JP2004230271A - 排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法 - Google Patents

排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】排水処理を容易に行うことができる排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法を提供する。
【解決手段】業務用厨房のシンク1は、第1の排水管2を介してグリストラップ3に接続されている。グリストラップ3の槽5の上部には、槽5の上部を区分けする2つの遮蔽板6が配置され、槽5の上部が3つの領域5a〜5cに区分けされている。領域5a及び領域5bには、排水処理用固形物7が配置されている。排水処理用固形物7は、有機物を分解可能な微生物及び酵素の少なくとも一方が、排水により所定量が徐々に溶解可能な徐溶性を有するとともに、微生物及び酵素に分解されず、微生物を死滅させない、または酵素を分解しないバインダに保持されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法に関し、詳しくは 排水中に含まれる油脂等を処理する排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
レストラン等の業務用厨房には、排水中の油脂を取り除く油水分離槽(グリストラップ)が設置されている。業務用厨房にグリストラップが設置されているのは、業務用厨房から排出される排水中には油脂が多く含まれており、油脂を取り除いた排水を下水に放流するためである。グリストラップは、その槽内で排水を一旦滞留させ、油と水との比重差で排水中の油脂を分離貯留し、排水だけを下水に流す装置である。
【0003】
ところで、グリストラップは、油脂を分離貯留することから、その槽内に油脂、蛋白、炭水化物等を含む油廃液(スカム)が溜まる。この溜まったスカムを放置しておくと、悪臭の発生、配管の詰まり、ゴキブリやネズミの発生等の問題が生じてしまう。このため、グリストラップの槽内に溜まったスカムを除去する必要がある。グリストラップの槽内に溜まったスカムを除去する方法としては、バキュームによる吸い出し、粉末製剤の散布、液体製剤を自動投入等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
バキュームによる吸い出しは、グリストラップの槽内に溜まったスカムをバキュームにより吸い出して、スカムをグリストラップの槽内から除去する方法である。しかし、この方法は、一時的にグリストラップの槽内からスカムを除去しているにすぎない。このため、悪臭の発生等を防止するには、頻繁にスカムを吸い出すことが必要になる。また、グリストラップの槽内に溜まったスカムに化学的処理を施していないので、グリストラップの槽内のスカムが下水に流れ出すと水質の悪化を招くことになってしまう。
【0005】
粉末製剤の散布は、グリストラップの槽内に溜まったスカムに粉末製剤を散布して、スカムを分解させることにより、グリストラップ槽内のスカムを除去する方法である。しかし、この方法では、粉末製剤を頻繁に散布することが必要になる。
【0006】
液体製剤の自動投入は、グリストラップの槽内に溜まったスカムに液体製剤を自動投入して、スカムを分解させることにより、グリストラップ槽内のスカムを除去する方法である。しかし、この方法では、液体製剤を自動投入する装置が大がかりなものとなってしまう。また、装置の設置場所を確保する必要がある。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、排水処理を容易に行うことができる排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、排水の連続処理を行うことができる排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、投入装置を用いることなく、排水処理を行うことができる排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点にかかる排水処理用固形物の製造方法は、
有機物を分解可能な微生物及び酵素の少なくとも一方と、当該微生物及び酵素によって分解されず、当該微生物を死滅させない、または当該酵素を分解しないバインダとを含む混練物を形成する混練工程と、
