JP2004224646A - 竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート - Google Patents
竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004224646A JP2004224646A JP2003015036A JP2003015036A JP2004224646A JP 2004224646 A JP2004224646 A JP 2004224646A JP 2003015036 A JP2003015036 A JP 2003015036A JP 2003015036 A JP2003015036 A JP 2003015036A JP 2004224646 A JP2004224646 A JP 2004224646A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bamboo charcoal
- charcoal
- bamboo
- firing
- sheet
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Abstract
【課題】竹炭の利点を活かしながら、遠赤外線放射機能など竹炭製品に要求される機能を大幅に向上させる。
【解決手段】竹材を焼成してなる原料竹炭を、さらに、500〜1200℃で5〜11時間かけて再焼成する。共振周波数が0.5〜5Hzであり、電気抵抗率が1〜3Ω・cmであるものが得られる。平均粒径5〜30μmの竹炭微紛が、10〜50重量%の割合で配合されてなる合成樹脂の発泡シートからなる竹炭配合シートが製造できる。
【選択図】 なし
【解決手段】竹材を焼成してなる原料竹炭を、さらに、500〜1200℃で5〜11時間かけて再焼成する。共振周波数が0.5〜5Hzであり、電気抵抗率が1〜3Ω・cmであるものが得られる。平均粒径5〜30μmの竹炭微紛が、10〜50重量%の割合で配合されてなる合成樹脂の発泡シートからなる竹炭配合シートが製造できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シートに関し、詳しくは、竹を原料にして焼成して竹炭を製造する方法と、この方法で得られた竹炭と、この竹炭を用いて製造される竹炭配合シートとを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
木炭や竹炭は、住宅空間の脱臭機能や飲料水の浄化機能、衣料品などにおける遠赤外線放出機能、電磁波遮蔽機能、その他、多くの機能を有する材料として注目されている。
そのうち、竹炭は、通常の木材を原料とする木炭と共通する各種の機能を有するとともに、木炭にはない特徴も有している。
例えば、木炭の原料である木材に比べて、竹材は入手し易く原料価格を低減できる。特に、「うばめがし」等の高価な木材を原料とする木炭に比べて、はるかに安価な竹材を使って、遜色のない機能性を発揮できるとされている。竹材は、繊維構造が縦方向に比較的揃っているため、炭化時の結晶構造が微細になり易く、そのことなどによって前記機能の向上が発揮されるものと推測されている。
【0003】
従来における竹炭の製造方法としては、土窯などを使って比較的に低温で焼成炭化させることが多い。備長炭のような高級木炭などに比べて簡単な設備で低い温度で簡便に製造できる点が、竹炭の利点であるとされている。具体的な焼成条件は500〜600℃で8時間程度であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の竹炭では、遠赤外線放出機能などの点で、必ずしも十分ではなかった。
例えば、高温焼成された木炭や、水蒸気添加などで賦活処理された木炭に比べると、従来の竹炭は機能的に劣る場合が多い。
発明者らは、竹炭の製造を高温で行うことや賦活処理を検討したが、竹炭の場合にはそれほど効果がなかった。また、特別な焼成装置や賦活処理装置および処理プロセスが必要になるため、製造コストが高くなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、前記した竹炭の利点を活かしながら、遠赤外線放射機能など竹炭に要求される機能を大幅に向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる竹炭の製造方法は、竹材を焼成してなる原料竹炭を、さらに、500〜1200℃で5〜11時間かけて焼成する。
〔竹材〕
通常の竹炭製造に利用されている竹材が使用できる。具体的には、まだけ、はちく、もうそうちく、ほていちく、くろちく、めだけ等が挙げられる。
竹材は、所定の長さに裁断された筒状体で焼成に供することもできるし、筒状体を割って板片状にしてから焼成することもできる。
【0007】
〔原料竹炭〕
基本的には、前記竹材から得られる通常の竹炭がそのまま使用される。原料竹炭の製造条件については特に限定されない。
例えば、焼成窯として、土窯が使用できる。焼成温度としては、500〜850℃が採用される。焼成時間は42〜46時間である。焼成雰囲気は、自然状態である。焼成工程の途中で温度などの条件を変えて焼成を行うこともできる。
