JP2004231100A - 軌道走行車両の位置検知システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】距離積算部15が、「距離パルス」のカウント値に基づいて先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を計算する。また、GPS受信機13は、先頭車2のGPS位置情報(緯度・経度・高度)をGPS衛星11から受信した電波に基づいて出力する。さらに、軌道情報データベース16には、GPS受信機13の出力を不能とする線路上の各障害物の位置情報が先頭車2の走行距離(例えば、メートル数)をもって記憶される。そして、GPS受信機13の出力が不能になると、軌道情報データベース16を使用して、障害物検出部17が、各障害物の中から「特定障害物」として特定し、さらに、「特定障害物」の位置情報に基づいて先頭車2の積算走行距離を補正する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS(Global Positioning Sysetm)を用いて、軌道上を走行する車両の自己位置を補正する軌道走行車両の位置検知システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
軌道上を走行する車両は、車輪回転数に車輪径を乗ずることにより得られるが、この車輪回転数は、車輪の滑走及び空転による誤差を含んでおり、この誤差を補正する(いわゆる地点検知)方法の一つとして、従来から、GPSを利用する方法が考案されてきた(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−225708号公報
【0004】
この点、GPSを利用する方法は、GPS衛星から受信した電波に基づき出力されたGPS位置情報(緯度・経度・高度)を、軌道の位置とGPS位置情報の関係が予め記憶されたデータベース上で比較することにより、GPS位置情報を受信する度に自己位置を検知する方法であり、通常、単独測位では精度が不十分であるため、地上局からの補正情報(海上保安庁の中波ビーコンを利用する方法やFM多重放送を利用する方法等)を利用して精度を改善する方法が用いられる場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、GPSを利用する方法は、軌道の位置とGPS位置情報の関係を表すデータベースを一度作成しておけば、以後のメンテナンスは基本的に不要であるが、トンネルや駅などの障害物が車両の周囲にあると、GPS衛星からの受信状況や地上局からの補正情報の受信状況が悪化するので、信頼性の面では、地上設備を利用する方法に劣っていた。
【0006】
そこで、本発明は、上述した点を鑑みてなされたものであり、GPS衛星からの受信状況が障害物で悪化することを積極的に利用することにより、信頼性の向上を図った位置検知システムを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、軌道上を走行する車両の位置を検知する軌道走行車両の位置検知システムであって、前記車両の車輪回転数をカウントする計数手段と、前記計数手段のカウント値に基づいて前記車両の積算走行距離を計算する積算手段と、前記車両のGPS位置情報をGPS衛星から受信した電波に基づいて出力するGPS測位手段と、前記GPS測位手段の出力を不能とする軌道上の各障害物の位置情報を前記車両の走行距離をもって記憶した軌道情報データベースと、前記GPS測位手段の出力を不能にさせたものを各障害物の中から特定障害物として特定する障害物特定手段と、前記障害物特定手段で特定された特定障害物の位置情報に基づいて前記車両の積算走行距離を補正する補正手段と、を備えたこと、を特徴としている。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載する軌道走行車両の位置検知システムであって、前記軌道情報データベースに、各障害物の長さを記憶するとともに各障害物の位置情報をGPS位置情報をもっても記憶し、前記障害物特定手段は、前記GPS測位手段の出力が不能となる直前の前記車両のGPS位置情報と各障害物のGPS位置情報とを比較して、各障害物から前記車両に最も近い最短距離を求め、当該最短距離が前記GPS測位手段の測位誤差より小さいことを条件として、各障害物の中から当該最短距離にあるものを特定障害物として特定し、前記補正手段は、前記GPS測位手段の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に前記車両が走行した距離を求め、当該距離が当該特定障害物の長さに匹敵することを条件として、当該特定障害物の位置情報に対応する前記車両の走行距離に当該距離が加わった値を前記車両の積算走行距離に代入すること、を特徴としている。
【0009】
このような特徴を有する本発明の軌道走行車両の位置検知システムでは、計数手段が車両の車輪回転数をカウントし、そのカウント値に基づいて積算手段が車両の積算走行距離を計算している。また、その一方で、GPS測位手段により、車両のGPS位置情報をGPS衛星から受信した電波に基づいて出力している。さらに、軌道情報データベースには、GPS測位手段の出力を不能とする軌道上の各障害物の位置情報が車両の走行距離をもって記憶されている。
【0010】
そして、GPS測位手段の出力が不能になると、軌道情報データベースを使用して、障害物特定手段が、GPS測位手段の出力を不能にさせたものを各障害物の中から特定障害物として特定し、さらに、補正手段が、障害物特定手段で特定された特定障害物の位置情報に基づいて車両の積算走行距離を補正する。
【0011】