前記混練工程で形成された混練物を所定の形状に成形する成形工程と、
を備える、ことを特徴とする。
【0009】
前記成形工程では、前記混練物を延伸した後、円筒状に成形することが好ましい。また、60℃を超えない温度で、排水処理用固形物を製造することが好ましい。
【0010】
前記混練工程では、処理を行う排水に応じた微生物及び酵素の少なくとも一方を混練することが好ましい。前記酵素として、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼを用い、前記微生物として、例えば、バチルス菌を用いるこことが好ましい。
【0011】
本発明の第2の観点にかかる排水処理用固形物は、
有機物を分解可能な微生物及び酵素の少なくとも一方が、排水により所定量が徐々に溶解可能な徐溶性を有するとともに、前記微生物及び酵素に分解されず、当該微生物を死滅させない、または当該酵素を分解しないバインダに保持されている、ことを特徴とする。
【0012】
排水処理用固形物は、その形状が円筒状に形成されていることが好ましい。前記微生物及び酵素は、スカムを分解可能であることが好ましい。前記酵素としては、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼがあり、前記微生物としては、例えば、バチルス菌がある。
【0013】
本発明の第3の観点にかかる排水処理方法は、
排水の成分を分析する分析工程と、
前記分析工程により分析された排水の成分に基づいて、本発明の第2の観点にかかる排水処理用固形物から最適な排水処理用固形物を決定する決定工程と、
前記決定工程で決定された排水処理用固形物を排水中に浸積させ、排水の処理を行う処理工程と、
を含む、ことを特徴とする。
【0014】
前記排水処理用固形物には一種類の微生物または酵素がバインダに保持され、前記決定工程では、所定数の排水処理用固形物を組み合わせて最適な排水処理用固形物を決定することが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排水処理用固形物、排水処理用固形物の製造方法及び排水処理方法について説明する。
【0016】
排水処理用固形物は、例えば、微生物及び酵素の少なくとも一方と、増量剤と、バインダとを含んでいる。微生物及び酵素は、排水中で所定量が徐々に溶解する徐溶性を有するとともに、微生物及び酵素に分解されず、微生物を死滅させない、または酵素を分解しないバインダに保持されることにより、排水処理用固形物に含まれる。
【0017】
排水処理用固形物は、所定の形状、例えば、円筒状に形成されていることが好ましい。円筒状に形成すると、排水中に排水処理用固形物を浸漬したときに、排水処理用固形物のほぼ全面が排水に浸かり、微生物や酵素を保持したバインダを均一に溶解させることができる。また、排水処理用固形物の製造方法で説明するように、微生物及び酵素の活性を損なうような熱及び圧力をかけることなく、排水処理用固形物を形成することが容易になる。
【0018】
排水処理用固形物に含まれる微生物及び酵素は、処理を行う排水(スカム)に含まれる成分、例えば、不飽和脂肪酸、油脂、ミルク、蛋白質、でんぷん、糖類、その他の食品系有機物を分解可能なものが用いられる。微生物は、例えば、自ら消化酵素を分泌してこれらの有機物を分解する。このような微生物としては、例えば、バチルス菌がある。また、このような酵素としては、例えば、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼがある。
【0019】
また、排水処理用固形物に含まれる微生物及び酵素は、自然界から単離された非病原性の微生物及び酵素のみで構成され、人工的に遺伝子操作を行った微生物等でないことが好ましい。自然界から単離された非病原性の微生物及び酵素のみであれば、微生物及び酵素を安全に使用することができ、また、微生物及び酵素が環境に悪影響を与えないためである。
【0020】
排水処理用固形物には、微生物及び酵素の双方が含まれている場合の他、微生物または酵素のいずれか一方が含まれている場合であってもよい。また、排水処理用固形物には、複数種類の微生物及び酵素が含まれていてもよく、一種類の微生物または酵素が含まれていてもよい。また、複数種類の排水処理用固形物を有する場合には、排水処理用固形物に微生物及び酵素に分解されない食紅等を含ませ、色分けすることが好ましい。
【0021】
