JP2004227609A - 光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法、光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置及び光ピックアップ装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】低コスト化を図ることができる対物レンズ傾き調整装置を提供する。
【解決手段】投受光素子11からの光を撮像手段の撮像面に照射し、その撮像面の中央部Oの画素の受光量が全画素中で最大となるように調整ステージ29bを制御する。そして、θX方向及びθY方向にそれぞれ対物レンズ15を回動させて、各方向における傾角のうち中央部Oの画素の受光量が最大とされる傾角に対物レンズ15を設定する。このようにすることで、対物レンズ15をコマ収差が最小となる正しい位置に設定することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】投受光素子11からの光を撮像手段の撮像面に照射し、その撮像面の中央部Oの画素の受光量が全画素中で最大となるように調整ステージ29bを制御する。そして、θX方向及びθY方向にそれぞれ対物レンズ15を回動させて、各方向における傾角のうち中央部Oの画素の受光量が最大とされる傾角に対物レンズ15を設定する。このようにすることで、対物レンズ15をコマ収差が最小となる正しい位置に設定することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コスト化を図ることができる光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の対物レンズ傾き調整装置として特許文献1に開示されているものが挙げられる。これは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等に搭載される光ピックアップ装置100に備えられた対物レンズの調整を行なうものであり、その構成は図13に示す通りである。
まず、ピックアップ装置100においては、投光素子101から発せられた光は1/4波長板102、ミラー103を介し、コリメートレンズ104で平行光とされた後、アクチュエータ105に取りつけられた対物レンズ106で収束光にしてから外部に照射する。
【0003】
一方、対物レンズ傾き調整装置200では、対物レンズ106からの収束光を擬似ディスク201を透過させた後、対物レンズ202により平行光にして収束レンズ203、リレーレンズ204、NDフィルタ205を介して再び収束光とする。そして、この収束光をCCD206(撮像手段)の撮像面に照射する。尚、対物レンズ106からの収束光の焦点を擬似ディスク201の表面に合わせることが必要とされており、そうするために擬似ディスク201と対物レンズ202とを光軸LC方向に移動可能に設けている。
【0004】
CCD206の撮像面には、ビームスポットBの周囲に同心円状に1次光、2次光・・・が形成される。ここで、対物レンズ106が光軸LCに対して傾けられていると、コマ収差が発生することで各n次光における輝度分布が不均一となり、環状像のうちある方向が明るくなり、反対の方向が暗くなる(図14参照)。したがって、これらn次光の明るさが均一となるように(実際には、1次光についてその明るさが均一となるように)、対物レンズ106の傾きを調整すれば、対物レンズ106をコマ収差が最小となる位置に設定することができるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−90119号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成では、対物レンズ106に起因して発生するコマ収差のみを検出し、これに対する補正を行なうようにしなければならないから、当然に対物レンズ調整装置200内の光学系でコマ収差が発生することを避けなければならない。そのためには、装置200内の光学系の各部品を高品質のものにしなければならず、さらに、その組み付け精度を高くしなければならないから、高コスト化につながるという問題が生ずる。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低コスト化を図ることができる光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法、光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置及び光ピックアップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低コスト化を図ることができる対物レンズ傾き調整装置を開発すべく、鋭意研究してきたところ、以下の知見を見いだして本発明を完成するに至った。
撮像面におけるビームスポットの最大輝度点位置の受光量の変化を調べたところ、ビーム品質が最良(コマ収差が最小)となるときの対物レンズの傾きを0°とすると、対物レンズを傾けてビーム品質が低下(コマ収差が増大)したときには、ビームスポットの最大輝度点の受光量が低下することを発見した。
【0009】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0012】
請求項4の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置であって、前記光ピックアップ装置を固定する調整ステージと、前記対物レンズの傾きを変更するレンズ傾角可変機構と、前記対物レンズから出射された光(出射光)がレンズ光学系を通して照射されるとともに、前記レンズ光学系の光軸上に配される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段において前記レンズ光学系の光軸と交わる点に照射されるように前記調整ステージを移動させるステージ駆動機構と、前記受光手段における受光量を検出する受光量検出手段と、この受光量検出手段によって検出された受光量が最大となるように前記レンズ傾角可変機構を調整する駆動手段とを備えてなるところに特徴を有する。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記受光手段及び前記位置検出手段は撮像面に前記出射光が照射されることでビームスポットを形成させる撮像手段から構成されており、前記ステージ駆動機構は、前記ビームスポットの最大輝度点が前記撮像面のうち前記レンズ光学系の光軸と交わる点と一致するように前記調整ステージを移動させ、前記受光量検出手段は、前記撮像面における前記最大輝度点位置の受光量を検出するところに特徴を有する。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記レンズ光学系には前記出射光を分割する光分割手段が備えられ、前記位置検出手段は前記光分割手段により分割された光のうち一方の光が撮像面に照射されてビームスポットを形成させる撮像手段から構成されるとともに、前記受光手段はピンホール板を介して他方の光が照射される受光素子とから構成され、前記ステージ駆動機構は前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置を移動させ、前記受光量検出手段は前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と一致する点に配されたときの前記受光素子の受光量を検出するところに特徴を有する。
