JP2004230085A - 座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具 - Google Patents

座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具 Download PDF

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Abstract

【課題】背凭れの取り付け強度が大きくなるとともに、多様なデザインおよびサイズの座用家具に対して共通部品として作用し得る座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具を提供する。
【解決手段】座用家具の背凭れ取付機構3は、ソファなどの座用家具の背もたれ2の下部から垂下して背凭れを支持する連結棒部材31と、下部が座用家具本体1の下部枠14bに固定され、上部が座用家具本体1の上部枠に固定されていて、連結棒部材31暖簾欠乏32を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体1の所定の位置に固定するパイプ状受容部材34とを具備している。パイプ状受容部材34は、上部を第1の固定手段6により、また下部を第2の固定手段37により、取付角度可変に取り付けることができ、さらに長さ調節手段により、長さを可調整にすることで、一層多様な座用家具に対して共通部品とすることができる。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソファ、椅子などの座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ソファ、椅子などの座用家具の背もたれなどの構成要素を、分解状態にして輸送、保管などの便宜を図ることは従来から公知である(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1に記載されているソファは、座面部材の後背部にコネクターピンを突設させ、背凭れ部の上下に離間した複数の水平枠部材に形成した開口を上記コネクターピンに挿入することにより、背凭れ部材を組み立てるように構成されている。
【0004】
また、特許文献2に記載されているソファは、四角い中空枠に、背凭れ、一対のアームレストおよびシートフレームをボルト、ナットによりそれぞれ固着して組み立てるように構成されている。
【0005】
さらに、特許文献3に記載されているものは、車両のシートに装備されるヘッドレストの取り付け構造に関し、ヘッドレストから垂下する一対の弾性ロッドを背凭れの背面に取り付けた一対のガイドレール状の挿入手段に挿入して背凭れに取り付けるように構成している。
【0006】
さらにまた、ソファの背凭れから下方へ連結棒部材を垂下させるとともに、挿入孔を有する支持金具をソファ本体の上部枠に取り付けてなり、背凭れの連結棒部材を支持金具の挿入孔に差し込むことによって背凭れをソファ本体に取り付ける構造のものもある(従来技術4)。この場合、背凭れは、ソファ本体の上部枠における取付金具の位置のみで固定される。従来技術4によれば、背高や背角度の如何にかかわらず背凭れをソファ本体に取り付けることができる。
【0007】
【特許文献1】
米国特許第5601340号明細書
【特許文献2】
米国特許第5890767号明細書
【特許文献3】
実用新案登録第3075598号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1および2に記載されている従来のソファ構造では、分解状態で輸送や保管をすることが可能であるものの、多様なデザインやサイズの座用家具に対して部品の共通化を図ることができないとともに、構造が複雑で高価になってしまうという問題がある。
【0008】
また、特許文献3に記載されている従来のヘッドレスト取付構造は、ヘッドレストを背凭れの背面に取り付けるため、背凭れの取付角度に応じて取付角度が変化してしまうとともに、これを背凭れの取り付けに転用することができない。
【0009】
さらに、従来技術4は、ソファ本体の上部枠の強度が背もたれの取付強度を左右することになる。ところが、ソファ本体の上部枠の強度には限界があるため、この取付構造を採用することができる座用家具が限定され、多様な設計の座用家具に採用できないという問題がある。また、背もたれに強くもたれかかると、座用家具本体の背凭れの取り付け部が変形したり、破壊したりしやすいという問題もある。
【0010】
本発明は、背凭れの取り付け強度が大きくなるとともに、多様なデザインおよびサイズの座用家具に対して共通部品として作用し得る座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明の座用家具の背凭れ取付機構は、座用家具の背もたれの下部から垂下して背凭れを支持する連結棒部材と;下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定するパイプ状受容部材と;を具備していることを特徴としている。
