JP2004229154A - ホワイトバランス制御方法及び撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ホワイトバランス制御上、物体色のカラーフェリア防止を優先させるか、或いは光源色の補正を優先させるかをユーザに選択させる機能を実現し、ユーザ好みのホワイトバランス設定を可能にする。
【解決手段】光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠の設定に関して、複数の設定パターンを選択できる構成とし、緑などを緑らしく物体色についてカラーフェリアを防ぐことを優先させるように検出枠を規定した自然モードと、水銀灯やメタルハライド光源などの光源色の補正を優先させるように検出枠を規定した光源モードとをユーザに選択させ、選択に応じて検出枠の設定パターンを変更する。光源モード時には、葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響する検出枠を追加することにより、自然モードの検出枠から外れたような高彩度の物体色に対しても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【選択図】 図13
【解決手段】光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠の設定に関して、複数の設定パターンを選択できる構成とし、緑などを緑らしく物体色についてカラーフェリアを防ぐことを優先させるように検出枠を規定した自然モードと、水銀灯やメタルハライド光源などの光源色の補正を優先させるように検出枠を規定した光源モードとをユーザに選択させ、選択に応じて検出枠の設定パターンを変更する。光源モード時には、葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響する検出枠を追加することにより、自然モードの検出枠から外れたような高彩度の物体色に対しても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【選択図】 図13
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はホワイトバランス制御方法及び撮像装置に係り、特にデジタルカメラやビデオカメラなどに好適なホワイトバランス制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1及び特許文献2には、デジタルカメラに適用されるオートホワイトバランス(AWB)制御方法が開示されている。これら文献に示されたデジタルカメラにおいては、撮像画面を複数のエリアに分割した各エリアごとに色情報(R/G,B/G)を求め、予め設定されている検出枠に入るエリアの個数に基づいてシーンの光源種を自動判別し、光源種に応じたホワイトバランス補正を行っている。
【0003】
また、特許文献3には、芝生や木の葉など本来の物体色が緑色である被写体を撮影した場合に起こり得るホワイトバランスのずれ(カラーフェリア)を防止する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−224608号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−211457号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平8−79786号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2では、予め設定されている検出枠から外れた場合にはホワイトバランス補正をしない(デーライトに適したホワイトバランス制御を行う)システムであった。これは、低彩度色の光源色と高彩度ぎみの物体そのものの色とを分離し、光源色のみを補正するような検出枠にするためであった。
【0008】
しかし、こうして設定された検出枠においては、葉緑のR/G,B/Gと、水銀灯光源などの位置が重なっており、緑のカラーフェリアを防ぐために水銀灯光源の位置には検出枠を設置しない場合がある。したがって、水銀灯などのシーンは光源に適したホワイトバランス補正を行わないので破綻した画像になってしまう。
【0009】
また、色温度が低いシーン(約1800K以下)では、木目などの物体色が光源色と間違えて補正されてしまう恐れがあるために、それ以下の色温度では検出枠を拡大せずに、低色温度では補正できない問題があった。
【0010】
逆に高色温度のシーン(約7000K以上)においては、青空などの自然色が補正されないように検出枠を設定したために、水中シーンなどでのホワイトバランスが補正されず、青すぎて人の顔などで破綻することがあった。
【0011】
このように、ホワイトバランス制御においては、物体色のカラーフェリアを防ぐメリットと、光源色に対して補正しないデメリットとはトレードオフの関係にある。特許文献1では、物体色のカラーフェリア防止を優先してこのようなシーンに対して補正をかけない設定にしていた。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特許文献1で提案されているAWBアルゴリズムを利用しつつ、上述のトレードオフの関係においてどちらのシーンを救うかをユーザに判断させる機能を実現し、ユーザ好みのホワイトバランス設定を可能とするホワイトバランス制御方法及び撮像装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るホワイトバランス制御方法は、所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モードと、前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードとが用意され、ユーザ操作に応じて前記第1モード又は第2モードを選択的に切り替える工程と、前記選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する工程と、被写体が撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する工程と、前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める工程と、前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する工程と、前記判別した光源種に適したホワイトバランスを行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を設定し、画面分割されたエリアの色情報の分布から光源種を判別して光源種に応じたホワイトバランスゲインを決定している。本発明では検出枠の設定に関して複数の設定パターンを選択できる構成になっている。検出枠の設定によって光源種の判定やその判定光源に応じたホワイトバランス補正の内容が異なる。
【0015】
例えば、葉緑などの物体色についてカラーフェリアを防ぐように検出枠を規定した第1モードと、水銀灯やメタルハライド光源などの光源色の補正を優先させるように検出枠を規定した第2モードとユーザに選択させ、選択に応じて検出枠の設定パターンを変更する。これにより、撮影意図に応じて適切なホワイトバランスを実現することができる。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする。
【0017】
葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響する検出枠を付加することにより、第1モードにおける検出枠から外れたような高彩度の物体色に対しても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【0018】
本発明の他の態様によれば、前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
【0019】
分布情報や光源種の判定結果の情報をユーザに提示することにより、ホワイトバランスモードの選択の判断に利用することができる。
【0020】
上記方法発明を具現化する撮像装置を提供するため、本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像し、被写体像を示すカラー画像信号を出力する撮像手段と、所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モード又は前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードを選択的に切り替える操作を行うためのモード選択手段と、前記モード選択手段で選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する検出枠設定手段と、前記撮像手段により撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する色情報取得手段と、前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める分布情報取得手段と、前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する光源種判別手段と、前記判別した光源種に従ってホワイトバランスゲイン値を算出するゲイン値算出手段と、前記ゲイン値算出手段で決定されたゲイン値を用いてホワイトバランス調整を行うホワイトバランス処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る撮像装置においては、前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の態様に係る撮像装置は、上記構成に加えて、前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の更に他の態様によれば、記録用画像を撮影するための撮影準備の指示を入力する操作手段と、前記操作手段からの指示入力を受けて前記表示手段に前記エリアの分布情報を表示させる制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
撮影者によって操作手段が操作され、撮影準備の指示が入力されると、AE処理やオートフォーカス(AF)処理など撮影の準備動作が実行される。本態様においては、操作手段から撮影準備の指示の入力を受け付け、該指示が入力されたら、これに応動して被写体像を取り込み、撮像画像の分析を行う。画面分割されたエリアから求めた色情報の分布情報が表示手段に表示される。この表示を見て、ユーザは好ましいホワイトバランスモードを容易に判断することができる。
【0025】
その後、記録用画像の撮影実行の指示を入力する操作手段が操作され、撮影実行の指示が入力されると、記録用の撮影動作(撮像素子の露光と信号の読み出し)が実行される。
【0026】
なお、撮影準備の指令信号を発生させるS1 スイッチと、撮影実行の指令信号を発生させるS2 スイッチとを備えた撮影ボタン(シャッターボタン)を用いる場合、S1 スイッチの作動を検出して画像を取り込み、該撮像シーンの色分布検出結果を提示する。ユーザはこの検出結果を見てホワイトバランスモードを変更することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るホワイトバランス制御方法及び撮像装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
図1は本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図である。同図に示したように、カメラ1の背面には、ファインダー2、多機能の十字キー3、メニュー/実行キー4、キャンセルキー5、表示キー6、モード切替レバー7及び液晶モニタ52が設けられている。