【0015】
請求項7の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整する工程を含むところに特徴を有する。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0018】
【発明の作用及び効果】
従来の対物レンズの傾きを調整する方法では、例えばビームスポットの周囲に形成されるリング状をなす1次光の明るさの分布が均一となるように対物レンズの傾きを設定するようにしている。これは、対物レンズの中心軸と光源からの光の光束の中心軸とがずれると、コマ収差が発生し1次光の明るさが不均一となることでそのずれが判明するから、1次光の明るさが各部で均一となるように対物レンズの傾きを調整することで、この対物レンズの傾きを正すことができる。
ここで、1次光の明るさの不均一性は対物レンズにより発生するコマ収差の度合いのみを反映したものにしなければならない。したがって、他のレンズにより発生するコマ収差を無くさなければならず、これにより、高品質な光学部品、高い組み付け精度が要求されて装置が高コスト化するという問題があった。
また、実際の装置では光ピックアップ装置の対物レンズからの光をレンズ等の複数の光学部品からなるレンズ光学系を介して撮像面に照射するようになっており、撮像面の中心とレンズ光学系の光軸とが一致するように構成されている。また、レンズ光学系の収差は、光の像点をレンズ光学系の光軸においた場合が最も小さくなる。
【0019】
このような事情を踏まえて、本発明では、レンズ光学系の光軸にビームスポットの最大輝度点の光が一致するように調整ステージを移動させつつ、撮像手段の撮像面のうちレーザスポットの最大輝度点の受光量が最大となるように対物レンズの傾きを調整している。このようにしたことで、従来のものに比べて安価なレンズで光学調整装置のレンズ光学系を構成することができ、さらに、これら光学部品の組み付け精度を緩やかにすることができるから、装置の低コスト化を図ることができる。また、受光手段のうちレンズ光学系の光軸と交わる点に出射光を照射する構成としているから、レンズ光学系により発生するコマ収差が最小とされて一層正確な傾き調整が行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明に係る対物レンズ傾き調整装置の一実施形態を図1ないし図7を参照して説明する。本実施形態の対物レンズ傾き調整装置は、CD(CompactDisk)やDVD(DigitalVersatileDisk)等に搭載されている光ピックアップ装置に備えられた対物レンズの傾きの検出、調整を行なうものである。尚、図1において、図面横方向をX軸、図面と直交する方向をY軸、図面上下方向をZ軸と定め、対物レンズ15の中心を原点とする。
【0021】
図1に示すように、光ピックアップ装置1は、投受光素子11(請求項に記載の「光源」に相当)と、1/4波長板12と、反射ミラー13と、コリメートレンズ14と、対物レンズ15と、この対物レンズ15の支持する角度を調整可能な支持部材16とからなり、本装置1は調整ステージ29bに固定された状態とされている。そして、投受光素子11からの光は1/4波長板12、反射ミラー13を介して、コリメートレンズ14を透過することで平行光に変えられ、その後対物レンズ15を透過して収束光として外部に出射されるよう構成されている。
【0022】
支持部材16(請求項に記載の「レンズ傾角可変機構」に相当する)は、これに設けられた2本の螺子(図示せず)のうち、一方を回すことでθX方向(X軸を中心に対物レンズ15を回動させる方向)に回動し、他方をまわすことでθY方向(Y軸を中心に対物レンズ15を回動させる方向)に回動するようになっており、この支持部材16の回動に伴なって対物レンズ15も回動される。また、これらの螺子は後述するドライバ駆動手段28に備えられたドライバ28aにより回されるようになっている。
【0023】
調整ステージ29bには、サーボ機構(図示せず)が備え付けられており、後述するステージ制御手段29aからサーボ駆動信号Sdを受けるとXY平面を二次元的に移動するようにされている。このように、調整ステージ29bが移動すると、これに伴なって光ピックアップ装置1もXY平面上を移動する。
【0024】
対物レンズ傾き調整装置2は光ピックアップ装置1からの収束光を受けるように構成されている。詳しくは、対物レンズ15から出射した収束光を擬似ディスク21(球面収差補正板)を透過させ、対物レンズ22を通して平行光に変えてから、この平行光を収束レンズ23、リレーレンズ24、NDフィルター25等のレンズ光学系を通してCCD26(電荷結合素子、請求項に記載の「撮像手段」及び「位置検出手段」に相当)の撮像面へ照射させるように構成されている。また、CCD26は撮像面を構成する各画素の受光量に応じたパルス列からなる撮像信号Saを出力するようになっており、この撮像信号SaがCPU27aに送信される。
尚、対物レンズ22はZ軸方向に移動可能とされており、CCD26の撮像面に収束光の焦点が一致するように、この対物レンズ22の位置が調整されており、また、レンズ光学系の光軸とCCD26の撮像面の中心とがZ軸上において一致するように構成されている。従って、上記撮像面の中心が本発明でいう「光軸と交わる点」に相当する。また、レンズ光学系とCCD26とにより(符号20)が請求項に記載の「光学調整装置」の構成に相当する。
【0025】
CPU27は、受信した撮像信号Saに基づいてドライバ駆動手段28及びステージ制御手段29aへそれぞれドライバ駆動信号Sb,ステージ駆動信号Scを送信するようになっている。また、CPU27aに備えられたメモリ27bには所定の記憶領域が確保されている。
ドライバ駆動手段28はCPU27aからのドライバ駆動信号Sbに基づいてドライバ28aにより支持部材16に設けられている螺子を回すように構成されており、また、ステージ制御手段29aはCPU27aからのステージ駆動信号Scに基づいて調整ステージ29bのサーボ機構にサーボ駆動信号Sdを送信するように構成されている。
【0026】
本実施形態の構成は以上であり、続いてその動作についてCPU27aの処理を中心にして説明する。
投受光素子11から発せられた光は、前述のようにして、CCD26の撮像面に照射されるとともに、CPU27aが受光量取得ルーチンを実行する(ステップS1、図2参照)。
【0027】
図4に示すようにCPU27aは、CCD26から受けた撮像信号Saを基にして各画素の受光量を算出する(ステップS101)。このとき、撮像面の中央(以下、中央部Oという)に対応する画素の受光量が全画素の中で最大であると判断した場合には(ステップS102でYes)、その受光量Lnをメモリ27b記憶して(ステップS103)、ステップS2のθX方向の傾き調整ルーチンの処理を実行する。
【0028】
逆に、中央部Oの画素の受光量が最大と判断されなかったときには(ステップS102でNo)、受光量が最大とされている画素と中央部Oの画素との距離(ΔX,ΔY)を算出して(ステップS104)、この距離に応じた制御信号S3を制御部30に出力する(ステップS105、図4参照)。するとステージ制御手段29aからサーボ機構に対してサーボ駆動信号Sdが出力され、サーボ機構は調整ステージ29bを(ΔX,ΔY)だけ移動させる。これに伴って対物レンズ15が移動してビームスポットBの最大輝度点Rが中央部Oに配され、この結果、中央部Oの画素が最大の受光量とされる(図3参照)。これにより、本発明でいう「ビームスポットの最大輝度点を撮像面のうちレンズ光学系の光軸と交わる点に一致させる」ことができるのである。そして、このときの中央の画素の受光量Lnをメモリ27bの所定の領域に記憶した後(ステップS103)、θX方向の傾き調整ルーチン(ステップS2)を実行する。
