JP2004231485A - 攪拌性能評価指標算出方法及び攪拌性能評価指標算出プログラム - Google Patents

攪拌性能評価指標算出方法及び攪拌性能評価指標算出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を定量的に評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出可能な攪拌性能評価指標算出方法を提供する。
【解決手段】コンピュータは、攪拌工程に必要な条件を溶融ガラスモデルに入力し(S21)、攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める(S22)。次に、流れ場に対して、溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想トレーサを発生させ(S23)、上記任意の位置と上記流れ場とに基づいて、任意の位置から流入されたN個の粒子の各々の軌跡を求める(S24)。上記求めたN個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻におけるN個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、所定時刻から所定時間経過後の時刻における粒子間の距離の総和との比を上記所定時間で割った値を、評価指標として算出する(S25)。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融ガラスの攪拌性能を評価するための評価指標をコンピュータを用いた数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法及び溶融ガラスの攪拌性能を評価するための評価指標をコンピュータを用いた数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、溶融ガラスの均質性を向上させる目的で、溶融ガラス流路に攪拌装置を取り付け、溶融ガラスを攪拌することが行われている。溶融ガラスの均質性は、生産されたガラスの透明性や厚さ等に大きく影響する為、充分な値を得ることが望ましい。
【0003】
溶融ガラスを充分に均質化する為には、ガラス溶融炉又は溶融ガラスの流路において攪拌装置を取り付ける必要がある。溶融炉で溶融されたガラスは、原料溶融時における成分の空間的ばらつき、溶融炉及び流路を形成する煉瓦や気相との反応等により溶融ガラス製品の目標成分とは異なった成分(異質成分)となる部分が空間的に多く存在するため、溶融ガラスが固化し、製品となった場合、その異質成分がいわゆるリーム・コード・ノットと呼ばれる欠点となったり、成形時の寸法変動の要因となったりする。
【0004】
つまり、溶融ガラスを均質化する為には、異質成分を含んだ溶融ガラスを充分に攪拌することにより、溶融ガラス中の異質成分を充分拡散させる必要がある。更に、その攪拌は流路の任意の位置を通過したガラスに対して成り立つ必要があり、ある特定の位置を通過したガラスが攪拌不足になる現象(すりぬけ)を回避するような攪拌装置が必要となる。
【0005】
このような異質成分を含んだガラスの発生を防止する為に、従来から、攪拌装置の模型の中にガラスの模擬液体を入れ、そこにトレーサ成分(インク等)を注入して模擬液体を攪拌し、その攪拌工程をカメラにより撮影し、撮影した映像により攪拌装置の攪拌性能を定性的に評価し、その評価結果を基に、攪拌装置の構造(攪拌槽や攪拌翼の種類・形状)や操業条件等を最適化するといった手法である可視化実験が一般に行われている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−253942号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
近年、表示装置や通信装置等の電子分野において、寸法精度及び光学的特性に対する要求が極めて厳しいガラスの需要が高まってきている。こういった事情から、近年では特に電子用ガラスの均質化の向上、即ち溶融ガラスの攪拌性能の向上が要求されているが、従来のように攪拌性能を定性的にしか評価できないような方法では、上記要求を満たすことは難しい。
【0008】
