JP2004226594A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Toshihiko Osada
俊彦 長田
Takashi Yoshii
隆司 吉井
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Abstract

【課題】装置内温度に応じて黒表示期間を適宜可変することによって、該黒表示期間内に液晶を確実に黒階調へ到達させることが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】入力画像信号の1フレーム期間内で画像信号と黒表示信号とを液晶表示パネル6に書き込むことにより、動画表示の際に生じる動きぼけを防止する液晶表示装置であって、装置内温度を検出する温度センサー8と、前記検出された温度に基づいて、前記入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変制御する制御手段3,9とを備えてなるものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示パネルを用いて画像を表示する液晶表示装置に関し、特に液晶表示パネルの応答特性に起因する動画表示の際の画質劣化を改善することができる液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、高精細、低消費電力、省スペースを実現できる液晶表示装置(LCD)等のフラットパネル型表示装置(FPD)が盛んに開発されてきており、その中でも特にコンピュータ表示装置やテレビジョン表示装置等の用途へのLCDの普及は目覚しいものがある。しかしながら、このような用途に従来から主として用いられてきた陰極線管(CRT)表示装置に対して、LCDにおいては、動きのある画像を表示した場合に、観視者には動き部分の輪郭がぼけて知覚されてしまうという、いわゆる「動きぼけ」の欠点が指摘されている。
【0003】
動画表示における動きぼけが液晶の光学応答時間の遅れ以外に、例えば特開平9−325715号公報に記載されているように、LCDの表示方式そのものにも起因するという指摘がなされている。電子ビームを走査して蛍光体を発光させて表示を行うCRT表示装置においては、各画素の発光は蛍光体の若干の残光はあるものの概ねインパルス状となる、いわゆるインパルス型表示方式となっている。
【0004】
これに対して、LCD表示装置においては、液晶に電界を印加することにより蓄えられた電荷が次に電界を印加するまで比較的高い割合で保持されるため(特にTFT LCDにおいては、画素を構成するドット毎にTFTスイッチが設けられており、さらに通常は各画素毎に補助容量が設けられているので蓄えられた電荷の保持能力がきわめて高い)、液晶画素が次のフレームの画像情報に基づく電界印加により書き換えられるまで発光し続けるという、いわゆるホールド型表示方式である。
【0005】
このような、ホールド型表示装置においては、画像表示光のインパルス応答が時間的な広がりを持つため、時間周波数特性が劣化して、それに伴い空間周波数特性も低下し、観視画像のぼけが生じる。そこで、例えば特開平9−127917号公報、特開平11−109921号公報には、入力画像信号の1フレーム期間内において映像信号と黒信号とを繰返し液晶表示パネルに書き込むことにより、ある映像信号のフレームを走査してから次のフレームを走査するまで、画素の発光時間(画像表示期間)を短縮して、擬似的なインパルス型表示を実現する、所謂黒書込型の液晶表示装置が提案されている。
【0006】
これについて、図14乃至図16とともに説明する。図14は従来の液晶表示装置における要部構成を示す等価回路図であり、ここでは、480本のゲート線(走査線)Y〜Y480と640本のデータ線(信号線)X〜X640との交点に、マトリクス状に画素セルが配置された液晶表示パネルを用いるものとし、走査線Y〜Y480はゲートドライバにより選択駆動されるともに信号線X〜X640はソースドライバにより駆動される。
【0007】
上記構成において、ある1フレームの垂直走査期間内に、ゲートドライバによって任意に選択された走査線が駆動されると、選択された走査線と信号線に接続されたスイッチング素子を通じてソースドライバより表示画像信号に相当する電圧が液晶画素に印加される。入力画像信号の表示走査線に対応して走査線の駆動を順次変更することにより、1画面分の画像信号の書き込みを行うことができる。
【0008】
また、同じ1フレームの垂直走査期間内に、ゲートドライバによって任意に選択された走査線が駆動されると、選択された走査線と信号線に接続されたスイッチング素子を通じてソースドライバより黒信号に相当する電圧が液晶画素に印加される。この動作を駆動する走査線を変更して繰り返すことで、1フレームの垂直走査期間内に1画面分の画像信号の書き込みと黒信号の書き込みとを同時に行うことできる。
【0009】
図15は走査線に関するタイミングチャートである。走査線Y〜Y480は、タイミングを少しずらして、1フレーム周期中において、画像信号を画素セルに書き込むために順次立ち上げられる。480本すべての走査線を立ち上げて、画像信号を画素セルに書き込むことで1フレーム周期が終了する。このとき、画像信号の書き込みのための立ち上げから1/2フレーム周期程遅れて、走査線Y〜Y480を再度立ち上げて、各画素セルに、データ線Xを介して、黒を表示する電位を供給する。これにより、各画素セルは黒表示状態となる。
【0010】
すなわち、各走査線Yは、1フレーム周期において、異なる期間で2回高レベルとなり、1回目の選択により画素セルは一定時間画像データを表示し、それに続く2回目の選択で、画素セルは強制的に黒表示を行う。このように、各走査線を画像表示のために選択する以外に、黒表示のために再度選択するとともに、それに応じて入力画像信号及び黒表示信号をデータ線へ供給するという一連の動作を1フレーム周期で行うことにより、図16に示すように、あるフレーム画像表示と次のフレーム画像表示との間に黒信号を表示する期間(黒表示期間)を発生させることができる。