【0029】
<θX方向の調整>
図5に示すように、はじめにドライバ駆動手段28にドライバ駆動信号Sbを出力することで、支持部材の一方の螺子が回されると、対物レンズ15がΔθXだけ傾けられる(ステップS201)。そして、上述した受光量取得ルーチンの処理を行なう(ステップS1)。このとき、対物レンズ15を傾けたことにより、ビームスポットBがCCD26の撮像面の中央部Oからずれ動くから、受光量取得ルーチンにおいてはステップS103、S104が実行され、常に最大輝度点Rが中央部Oに位置される。
【0030】
そして、中央部Oの画素における現在の受光量Lnが、直前に記憶した受光量Ln−1より低い場合には(ステップS203でNo)、ステップS204の処理に進んで対物レンズを−ΔθXだけ傾ける。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS202でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低くなるまで(ステップS202でNoとなるまで)、ステップS201の処理及び受光量取得ルーチンを繰り返す。
【0031】
−ΔθX方向に対物レンズ15を動かした後には、再び現在の受光量Lnと直前に記憶した受光量Ln−1とを比較し、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断すると(ステップS204でNo)、対物レンズをΔθX方向に回動させて(ステップS205)、本ルーチンを終了し、θY方向の傾き調整ルーチンを実行する。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS204でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断する(ステップS204でNo)ステップS203の処理、受光量取得ルーチンを繰り返す。
【0032】
<θY方向の調整>
図6のフローチャートに示すように、まず、調整手段29に制御信号S2を出力して対物レンズ15をΔθYだけ傾ける(ステップS301)。その後、受光量取得ルーチンを実行する(ステップS1)。
【0033】
そして、中央部Oの画素の受光量Lnが、直前に記憶した受光量Ln−1よりも低いと判断すると(ステップS302でNo)、ステップS303の処理に進んで対物レンズ15を−ΔθYだけ傾ける。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS303でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低くなるまで(ステップS303でNoとなるまで)、ステップS301の処理及び受光量取得ルーチンの処理を繰り返す。
【0034】
−ΔθYに対物レンズ15を回動させた後には、再び現在の受光量Lnと直前に記憶した受光量Ln−1とを比較し、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断したときには(ステップS304でN)、対物レンズ15をΔθYだけ回動させて(ステップS205)、本ルーチンを終了する。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS204でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断されるまで(ステップS304でNoとなるまで)、ステップS203の処理及び受光量取得ルーチンの処理を繰り返す。このように上記の処理を行なうことで最大輝度点Rが配された中央部Oの画素の受光量が最大とされる。
また、上記の動作から、CPU27aは請求項に記載の「受光量検出手段」として構成され、CPU27aとドライバ駆動手段28とで「駆動手段」が構成され、また、CPU27aとステージ制御手段29aとで「ステージ駆動機構」が構成されることは明らかである。
【0035】
図7には、θX方向における対物レンズ15の傾き角に対する受光量、コマ収差の関係をグラフに示している。このグラフから明らかなように、対物レンズ15の傾きが0°、即ち、対物レンズ15がコマ収差の最小とされる位置にあるときに撮像面の中央部Oの画素の受光量が最大とされている。このことから、上記の処理を行なうことにより、確実に対物レンズ15を正しい位置(コマ収差が最小とされる位置)に調整することができる。
【0036】
このように本実施形態では、撮像面のうち中央部Oの画素の受光量に基づいて対物レンズ15の傾きの調整を行なっているから、従来のコマ収差に基づいて傾きを調整する構成のように、装置2内の光学系のコマ収差の発生を抑えるために高品質な光学部品や高い組み付け精度が不要となり、低コストで装置を構成することができる。また、調整ステージ29bを動かして対物レンズ15からの光を撮像面の中央部Oに移動させるように調整しているから、各レンズ22,23により発生する収差を最小限に止め調整精度を高めることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態を示している。本実施形態は第1実施形態からリレーレンズ24を省略した構成とされている。このようにすれば、さらに低コストで装置を構成することができるとともに、レンズにより発生する収差をさらに小さくすることができる。
【0038】
<第3実施形態>
図9は本発明の第3実施形態を示している。本実施形態は第2実施実施形態から収束レンズ23を省略した構成とされている。このような構成としても、上記実施形態と同様に対物レンズ15の傾きを調整することが可能である。
【0039】
<第4実施形態>
本発明に係る第4実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果の説明についても省略する。
本実施形態は図10に示すように、対物レンズ22と収束レンズ23との間にビームスプリッタ210を配して対物レンズ22を透過した光を二手に分割している。このビームスプリッタ210を透過した光は収束レンズ23及びリレーレンズ24を通し、NDフィルタ25の先に配されたピンホール211を介してフォトダイオード212に照射されるようになっている。一方、ビームスプリッタ210を反射した光は収束レンズ213を透過させることで収束光に変えて、CCD214の撮像面に結像するようにされており、これによって、撮像面上にビームスポットBが形成される。
ここで、ピンホール211の開口面はXY平面上において、リレーレンズ24からの収束光の焦点位置と一致するように、Z軸方向の位置が調整されている。また、CCD214は、ビームスプリッタ210の透過光がピンホール211の開口面で焦点を結んだときに、撮像面の中央部OにビームスポットBの最大輝度点Rが位置されるように配置されている。従って、撮像面の中央部Oに最大輝度点Rが配されたときは、ビームスプリッタ210からの透過光が開口面で集光して受光素子212に照射され、逆に、最大輝度点Rが撮像面の中央部Oに配されていないときには受光素子212には光がほとんど照射されない。
【0040】
