された面に接着剤層16が形成され、該接着剤層16上にたとえば剥離台紙12とほぼ同一の幅を有するたとえば紙からなるラベル基材18が積層される。ラベル基材18の幅は、切断された感磁性金属片36および感磁性金属片38の長さよりも広くなるように形成される。
なお、オーバーラミネート層20を形成する表面紙には、適宜、バーコード等の印刷層を形成することができる。
【0022】
そして、工程剥離台紙30からダイカットされた積層体44が剥がされる。剥がされた積層体44は、接着剤層40によって、ラベル基材18の表面に貼付けられる。この場合、感磁性金属片36および感磁性金属片38は、剥離台紙12の幅方向と平行になるように形成される。
【0023】
それから、第1の積層材32,第2の積層材34およびラベル基材18は、図7に示す点線bの位置で感磁性金属片36および感磁性金属片38を囲むようにして、ダイカットされる。第1の積層材32および第2の積層材34によってオーバーラミネート層20が形成され、ラベル基材18およびオーバーラミネート層20によってラベル14が形成される。そして、帯状の感磁性金属片36は、感磁性被検知体22に相当するものであり、線状の感磁性金属片38は、感磁性被検知体24に相当するものである。このようにして、ラベル連続体10が形成される。
【0024】
通常、本願発明にかかるラベル14は、複数のラベル14が連続して形成された長尺状のラベル連続体10を巻回してロール状に保持してなる巻回体としたものが実用に供せられる。巻回体は、適宜、ラベル貼付機に装填され、巻回体からラベル連続体10を巻きほぐしつつ各ラベル14をラベル貼付機によって、EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される商品等の物品(被貼付体)に貼着される。なお、ラベル連続体10をロール状に巻いたときに、該ラベル連続体10がごわごわし嵩張らないように、感磁性被検知体22,24は、上述したように、長尺状のラベル連続体10の長手方向に交差する方向に所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される。
【0025】
なお、本実施例では、感磁性被検知体に相当する感磁性金属片36,感磁性金属片38をオーバーラミネート層20の内部に含ませ、該オーバーラミネート層20をラベル基材18上に積層する構成としたが、オーバーラミネート層20の代わりに1つの積層材のみを用い、切断された感磁性金属片36,感磁性金属片38を該積層材とラベル基材18との間に挟み込むように積層してもよい。挟み込むように積層するに際し、例えば積層材および/あるいはラベル基材18に接着剤層を形成する。このように積層された積層材とラベル基材18とを1組の感磁性金属片36,感磁性金属片38を囲むようにしてダイカットする。
また、感磁性金属片は、3種類あるいは3種類以上を1つの物品監視用ラベル14に備えることができる。
【0026】
次に、本実施例のラベルの効果を示す実験例について説明する。
本願発明者は、感磁性被検知体22,24を有する本実施例にかかるラベル14と、ラベル14と同様に作製され、感磁性被検知体22のみを有するラベル(以下、比較ラベルR1という)と、ラベル14と同様に作製され、感磁性被検知体24のみを有するラベル(以下、比較ラベルR2という)とについて、それぞれ、比較ラベルR1用に設計されたEASシステムAおよび比較ラベルR2用に設計されたEASシステムBを用いて実験した。この場合、ラベル14、比較ラベルR1および比較ラベルR2がそれぞれ別個に貼付された物品をEASシステムAおよびEASシステムBの探知領域内に通過させ、該物品の通過を検知できるか(警報を発するか)否かを試験した。
その結果、EASシステムAは、比較ラベルR1の通過を正常に検知できたが、比較ラベルR2の通過のときに検知異常を生じた。また、EASシステムBは比較ラベルR2の通過を正常に検知できたが、比較ラベルR1の通過のときに検知異常を生じた。それに対して、本実施例にかかるラベル14では、該ラベル14がEASシステムAおよびEASシステムBの探知領域内を通過したとき、いずれのEASシステムAにおいても、正常にラベル14の通過を検知することができた。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、被検知体を検知するシステムが異なる複数のEASシステムに用いても効果的に作動する、ラベルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の一部を示す平面図である。