【0011】
以上のように、入力画像信号の1フレーム期間内に画像表示期間と黒表示期間とを設けることによって、擬似的にホールド型駆動の表示状態からCRTのようなインパルス型駆動の表示に近づけることができ、動画表示の際に生じる動きぼけによる画質劣化を改善することが可能となる。
【0012】
【特許文献1】
特開平9−325715号公報
【特許文献2】
特開平9−127917号公報
【特許文献3】
特開平11−109921号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した黒書込型の液晶表示装置においては、図17に示すとおり、画像表示期間(1/2フレーム期間)内に液晶が入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に到達するとともに、黒表示期間(1/2フレーム期間)内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することが前提となっている。しかしながら、液晶の応答速度は温度依存性が非常に大きく、特に低温時の入力信号に対する追従性が極端に悪くなり、応答時間が増大することが知られている。
【0014】
すなわち、高温時には如何なる階調遷移に対しても1/2フレーム期間内で目標階調輝度に応答可能な液晶表示パネルを用いた場合であっても、低温時には液晶の応答速度が遅くなり、例えば図18に示すように、1/2フレーム期間で液晶が目標階調輝度に到達せず、残像が発生するだけでなく、中間調を正しく表示することができないという問題がある。
【0015】
ここで、液晶の応答速度の問題を改善するために、1垂直期間前の入力画像信号と現垂直期間の入力画像信号との組み合わせに応じて、予め決められた現垂直期間の入力画像信号に対する階調電圧より高い(オーバーシュートされた)駆動電圧或いはより低い(アンダーシュートされた)駆動電圧を液晶表示パネルに供給する液晶駆動方法(オーバーシュート(OS)駆動)を用いて、所望の階調輝度表示を実現することが考えられる。
【0016】
すなわち、これから表示するM番目の垂直表示期間の入力画像データ(Current Data)と、フレームメモリに保存されたM−1番目の垂直表示期間の入力画像データ(Previous Data)との階調遷移パターンから、例えば図19に示すような、OSテーブルメモリ(ROM)に保存されている付加電圧データ一覧表と照合し、照合して見つけ出した印加電圧データ(強調変換パラメータ)に基づいて、M番目の垂直表示期間の画像表示に要する書込階調データ(強調変換信号)を決定し、液晶表示パネルに印加することにより、図20に示すように、目標の中間調を短時間で表示することが可能となる。
【0017】
しかしながら、中間階調の画像信号に対しては、上記オーバーシュート駆動により強調変換を施すことで、液晶が目標階調輝度に応答到達する時間を短縮することが可能となるが、0階調レベルの黒表示信号に対しては、0階調以下に強調変換することができないため、液晶が目標階調である黒階調に到達するのに必要な時間を短縮することはできず、従って、図21に示すように、画像表示期間内で入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に液晶を到達させることができたとしても、黒表示期間内に黒階調レベルに応じた透過率に液晶を応答させることはできない。
【0018】
このように、黒表示期間で液晶が黒階調に到達していないにもかかわらず、黒表示期間経過後に液晶が黒階調へ到達していることを前提にオーバーシュート駆動を行って、次のフレーム画像データに強調変換を施すと、液晶が画像信号の定める透過率以上に応答してしまい、正しい画像表示ができなくなるばかりか、場合によっては誤差がなしくずし的に増大して、除々に画素が白化してしまうという問題がある。
【0019】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置内温度に応じて黒表示期間を適宜可変することによって、黒表示期間内に液晶を確実に黒階調へ到達させることが可能な液晶表示装置を提供するものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本願の第1の発明は、入力画像信号の1フレーム期間内で画像信号と黒表示信号とを液晶表示パネルに書き込むことにより、動画表示の際に生じる動きぼけを防止する液晶表示装置であって、装置内温度を検出する温度検出手段と、前記検出された温度に基づいて、前記入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0021】
本願の第2の発明は、前記入力画像信号から、前記液晶表示パネルが画像表示期間経過後に該入力画像信号の定める透過率に到達するような強調変換信号を求める強調変換手段を設けたことを特徴とする。
【0022】
本発明の液晶表示装置によれば、入力画像信号の1フレーム期間内に画像表示期間と黒表示期間とを設けて、動きぼけによる画質劣化を抑制するとともに、装置内温度に応じて前記黒表示期間を適宜可変することによって、該黒表示期間内に液晶を確実に黒階調レベルに対応した透過率へ到達させることが可能となる。
【0023】