フォトダイオード212は受光量に応じた電圧信号を出力し、図示しないA/D変換回路を通してディジタル信号(受光信号Seと称する。)に変換した後、この受光信号SeをCPU27aへ送信する。また、CCD214は撮像面を構成する各画素の受光量に応じたパルス列からなる撮像信号SfをCPU27aへ送信する。
CPU27aは、受光信号Se及び撮像信号Sfに基づいてドライバ駆動手段28及びステージ制御手段29aへそれぞれドライバ駆動信号Sb,ステージ駆動信号Scを送信するようになっている。
【0041】
本実施形態の動作は第1実施形態と比較して、CPU27aのメイン処理のうち受光量取得ルーチンS1のステップS103が「フォトダイオード212から出力された受光信号Seに応じた受光量Lnをメモリ27bに記憶する」ように変更されており、その他の処理は第1実施形態と同様である。
即ち、対物レンズ15の各傾角において、調整ステージ29bを移動させることで撮像面の中央部Oへ向けてビームスポットBを移動させ、このビームスポットBの最大輝度点Rが撮像面の中央部Oに配されたときの受光素子における受光量Lnをメモリ27bに記憶するとともに、各傾角における受光量Lnを互いに比較し、その結果から受光量Lnが最大となる傾角に対物レンズ15を調整するのである。
また、上記の動作から、フォトダイオード212が請求項に記載の「受光素子」、CCD214が「位置検出手段」として構成されることは明らかである。
【0042】
<第5実施形態>
図12は本発明の第5実施形態を示している。本実施形態は第4実施形態からリレーレンズ24を省略した構成とされている。このようにすれば、さらに低コストで装置2を構成することができるとともに、レンズにより発生する収差の影響を低減することができる。
【0043】
<第6実施形態>
図13は本発明の第6実施形態を示している。本実施本実施形態は第5実施実施形態から集光レンズ23を省略した構成とされている。このような構成としても、上記実施形態と同様に対物レンズ15の傾きを調整することが可能である。
【0044】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、θX、θYの順に傾き調整を行なうようにしていたが、例えば逆の順番で傾き調整を行なうような構成であってもよく、また、双方を同時的に行なうような構成であっても良い。
【0045】
(2)また、上記実施形態ではCPU27aの制御により自動で対物レンズ15の傾き調整を行なうように構成されていたが、例えば、モニタ等の表示装置を設けて、その表示画面上にビームスポットBの画像と、中央の画素の輝度を表示し、作業者によって支持部材16の螺子、調整ステージ29bを調整するような構成としてもよい。また、手動で調整を行なう際には、光学調整装置をXY平面上で移動させることで対物レンズ15からの光を撮像面の中央に相対移動させるようにすることもできる。
【0046】
(3)また、上記実施形態では、光ピックアップ装置1を調整ステージ29bに載置し、この調整ステージ29bを移動させることでビームスポットBを撮像面に対して中心に移動させるように構成していたが、例えば、レンズ光学系及び及び撮像手段を移動可能に支持する支持機構を設け、この支持機構を移動させることで光学系及びCCD26をXY平面上で移動させるように構成してもよい。
【0047】
(4)また、上記実施形態では、光ピックアップ装置1内部にレンズ傾角可変機構(支持部材16)を設け、このレンズ傾角可変機構を制御することで対物レンズ15の傾き調整を行なう構成を示したが、このレンズ傾角可変機構を外部に設けた構成としてもよい。1つの例として、光ピックアップ装置1に設けられた調整装置(レンズ傾角可変機構)により支持部材に支持されている対物レンズ15の傾きを調整し、傾きの調整が完了したら、その傾きをもって支持部材に対物レンズ15を固定するようなものであってもよい。
【0048】
(5)また、上記第4、第5及び第6実施形態では、フォトダイオード212の前方にピンホール211を配した構成を示したが、このピンホール211を省略した構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図2】CPUのメイン処理を示すフローチャート
【図3】撮像面に照射されたビームスポットの模式図
【図4】受光量取得ルーチンのフローチャート
【図5】θX方向の傾き調整ルーチンのフローチャート
【図6】θY方向の傾き調整ルーチンのフローチャート
【図7】対物レンズの傾き角に対する撮像面での受光量、コマ収差の関係を示したグラフ
【図8】第2実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図9】第3実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図10】第4実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図11】第5実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図12】第6実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図13】従来の対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図14】撮像面に形成されるビームスポットの模式図
【符号の説明】
1…光ピックアップ装置
2…対物レンズ傾き調整装置
15…対物レンズ
16…支持部材
26…CCD
27a…CPU
28…ドライバ駆動手段
29a…ステージ制御手段
29b…調整ステージ
B…ビームスポット
O…撮像面の中央(中央部)
R…最大輝度点
【発明の属する技術分野】
本発明は、低コスト化を図ることができる光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の対物レンズ傾き調整装置として特許文献1に開示されているものが挙げられる。これは、CD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disk)等に搭載される光ピックアップ装置100に備えられた対物レンズの調整を行なうものであり、その構成は図13に示す通りである。
まず、ピックアップ装置100においては、投光素子101から発せられた光は1/4波長板102、ミラー103を介し、コリメートレンズ104で平行光とされた後、アクチュエータ105に取りつけられた対物レンズ106で収束光にしてから外部に照射する。
【0003】
一方、対物レンズ傾き調整装置200では、対物レンズ106からの収束光を擬似ディスク201を透過させた後、対物レンズ202により平行光にして収束レンズ203、リレーレンズ204、NDフィルタ205を介して再び収束光とする。そして、この収束光をCCD206(撮像手段)の撮像面に照射する。尚、対物レンズ106からの収束光の焦点を擬似ディスク201の表面に合わせることが必要とされており、そうするために擬似ディスク201と対物レンズ202とを光軸LC方向に移動可能に設けている。
【0004】