【図2】図1の線A−Aにおける断面図である。
【図3】図1の線B−Bにおける断面図である。
【図4】積層体を示す平面図である。
【図5】図4の線C−Cにおける断面図である。
【図6】図4の線D−Dにおける断面図である。
【図7】ラベル連続体の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ラベル連続体
12 剥離台紙
14 ラベル
16,40,42 接着剤層
18 ラベル基材
20 オーバーラミネート層
22,24 感磁性被検知体
30 工程剥離台紙
32 第1の積層材
34 第1の積層材
36,38 感磁性金属片
44 積層体
【発明の属する技術分野】
本願発明は、物品監視用ラベルに関し、店舗,図書館,展示場等において商品または所蔵品等の物品に取付けられ、該物品の監視または盗難の防止等に使用される物品監視用ラベルであって、特に、感磁性材料からなる感磁性被検知体を備えた、物品監視用ラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、百貨店,スーパーマーケット,小売店,図書館,展示場などから物品が無断で持ち出される被害が急増しているといわれている。
このような物品の無断持ち出しや盗難を防止するために、物品に例えば線状あるいは帯状の感磁性被検知体入りラベルを貼り付けておき、物品が検知領域を通過する際に、このラベルの感磁性被検知体から発生する磁界変化を検知して警報を発するシステム、所謂、EASシステム(電子的物品監視システム)が採用されている。
この場合、ラベルの感磁性被検知体は、該EASシステムの探知領域内において、所定の変化をする外部磁界にさらされる。すると、外部磁界により被検知体自身の磁化状態が変化し、その磁化状態の変化に対応して被検知体から発せられる磁界が所定の変化をする。EASシステムは、この被検知体から発せられる所定の磁界変化が検知されたときに警報が発せられるようにしたシステムである。
感磁性被検知体に用いられる材料としては、パーマロイ,センダスト等の高透磁率合金材料、Co−B系,Co−Fe−B系,Co−Fe−Ni−B系,Fe−Ni−Mo−B系,Fe−Ni−P−B系,Fe−Ni−B系,Fe−B系,Fe−Mo−B系,Co−Fe−Mo−B−Si系等の非晶質金属材料(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)、Fe−Si系、Ni−Fe系等の大バルクハウゼンジャンプを示す金属材料(例えば、特許文献5参照。)、および、ソフトフェライト等の酸化物材料(例えば、特許文献6参照。)などの比較的弱い外部磁界の変化で磁化状態が変化する、所謂、軟磁性の各種磁性材料が用いられている。
【0003】
【特許文献1】
特開昭55−143695号公報
【特許文献2】
特開平9−22492号公報
【特許文献3】
特開平9−22493号公報
【特許文献4】
特開平9−22494号公報
【特許文献5】
特許第3305960号公報
【特許文献6】
特開2002−245559号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の磁性材料は、その材料によって磁気特性が異なるので、材料の磁気特性、つまり、保磁力等の磁気特性にあわせてEASシステムが開発され、実用化されている。
したがって、たとえば非晶質材料からなる被検知体を有するラベルaが効果的に作動するように設計されたEASシステムAでは、たとえば大バルクハウゼンジャンプを示す金属材料からなる被検知体を有するラベルbが該EASシステムAの探知領域内を通過しても、該EASシステムAは、ラベルbの被検知体を検知することができないという問題があった。
同様に、上記ラベルbが効果的に作動するように設計されたEASシステムBでは、ラベルaが該EASシステムBの探知領域内を通過しても、該EASシステムBは、ラベルaの被検知体を検知することができないという問題があった。
【0005】