また、前記画像表示期間で液晶が入力画像信号の定める透過率に到達するように適切な強調変換を施すことにより、液晶表示パネルの光学応答特性を補償して高画質な画像表示を実現することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図9とともに詳細に説明するが、上記従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図1は本実施形態の液晶表示装置における概略構成を示す機能ブロック図、図2、図3は本実施形態の液晶表示装置におけるテーブルメモリ(ROM)の一例を示す概略説明図、図4〜図6は本実施形態の液晶表示装置における走査線に関するタイミングチャート、図7は本実施形態の液晶表示装置における表示動作原理を示す概略説明図、図8、図9は本実施形態の液晶表示装置において64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【0025】
本実施形態の液晶表示装置は、図1に示すように、入力画像信号(ここでは、60Hzのプログレッシブスキャン信号)の階調レベルに応じた強調変換パラメータを格納しているOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bと、入力画像信号の階調レベルから、OSテーブルメモリ(ROM)1a,1bのいずれかを参照して、対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて所定の画像表示期間経過後に液晶が入力画像信号の定める透過率となる強調変換信号(書込階調データ)を決定/出力する強調変換部2とを備えている。
【0026】
また、強調変換部2からの強調変換信号に基づいて、ゲートドライバ4及びソースドライバ5を介して液晶表示パネル6へ駆動信号を出力する液晶コントローラ3と、黒レベル固定の黒表示信号をソースドライバ5に供給する黒信号発生部7とを備えている。
【0027】
ここで、液晶コントローラ3は、入力画像信号の1フレーム周期において、各走査線を画像表示のために選択する以外に、黒表示のために再度選択するようゲートドライバ4を制御するとともに、上記走査線の選択に対応して画像信号(強調変換信号)及び黒表示信号を切り替えてデータ線へ供給するようソースドライバ5を制御している。これによって、入力画像信号の1フレーム期間内に画像表示期間と黒表示期間とを発生させることができ、擬似的なインパルス型表示を実現している。
【0028】
さらに、本実施形態においては、装置内温度を検出するための温度センサー8と、この温度センサー8での検出温度に基づいて、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変するように液晶コントローラ3を制御するとともに、強調変換部2が参照するOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bを切り替えるように制御する制御CPU9とを備えている。ここで、温度センサー8は、なるべく液晶表示パネル6そのものの温度を検出することが可能に設けられるのが望ましく、1個のみならず複数個をそれぞれ異なるパネル面内位置に設けて構成しても良い。
【0029】
上記構成において、OSテーブルメモリ(ROM)1a,1bには、図2、図3に示すように、それぞれ異なる温度条件のもとで異なる画像表示期間(ここでは、1/3フレーム期間、1/4フレーム期間)内に液晶表示パネル6が入力画像信号の定める透過率となるような強調変換パラメータが格納されている。尚、本実施形態では、表示信号レベル数すなわち表示データ数が8ビットの256階調である場合において、32階調毎の9つの代表階調レベルについての強調変換パラメータのみを記憶しており、その他の強調変換信号(印加電圧データ)については、上記強調変換パラメータから線形補完等の演算で求めるようにしているが、これに限られないことは言うまでもない。
【0030】
また、これらの強調変換パラメータは、液晶表示パネル6の光学応答特性の実測値により求められるものであり、本実施形態では画像表示期間の直前(遷移前)で液晶が黒階調に応答到達していることを前提に、黒階調からスタートして画像表示期間内に液晶を目標階調へ応答させることが可能な強調変換パラメータが、入力画像信号の階調レベル毎に記憶されている。
【0031】
以下、本実施形態の液晶表示装置の動作について説明する。温度センサー8で検出された装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合は、遷移前の表示画像信号がどのような階調レベルであっても、入力画像信号の1/2フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することが可能であるので、黒表示期間を入力画像信号の1/2フレーム期間とするように、液晶コントローラ3を制御する。
【0032】
すなわち、図4に示すように、液晶表示パネル6の各走査線を画像表示のために順次立ち上げるとともに、1/2フレーム周期遅延して、液晶表示パネル6の各走査線を再度立ち上げて、黒信号発生部7より供給された黒表示信号を画素セルに書き込む。これによって、図7(a)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)とを発生させることができる。
【0033】
このとき、装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合は、入力画像信号に強調変換を施さなくとも、画像表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)内に液晶が入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答するため、強調変換部2は入力画像信号に対する強調変換処理を行わず、そのままスルー出力するよう制御される。
【0034】
以上のように、装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合においては、入力画像信号に強調変換を施すことなく、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/2フレーム期間とすることにより、図17に示すように、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能である。
