JP2004228395A - 固体撮像素子及びその製造方法 - Google Patents

固体撮像素子及びその製造方法 Download PDF

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Masatoshi Iwamoto
政利 岩本
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Abstract

【課題】オーバーフローバリアが深い位置に形成され、かつ、混色の発生を抑制することが可能である固体撮像素子及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1導電型半導体基板、第2導電型半導体領域、第2導電型半導体領域より低濃度で赤外線が充分に吸収されうる厚さの第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域、入射光に応じた電荷を蓄積する受光部、受光部に蓄積された電荷を転送する電荷結合素子及び受光部同士の間および/または電荷結合素子の下方に形成されたチャネルストップ領域を備える固体撮像素子において、チャネルストップ領域をチャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行うことによって形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は縦型オーバーフロードレイン方式の固体撮像素子及びその製造方法に関する。詳しくは、近赤外線に対しても高い感度を有する固体撮像素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板の深さ方向に光電変換領域を拡張させ、近赤外領域の波長に対する感度を向上させた固体撮像素子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
以下、図面を用いて従来の固体撮像素子について説明する。
図2は従来の固体撮像素子の一例である縦型オーバーフロードレイン方式のCCD固体撮像素子を説明するための模式的な平面図、図3は図2中X−Xの模式的な断面図、図4は図2中Y−Yの模式的な断面図であり、ここで示すCCD固体撮像素子101は、n型のシリコンからなる半導体基板102上にn型のエピタキシャル層103が形成され、このn型のエピタキシャル層の表層にp型不純物をイオン注入することにより第1のp型半導体ウェル領域104が形成されている。また、第1のp型半導体ウェル領域上に第1のp型半導体ウェル領域よりも不純物濃度が低いn−−型高抵抗半導体領域105が形成されている。更に、高抵抗半導体領域の表層に受光部106を構成するn型不純物拡散領域107及びその上層にp型正電荷蓄積領域108が形成され、高抵抗半導体領域の表層にn型不純物拡散領域及びp型正電荷蓄積領域から隔てられて、第2のp型半導体ウェル領域110及びその上層に垂直転送レジスタ109の一部となるn型転送チャネル領域111が形成されている。
【0004】
また、受光部と垂直転送レジスタの間には読み出しゲート部112が形成され、受光部と垂直転送レジスタの間であって読み出しゲート部以外の部分の高抵抗半導体領域の表層にはp型の第1のチャネルストップ領域113が形成されている。更に、転送チャネル領域、第1のチャネルストップ領域及び読み出しゲート部上にゲート絶縁膜114を介して転送電極115が形成され、転送チャネル領域、ゲート絶縁膜及び転送電極により垂直転送レジスタが構成される。また、転送電極上には層間絶縁膜116を介して遮光膜117が形成されている。
【0005】
なお、第1のp型半導体ウェル領域がオーバーフローバリア領域として機能し、n型エピタキシャル層及びn型半導体基板がオーバーフロードレインとして機能する。
【0006】
ここで、上記したCCD固体撮像素子では、光電変換領域である受光部を基板の深さ方向に拡張、即ち、光電変換領域の有効領域の端部となるオーバーフローバリア領域を基板の深さ方向に拡張することによって近赤外領域の波長に対する感度の向上を図っている。なお、この様な構造を採り、光電変換領域が基板の深い位置まで形成される場合には、光電変換した電荷が拡散することによって近隣の垂直転送レジスタや画素に混じり合う混色の発生を抑制するために第2のチャネルストップ領域118が形成されている。即ち、光電変換した電荷が横方向(基板表面に平行な方向)に拡がり垂直転送レジスタへの混色の発生を抑制するために、図3で示す様に、第2のp型半導体ウェル領域の下方に第2のチャネルストップ領域が形成されるとともに、画素間の混色の発生を抑制するために、図4で示す様に、受光部同士の間に第2のチャネルストップ領域が形成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−331058号公報(第2−4頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
さて、上記したCCD固体撮像素子における第2のチャネルストップ領域の形成は、一般に基板にイオンを注入することにより行い、このイオン注入はチャネリングが起こりにくい方向から高エネルギーのイオン注入を数回にわたって行うのが通常であるが、この様な第2のチャネルストップ領域の形成方法では、多数回のイオン注入を行わなければならないという不都合があった。
更に、注入されたイオンは互いに影響を受けるために、多数回にわたってイオン注入を行う場合には注入されたイオンの濃度分布が安定せず、イオン濃度の低い個所が混色の発生原因となり易いという不都合もあった。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みて創案されたものであって、オーバーフローバリアが深い位置に形成され、かつ、混色の発生を抑制することが可能である固体撮像素子及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明に係る固体撮像素子は、第1導電型半導体基板と、該第1導電型半導体基板上に形成された第2導電型半導体領域と、該第2導電型半導体領域上に形成された第2導電型半導体領域より低濃度で赤外線が充分に吸収されうる厚さの第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域と、該第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に形成された入射光に応じた電荷を蓄積する受光部と、前記第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に形成された前記受光部に蓄積された電荷を転送する電荷結合素子と、前記受光部同士の間および/または前記電荷結合素子の下方に形成されたチャネルストップ領域を備える固体撮像素子において、前記チャネルストップ領域は、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行うことによって形成する。
【0011】
ここで、チャネルストップ領域は、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行うことにより形成するために、注入されたイオンの濃度分布が緩やかになる。
【0012】
また、上記の目的を達成するために、本発明に係る固体撮像素子の製造方法は、第1導電型半導体基板上に第2導電型半導体領域を形成する工程と、該第2導電型半導体領域上に第2導電型半導体領域より低濃度で赤外線が充分に吸収されうる厚さの第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域を形成する工程と、該第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に入射光に応じた電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、前記第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に前記受光部に蓄積された電荷を転送する電荷結合素子を形成する工程と、前記受光部同士の間および/または前記電荷結合素子の下方にチャネルストップ領域を形成する工程とを備える固体撮像素子の製造方法において、前記チャネルストップ領域を形成する工程は、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行う。
【0013】
ここで、チャネルストップを形成する工程を、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行うことによって、注入されたイオンの濃度分布が緩やかになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。