それゆえに、本願発明の主たる目的は、被検知体を検知するシステムが異なる複数のEASシステムに用いても効果的に作動する、物品監視用ラベルを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる本願発明は、EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される物品に取付けられる物品監視用ラベルであって、物品監視用ラベルは、所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される複数の感磁性被検知体を含み、複数の感磁性被検知体は、物品を検知して監視するシステムが異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対応して検知されるように、それぞれ、磁気特性が異なるように形成されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項2にかかる本願発明は、請求項1に記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の感磁性被検知体は、長さ方向を有し、感磁性被検知体の長さ方向に交差する方向における複数の感磁性被検知体間の間隔は、少なくとも1mm以上の間隔を有し、且つ、複数の感磁性被検知体の内、最長の感磁性被検知体の長さの1/4を超えない間隔に設定されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項3にかかる本願発明は、請求項2に記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の各感磁性被検知体の長さの比は、最長の感磁性被検知体の長さを1としたとき、1:2/3〜1:1の範囲に設定されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項4にかかる本願発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明に従属する物品監視用ラベルであって、複数の感磁性被検知体は、それぞれ、保磁力が異なる磁性材料で形成されることを特徴とする、物品監視用ラベルである。
請求項5にかかる本願発明は、帯状の剥離台紙と、剥離台紙の長手方向に間隔を隔てて仮着される複数の物品監視用ラベルとを含む物品監視用ラベル連続体であって、物品監視用ラベルは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の物品監視用ラベルで形成されることを特徴とする、物品監視用ラベル連続体である。
[作用]
本願発明にかかる物品監視用ラベルでは、磁気特性の異なる複数の感磁性被検知体を有するので、検知システムの異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対して有効に作動することが可能となる。例えば、店舗AでEASシステムA、店舗BでEASシステムBと、異なったシステムを採用しても、それぞれのシステムに対応する感磁性被検知体がEASシステムで正常に検知される。
このため、本願発明の物品監視用ラベルでは、EASシステムが異なっても、物品監視用ラベルを作り変える必要がなく、同一の物品監視用ラベルで対応できる。したがって、店舗ごとに物品監視用ラベルを変えるという煩雑な対応をしなくてすむ。そして、一品種のロットを大きくできるので、製造コストの削減にもつながる。
ところで、1つの感磁性被検知体は、該感磁性被検知体の保磁力を超える磁界にさらされると、感磁性被検知体の長手方向に磁化される。磁化された感磁性被検知体からの磁束は、感磁性被検知体の一方端から該感磁性被検知体の一方端の延長上に漏洩し、漏洩磁束は、空間で放射状に広がり、そして該感磁性被検知体のもう一方端に集束する。
1つの感磁性被検知体から漏洩した磁束の密度の大きいところ、つまり磁界の大きいところに他の感磁性被検知体が置かれると、他の感磁性被検知体は、所定の外部磁界のみならず1つの感磁性被検知体の磁界が重畳された磁界にさらされるので、所定の磁界変化とは異なった磁界変化を起こし、EASシステムが所定の作動をしなくなる恐れがある。
これを回避するために、本願発明のラベルでは、他の感磁性被検知体が、1つの感磁性被検知体からの磁界の影響が小さいところで、且つ、ラベルの全体のサイズが大きくなりすぎないように配置される。
また、1つの感磁性被検知体から漏洩した磁束により形成される磁界は、感磁性被検知体の長手方向に交差する方向においては、1つの感磁性被検知体から遠く離れたところおよび近傍で小さい。他の感磁性被検知体から漏洩した磁束により形成される磁界も、1つの感磁性被検知体と同様の作用を示す。