【0035】
また、温度センサー8で検出された装置内温度が常温(例えば5℃〜25℃)である場合は、液晶表示パネル6の光学応答特性が劣化して、入力画像信号の1/2フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することができないため、黒表示期間を入力画像信号の2/3フレーム期間に増大するよう、液晶コントローラ3を制御する。
【0036】
すなわち、図5に示すように、液晶表示パネル6の各走査線を画像表示のために順次立ち上げるとともに、1/3フレーム周期遅延して、液晶表示パネル6の各走査線を再度立ち上げて、黒信号発生部7より供給された黒表示信号を画素セルに書き込む。これによって、図7(b)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(2/3フレーム期間=11.1msec)とを発生させることができる。
【0037】
ここで、装置内温度が常温(5℃〜25℃)である場合に、画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)内に液晶を入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答到達させるため、強調変換部2はOSテーブルメモリ(ROM)1aを参照して入力画像信号に対する強調変換処理を行い、入力画像信号の階調レベルに対応した強調変換信号(書込階調データ)を決定/出力するように制御される。
【0038】
以上のように、装置内温度が常温(例えば5℃〜25℃)である場合においては、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/3フレーム期間、2/3フレーム期間とするとともに、OSテーブルメモリ(ROM)1aを参照して、画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)内で液晶が入力画像信号の定める透過率となるよう、入力画像信号に強調変換処理を施す。
【0039】
これによって、図8に示すように、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で確実に液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0040】
尚、この場合、入力画像信号の1フレーム期間内における画像表示期間の短縮に伴い、バックライト光の利用効率が低下し、画像表示輝度が低下するので、画像表示期間の大きさにかかわらず入力画像信号と表示輝度との関係を一定とするために、液晶表示パネル6の裏面に配設されたバックライト光源(図示せず)の発光輝度(バックライト輝度)を増大させるようにすれば良い。
【0041】
そしてまた、温度センサー8で検出された装置内温度が低温(例えば〜5℃)である場合は、液晶表示パネル6の光学応答特性がさらに劣化して、入力画像信号の2/3フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することができないため、黒表示期間を入力画像信号の3/4フレーム期間に増大するよう、液晶コントローラ3を制御する。
【0042】
すなわち、図6に示すように、液晶表示パネル6の各走査線を画像表示のために順次立ち上げるとともに、1/4フレーム周期遅延して、液晶表示パネル6の各走査線を再度立ち上げて、黒信号発生部7より供給された黒表示信号を画素セルに書き込む。これによって、図7(c)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(3/4フレーム期間=12.5msec)とを発生させることができる。
【0043】
ここで、装置内温度が低温(〜5℃)である場合に、画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)内に液晶を入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答到達させるため、強調変換部2はOSテーブルメモリ(ROM)1bを参照して入力画像信号に対する強調変換処理を行い、入力画像信号の階調レベルに対応した強調変換信号(書込階調データ)を決定/出力するように制御される。
【0044】
以上のように、装置内温度が低温(例えば〜5℃)である場合においては、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/4フレーム期間、3/4フレーム期間とするとともに、OSテーブルメモリ(ROM)1bを参照して、画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)内で液晶が入力画像信号の定める透過率となるよう、入力画像信号に強調変換処理を施す。
【0045】
これによって、図9に示すように、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で確実に液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0046】
尚、この場合も、入力画像信号の1フレーム期間内における画像表示期間の短縮に伴い、バックライト光の利用効率が低下し、画像表示輝度が低下するので、画像表示期間の大きさにかかわらず入力画像信号と表示輝度との関係を一定とするために、液晶表示パネル6の裏面に配設されたバックライト光源(図示せず)の発光輝度(バックライト輝度)を増大させるようにすれば良い。
【0047】