【0015】
図1は本発明を適用した固体撮像素子の一例である縦型オーバーフロードレイン方式のCCD固体撮像素子における第2のチャネルストップ領域を形成する際に行うイオン注入の濃度分布を説明するための模式図である。即ち、上記した従来のCCD固体撮像素子と同様に、n型半導体基板、n型エピタキシャル層、第1のp型半導体ウェル領域、n−−型高抵抗半導体領域、n型不純物拡散領域、p型正電荷蓄積領域、第2のp型半導体ウェル領域、n型転送チャネル領域、第1のチャネルストップ領域、ゲート絶縁膜、転送電極、層間絶縁膜及び遮光膜を有する縦型のオーバーフロードレイン方式のCCD固体撮像素子の混色の発生を抑制すべく第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間に第2のチャネルストップ領域を形成する際のイオン注入の濃度分布を説明するための模式図である。
【0016】
さて、本発明を適用したCCD固体撮像素子における第2のチャネルストップ領域を形成する際には、図1中符号aで示す注入されたボロンの濃度分布のピーク値が各注入で異なる様に各注入でエネルギーを変化させ、基板に対して垂直方向から複数回のボロンの注入を行う。
【0017】
即ち、本発明を適用したCCD固体撮像素子における第2のチャネルストップ領域を形成する際には、先ず、図1中符号Aで示す濃度分布が得られるエネルギーで基板に対して垂直方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行い、次に図1中符号Aで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1中符号Bで示す濃度分布が得られるエネルギーで基板に対して垂直方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行う。
【0018】
更に、図1中符号Bで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1中符号Cで示す濃度分布が得られるエネルギーで基板に対して垂直方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行い、図1中符号Cで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1中符号Dで示す濃度分布が得られるエネルギーで基板に対して垂直方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行うことによって第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間に図1中符号Eで示すボロンの濃度分布が得られる様に注入を行う。
【0019】
ここで、上記した本発明を適用したCCD固体撮像素子では、第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間に第2のチャネルストップ領域が形成されているために、第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行っているが、ボロンの注入を行うことにより第2のチャネルストップ領域を形成するのは、受光部で光電変換した電荷の混色の発生を抑制するためであり、垂直転送レジスタへの混色の発生または画素間の混色の発生のうちの一方のみを抑制する場合には、必ずしも第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間ともにボロンを注入する必要は無く、電荷の混色の発生を抑制する個所のみにボロンを注入すれば充分である。但し、感度の向上を図るべくオーバーフローバリア領域を基板の深さ方向に拡張した場合には、通常、垂直転送レジスタへの混色の発生及び画素間の混色の発生がともに問題となるために、第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間ともにボロンの注入を行い、第2のチャネルストップの形成を行う方が好ましい。
【0020】
また、上記した本発明を適用したCCD固体撮像素子の第2のチャネルストップ領域の形成の際におけるボロンの注入は、基板に対して垂直方向から行っているが、ボロンはチャネリングが起こりやすい角度から注入すれば充分であり、必ずしも基板に対して垂直方向から注入する必要は無い。
【0021】
更に、上記した本発明を適用したCCD固体撮像素子の第2のチャネルストップ領域の形成の際におけるボロンの注入は、異なったボロンの濃度分布が得られるエネルギーの異なる4工程によって行っているが、異なったボロンの濃度分布が得られるエネルギーの異なる4工程によって基板にボロンの注入を行うのは、その濃度分布が緩やかになる様にボロンを注入するためであり、チャネリングが起こりやすい角度である基板に対して垂直方向からボロンの注入を行うことによって、注入するボロンの濃度分布が充分に緩やかであり、所望の濃度分布が得られる場合には必ずしもエネルギーの異なる複数工程によって基板にボロンの注入を行う必要は無く、例えば1工程のみによって基板にボロンの注入を行っても構わない。但し、基板の深い位置に濃度分布がより一層緩やかになる様にボロンを注入するためには、複数工程によって基板にボロンの注入を行う方が好ましく、複数工程によって基板にボロンの注入を行う場合には、エネルギーが同一である注入を複数回行うよりも、エネルギーの異なる注入を複数回行った方が更に好ましい。
【0022】
本発明を適用したCCD固体撮像素子では、チャネリングが起こりやすい角度でボロンの注入を行い第2のチャネルストップ領域が形成されており、注入されたボロンの濃度分布が安定することによりボロンの濃度の低い個所が低減し、混色の発生を安定して抑制することが可能である。即ち、図1(b)中符号Aで示す濃度分布が得られるエネルギーでチャネリングが起こりにくい方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行い、図1(b)中符号Aで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1(b)中符号Bで示す濃度分布が得られるエネルギーでチャネリングが起こりにくい方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行い、更に、図1(b)中符号Bで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1(b)中符号Cで示す濃度分布が得られるエネルギーでチャネリングが起こりにくい方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行った後に図1(b)中符号Cで示す濃度分布が得られるエネルギーよりも大きなエネルギーであり、図1(b)中符号Dで示す濃度分布が得られるエネルギーでチャネリングが起こりにくい方向から第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間にボロンの注入を行うことによって第2のp型半導体ウェル領域の下方及び受光部同士の間に注入した図1(b)中符号Eで示すボロンの濃度分布と比較してチャネリングが起こりやすい角度でボロンの注入を行うことにより得られる上記した図1(a)中符号Eで示すボロンの濃度分布が緩やかで安定しており、第2のチャネルストップ領域において局所的にボロンの濃度が低くなる領域が無くなり、混色の発生を安定して抑制することができる。
【0023】
また、チャネリングが起こりやすい角度でボロンの注入を行っているために、各注入工程のボロンの濃度分布が緩やかであるために、ボロンの注入を行う回数を減らすことができ、CCD固体撮像素子の製造コストの削減を図ることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上述べてきた如く、本発明の固体撮像素子及びその製造方法によれば、オーバーフローバリアが深い位置に形成され、かつ、混色の発生を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した固体撮像素子の一例である縦型オーバーフロードレイン方式のCCD固体撮像素子における第2のチャネルストップ領域を形成する際に行うイオン注入の濃度分布を説明するための模式図である。
【図2】従来の固体撮像素子の一例である縦型オーバーフロードレイン方式のCCD固体撮像素子を説明するための模式的な平面図である。
【図3】図2中X−Xの模式的な断面図である。
【図4】図2中Y−Yの模式的な断面図である。