したがって、本願発明のラベルでは、他の感磁性被検知体が、1つの感磁性被検知体からの該感磁性被検知体の長手方向に交差する方向の間隔が、ラベルの複数の感磁性被検知体の内の最長の感磁性被検知体の長さの1/4以下となるように、1つの感磁性被検知体の近傍に配置される。感磁性被検知体が2個でなく、2個を超える数でも各感磁性被検知体間の間隔は1/4を超えないように配置される。
さらに、本願発明のラベルでは、複数のEASシステムに対応したラベルであることが目視あるいは触診で容易にわかるようにするために、各ラベルの複数の感磁性被検知体の各々の感磁性被検知体の長手方向に交差する方向の間隔は、少なくとも1mm以上に設定される。少なくとも1mmの間隙をあけると、ラベルを個々の感磁性被検知体が配置されている部分を該感磁性被検知体を傷つけることなく、ナイフ等の切断手段で切り分けることができる。そのため、EASシステムにたとえば検知異常があったとき、他の感磁性被検知体の影響を受けずに、該EASシステムに対応している感磁性被検知体のみを含めたEASシステムの異常原因を追求することが可能となる。
一方、感磁性被検知体の長さが短くなると、感磁性被検知体からの漏洩磁束密度の高い領域、すなわち、漏洩磁束による磁界の高い領域が、相対的に感磁性被検知的に近づくので、最短の感磁性被検知体の長さは、最長の感磁性被検知体の長さの2/3以上に設定される。なお、感磁性被検知体の長さは、特に限定されるものではないが、磁界変化を検知できる程度の長さ、たとえば5mmを下廻らない長さであることが好ましい。また、感磁性被検知体の長さが大きくなると、ラベルの長さも必然的に長くなるが、この場合、たとえば小さい物品(被着物)にラベル全体を貼付することができなくなる。それゆえ、ラベルの長さは、実用的にはたとえば70mm程度までが好ましく、さらに、55mm〜10mmに設定されることがより好ましい。
【0007】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0008】
【発明の実施の形態】
【実施例】
図1は、本願発明の一実施例の一部を示す平面図である。図2は、図1の線A−Aにおける断面図であり、図3は、図1の線B−Bにおける断面図である。本実施例にかかるラベル連続体10は、図1に示すように、帯状の剥離台紙12を含む。剥離台紙12の幅は、たとえば60mmに形成される。剥離台紙12の一方主面には、その長手方向に所定の間隔を隔てて平行に、複数のたとえば平面視矩形状のラベル14が配置される。本実施例では、ラベル14の大きさがたとえば長さ40mm、幅10mmに形成される。複数のラベル14は、剥離台紙12の長手方向に交差する方向に各ラベル14の長さ方向をそろえて連続して仮着される。複数のラベル14は、それぞれ、その裏面にたとえば感圧型接着剤を塗布してなる接着剤層16により剥離台紙12の一方主面に仮着される。
【0009】
ラベル14は、図2,図3に示すように、ラベル基材18を含む。ラベル基材18の上には、たとえばラベル14と同じ形状を有する表面紙からなるオーバーラミネート層20が形成される。ラベル基材18およびオーバーラミネート層20の幅方向は、剥離台紙12の長手方向と一致するように形成される。なお、ラベル基材18、および、オーバーラミネート層20を形成する表面紙には、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレン,ナイロン,ポリ塩化ビニール等のフィルム、あるいは、シート,アート紙,クラフト紙,上質紙,コート紙,樹脂含浸紙等の紙および合成紙等を用いることができる。
【0010】
オーバーラミネート層20の内部には、図2,図3に示すように、たとえば2種類の感磁性被検知体22および24が所定の間隔を隔ててほぼ平行に配置される。感磁性被検知体22および24は、たとえば接着剤層により、オーバーラミネート層20の内部に保持される。感磁性被検知体22および24は、剥離台紙12の幅方向と平行となるように形成される。感磁性被検知体22は、たとえば断面矩形で平面視帯状に形成され、感磁性被検知体24は、たとえば断面円形で平面視線状に形成される。感磁性被検知体22および24は、たとえば保磁力等の磁気特性が異なる磁性材料で形成される。
【0011】