又、攪拌装置の運転条件(温度条件や操作条件)を変更した場合や攪拌翼の形状を変更した場合、従来では、その都度、攪拌装置の模型の運転条件を変更して評価を行ったり、攪拌翼を変更した模型で評価を行ったりする必要がある。このため、攪拌装置の模型を用いて攪拌性能を定性的に評価する方法では、変更を行った攪拌装置毎の攪拌性能の横並びの評価は困難であった。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みて為されたものであり、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を定量的に評価するための評価指標を算出可能な攪拌性能評価指標算出方法及びその方法をコンピュータにより実行させるための攪拌性能評価指標算出プログラムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記所定時刻から所定時間経過後の時刻における前記粒子間の距離の総和との比を前記所定時間で割った値を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する。
【0011】
この方法により、どの時刻でトレーサ成分がどの位引き伸ばされたか、どの位置でトレーサ成分がどの位引き伸ばされたか等の定量的な攪拌性能評価を行うことが可能な評価指標を算出することができる。
【0012】
本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻における前記トレーサ成分の粒子間の距離の総和との比率を、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻から前記所定時刻までの経過時間で割った値を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する。
【0013】
この方法により、トレーサ成分の単位時間当たりの伸び率を評価可能な評価指標を算出することができる。
【0014】
本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻における前記トレーサ成分の粒子間の距離の総和との比率を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する。
【0015】
この方法により、溶融ガラス流路のどの入口から流入されたトレーサ成分が最終的にどの位引き伸ばされたか等の定量的な攪拌性能評価を行うことが可能な評価指標を算出することができる。
【0016】
又、本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、前記攪拌工程に必要な所定の条件が、前記溶融ガラス流路への溶融ガラス流量を含み、前記流れ場解析ステップでは、前記溶融ガラス流量を用いて、前記溶融ガラスが前記溶融ガラス流路に対して連続的に流入されていると仮定して前記流れ場を求めるものである。
【0017】
この方法により、溶融ガラスが連続して流入してくるような、攪拌性能の評価が困難な場合においても、その攪拌性能を定量的に評価することが可能な評価指標を算出することができる。
【0018】
又、本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、前記トレーサ成分発生ステップで前記任意の位置に発生させる前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和が有限の長さを有しており、前記トレーサ成分の長さを、前記攪拌を行う攪拌翼が1回転するのに要する時間と、前記任意の位置における前記溶融ガラスの流速との積により決定する。
【0019】
この方法により、トレーサ成分は、溶融ガラス流路のどの入口から流入されても、周期性を持った軌跡をたどることになるため、評価指標を精度良く算出することができる。
【0020】
又、本発明の攪拌性能評価指標算出方法は、前記トレーサ成分発生ステップで前記任意の位置に発生させる前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和が有限の長さを有し、前記攪拌を行う攪拌翼を複数とし、前記複数の攪拌翼が所定の周期性を持って前記溶融ガラスを攪拌するように配置されているものであって、前記トレーサ成分の長さを、前記周期性を決定する角度を前記複数の攪拌翼のいずれかが回転するのに要する時間と、前記任意の位置における前記溶融ガラスの流速との積を最小値とする値に設定する。
【0021】
この方法により、トレーサ成分は、溶融ガラス流路のどの入口から流入されても、周期性を持った軌跡をたどることになるため、評価指標を精度良く算出することができる。
【0022】
本発明の攪拌性能評価指標算出プログラムは、前記攪拌性能評価指標算出方法の各ステップをコンピュータにより実行させるためのプログラムである。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施形態では、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を定量的に評価するための評価指標を数学シミュレーションを用いてコンピュータにより算出するための攪拌性能評価指標算出プログラムについて説明する。尚、本発明に係る攪拌性能評価指標算出方法は、上記プログラムによって動作するコンピュータの処理ステップと同様であるため、上記プログラムの処理の説明に含まれる。