すなわち、本発明の軌道走行車両の位置検知システムでは、GPS測位手段の出力が不能になったときは、補正手段が、障害物特定手段で特定された特定障害物の位置情報に基づいて車両の積算走行距離を補正しており、障害物を検出することで車両の積算走行距離を補正しているので、GPS衛星からの受信状況が障害物で悪化することを積極的に利用することにより、信頼性の向上を図ることができる。
【0012】
また、本発明の軌道走行車両の位置検知システムでは、補正手段が車両の積算走行距離を補正する際は、軌道情報データベースを使用しており、地上局からの補正情報が不要となるため、コスト低下を図ることもできる。
【0013】
また、本発明の軌道走行車両の位置検知システムにおいて、軌道情報データベースに、各障害物の長さを記憶するとともに各障害物の位置情報をGPS位置情報をもっても記憶し、障害物特定手段が、GPS測位手段の出力が不能となる直前の車両のGPS位置情報と各障害物のGPS位置情報とを比較して、各障害物から車両に最も近い最短距離を求め、当該最短距離がGPS測位手段の測位誤差より小さいことを条件として、各障害物の中から当該最短距離にあるものを特定障害物として特定し、補正手段が、GPS測位手段の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に前記車両が走行した距離を求め、当該距離が当該特定障害物の長さに匹敵することを条件として、当該特定障害物の位置情報に対応する車両の走行距離に当該距離が加わった値を前記車両の積算走行距離に代入すれば、軌道情報データベースに記憶されていない想定外障害物によってGPS測位手段の出力が不能になっても、障害物特定手段が想定外障害物を特定障害物として特定することを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照にして説明する。図1に、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1の概要を示す。そこで、先ず、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1の構成について説明する。図1に示すように、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1は、線路上を走行する鉄道車両の位置を検知するものであって、先頭車2において、GPSアンテナ12と、GPS受信機13、速度発電機14、距離積算部15、軌道情報データベース16、障害物検出部17などを備えている。
【0015】
この点、GPSアンテナ12は、GPS衛星11からの電波を受信するものである。GPS受信機13は、GPSアンテナ12を介して受信したGPS衛星11からの電波に基づいて先頭車2のGPS位置情報(緯度・経度・高度)を出力するものである。速度発電機14は、車輪が1回転するにあたりn個のパルス(以下、「距離パルス」という)を出力するものである。距離積算部15は、「距離パルス」のカウント値に車輪径/nを乗じて、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を計算するものである。
【0016】
また、軌道情報データベース16には、先頭車2(ひいては、鉄道車両)が線路上を走行・停止している際にGPS衛星11からの電波をGPSアンテナ12を介して受信することを妨害するトンネルや駅などの各障害物について、それぞれの長さが記憶されている。さらに、各障害物に対し、それぞれの位置情報が、GPS位置情報(緯度・経度・高度)と先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)とが対応するように記憶されている。
【0017】
尚、障害物には、上述したトンネルや駅の他に、高架などもある。また、以下では、軌道情報データベース16に記憶された情報の全体を意味するときは、「軌道情報」と記述する。
【0018】
また、図2は、先頭車2(ひいては、鉄道車両)がトンネル3の線路上を走行している際において、GPS衛星11からの電波をGPSアンテナ12を介して受信することが妨害される様子を示したものである。また、図3は、先頭車2(ひいては、鉄道車両)が駅4の線路上を走行・停止している際において、GPS衛星11からの電波をGPSアンテナ12を介して受信することが妨害される様子を示したものである。特に、図3においては、図1や図2とは異なって、GPSアンテナ12が先頭車2の下方に設置されており、駅4のプラットホームなどにより、GPS衛星11からの電波をGPSアンテナ12を介して受信することが妨害されやすい。また、図1や図2のように、GPSアンテナ12が先頭車2の上面に設置されていても、駅4の屋根などにより、GPS衛星11からの電波をGPSアンテナ12を介して受信することが妨害されることがある。
【0019】
また、障害物検出部17は、GPS受信機13からのGPS位置情報(緯度・経度・高度)及び、GPS受信機13からのGPS位置情報(緯度・経度・高度)に含まれる測位誤差(以下、「GPS測位誤差」という)、軌道情報データベース16の「軌道情報」などから、GPS衛星11からの電波を受信することを妨害している障害物を特定するものであり、さらに、距離積算部15により算出された先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を補正するものである。
【0020】
次に、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1の作用について説明する。図5は、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1のフローチャート図である。図5に示すように、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1では、先ず、S11において、距離積算部15が、速度発電機14からの「距離パルス」をカウントし、さらに、S12において、距離積算部15が、「距離パルス」のカウント値に車輪径/nを乗じて、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を計算する。