原料竹炭は、焼成された状態のままで再焼成に供給してもよいし、裁断したり成形したりしてから再焼成に供給することもできる。
【0008】
原料竹炭としては、長さが5〜50cm、太さ(または幅)が5〜30cmの範囲のものが使用できる。
〔再焼成〕
基本的には、通常の竹炭あるいは木炭の製造に利用されている焼成技術と共通する技術が適用できる。
焼成窯は、ガス、石油燃料を使用した乾留窯が使用できる。焼成温度は、500〜1200℃の範囲が採用できる。好ましくは700〜950℃である。さらには800〜950℃が好ましい。焼成時間は、5〜11時間である。好ましくは6〜10時間である。窯内の雰囲気は、連続燃焼による恒温状態である。
【0009】
焼成終了時の消火処理なども、通常の焼成技術と同様に実施できる。
〔竹炭〕
再焼成によって得られた竹炭は、そのままで各種用途に供することもできるし、要求性能や用途に合わせて、追加の処理加工をすることもできる。
例えば、竹炭を粉砕して粉粒物の状態で使用することができる。粉砕された竹炭粉の平均粒径を5〜30μmに設定できる。好ましくは、平均粒径10〜15μmである。粉砕装置としては、グラインドミルや気流粉砕装置などの通常の粉砕装置が使用できる。
【0010】
竹炭の特性は、基本的には通常の竹炭と同等以上の機能が発揮できるとともに、以下の特性を有するものが得られる。
共振周波数が0.5〜5Hzになる。好ましくは、0.5〜3Hzである。さらには0.8Hz以上が好ましい。共振周波数は、後述するレヨメーターデジタル測定器を使って、低周波発振器との周波数共振・共鳴法によって測定される。共振周波数が低いほど、遠赤外線放出機能が高くなる。マイナスイオン放出機能も高くなる。人体に対する健康促進効果も期待できる。
電気抵抗率が1〜3Ω・cmになる。一般的には、電気抵抗率が小さいほど、前記した共振周波数も低くなる。電気抵抗率が小さいと、人体に対する健康促進効果も良好になる。電磁波遮蔽機能にも有利である。
【0011】
なお、前記した共振周波数や電気抵抗率は、竹炭の形態によっても違ってくる。一般的には、塊状の形態よりも、竹炭粉のほうが、共振周波数は低く、電気抵抗率も小さくなる傾向がある。
竹炭粉は、容器や袋に充填した状態で使用することができる。シート材料の間に積層して使用することもできる。塗料などの液剤に混合して使用することもできる。不織布などの繊維に付着させて使用することができる。繊維の紡糸原料に配合しておくこともできる。各種の成形材料に配合して、成形物に含有された状態にして使用することもできる。例えば、合成樹脂や水硬性材料、焼き物材料などの原料に配合しておけば、製造された樹脂製品や硬化製品に、竹炭が有する機能を付与することができる。
【0012】
〔竹炭配合シート〕
竹炭の使用用途として、以下に示す竹炭配合シートが挙げられる。
竹炭配合シートは、平均粒径5〜30μmの竹炭微紛が、10〜50重量%の割合で配合されてなる合成樹脂の発泡シートである。好ましくは、平均粒径5〜15μmの竹炭微紛を用いる。
合成樹脂として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂や、レーヨン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂など、通常の成形用樹脂が使用できる。ポリエチレンとして、メタロセン触媒にて重合されたメタロセンポリエチレンを配合すると、強度などの点で優れたものとなる。プラスチック総量100重量部に5〜60重量部のメタロセンポリエチレンを配合するのが好ましい。
【0013】
合成樹脂の発泡シートは、樹脂材料に空気を吹き込んだり、樹脂材料に配合された発泡剤を発泡させたりすることで得られる。通常の発泡シートと同様の製造装置や製造手段が適用できる。
液体状の合成樹脂材料に竹炭微粉が混合され易くなるように、界面活性剤や各種の分散剤などを配合しておくこともできる。
竹炭微粉が配合された樹脂材料は、通常の成形方法でシートに製造できる。例えば、押出成形や延伸成形などの技術が適用できる。竹炭微紛が配合された樹脂材料と、竹炭微紛が配合されていない樹脂材料とを同時押出により、積層シートに製造することもできる。
【0014】
竹炭配合シートの厚みは、要求性能や用途によっても異なるが、通常、0.5〜2mmの範囲に設定できる。
竹炭配合シートは、多孔質構造のシートに竹炭微紛が担持されているので、シート内部でも竹炭微粉の表面が露出しており、竹炭微粉が有する各種の機能が良好に発揮される。
竹炭配合シートは、肌当て温熱シートとして利用できる。アイマスク、サポーター、トランクス、腹巻、布団、マット、枕などの材料にも好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる竹炭を製造し、その性能を評価した。
〔竹炭〕
市販の竹炭(中国産の竹材を使用し、土窯で約700℃、46時間程度かけて焼成されたもの)を使用。
市販製品の塊状のものをそのまま使用するか、粉砕した竹炭粉を使用。
〔再焼成〕
焼成装置として、乾留窯を使用。焼成条件の違うものを製造した。