以上詳述したとおり、本実施形態の液晶表示装置によれば、装置内温度の低下に伴い、液晶の応答速度が遅くなるため、画像表示期間を短縮して黒表示期間を増大させることにより、黒表示期間経過後に液晶表示パネルを黒階調レベルに対応した透過率に到達させることが可能である。また、画像表示期間経過後に液晶表示パネルが入力画像信号の定める透過率に到達するように、入力画像信号に対して適切な強調変換を施すことによって、常に良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0048】
また、黒表示期間経過後すなわち画像信号を書き込む直前には、液晶を必ず黒階調に到達させることができるので、遷移前が常に0階調であるとの前提で、図2、図3に示したような、黒信号から画像信号への階調遷移に関する1次元のOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bを参照して、強調変換処理を行うことが可能である。これによって、1フレーム前の画像信号を記憶するためのフレームメモリ(FM)を不要とすることが可能になるとともに、OSテーブルメモリの容量を大幅に削減することができる。さらに、液晶表示パネルの光学応答特性に対する測定時間の短縮につながり、また測定誤差により発生する画質劣化も防止することも可能となる。
【0049】
そしてまた、入力画像信号の強調変換処理(オーバーシュート駆動)による強調度合いを大きくするほど、液晶の到達階調に誤差が生じるなどの弊害も大きくなるが、上記本実施形態では、各温度条件に応じてできるだけ大きな画像表示期間を確保することにより、入力画像信号に対する強調度合いを小さくして、強調変換処理(オーバーシュート駆動)による弊害を抑制することが可能である。さらに、高温時には画像表示期間を大きく設定することで、バックライト光源の発光輝度(バックライト輝度)を低温時に比べて低減することが可能であり、消費電力の増大を防止することができる。
【0050】
尚、上記実施形態においては、強調変換部2とOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bとで強調変換手段を構成しているが、OSテーブルメモリを設ける代わりに、例えば原画像データの階調レベルを変数とする1次元関数f(cur)を用意しておき、これを用いて垂直表示周期(走査周期)に対する液晶表示パネル6の光学応答特性を補償する強調変換信号を求める構成としても良い。
【0051】
また、上記実施形態においては、装置内温度が高温(例えば25℃〜)の場合は、如何なる階調遷移に対しても入力画像信号の1/2フレーム期間で目標階調輝度へ応答可能な液晶表示パネルを用いて、強調変換処理を不要としているが、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合、及び強調変換処理の有無やその強調度合いは、液晶表示パネルの光学応答特性に応じて適宜決定すれば良い。さらに、上記実施形態においては、装置内温度を3段階(5℃以下、5℃〜25℃、25℃以上)に分けて、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変しているが、本発明がこれに限られないことは言うまでもない。
【0052】
次に、本発明の第2実施形態について、図10乃至図13とともに説明するが、上述した第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。ここで、図10は本実施形態の液晶表示装置における概略構成を示す機能ブロック図、図11は本実施形態の液晶表示装置におけるフレーム周波数変換部の動作を示すタイミングチャート、図12は本実施形態の液晶表示装置における信号切替部の動作を示すタイミングチャート、図13は本実施形態の液晶表示装置における表示動作原理を示す概略説明図である。
【0053】
本実施形態の液晶表示装置は、図10に示すように、入力画像信号(ここでは、60Hzのプログレッシブスキャン信号)のフレーム周波数を2倍(120Hz)、3倍(180Hz)、4倍(240Hz)に変換するフレーム周波数変換部10と、フレーム周波数変換部10でフレーム周波数変換された画像信号と黒信号発生部7より出力された黒レベル固定の黒表示信号とを切り替え出力する信号切替部11と、温度センサー8での検出温度に基づいて、フレーム周波数変換部10、信号切替部11の動作を制御することにより、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変するとともに、強調変換部12が参照するOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bを切り替えるように制御する制御CPU19とを備えている。
【0054】
ここで、フレーム周波数変換部10は、例えばフレームメモリを備えたものであり、入力画像信号の1フレーム分の画像をフレームメモリに記憶した後、図11(b)に示すように、2倍のフレーム周波数(120Hz)で画像信号を2回繰り返し読み出すことで、液晶表示パネル16に対するフレーム表示周期(垂直表示周期)が1/120秒(8.3msec)に時間軸圧縮された画像信号を出力するモードと、図11(c)に示すように、3倍のフレーム周波数(180Hz)で画像信号を2回繰り返し読み出すことで、液晶表示パネル16に対するフレーム表示周期(垂直表示周期)が1/180秒(5.6msec)に時間軸圧縮された画像信号を出力するモードと、図11(d)に示すように、4倍のフレーム周波数(240Hz)で画像信号を4回繰り返し読み出すことで、液晶表示パネル16に対するフレーム表示周期(垂直表示周期)が1/240秒(4.2msec)に時間軸圧縮された画像信号を出力するモードとを有している。これらのモードは、制御CPU19からの制御信号に基づいて切り替え制御される。
【0055】