CCD206の撮像面には、ビームスポットBの周囲に同心円状に1次光、2次光・・・が形成される。ここで、対物レンズ106が光軸LCに対して傾けられていると、コマ収差が発生することで各n次光における輝度分布が不均一となり、環状像のうちある方向が明るくなり、反対の方向が暗くなる(図14参照)。したがって、これらn次光の明るさが均一となるように(実際には、1次光についてその明るさが均一となるように)、対物レンズ106の傾きを調整すれば、対物レンズ106をコマ収差が最小となる位置に設定することができるのである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−90119号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記構成では、対物レンズ106に起因して発生するコマ収差のみを検出し、これに対する補正を行なうようにしなければならないから、当然に対物レンズ調整装置200内の光学系でコマ収差が発生することを避けなければならない。そのためには、装置200内の光学系の各部品を高品質のものにしなければならず、さらに、その組み付け精度を高くしなければならないから、高コスト化につながるという問題が生ずる。
【0007】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、低コスト化を図ることができる光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法、光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置及び光ピックアップ装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、低コスト化を図ることができる対物レンズ傾き調整装置を開発すべく、鋭意研究してきたところ、以下の知見を見いだして本発明を完成するに至った。
撮像面におけるビームスポットの最大輝度点位置の受光量の変化を調べたところ、ビーム品質が最良(コマ収差が最小)となるときの対物レンズの傾きを0°とすると、対物レンズを傾けてビーム品質が低下(コマ収差が増大)したときには、ビームスポットの最大輝度点の受光量が低下することを発見した。
【0009】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0012】
請求項4の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置であって、前記光ピックアップ装置を固定する調整ステージと、前記対物レンズの傾きを変更するレンズ傾角可変機構と、前記対物レンズから出射された光(出射光)がレンズ光学系を通して照射されるとともに、前記レンズ光学系の光軸上に配される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段において前記レンズ光学系の光軸と交わる点に照射されるように前記調整ステージを移動させるステージ駆動機構と、前記受光手段における受光量を検出する受光量検出手段と、この受光量検出手段によって検出された受光量が最大となるように前記レンズ傾角可変機構を調整する駆動手段とを備えてなるところに特徴を有する。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記受光手段及び前記位置検出手段は撮像面に前記出射光が照射されることでビームスポットを形成させる撮像手段から構成されており、前記ステージ駆動機構は、前記ビームスポットの最大輝度点が前記撮像面のうち前記レンズ光学系の光軸と交わる点と一致するように前記調整ステージを移動させ、前記受光量検出手段は、前記撮像面における前記最大輝度点位置の受光量を検出するところに特徴を有する。
【0014】
請求項6の発明は、請求項4に記載のものにおいて、前記レンズ光学系には前記出射光を分割する光分割手段が備えられ、前記位置検出手段は前記光分割手段により分割された光のうち一方の光が撮像面に照射されてビームスポットを形成させる撮像手段から構成されるとともに、前記受光手段はピンホール板を介して他方の光が照射される受光素子とから構成され、前記ステージ駆動機構は前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置を移動させ、前記受光量検出手段は前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と一致する点に配されたときの前記受光素子の受光量を検出するところに特徴を有する。
【0015】
請求項7の発明は、光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整する工程を含むところに特徴を有する。
【0016】
請求項8の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0017】
請求項9の発明は、請求項7に記載のものにおいて、前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整するところに特徴を有する。
【0018】
【発明の作用及び効果】
従来の対物レンズの傾きを調整する方法では、例えばビームスポットの周囲に形成されるリング状をなす1次光の明るさの分布が均一となるように対物レンズの傾きを設定するようにしている。これは、対物レンズの中心軸と光源からの光の光束の中心軸とがずれると、コマ収差が発生し1次光の明るさが不均一となることでそのずれが判明するから、1次光の明るさが各部で均一となるように対物レンズの傾きを調整することで、この対物レンズの傾きを正すことができる。
ここで、1次光の明るさの不均一性は対物レンズにより発生するコマ収差の度合いのみを反映したものにしなければならない。したがって、他のレンズにより発生するコマ収差を無くさなければならず、これにより、高品質な光学部品、高い組み付け精度が要求されて装置が高コスト化するという問題があった。
また、実際の装置では光ピックアップ装置の対物レンズからの光をレンズ等の複数の光学部品からなるレンズ光学系を介して撮像面に照射するようになっており、撮像面の中心とレンズ光学系の光軸とが一致するように構成されている。また、レンズ光学系の収差は、光の像点をレンズ光学系の光軸においた場合が最も小さくなる。
【0019】
このような事情を踏まえて、本発明では、レンズ光学系の光軸にビームスポットの最大輝度点の光が一致するように調整ステージを移動させつつ、撮像手段の撮像面のうちレーザスポットの最大輝度点の受光量が最大となるように対物レンズの傾きを調整している。このようにしたことで、従来のものに比べて安価なレンズで光学調整装置のレンズ光学系を構成することができ、さらに、これら光学部品の組み付け精度を緩やかにすることができるから、装置の低コスト化を図ることができる。また、受光手段のうちレンズ光学系の光軸と交わる点に出射光を照射する構成としているから、レンズ光学系により発生するコマ収差が最小とされて一層正確な傾き調整が行なうことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
<第1実施形態>
本発明に係る対物レンズ傾き調整装置の一実施形態を図1ないし図7を参照して説明する。本実施形態の対物レンズ傾き調整装置は、CD(CompactDisk)やDVD(DigitalVersatileDisk)等に搭載されている光ピックアップ装置に備えられた対物レンズの傾きの検出、調整を行なうものである。尚、図1において、図面横方向をX軸、図面と直交する方向をY軸、図面上下方向をZ軸と定め、対物レンズ15の中心を原点とする。
【0021】
図1に示すように、光ピックアップ装置1は、投受光素子11(請求項に記載の「光源」に相当)と、1/4波長板12と、反射ミラー13と、コリメートレンズ14と、対物レンズ15と、この対物レンズ15の支持する角度を調整可能な支持部材16とからなり、本装置1は調整ステージ29bに固定された状態とされている。そして、投受光素子11からの光は1/4波長板12、反射ミラー13を介して、コリメートレンズ14を透過することで平行光に変えられ、その後対物レンズ15を透過して収束光として外部に出射されるよう構成されている。