【0029】
十字キー3は、上下左右の4方向の指示を入力し得る操作キーであり、液晶モニタ52に表示されるメニュー画面における各種設定項目の選択や設定内容の変更を指示する手段(カーソル移動手段)として使用されるとともに、電子ズームの倍率調整や再生コマの送り/戻しを指示する手段として用いられる。
【0030】
メニュー/実行キー4は、メニュー画面の表示を指示するメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行など指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。例えば、セットアップモードが選択されると、液晶モニタ52上にセットアップ画面が表示される。セットアップ画面においては、記録画素数(画像サイズ)、記録画質(圧縮率)、立ち上げ時の液晶モニタ52のON/OFF選択、オートパワーオフ時間、オープニング画面の表示設定、日時設定、ホワイトバランスモードの設定などの各種設定項目が表示される。ユーザは十字キー3を操作して、セットアップ画面から変更したい項目を選択したり、設定内容を変更したりしてから、メニュー/実行キー4を押して指示の確定を行う。
【0031】
キャンセルキー5は、メニューから選んだ項目の取消(キャンセル)や一つ前の操作状態に戻る時などに使用される。表示キー6は、液晶モニタ52をON/OFF操作したり、再生方法や再生中のコマ番号等の表示/非表示を切り替えるための操作手段である。
【0032】
モード切替レバー7は、「撮影モード」と「再生モード」とを切り替えるための操作部である。また、カメラ上面に配設されているモードダイヤル8を回転させることにより、セットアップモード、連写/ブラケティングモード、マニュアル撮影モード、オート撮影モード、人物撮影モード、風景撮影モード、及び夜景撮影モードのうち何れか1のモードを選択できるようになっている。
【0033】
モードダイヤル8の中央部には、シャッターボタン9が設けられている。シャッターボタン9は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。シャッターボタン9の「半押し」によって自動ピント合わせ(AF)及び自動露出制御(AE)が作動してAFとAEをロックし、「半押し」から更に押し込む「全押し」の状態で撮影(記録用の撮影動作)が実行される。
【0034】
液晶モニタ52は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画やカメラ1に装填されたメモリカード(図2中符号56として記載)から読み出した再生画像等を表示することができる。また、液晶モニタ52には、撮影可能コマ数(動画については撮影可能時間)や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示される。液晶モニタ52は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。液晶モニタ52に代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いることも可能である。
【0035】
撮影者は、ファインダー2又は液晶モニタ52に映し出されるリアルタイム画像(スルー画)を確認しながら、構図(画角)を決定し、シャッターボタン9を押下して撮影を行う。なお、図1中符号11はグリップ部、符号13は電源スイッチである。
【0036】
図2は本実施形態に係るデジタルカメラのブロック図である。カメラ1の撮影レンズ10は、単焦点レンズでもよいし、ズームレンズ等の焦点距離可変のものでもよい。撮影レンズ10及び絞り12を通過した光はCCD固体撮像素子(以下、CCDという。)14に入射する。CCDの受光面には多数のフォトセンサ(受光素子)が二次元的に配列され、各フォトセンサに対応して赤(R),緑(G),青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列形態で配置されている。
【0037】
CCD14の受光面に結像された被写体像は、CCD14上の各センサで光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。
【0038】
このようにして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路16から加えられるリードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。このCCD14は、蓄積した信号電荷をシャッターゲートパルスによって掃き出すことができ、これにより電荷の蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
【0039】
CCD14から順次読み出された電圧信号(画像信号)は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)18に加えられ、ここで各受光素子(画素)ごとのR、G、B信号がサンプリングホールドされ、A/D変換器20に加えられる。A/D変換器20は、CDS回路18から順次加えられるR、G、B信号をデジタル信号に変換して出力する。CCD駆動回路16、CDS回路18及びA/D変換器20は、タイミング発生回路22から加えられるタイミング信号によって同期して駆動されるようになっている。
【0040】
A/D変換器20から出力されたR、G、B信号は、一旦メモリ24に格納され、その後、メモリ24に格納されたR、G、B信号は、デジタル信号処理回路26に加えられる。デジタル信号処理回路26は、同時化回路28、ホワイトバランス調整回路30、ガンマ補正回路32、輝度・色差信号(YC信号)作成回路34、及びメモリ36から構成されている。
【0041】
同時化回路28は、メモリ24から読み出された点順次のR、G、B信号を同時式に変換し、R、G、B信号を同時にホワイトバランス調整回路30に出力する。ホワイトバランス調整回路30は、R、G、B信号のデジタル値をそれぞれ増減するための乗算器30R、30G、30Bから構成されており、R、G、B信号は、それぞれ乗算器30R、30G、30Bに加えられる。
【0042】
乗算器30R、30G、30Bの他の入力には、中央処理装置(CPU)38からホワイトバランス制御するためのホワイトバランス補正値(ゲイン値)Rg、Gg、Bgが加えられており、乗算器30R、30G、30Bはそれぞれ2入力を乗算し、この乗算によってホワイトバランス調整されたR’、G’、B’信号をガンマ補正回路32に出力する。CPU38からホワイトバランス調整回路30に加えられるホワイトバランス補正値Rg、Gg、Bgの詳細については後述する。
【0043】
ガンマ補正回路32は、ホワイトバランス調整されたR’、G’、B’信号が所望のガンマ特性となるように入出力特性を変更し、YC信号作成回路34に出力する。YC信号作成回路34は、ガンマ補正されたR、G、B信号から輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cbとを作成する。これらの輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(YC信号)は、メモリ24と同じメモリ空間のメモリ36に格納される。
【0044】
ここで、メモリ36内のYC信号を読み出し、液晶モニタ52に出力することにより、動画又は静止画を液晶モニタ52に表示させることができる。また、シャッターボタン9のS2 スイッチONに応動して撮影され、メモリ36に格納されたYC信号は、圧縮/伸張回路54によってJPEGなど所定のフォーマットに従って圧縮された後、メモリカード56その他の記録媒体に記録される。
【0045】
画像データを保存する手段(記録部)としての記録媒体としては、スマートメディア(Solid−State Floppy Disk Card)、PCカード、コンパクトフラッシュ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどを適用でき、電子的、磁気的、若しくは光学的、又はこれらの組み合わせによる方式に従って読み書き可能な種々の媒体を用いることができる。使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。異種、同種の記録メディアを問わず、複数の媒体を装着可能な構成にしてもよい。また、画像を保存する手段は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラ1に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0046】
再生モード時には、メモリカード56に記録されている画像データが読み出され、圧縮/伸張回路54によって伸張処理された後、液晶モニタ52に出力される。こうして、液晶モニタ52に再生画像が表示される。
【0047】
CPU38は、モードダイヤル8、シャッターボタン9等を含むカメラ操作部40からの入力に基づいて各回路を統括制御するとともに、オートフォーカス(AF)、自動露出制御(AE)、オートホワイトバランス(AWB)等の制御を行う。
【0048】
また、本例のカメラ1は図2に示したように、ストロボ装置46を有し、図示せぬストロボキーの操作に応じて、低輝度時にストロボ装置46を自動的に発光させる自動発光モード、被写体輝度にかかわらずストロボ装置46を発光させる強制発光モード、又はストロボ装置46の発光を禁止させる発光禁止モード等に設定される。
【0049】
CPU38はユーザが選択したストロボモードに応じて図示しないメインコンデンサの充電制御や発光管(例えば、キセノン管)への放電(発光)タイミング等を制御する。また、CPU38はストロボモードの設定に応じたホワイトバランス制御を行うようになっている。
【0050】
EEPROM58にはホワイトバランス制御に必要な調整値データが格納されており、CPU38は必要に応じてこれらデータを活用する。
【0051】
カメラ1のAF制御は、例えばG信号の高周波成分が最大になるように撮影レンズ10を移動させるコントラストAFであり、シャッターボタン9の半押し時にG信号の高周波成分が最大になるようにレンズ駆動部42を介して撮影レンズ10を合焦位置に移動させる。
【0052】
AE制御は、図3に示すように予め決めた露出▲1▼〜▲4▼にて複数回(最大4回)R、G、B信号を取り込み、これらのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV値)を求める。
【0053】
次に、上記撮影EV値の測定の詳細について説明する。
【0054】
図4に示すように、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号から求めた輝度信号を積算し、その積算値に基づいて各分割エリアのEV値(EVi)を求める。続いて、図4に示すように撮影モードに対応して各分割エリアのEV値に重み付けを行い、画面全体のEV′値を次式によって算出する。
【0055】
【数1】
EV′=log2{Σ(Wi ×2EVi )/ΣWi }
ただし、i:0〜63(8×8の分割エリアを示す添え字)
Wi :撮影モードに応じた各分割エリアごとの重み係数
すなわち、撮影モードがオート撮影モード又は人物撮影モードの場合には、図4(A)の重み付け係数に示すように中央重点測光方式となり、風景撮影モードの場合には、図4(B)に示すように最外周に位置する分割エリアの重み付けを減じた測光方式となり、夜景撮影モードの場合には、図4(C)に示すように平均測光方式となる。
【0056】