【0012】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0013】
<座用家具について> 「座用家具」とは、ソファ、椅子、ラブシートなどの座面を備えた家具をいう。また、本発明において、座用家具は、座用家具本体および背凭れを具備して構成されている。なお、「座用家具本体」とは、座用家具から背凭れを除いた残余の部分をいい、少なくとも座面を備えているものとし、アームレストを備えていてもよいし、備えていなくてもよい。「背凭れ」とは、座用家具の座面の後背部に配設されて、座面に座った人の背中を支えることが可能な手段の全体または上部側の一部をいう。
【0014】
また、座用家具の構成材料は、どのような材料で構成されていてもよい。いずれの材料で製作するにしても、座用家具は、好適には枠部材と、表装部材と、所望によりクッション部材とを主構成材料として構成される。枠部材は、木材、合成樹脂成形体および金属部材のいずれかにより形成することができる。表装部材は、天然皮革、合成皮革、布、合成樹脂シート、木材、竹材および籐材などを所望により適宜選択して用いることができる。クッション部材は、羊毛、綿および発泡ウレタン樹脂などを適宜選択して用いることができる。
【0015】
(座用家具本体について) 座用家具本体は、本発明の背凭れ取付機構を装着するために、少なくとも座面および座面の後背部に位置して水平方向に延在する上部枠および下部枠を備えている。座面は、どのような構成であってもよいが、例えば枠部にクッション材を配置してさらにその上を表装材で覆うことにより形成される。上部枠および下部枠は、座用家具本体の後背部に機械的に結合して、かつ、上下に離間して配設される。また、座用家具の背凭れ取付機構のパイプ状受容部材が連結棒部材を内部に挿入可能にパイプ状受容部材を上部枠に固定するために、上部枠に開口または切欠部を形成する。そうすれば、開口または切欠部を経由してパイプ状受容部材の上端を上部枠の上へ突出させるか、または開口または切欠部を経由して連結棒部材をパイプ状受容部材に挿入させることが可能になる。なお、上部枠の上部に後述する背凭れが位置することになる。
【0016】
また、座用家具本体は、所望によりアームレストを備えることができる。この場合、アームレストは、座用家具本体に対して着脱可能であってもよいし、固定的に取り付けられていてもよい。
【0017】
(背凭れについて) 背凭れは、前述のように少なくともその上部側の一部を後述する座用家具の背凭れ取付機構により座用家具本体の後背部に組み立てて取り付けられる。したがって、本発明によれば、座用家具の背凭れは、以下の2つの態様のいずれかをなす。第1の態様は、背凭れの全体を後述する座用家具の背凭れ取付機構により座用家具本体の後背部に組み立てて取り付けられる。第2の態様は、背凭れが上下2部分に分離され、その下側の部分が予め座用家具本体に固定的に取り付けられ、その下側の部分の上に上部側の部分が後述する座用家具の背凭れ取付機構により取り付けられる。
【0018】
背凭れの構造は、特段限定されないが、例えば枠体にクッションを介して表装材を貼り付けて構成される。また、背凭れの形状は、座用家具のデザインに応じて種々であることを許容する。なお、枠体を用いる場合、後述する連結棒部材を枠体に固定する。
【0019】
<座用家具の背凭れ取付機構について> 座用家具の背凭れ取付機構は、連結棒部材と、この連結棒部材を受容するパイプ状受容部材とを具備して構成されている。
【0020】
(連結棒部材について) 連結棒部材は、座用家具の背もたれの下部から垂下して背凭れを支持するように配設される。すなわち、連結棒部材の上部に背凭れが支持される。
【0021】
なお、連結棒部材がパイプ状受容部材に挿入されることで受容されたときに、背凭れが所定の角度で座用家具本体に取り付けられるようにするために、所望により連結棒部材と背凭れとの間の取付角度を調整可能に固定することができる。上記の取付角度を可調整にする連結棒固定手段としては、例えば以下の構成を採用することができる。
【0022】
すなわち、連結棒固定手段は、取付板および連結棒枢着機構からなる。取付板は、連結棒部材が緩く貫通する挿通孔および取付孔などを備えていて、取付孔を背凭れの枠部などにビス止めするなどにより取り付けられる。連結棒枢着機構は、耳受片、耳片および枢軸からなる。耳受片は、取付板に立設される。耳片は、連結棒部材の側面に突設される。枢軸は、耳受片および耳片を回動自在に枢着する。その結果、連結棒部材は、背凭れに対する取付角度を可変に取り付けることができる。なお、枢軸をボルトにより構成することができる。この場合、ナットを用いて締め付けることによって連結棒部材の背もたれに対する取付角度を固定することができる。しかし、所望により、連結棒部材が背凭れに対して角度可変の状態にしておくこともできる。