【0022】
支持部材16(請求項に記載の「レンズ傾角可変機構」に相当する)は、これに設けられた2本の螺子(図示せず)のうち、一方を回すことでθX方向(X軸を中心に対物レンズ15を回動させる方向)に回動し、他方をまわすことでθY方向(Y軸を中心に対物レンズ15を回動させる方向)に回動するようになっており、この支持部材16の回動に伴なって対物レンズ15も回動される。また、これらの螺子は後述するドライバ駆動手段28に備えられたドライバ28aにより回されるようになっている。
【0023】
調整ステージ29bには、サーボ機構(図示せず)が備え付けられており、後述するステージ制御手段29aからサーボ駆動信号Sdを受けるとXY平面を二次元的に移動するようにされている。このように、調整ステージ29bが移動すると、これに伴なって光ピックアップ装置1もXY平面上を移動する。
【0024】
対物レンズ傾き調整装置2は光ピックアップ装置1からの収束光を受けるように構成されている。詳しくは、対物レンズ15から出射した収束光を擬似ディスク21(球面収差補正板)を透過させ、対物レンズ22を通して平行光に変えてから、この平行光を収束レンズ23、リレーレンズ24、NDフィルター25等のレンズ光学系を通してCCD26(電荷結合素子、請求項に記載の「撮像手段」及び「位置検出手段」に相当)の撮像面へ照射させるように構成されている。また、CCD26は撮像面を構成する各画素の受光量に応じたパルス列からなる撮像信号Saを出力するようになっており、この撮像信号SaがCPU27aに送信される。
尚、対物レンズ22はZ軸方向に移動可能とされており、CCD26の撮像面に収束光の焦点が一致するように、この対物レンズ22の位置が調整されており、また、レンズ光学系の光軸とCCD26の撮像面の中心とがZ軸上において一致するように構成されている。従って、上記撮像面の中心が本発明でいう「光軸と交わる点」に相当する。また、レンズ光学系とCCD26とにより(符号20)が請求項に記載の「光学調整装置」の構成に相当する。
【0025】
CPU27は、受信した撮像信号Saに基づいてドライバ駆動手段28及びステージ制御手段29aへそれぞれドライバ駆動信号Sb,ステージ駆動信号Scを送信するようになっている。また、CPU27aに備えられたメモリ27bには所定の記憶領域が確保されている。
ドライバ駆動手段28はCPU27aからのドライバ駆動信号Sbに基づいてドライバ28aにより支持部材16に設けられている螺子を回すように構成されており、また、ステージ制御手段29aはCPU27aからのステージ駆動信号Scに基づいて調整ステージ29bのサーボ機構にサーボ駆動信号Sdを送信するように構成されている。
【0026】
本実施形態の構成は以上であり、続いてその動作についてCPU27aの処理を中心にして説明する。
投受光素子11から発せられた光は、前述のようにして、CCD26の撮像面に照射されるとともに、CPU27aが受光量取得ルーチンを実行する(ステップS1、図2参照)。
【0027】
図4に示すようにCPU27aは、CCD26から受けた撮像信号Saを基にして各画素の受光量を算出する(ステップS101)。このとき、撮像面の中央(以下、中央部Oという)に対応する画素の受光量が全画素の中で最大であると判断した場合には(ステップS102でYes)、その受光量Lnをメモリ27b記憶して(ステップS103)、ステップS2のθX方向の傾き調整ルーチンの処理を実行する。
【0028】
逆に、中央部Oの画素の受光量が最大と判断されなかったときには(ステップS102でNo)、受光量が最大とされている画素と中央部Oの画素との距離(ΔX,ΔY)を算出して(ステップS104)、この距離に応じた制御信号S3を制御部30に出力する(ステップS105、図4参照)。するとステージ制御手段29aからサーボ機構に対してサーボ駆動信号Sdが出力され、サーボ機構は調整ステージ29bを(ΔX,ΔY)だけ移動させる。これに伴って対物レンズ15が移動してビームスポットBの最大輝度点Rが中央部Oに配され、この結果、中央部Oの画素が最大の受光量とされる(図3参照)。これにより、本発明でいう「ビームスポットの最大輝度点を撮像面のうちレンズ光学系の光軸と交わる点に一致させる」ことができるのである。そして、このときの中央の画素の受光量Lnをメモリ27bの所定の領域に記憶した後(ステップS103)、θX方向の傾き調整ルーチン(ステップS2)を実行する。
【0029】
<θX方向の調整>
図5に示すように、はじめにドライバ駆動手段28にドライバ駆動信号Sbを出力することで、支持部材の一方の螺子が回されると、対物レンズ15がΔθXだけ傾けられる(ステップS201)。そして、上述した受光量取得ルーチンの処理を行なう(ステップS1)。このとき、対物レンズ15を傾けたことにより、ビームスポットBがCCD26の撮像面の中央部Oからずれ動くから、受光量取得ルーチンにおいてはステップS103、S104が実行され、常に最大輝度点Rが中央部Oに位置される。
【0030】
そして、中央部Oの画素における現在の受光量Lnが、直前に記憶した受光量Ln−1より低い場合には(ステップS203でNo)、ステップS204の処理に進んで対物レンズを−ΔθXだけ傾ける。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS202でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低くなるまで(ステップS202でNoとなるまで)、ステップS201の処理及び受光量取得ルーチンを繰り返す。
【0031】
−ΔθX方向に対物レンズ15を動かした後には、再び現在の受光量Lnと直前に記憶した受光量Ln−1とを比較し、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断すると(ステップS204でNo)、対物レンズをΔθX方向に回動させて(ステップS205)、本ルーチンを終了し、θY方向の傾き調整ルーチンを実行する。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS204でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断する(ステップS204でNo)ステップS203の処理、受光量取得ルーチンを繰り返す。
【0032】
<θY方向の調整>
図6のフローチャートに示すように、まず、調整手段29に制御信号S2を出力して対物レンズ15をΔθYだけ傾ける(ステップS301)。その後、受光量取得ルーチンを実行する(ステップS1)。
【0033】
そして、中央部Oの画素の受光量Lnが、直前に記憶した受光量Ln−1よりも低いと判断すると(ステップS302でNo)、ステップS303の処理に進んで対物レンズ15を−ΔθYだけ傾ける。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS303でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低くなるまで(ステップS303でNoとなるまで)、ステップS301の処理及び受光量取得ルーチンの処理を繰り返す。
【0034】