上記のように算出したEV′に対し、更に、次式に示すように撮影モードに応じた露出補正ΔEVを行って撮影EV値を求める。
【0057】
【数2】
EV=EV′−ΔEV
なお、ΔEVは、例えば、人物撮影モードの場合にはΔEV=0、風景撮影モード、夜景撮影モードの場合にはΔEV=0.3とする。
【0058】
上記のようにして求めた撮影EV値に基づいて撮影時の絞り値とシャッタースピードを最終的に決定する。
【0059】
そして、シャッターボタン9の全押し時に決定した絞り値になるように絞り駆動部44を介して絞り12を駆動し、また、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによって電荷の蓄積時間を制御する。
【0060】
次に、図5に示すフローチャートを参照しながらオートホワイトバランス制御方法について説明する。ストロボ装置46を発光させる場合には、ストロボ光に対して良好なホワイトバランスを行うためのホワイトバランス補正値Rg、Gg、Bgがホワイトバランス調整回路30に加えられるため、以下、ストロボが発光しない場合のホワイトバランス制御について説明する。
【0061】
図5は撮影モードとしてオート撮影モード又は人物撮影モードが選択された場合のオートホワイトバランス制御方法を示す。
【0062】
まず、シャッターボタン9の半押し時に求めた撮影EV値を取得する(ステップS10)。
【0063】
続いて、シャッターボタン9の全押し時にA/D変換器20から出力された1画面分のR、G、B信号は一旦メモリ24に格納されているが、この1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を求め、R信号の積算値とG信号の積算値との比R/G、及びB信号の積算値とG信号の積算値との比B/Gを求める(ステップS12)。
【0064】
上記のようにして各分割エリアごとに求められる色情報R/G、B/Gは、それぞれの分割エリアが図6の表色座標上に表された検出枠のうちの何れの検出枠内に入るかを判別するために使用される。なお、図6上における日陰−曇り検出枠、昼光色検出枠等の検出枠は、横軸をR/G、縦軸をB/Gとする表色座標上に表された枠であり、各検出枠ごとに光源種などの色分布の範囲を規定するものである。
【0065】
各分割エリアごとのR、G、B信号の平均積算値は、図2の積算回路48によって算出され、CPU38に加えられている。また、積算回路48とCPU38との間には乗算器50R、50G、50Bが設けられており、乗算器50R、50G、50Bには、機器のバラツキを調整するための調整ゲイン値が加えられるようになっている。
【0066】
次に、日陰−曇りの評価値、蛍光灯(昼光色、昼白色−白色、温白色)の評価値、及びタングステン電球の評価値を、次式、
【0067】
【数3】
日陰−曇りの評価値=F(屋外らしさ)×F(日陰−曇りらしさ)×F(青空)
【0068】
【数4】
昼光色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(昼光色蛍光灯らしさ)
【0069】
【数5】
昼白色−白色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(昼白色−白色蛍光灯らしさ)
【0070】
【数6】
温白色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(温白色蛍光灯らしさ)×F(肌)
【0071】
【数7】
電球の評価値=F2(屋内らしさ)×F(電球らしさ)×F(肌)
に基づいて算出する。
【0072】
上記〔数3〕式において、F(屋外らしさ)は、図7に示すようにEV値を変数とする屋外らしさを表すメンバシップ関数の値であり、図5のステップS10で取得したEV値に基づいて求めることができる。
【0073】
〔数3〕式におけるF(日陰−曇りらしさ)は、分割エリアのEV値Eviが12以下の分割エリアであって、図8に示すように日陰−曇り検出枠内に入る分割エリアの個数を変数とする日陰−曇りらしさを表すメンバシップ関数の値である。F(青空)は、分割エリアのEV値Eviが12.5を越えるエリアであって、図9に示すように青空検出枠内に入る分割エリアの個数を変数とする青空を表すメンバシップ関数の値である。なお、F(青空)は、青空検出枠に入るエリアの個数が多い程、日陰らしさの評価値を下げる方向に作用する値をとる。
【0074】
ここで、上記各分割エリアの輝度(EV値Evi)は、次式、
【0075】
【数8】
Evi=Ev+log2(Gi/45)
ただし、Ev:撮影EV値
Gi:各エリアのGの平均積算値
に基づいて計算する。上記式中の45は、A/D変換後の値の中での適正値である(ただし、8ビットのデジタル値(0〜255)で表した場合とする)。
【0076】
また、〔数4〕式乃至〔数6〕式におけるF1(屋内らしさ)は、図10に示すようにEV値を変数とする屋内(蛍光灯)らしさを表すメンバシップ関数の値であり、〔数7〕式におけるF2(屋内らしさ)は、図10に示すようにEV値(カッコ内の数値)を変数とする屋内(タングステン電球)らしさを表すメンバシップ関数の値である。なお、図7及び図10に示したEV値は、撮影モードにかかわらず、オート/人物撮影モードにおける中央重点測光モードで測定した値を使用する。
【0077】
また、 同様に、〔数4〕式乃至〔数7〕式におけるF(昼光色蛍光灯らしさ)、F(昼白色−白色蛍光灯らしさ)、F(温白色蛍光灯らしさ)及びF(電球らしさ)は、それぞれ図6に示した昼光色検出枠、昼白色−白色検出枠、温白色検出枠、及びタングステン電球検出枠内に入るエリアの個数を変数とする、図11に示す電球・蛍光灯らしさを表すメンバシップ関数の値である。
【0078】
また、〔数6〕式及び〔数7〕式におけるF(肌)は、図6に示した肌色検出枠内に入るエリアの個数を変数とする、図12に示す肌色を表すメンバシップ関数の値である。なお、F(肌)は、肌色検出枠内のエリア数が多くなるにしたがって電球らしさの評価値を下げるように作用する。これは、肌色があるシーンで、タングステン電球色に対するホワイトバランス制御を強くかけると、赤味が飛んで白っぽくなり顔色が悪くなるからである。
【0079】
さて、日陰−曇りの評価値、及び昼光色の評価値、昼白色−白色の評価値、温白色の評価値、電球の評価値が算出されると、これらの5つの評価値のうちの最大値が、所定の基準値(この例では0.4)以上か否かを判別する(図5のステップS16)。そして、最大値が0.4以上の場合には、その最大値をとる評価値の光源色に適したホワイトバランス補正値に基づくホワイトバランス制御を行う(ステップS18)。
【0080】
一方、最大値が、0.4未満の場合には、デーライト(晴れ)と判別し、デーライトに適したホワイトバランス補正値に基づくホワイトバランス制御を行う(ステップS20)。
【0081】
ここで、上記ホワイトバランス補正値は、次式、
【0082】
【数9】
ホワイトバランス補正値=(オート設定値−晴れ)×評価値+晴れ
だたし、晴れは、1.0である。また、オート設定値は、各光源色ごとに予めEEPROM58に準備されている。予め設定される光源種別のオート設定値(RGB色別のゲイン値)は、光源色の雰囲気を残すようなゲインバランスで経験的に設定される。
【0083】
なお、本例において、日陰−曇り、昼白色−白色、及びタングステン電球のオート設定値は、次のようにして選択される。
【0084】
(1)日陰−曇りが選択された場合
図8に示す曇り検出枠内に入る分割エリアの個数と、日陰検出枠内に入る分割エリアの個数とを比べ、個数の多い方のオート設定値を採用する。または、2つのオート設定値に対し、個数の多い領域に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0085】
(2)昼白色−白色が選択された場合
図8に示す6領域に分割された昼白色−白色検出枠内に入る分割エリアの個数を比べ、一番個数の多い領域のオート設定値を採用する。または、6つのオート設定値に対し、個数の多い順に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0086】
(3)タングステン電球が選択された場合
図8に示す2領域に分割されたタングステン検出枠内に入る分割エリアの個数を比べ、個数の多い方のオート設定値を採用する。または、2つのオート設定値に対し、個数の多い領域に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0087】
〔数9〕式によって求めたホワイトバランス補正値をRg、Gg、Bg、補正する信号をR、G、Bとすると、前記ホワイトバランス調整回路30での補正結果をR’、G’、B’とすると、R’、G’、B’は、次式、
【0088】
【数10】
R’=Rg×R
G’=Gg×G
B’=Bg×B
によって表される。
【0089】
なお、ホワイトバランス補正値の算出に際して、上記の例では検出枠ごとに予め設定されているオート設定値を用いたが、検出枠内に入る分割エリアの(R/G、B/G)の分布の平均値を基に、ホワイトバランス補正値を算出する態様も可能である。
【0090】
次に、カメラ1におけるホワイトバランスモードの選択機能について説明する。本例のカメラ1は、物体色の再現を重視した第1のWBモード(以下、「自然モード」という。)と、光源色の補正を重視した第2のWBモード(以下、「光源モード」という。)とを備えており、セットアップ画面や撮影モード時のメニューからユーザが好みに応じてモードを選択することができるようになっている。
【0091】
「自然モード」が選択されると、図6で説明した検出枠が使用され、上述の通り、規定された検出枠内においてのみWBゲイン補正がかかる設定のAWBアルゴリズムが働く。
【0092】
これに対し、「光源モード」が選択されると、図13に示すように検出枠の設定が変更される。「光源モード」の場合には、緑枠、タングステン枠(低色温度光源色枠)、日陰曇り枠(高色温度光源色枠)の検出枠が追加又は拡大される。葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響するこれら検出枠を拡大することにより、図6に示した自然モードの検出枠から外れたような高彩度の物体についても補正がかかるようになる。
【0093】
これにより、低色温度シーンや、水中シーン、水銀灯光源などのシーンにおいても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【0094】
また、セットアップ画面等から「光源モード」と「自然モード」の何れかを予め設定しておく態様の他に、撮影ごとにその都度、ホワイトバランスモードを選択できるモード(以下、「選択モード」という。)も設けられている。
【0095】
「選択モード」は、撮像した画像の情報からシーンの特徴を確認し、随時ホワイトバランスモードを指定することができるモードである。セットアップ画面等において「選択モード」が選択されている場合、ユーザがシャッターボタン9を半押しした時に、S1 状態におけるRGBの積算値が算出され、分割エリアごとの積算色情報(R/G,B/G)が取得される。
【0096】
その後、図6や図13で説明したように、分割エリアのR/G,B/Gの分布が検出枠上でどこにきているかを判断する。
【0097】
もし、葉緑や水銀灯、或いは水中シーンなどに相当する領域に積算色情報が分布している場合には、その分布情報を液晶モニタ52上に表示してユーザに「光源モード」又は「自然モード」のどちらのモードを選択するかをその都度判断させる。
【0098】
このとき、液晶モニタ52上にはモード選択用の操作画面又は必要に応じて操作案内が表示される。ユーザは十字キー3やメニュー/実行キー4などを用い、撮影意図に応じて「光源モード」又は「自然モード」の何れかのモードを選択する操作を行う。ユーザによって選ばれたホワイトバランスモードに従ってWBゲインが算出され、ホワイトバランスの処理が行われる。