【0024】
図1は、本実施形態の攪拌性能の評価を行う対象となる攪拌装置の構成の一例を示す図である。本実施形態の攪拌性能評価指標算出プログラムによって算出する評価指標は、溶融ガラスの連続式プロセスの攪拌工程において用いられる攪拌装置(溶融ガラス流路に設置される攪拌槽及びその内部の攪拌翼)の攪拌性能の評価を行うための評価指標である。
【0025】
図1に示したように、攪拌性能の評価を行う対象となる攪拌翼100は、溶融ガラスが矢印方向に流れる円筒縦型の溶融ガラスの流路101に設置され、回転することで溶融ガラスを攪拌するものである。以下の説明では、流路101を攪拌槽と定義し、攪拌槽と攪拌翼100とを合わせて攪拌装置と定義する。
【0026】
又、本実施形態では、図1に示したような攪拌装置において、攪拌槽101の一端を溶融ガラスの導入口とし、ここから溶融ガラスが連続的に流入するものと仮定し、攪拌翼100は設定された回転数で連続的に回転しているものと仮定している。
【0027】
又、本実施形態では、上記評価指標として、コンピュータによりリアプノフ指数を算出する。リアプノフ指数とは、任意の時刻における2つの粒子間の距離の広がりの率として定義されている指数である。そこで、本実施形態では、溶融ガラスの均質化の妨げとなる不均質成分(トレーサ成分)を複数個の粒子の集合とみなし、このトレーサ成分が攪拌装置で攪拌されることにより、不均質成分がどの位引き伸ばされたか(広がったか)を、上記リアプノフ指数を算出することで評価可能とした。
【0028】
ここで、リアプノフ指数について詳しく説明する。
リアプノフ指数とは、ある時刻において、2つの粒子間の距離がLであったとき、時刻t後に2つの粒子間の距離がLeλtに伸びていた場合、この伸び率を示す数値λのことを示す。又、リアプノフ指数は、初期値を少しだけ変えたときに、2つの粒子の軌道(距離)がどれだけ離れるか(初期値過敏性)を表わすのに優れた指数である。
【0029】
例えば、ある時刻tとtにおける2つの粒子間の距離Lは、次の式で表わされる。
【0030】
〔数式1〕
L(t=t)∝exp(λt)・・・(1)
L(t=t)∝exp(λt)・・・(2)
【0031】
式(2)を式(1)で割ると、
【0032】
〔数式2〕
Figure 2004231485
【0033】
となる。更に、式(3)の両辺の対数をとり、λについて解くと、
【0034】
〔数式3〕
Figure 2004231485
【0035】
として、リアプノフ指数λを得る。
【0036】
つまり、本実施形態では、仮想トレーサを複数個の粒子の集合と仮定し、ある時刻における複数個の粒子の各々の軌跡に基づいて、これらの各粒子同士の距離の総和を求めて、上記のL(仮想トレーサの長さ)とし、任意の時刻毎に上記の式(4)にしたがってコンピュータがリアプノフ指数を算出する。
【0037】
算出されるリアプノフ指数は、上述したように、どの時刻で仮想トレーサがどのくらい伸びたか、どの位置から流入した仮想トレーサがどのくらい伸びるか等の伸び率を定量的に評価することが可能な評価指標となる。
【0038】
又、本実施形態では、上記Lを用いることで、リアプノフ指数以外の評価指標も算出する。
【0039】
図2は、本発明の実施形態に係る攪拌性能評価指標算出プログラムによって動作するコンピュータの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、攪拌性能評価指標算出プログラムによって動作するコンピュータに攪拌工程に必要な所定の条件、典型的には、ユーザにより設定された構造データ、操業データ、及び物性データを溶融ガラス流れモデルに入力する(S21)。
【0040】
構造データとは、攪拌槽101の寸法や形状、攪拌翼100の形状等の構造に関するデータである。操業データとは、攪拌翼100の回転数、攪拌槽101に流れ込む溶融ガラス流量や導入口の溶融ガラス温度等の攪拌工程の操業に関するデータである。物性データとは、溶融ガラスの熱伝導率、粘度、密度、及び比熱等の溶融ガラスの物性に関するデータである。
【0041】
溶融ガラス流れモデルとは、構造データ、操業データ、及び物性データの入力により、攪拌槽101内の溶融ガラスの流れ場を出力するものであり、従来知られている公知のモデルが使用される。
【0042】
コンピュータは、溶融ガラス流れモデルにより攪拌槽101内の溶融ガラスの流れ場を算出して出力する(S22)。
【0043】
その後、コンピュータは、有限の長さを持つm+1(mは正の整数)個の粒子の集合で構成される仮想トレーサを攪拌槽101の導入口の任意の位置(以下、初期位置という)に発生させる(S23)。尚、この仮想トレーサの粒子の数や初期位置は、ユーザによって設定可能である。又、上記「m+1個」は特許請求の範囲の「N個」に該当する。