【0021】
そして、S13において、前回(後述するS17)で障害物を検出しているか否かを判断する。ここで、前回(後述するS17)で障害物を検出していないと判断した場合には(S13:No)、S14に進んで、障害物長さ(変数)に「0」を代入する。次に、S15において、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であるか否かを判断する。ここで、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であると判断した場合には(S15:Yes)、S16に進んで、GPS受信機13から出力されたGPS位置情報(緯度・経度・高度)にGPS位置情報(変数)を更新した後に、S11に戻る。
【0022】
一方、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能でないと判断した場合には(S15:No)、S17に進む。そして、S17では、障害物検出部17が、前回(上述したS16)のGPS位置情報(変数)に最も近い障害物のGPS位置情報(緯度・経度・高度)と前回(上述したS16)のGPS位置情報(変数)との間の距離(以下、「最短距離」という)を求め、「最短距離」を「GPS測位誤差」と比較する。
【0023】
この点、前回(上述したS16)のGPS位置情報(変数)に最も近い障害物のGPS位置情報(緯度・経度・高度)は、軌道情報データベース16の「軌道情報」に基づいて特定する。具体的に言えば、例えば、前回(上述したS16)のGPS位置情報(変数)を、軌道情報データベース16の各障害物のGPS位置情報(緯度・経度・高度)と比較して、前回(上述したS16)のGPS位置情報(変数)に最も近い障害物(以下、「特定障害物」という)を特定し、もって、「特定障害物」のGPS位置情報(緯度・経度・高度)を特定する。
【0024】
そして、「最短距離」が「GPS測位誤差」以上と判断された場合には(S17:No)、何もすることなく、S11に戻る。一方、「最短距離」が「GPS測位誤差」よりも小さいと判断された場合には(S17:Yes)、S18に進んで、障害物検出部17が、所定の変数などを障害物を検出していることを示す値にした後に、S11に戻る。
【0025】
この点、図4に、S17において「最短距離」が「GPS測位誤差」よりも小さいと判断される場合(S17:Yes)の一例を示す。図4の模式図では、符号31が線路であり、符号32が「特定障害物」であり、符号33がGPS位置情報(変数)が示す位置であり、符号34が「GPS測位誤差」の範囲を示す円である。尚、「GPS測位誤差」の範囲を示す円34は、GPS位置情報(変数)が示す位置33を中心にして、「GPS測位誤差」(矢印)を半径とした描いたものである。
【0026】
一方、上述したS13において、前回(のS17)で障害物を検出していると判断した場合には(S13:Yes)、S19に進んで、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であるか否かを判断する。ここで、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能でないと判断した場合には(S19:No)、S20を経由して、S11に戻る。
【0027】
この点、S20では、障害物検出部17が、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行速度にGPS受信機13の受信間隔を乗じた値を障害物長さ(変数)に代入しており、これを、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であると判断されるまで(S19:Yes)、繰り返し行っている。従って、障害物長さ(変数)の値は、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能でないと判断されてから(S19:No)、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であると判断されるまで(S19:Yes)に要した時間内に、先頭車2(ひいては、鉄道車両)が走行した距離を意味する。尚、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行速度は、速度発電機14などから知ることができる。
【0028】
そして、S19において、GPS受信機13によるGPS位置情報(緯度・経度・高度)の出力が可能であると判断された後は(S19:Yes)、S21に進んで、軌道情報データベース16に記憶された「特定障害物」の長さと障害物長さ(変数)の値を比較する。ここで、軌道情報データベース16に記憶された「特定障害物」の長さが障害物長さ(変数)の値に殆ど等しいと判断した場合には(S21:Yes)、S22に進む。S22では、障害物検出部17が、軌道情報データベース16に記憶された「特定障害物」に対応する先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)に障害物長さ(変数)を加え、その和をS12で算出された積算走行距離に代入する。一方、軌道情報データベース16に記憶された「特定障害物」の長さが障害物長さ(変数)の値に殆ど等しいと判断しない場合には(S21:No)、S11に戻る。
【0029】
尚、S21に進んだ際は、障害物検出部17が、S18において障害物を検出していることを示す値にした所定の変数などを、障害物を検出していないことを示す値に戻しておく。
【0030】