【0016】
〔共振周波数の測定〕
レヨメーターデジタル測定器(市販製品)を使用。
低周波発振器から低周波を発振させて試料に印加し、共振あるいは共鳴が発生する周波数を記録し、共振周波数の範囲を求めた。
〔電気抵抗率の測定〕
市販の導通テスター(デジタルマルチメータ)を用いて測定した。
〔試料〕
以下の試料を作製し、試験に供した。
【0017】
【0018】
〔測定結果〕
【0019】
【表1】
【0020】
〔評価〕
(1) 比較例1の原料竹炭塊は、共振周波数が高く、電気抵抗率も大きい。遠赤外線放出機能なども十分ではない。
これに対し、原料竹炭塊を再焼成した実施例1では、共振周波数が非常に低くなり、電気抵抗率も格段に小さくなった。遠赤外線放出機能なども優れていることが確認できた。
(2) 実施例1は、従来の炭製品である比較例1〜4に比べても、低い共振周波数が達成できている。比較例2の活性炭粉は、電気抵抗率は小さいが共振周波数は高い。また、実施例1では比較例2に比べて、生産コストが格段に安くなる。
【0021】
低共振周波数と小さな電気抵抗率とを両方の特性を有するのは、各実施例のみである。
(3) 実施例2のように、粉砕して竹炭粉にすると、実施例1に比べて、さらに共振周波数が低くなる。実施例3、4のように、再焼成温度を高くすると、さらに共振周波数が低くなり、電気抵抗率も小さくなる。
また、実施例2〜4は、各比較例に比べて、共振周波数の上下限幅が狭くなっている。これは、特定の周波数成分を効率的に放出したり吸収したりする機能に優れていることを示している。
【0022】
〔竹炭配合シート〕
メタロセンポリエチレン100重量部と前記実施例4の竹炭粉(但し、平均粒径10μm)が配合されたプラスチックコンパウンドを用い、通常の押出装置で、押出発泡シートを製造した。発泡剤はブタンを用いた。厚み約1.5μm、発泡倍率約24倍の連続気泡を有する竹炭配合シートが得られた。
前記竹炭粉を単独で測定した場合と同様に、遠赤外線放出機能などに優れた特性を有することが確認できた。
【0023】
【発明の効果】
本発明にかかる竹炭の製造方法は、通常の製造方法で製造された原料竹炭を、さらに、特定の焼成条件で再焼成することで、遠赤外線放出機能やマイナスイオン放出機能、健康促進機能などを、通常の竹炭に比べて格段に向上させることができる。
特に、前記した共振周波数が、備長炭などの白炭や活性炭のような高機能木炭に比べても低くなり、そのことによる人体に対する健康促進機能が非常に優れたものになる。
【0024】
しかも、再焼成は、通常の焼成装置で実現できる焼成条件内で行えるので、特別な処理装置を準備したり、処理コストが増大したりすることもない。
その結果、原料の入手が容易でコストも安い竹炭を用いて、従来の木炭製品でも達成できなかった高機能炭製品を提供することが可能になり、炭製品の利用分野を拡大し需要を増大させることができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シートに関し、詳しくは、竹を原料にして焼成して竹炭を製造する方法と、この方法で得られた竹炭と、この竹炭を用いて製造される竹炭配合シートとを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
木炭や竹炭は、住宅空間の脱臭機能や飲料水の浄化機能、衣料品などにおける遠赤外線放出機能、電磁波遮蔽機能、その他、多くの機能を有する材料として注目されている。
そのうち、竹炭は、通常の木材を原料とする木炭と共通する各種の機能を有するとともに、木炭にはない特徴も有している。
例えば、木炭の原料である木材に比べて、竹材は入手し易く原料価格を低減できる。特に、「うばめがし」等の高価な木材を原料とする木炭に比べて、はるかに安価な竹材を使って、遜色のない機能性を発揮できるとされている。竹材は、繊維構造が縦方向に比較的揃っているため、炭化時の結晶構造が微細になり易く、そのことなどによって前記機能の向上が発揮されるものと推測されている。
【0003】
従来における竹炭の製造方法としては、土窯などを使って比較的に低温で焼成炭化させることが多い。備長炭のような高級木炭などに比べて簡単な設備で低い温度で簡便に製造できる点が、竹炭の利点であるとされている。具体的な焼成条件は500〜600℃で8時間程度であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の竹炭では、遠赤外線放出機能などの点で、必ずしも十分ではなかった。
例えば、高温焼成された木炭や、水蒸気添加などで賦活処理された木炭に比べると、従来の竹炭は機能的に劣る場合が多い。
発明者らは、竹炭の製造を高温で行うことや賦活処理を検討したが、竹炭の場合にはそれほど効果がなかった。また、特別な焼成装置や賦活処理装置および処理プロセスが必要になるため、製造コストが高くなってしまう。
【0005】
本発明の課題は、前記した竹炭の利点を活かしながら、遠赤外線放射機能など竹炭に要求される機能を大幅に向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる竹炭の製造方法は、竹材を焼成してなる原料竹炭を、さらに、500〜1200℃で5〜11時間かけて焼成する。