また、排水処理用固形物は、分解の対象となる有機物(例えば、油脂、蛋白質)に応じた一種類の微生物または酵素を含むものであってもよい。この場合、例えば、所定本(所定種類)の排水処理用固形物を排水中に浸漬して排水処理を行うことになる。このように、複数本の排水処理用固形物を組み合わせて使用することにより、対象となる排水の最適処理を実現することができる。
【0022】
このような微生物及び酵素は、例えば、処理を行う排水に含まれる有機物の種類や濃度、排水の温度やph等に応じて、最適な種類が決定される。
【0023】
また、排水処理用固形物に含まれる微生物及び酵素の保持量は、微生物及び酵素を損なわない範囲であれば任意の量を含むことが可能であるが、例えば、処理を行う排水に含まれる有機物の種類や濃度、後述するバインダの溶解量等に応じて決定してもよい。この場合、排水処理用固形物を使用する排水中で所定期間、例えば、1ヶ月間にわたって有機物を分解可能な量だけ保持されるように、微生物及び酵素の保持量を決定することができる。
【0024】
微生物及び酵素を保持するバインダは、排水に溶解可能であり、かつ、保持する微生物及び酵素により分解しない材料が用いられる。さらに、保持する微生物を死滅させない、または保持する酵素を分解しない材料が用いられる。ここで、保持する微生物を死滅させない材料とは、微生物を生存可能な状態で保持できる材料をいう。また、保持する酵素を分解しない材料とは、保持する酵素を排水処理ができない状態(有機物を分解できない状態)にまで分解しない材料をいう。ただし、環境に悪影響を与えないように、排水中に溶解しても環境に悪影響を与えない材料であることが好ましい。
【0025】
ここで、バインダは、排水中に所定の期間、例えば、1ヶ月程度浸漬すると完全に溶解するように、ある程度の期間浸漬すると完全に溶解することが可能な材料であることが好ましい。短期間で排水中に溶解するような材料を用いると、従来の液体製剤や粉体製剤と同様に、製剤を投入する投入装置が必要になってしまうためである。
【0026】
また、バインダは、微生物及び酵素に悪影響を与えるおそれのある物質、例えば、界面活性剤や鉄分を含まないことが好ましい。これらの物質を含むと、微生物等が死滅したり、活性を損なう等おそれがあるからである。
【0027】
このようなバインダに微生物及び酵素が保持されているので、排水処理用固形物を排水中に浸漬すると、バインダが排水に徐々に溶解し、この溶解によりバインダに保持されていた微生物及び酵素が排水中に放出されて有機物を分解し、その結果、スカムを除去する。
【0028】
例えば、この微生物及び酵素により、排水中の油脂は、脂肪酸やグリセリンに分解された後、最終的に、水及び二酸化炭素等になる。排水中の蛋白質は、ペプチドやアミノ酸に分解された後、最終的に、水、二酸化炭素及びアンモニア等になる。排水中の炭水化物は、単糖類、有機酸を経て、最終的に水及び二酸化炭素等になる。排水中の繊維質は、単糖類を経て、最終的に、水及び二酸化炭素等になる。
【0029】
このように、バインダが排水に徐々に溶解し、この溶解によりバインダに保持されていた微生物や酵素が排水中に放出されるので、排水の連続処理が可能になる。このため、頻繁に製剤を投入する必要がなくなり、排水処理を容易に行うことができる。さらに、従来の液体製剤や粉体製剤に使用するような製剤を投入する投入装置が不要になり、投入装置を用いることなく、排水処理を行うことができる。
【0030】
次に、排水処理用固形物の製造方法について説明する。
【0031】
まず、所定の微生物及び酵素の少なくとも一方と、バインダとを含む材料、例えば、微生物及び酵素の少なくとも一方と、増量剤と、バインダとを所定の割合で混練して、これらの混練物を形成する。ここで、微生物及び酵素は、例えば、処理を行う排水に含まれる有機物の種類や濃度、排水の温度やph等に応じて所定の種類が決定される。微生物及び酵素の少なくとも一方と、増量剤と、バインダとの割合は、例えば、処理を行う排水に含まれる有機物の種類や濃度、バインダの溶解量等に応じて決定される。
【0032】
次に、形成された混練物を、例えば、ローラにより延伸する。そして、延伸された混練物を円筒状に成形する。例えば、延伸された混練物を長尺状に形成(切断)し、その端部を繋いで固めることにより、円筒状の排水処理用固形物を成形することができる。
【0033】
排水処理用固形物の製造過程においては、微生物及び酵素の活性を損なわないように、60℃を超えない温度で製造することが好ましく、40℃を超えない温度で製造することがさらに好ましい。また、排水処理用固形物の製造過程においては、微生物及び酵素の活性を損なわないように、大きな圧力をかけないことが好ましい。このため、圧着やプレスを行わずに排水処理用固形物を製造することが好ましい。