【0044】
尚、このときの時刻をt=0とするが、この時刻は0である必要はなく、任意の時刻であれば良い。又、m+1個の粒子は、初期位置においてそれぞれ等間隔に隣接するものとし、各粒子には順番にN、N、N、・・・、Nという粒子番号を付しているものとする。
【0045】
ここで、図2のS23の仮想トレーサ発生処理について詳述する。
図3は、コンピュータによる仮想トレーサの発生処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0046】
コンピュータは、ユーザからの設定により仮想トレーサの初期位置を決定し(S31)、仮想トレーサの長さを決定する(S32)。尚、仮想トレーサの長さは、以下の式(5)で求められる数値Zを最小値とする。
【0047】
〔数式4〕
Figure 2004231485
【0048】
次に、図4を参照して、上記の式(4)で決定される仮想トレーサの長さの規定について説明する。図4(a)〜(c)は、本実施形態の攪拌性能の評価に使用する攪拌装置の断面図(図1の例ではY−Y間の断面)の1例を示した図である。同図では、攪拌翼を複数備える攪拌装置の例を示した。
【0049】
図4(a)〜(c)に示したように、複数の攪拌翼のいずれかが、攪拌の周期性を決定する角度θ((a)、(c)では180°、(b)では120°)を回転するまでに要する時間T[s]と、初期位置における溶融ガラスの流速[m/s]との積から得られる長さを仮想トレーサの長さの最小値としており、この長さを決定する式が上述した式(5)である。
【0050】
次に、上記のように仮想トレーサの最小値を規定する理由を図5を参照して説明する。図5は、本実施形態の攪拌性能の評価に使用する攪拌装置の攪拌槽の導入口の任意の位置に仮想トレーサを発生させた場合のイメージを示す図である。
図5では180°の周期性を持つ攪拌翼100の例を示した。
【0051】
図5に示したように、攪拌槽101の導入口の任意の位置から粒子Nが流入されてから粒子Nが流入されるまでの間に、攪拌翼が周期性を持つ分だけ回転していないと、仮想トレーサの各粒子の軌道は異なる軌道をたどることになってしまう。図の例で説明すると、図中A点からB点までの回転角度が180°であるとすれば、任意の攪拌翼がA点にある時点で粒子Nを流入し、該任意の攪拌翼がB点に到達した時点で粒子Nが流入されていないと、m+1個の粒子の各々の位置や各粒子間の距離が正確に得られない可能性が生じてしまう。
【0052】
そこで、本実施形態では、仮想トレーサの初期位置がどの位置であっても、評価指標を精度良く算出可能とするために、仮想トレーサの長さの最小値を式(5)で得られる値に設定するようにしている。これにより、攪拌性能の評価指標を精度良く算出することが可能となる。
【0053】
尚、攪拌翼の1周期、即ち、1つの攪拌翼が1回転して元の位置に戻るまでに要する時間(図4の例では、任意の攪拌翼が一回転して元の位置に戻るまでの時間)と、初期位置における溶融ガラスの流速との積によって得られる長さを、上記仮想トレーサの長さに設定しても良い。このようにすることで、初期位置がどこであっても、仮想トレーサは周期的な軌跡をたどるため、攪拌性能の評価指標を精度良く算出することができる。又、この場合には、式(5)を用いて仮想トレーサの長さを求めた場合よりも、仮想トレーサの長さが長くなってしまうため、その後の軌跡算出処理や評価指標算出処理に要する時間が多くなってしまう。したがって、コンピュータの演算量を低く抑えるという目的のためには、上記式(5)により仮想トレーサの長さを算出することが好ましい。
【0054】
図3に戻り、S32において仮想トレーサの長さを決定した後、コンピュータは、該決定した長さを等分割した各位置に、m+1個の粒子を配置し(S33)、仮想トレーサの発生処理を終了する。
【0055】
尚、ここで発生させる粒子の数(粒子間の間隔を決定する値)はユーザによって設定可能であるが、その数はできるだけ多いことが望ましい(例えば、m>100)。これは、粒子の数を少なく設定した場合には、仮想トレーサとして配置される粒子同士の間隔が広くなってしまい、時間がある程度経過したときに、仮想トレーサの形状がコンピュータにより正確に表現できない恐れがあり、これにより評価指標が正確に得られない恐れがあるためである。
【0056】
又、粒子の数がある程度の数を超えると、評価指標の精度は飽和してしまうことと、粒子の数を多くし過ぎると、仮想トレーサの軌跡の算出や評価指標の算出に要する演算量が多くなってしまうこととから、粒子の数を多くし過ぎることは好ましくない(例えば、m>1000)。
以上が、仮想トレーサ発生処理についての説明である。
【0057】