以上詳細に説明したように、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1では、距離積算部15が、速度発電機14からの「距離パルス」をカウントし(S11)、さらに、距離積算部15が、「距離パルス」のカウント値に車輪径/nを乗じて、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を計算している(S12)。また、その一方で、GPS受信機13により、先頭車2(ひいては、鉄道車両)のGPS位置情報(緯度・経度・高度)をGPS衛星11から受信した電波に基づいて出力している(S15:Yes、S16)。さらに、軌道情報データベース16には、GPS受信機13の出力を不能とする線路上の各障害物の位置情報が先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)をもって記憶されている。
【0031】
そして、GPS受信機13の出力が不能になると(S15:No)、軌道情報データベース16を使用して、障害物検出部17が、GPS受信機13の出力を不能にさせたものを各障害物の中から「特定障害物」として特定し(S17)、さらに、障害物検出部17が、障害物検出部17で特定された「特定障害物」の位置情報に基づいて先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を補正する(S22)。
【0032】
すなわち、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1では、GPS受信機13の出力が不能になったときは(S15:No)、障害物検出部17が、障害物検出部17で特定された「特定障害物」の位置情報に基づいて先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を補正しており(S22)、地上局からの補正情報の受信状況の悪化に関係なく障害物を検出することで先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離を補正しているので、GPS衛星11からの受信状況が障害物で悪化することを積極的に利用することにより、信頼性の向上を図ることができる。
【0033】
また、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1では、障害物検出部17が先頭車2(ひいては、鉄道車両)積算走行距離を補正する際は、軌道情報データベース16を使用しており、地上局からの補正情報が不要となるため、コスト低下を図ることもできる。
【0034】
また、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1では、軌道情報データベース16に、各障害物の長さを記憶するとともに各障害物の位置情報をGPS位置情報(緯度・経度・高度)をもっても記憶している。また、障害物検出部17が、GPS受信機13の出力が不能となる直前の先頭車2(ひいては、鉄道車両)のGPS位置情報(変数)と各障害物のGPS位置情報(緯度・経度・高度)とを比較して、各障害物から車両に最も近い「最短距離」を求め、当該「最短距離」が「GPS測位誤差」より小さいことを条件として、各障害物の中から当該「最短距離」にあるものを「特定障害物」として特定している(S17)。さらに、障害物検出部17が、GPS受信機13の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に先頭車2(ひいては、鉄道車両)が走行した距離を障害物長さ(変数)として求め(S20)、当該距離(障害物長さ(変数))が当該「特定障害物」の長さに匹敵することを条件として(S21:Yes)、当該「特定障害物」の位置情報に対応する先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)に当該距離(障害物長さ(変数))が加わった値を、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離に代入している(S22)。従って、軌道情報データベース16に記憶されていない想定外障害物によってGPS受信機13の出力が不能になっても、障害物検出部17が想定外障害物を「特定障害物」として特定することを防止することができる。
【0035】
但し、図4の「GPS測位誤差」の範囲を示す円34において、線路31上の障害物が2以上含まれるケースが想定される場合には、S17で「特定障害物」を特定することは困難であることから、それらの障害物についての「軌道情報」については、軌道情報データベース16から予め削除しておく。
【0036】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1においては、障害物検出部17が、GPS受信機13の出力が不能となる直前の先頭車2(ひいては、鉄道車両)のGPS位置情報(変数)と各障害物のGPS位置情報(緯度・経度・高度)とを比較して、各障害物から車両に最も近い「最短距離」を求め、当該「最短距離」が「GPS測位誤差」より小さいことを条件として、各障害物の中から当該「最短距離」にあるものを「特定障害物」として特定していたが(S17)、この点、GPS衛星11からの受信状況が障害物で悪化することを積極的に利用する観点からすれば、GPS受信機13の出力が不能となった回数から「特定障害物」を特定してもよい。
【0037】
