JP2004227806A

JP2004227806A - ブスバーおよびその製造方法

Info

Publication number: JP2004227806A
Application number: JP2003011148A
Authority: JP
Inventors: Yoji Sumizaki; 洋二炭崎
Original assignee: Nippon Aluminium Co Ltd
Current assignee: Nippon Aluminium Co Ltd
Priority date: 2003-01-20
Filing date: 2003-01-20
Publication date: 2004-08-12

Abstract

【課題】レイアウト上の制約を可及的に少なくして希望するレイアウトで安価に結線することができるブスバーの製造方法を提供する。
【解決手段】アルミニウム合金製の押出し形材から成るフラットバーを、少なくとも予め定める位置に配置される第１および第２端子３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃと、第１および第２端子３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃ間の配線経路とに基づいて決定される折り曲げ方向に折り曲げて、前記第１端子３ａ〜３ｃに接続される長手方向一端部５ａ〜５ｃと、予め定める第２端子４ａ〜４ｃに接続される長手方向他端部６ａ〜６ｃとを形成し、長手方向両端部５ａ〜５ｃ；６ａ〜６ｃ間の中間部の表面は、セラミックスから成る絶縁層８ａ〜８ｃによって被覆する。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばハイブリッドカーおよび電気自動車などの電源ラインに好適に実施することができるブスバーの製造方法およびその製造方法によって製造されたブスバーならびにブスバー組立体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、自動車の電装部品間の接続には、車体と部品との間の隙間およびトリムの裏などの非常に狭い場所に配線されたワイヤーハーネスが用いられている。このワイヤーハーネスは、複数のたるみを生じたり、こすれたりしないように、約２００ｍｍ〜３００ｍｍごとに樹脂成形体から成る係止片によって、車体や部品に固定されている（たとえば、特許文献１参照）。
また、大電流が流れる電源ラインには、前記ワイヤーハーネスに代えて導電性金属材料から成る帯状の導体を絶縁材料によってサンドイッチ構造に組立てたブスバーが用いられる（たとえば、特許文献２参照）。
【０００３】
【特許文献１】
特開平１１−９１４０６号公報
【特許文献２】
特開２０００−１６４０４２号公報
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術のワイヤーハーネスでは、このワイヤーハーネスが多数の電線束によって構成されるので、大きな占有空間を必要とし、自動車内の限られた狭い空間に配置するために、レイアウトが制約されるという問題がある。
【０００５】
また、前記従来の技術のブスバーでは、一直線状のブスバーを複数のコネクタによって接続して配線するように構成されるため、たとえばバッテリと端子箱との間のように、相互に接続されるべき各端子の位置および各端子間の配線経路に沿って配置される各種の部品の配置状況などの周囲の環境などによってレイアウトすることが可能であるが、ブスバーに比べて占有空間が大きい複数のコネクタを用いる必要があるため、コネクタを設ける位置は配置上、スペース的に制限され、前述の従来の技術と同様に、レイアウトが制約され、さらに製造コストが高価であるという問題がある。
【０００６】
本発明の目的は、レイアウト上の制約を可及的に少なくして希望するレイアウトで安価に結線することができるブスバーの製造方法およびその製造方法に製造されたブスバーならびにブスバー組立体を提供することである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
請求項１記載の本発明は、アルミニウム合金製の押出し形材から成るフラットバーを、少なくとも予め定める位置に配置される第１および第２端子と、第１および第２端子間の配線経路とに基づいて決定される折り曲げ方向に折り曲げて、前記第１端子に接続される長手方向一端部と、予め定める第２端子に接続される長手方向他端部とを形成することを特徴とするブスバーの製造方法である。