図2に戻り、コンピュータは、発生させた仮想トレーサの初期位置と攪拌槽101内の溶融ガラスの流れ場とに基づいて、時刻t>0におけるm+1個の粒子の各々の軌跡を算出する(S24)。
【0058】
ここで、図2のS24の仮想トレーサの軌跡算出処理について詳述する。
図6は、コンピュータによる仮想トレーサの軌跡算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。尚、以下では、時刻t=n△t(nは1以上の整数)におけるm+1個の粒子の各位置をX(n△t)として定義した。又、△tは、コンピュータ算出において用いる所定の時間刻み幅であり、本実施形態では、△tのn倍(nは1以上の整数)の時間経過毎の粒子の軌跡(位置)を算出するようにしている。
【0059】
仮想トレーサの軌跡算出処理において、コンピュータは、時刻をt=(n−1)△tからt=n△に更新し(S61)、攪拌槽内の溶融ガラスの流れ場に基づいて、図2のS23で発生させた仮想トレーサを構成するm+1個の粒子の各々の位置(X(n△t)、X(n△t)、X(n△t)、・・・、X(n△t))を算出し(S62)、算出したm+1個の粒子の各々の位置情報をメモリ等に記録する。
【0060】
コンピュータは、時刻tが所定の時刻(ユーザによって設定された時刻等)になったかどうか判断し(S63)、所定の時刻になっていない場合(S63:NO)は、S61〜S62までのステップを繰り返し、各時刻におけるm+1個の粒子の各々の位置を算出して記録する。
【0061】
一方、所定の時刻になった場合(S63:YES)、仮想トレーサの軌跡算出処理を終了し、評価指標の算出処理(図2のS25)へと移行する。
【0062】
図2に戻り、コンピュータは、上記算出してメモリに記憶したデータに基づいて、時刻t=n△tにおける上記m+1個の粒子の各々の間の距離、即ち、Xj−1(n△t)とX(n△t)との距離L(n△t)を以下の式(6)により算出する(S63)。ここで、j=1〜mである。
【0063】
〔数式5〕
Figure 2004231485
【0064】
上記式(6)において、X(N)(k=1、2、3)は、粒子N、N、・・・、Nが存在する3次元空間上の位置を示すデカルト座標の各成分を表す。
【0065】
以上の計算により、時刻t=n△tにおけるm+1個の粒子の各々の間の距離(L(n△t)、L(n△t)、・・・、L(n△t))が得られる。その後、コンピュータは、時刻t=n△tにおけるm+1個の粒子の各々の間の距離に基づいて、以下の3つの評価指標を算出する(S25)。
【0066】
<評価指標1>
コンピュータは、時刻t=n△tにおける距離L(n△t)のj=1〜mまでの総和と、時刻t=(n―1)△tにおける距離L{(n−1)△t}のj=1〜mまでの総和との比を、時間刻み幅△tで割ることで、評価指標1を算出する。評価指標1は、以下の式(7)により算出する。
【0067】
〔数式6〕
Figure 2004231485
【0068】
この評価指標1は、時間刻み幅△t毎の仮想トレーサの伸び率を評価することが可能な評価指標である。このため、評価指標1を用いることにより、どの時刻で仮想トレーサがどのくらい伸びたか、どの位置から流入した仮想トレーサがどのくらい伸びるか等の伸び率を定量的に評価することが可能となる。
【0069】
<評価指標2>
コンピュータは、時刻t=n△tにおける距離L(n△t)のj=1〜mまでの総和と、初期位置(t=0)における距離L(0)のj=1〜mまでの総和(溶融ガラス流路に流入する前の仮想トレーサの長さ)との比を、時刻t=0からt=n△tまでの経過時間n△tで割ることで、評価指標2を算出する。評価指標2は、以下の式(8)により算出する。
【0070】
〔数式7〕
Figure 2004231485
【0071】
この評価指標2は、初期位置から溶融ガラス流路に流入された仮想トレーサの、単位時間あたりの伸び率を定量的に評価することが可能な評価指標となる。尚、式(8)のnの値は、ユーザが任意に設定することが可能であり、これにより、仮想トレーサ流入から任意の時刻までの、仮想トレーサの単位時間当たりの伸び率を定量的に評価することができる。
【0072】
<評価指標3>
コンピュータは、時刻t=n△tにおける距離L(n△t)のj=1〜mまでの総和と、初期位置(t=0)における距離L(0)のj=1〜mまでの総和(溶融ガラス流路に流入する前の仮想トレーサの長さ)との比を以下の式(9)により算出し、これを評価指標3とする。
【0073】
〔数式8〕
Figure 2004231485
【0074】
ユーザにより上記nの値を設定して、コンピュータにより評価指標3を算出することで、t=0で初期位置から溶融ガラス流路に流入された仮想トレーサが、所望の時間経過後に最終的にどのくらいの長さになったか(引き伸ばされたか)を評価することができる。又、初期位置を変えることで、どの位置から流入した仮想トレーサが、よく引き伸ばされるかを評価することができる。