−ΔθYに対物レンズ15を回動させた後には、再び現在の受光量Lnと直前に記憶した受光量Ln−1とを比較し、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断したときには(ステップS304でN)、対物レンズ15をΔθYだけ回動させて(ステップS205)、本ルーチンを終了する。逆に、受光量Lnが受光量Ln−1よりも高い場合には(ステップS204でYes)、受光量Lnが受光量Ln−1よりも低いと判断されるまで(ステップS304でNoとなるまで)、ステップS203の処理及び受光量取得ルーチンの処理を繰り返す。このように上記の処理を行なうことで最大輝度点Rが配された中央部Oの画素の受光量が最大とされる。
また、上記の動作から、CPU27aは請求項に記載の「受光量検出手段」として構成され、CPU27aとドライバ駆動手段28とで「駆動手段」が構成され、また、CPU27aとステージ制御手段29aとで「ステージ駆動機構」が構成されることは明らかである。
【0035】
図7には、θX方向における対物レンズ15の傾き角に対する受光量、コマ収差の関係をグラフに示している。このグラフから明らかなように、対物レンズ15の傾きが0°、即ち、対物レンズ15がコマ収差の最小とされる位置にあるときに撮像面の中央部Oの画素の受光量が最大とされている。このことから、上記の処理を行なうことにより、確実に対物レンズ15を正しい位置(コマ収差が最小とされる位置)に調整することができる。
【0036】
このように本実施形態では、撮像面のうち中央部Oの画素の受光量に基づいて対物レンズ15の傾きの調整を行なっているから、従来のコマ収差に基づいて傾きを調整する構成のように、装置2内の光学系のコマ収差の発生を抑えるために高品質な光学部品や高い組み付け精度が不要となり、低コストで装置を構成することができる。また、調整ステージ29bを動かして対物レンズ15からの光を撮像面の中央部Oに移動させるように調整しているから、各レンズ22,23により発生する収差を最小限に止め調整精度を高めることができる。
【0037】
<第2実施形態>
図8は本発明の第2実施形態を示している。本実施形態は第1実施形態からリレーレンズ24を省略した構成とされている。このようにすれば、さらに低コストで装置を構成することができるとともに、レンズにより発生する収差をさらに小さくすることができる。
【0038】
<第3実施形態>
図9は本発明の第3実施形態を示している。本実施形態は第2実施実施形態から収束レンズ23を省略した構成とされている。このような構成としても、上記実施形態と同様に対物レンズ15の傾きを調整することが可能である。
【0039】
<第4実施形態>
本発明に係る第4実施形態について図10ないし図12を参照して説明する。尚、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略するとともに、同一の作用・効果の説明についても省略する。
本実施形態は図10に示すように、対物レンズ22と収束レンズ23との間にビームスプリッタ210を配して対物レンズ22を透過した光を二手に分割している。このビームスプリッタ210を透過した光は収束レンズ23及びリレーレンズ24を通し、NDフィルタ25の先に配されたピンホール211を介してフォトダイオード212に照射されるようになっている。一方、ビームスプリッタ210を反射した光は収束レンズ213を透過させることで収束光に変えて、CCD214の撮像面に結像するようにされており、これによって、撮像面上にビームスポットBが形成される。
ここで、ピンホール211の開口面はXY平面上において、リレーレンズ24からの収束光の焦点位置と一致するように、Z軸方向の位置が調整されている。また、CCD214は、ビームスプリッタ210の透過光がピンホール211の開口面で焦点を結んだときに、撮像面の中央部OにビームスポットBの最大輝度点Rが位置されるように配置されている。従って、撮像面の中央部Oに最大輝度点Rが配されたときは、ビームスプリッタ210からの透過光が開口面で集光して受光素子212に照射され、逆に、最大輝度点Rが撮像面の中央部Oに配されていないときには受光素子212には光がほとんど照射されない。
【0040】
フォトダイオード212は受光量に応じた電圧信号を出力し、図示しないA/D変換回路を通してディジタル信号(受光信号Seと称する。)に変換した後、この受光信号SeをCPU27aへ送信する。また、CCD214は撮像面を構成する各画素の受光量に応じたパルス列からなる撮像信号SfをCPU27aへ送信する。
CPU27aは、受光信号Se及び撮像信号Sfに基づいてドライバ駆動手段28及びステージ制御手段29aへそれぞれドライバ駆動信号Sb,ステージ駆動信号Scを送信するようになっている。
【0041】
本実施形態の動作は第1実施形態と比較して、CPU27aのメイン処理のうち受光量取得ルーチンS1のステップS103が「フォトダイオード212から出力された受光信号Seに応じた受光量Lnをメモリ27bに記憶する」ように変更されており、その他の処理は第1実施形態と同様である。
即ち、対物レンズ15の各傾角において、調整ステージ29bを移動させることで撮像面の中央部Oへ向けてビームスポットBを移動させ、このビームスポットBの最大輝度点Rが撮像面の中央部Oに配されたときの受光素子における受光量Lnをメモリ27bに記憶するとともに、各傾角における受光量Lnを互いに比較し、その結果から受光量Lnが最大となる傾角に対物レンズ15を調整するのである。
また、上記の動作から、フォトダイオード212が請求項に記載の「受光素子」、CCD214が「位置検出手段」として構成されることは明らかである。
【0042】
<第5実施形態>
図12は本発明の第5実施形態を示している。本実施形態は第4実施形態からリレーレンズ24を省略した構成とされている。このようにすれば、さらに低コストで装置2を構成することができるとともに、レンズにより発生する収差の影響を低減することができる。
【0043】
<第6実施形態>
図13は本発明の第6実施形態を示している。本実施本実施形態は第5実施実施形態から集光レンズ23を省略した構成とされている。このような構成としても、上記実施形態と同様に対物レンズ15の傾きを調整することが可能である。
【0044】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、θX、θYの順に傾き調整を行なうようにしていたが、例えば逆の順番で傾き調整を行なうような構成であってもよく、また、双方を同時的に行なうような構成であっても良い。
【0045】
(2)また、上記実施形態ではCPU27aの制御により自動で対物レンズ15の傾き調整を行なうように構成されていたが、例えば、モニタ等の表示装置を設けて、その表示画面上にビームスポットBの画像と、中央の画素の輝度を表示し、作業者によって支持部材16の螺子、調整ステージ29bを調整するような構成としてもよい。また、手動で調整を行なう際には、光学調整装置をXY平面上で移動させることで対物レンズ15からの光を撮像面の中央に相対移動させるようにすることもできる。
【0046】
(3)また、上記実施形態では、光ピックアップ装置1を調整ステージ29bに載置し、この調整ステージ29bを移動させることでビームスポットBを撮像面に対して中心に移動させるように構成していたが、例えば、レンズ光学系及び及び撮像手段を移動可能に支持する支持機構を設け、この支持機構を移動させることで光学系及びCCD26をXY平面上で移動させるように構成してもよい。
【0047】