【０００８】
請求項２記載の本発明は、長手方向両端部間の中間部の表面は、セラミックスから成る絶縁層によって被覆されることを特徴とする。
【０００９】
請求項３記載の本発明は、請求項１または２記載の製造方法によって製造されることを特徴とするブスバーである。
【００１０】
請求項４記載の本発明は、請求項２記載の製造方法によって製造された複数のブスバーから成ることを特徴とするブスバー組立体である。
【００１１】
本発明に従えば、アルミニウム合金の押出し形材を長手方向両端部間の中間部を折り曲げて、第１および第２端子にそれぞれ接続される長手方向一端部と長手方向他端部とが形成される。この折り曲げ作業は、たとえば既存のロボットおよび折り曲げ機などによって容易に実施することが可能であり、容易かつ安価にブスバーを実現することができる。また、このブスバーはフラットバーを折り曲げて形成されるので、占有空間が前記従来の技術の電線束から成るワイヤーハーネスおよび複数のコネクタを用いるブスバーに比べて小さく、レイアウト上の制約を格段に少なくすることができる。
【００１２】
本発明に従えば、前記ブスバーの長手方向中間部の表面が絶縁層によって被覆されるので、複数のブスバーを相互に近接して、あるいは接触状態で配置することが可能となり、複数のブスバーまたは複数のブスバーを並列に配置したブスバー組立体によって占有される占有空間を少なくして、実装密度を向上することができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明の実施の一形態のブスバーの製造方法によって製造されたブスバー組立体１を示す斜視図であり、図２は図１に示されるブスバー組立体１の平面図であり、図３は図１に示されるブスバー組立体１の底面図である。ブスバー組立体１は、複数（本実施の形態では３）の本発明に従うブスバー２ａ，２ｂ，２ｃから成り、厚み方向に隣接して並列に第１端子３ａ，３ｂ，３ｃおよび第２端子４ａ，４ｂ，４ｃ間を接続する。第１端子３ａ〜３ｃは、たとえばハイブリッドカーなどの電動車両に搭載されたバッテリの正電極、負電極、およびアース電極であり、第２端子４ａ〜４ｃは、インバータなどが収容された配電器の端子ボックスである。
【００１４】
各ブスバー２ａ〜２ｃは、アルミニウム合金製の押出し形材から成るフラットバーを、少なくとも予め定める位置に配置される第１および第２端子３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃと、第１および第２の端子３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃ間の配線経路とに基づいて決定される折り曲げ方向に折り曲げて、前記第１端子３ａ〜３ｃに配置される長手方向一端部５ａ，５ｂ，５ｃと、予め定める第２端子４ａ〜４ｃに配置される長手方向他端部６ａ，６ｂ，６ｃとが形成される。
【００１５】
前記アルミニウム合金は、代表的な押出用合金であるＪＩＳＡ６０６３が用いられる。このＪＩＳＡ６０６３は、Ａｌ−Ｍｇ−Ｓｉ系アルミニウム合金であって、押出し性に優れ、複雑な断面形状の形材が得られ、耐食性および表面処理性にも優れている。各ブスバー２ａ〜２ｃの電流容量Ｉは、周長をＳ、断面積をａ、上昇温度Ｅ、周囲温度４０℃における抵抗温度係数をｔ、固有抵抗をｒとしたとき、ＭｅｌｓｏｎｔｐＢｏｏｔｈの計算式、
Ｉ＝２４．３×Ｓ^０．４３×ａ^０．５×｛Ｅ^１．２５／（１＋ｔ・Ｅ）・ｒ｝^０．５
…（１）によって求められ、通電したい電流の大きさによって断面が決定される。
【００１６】
各ブスバー２ａ〜２ｃの各長手方向一端部５ａ〜５ｃは、図２の紙面に平行な仮想一平面に沿って平行に形成され、各長柄方向他端部６ａ〜６ｃは、図２の紙面に垂直な仮想一平面に沿って平行に形成される。各ブスバー２ａ〜２ｃの長手方向中間部は、各長手方向一端部５ａ〜５ｃから各長手方向他端部６ａ〜６ｃに向かって、第１〜第５折り曲げ部１１ａ〜１５ａ，１１ｂ〜１５ｂ，１１ｃ〜１５ｃがそれぞれ形成される。
【００１７】
また、各ブスバー２ａ〜２ｃにおいて、第１折り曲げ部１１ａ，１１ｂ，１１ｃと第２折り曲げ部１２ａ，１２ｂ，１２ｃとの間には、第１直線部２１ａ，２１ｂ，２１ｃが形成され、第２折り曲げ部１２ａ，１２ｂ，１２ｃと第３折り曲げ部１３ａ，１３ｂ，１３ｃとの間には、第２直線部２２ａ，２２ｂ，２２ｃが形成される。さらに第３折り曲げ部１３ａ，１３ｂ，１３Ｃと第４折り曲げ部１４ａ，１４ｂ，１４ｃとの間には、第３直線部２３ａ，２３ｂ，２３ｃが形成され、第４折り曲げ部１４ａ，１４ｂ，１４ｃと第５折り曲げ部１５ａ，１５ｂ，１５ｃとの間には、第４直線部２４ａ，２４ｂ，２４ｃが形成され、第５折り曲げ部１５ａ，１５ｂ，１５ｃと各長手方向他端部６ａ，６ｂ，６ｃとの間には、第５直線部２５ａ，２５ｂ，２５ｃが形成される。