【0075】
以上のようにして算出された評価指標1〜3を縦軸とし、時間又は初期位置から溶融ガラスの流れ方向に向かう距離を横軸としたグラフ等をコンピュータ(上記以外のコンピュータでも良い)により作成して、ディスプレイ等に表示することで、攪拌工程の攪拌性能を定量的に評価できると共に、その攪拌性能をグラフにより目で見て確認することができる。
【0076】
このように、本実施形態によれば、攪拌装置の構造や運転条件等の違いによる攪拌性能の違いも定量的に評価可能な評価指標を算出することができる。
【0077】
又、攪拌槽内の溶融ガラスの流れ場と、仮想トレーサの初期位置とに基づいて評価指標を算出することができるため、攪拌装置の構造や運転条件が変化しても、上記流れ場を求めるパラメータを変更するだけで、簡単に評価指標を得ることができる。
【0078】
又、この評価指標を基に、攪拌装置の設計や選択を含めた運転条件の最適化を精度良く行うことができる。例えば、評価指標1を縦軸にとり、初期位置から流れ方向への位置を横軸にとったグラフを参照することで、攪拌翼のどの位置では仮想トレーサの伸びが良く、どの位置では仮想トレーサの伸びが悪いかといったことが分かるため、仮想トレーサの伸びが悪い位置の攪拌翼の形状を変更して、その伸びの悪さを改善するといったことが可能となる。
【0079】
又、設定するデータ(構造データ、操業データ、及び物性データ)の値を変えるだけで、種々の変更(気温の違い、攪拌翼の形状の違い、攪拌翼の回転数の違い、溶融ガラスの粘度の違い等)に応じた攪拌性能の評価を定量的且つ容易に行うことができる。このように、様々な条件下での攪拌性能の評価が可能なため、攪拌装置の攪拌性能の評価の信頼性を従来よりもはるかに向上させることができる。
【0080】
尚、本実施形態では、図6のS63において、所定の時刻になってから、評価指標の算出処理へと移行するようにしているが、S62で、m+1個の粒子の各々の位置を算出する度に、図2に示したS25の評価指標算出処理を行い(但し、この場合には、最低2つの時刻に相当する粒子の位置情報が必要)、算出した結果をメモリに記録しておくようにしても良い。これにより、攪拌性能の評価指標をリアルタイムに得ることができる。
【0081】
又、本実施形態では、コンピュータが、攪拌槽101に溶融ガラスが連続的に流入していると仮定して、溶融ガラスモデルにより溶融ガラスの流れ場を算出しているが、溶融ガラスが連続的に流入していない、いわゆるバッチ式の攪拌方式においても、上記仮定をコンピュータが行わないようにする(溶融ガラス流量のデータを設定条件として用いない)ことで適用可能である。
【0082】
溶融ガラスが連続的に流入してくる、いわゆる連続式の攪拌方式では、攪拌槽内の溶融ガラスが常に流れている為、攪拌性能の評価を定性的に行うような従来の手法では、その評価を行うことが特に困難である。ところが、本実施形態では、連続式の場合でも、連続式に起因するデータ、例えば溶融ガラスの流量等を予め設定しておくことで、攪拌性能の評価を定量的に行うことが可能となる。
【0083】
又、本実施形態では、図1に示したような溶融ガラスの流れ方向が攪拌翼の回転軸と平行になっている攪拌装置を例にして説明したが、流れ方向が攪拌翼の回転軸と平行でない攪拌装置、例えば、チャネル・キャナル・フィーダーに挿入された攪拌装置においても適用可能である。又、図1に示した攪拌翼100が複数存在する攪拌装置においても適用可能である。
【0084】
特許請求の範囲の「所定時刻」とは、攪拌装置100の導入口に設定した初期位置において仮想トレーサが流入された時刻から任意の時間が経過した時点での時刻T’(本実施形態ではT’=0、n△t)のことである。又、特許請求の範囲の「所定時間」とは、前記時刻T’からの経過時間△T’(本実施形態では△t)のことである。
【0085】
以上が、本実施形態に係る攪拌装置の攪拌性能評価指標算出プログラムの処理についての説明である。
【0086】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例1が実施例、例2が従来との比較例である。以下の例1では、評価指標として評価指標3を用いたシミュレーション結果について説明する。
【0087】
(例1)
図7は、本実施例で用いる仮想の攪拌装置の構造を示す図である。図7(a)は攪拌装置の構造を示す概略図、(b)は(a)に示した攪拌装置のV−V断面図である。図7(a)には、仮想の攪拌装置700と攪拌装置700内の攪拌翼701とを図示し、攪拌翼701の拡大図も併せて図示してある。
【0088】
図7に示したように、構造データとして次のデータを設定した。
攪拌槽:直径0.2[m]、高さ1.2[m]