本実施例では、一方の感磁性被検知体22がたとえばFe−Ni−B系の非晶質合金材料で形成され、その保磁力がたとえば3A/mに形成される。感磁性被検知体22の大きさは、たとえば、長さ37mm、幅2mm、厚さ35μmに形成される。また、他方の感磁性被検知体24は、たとえばFe−Si系の合金材料で形成され、その保磁力がたとえば30A/mに形成される。感磁性被検知体24の大きさは、たとえば、直径55μm、長さ37mmに形成される。
【0012】
さらに、本実施例では、一方の感磁性被検知体22が、特に、図1に示すように、たとえばラベル14の幅方向の中心線と、該感磁性被検知体22の幅方向の中心線とが重なる位置に配置される。また、他方の感磁性被検知体24は、一方の感磁性被検知体22とたとえば2mmの間隔を隔てて、ラベル14の幅方向の一方側に配置される。この場合、感磁性被検知体22と感磁性被検知体24とは、その長さ方向に交差する方向における間隔、つまり、幅方向の間隔がたとえば2mmに設定される。
【0013】
一方の感磁性被検知体22の幅と厚さは、特に限定されるものではないが、厚さが10μmを下廻ると感磁性被検知体22が折れ易くなる等取り扱いに細心の注意を要し、300μmを超えるとラベル14が分厚くなるので、300μmまでが好ましい。より好ましくは、10μm〜200μmの範囲である。
ラベル14の幅を狭くするためには、感磁性被検知体22の幅を4mmまでとするのが好ましい。感磁性被検知体22の幅が0.4mmを下廻ると、厚さによっては感磁性被検知体22の帯形状が撚れてしまう恐れがあるので、0.4mm以上が好ましい。より好ましくは、0.4mm〜3mmの範囲である。
【0014】
他方の感磁性被検知体24の直径は、特に限定されるものではないが、磁界変化を検知できる程度の径、たとえば15μmを下廻らない直径が好ましい。感磁性被検知体24の直径が大きくなると、ラベル14の一部分が分厚くなるので、400μmまでが好ましい。より好ましくは、15μm〜200μmの範囲である。また、感磁性被検知体24の長手方向と交差する方向の断面形状は、円である必要はなく、楕円形でも、矩形でもその他の形状でもよい。
【0015】
感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、その保磁力が90A/m以下の軟磁性体が好ましく、より好ましくは45A/m以下の軟磁性体である。保磁力の好ましい下限は特にはないが、ノイズ的な外部磁界の変化に対応しないようにするために、0.1A/mを下廻らないことが好ましい。但し、EASシステムの使用環境によってはこの保磁力の値はさらに小さいものでも問題はない。
【0016】
複数の各感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、それぞれ、本質的に軟磁性体のみからなるものだけでなく、例えば、軟磁性体に半硬磁性体あるいは硬磁性体を組み合わせたものでもよい。また、各感磁性被検知体22,感磁性被検知体24は、それぞれ、複数の軟磁性体からなるものでもよく、さらに、複数の軟磁性体と半硬磁性体あるいは硬磁性体を組み合わせたものでもよい。
【0017】
次に、上述したラベル連続体10の製造方法の一例について、図4,図5,図6および図7を参照しながら説明する。
先ず、工程剥離台紙30、ポリプロピレンフイルム等からなる第1の積層材32,第2の積層材34、Fe−Ni−B系の非晶質合金材料で形成された帯状の感磁性金属片36およびFe−Si系の合金材料で形成された線状の感磁性金属片38が3組準備される。
この場合、工程剥離台紙30と第1の積層材32,第2の積層材34とは、帯状に且つ同じ幅になるように形成される。また、第1の積層材32,第2の積層材34の裏面全面には、それぞれ、接着剤層40および42が形成される。
【0018】
次に、工程剥離台紙30の上には、第1の積層材32が重ね合わされ、接着剤層40によって接着される。また、第1の積層材32の上には、2種類の感磁性金属片36および感磁性金属片38がそれぞれ所定の間隔を隔ててほぼ平行に3組配置される。さらに、第1の積層材32の上には、第2の積層材34が重ね合わされる。この場合、第2の積層材34は、第1の積層材32との間に、感磁性金属片36および感磁性金属片38を挟み込むように重ね合わされ、接着剤層42によって、第1の積層材32の上に接着される。
【0019】