【００１８】
さらに、各ブスバー２ａ〜２ｃにおいて、各長手方向一端部５ａ〜５ｃと各第１直線部２１ａ〜２１ｃとは各第１折り曲げ部１０ａ〜１０ｃによってそれぞれ直角を成し、各第２直線部２２ａ〜２２ｃと第３直線部２３ａ〜２３ｃとは各第２折り曲げ部１２ａ〜１２ｃによってそれぞれ直角を成し、各第５直線部２５ａ〜２５ｃと各長手方向他端部６ａ〜６ｃとは各第５折り曲げ部１５ａ〜１５ｃによってそれぞれ直角を成す。また、各長手方向一端部５ａ〜５ｃと各第５直線部２５ａ〜２５ｃとはそれぞれ平行である。さらにまた、ブスバー組立体１においては、このような第１〜第５折り曲げ部１１ａ〜１５ａ，１１ｂ〜１５ｂ，１１ｃ〜１５ｃおよび第１〜第５直線部２１ａ〜２５ａ；２１ｂ〜２５ｂ；２１ｃ〜２５ｃは、前記フラットバーを、たとえば既存の２台の多関節ロボットに折り曲げ位置をティーチングすることによって、ハンドによって把持される位置を互いに掴み換えながら、容易に形成することができるので、アルミニウム合金板を打抜き加工したのち折り曲げる場合に比べて、材料が無駄にならず、歩留まりが向上される。また、抜き型を必要としないので、この点においても低コスト化を図ることができる。
【００１９】
図４は、図１の切断面線ＩＶ−ＩＶから見た拡大断面図である。各ブスバー２ａ〜２ｃの長手方向両端部５ａ〜５ｃ；６ａ〜６ｃ間の中間部、すなわち第１折り曲げ部１１ａ〜１１ｃから第５直線部２５ａ〜２５ｃにわたる領域の前記アルミニウム合金から成る導電層２ａ１〜２ｃ１の表面には、セラミックスから成る厚み５０μｍ〜１００μｍの絶縁層８ａ，８ｂ，８ｃによって被覆される。
【００２０】
各導電層２ａ１〜２ｃ１の厚みＴａ，Ｔｂ，Ｔｃは、たとえばアルミニウム合金である。また、各絶縁層８ａ〜８ｃの剥離および欠損を防止するために、各導電層８ａ〜８ｃの長手方向に延びる各４つの角部２６ａ〜２９ａ，２６ｂ〜２９ｂ，２６ｃ〜２６ｃは、半径ｒ＝０．１ｍｍ〜０．３ｍｍで半径方向外方へ凸に約１／４円程度、面取り加工されている。
【００２１】
このように各ブスバー２ａ〜２ｃの長手方向中間部の表面が絶縁層８ａ〜８ｃによって被覆されるので、複数のブスバー２ａ〜２ｃを相互に近接して、あるいは本実施の形態のように接触状態で配置することが可能となり、複数のブスバー２ａ〜２ｃによって占有される占有空間を少なくして、実装密度を向上することができる。
【００２２】
以上のように本実施の形態によれば、アルミニウム合金の押出し形材を長手方向両端部間の中間部を折り曲げて、第１および第２端子３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃにそれぞれ接続される長手方向一端部５ａ〜５ｃと長手方向他端部６ａ〜６ｃとが形成される。この折り曲げ作業は、前述したように既存のロボットおよび折り曲げ機などによって容易に加工することが可能であるため、容易かつ安価にブスバー２ａ〜２ｃを実現することができる。また、これらのブスバー２ａ〜２ｃは、フラットバーを折り曲げて形成されるので、占有空間が前記従来の技術の電線束から成るワイヤーハーネスおよび複数のコネクタを用いるブスバーに比べて起伏が小さく、レイアウト上の制約を格段に少なくすることができる。さらに、前記各ブスバー２ａ〜２ｃの長手方向中間部の表面が絶縁層８ａ〜８ｃによって被覆されるので、複数（本実施の形態では３）のブスバー２ａ〜２ｃを相互に近接して、あるいは接触状態で配置することが可能となり、複数のブスバー２ａ〜２ｃの組立体１によって占有される占有空間を少なくして、実装密度を向上することができる。
【００２３】
図５は、本発明の実施の他の形態の製造方法によって製造されたブスバー組立体１ａを示す拡大断面図である。なお、前述の実施の形態と対応する部分には、同一の参照符を付す。本実施の形態の製造方法に従うブスバー組立体１ａは、３本のブスバー２ａ，２ｂ，２ｃから成り、長手方向両端部３ａ〜３ｃ；４ａ〜４ｃ、第１〜第５折り曲げ部１１ａ〜１５ａ，１１ｂ〜１５ｂ，１１ｃ〜１５ｃ、および第１〜第５直線部２１ａ〜２５ａ；２１ｂ〜２５ｂ；２１ｃ〜２５ｃを有し、アルミニウム合金製の押出し形材から成る点で、前述の実施の形態と同様であるが、中央に配置されるブスバー２ｂは、その両側に配置されるブスバー２ａ、２ｃの高さＨ約１．５倍の高さ１．５Ｈを有する点で相違する。
【００２４】