〔竹材〕
通常の竹炭製造に利用されている竹材が使用できる。具体的には、まだけ、はちく、もうそうちく、ほていちく、くろちく、めだけ等が挙げられる。
竹材は、所定の長さに裁断された筒状体で焼成に供することもできるし、筒状体を割って板片状にしてから焼成することもできる。
【0007】
〔原料竹炭〕
基本的には、前記竹材から得られる通常の竹炭がそのまま使用される。原料竹炭の製造条件については特に限定されない。
例えば、焼成窯として、土窯が使用できる。焼成温度としては、500〜850℃が採用される。焼成時間は42〜46時間である。焼成雰囲気は、自然状態である。焼成工程の途中で温度などの条件を変えて焼成を行うこともできる。
原料竹炭は、焼成された状態のままで再焼成に供給してもよいし、裁断したり成形したりしてから再焼成に供給することもできる。
【0008】
原料竹炭としては、長さが5〜50cm、太さ(または幅)が5〜30cmの範囲のものが使用できる。
〔再焼成〕
基本的には、通常の竹炭あるいは木炭の製造に利用されている焼成技術と共通する技術が適用できる。
焼成窯は、ガス、石油燃料を使用した乾留窯が使用できる。焼成温度は、500〜1200℃の範囲が採用できる。好ましくは700〜950℃である。さらには800〜950℃が好ましい。焼成時間は、5〜11時間である。好ましくは6〜10時間である。窯内の雰囲気は、連続燃焼による恒温状態である。
【0009】
焼成終了時の消火処理なども、通常の焼成技術と同様に実施できる。
〔竹炭〕
再焼成によって得られた竹炭は、そのままで各種用途に供することもできるし、要求性能や用途に合わせて、追加の処理加工をすることもできる。
例えば、竹炭を粉砕して粉粒物の状態で使用することができる。粉砕された竹炭粉の平均粒径を5〜30μmに設定できる。好ましくは、平均粒径10〜15μmである。粉砕装置としては、グラインドミルや気流粉砕装置などの通常の粉砕装置が使用できる。
【0010】
竹炭の特性は、基本的には通常の竹炭と同等以上の機能が発揮できるとともに、以下の特性を有するものが得られる。
共振周波数が0.5〜5Hzになる。好ましくは、0.5〜3Hzである。さらには0.8Hz以上が好ましい。共振周波数は、後述するレヨメーターデジタル測定器を使って、低周波発振器との周波数共振・共鳴法によって測定される。共振周波数が低いほど、遠赤外線放出機能が高くなる。マイナスイオン放出機能も高くなる。人体に対する健康促進効果も期待できる。
電気抵抗率が1〜3Ω・cmになる。一般的には、電気抵抗率が小さいほど、前記した共振周波数も低くなる。電気抵抗率が小さいと、人体に対する健康促進効果も良好になる。電磁波遮蔽機能にも有利である。
【0011】
なお、前記した共振周波数や電気抵抗率は、竹炭の形態によっても違ってくる。一般的には、塊状の形態よりも、竹炭粉のほうが、共振周波数は低く、電気抵抗率も小さくなる傾向がある。
竹炭粉は、容器や袋に充填した状態で使用することができる。シート材料の間に積層して使用することもできる。塗料などの液剤に混合して使用することもできる。不織布などの繊維に付着させて使用することができる。繊維の紡糸原料に配合しておくこともできる。各種の成形材料に配合して、成形物に含有された状態にして使用することもできる。例えば、合成樹脂や水硬性材料、焼き物材料などの原料に配合しておけば、製造された樹脂製品や硬化製品に、竹炭が有する機能を付与することができる。
【0012】
〔竹炭配合シート〕
竹炭の使用用途として、以下に示す竹炭配合シートが挙げられる。
竹炭配合シートは、平均粒径5〜30μmの竹炭微紛が、10〜50重量%の割合で配合されてなる合成樹脂の発泡シートである。好ましくは、平均粒径5〜15μmの竹炭微紛を用いる。
合成樹脂として、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂や、レーヨン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂など、通常の成形用樹脂が使用できる。ポリエチレンとして、メタロセン触媒にて重合されたメタロセンポリエチレンを配合すると、強度などの点で優れたものとなる。プラスチック総量100重量部に5〜60重量部のメタロセンポリエチレンを配合するのが好ましい。
【0013】
合成樹脂の発泡シートは、樹脂材料に空気を吹き込んだり、樹脂材料に配合された発泡剤を発泡させたりすることで得られる。通常の発泡シートと同様の製造装置や製造手段が適用できる。
液体状の合成樹脂材料に竹炭微粉が混合され易くなるように、界面活性剤や各種の分散剤などを配合しておくこともできる。
竹炭微粉が配合された樹脂材料は、通常の成形方法でシートに製造できる。例えば、押出成形や延伸成形などの技術が適用できる。竹炭微紛が配合された樹脂材料と、竹炭微紛が配合されていない樹脂材料とを同時押出により、積層シートに製造することもできる。
【0014】
竹炭配合シートの厚みは、要求性能や用途によっても異なるが、通常、0.5〜2mmの範囲に設定できる。