【0023】
そうして、取付板を背凭れの枠部にビスなどにより取り付けて、連結棒部材を取付板の挿通孔に挿通し、耳片の枢軸孔を耳受片の枢軸孔に一致させて枢軸を耳片および耳受片に挿通する。この状態で連結棒部材を背凭れに対して所望の角度に調整することができる。所望の角度になったら、次に枢軸をナットなどにより締め付けることにより、連結棒部材と背凭れを所望の角度に固定することができる。なお、枢軸を締め付けなければ、連結棒部材を背凭れに対して常に緩く動けるように取り付けることもできる。
【0024】
(パイプ状受容部材について) パイプ状受容部材は、座用家具本体に取り付けられ、連結棒部材をその内部に受容することにより、背凭れが所定に位置に配置される。パイプ状受容部材の座用家具本体に対する取り付けの態様は、パイプ状受容部材の下部が座用家具本体の下部枠に固定され、また上部が本体の上部枠に固定される。パイプ状受容部材は、上記のようにその上下部を座用家具本体の上部枠および下部枠に固定すればよく、中間部を固定する必要がない。
【0025】
また、パイプ状受容部材の下部を座用家具本体の下部枠に固定し、かつ、上部を座用家具本体の上部枠に固定するに際して、パイプ状受容部材の下部および上部のそれぞれの取付角度が予定の範囲内で自由に設定できるようになっているのが好ましい。同様に、パイプ状受容部材の長さが予定の範囲内で自由に調節可能になっているのが好ましい。
【0026】
<本発明の作用について> 本発明の座用家具の背凭れ取付機構は、上記の構成を具備しているため、パイプ状受容部材の上部が座用家具本体の後背部の上部枠に、また下部が下部枠に、それぞれに固定されるので、連結棒部材の挿入部分の全長にわたり、ないしは少なくとも長さ方向に沿った複数箇所でパイプ状受容部材に支持されることになる。したがって、背凭れの座用家具本体に対する取付強度が大きくなる。そのため、背凭れに大きな力が作用しても、背凭れが後ろ側へ傾いたり、座用家具本体が変形したり破損したりしにくくなる。
【0027】
また、本発明の座用家具の背凭れ取付機構は、これを共通部品として多様なデザインやサイズの座用家具に適応させることができる。
【0028】
さらに、パイプ状受容部材の上下部を座用家具本体の上部枠および下部枠に固定するだけで、パイプ状受容部材を固定することができるとともに、連結棒部材を受容できるので、座用家具本体の構造が簡単になり、しかも、座用家具のデザインの多様性が増す。
【0029】
請求項2の発明の座用家具の背凭れ取付機構は、請求項1記載の座用家具の背凭れ取付機構において、パイプ状受容部材は、座用家具本体の上部枠に取付角度可変に固定する第1の固定手段および座用家具本体の下部枠に取付角度可変に固定する第2の固定手段を備えていることを特徴としている。
【0030】
本発明は、パイプ状受容部材の座用家具本体に対する取付角度を可変にするのに好適な構成を規定している。
【0031】
すなわち、第1の固定手段によりパイプ状受容部材の上部を上部枠に固定する際に、それらの間の取付角度が可変になっている。角度の可変範囲は、予定される範囲内においてのみ可能であってもよい。なお、座用家具の上部枠の開口または切欠部の径をパイプ状受容部材の外径より多少大きめにしておくことにより、開口または切欠部がパイプ状受容部材の上部の上部枠に対する取付角度の可変性を阻害しないようになる。
【0032】
また、第2の固定手段によりパイプ状受容部材の下部を下部枠に取り付ける際に、それらの間の取付角度が可変になっている。角度の可変範囲は、第1の固定手段と同様に予定される範囲内においてのみ可能であってもよい。なお、パイプ状受容部材の下端は、閉じていてもよい。
【0033】
なお、第1および第2の固定手段には、請求項1において説明した取付角度調整手段と同様の構成を採用することができる。
【0034】
そうして、本発明においては、上記の構成であることにより、座用家具本体に対するパイプ状受容部材の取付角度が可変になる。したがって、座用家具本体が要求する角度でパイプ状受容部材を無理なく取り付けることができる。このため、多様なデザインの座用家具に対して共通部品として適応する。
【0035】
また、座用家具本体の上部枠および下部枠が水平でなくても、パイプ状受容部材を座用家具本体に対して所望の角度で取り付けることができる。このため、上部枠および下部枠の取付などの誤差に対する余裕があり、したがって座用家具の製造性が向上する。また、上部枠および下部枠が水平でなくてもよいので、座用家具のデザインの多様性が向上する。
【0036】
請求項3の発明の座用家具の背凭れ取付機構は、請求項1または2記載の座用家具の背凭れ取付機構において、パイプ状受容部材は、長さを可変にする長さ調節手段を備えていることを特徴としている。
【0037】