【0099】
その際に分割エリアの積算色情報の分布から照明光源を割り出して、その光源情報を液晶モニタ52上に表示する態様も好ましい(図1参照)。照明光源を割り出す方法は、例えば、図6や図13に示した検出枠上で各分割エリアの積算色情報(R/G,B/G)の分布数が最大となる枠に対応する光源を最も照明光源らしいものと判定する。
【0100】
こうして、検出枠内に入る分割エリアの個数が最大となる検出枠に対応する光源種を表す情報が液晶モニタ52上に表示される。光源種の情報としては、太陽光、日陰、昼光色、昼白色、白色、温白色、高タングステン、低タングステン、その他、などの種類がある。「その他」というのは、分割エリアの積算色情報が検出枠上に分布していなかったとき光源を特定できないので「その他」と設定する。
【0101】
次に、上記の如く構成されたカメラ1の動作について説明する。
【0102】
図14は、カメラ1の制御手順を示したフローチャートである。撮影モードを選択した状態でカメラ電源をONしたとき、又は再生モードから撮影モードに切り替えられたときに、図14の制御フローがスタートする。
【0103】
撮影開始の制御がスタートすると(ステップS100)、カメラ1のCPU38は、ホワイトバランスモードに関するモード判別を行い、選択モードに設定されているか否かを判定する(ステップS110)。「選択モード」に設定されていない場合には、ステップS114に進み、光源モードに設定されているか否かを判定する。
【0104】
ステップS114においてNO判定時、すなわち自然モードが選択されている場合には、ステップS140に進み、シーン分析(光源種分析)に用いる検出枠を図6で説明した自然モード用の検出枠に設定する処理を行う。
【0105】
その一方、ステップS114においてYES判定を得た場合には、シーン分析(光源種分析)に用いる検出枠を図13で説明した光源モード用の検出枠に設定する処理を行う(ステップS144)。
【0106】
その後、シャッターボタン9からの入力信号を待機し、S1 =ONに続いて、S2 =ONの信号が入力されたか否かを判断する(ステップS150)。シャッターボタン9からの入力がない場合には、ステップS150の処理をループして、指示の入力を待つ。
【0107】
ステップS150においてS2 =ONを検出したら、記録用の露光と信号読み出しを行い(ステップS152)、得られた画像信号に基づいてホワイトバランスの調整処理が行われる(ステップS154)。このとき、選択されているホワイトバランスモード(「自然モード」又は「光源モード」)に対応した検出枠を用いて光源種の判定とホワイトバランスゲイン値の算出が行われ、得られWBゲイン値によってホワイトバランス補正が行われる。
【0108】
ステップS154においてホワイトバランス補正が施された画像データは、その後、ガンマ補正、YC変換など所要の信号処理が施され、所定のファイルフォーマットに従ってメモリカード56に記録される。画像の記録処理が完了したら、次の撮影処理を行うか否かを判定する(ステップS156)。
【0109】
撮影モードの解除操作が行われた場合には、ステップS156においてNO判定となり、本撮影モードの処理を終了する(ステップS160)。また、ステップS156において撮影モードの状態が維持され、次の撮影が行われると判断した場合には、先頭のステップS100に戻ることになる。
【0110】
ステップS110における選択モードの判定処理においてYES判定を得た場合には、ステップS120に進み、シャッターボタン9のS1 スイッチからの信号入力を待機する。
【0111】
CPU38がS1 =ONの信号を検出したら、CCD14から画像信号を取り込み、画面分割された各エリアの色情報(R/G,B/G)を求める(ステップS122)。そして、図6で説明した表色座標上に設定されている検出枠との関係で各エリアの分布を算出し、検出枠に入る個数を基に光源種の判定を行う(ステップS124)。
【0112】
ステップS124の処理結果を基に、図13で説明した緑検出枠や低色温度光源色検出枠、或いは高色温度光源色検出枠に相当する領域(光源モード時に検出枠の拡大が可能な領域)に分布しているか否かを判断する(ステップS126)。
【0113】
これら領域に分布がなく、図6で説明した検出枠の中で光源種の特定が可能な場合にはステップS140に移行し、自動的に自然モードが選択され、自然モード用の検出枠が設定される。以後の処理ステップS150〜S156は既に説明したとおりである。
【0114】
その一方、ステップS126において、緑検出枠など光源モード時に拡張可能な領域に分布していると判断した場合には、図6又は図13で説明した検出枠の設定パターンとともに、撮像シーンから得られた各エリアの色情報(R/G,B/G)の分布を液晶モニタ52上に表示させる(ステップS128)。また、このとき、自然モードの検出枠に基づいて判定された光源種の情報も併せて表示されることが好ましい。
【0115】
分布情報及び光源種判定の情報を表示した状態において、カメラ1はユーザからのホワイトバランスモードの選択操作を受け付ける。
【0116】
ユーザは液晶モニタ52に表示される情報を参考にして「自然モード」又は「光源モード」の何れのモードが好ましいかを判断し、所望のモードを指定する操作を行う。液晶モニタ52の表示画面を見ながら所望のモードを指定できるユーザインターフェースが用いられる。
【0117】
CPU38はユーザから指定されたモードを判定し(ステップS130)、その判定結果に従って検出枠の設定を切り替える処理を行う。すなわち、ステップS130において「自然モード」が選択された場合にはステップS140に進む。また、ステップS130において「光源モード」が選択された場合にはステップS132に進み、ステップS144と同様に、光源モード用の検出枠に変更する。ステップS132の後は、ステップS150に進む。以後の処理は、既に説明したので省略する。
【0118】
なお、図14のフローチャートでは、ステップS126の判断においてNO判定を得た場合に、自動的に「自然モード」が選択される構成にしたが、ステップS126の判断処理を省略し、常にユーザの選択に委ねるように構成してもよい。
【0119】
図15に上記実施形態に係るカメラの要部構成をまとめた概念図を示す。シャッターボタン9の押下によってCCD14から画像信号が取り出される。CCD14から出力された信号はA/D変換器20によってデジタル信号に変換される。CPU38に含まれるモード判別機能部62によってホワイトバランスモードの設定が判別され、設定されているホワイトバランスモード(「自然モード」であるか「光源モード」であるか)によって、WB調整回路で使用する検出枠の設定を切り替える。
【0120】
「自然モード」が選択されているときには、図6で説明した検出枠のパターンを使用し、検出枠内演算処理部64において光源種を判別するための演算を行い、その判別結果に基づいてホワイトバランスゲイン値が決定される。
【0121】
その一方、「光源モード」が選択されているときは、図13で説明した検出枠のパターンを使用し、検出枠拡大領域演算処理部66において光源種を判別するための演算を行い、その判別結果に基づいてホワイトバランスゲイン値が決定される。
【0122】
WB調整回路でホワイトバランス調整が施された画像信号は、ガンマ変換部68においてガンマ変換が施されるなど所要の処理を経て最終画像として表示部(液晶モニタ52)や記録部(メモリカード56)などの出力部70に出力される。
【0123】
また、撮影の都度、ユーザがホワイトバランスモードを選択できる「選択モード」が選択されている場合には、モード判別機能部62においてそのモード状態が検出される。「選択モード」時においては、シャッターボタン9のS1 =ON時に取り込んだ画像データについて、S1 積算算出部72がRGBの積算値を算出し、これを基に検出枠判定機能部74において検出枠上でどこに分布しているかを判断するするとともに、光源判定機能部76において光源種(照明光源)を割り出す処理を行う。
【0124】
検出枠判定機能部74で得られた分布情報や光源判定機能部76で割り出した光源の情報を液晶モニタ52に表示させて、ユーザに提供する。
【0125】
ユーザはこの情報を参照して、自然モード又は光源モードを選択することが可能である。
【0126】
こうしてホワイトバランスモードを指定した後、シャッターボタン9のS2 =ON時に取り込んだ画像データについて、指定されたモードに対応する検出枠が使用されてホワイトバランス調整が行われ、最終画像が作成される。
【0127】
上記実施形態においては、(R/G,B/G)の表色座標系を用いたが、本発明の実施に際しては、表色空間は特に限定されず、RGB系、CIE L*a*b、CIE L*u*vその他の色空間を使用してもよい。
【0128】
上述の実施形態では、主に静止画を記録するデジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、動画記録可能なデジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDカメラなどの電子カメラ、或いは、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルパソコンなど、電子撮像機能を備えた他の撮像装置についても本発明を適用できる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠の設定に関して複数の設定パターンを選択できる構成としたので、物体色の補正を優先するモードと、光源色の補正を優先するモードとを、ユーザが必要に応じて選択的に切り替えることが可能となり、撮影意図に応じて適切なホワイトバランスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのブロック図
【図3】撮影EV値の求め方を説明するために用いた図
【図4】撮影モード別の測光方式を説明するために用いた図
【図5】オートホワイトバランス制御方法を説明するために用いたフローチャート
【図6】光源種などの色分布の範囲を示す検出枠を示すグラフ
【図7】屋外らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図8】日陰−曇りらしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図9】青空を表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図10】屋内らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図11】電球・蛍光灯らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図12】肌色を表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図13】光源モード時に使用される検出枠のパターンを示したグラフ
【図14】カメラの制御手順を示したフローチャート
【図15】本実施形態に係るカメラの要部構成をまとめた概念図
【符号の説明】
1…カメラ、3…十字キー、4…メニュー/実行キー、14…CCD、26…デジタル信号処理回路、30…ホワイトバランス調整回路、38…CPU、48…積算回路、52…液晶モニタ、56…メモリカード
【発明の属する技術分野】
本発明はホワイトバランス制御方法及び撮像装置に係り、特にデジタルカメラやビデオカメラなどに好適なホワイトバランス制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1及び特許文献2には、デジタルカメラに適用されるオートホワイトバランス(AWB)制御方法が開示されている。これら文献に示されたデジタルカメラにおいては、撮像画面を複数のエリアに分割した各エリアごとに色情報(R/G,B/G)を求め、予め設定されている検出枠に入るエリアの個数に基づいてシーンの光源種を自動判別し、光源種に応じたホワイトバランス補正を行っている。