また、信号切替部11は、制御CPU19からの制御信号に基づいて、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)における2番目の垂直表示期間以降の期間で黒表示信号を選択出力することにより、図12(a)に示すように、1フレーム期間(16.7msec)内で1/2に時間軸圧縮された画像信号に続けて黒表示信号を挿入して出力するモードと、図12(b)に示すように、1フレーム期間(16.7msec)内で1/3に時間軸圧縮された画像信号に続けて黒表示信号を挿入して出力するモードと、図12(c)に示すように、1フレーム期間(16.7msec)内で1/4に時間軸圧縮された画像信号に続けて黒表示信号を挿入して出力するモードとが切り替え可能となっている。
【0056】
さらに、強調変換部12は、OSテーブルメモリ(ROM)1a,1bのいずれかを参照して、現垂直表示期間の画像データに対応する強調変換パラメータを読み出し、この強調変換パラメータを用いて1垂直表示期間経過後に液晶が現画像データの定める透過率となる強調変換信号(書込階調データ)を求め、液晶コントローラ13に出力する。液晶コントローラ13は、ゲートドライバ14及びソースドライバ15を駆動制御して、図12に示すような、液晶表示パネル16の高速駆動表示を実現している。
【0057】
以下、本実施形態の液晶表示装置の動作について説明する。温度センサー8で検出された装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合は、遷移前の表示画像信号がどのような階調レベルであっても、入力画像信号の1/2フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することが可能であるので、黒表示期間を入力画像信号の1/2フレーム期間とするように、フレーム周波数変換部10、信号切替部11を制御する。
【0058】
すなわち、図11(b)に示すように、フレーム周波数変換部10で入力画像信号のフレーム周波数を2倍(120Hz)に変換するとともに、図12(a)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)における2番目の垂直表示期間(=8.3msec)で黒表示信号を選択出力するように信号切替部11の切替制御を行う。
【0059】
これによって、図13(a)に示すように、液晶表示パネル16を2倍速駆動表示し、画像信号の書込走査と黒表示信号の書込走査とを繰り返し行うことで、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)とを発生させることができる。
【0060】
このとき、装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合は、入力画像信号に強調変換を施さなくとも、画像表示期間(1/2フレーム期間=8.3msec)内に液晶が入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答するため、強調変換部12は入力画像信号に対する強調変換処理を行わず、そのままスルー出力するように制御される。
【0061】
以上のように、装置内温度が高温(例えば25℃〜)である場合においては、入力画像信号に強調変換を施すことなく、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/2フレーム期間とすることにより、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能である。
【0062】
また、温度センサー8で検出された装置内温度が常温(例えば5℃〜25℃)である場合は、液晶表示パネル16の光学応答特性が劣化して、入力画像信号の1/2フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することができないため、黒表示期間を入力画像信号の2/3フレーム期間に増大するよう、フレーム周波数変換部10、信号切替部11を制御する。
【0063】
すなわち、図11(c)に示すように、フレーム周波数変換部10で入力画像信号のフレーム周波数を3倍(180Hz)に変換するとともに、図12(b)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)における2〜3番目の垂直表示期間(=11.1msec)で黒表示信号を選択出力するように信号切替部11の切替制御を行う。
【0064】
これによって、図13(b)に示すように、液晶表示パネル16を3倍速駆動表示し、画像信号の書込走査の後、黒表示信号の書込走査を2回繰り返し行うことで、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(2/3フレーム期間=11.1msec)とを発生させることができる。
【0065】
ここで、装置内温度が常温(5℃〜25℃)である場合に、画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)内に液晶を入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答到達させるため、強調変換部12はOSテーブルメモリ(ROM)1aを参照して入力画像信号に対する強調変換処理を行い、入力画像信号の階調レベルに対応した強調変換信号(書込階調データ)を決定/出力するように制御される。
【0066】
以上のように、装置内温度が常温(例えば5℃〜25℃)である場合においては、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/3フレーム期間、2/3フレーム期間とするとともに、OSテーブルメモリ(ROM)1aを参照して、画像表示期間(1/3フレーム期間=5.6msec)内で液晶が入力画像信号の定める透過率となるよう、入力画像信号に強調変換処理を施す。
【0067】