竹炭配合シートは、多孔質構造のシートに竹炭微紛が担持されているので、シート内部でも竹炭微粉の表面が露出しており、竹炭微粉が有する各種の機能が良好に発揮される。
竹炭配合シートは、肌当て温熱シートとして利用できる。アイマスク、サポーター、トランクス、腹巻、布団、マット、枕などの材料にも好適である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる竹炭を製造し、その性能を評価した。
〔竹炭〕
市販の竹炭(中国産の竹材を使用し、土窯で約700℃、46時間程度かけて焼成されたもの)を使用。
市販製品の塊状のものをそのまま使用するか、粉砕した竹炭粉を使用。
〔再焼成〕
焼成装置として、乾留窯を使用。焼成条件の違うものを製造した。
【0016】
〔共振周波数の測定〕
レヨメーターデジタル測定器(市販製品)を使用。
低周波発振器から低周波を発振させて試料に印加し、共振あるいは共鳴が発生する周波数を記録し、共振周波数の範囲を求めた。
〔電気抵抗率の測定〕
市販の導通テスター(デジタルマルチメータ)を用いて測定した。
〔試料〕
以下の試料を作製し、試験に供した。
【0017】
【0018】
〔測定結果〕
【0019】
【表1】
【0020】
〔評価〕
(1) 比較例1の原料竹炭塊は、共振周波数が高く、電気抵抗率も大きい。遠赤外線放出機能なども十分ではない。
これに対し、原料竹炭塊を再焼成した実施例1では、共振周波数が非常に低くなり、電気抵抗率も格段に小さくなった。遠赤外線放出機能なども優れていることが確認できた。
(2) 実施例1は、従来の炭製品である比較例1〜4に比べても、低い共振周波数が達成できている。比較例2の活性炭粉は、電気抵抗率は小さいが共振周波数は高い。また、実施例1では比較例2に比べて、生産コストが格段に安くなる。
【0021】
低共振周波数と小さな電気抵抗率とを両方の特性を有するのは、各実施例のみである。
(3) 実施例2のように、粉砕して竹炭粉にすると、実施例1に比べて、さらに共振周波数が低くなる。実施例3、4のように、再焼成温度を高くすると、さらに共振周波数が低くなり、電気抵抗率も小さくなる。
また、実施例2〜4は、各比較例に比べて、共振周波数の上下限幅が狭くなっている。これは、特定の周波数成分を効率的に放出したり吸収したりする機能に優れていることを示している。
【0022】
〔竹炭配合シート〕
メタロセンポリエチレン100重量部と前記実施例4の竹炭粉(但し、平均粒径10μm)が配合されたプラスチックコンパウンドを用い、通常の押出装置で、押出発泡シートを製造した。発泡剤はブタンを用いた。厚み約1.5μm、発泡倍率約24倍の連続気泡を有する竹炭配合シートが得られた。
前記竹炭粉を単独で測定した場合と同様に、遠赤外線放出機能などに優れた特性を有することが確認できた。
【0023】
【発明の効果】
本発明にかかる竹炭の製造方法は、通常の製造方法で製造された原料竹炭を、さらに、特定の焼成条件で再焼成することで、遠赤外線放出機能やマイナスイオン放出機能、健康促進機能などを、通常の竹炭に比べて格段に向上させることができる。
特に、前記した共振周波数が、備長炭などの白炭や活性炭のような高機能木炭に比べても低くなり、そのことによる人体に対する健康促進機能が非常に優れたものになる。
【0024】
しかも、再焼成は、通常の焼成装置で実現できる焼成条件内で行えるので、特別な処理装置を準備したり、処理コストが増大したりすることもない。
その結果、原料の入手が容易でコストも安い竹炭を用いて、従来の木炭製品でも達成できなかった高機能炭製品を提供することが可能になり、炭製品の利用分野を拡大し需要を増大させることができる。
Claims (3)
- 竹材を焼成してなる原料竹炭を、さらに、500〜1200℃で5〜11時間かけて再焼成する
竹炭の製造方法。 - 請求項1に記載の製造方法で得られ、
共振周波数が0.5〜5Hzであり、電気抵抗率が1〜3Ω・cmである
竹炭。 - 請求項2に記載の竹炭からなり平均粒径5〜30μmの竹炭微紛が、10〜50重量%の割合で配合されてなる合成樹脂の発泡シートからなる
竹炭配合シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003015036A JP2004224646A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003015036A JP2004224646A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004224646A true JP2004224646A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32902907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003015036A Pending JP2004224646A (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | 竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004224646A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006114375A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Mie Tlo Co Ltd | 汚泥処理用微生物電池およびそれを用いた汚泥浄化装置 |