【0034】
本実施の形態では、排水処理用固形物が円筒状であるため、混練物を長尺状に切断し、その端部を繋いで固めるだけで、排水処理用固形物を成形することができる。このため、排水処理用固形物を容易に製造することができる。さらに、本実施の形態では、微生物及び酵素の活性を損なうような熱及び圧力をかける必要がなく、微生物及び酵素の活性を損なうおそれがなくなる。
【0035】
また、排水処理用固形物が円筒状であるため、排水中に排水処理用固形物を浸漬すると、排水処理用固形物のほぼ全面が排水に浸かることになる。このため、微生物や酵素を保持したバインダを均一に溶解させることができる。
【0036】
さらに、排水処理用固形物を、混練して固めることにより製造しているので、排水処理用固形物を排水中に浸漬すると、バインダは、排水中に所定量が徐々に溶解する徐溶性を有する。このため、バインダに保持されている微生物や酵素が徐々に排水中に放出される。従って、排水の連続処理が可能になる。また、頻繁に製剤を投入する必要がなくなり、排水処理を容易に行うことができる。さらに、従来の液体製剤や粉体製剤に使用するような製剤を投入する投入装置が不要になり、投入装置を用いることなく、排水処理を行うことができる。
【0037】
ここで、微生物や酵素が排水中に放出される量、すなわち、バインダが排水中に溶解する量は、排水処理用固形物の製造過程における混練物の固める程度(バインダの硬さ)に関連する。一般に、バインダを軟らかくすると排水に溶解しやすくなり、バインダを硬くすると排水中に溶解しにくくなる。このため、排水中で所定期間、例えば、1ヶ月間でバインダが溶解する硬さ、すなわち、排水中で1ヶ月間にわたって有機物を分解可能となるバインダの硬さにすることが好ましい。
【0038】
次に、排水処理方法について説明する。排水処理方法は、排水の成分を分析する分析工程と、最適な排水処理用固形物を決定する決定工程と、排水の処理を行う処理工程とを備えている。
【0039】
分析工程は、処理の対象となる排水の成分を分析する工程である。具体的には、排水を採取し、採取した排水に、例えば、不飽和脂肪酸、油脂、ミルク、蛋白質、でんぷん、糖類、その他の食品系有機物等が含まれるか否かを分析する。
【0040】
決定工程は、分析した排水の成分に基づいて、最適な排水処理用固形物を決定する工程である。例えば、排水処理用固形物には一種類の微生物または酵素がバインダに保持されている場合、分析した排水の成分に基づいて、所定数の排水処理用固形物を組み合わせることにより、最適な排水処理用固形物を決定する。
【0041】
処理工程は、決定された排水処理用固形物を排水中に浸積させ、排水の処理を行う工程である。図1は、業務用厨房のグリストラップの槽内に、排水処理用固形物を浸漬した状態を示す図である。
【0042】
図1に示すように、業務用厨房のシンク1は、第1の排水管2の一端に接続されている。第1の排水管2の他端は、排水中の油脂を取り除くグリストラップ3に配置されている。このため、厨房からの排水は、第1の排水管2を介してグリストラップ3に供給される。グリストラップ3は、その槽5内で排水を一旦滞留させ、比重差により排水中の油脂を分離貯留する装置である。また、グリストラップ3には第2の排水管4が配置されており、処理された排水が第2の排水管4を介して下水または排水処理設備に排出される。
【0043】
グリストラップ3の槽5の上部には、槽5の上部を区分けする複数(図1では2つ)の遮蔽板6が配置されている。本例では、槽5の上部が3つの領域5a〜5cに区分けされ、領域5aに第1の排水管2の他端が配置され、領域5cに第2の排水管4が配置されている。また、領域5aには、カゴ8が配置されている。カゴ8は、第1の排水管2の下方に配置されている。このため、業務用厨房のシンク1からの排水は、槽5の領域5aに供給される。また、排水にとともに流れてきた固形物はカゴ8内に収容される。
【0044】
領域5aに供給された排水は、比重差により、排水中の油脂成分の多くが領域5aが貯留され、他の成分(排水中の水成分と油脂成分の一部)が領域5b方向に移動する。領域5b方向に移動した排水は、比重差により、排水中の油脂成分が領域5bが貯留され、排水中の水成分が領域5c方向に移動する。領域5cに移動した排水中の水成分が第2の排水管4を介して下水または排水処理設備に排出される。