これによって、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で確実に液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0068】
尚、この場合、入力画像信号の1フレーム期間内における画像表示期間の短縮に伴い、バックライト光の利用効率が低下し、画像表示輝度が低下するので、画像表示期間の大きさにかかわらず入力画像信号と表示輝度との関係を一定とするために、液晶表示パネル16の裏面に配設されたバックライト光源(図示せず)の発光輝度(バックライト輝度)を増大させるようにすれば良い。
【0069】
そしてまた、温度センサー8で検出された装置内温度が低温(例えば〜5℃)である場合は、液晶表示パネル16の光学応答特性がさらに劣化して、入力画像信号の2/3フレーム期間内に液晶が黒階調レベルに対応した透過率に到達することができないため、黒表示期間を入力画像信号の3/4フレーム期間に増大するよう、フレーム周波数変換部10、信号切替部11を制御する。
【0070】
すなわち、図11(d)に示すように、フレーム周波数変換部10で入力画像信号のフレーム周波数を4倍(240Hz)に変換するとともに、図12(c)に示すように、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)における2〜4番目の垂直表示期間(=12.5msec)で黒表示信号を選択出力するように信号切替部11の切替制御を行う。
【0071】
これによって、図13(c)に示すように、液晶表示パネル16を4倍速駆動表示し、画像信号の書込走査の後、黒表示信号の書込走査を3回繰り返し行うことで、入力画像信号の1フレーム期間(=16.7msec)内において、入力画像信号を表示する画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)と黒表示信号を表示する黒表示期間(3/4フレーム期間=12.5msec)とを発生させることができる。
【0072】
ここで、装置内温度が低温(〜5℃)である場合に、画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)内に液晶を入力画像信号の階調レベルに応じた透過率に応答到達させるため、強調変換部12はOSテーブルメモリ(ROM)1bを参照して入力画像信号に対する強調変換処理を行い、入力画像信号の階調レベルに対応した強調変換信号(書込階調データ)を決定/出力するように制御される。
【0073】
以上のように、装置内温度が低温(例えば〜5℃)である場合においては、画像表示期間と黒表示期間とをそれぞれ入力画像信号の1/4フレーム期間、3/4フレーム期間とするとともに、OSテーブルメモリ(ROM)1bを参照して、画像表示期間(1/4フレーム期間=4.2msec)内で液晶が入力画像信号の定める透過率となるよう、入力画像信号に強調変換処理を施す。
【0074】
これによって、画像表示期間内で液晶を入力画像信号に対応した目標階調に応答させることが可能であるとともに、黒表示期間内で確実に液晶を黒階調に到達させることができる。従って、良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0075】
尚、この場合も、入力画像信号の1フレーム期間内における画像表示期間の短縮に伴い、バックライト光の利用効率が低下し、画像表示輝度が低下するので、画像表示期間の大きさにかかわらず入力画像信号と表示輝度との関係を一定とするために、液晶表示パネル16の裏面に配設されたバックライト光源(図示せず)の発光輝度(バックライト輝度)を増大させるようにすれば良い。
【0076】
以上詳述したとおり、本実施形態の液晶表示装置によれば、装置内温度の低下に伴い、液晶の応答速度が遅くなるため、画像表示期間を短縮して黒表示期間を増大させることにより、黒表示期間経過後に液晶表示パネルを黒階調レベルに対応した透過率に到達させることが可能である。また、画像表示期間経過後に液晶表示パネルが入力画像信号の定める透過率に到達するように、入力画像信号に対して適切な強調変換を施すことによって、常に良好なインパルス型表示を実現するとともに、中間調表示を含む動画像に対する液晶の応答性、忠実性を十分に実現することが可能となる。
【0077】
また、黒表示期間経過後すなわち画像信号を書き込む直前には、液晶を必ず黒階調に到達させることができるので、遷移前が常に0階調であるとの前提で、図2、図3に示したような、黒信号から画像信号への階調遷移に関する1次元のOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bを参照して、強調変換処理を行うことが可能である。これによって、1垂直表示期間前の画像信号を記憶するためのフレームメモリ(FM)を不要とすることが可能になるとともに、OSテーブルメモリの容量を大幅に削減することができる。さらに、液晶表示パネルの光学応答特性に対する測定時間の短縮につながり、また測定誤差により発生する画質劣化も防止することも可能となる。
【0078】
そしてまた、入力画像信号の強調変換処理(オーバーシュート駆動)による強調度合いを大きくするほど、液晶の到達階調に誤差が生じるなどの弊害も大きくなるが、上記本実施形態では、各温度条件に応じてできるだけ大きな画像表示期間を確保することにより、入力画像信号に対する強調度合いを小さくして、強調変換処理(オーバーシュート駆動)による弊害を抑制することが可能である。さらに、高温時には画像表示期間を大きく設定することにより、バックライト光源の発光輝度(バックライト輝度)、及び液晶表示パネルの駆動周波数を低温時に比べて低減することが可能であり、消費電力の増大を防止することができる。
【0079】