攪拌翼:攪拌翼枚数10枚、攪拌翼の間隔0.050[m]、攪拌翼の高さ0.02[m]、攪拌翼の幅0.133[m]、攪拌翼の奥行き0.017[m]
【0089】
操業データ及び物性データとしては次のデータを設定した。
攪拌翼の回転数10.0[rpm]
溶融ガラス流量:4.8737×10−5[m/s]
溶融ガラス粘度:316[Pas]
【0090】
仮想トレーサの初期位置は、攪拌槽の導入口の中心から0.010[m]、0.020[m]、0.030[m]、0.040[m]、0.050[m]、0.060[m]、0.070[m]、0.080[m]、及び0.090[m]の各位置に設定してシミュレーションを行った。
【0091】
図8は、本実験例のシミュレーション結果を示す図である。同図のグラフは、縦軸を評価指標3、横軸を攪拌槽の中心からの初期位置とした。同図に示すように、攪拌槽の中心に近い位置ほど、仮想トレーサが良く引き伸ばされていることが分かる。
【0092】
(例2)
上記例1の実験で用いる仮想の攪拌装置700のモデルを縮尺比0.415で作成し、該モデルを用いて、従来行われていたインクによる可視化実験を行った。実験条件は以下の通りである。
【0093】
攪拌装置の構造は、例1で用いたものと同様である。
実験に使用した流体はポリプテン
流体の流量は実スケール換算で4.867×10−5[m/s]
粘性は実スケール換算で2.671×10[Pas]
攪拌翼の回転数は実スケール換算で10.0[rpm]とした。
尚、実スケール換算の粘性は、計算と比べて若干低い値となっているが、攪拌解析のベースとなる流れ構造に、この粘性差のおよぼす影響は極めて小さく無視できるものである。
【0094】
リーム(インク)の投入位置は、攪拌槽の導入口の中心から実スケール換算で約0.016[m]、約0.027[m]、約0.040[m]、約0.070[m]、及び約0.088[m]の各位置に設定して実験を行った。
【0095】
図9は、本実験例の実験結果と、例1でのシミュレーション結果との対比を示す図である。上記シミュレーションで求めた評価指標3との対比を明らかにするために、可視化実験においては、インクトレースの状態について3段階の評価を行った。
【0096】
この3段階の評価は、例1で算出した評価指標3の値に対応する。インクトレースが攪拌装置を通過した後、目視ではほとんどインクの筋が確認できない状態は、評価指標3の値3に対応する。又、インクトレースが攪拌装置を通過した後、インクの拡散が不十分で、ところどころにインクの筋が確認できる状態は、評価指標3の値2に対応する。又、インクトレースが攪拌翼に絡まらず、攪拌翼の間をすり抜けてしまい、攪拌装置通過後に、インクの1本の太い筋が確認できる状態は、評価指標3の値1に対応する。
【0097】
図9に示したように、例2における実験結果は、例1におけるシミュレーション結果とほぼ同様になっており、シミュレーション結果が正しいことが証明された。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を定量的に評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出可能な攪拌性能評価指標算出方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の攪拌性能の評価を行う対象となる仮想の攪拌装置の構成の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る攪拌性能評価指標算出プログラムによって動作するコンピュータの処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図3】コンピュータによる仮想トレーサの発生処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図4】(a)〜(c)は、本実施形態の攪拌性能の評価に使用する攪拌装置の断面図の一例を示した図である。
【図5】本実施形態の攪拌性能の評価に使用する攪拌装置の攪拌槽の導入口の任意の位置に仮想トレーサを発生させた場合のイメージを示す図である。
【図6】コンピュータによる仮想トレーサの軌跡算出処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【図7】本実施例で用いる仮想の攪拌装置の構造を示す図である。
【図8】本実施例の例1によるシミュレーション結果を示す図である。
【図9】本実施例の例2による実験結果と例1によるシミュレーション結果との対比を示す図である。
【符号の説明】
100 攪拌翼
101 流路(攪拌槽)

Claims (7)

  1. 溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、