【0003】
また、特許文献3には、芝生や木の葉など本来の物体色が緑色である被写体を撮影した場合に起こり得るホワイトバランスのずれ(カラーフェリア)を防止する方法が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−224608号公報
【0005】
【特許文献2】
特開2001−211457号公報
【0006】
【特許文献3】
特開平8−79786号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2では、予め設定されている検出枠から外れた場合にはホワイトバランス補正をしない(デーライトに適したホワイトバランス制御を行う)システムであった。これは、低彩度色の光源色と高彩度ぎみの物体そのものの色とを分離し、光源色のみを補正するような検出枠にするためであった。
【0008】
しかし、こうして設定された検出枠においては、葉緑のR/G,B/Gと、水銀灯光源などの位置が重なっており、緑のカラーフェリアを防ぐために水銀灯光源の位置には検出枠を設置しない場合がある。したがって、水銀灯などのシーンは光源に適したホワイトバランス補正を行わないので破綻した画像になってしまう。
【0009】
また、色温度が低いシーン(約1800K以下)では、木目などの物体色が光源色と間違えて補正されてしまう恐れがあるために、それ以下の色温度では検出枠を拡大せずに、低色温度では補正できない問題があった。
【0010】
逆に高色温度のシーン(約7000K以上)においては、青空などの自然色が補正されないように検出枠を設定したために、水中シーンなどでのホワイトバランスが補正されず、青すぎて人の顔などで破綻することがあった。
【0011】
このように、ホワイトバランス制御においては、物体色のカラーフェリアを防ぐメリットと、光源色に対して補正しないデメリットとはトレードオフの関係にある。特許文献1では、物体色のカラーフェリア防止を優先してこのようなシーンに対して補正をかけない設定にしていた。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、特許文献1で提案されているAWBアルゴリズムを利用しつつ、上述のトレードオフの関係においてどちらのシーンを救うかをユーザに判断させる機能を実現し、ユーザ好みのホワイトバランス設定を可能とするホワイトバランス制御方法及び撮像装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明に係るホワイトバランス制御方法は、所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モードと、前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードとが用意され、ユーザ操作に応じて前記第1モード又は第2モードを選択的に切り替える工程と、前記選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する工程と、被写体が撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する工程と、前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める工程と、前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する工程と、前記判別した光源種に適したホワイトバランスを行う工程と、を含むことを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を設定し、画面分割されたエリアの色情報の分布から光源種を判別して光源種に応じたホワイトバランスゲインを決定している。本発明では検出枠の設定に関して複数の設定パターンを選択できる構成になっている。検出枠の設定によって光源種の判定やその判定光源に応じたホワイトバランス補正の内容が異なる。
【0015】
例えば、葉緑などの物体色についてカラーフェリアを防ぐように検出枠を規定した第1モードと、水銀灯やメタルハライド光源などの光源色の補正を優先させるように検出枠を規定した第2モードとユーザに選択させ、選択に応じて検出枠の設定パターンを変更する。これにより、撮影意図に応じて適切なホワイトバランスを実現することができる。
【0016】
本発明の一態様によれば、前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする。
【0017】
葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響する検出枠を付加することにより、第1モードにおける検出枠から外れたような高彩度の物体色に対しても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【0018】
本発明の他の態様によれば、前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示部に表示する工程を含むことを特徴とする。
【0019】
分布情報や光源種の判定結果の情報をユーザに提示することにより、ホワイトバランスモードの選択の判断に利用することができる。
【0020】
上記方法発明を具現化する撮像装置を提供するため、本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像し、被写体像を示すカラー画像信号を出力する撮像手段と、所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モード又は前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードを選択的に切り替える操作を行うためのモード選択手段と、前記モード選択手段で選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する検出枠設定手段と、前記撮像手段により撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する色情報取得手段と、前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める分布情報取得手段と、前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する光源種判別手段と、前記判別した光源種に従ってホワイトバランスゲイン値を算出するゲイン値算出手段と、前記ゲイン値算出手段で決定されたゲイン値を用いてホワイトバランス調整を行うホワイトバランス処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0021】
本発明の一態様に係る撮像装置においては、前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の他の態様に係る撮像装置は、上記構成に加えて、前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする。
【0023】
本発明の更に他の態様によれば、記録用画像を撮影するための撮影準備の指示を入力する操作手段と、前記操作手段からの指示入力を受けて前記表示手段に前記エリアの分布情報を表示させる制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0024】
撮影者によって操作手段が操作され、撮影準備の指示が入力されると、AE処理やオートフォーカス(AF)処理など撮影の準備動作が実行される。本態様においては、操作手段から撮影準備の指示の入力を受け付け、該指示が入力されたら、これに応動して被写体像を取り込み、撮像画像の分析を行う。画面分割されたエリアから求めた色情報の分布情報が表示手段に表示される。この表示を見て、ユーザは好ましいホワイトバランスモードを容易に判断することができる。
【0025】
その後、記録用画像の撮影実行の指示を入力する操作手段が操作され、撮影実行の指示が入力されると、記録用の撮影動作(撮像素子の露光と信号の読み出し)が実行される。
【0026】
なお、撮影準備の指令信号を発生させるS1 スイッチと、撮影実行の指令信号を発生させるS2 スイッチとを備えた撮影ボタン(シャッターボタン)を用いる場合、S1 スイッチの作動を検出して画像を取り込み、該撮像シーンの色分布検出結果を提示する。ユーザはこの検出結果を見てホワイトバランスモードを変更することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って本発明に係るホワイトバランス制御方法及び撮像装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0028】
図1は本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図である。同図に示したように、カメラ1の背面には、ファインダー2、多機能の十字キー3、メニュー/実行キー4、キャンセルキー5、表示キー6、モード切替レバー7及び液晶モニタ52が設けられている。
【0029】
十字キー3は、上下左右の4方向の指示を入力し得る操作キーであり、液晶モニタ52に表示されるメニュー画面における各種設定項目の選択や設定内容の変更を指示する手段(カーソル移動手段)として使用されるとともに、電子ズームの倍率調整や再生コマの送り/戻しを指示する手段として用いられる。
【0030】
メニュー/実行キー4は、メニュー画面の表示を指示するメニューボタンとしての機能と、選択内容の確定及び実行など指令するOKボタンとしての機能とを兼備した操作キーである。例えば、セットアップモードが選択されると、液晶モニタ52上にセットアップ画面が表示される。セットアップ画面においては、記録画素数(画像サイズ)、記録画質(圧縮率)、立ち上げ時の液晶モニタ52のON/OFF選択、オートパワーオフ時間、オープニング画面の表示設定、日時設定、ホワイトバランスモードの設定などの各種設定項目が表示される。ユーザは十字キー3を操作して、セットアップ画面から変更したい項目を選択したり、設定内容を変更したりしてから、メニュー/実行キー4を押して指示の確定を行う。
【0031】
キャンセルキー5は、メニューから選んだ項目の取消(キャンセル)や一つ前の操作状態に戻る時などに使用される。表示キー6は、液晶モニタ52をON/OFF操作したり、再生方法や再生中のコマ番号等の表示/非表示を切り替えるための操作手段である。
【0032】
モード切替レバー7は、「撮影モード」と「再生モード」とを切り替えるための操作部である。また、カメラ上面に配設されているモードダイヤル8を回転させることにより、セットアップモード、連写/ブラケティングモード、マニュアル撮影モード、オート撮影モード、人物撮影モード、風景撮影モード、及び夜景撮影モードのうち何れか1のモードを選択できるようになっている。
【0033】
モードダイヤル8の中央部には、シャッターボタン9が設けられている。シャッターボタン9は、半押し時にONするS1 スイッチと、全押し時にONするS2 スイッチとを有する二段ストローク式のスイッチで構成されている。シャッターボタン9の「半押し」によって自動ピント合わせ(AF)及び自動露出制御(AE)が作動してAFとAEをロックし、「半押し」から更に押し込む「全押し」の状態で撮影(記録用の撮影動作)が実行される。
【0034】