【0045】
領域5a及び領域5bには、排水処理用固形物7が配置されている。本例では、ネット等に排水処理用固形物7を収納し、領域5a及び領域5b内に吊されている。排水処理用固形物7からは、微生物や酵素が徐々に領域5a及び領域5bに放出される。このため、領域5a及び領域5bに貯留された排水中の油脂成分は、排水処理用固形物7から放出された微生物や酵素により有機分解され、最終的に、水及び二酸化炭素等になる。このように、領域5a及び領域5bには、排水処理用固形物7が配置されているので、排水の連続処理が可能になる。また、頻繁に製剤を投入する必要がなくなり、排水処理を容易に行うことができる。さらに、従来の液体製剤や粉体製剤に使用するような製剤を投入する投入装置が不要になり、投入装置を用いることなく、排水処理を行うことができる。
【0046】
ここで、槽5の底部から、槽5内の排水の流れが乱れない程度のエアーを導入することが好ましい。エアーを導入することにより、排水中の油脂成分が槽5の上部に溜まりやすくなり、油水の分離を確実に行うことができる。
【0047】
また、排水処理用固形物7と、殺虫剤や高濃度のアルカリ洗浄剤との併用は避けることが好ましい。殺虫剤や高濃度のアルカリ洗浄剤により、微生物及び酵素の活性を損なうおそれがあるからである。
【0048】
以上説明したように、本実施の形態によれば、排水処理用固形物は、徐溶性を有するバインダに、微生物及び酵素の少なくとも一方が保持されている。このため、排水処理用固形物のバインダが排水中で徐々に溶解し、この溶解によりバインダに保持されていた微生物や酵素が排水中に放出され、排水の連続処理が可能になる。従って、頻繁に製剤を投入する必要がなくなり、排水処理を容易に行うことができる。さらに、従来の液体製剤や粉体製剤に使用するような製剤を投入する投入装置が不要になり、投入装置を用いることなく、排水処理を行うことができる。
【0049】
本実施の形態によれば、排水処理用固形物が円筒状であり、排水中に排水処理用固形物を浸漬すると、排水処理用固形物のほぼ全面が排水に浸かることになる。このため、微生物や酵素を保持したバインダを均一に溶解させることができる。また、排水処理用固形物を容易に製造することができる。さらに、微生物及び酵素の活性を損なうような熱及び圧力をかける必要がなく、微生物及び酵素の活性を損なうおそれがなくなる。
【0050】
なお、本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な他の実施の形態について説明する。
【0051】
上記実施の形態では、混練物を、例えば、ローラにより延伸した混練物を長尺状に切断し、その端部を繋いで固めることにより、円筒状の排水処理用固形物を成形した場合を例に本発明を説明したが、微生物及び酵素の活性を損なうような熱及び圧力をかけることなく、排水処理用固形物を形成できればよく、例えば、円柱状の混練物から、その中央をくり抜いて円筒状の排水処理用固形物を製造してもよい。
【0052】
また、排水処理用固形物の形状は、微生物及び酵素の活性を損なうような熱及び圧力をかけることなく、排水処理用固形物を形成できる形状であればよく、円筒状の他、円柱状、球状、直方体状等の形状であってもよい。
【0053】
上記実施の形態では、排水中に1ヶ月程度浸漬することにより、バインダが完全に溶解する場合を例に本発明を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、排水処理用固形物を浸漬するグリストラップの大きさ、発生する有機物の量等に応じて、排水中に任意の期間浸漬することにより、バインダが完全に溶解するように設定可能である。例えば、排水処理用固形物の製造過程における混練物の固める程度を変化させることにより、任意の期間に設定することが可能である。ただし、あまりに短期間でバインダが完全に溶解すると、従来の液体製剤や粉体製剤と同様の投入装置が必要になってしまうことから、例えば、半月以上のように、所定の期間より長いことが好ましい。
【0054】
上記実施の形態では、混練して固めることにより排水処理用固形物を製造することにより、バインダが徐溶性を有する場合を例に本発明を説明したが、バインダが徐溶性を有するのであれば、その製造方法は問わない。
【0055】