このように中央のブスバー２ｂを両側のブスバー２ａ，２ｃよりも高くして突出させることによって、その突出する部分３１だけ外気に臨む表面積を増加させ、これによって外気との接触面積を大きくして放熱性を向上し、通電率を向上することができる。また表面積が増加されることによって、表面電流の断面も増加するため、これによってもまた、通電率が向上される。
【００２５】
本発明の実施の他の形態として、前記中央のブスバー２ｂを前述のように上方への突出部分３１だけでなく、図５の仮想線３２で示されるように、両側のブスバー２ａ、２ｃから下方へ突出する部分を形成してもよい。これによって、より表面積の増加による表面電流の断面の増加、および放熱による通電率の増加を図ることができる。
【００２６】
本発明の実施のさらに他の形態では、前述の図１〜図５の実施の各形態において、各導電層２ａ１〜２ｃ１に外部に臨んで露出する表面に、その表面から垂直な方向突出量が０．５ｍｍ〜２．０ｍｍ、前記表面に平行な厚みが０．３ｍｍ〜１．５ｍｍの複数のフィンを、図４および図５の断面図において、紙面し垂直な長手方向に連続しまたは断続的に形成し、かつ周方向に間隔をあけて形成して、表面積を増加させ、これによって放熱性を高くして通電率を向上するようにしてもよい。
【００２７】
以上の実施の各形態では、ハイブリッドカーなどの電動車両に搭載されるバッテリの端子と配電器の端子とを接続するために用いられるブスバーについて述べたが、本発明はこれに限らず、普通自動車、大型自動車および重機などの大型特殊車両の結線回路に用いられてもよく、さらにその他の機器、たとえば電源ユニットおよび電動機などの装置に用いられてもよい。
【００２８】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミニウム合金の押出し形材を長手方向両端部間の中間部を折り曲げて、第１および第２端子にそれぞれ接続される長手方向一端部と長手方向他端部とが形成される容易かつ安価にブスバーを実現することができる。また、このブスバーはフラットバーを折り曲げて形成されるので、占有空間が前記従来の技術の電線束から成るワイヤーハーネスおよび複数のコネクタを用いるブスバーに比べて小さく、レイアウト上の制約を格段に少なくすることができる。
【００２９】
また本発明によれば、ブスバーの長手方向中間部の表面が絶縁層によって被覆されるので、複数のブスバーを相互に近接して、あるいは接触状態で配置することが可能となる。特に、複数のブスバーまたはそれらによって構成されるブスバー組立体では、占有される占有空間を少なくして、実装密度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の一形態のブスバーの製造方法によって製造されたブスバー組立体１を示す斜視図である。
【図２】図１に示されるブスバー組立体１の平面図である。
【図３】図１に示されるブスバー組立体１の底面図である。
【図４】図１の切断面線ＩＶ−ＩＶから見た拡大断面図である。
【図５】本発明に実施の他の形態の製造方法によって製造されたブスバー組立体１ａを示す拡大断面図である。
【符号の説明】
１，１ａブスバー組立体
２ａ，２ｂ，２ｃブスバー
３ａ，３ｂ，３ｃ第１端子
４ａ，４ｂ，４ｃ第２端子
５ａ，５ｂ，５ｃ長手方向一端部
６ａ，６ｂ，６ｃ長手方向他端部
８ａ，８ｂ，８ｃ絶縁層
１１ａ，１１ｂ，１１ｃ第１折り曲げ部
１２ａ，１２ｂ，１２ｃ第２折り曲げ部
１２ａ，１２ｂ，１２ｃ第２折り曲げ部
１３ａ，１３ｂ，１３ｃ第３折り曲げ部
１４ａ，１４ｂ，１４ｃ第４折り曲げ部
１５ａ，１５ｂ，１５ｃ第５折り曲げ部
２１ａ，２１ｂ，２１ｃ第１直線部
２２ａ，２２ｂ，２２ｃ第２直線部
２３ａ，２３ｂ，２３ｃ第３直線部
２４ａ，２４ｂ，２４ｃ第４直線部
２５ａ，２５ｂ，２５ｃ第５直線部
３１，３２突出する部分

Claims

アルミニウム合金製の押出し形材から成るフラットバーを、少なくとも予め定める位置に配置される第１および第２端子と、第１および第２端子間の配線経路とに基づいて決定される折り曲げ方向に折り曲げて、前記第１端子に接続される長手方向一端部と、予め定める第２端子に接続される長手方向他端部とを形成することを特徴とするブスバーの製造方法。
長手方向両端部間の中間部の表面は、セラミックスから成る絶縁層によって被覆されることを特徴とする請求項１記載のブスバーの製造方法。
請求項１または２記載の製造方法によって製造されることを特徴とするブスバー。
請求項２記載の製造方法によって製造された複数のブスバーから成ることを特徴とするブスバー組立体。