工程剥離台紙30、第1の積層材32、感磁性金属片36,感磁性金属片38および第2の積層材34を積層接着していく場合には、第2の積層材34を第1の積層材32に接着していく境目部分にたとえばダイカットロール(図示せず)が配置される。そして、工程剥離台紙30、第1の積層材32,第2の積層材34および感磁性金属片36,感磁性金属片38がそれらの長手方向に引張られる。このとき、3組の感磁性金属片36および感磁性金属片38に対応するように、ダイカットロール(図示せず)に配設された複数のカッタ(図示せず)で感磁性金属片36および感磁性金属片38がそれぞれ所定の長さに切断される。この場合、感磁性金属片36および感磁性金属片38を切断しつつ、工程剥離台紙30、第1の積層材32、感磁性金属片36,感磁性金属片38および第2の積層材34が積層接着され、図4,図5,図6に示すように、積層体44が形成される。
【0020】
それから、積層体44は、図4に示す点線aの位置で感磁性金属片36および感磁性金属片38を囲むようにして、第1の積層材32,第2の積層材34の部分でダイカットされる。
【0021】
一方、少なくとも一方の面が剥離処理された剥離台紙12の剥離処理された面に接着剤層16が形成され、該接着剤層16上にたとえば剥離台紙12とほぼ同一の幅を有するたとえば紙からなるラベル基材18が積層される。ラベル基材18の幅は、切断された感磁性金属片36および感磁性金属片38の長さよりも広くなるように形成される。
なお、オーバーラミネート層20を形成する表面紙には、適宜、バーコード等の印刷層を形成することができる。
【0022】
そして、工程剥離台紙30からダイカットされた積層体44が剥がされる。剥がされた積層体44は、接着剤層40によって、ラベル基材18の表面に貼付けられる。この場合、感磁性金属片36および感磁性金属片38は、剥離台紙12の幅方向と平行になるように形成される。
【0023】
それから、第1の積層材32,第2の積層材34およびラベル基材18は、図7に示す点線bの位置で感磁性金属片36および感磁性金属片38を囲むようにして、ダイカットされる。第1の積層材32および第2の積層材34によってオーバーラミネート層20が形成され、ラベル基材18およびオーバーラミネート層20によってラベル14が形成される。そして、帯状の感磁性金属片36は、感磁性被検知体22に相当するものであり、線状の感磁性金属片38は、感磁性被検知体24に相当するものである。このようにして、ラベル連続体10が形成される。
【0024】
通常、本願発明にかかるラベル14は、複数のラベル14が連続して形成された長尺状のラベル連続体10を巻回してロール状に保持してなる巻回体としたものが実用に供せられる。巻回体は、適宜、ラベル貼付機に装填され、巻回体からラベル連続体10を巻きほぐしつつ各ラベル14をラベル貼付機によって、EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される商品等の物品(被貼付体)に貼着される。なお、ラベル連続体10をロール状に巻いたときに、該ラベル連続体10がごわごわし嵩張らないように、感磁性被検知体22,24は、上述したように、長尺状のラベル連続体10の長手方向に交差する方向に所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される。
【0025】
なお、本実施例では、感磁性被検知体に相当する感磁性金属片36,感磁性金属片38をオーバーラミネート層20の内部に含ませ、該オーバーラミネート層20をラベル基材18上に積層する構成としたが、オーバーラミネート層20の代わりに1つの積層材のみを用い、切断された感磁性金属片36,感磁性金属片38を該積層材とラベル基材18との間に挟み込むように積層してもよい。挟み込むように積層するに際し、例えば積層材および/あるいはラベル基材18に接着剤層を形成する。このように積層された積層材とラベル基材18とを1組の感磁性金属片36,感磁性金属片38を囲むようにしてダイカットする。
また、感磁性金属片は、3種類あるいは3種類以上を1つの物品監視用ラベル14に備えることができる。
【0026】
次に、本実施例のラベルの効果を示す実験例について説明する。