    前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、
    前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、
    前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記所定時刻から所定時間経過後の時刻における前記粒子間の距離の総和との比を前記所定時間で割った値を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する攪拌性能評価指標算出方法。
  2. 溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、
    前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、
    前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、
    前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻における前記トレーサ成分の粒子間の距離の総和との比率を、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻から前記所定時刻までの経過時間で割った値を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する攪拌性能評価指標算出方法。
  3. 溶融ガラスの攪拌工程における攪拌性能を評価するための評価指標を数学シミュレーションにより算出する攪拌性能評価指標算出方法であって、前記攪拌工程に必要な所定の条件に基づいて、前記攪拌工程における溶融ガラスの流れ場を求める流れ場解析ステップと、
    前記流れ場に対して、前記溶融ガラス流路の入口の任意の位置にN(Nは2以上の整数)個の粒子から構成される仮想のトレーサ成分を発生させるトレーサ成分発生ステップと、
    前記任意の位置と、前記流れ場解析ステップで求めた流れ場とに基づいて、前記任意の位置から流入された前記N個の粒子の各々の軌跡を求める軌跡算出ステップと、
    前記軌跡算出ステップで求めた前記N個の粒子の各々の軌跡に基づいて、所定時刻における前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和と、前記トレーサ成分が前記溶融ガラスに流入された時刻における前記トレーサ成分の粒子間の距離の総和との比率を、前記評価指標として算出する評価指標算出ステップとを有する攪拌性能評価指標算出方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の攪拌性能評価指標算出方法であって、
    前記攪拌工程に必要な所定の条件は、前記溶融ガラス流路への溶融ガラス流量を含み、
    前記流れ場解析ステップでは、前記溶融ガラス流量を用いて、前記溶融ガラスが前記溶融ガラス流路に対して連続的に流入されていると仮定して前記流れ場を求めるものである攪拌性能評価指標算出方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の攪拌性能評価指標算出方法であって、
    前記トレーサ成分発生ステップで前記任意の位置に発生させる前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和が有限の長さを有しており、
    前記トレーサ成分の長さを、前記攪拌を行う攪拌翼が1回転するのに要する時間と、前記任意の位置における前記溶融ガラスの流速との積により決定する攪拌性能評価指標算出方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか記載の攪拌性能評価指標算出方法であって、
    前記トレーサ成分発生ステップで前記任意の位置に発生させる前記N個の粒子の各々の隣り合う粒子間の距離の総和が有限の長さを有し、
    前記攪拌を行う攪拌翼を複数とし、前記複数の攪拌翼が所定の周期性を持って前記溶融ガラスを攪拌するように配置されているものであって、
    前記トレーサ成分の長さを、前記周期性を決定する角度を前記複数の攪拌翼のいずれかが回転するのに要する時間と、前記任意の位置における前記溶融ガラスの流速との積を最小値とする値に設定する攪拌性能評価指標算出方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の攪拌性能評価指標算出方法の各ステップをコンピュータにより実行させるための攪拌性能評価指標算出プログラム。
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