本発明は、パイプ状受容部材の長さを可変にした構成を規定している。長さ調節手段は、どのような構造であってもよいが、例えばパイプ状受容部材にテレスコッピック構造を採用することにより実現することができる。あるいは、送りねじ構造などであってもよい。また、パイプ状受容部材の長さを所要に設定したら、その長さが不所望に変化しないように固定する固定手段を付加することができる。
【0038】
そうして、本発明においては、上記の構成であるから、上部枠および下部枠の間隔が多様であっても、これに適応させることができる。そのため、多様なデザインおよびサイズの座用家具に対する共通備品としての適合性が一層向上する。
【0039】
請求項4の発明の座用家具は、座面ならびに座面の後背部に配設されて上下に離間した上部枠および下部枠を備えた座用家具本体と;本体の後背部の上部に配設される背凭れと;背もたれの下部から垂下して背もたれを支持する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構における連結棒部材と;下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構におけるパイプ状受容部材と;を具備していることを特徴している。
【0040】
本発明は、請求項1ないし3のいずれか一記載の座用家具の背凭れ取付機構を採用して背凭れを取り付けた座用家具の構成を規定している。
【0041】
座用家具本体に背凭れを取り付ける際に用いる座用家具の背凭れ取付機構の数は、座用家具の幅のサイズに応じて適宜選択することができる。例えば、ソファや椅子の場合には1組の座用家具の背凭れ取付機構を用いればよい。また、ラブシートのように幅サイズの大きな座用家具に対しては、2組または3組の座用家具の背凭れ取付機構を用いるのがよい。しかし、要すれば、ソファや椅子の場合であっても、複数組の座用家具の背凭れ取付機構を用いることができるし、またラブシートなどであっても1組の座用家具の背凭れ取付機構を用いることもできる。
【0042】
また、座用家具の背凭れ取付機構におけるパイプ状受容部材の上下部の座用家具本体に対する取付角度を可変に構成しておくことにより、座用家具本体の上部枠および下部枠が水平でなくても確実に、これに固定することができるし、また連結棒部材の受容を円滑に行うことができる。
【0043】
座用家具の背凭れ取付機構のパイプ状受容部材は、これを座用家具本体の背面部の内部に配設するのが外観上好ましいが、要すれば座用家具本体の背面側に露出するように配設することも許容される。
【0044】
そうして、本発明においては、請求項1ないし3の作用効果を奏する座用家具を得ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
図1ないし図9は、本発明の座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具の一実施の形態としてのソファを示し、図1はソファの正面側を示す斜視図、図2は同じく背面側を示す斜視図、図3は背凭れ上部を同下部から分離した状態を示す正面側の分解斜視図、図4は同じく背面側の分解斜視図、図5は座用家具の枠部構成と座用家具の取付機構との配置関係を示す断面図、図6は要部拡大斜視図、図7は背凭れと連結棒部材との取り付け部を示す要部拡大背面図、図8は上部枠とパイプ状受容部材の取り付け部を示す要部拡大背面図、図9は下部枠とパイプ状受容部材の取り付け部を示す要部拡大背面図である。
【0047】
ソファSは、ソファ本体1、背凭れ上部2および座用家具の背凭れ取付機構3を具備している。
【0048】
ソファ本体1は、座面11、アームレスト12および背凭れ下部13を備えている。また、ソファ本体1は、図5に示すように、枠部14にクッション(図示しない。)を配置し、かつ、表装材15によりこれらを被覆して形成されている。そして、枠部14は、その後背部に上部枠14aおよび下部枠14bを含んでいる。上部枠14aおよび下部枠14bは、互いに上下方向に離間して、水平方向に延在している。上部枠14aには、後述するパイプ状受容部材32を緩く挿通するための切欠14a1が形成されている。座面11は、人が座る部位である。アームレスト12は、座面11の左右にそれぞれ立設され、腕を乗せるようになっている。背凭れ下部4は、ソファ本体2の後背部に配置されていて、後述する背凭れ上部2と協働して一体化された背凭れを形成する。
【0049】
背凭れ上部2は、下面に枠部21を備え、ソファ本体1の背凭れ下部13の上面に載置されて、後述する座用家具の背凭れ取付機構3によりソファ本体1に取り付けられる。枠部21は、背凭れ上部2がソファ本体1に取り付けられた状態で、上部枠14aの上に重なるように水平に延在している。また、枠部21には、上部枠14aの通孔14a1に対向する位置に通孔21aが形成されている。
【0050】