本願発明者は、感磁性被検知体22,24を有する本実施例にかかるラベル14と、ラベル14と同様に作製され、感磁性被検知体22のみを有するラベル(以下、比較ラベルR1という)と、ラベル14と同様に作製され、感磁性被検知体24のみを有するラベル(以下、比較ラベルR2という)とについて、それぞれ、比較ラベルR1用に設計されたEASシステムAおよび比較ラベルR2用に設計されたEASシステムBを用いて実験した。この場合、ラベル14、比較ラベルR1および比較ラベルR2がそれぞれ別個に貼付された物品をEASシステムAおよびEASシステムBの探知領域内に通過させ、該物品の通過を検知できるか(警報を発するか)否かを試験した。
その結果、EASシステムAは、比較ラベルR1の通過を正常に検知できたが、比較ラベルR2の通過のときに検知異常を生じた。また、EASシステムBは比較ラベルR2の通過を正常に検知できたが、比較ラベルR1の通過のときに検知異常を生じた。それに対して、本実施例にかかるラベル14では、該ラベル14がEASシステムAおよびEASシステムBの探知領域内を通過したとき、いずれのEASシステムAにおいても、正常にラベル14の通過を検知することができた。
【0027】
【発明の効果】
この発明によれば、被検知体を検知するシステムが異なる複数のEASシステムに用いても効果的に作動する、ラベルが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施例の一部を示す平面図である。
【図2】図1の線A−Aにおける断面図である。
【図3】図1の線B−Bにおける断面図である。
【図4】積層体を示す平面図である。
【図5】図4の線C−Cにおける断面図である。
【図6】図4の線D−Dにおける断面図である。
【図7】ラベル連続体の一部を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ラベル連続体
12 剥離台紙
14 ラベル
16,40,42 接着剤層
18 ラベル基材
20 オーバーラミネート層
22,24 感磁性被検知体
30 工程剥離台紙
32 第1の積層材
34 第1の積層材
36,38 感磁性金属片
44 積層体
Claims (5)
- EASシステム(電子的物品監視システム)で監視される物品に取付けられる物品監視用ラベルであって、
前記物品監視用ラベルは、所定の間隔を隔ててほぼ平行に配列される複数の感磁性被検知体を含み、
前記複数の感磁性被検知体は、前記物品を検知して監視するシステムが異なる複数のEASシステム(電子的物品監視システム)に対応して検知されるように、それぞれ、磁気特性が異なるように形成されることを特徴とする、物品監視用ラベル。 - 前記複数の感磁性被検知体は、長さ方向を有し、前記感磁性被検知体の長さ方向に交差する方向における前記複数の感磁性被検知体間の間隔は、少なくとも1mm以上の間隔を有し、且つ、前記複数の感磁性被検知体の内、最長の感磁性被検知体の長さの1/4を超えない間隔に設定されることを特徴とする、請求項1に記載の物品監視用ラベル。
- 前記複数の各感磁性被検知体の長さの比は、最長の感磁性被検知体の長さを1としたとき、1:2/3〜1:1の範囲に設定されることを特徴とする、請求項2に記載の物品監視用ラベル。
- 前記複数の感磁性被検知体は、それぞれ、保磁力が異なる磁性材料で形成されることを特徴とする、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の物品監視用ラベル。
- 帯状の剥離台紙、および、前記剥離台紙の長手方向に間隔を隔てて仮着される複数の物品監視用ラベルを含む物品監視用ラベル連続体であって、
前記物品監視用ラベルは、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の物品監視用ラベルで形成されることを特徴とする、物品監視用ラベル連続体。
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Cited By (2)
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JP2018120921A (ja) * | 2017-01-24 | 2018-08-02 | パウダーテック株式会社 | フェライト粉、樹脂組成物および成形体 |
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2003
- 2003-01-28 JP JP2003019287A patent/JP2004233458A/ja active Pending
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