また、本実施の形態の軌道走行車両の位置検知システム1においては、障害物検出部17が、GPS受信機13の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に先頭車2(ひいては、鉄道車両)が走行した距離を障害物長さ(変数)として求め(S20)、当該距離(障害物長さ(変数))が当該「特定障害物」の長さに匹敵することを条件として(S21:Yes)、当該「特定障害物」の位置情報に対応する先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)に当該距離(障害物長さ(変数))が加わった値を、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離に代入していたが(S22)、この点、従来技術と比べて信頼性の向上を図る観点からすれば、GPS受信機13の出力が回復となった時点で、当該「特定障害物」の位置情報に対応する先頭車2(ひいては、鉄道車両)の走行距離(例えば、メートル数)のみを、先頭車2(ひいては、鉄道車両)の積算走行距離に代入してもよい。
【0038】
【発明の効果】
本発明の軌道走行車両の位置検知システムでは、GPS測位手段の出力が不能になったときは、補正手段が、障害物特定手段で特定された特定障害物の位置情報に基づいて車両の積算走行距離を補正しており、障害物を検出することで車両の積算走行距離を補正しているので、GPS衛星からの受信状況が障害物で悪化することを積極的に利用することにより、信頼性の向上を図ることができる。
【0039】
また、本発明の軌道走行車両の位置検知システムでは、補正手段が車両の積算走行距離を補正する際は、軌道情報データベースを使用しており、地上局からの補正情報が不要となるため、コスト低下を図ることもできる。
【0040】
また、本発明の軌道走行車両の位置検知システムにおいて、軌道情報データベースに、各障害物の長さを記憶するとともに各障害物の位置情報をGPS位置情報をもっても記憶し、障害物特定手段が、GPS測位手段の出力が不能となる直前の車両のGPS位置情報と各障害物のGPS位置情報とを比較して、各障害物から車両に最も近い最短距離を求め、当該最短距離がGPS測位手段の測位誤差より小さいことを条件として、各障害物の中から当該最短距離にあるものを特定障害物として特定し、補正手段が、GPS測位手段の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に前記車両が走行した距離を求め、当該距離が当該特定障害物の長さに匹敵することを条件として、当該特定障害物の位置情報に対応する車両の走行距離に当該距離が加わった値を前記車両の積算走行距離に代入すれば、軌道情報データベースに記憶されていない想定外障害物によってGPS測位手段の出力が不能になっても、障害物特定手段が想定外障害物を特定障害物として特定することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による軌道走行車両の位置検知システムの概要を示した図である。
【図2】本発明の一実施形態による軌道走行車両の位置検知システムにおいて、先頭車(ひいては、鉄道車両)がトンネルの線路上を走行している際に、GPS衛星からの電波をGPSアンテナを介して受信することが妨害される様子を示したものである。
【図3】本発明の一実施形態による軌道走行車両の位置検知システムにおいて、先頭車(ひいては、鉄道車両)が駅の線路上を走行・停止している際に、GPS衛星からの電波をGPSアンテナを介して受信することが妨害される様子を示したものである。
【図4】本発明の一実施形態による軌道走行車両の位置検知システムにおいて、「最短距離」が「GPS測位誤差」よりも小さいと判断される場合の一例を示した模式図である。
【図5】本発明の一実施形態による軌道走行車両の位置検知システムのフローチャート図である。
【符号の説明】
1 軌道走行車両の位置検知システム
2 先頭車
3 トンネル
4 駅
11 GPS衛星
12 GPSアンテナ
13 GPS受信機
14 速度発電機
15 距離積算部
16 軌道情報データベース
17 障害物検出部
31 線路
32 「特定障害物」
34 「GPS測位誤差」
Claims (2)
- 軌道上を走行する車両の位置を検知する軌道走行車両の位置検知システムであって、
前記車両の車輪回転数をカウントする計数手段と、
前記計数手段のカウント値に基づいて前記車両の積算走行距離を計算する積算手段と、
前記車両のGPS位置情報をGPS衛星から受信した電波に基づいて出力するGPS測位手段と、
前記GPS測位手段の出力を不能とする軌道上の各障害物の位置情報を前記車両の走行距離をもって記憶した軌道情報データベースと、
前記GPS測位手段の出力を不能にさせたものを各障害物の中から特定障害物として特定する障害物特定手段と、
前記障害物特定手段で特定された特定障害物の位置情報に基づいて前記車両の積算走行距離を補正する補正手段と、を備えたこと、を特徴とする軌道走行車両の位置検知システム。 - 請求項1に記載する軌道走行車両の位置検知システムであって、
前記軌道情報データベースに、各障害物の長さを記憶するとともに各障害物の位置情報をGPS位置情報をもっても記憶し、
前記障害物特定手段は、前記GPS測位手段の出力が不能となる直前の前記車両のGPS位置情報と各障害物のGPS位置情報とを比較して、各障害物から前記車両に最も近い最短距離を求め、当該最短距離が前記GPS測位手段の測位誤差より小さいことを条件として、各障害物の中から当該最短距離にあるものを特定障害物として特定し、
前記補正手段は、前記GPS測位手段の出力が不能となってから回復するまでに要した時間内に前記車両が走行した距離を求め、当該距離が当該特定障害物の長さに匹敵することを条件として、当該特定障害物の位置情報に対応する前記車両の走行距離に当該距離が加わった値を前記車両の積算走行距離に代入すること、を特徴とする軌道走行車両の位置検知システム。
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Cited By (6)
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