液晶モニタ52は、撮影時に画角確認用の電子ファインダーとして使用できるとともに、撮影した画像のプレビュー画やカメラ1に装填されたメモリカード(図2中符号56として記載)から読み出した再生画像等を表示することができる。また、液晶モニタ52には、撮影可能コマ数(動画については撮影可能時間)や再生コマ番号の表示、ストロボ発光の有無、マクロモード表示、記録画質(クオリティー)表示、画素数表示等の情報も表示される。液晶モニタ52は、ユーザインターフェース用表示画面としても利用され、必要に応じてメニュー情報や選択項目、設定内容などの情報が表示される。液晶モニタ52に代えて、有機ELなど他の方式の表示装置(表示手段)を用いることも可能である。
【0035】
撮影者は、ファインダー2又は液晶モニタ52に映し出されるリアルタイム画像(スルー画)を確認しながら、構図(画角)を決定し、シャッターボタン9を押下して撮影を行う。なお、図1中符号11はグリップ部、符号13は電源スイッチである。
【0036】
図2は本実施形態に係るデジタルカメラのブロック図である。カメラ1の撮影レンズ10は、単焦点レンズでもよいし、ズームレンズ等の焦点距離可変のものでもよい。撮影レンズ10及び絞り12を通過した光はCCD固体撮像素子(以下、CCDという。)14に入射する。CCDの受光面には多数のフォトセンサ(受光素子)が二次元的に配列され、各フォトセンサに対応して赤(R),緑(G),青(B)の原色カラーフィルタが所定の配列形態で配置されている。
【0037】
CCD14の受光面に結像された被写体像は、CCD14上の各センサで光の入射光量に応じた量の信号電荷に変換される。
【0038】
このようにして蓄積された信号電荷は、CCD駆動回路16から加えられるリードゲートパルスによってシフトレジスタに読み出され、レジスタ転送パルスによって信号電荷に応じた電圧信号として順次読み出される。このCCD14は、蓄積した信号電荷をシャッターゲートパルスによって掃き出すことができ、これにより電荷の蓄積時間(シャッタースピード)を制御する、いわゆる電子シャッター機能を有している。
【0039】
CCD14から順次読み出された電圧信号(画像信号)は、相関二重サンプリング回路(CDS回路)18に加えられ、ここで各受光素子(画素)ごとのR、G、B信号がサンプリングホールドされ、A/D変換器20に加えられる。A/D変換器20は、CDS回路18から順次加えられるR、G、B信号をデジタル信号に変換して出力する。CCD駆動回路16、CDS回路18及びA/D変換器20は、タイミング発生回路22から加えられるタイミング信号によって同期して駆動されるようになっている。
【0040】
A/D変換器20から出力されたR、G、B信号は、一旦メモリ24に格納され、その後、メモリ24に格納されたR、G、B信号は、デジタル信号処理回路26に加えられる。デジタル信号処理回路26は、同時化回路28、ホワイトバランス調整回路30、ガンマ補正回路32、輝度・色差信号(YC信号)作成回路34、及びメモリ36から構成されている。
【0041】
同時化回路28は、メモリ24から読み出された点順次のR、G、B信号を同時式に変換し、R、G、B信号を同時にホワイトバランス調整回路30に出力する。ホワイトバランス調整回路30は、R、G、B信号のデジタル値をそれぞれ増減するための乗算器30R、30G、30Bから構成されており、R、G、B信号は、それぞれ乗算器30R、30G、30Bに加えられる。
【0042】
乗算器30R、30G、30Bの他の入力には、中央処理装置(CPU)38からホワイトバランス制御するためのホワイトバランス補正値(ゲイン値)Rg、Gg、Bgが加えられており、乗算器30R、30G、30Bはそれぞれ2入力を乗算し、この乗算によってホワイトバランス調整されたR’、G’、B’信号をガンマ補正回路32に出力する。CPU38からホワイトバランス調整回路30に加えられるホワイトバランス補正値Rg、Gg、Bgの詳細については後述する。
【0043】
ガンマ補正回路32は、ホワイトバランス調整されたR’、G’、B’信号が所望のガンマ特性となるように入出力特性を変更し、YC信号作成回路34に出力する。YC信号作成回路34は、ガンマ補正されたR、G、B信号から輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cbとを作成する。これらの輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(YC信号)は、メモリ24と同じメモリ空間のメモリ36に格納される。
【0044】
ここで、メモリ36内のYC信号を読み出し、液晶モニタ52に出力することにより、動画又は静止画を液晶モニタ52に表示させることができる。また、シャッターボタン9のS2 スイッチONに応動して撮影され、メモリ36に格納されたYC信号は、圧縮/伸張回路54によってJPEGなど所定のフォーマットに従って圧縮された後、メモリカード56その他の記録媒体に記録される。
【0045】
画像データを保存する手段(記録部)としての記録媒体としては、スマートメディア(Solid−State Floppy Disk Card)、PCカード、コンパクトフラッシュ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、メモリスティックなどを適用でき、電子的、磁気的、若しくは光学的、又はこれらの組み合わせによる方式に従って読み書き可能な種々の媒体を用いることができる。使用される媒体に応じた信号処理手段とインターフェースが適用される。異種、同種の記録メディアを問わず、複数の媒体を装着可能な構成にしてもよい。また、画像を保存する手段は、カメラ本体に着脱可能なリムーバブルメディアに限らず、カメラ1に内蔵された記録媒体(内部メモリ)であってもよい。
【0046】
再生モード時には、メモリカード56に記録されている画像データが読み出され、圧縮/伸張回路54によって伸張処理された後、液晶モニタ52に出力される。こうして、液晶モニタ52に再生画像が表示される。
【0047】
CPU38は、モードダイヤル8、シャッターボタン9等を含むカメラ操作部40からの入力に基づいて各回路を統括制御するとともに、オートフォーカス(AF)、自動露出制御(AE)、オートホワイトバランス(AWB)等の制御を行う。
【0048】
また、本例のカメラ1は図2に示したように、ストロボ装置46を有し、図示せぬストロボキーの操作に応じて、低輝度時にストロボ装置46を自動的に発光させる自動発光モード、被写体輝度にかかわらずストロボ装置46を発光させる強制発光モード、又はストロボ装置46の発光を禁止させる発光禁止モード等に設定される。
【0049】
CPU38はユーザが選択したストロボモードに応じて図示しないメインコンデンサの充電制御や発光管(例えば、キセノン管)への放電(発光)タイミング等を制御する。また、CPU38はストロボモードの設定に応じたホワイトバランス制御を行うようになっている。
【0050】
EEPROM58にはホワイトバランス制御に必要な調整値データが格納されており、CPU38は必要に応じてこれらデータを活用する。
【0051】
カメラ1のAF制御は、例えばG信号の高周波成分が最大になるように撮影レンズ10を移動させるコントラストAFであり、シャッターボタン9の半押し時にG信号の高周波成分が最大になるようにレンズ駆動部42を介して撮影レンズ10を合焦位置に移動させる。
【0052】
AE制御は、図3に示すように予め決めた露出▲1▼〜▲4▼にて複数回(最大4回)R、G、B信号を取り込み、これらのR、G、B信号を積算した積算値に基づいて被写体輝度(撮影EV値)を求める。
【0053】
次に、上記撮影EV値の測定の詳細について説明する。
【0054】
図4に示すように、1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号から求めた輝度信号を積算し、その積算値に基づいて各分割エリアのEV値(EVi)を求める。続いて、図4に示すように撮影モードに対応して各分割エリアのEV値に重み付けを行い、画面全体のEV′値を次式によって算出する。
【0055】
【数1】
EV′=log2{Σ(Wi ×2EVi )/ΣWi }
ただし、i:0〜63(8×8の分割エリアを示す添え字)
Wi :撮影モードに応じた各分割エリアごとの重み係数
すなわち、撮影モードがオート撮影モード又は人物撮影モードの場合には、図4(A)の重み付け係数に示すように中央重点測光方式となり、風景撮影モードの場合には、図4(B)に示すように最外周に位置する分割エリアの重み付けを減じた測光方式となり、夜景撮影モードの場合には、図4(C)に示すように平均測光方式となる。
【0056】
上記のように算出したEV′に対し、更に、次式に示すように撮影モードに応じた露出補正ΔEVを行って撮影EV値を求める。
【0057】
【数2】
EV=EV′−ΔEV
なお、ΔEVは、例えば、人物撮影モードの場合にはΔEV=0、風景撮影モード、夜景撮影モードの場合にはΔEV=0.3とする。
【0058】
上記のようにして求めた撮影EV値に基づいて撮影時の絞り値とシャッタースピードを最終的に決定する。
【0059】
そして、シャッターボタン9の全押し時に決定した絞り値になるように絞り駆動部44を介して絞り12を駆動し、また、決定したシャッタースピードとなるように電子シャッターによって電荷の蓄積時間を制御する。
【0060】
次に、図5に示すフローチャートを参照しながらオートホワイトバランス制御方法について説明する。ストロボ装置46を発光させる場合には、ストロボ光に対して良好なホワイトバランスを行うためのホワイトバランス補正値Rg、Gg、Bgがホワイトバランス調整回路30に加えられるため、以下、ストロボが発光しない場合のホワイトバランス制御について説明する。
【0061】
図5は撮影モードとしてオート撮影モード又は人物撮影モードが選択された場合のオートホワイトバランス制御方法を示す。
【0062】
まず、シャッターボタン9の半押し時に求めた撮影EV値を取得する(ステップS10)。
【0063】
続いて、シャッターボタン9の全押し時にA/D変換器20から出力された1画面分のR、G、B信号は一旦メモリ24に格納されているが、この1画面を複数のエリア(例えば、8×8)に分割し、各分割エリアごとにR、G、B信号の色別の平均積算値を求め、R信号の積算値とG信号の積算値との比R/G、及びB信号の積算値とG信号の積算値との比B/Gを求める(ステップS12)。
【0064】
上記のようにして各分割エリアごとに求められる色情報R/G、B/Gは、それぞれの分割エリアが図6の表色座標上に表された検出枠のうちの何れの検出枠内に入るかを判別するために使用される。なお、図6上における日陰−曇り検出枠、昼光色検出枠等の検出枠は、横軸をR/G、縦軸をB/Gとする表色座標上に表された枠であり、各検出枠ごとに光源種などの色分布の範囲を規定するものである。
【0065】
各分割エリアごとのR、G、B信号の平均積算値は、図2の積算回路48によって算出され、CPU38に加えられている。また、積算回路48とCPU38との間には乗算器50R、50G、50Bが設けられており、乗算器50R、50G、50Bには、機器のバラツキを調整するための調整ゲイン値が加えられるようになっている。
【0066】
次に、日陰−曇りの評価値、蛍光灯(昼光色、昼白色−白色、温白色)の評価値、及びタングステン電球の評価値を、次式、
【0067】
【数3】
日陰−曇りの評価値=F(屋外らしさ)×F(日陰−曇りらしさ)×F(青空)
【0068】
【数4】
昼光色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(昼光色蛍光灯らしさ)
【0069】
【数5】
昼白色−白色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(昼白色−白色蛍光灯らしさ)
【0070】
【数6】
温白色の評価値=F1(屋内らしさ)×F(温白色蛍光灯らしさ)×F(肌)
【0071】
【数7】