WO2006082632A1 (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-10 | Norio Yamagishi | 竹炭、竹炭粒粉末、炭化物、及び、それらの製造方法 |
US7807264B2 (en) * | 2007-09-19 | 2010-10-05 | Chung Shan Institute Of Science And Technology, Armaments Bureau, M.N.D. | Electromagnetic wave absorption material and manufacturing method thereof |
JP6041415B1 (ja) * | 2016-07-04 | 2016-12-07 | 田山 ▲吉▼基 | フィルタ付シガレットのフィルタにおいて吸引時タール成分1mg以下にする方法。 |
JP2017029030A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 田山 ▲吉▼基 | フィルタ付シガレットのフィルタにおいてタール成分1mg以下にする方法。 |
WO2020136734A1 (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-02 | 株式会社大木工藝 | 樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法 |
CN111662506A (zh) * | 2020-06-28 | 2020-09-15 | 浙江农林大学 | 一种具有电磁屏蔽功能的隔音材料及制备方法和电子设备 |
-
2003
- 2003-01-23 JP JP2003015036A patent/JP2004224646A/ja active Pending
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006114375A (ja) * | 2004-10-15 | 2006-04-27 | Mie Tlo Co Ltd | 汚泥処理用微生物電池およびそれを用いた汚泥浄化装置 |
WO2006082632A1 (ja) * | 2005-02-02 | 2006-08-10 | Norio Yamagishi | 竹炭、竹炭粒粉末、炭化物、及び、それらの製造方法 |
US7807264B2 (en) * | 2007-09-19 | 2010-10-05 | Chung Shan Institute Of Science And Technology, Armaments Bureau, M.N.D. | Electromagnetic wave absorption material and manufacturing method thereof |
JP2017029030A (ja) * | 2015-07-30 | 2017-02-09 | 田山 ▲吉▼基 | フィルタ付シガレットのフィルタにおいてタール成分1mg以下にする方法。 |
JP6041415B1 (ja) * | 2016-07-04 | 2016-12-07 | 田山 ▲吉▼基 | フィルタ付シガレットのフィルタにおいて吸引時タール成分1mg以下にする方法。 |
WO2018008465A1 (ja) * | 2016-07-04 | 2018-01-11 | 吉基 田山 | フィルタ付シガレットのフィルタにおいて吸引時タール成分1mg以下にする方法。 |
WO2020136734A1 (ja) * | 2018-12-26 | 2020-07-02 | 株式会社大木工藝 | 樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法 |
JPWO2020136734A1 (ja) * | 2018-12-26 | 2021-11-04 | 株式会社大木工藝 | 樹脂成形品および樹脂成形品の製造方法 |
CN111662506A (zh) * | 2020-06-28 | 2020-09-15 | 浙江农林大学 | 一种具有电磁屏蔽功能的隔音材料及制备方法和电子设备 |
CN111662506B (zh) * | 2020-06-28 | 2023-01-10 | 浙江农林大学 | 一种具有电磁屏蔽功能的隔音材料及制备方法和电子设备 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0703858B1 (en) | Three dimensional macroscopic assemblages of randomly oriented carbon fibrils and composites containing same | |