(4)また、上記実施形態では、光ピックアップ装置1内部にレンズ傾角可変機構(支持部材16)を設け、このレンズ傾角可変機構を制御することで対物レンズ15の傾き調整を行なう構成を示したが、このレンズ傾角可変機構を外部に設けた構成としてもよい。1つの例として、光ピックアップ装置1に設けられた調整装置(レンズ傾角可変機構)により支持部材に支持されている対物レンズ15の傾きを調整し、傾きの調整が完了したら、その傾きをもって支持部材に対物レンズ15を固定するようなものであってもよい。
【0048】
(5)また、上記第4、第5及び第6実施形態では、フォトダイオード212の前方にピンホール211を配した構成を示したが、このピンホール211を省略した構成としても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図2】CPUのメイン処理を示すフローチャート
【図3】撮像面に照射されたビームスポットの模式図
【図4】受光量取得ルーチンのフローチャート
【図5】θX方向の傾き調整ルーチンのフローチャート
【図6】θY方向の傾き調整ルーチンのフローチャート
【図7】対物レンズの傾き角に対する撮像面での受光量、コマ収差の関係を示したグラフ
【図8】第2実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図9】第3実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図10】第4実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図11】第5実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図12】第6実施形態に係る対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概念図
【図13】従来の対物レンズ傾き調整装置の構成を示す概略図
【図14】撮像面に形成されるビームスポットの模式図
【符号の説明】
1…光ピックアップ装置
2…対物レンズ傾き調整装置
15…対物レンズ
16…支持部材
26…CCD
27a…CPU
28…ドライバ駆動手段
29a…ステージ制御手段
29b…調整ステージ
B…ビームスポット
O…撮像面の中央(中央部)
R…最大輝度点
Claims (9)
- 光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、
前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整することを特徴とする光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法。 - 前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法。
- 前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整することを特徴とする請求項1に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整方法。
- 光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置であって、
前記光ピックアップ装置を固定する調整ステージと、前記対物レンズの傾きを変更するレンズ傾角可変機構と、前記対物レンズから出射された光(出射光)がレンズ光学系を通して照射されるとともに、前記レンズ光学系の光軸上に配される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段において前記レンズ光学系の光軸と交わる点に照射されるように前記調整ステージを移動させるステージ駆動機構と、前記受光手段における受光量を検出する受光量検出手段と、この受光量検出手段によって検出された受光量が最大となるように前記レンズ傾角可変機構を調整する駆動手段とを備えてなる光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置。 - 前記受光手段及び前記位置検出手段は撮像面に前記出射光が照射されることでビームスポットを形成させる撮像手段から構成されており、前記ステージ駆動機構は、前記ビームスポットの最大輝度点が前記撮像面のうち前記レンズ光学系の光軸と交わる点と一致するように前記調整ステージを移動させ、前記受光量検出手段は、前記撮像面における前記最大輝度点位置の受光量を検出することを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置。
- 前記レンズ光学系には前記出射光を分割する光分割手段が備えられ、前記位置検出手段は前記光分割手段により分割された光のうち一方の光が撮像面に照射されてビームスポットを形成させる撮像手段から構成されるとともに、前記受光手段はピンホール板を介して他方の光が照射される受光素子とから構成され、前記ステージ駆動機構は前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置を移動させ、前記受光量検出手段は前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と一致する点に配されたときの前記受光素子の受光量を検出することを特徴とする請求項4に記載の光ピックアップ装置の対物レンズ傾き調整装置。
- 光源と、その光源からの光を収束して外部に出射させる対物レンズとを備えた光ピックアップ装置において、前記対物レンズの傾きを調整する方法であって、
前記対物レンズから出射された光(出射光)をレンズ光学系と、このレンズ光学系の光軸上に配されて、前記レンズ光学系を介して前記出射光が照射される受光手段と、前記受光手段における前記出射光の照射位置を検出する位置検出手段とからなる光学調整装置に入射させ、前記位置検出手段の検出結果に基づいて前記出射光が前記受光手段のうち前記光軸と一致する点に照射されるように光ピックアップ装置又は光学調整装置を移動させつつ、前記出射光の照射位置における受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整する工程を含むことを特徴とする光ピックアップ装置の製造方法。 - 前記出射光は前記受光手段及び前記位置検出手段として構成される撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が配された位置の受光量が最大となるように前記対物レンズの傾きを調整することを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
- 前記出射光を前記レンズ光学系に備えられた光分割手段により分割し、分割された光のうち一方の光は前記位置検出手段を構成する撮像手段の撮像面に照射されるとともに、この撮像面にビームスポットを形成させ、他方の光はピンホール板を介して前記受光手段を構成する受光素子に向けて照射され、前記ビームスポットの最大輝度点を前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致させるように前記光ピックアップ装置又は前記光学調整装置を移動させつつ、前記最大輝度点が前記撮像面における前記光軸と交わる点に一致したときの前記受光素子における受光量が最大とされるように前記対物レンズの傾きを調整することを特徴とする請求項7に記載の光ピックアップ装置の製造方法。
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