電球の評価値=F2(屋内らしさ)×F(電球らしさ)×F(肌)
に基づいて算出する。
【0072】
上記〔数3〕式において、F(屋外らしさ)は、図7に示すようにEV値を変数とする屋外らしさを表すメンバシップ関数の値であり、図5のステップS10で取得したEV値に基づいて求めることができる。
【0073】
〔数3〕式におけるF(日陰−曇りらしさ)は、分割エリアのEV値Eviが12以下の分割エリアであって、図8に示すように日陰−曇り検出枠内に入る分割エリアの個数を変数とする日陰−曇りらしさを表すメンバシップ関数の値である。F(青空)は、分割エリアのEV値Eviが12.5を越えるエリアであって、図9に示すように青空検出枠内に入る分割エリアの個数を変数とする青空を表すメンバシップ関数の値である。なお、F(青空)は、青空検出枠に入るエリアの個数が多い程、日陰らしさの評価値を下げる方向に作用する値をとる。
【0074】
ここで、上記各分割エリアの輝度(EV値Evi)は、次式、
【0075】
【数8】
Evi=Ev+log2(Gi/45)
ただし、Ev:撮影EV値
Gi:各エリアのGの平均積算値
に基づいて計算する。上記式中の45は、A/D変換後の値の中での適正値である(ただし、8ビットのデジタル値(0〜255)で表した場合とする)。
【0076】
また、〔数4〕式乃至〔数6〕式におけるF1(屋内らしさ)は、図10に示すようにEV値を変数とする屋内(蛍光灯)らしさを表すメンバシップ関数の値であり、〔数7〕式におけるF2(屋内らしさ)は、図10に示すようにEV値(カッコ内の数値)を変数とする屋内(タングステン電球)らしさを表すメンバシップ関数の値である。なお、図7及び図10に示したEV値は、撮影モードにかかわらず、オート/人物撮影モードにおける中央重点測光モードで測定した値を使用する。
【0077】
また、 同様に、〔数4〕式乃至〔数7〕式におけるF(昼光色蛍光灯らしさ)、F(昼白色−白色蛍光灯らしさ)、F(温白色蛍光灯らしさ)及びF(電球らしさ)は、それぞれ図6に示した昼光色検出枠、昼白色−白色検出枠、温白色検出枠、及びタングステン電球検出枠内に入るエリアの個数を変数とする、図11に示す電球・蛍光灯らしさを表すメンバシップ関数の値である。
【0078】
また、〔数6〕式及び〔数7〕式におけるF(肌)は、図6に示した肌色検出枠内に入るエリアの個数を変数とする、図12に示す肌色を表すメンバシップ関数の値である。なお、F(肌)は、肌色検出枠内のエリア数が多くなるにしたがって電球らしさの評価値を下げるように作用する。これは、肌色があるシーンで、タングステン電球色に対するホワイトバランス制御を強くかけると、赤味が飛んで白っぽくなり顔色が悪くなるからである。
【0079】
さて、日陰−曇りの評価値、及び昼光色の評価値、昼白色−白色の評価値、温白色の評価値、電球の評価値が算出されると、これらの5つの評価値のうちの最大値が、所定の基準値(この例では0.4)以上か否かを判別する(図5のステップS16)。そして、最大値が0.4以上の場合には、その最大値をとる評価値の光源色に適したホワイトバランス補正値に基づくホワイトバランス制御を行う(ステップS18)。
【0080】
一方、最大値が、0.4未満の場合には、デーライト(晴れ)と判別し、デーライトに適したホワイトバランス補正値に基づくホワイトバランス制御を行う(ステップS20)。
【0081】
ここで、上記ホワイトバランス補正値は、次式、
【0082】
【数9】
ホワイトバランス補正値=(オート設定値−晴れ)×評価値+晴れ
だたし、晴れは、1.0である。また、オート設定値は、各光源色ごとに予めEEPROM58に準備されている。予め設定される光源種別のオート設定値(RGB色別のゲイン値)は、光源色の雰囲気を残すようなゲインバランスで経験的に設定される。
【0083】
なお、本例において、日陰−曇り、昼白色−白色、及びタングステン電球のオート設定値は、次のようにして選択される。
【0084】
(1)日陰−曇りが選択された場合
図8に示す曇り検出枠内に入る分割エリアの個数と、日陰検出枠内に入る分割エリアの個数とを比べ、個数の多い方のオート設定値を採用する。または、2つのオート設定値に対し、個数の多い領域に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0085】
(2)昼白色−白色が選択された場合
図8に示す6領域に分割された昼白色−白色検出枠内に入る分割エリアの個数を比べ、一番個数の多い領域のオート設定値を採用する。または、6つのオート設定値に対し、個数の多い順に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0086】
(3)タングステン電球が選択された場合
図8に示す2領域に分割されたタングステン検出枠内に入る分割エリアの個数を比べ、個数の多い方のオート設定値を採用する。または、2つのオート設定値に対し、個数の多い領域に重みを大きくしてオート設定値を算出する。
【0087】
〔数9〕式によって求めたホワイトバランス補正値をRg、Gg、Bg、補正する信号をR、G、Bとすると、前記ホワイトバランス調整回路30での補正結果をR’、G’、B’とすると、R’、G’、B’は、次式、
【0088】
【数10】
R’=Rg×R
G’=Gg×G
B’=Bg×B
によって表される。
【0089】
なお、ホワイトバランス補正値の算出に際して、上記の例では検出枠ごとに予め設定されているオート設定値を用いたが、検出枠内に入る分割エリアの(R/G、B/G)の分布の平均値を基に、ホワイトバランス補正値を算出する態様も可能である。
【0090】
次に、カメラ1におけるホワイトバランスモードの選択機能について説明する。本例のカメラ1は、物体色の再現を重視した第1のWBモード(以下、「自然モード」という。)と、光源色の補正を重視した第2のWBモード(以下、「光源モード」という。)とを備えており、セットアップ画面や撮影モード時のメニューからユーザが好みに応じてモードを選択することができるようになっている。
【0091】
「自然モード」が選択されると、図6で説明した検出枠が使用され、上述の通り、規定された検出枠内においてのみWBゲイン補正がかかる設定のAWBアルゴリズムが働く。
【0092】
これに対し、「光源モード」が選択されると、図13に示すように検出枠の設定が変更される。「光源モード」の場合には、緑枠、タングステン枠(低色温度光源色枠)、日陰曇り枠(高色温度光源色枠)の検出枠が追加又は拡大される。葉緑シーン、低色温度シーン、高色温度シーンなどに影響するこれら検出枠を拡大することにより、図6に示した自然モードの検出枠から外れたような高彩度の物体についても補正がかかるようになる。
【0093】
これにより、低色温度シーンや、水中シーン、水銀灯光源などのシーンにおいても適切なホワイトバランス補正が可能となる。
【0094】
また、セットアップ画面等から「光源モード」と「自然モード」の何れかを予め設定しておく態様の他に、撮影ごとにその都度、ホワイトバランスモードを選択できるモード(以下、「選択モード」という。)も設けられている。
【0095】
「選択モード」は、撮像した画像の情報からシーンの特徴を確認し、随時ホワイトバランスモードを指定することができるモードである。セットアップ画面等において「選択モード」が選択されている場合、ユーザがシャッターボタン9を半押しした時に、S1 状態におけるRGBの積算値が算出され、分割エリアごとの積算色情報(R/G,B/G)が取得される。
【0096】
その後、図6や図13で説明したように、分割エリアのR/G,B/Gの分布が検出枠上でどこにきているかを判断する。
【0097】
もし、葉緑や水銀灯、或いは水中シーンなどに相当する領域に積算色情報が分布している場合には、その分布情報を液晶モニタ52上に表示してユーザに「光源モード」又は「自然モード」のどちらのモードを選択するかをその都度判断させる。
【0098】
このとき、液晶モニタ52上にはモード選択用の操作画面又は必要に応じて操作案内が表示される。ユーザは十字キー3やメニュー/実行キー4などを用い、撮影意図に応じて「光源モード」又は「自然モード」の何れかのモードを選択する操作を行う。ユーザによって選ばれたホワイトバランスモードに従ってWBゲインが算出され、ホワイトバランスの処理が行われる。
【0099】
その際に分割エリアの積算色情報の分布から照明光源を割り出して、その光源情報を液晶モニタ52上に表示する態様も好ましい(図1参照)。照明光源を割り出す方法は、例えば、図6や図13に示した検出枠上で各分割エリアの積算色情報(R/G,B/G)の分布数が最大となる枠に対応する光源を最も照明光源らしいものと判定する。
【0100】
こうして、検出枠内に入る分割エリアの個数が最大となる検出枠に対応する光源種を表す情報が液晶モニタ52上に表示される。光源種の情報としては、太陽光、日陰、昼光色、昼白色、白色、温白色、高タングステン、低タングステン、その他、などの種類がある。「その他」というのは、分割エリアの積算色情報が検出枠上に分布していなかったとき光源を特定できないので「その他」と設定する。
【0101】
次に、上記の如く構成されたカメラ1の動作について説明する。
【0102】
図14は、カメラ1の制御手順を示したフローチャートである。撮影モードを選択した状態でカメラ電源をONしたとき、又は再生モードから撮影モードに切り替えられたときに、図14の制御フローがスタートする。
【0103】
撮影開始の制御がスタートすると(ステップS100)、カメラ1のCPU38は、ホワイトバランスモードに関するモード判別を行い、選択モードに設定されているか否かを判定する(ステップS110)。「選択モード」に設定されていない場合には、ステップS114に進み、光源モードに設定されているか否かを判定する。
【0104】
ステップS114においてNO判定時、すなわち自然モードが選択されている場合には、ステップS140に進み、シーン分析(光源種分析)に用いる検出枠を図6で説明した自然モード用の検出枠に設定する処理を行う。
【0105】
その一方、ステップS114においてYES判定を得た場合には、シーン分析(光源種分析)に用いる検出枠を図13で説明した光源モード用の検出枠に設定する処理を行う(ステップS144)。
【0106】
その後、シャッターボタン9からの入力信号を待機し、S1 =ONに続いて、S2 =ONの信号が入力されたか否かを判断する(ステップS150)。シャッターボタン9からの入力がない場合には、ステップS150の処理をループして、指示の入力を待つ。
【0107】
ステップS150においてS2 =ONを検出したら、記録用の露光と信号読み出しを行い(ステップS152)、得られた画像信号に基づいてホワイトバランスの調整処理が行われる(ステップS154)。このとき、選択されているホワイトバランスモード(「自然モード」又は「光源モード」)に対応した検出枠を用いて光源種の判定とホワイトバランスゲイン値の算出が行われ、得られWBゲイン値によってホワイトバランス補正が行われる。
【0108】
ステップS154においてホワイトバランス補正が施された画像データは、その後、ガンマ補正、YC変換など所要の信号処理が施され、所定のファイルフォーマットに従ってメモリカード56に記録される。画像の記録処理が完了したら、次の撮影処理を行うか否かを判定する(ステップS156)。
【0109】
撮影モードの解除操作が行われた場合には、ステップS156においてNO判定となり、本撮影モードの処理を終了する(ステップS160)。また、ステップS156において撮影モードの状態が維持され、次の撮影が行われると判断した場合には、先頭のステップS100に戻ることになる。
【0110】
ステップS110における選択モードの判定処理においてYES判定を得た場合には、ステップS120に進み、シャッターボタン9のS1 スイッチからの信号入力を待機する。
【0111】