Claims (4)

  1. 第1導電型半導体基板と、
    該第1導電型半導体基板上に形成された第2導電型半導体領域と、
    該第2導電型半導体領域上に形成された第2導電型半導体領域より低濃度で赤外線が充分に吸収されうる厚さの第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域と、
    該第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に形成された入射光に応じた電荷を蓄積する受光部と、
    前記第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に形成された前記受光部に蓄積された電荷を転送する電荷結合素子と、
    前記受光部同士の間および/または前記電荷結合素子の下方に形成されたチャネルストップ領域を備える固体撮像素子において、
    前記チャネルストップ領域は、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行うことによって形成された
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  2. 前記チャネルストップ領域は、イオン濃度分布のピーク値が異なるエネルギーで複数回のイオン注入を行うことによって形成された
    ことを特徴とする固体撮像素子。
  3. 第1導電型半導体基板上に第2導電型半導体領域を形成する工程と、
    該第2導電型半導体領域上に第2導電型半導体領域より低濃度で赤外線が充分に吸収されうる厚さの第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域を形成する工程と、
    該第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に入射光に応じた電荷を蓄積する受光部を形成する工程と、
    前記第1導電型、第2導電型または真性の半導体領域に前記受光部に蓄積された電荷を転送する電荷結合素子を形成する工程と、
    前記受光部同士の間および/または前記電荷結合素子の下方にチャネルストップ領域を形成する工程とを備える固体撮像素子の製造方法において、
    前記チャネルストップ領域を形成する工程は、チャネリングが起こりやすい角度でイオン注入を行う
    ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
  4. 前記チャネルストップ領域を形成する工程は、イオン濃度分布のピーク値が異なるエネルギーで複数回のイオン注入を行う
    ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。
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