尚、上記実施形態においては、強調変換部12とOSテーブルメモリ(ROM)1a,1bとで強調変換手段を構成しているが、OSテーブルメモリを設ける代わりに、例えば現画像データの階調レベルを変数とする1次元関数f(cur)を用意しておき、これを用いて垂直表示周期(走査周期)に対する液晶表示パネル16の光学応答特性を補償する強調変換信号を求める構成としても良い。
【0080】
また、上記実施形態においては、装置内温度が高温(例えば25℃〜)の場合は、如何なる階調遷移に対しても入力画像信号の1/2フレーム期間で目標階調輝度へ応答可能な液晶表示パネルを用いて、強調変換処理を不要としているが、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合、及び強調変換処理の有無やその強調度合いは、液晶表示パネルの光学応答特性に応じて適宜決定すれば良い。さらに、上記実施形態においては、装置内温度を3段階(5℃以下、5℃〜25℃、25℃以上)に分けて、入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変しているが、本発明がこれに限られないことは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】
本発明の液晶表示装置は、上記のような構成としているので、入力画像信号の1フレーム期間内に画像表示期間と黒表示期間とを設けて、動きぼけによる画質劣化を抑制するとともに、装置内温度に応じて前記黒表示期間を適宜可変することによって、該黒表示期間内に液晶を確実に黒階調レベルに対応した透過率へ到達させることが可能となる。
【0082】
また、前記画像表示期間で液晶が入力画像信号の定める透過率に到達するように適切な強調変換を施すことにより、液晶表示パネルの光学応答特性を補償して高画質な画像表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の液晶表示装置の第1実施形態において常温時に用いるテーブルメモリ(ROM)の一例を示す概略説明図である。
【図3】本発明の液晶表示装置の第1実施形態において低温時に用いるテーブルメモリ(ROM)の一例を示す概略説明図である。
【図4】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における高温時の走査線に関するタイミングチャートである。
【図5】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における常温時の走査線に関するタイミングチャートである。
【図6】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における低温時の走査線に関するタイミングチャートである。
【図7】本発明の液晶表示装置の第1実施形態における表示動作原理を示す概略説明図である。
【図8】本発明の液晶表示装置の第1実施形態において常温時に64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【図9】本発明の液晶表示装置の第1実施形態において低温時に64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【図10】本発明の液晶表示装置の第2実施形態における概略構成を示す機能ブロック図である。
【図11】本発明の液晶表示装置の第2実施形態におけるフレーム周波数変換部の動作を示すタイミングチャートである。
【図12】本発明の液晶表示装置の第2実施形態における信号切替部の動作を示すタイミングチャートである。
【図13】本発明の液晶表示装置の第2実施形態における表示動作原理を示す概略説明図である。
【図14】従来の液晶表示装置における要部構成を示す等価回路図である。
【図15】従来の液晶表示装置における走査線に関するタイミングチャートである。
【図16】従来の液晶表示装置における表示動作原理を示す概略説明図である。
【図17】従来の液晶表示装置において高温時に64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【図18】従来の液晶表示装置において低温時に64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【図19】オーバーシュート駆動回路に用いるOSテーブルメモリにおけるテーブル内容の一例を示す概略説明図である。
【図20】液晶に加える電圧と液晶の応答との関係を示す説明図である。
【図21】従来の液晶表示装置にオーバーシュート駆動を適用した場合に64階調の画像データが連続して入力された時の表示階調輝度(応答波形)を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1a,1b テーブルメモリ(ROM)
2、12 強調変換部
3、13 液晶コントローラ
4、14 ゲートドライバ
5、15 ソースドライバ
6、16 液晶表示パネル
7 黒信号発生部
8 温度センサー
9、19 制御CPU
10 フレーム周波数変換部
11 信号切替部

Claims (2)

  1. 入力画像信号の1フレーム期間内で画像信号と黒表示信号とを液晶表示パネルに書き込むことにより、動画表示の際に生じる動きぼけを防止する液晶表示装置であって、
    装置内温度を検出する温度検出手段と、
    前記検出された温度に基づいて、前記入力画像信号の1フレーム期間内における黒表示期間の割合を可変制御する制御手段とを備えたことを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記請求項1に記載の液晶表示装置において、
    前記入力画像信号から、前記液晶表示パネルが画像表示期間経過後に該入力画像信号の定める透過率に到達するような強調変換信号を求める強調変換手段を設けたことを特徴とする液晶表示装置。
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