CPU38がS1 =ONの信号を検出したら、CCD14から画像信号を取り込み、画面分割された各エリアの色情報(R/G,B/G)を求める(ステップS122)。そして、図6で説明した表色座標上に設定されている検出枠との関係で各エリアの分布を算出し、検出枠に入る個数を基に光源種の判定を行う(ステップS124)。
【0112】
ステップS124の処理結果を基に、図13で説明した緑検出枠や低色温度光源色検出枠、或いは高色温度光源色検出枠に相当する領域(光源モード時に検出枠の拡大が可能な領域)に分布しているか否かを判断する(ステップS126)。
【0113】
これら領域に分布がなく、図6で説明した検出枠の中で光源種の特定が可能な場合にはステップS140に移行し、自動的に自然モードが選択され、自然モード用の検出枠が設定される。以後の処理ステップS150〜S156は既に説明したとおりである。
【0114】
その一方、ステップS126において、緑検出枠など光源モード時に拡張可能な領域に分布していると判断した場合には、図6又は図13で説明した検出枠の設定パターンとともに、撮像シーンから得られた各エリアの色情報(R/G,B/G)の分布を液晶モニタ52上に表示させる(ステップS128)。また、このとき、自然モードの検出枠に基づいて判定された光源種の情報も併せて表示されることが好ましい。
【0115】
分布情報及び光源種判定の情報を表示した状態において、カメラ1はユーザからのホワイトバランスモードの選択操作を受け付ける。
【0116】
ユーザは液晶モニタ52に表示される情報を参考にして「自然モード」又は「光源モード」の何れのモードが好ましいかを判断し、所望のモードを指定する操作を行う。液晶モニタ52の表示画面を見ながら所望のモードを指定できるユーザインターフェースが用いられる。
【0117】
CPU38はユーザから指定されたモードを判定し(ステップS130)、その判定結果に従って検出枠の設定を切り替える処理を行う。すなわち、ステップS130において「自然モード」が選択された場合にはステップS140に進む。また、ステップS130において「光源モード」が選択された場合にはステップS132に進み、ステップS144と同様に、光源モード用の検出枠に変更する。ステップS132の後は、ステップS150に進む。以後の処理は、既に説明したので省略する。
【0118】
なお、図14のフローチャートでは、ステップS126の判断においてNO判定を得た場合に、自動的に「自然モード」が選択される構成にしたが、ステップS126の判断処理を省略し、常にユーザの選択に委ねるように構成してもよい。
【0119】
図15に上記実施形態に係るカメラの要部構成をまとめた概念図を示す。シャッターボタン9の押下によってCCD14から画像信号が取り出される。CCD14から出力された信号はA/D変換器20によってデジタル信号に変換される。CPU38に含まれるモード判別機能部62によってホワイトバランスモードの設定が判別され、設定されているホワイトバランスモード(「自然モード」であるか「光源モード」であるか)によって、WB調整回路で使用する検出枠の設定を切り替える。
【0120】
「自然モード」が選択されているときには、図6で説明した検出枠のパターンを使用し、検出枠内演算処理部64において光源種を判別するための演算を行い、その判別結果に基づいてホワイトバランスゲイン値が決定される。
【0121】
その一方、「光源モード」が選択されているときは、図13で説明した検出枠のパターンを使用し、検出枠拡大領域演算処理部66において光源種を判別するための演算を行い、その判別結果に基づいてホワイトバランスゲイン値が決定される。
【0122】
WB調整回路でホワイトバランス調整が施された画像信号は、ガンマ変換部68においてガンマ変換が施されるなど所要の処理を経て最終画像として表示部(液晶モニタ52)や記録部(メモリカード56)などの出力部70に出力される。
【0123】
また、撮影の都度、ユーザがホワイトバランスモードを選択できる「選択モード」が選択されている場合には、モード判別機能部62においてそのモード状態が検出される。「選択モード」時においては、シャッターボタン9のS1 =ON時に取り込んだ画像データについて、S1 積算算出部72がRGBの積算値を算出し、これを基に検出枠判定機能部74において検出枠上でどこに分布しているかを判断するするとともに、光源判定機能部76において光源種(照明光源)を割り出す処理を行う。
【0124】
検出枠判定機能部74で得られた分布情報や光源判定機能部76で割り出した光源の情報を液晶モニタ52に表示させて、ユーザに提供する。
【0125】
ユーザはこの情報を参照して、自然モード又は光源モードを選択することが可能である。
【0126】
こうしてホワイトバランスモードを指定した後、シャッターボタン9のS2 =ON時に取り込んだ画像データについて、指定されたモードに対応する検出枠が使用されてホワイトバランス調整が行われ、最終画像が作成される。
【0127】
上記実施形態においては、(R/G,B/G)の表色座標系を用いたが、本発明の実施に際しては、表色空間は特に限定されず、RGB系、CIE L*a*b、CIE L*u*vその他の色空間を使用してもよい。
【0128】
上述の実施形態では、主に静止画を記録するデジタルカメラを例示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、動画記録可能なデジタルカメラ、ビデオカメラ、DVDカメラなどの電子カメラ、或いは、カメラ付き携帯電話機、カメラ付きPDA、カメラ付きモバイルパソコンなど、電子撮像機能を備えた他の撮像装置についても本発明を適用できる。
【0129】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠の設定に関して複数の設定パターンを選択できる構成としたので、物体色の補正を優先するモードと、光源色の補正を優先するモードとを、ユーザが必要に応じて選択的に切り替えることが可能となり、撮影意図に応じて適切なホワイトバランスを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラの背面図
【図2】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのブロック図
【図3】撮影EV値の求め方を説明するために用いた図
【図4】撮影モード別の測光方式を説明するために用いた図
【図5】オートホワイトバランス制御方法を説明するために用いたフローチャート
【図6】光源種などの色分布の範囲を示す検出枠を示すグラフ
【図7】屋外らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図8】日陰−曇りらしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図9】青空を表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図10】屋内らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図11】電球・蛍光灯らしさを表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図12】肌色を表すメンバシップ関数を示すグラフ
【図13】光源モード時に使用される検出枠のパターンを示したグラフ
【図14】カメラの制御手順を示したフローチャート
【図15】本実施形態に係るカメラの要部構成をまとめた概念図
【符号の説明】
1…カメラ、3…十字キー、4…メニュー/実行キー、14…CCD、26…デジタル信号処理回路、30…ホワイトバランス調整回路、38…CPU、48…積算回路、52…液晶モニタ、56…メモリカード
Claims (7)
- 所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モードと、前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードとが用意され、ユーザ操作に応じて前記第1モード又は第2モードを選択的に切り替える工程と、
前記選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する工程と、
被写体が撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する工程と、
前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める工程と、
前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する工程と、
前記判別した光源種に適したホワイトバランスを行う工程と、
を含むホワイトバランス制御方法。 - 前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする請求項1記載のホワイトバランス制御方法。
- 前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示部に表示する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のホワイトバランス制御方法。
- 被写体を撮像し、被写体像を示すカラー画像信号を出力する撮像手段と、
所定の表色座標上で光源種に対応する色分布の範囲を示す検出枠を第1のパターンに設定する第1モード又は前記検出枠を第2のパターンに設定する第2モードを選択的に切り替える操作を行うためのモード選択手段と、
前記モード選択手段で選択されたモードに応じて前記検出枠を設定する検出枠設定手段と、
前記撮像手段により撮像された画面を複数のエリアに分割し、各エリアごとに色情報を取得する色情報取得手段と、
前記取得した各エリアの色情報に基づき、前記検出枠に対する前記エリアの分布を求める分布情報取得手段と、
前記検出枠に対する前記エリアの分布に基づいて光源種を判別する光源種判別手段と、
前記判別した光源種に従ってホワイトバランスゲイン値を算出するゲイン値算出手段と、
前記ゲイン値算出手段で決定されたゲイン値を用いてホワイトバランス調整を行うホワイトバランス処理手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。 - 前記第2モードに対応した検出枠には、前記第1モードにおける検出枠の前記第1のパターンに含まれていない緑色の色分布の範囲を示す緑検出枠、低色温度の色分布の範囲を示す低色温度検出枠、高色温度の色分布の範囲を示す高色温度検出枠のうち少なくとも1つの検出枠が追加されていることを特徴とする請求項4記載の撮像装置。
- 前記検出枠に対する前記エリアの分布情報と前記判別した光源種を表す情報のうち少なくとも一方の情報を表示する表示手段を備えたことを特徴とする請求項4又は5記載の撮像装置。
- 記録用画像を撮影するための撮影準備の指示を入力する操作手段と、
前記操作手段からの指示入力を受けて前記表示手段に前記エリアの分布情報を表示させる制御を行う制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項6記載の撮像装置。
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---|---|---|---|
JP2003016928A JP2004229154A (ja) | 2003-01-27 | 2003-01-27 | ホワイトバランス制御方法及び撮像装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-01-27 JP JP2003016928A patent/JP2004229154A/ja active Pending
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