Gayathri et al. | Sound absorption, thermal and mechanical behavior of polyurethane foam modified with nano silica, nano clay and crumb rubber fillers | |
Leventis et al. | Multifunctional porous aramids (aerogels) by efficient reaction of carboxylic acids and isocyanates | |
CN102010222A (zh) | 一种碳化硅多孔陶瓷及其制备方法 | |
WO1995030710A1 (fr) | Composition expansible a base de fibres vegetales, matiere expansee et article en matiere de ce type | |
WO2019065517A1 (ja) | シート及びその製造方法 | |
JP2004224646A (ja) | 竹炭の製造方法および竹炭ならびに竹炭配合シート | |
JP2004051896A (ja) | 遠赤外線放射材料 | |
Senthilkumar et al. | Characterization, thermal and dynamic mechanical properties of poly (propylene carbonate) lignocellulosic Cocos nucifera shell particulate biocomposites | |
JP7255602B2 (ja) | 電磁波吸収シートおよびその製造方法 | |
KR101766865B1 (ko) | 은나노 입자가 함침된 은나노 유무기 복합수지의 제조방법 및 이를 이용하여 제조된 항생물성 상수도관 | |
Harnnarongchai et al. | Effect of blowing agent on cell morphology and acoustic absorption of natural rubber foam | |
JP2011506643A (ja) | 空気透過性構造を持つシリコーンフォームの製造方法 | |
JP2009082559A (ja) | 高効率を持って負イオンを放出する複合粉体、複合粉体の付着物及びその製造方法 | |
Soh et al. | Woodpile structural designs to increase the stiffness of mycelium-bound composites | |
JP3553325B2 (ja) | 炭材含有樹脂組成物、その製造方法、および、炭材含有樹脂成形品 | |
Meikhail et al. | Characterization and physical studies of Poly (vinyl alcohol)/Sodium alginate/multiwall carbon nanotube biocomposites | |
CN112206725A (zh) | 一种二氧化钛纳米纤维气凝胶的制备方法 | |
Kagdi et al. | Structural and dielectric properties hexaferrite/poly (Vinyl Alcohol) composites | |
Zhang et al. | SiCN ceramics with controllable carbon nanomaterials for electromagnetic absorption performance | |
CN104556966A (zh) | 一种气相二氧化硅、纳米级炭黑复合材料的制备方法 | |
WO2014103034A1 (ja) | 竹粉含有成形体、車両用内装材及び建築用材料、並びに竹粉含有成形体の製造方法 | |
Choudary et al. | Novel Use of Waste Chicken Feather Fiber for making Prototype Non-woven Mats and their Evaluation | |
CN113603957A (zh) | 一种防水透气薄膜及其制备方法 | |
CN111809270A (zh) | 一种太赫兹热风棉及其制备方法和应用 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20060120 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20080922 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081021 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090310 |