上記実施の形態では、グリストラップに排水処理用固形物を浸漬する場合を例に本発明を説明したが、例えば、図2に示すように、第1の排水管2内に排水処理用固形物7を配置してもよい。この場合にも、排水の連続処理が可能になる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、排水処理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の排水処理用固形物の使用例を示す図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の排水処理用固形物の使用例を示す図である。
【符号の説明】
1 シンク
2 第1の排水管
3 グリストラップ
4 第2の排水管
5 槽
6 遮蔽板
7 排水処理用固形物
8 カゴ

Claims (11)

  1. 有機物を分解可能な微生物及び酵素の少なくとも一方と、当該微生物及び酵素によって分解されず、当該微生物を死滅させない、または当該酵素を分解しないバインダとを含む混練物を形成する混練工程と、
    前記混練工程で形成された混練物を所定の形状に成形する成形工程と、
    を備える、ことを特徴とする排水処理用固形物の製造方法。
  2. 前記成形工程では、前記混練物を延伸した後、円筒状に成形する、ことを特徴とする請求項1に記載の排水処理用固形物の製造方法。
  3. 60℃を超えない温度で、排水処理用固形物を製造する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の排水処理用固形物の製造方法。
  4. 前記混練工程では、処理を行う排水に応じた微生物及び酵素の少なくとも一方を混練する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の排水処理用固形物の製造方法。
  5. 前記酵素にリパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼを用い、前記微生物にバチルス菌を用いる、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の排水処理用固形物の製造方法。
  6. 有機物を分解可能な微生物及び酵素の少なくとも一方が、排水により所定量が徐々に溶解可能な徐溶性を有するとともに、前記微生物及び酵素に分解されず、当該微生物を死滅させない、または当該酵素を分解しないバインダに保持されている、ことを特徴とする排水処理用固形物。
  7. その形状が円筒状に形成されている、ことを特徴とする請求項6に記載の排水処理用固形物。
  8. 前記微生物及び酵素は、スカムを分解可能である、ことを特徴とする請求項6または7に記載の排水処理用固形物。
  9. 前記酵素はリパーゼ、プロテアーゼ、またはアミラーゼであり、前記微生物はバチルス菌である、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の排水処理用固形物。
  10. 排水の成分を分析する分析工程と、
    前記分析工程により分析された排水の成分に基づいて、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の排水処理用固形物から最適な排水処理用固形物を決定する決定工程と、
    前記決定工程で決定された排水処理用固形物を排水中に浸積させ、排水の処理を行う処理工程と、
    を含む、ことを特徴とする排水処理方法。
  11. 前記排水処理用固形物には一種類の微生物または酵素がバインダに保持され、前記決定工程では、所定数の排水処理用固形物を組み合わせて最適な排水処理用固形物を決定する、ことを特徴とする請求項10に記載の排水処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253989A (ja) * 2007-03-14 2008-10-23 Nagoya Institute Of Technology バイオフィルムによる油脂分解とオゾンによる脱臭を両立させるグリーストラップの衛生化技術
JP2009095738A (ja) * 2007-10-16 2009-05-07 Aoyama Eco System:Kk 水浄化用成形体及びその製造方法。
GB2551132B (en) * 2016-06-06 2020-12-30 Biological Preparations Ltd A grease separation apparatus

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