座用家具の背凭れ取付機構3は、以下のように構成されている。すなわち、座用家具の背凭れ取付機構3は、連結棒部材31およびパイプ状受容部材34からなる。
【0051】
連結棒部材31は、図7に示すように、連結棒32および連結棒固定手段33からなる。連結棒32は、連結棒固定手段33により背凭れ上部2の内部において、枠部21に取付角度可変に固定されるとともに、主要部が背凭れ上部2から下方へ垂下している。連結棒固定手段33は、取付板33aおよび連結棒枢着機構33bからなる。取付板33aは、連結棒32が緩く貫通する挿通孔33a1および取付孔を備えている。そして、取付孔にビスをねじ込むことにより、枠部21の通孔21aに挿通孔33a1を一致させて取り付けられている。連結棒枢着機構33bは、耳受け片33b1、耳片33b2および枢軸33b3からなる。耳受け片33b1は、その一対が取付板33aの挿通孔33a1に近接する位置に立設され、通孔を有している。耳片33b2は、連結棒32の取付位置において、側面から立設されていて通孔を有するとともに、一対の耳受け片33b1の間に介在される。枢軸33b3は、ボルトからなり、一対の耳受け片33b1および耳片23b2の通孔に枢着され、先端が奥側の耳受け片33b1にねじ込まれている。
【0052】
そうして、連結棒32は、取付板33aおよび連結棒枢着機構33bにより、背凭れ上部2に角度可変に取り付けられ、下方へ垂下している。
【0053】
パイプ状受容部材34は、図6、図8および図9に示すように、長さ調節手段35、第1および第2の固定手段36、37、パイプ固定手段38および連結棒抜け止め手段39からなる。長さ調節手段35は、第1および第2のパイプ35A、35Bおよび押しねじ35c、35dからなる。第1のパイプ35Aは、両端が開放状態であり、図5および図6において、上端が第1の固定手段36によりソファ本体1の上部枠14aに固定されているとともに、上部枠14aの切欠孔14a1の上面へ開口している。第2のパイプ35Bは、上端が開放状態で、下端が第2の固定手段37により閉塞されている。そして、上部が第1のパイプ35Aの下端から内部へ挿入されることにより、第1のパイプ35Aと第2のパイプ35Bとでテレスコピック機構を構成していて、伸縮自在に長さを調整できるように構成されている。また、第2のパイプ35Bの下端は、第2の固定手段37により下部枠14bに固定されている。押しねじ35c、35dは、第1および第2のパイプ35Aおよび35Bを所定のテレスコピック状態に固定するための手段であり、図6に示すように、接近した位置において第2のパイプ35Bの互いに反対側から側面にねじ込まれるようになっている。そのため、第1および第2のパイプ35A、35Bをほぼ同心状態に固定することができる。
【0054】
第1の固定手段36は、図8に示すように、取付板36a、一対の耳受部36b、耳部36cおよび枢軸36dからなり、第1のパイプ35Aの上端を上部枠14aに取付角度可変に取り付けている。第1の固定手段36は、連結棒固定手段33とほぼ同様な構造を有している。すなわち、取付板36aは、第1のパイプ35Aを緩く挿通する挿通孔36a1および取付孔を有している。しかし、取付板36aは、上部枠14aの上面において切欠14a1を跨ぐようにビスなどにより上部枠14aに取り付けられる。一対の耳受部36bは、取付板36aの下面に垂下するように溶接などによって取り付けられされ、また水平方向に開口する通孔を有している。耳部36cは、第1のパイプ35Aの側面から立設され、通孔を有している。枢軸36dは、ボルトからなり、一対の耳受部36bおよび耳部36cの通孔に挿通されて枢着され、先端が奥側に位置する耳受部36bにねじ込まれている。
そうして、第1のパイプ35Aは、第1の固定手段36の枢軸36dを中心として所定の角度範囲内でソファ本体1に対する角度が可変になっている。
【0055】
第2の固定手段37は、図9に示すように、取付板37a、一対の耳受部37b、耳部37c、枢軸37d、送りねじ37eおよびナット37fからなり、第2のパイプ35Bの下端を下部枠14bに取付角度可変に取り付けている。すなわち、取付板37aは、下部枠14bに対する取付孔を有している。しかし、取付板37aは、下部枠14aの上面に取り付けられる。一対の耳受部37bは、取付板37aの上面に立設され、通孔を有している。耳部37cは、後述する送りねじ37eの下端にこれと一体に形成され、通孔を有している。枢軸37dは、ボルトからなり、一対の耳受部37bおよび耳部37cの通孔に挿通されて枢着され、先端が奥側に位置する耳受部37bにねじ込まれている。送りねじ37eは、後述するナット37fにねじ込まれている。ナット37fは、第2のパイプ36の下面に溶接などにより固定されている。
【0056】
そうして、第2のパイプ35Bの下端は、第2の固定手段37の枢軸37dを中心として所定の角度範囲内でソファ本体1に対する角度が可変になっている。
【0057】
連結棒抜け止め手段39は、図8に示すように、第1のパイプ35Aの上部側において、側面にねじ込まれた押しねじからなり、第1のパイプ35Aに上から挿入された連結棒32を第1のパイプ35Aに固定するための手段である。
【0058】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、座用家具の背もたれの下部から垂下して背凭れを支持する連結棒部材と、下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定するパイプ状受容部材とを具備していることにより、連結棒部材のパイプ状受容部材に挿入された部分のほぼ全体にわたりパイプ状受容部材に支持されるので、背凭れの座用家具本体に対する取付強度が大きくなり、背凭れが後ろに傾いたり、座用家具本体が変形したり、破損しにくい座用家具の背凭れ取付機構を提供することができる。
【0059】
請求項2の発明によれば、パイプ状受容部材は、座用家具本体の上部枠に取付角度可変に固定する第1の固定手段および座用家具本体の下部枠に取付角度可変に固定する第2の固定手段を備えていることにより、多様なデザインの座用家具に対して共通部品として適応する座用家具の背凭れ取付機構を提供することができる。
【0060】
請求項3の発明の座用家具の背凭れ取付機構は、パイプ状受容部材は、長さを可変にする長さ調節手段を備えていることにより、多様なデザインの座用家具に対して共通部品として適応する座用家具の背凭れ取付機構を提供することができる。
【0061】
請求項4の発明の座面ならびに座面の後背部に配設されて上下に離間した上部枠および下部枠を備えた座用家具本体と、本体の後背部の上部に配設される背凭れと、背もたれの下部から垂下して背もたれを支持する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構における連結棒部材と、下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構におけるパイプ状受容部材とを具備していることにより、請求項1ないし3の効果を有する座用家具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の座用家具の背凭れ取付機構およびこれを備えた座用家具の一実施の形態としてのソファの正面側を示す斜視図
【図2】同じく背面側を示す斜視図
【図3】同じく背凭れ上部を同下部から分離した状態を示す正面側の分解斜視図
【図4】同じく背面側の分解斜視図
【図5】同じく座用家具の枠部構成と座用家具の取付機構との配置関係を示す断面図
【図6】同じく要部拡大斜視図
【図7】同じく背凭れと連結棒部材との取り付け部を示す要部拡大背面図
【図8】同じく上部枠とパイプ状受容部材の取り付け部を示す要部拡大背面図
【図9】同じく下部枠とパイプ状受容部材の取り付け部を示す要部拡大背面図
【符号の説明】
1…ソファ本体、2…背凭れ上部、3…背凭れ取付機構、11…座面、12…アームレスト、13…背凭れ下部、14b…下部枠、15…表装材、21…枠部、32…連結棒、33…連結棒固定手段、34…パイプ状受容部材、37…第2の固定手段

Claims (4)

  1. 座用家具の背もたれの下部から垂下して背凭れを支持する連結棒部材と;
    下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定するパイプ状受容部材と;
    を具備していることを特徴とする座用家具の背凭れ取付機構。
  2. パイプ状受容部材は、座用家具本体の上部枠に取付角度可変に固定する第1の固定手段および座用家具本体の下部枠に取付角度可変に固定する第2の固定手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の座用家具の背凭れ取付機構。
  3. パイプ状受容部材は、長さを可変にする長さ調節手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の座用家具の背凭れ取付機構。
  4. 座面ならびに座面の後背部に配設されて上下に離間した上部枠および下部枠を備えた座用家具本体と;
    本体の後背部の上部に配設される背凭れと;
    背もたれの下部から垂下して背凭れを支持する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構における連結棒部材と;
    下部が座用家具本体の下部枠に固定され、上部が本体の上部枠に固定されていて、連結棒部材を受容して支持することにより、背凭れを座用家具本体の所定の位置に固定する請求項1ないし3のいずれか一記載の背凭れ取付機構におけるパイプ状受容部材と;
    を具備していることを特徴とする座用家具。
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