JP2004223620A - ミラー基板の製造方法及び光スイッチ装置の製造方法 - Google Patents

ミラー基板の製造方法及び光スイッチ装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良品歩留まりの高い状態でミラー基板及びこれを用いた光スイッチ装置が製造できるようにする。
【解決手段】基材201上に形成した感光性を有する樹脂膜202を貼り合わせによりSOI層103上に転写し、これをフォトリソグラフィ技術により加工して保護パターン203を形成し、この保護パターンにより、ミラー132や可動枠131などの可動構造体を固定する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スイッチングを利用する通信,計測,ディスプレイ等に使用する光スイッチ装置に用いられるミラー基板の製造方法と光スイッチ装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
薄膜形成技術やフォトリソグラフィ技術を基本にしてエッチングすることなどで立体的に微細加工を行うマイクロマシン技術を利用して作製された、MEMS素子がある。MEMS素子の中には、微細な固定構造体と可動する構造体とから構成され、電気的な信号により可動する構造体の動作を制御するものがある。このようなMEMS素子において、可動する構造体に反射面を備えた光スイッチ素子がある。
【0003】
この光スイッチ素子は、例えば、固定構造体と可動する部分を備えた反射構造体とから構成されている。反射構造体は、枠部と可動部を有し、可動部が、トーションバネなどのバネ部材によって枠部に接続されている。このように構成された光スイッチ素子は、固定構造体と回動する反射構造体との間に働く引力、あるいは反発力によって反射構造体が回動することで光路を切り替えるスイッチング動作を行う。
【0004】
このような光スイッチ素子の製造方法として、SOI(Silicon on Insulator)基板を用いる方法が提案されている。この方法によるミラー(可動部)の作製工程を説明する。まず、図16(a)に示すように、SOI基板1601の埋め込み絶縁層1602が形成されている側(主表面:SOI層)より、公知のフォトリソグラフィ技術とDEEP RIEなどのエッチングによって溝1603a,1603bを形成することで、埋め込み絶縁層1602上の単結晶シリコン層1603にミラー1604及び可動枠1605を形成する。
【0005】
DEEP RIEは、例えばシリコンをドライエッチングするときに、SFとCのガスを交互に導入し、エッチングと側壁保護膜形成とを繰り返すことにより、アスペクト比が50にもなる溝または穴を、毎分数μmのエッチング速度で形成する技術である。
【0006】
つぎに、SOI基板1601の裏面にミラー1604及び可動枠1605の形成領域が開口したレジストパターンを形成し、水酸化カリウム水溶液などのエッチング液を用い、SOI基板1601の裏面より選択的にシリコンをエッチングする。このエッチングでは、埋め込み絶縁層1602をエッチングストッパ層として用い、図16(b)に示すように、ミラー1604の形成領域に対応するSOI基板1601の裏面に開口部1601aを形成する。開口部1601aは、光スイッチ素子のピクセルに相当する領域である。
【0007】
次いで、埋め込み絶縁層1602の開口部1601aに露出している領域を、フッ酸を用いて選択的に除去することで、図16(c)に示すように、SOI基板1601に支持された回動可能なミラー1604及び可動枠1605が形成された状態とする。このとき、ミラー1604の反射率を向上させるために、開口部1601a側のミラー1604表面に金などの金属膜を形成する場合もある。
【0008】
一方、シリコン基板1611をシリコン窒化膜あるいはシリコン酸化膜からなる所定のマスクパターンをマスクとし、水酸化カリウム水溶液で選択的にエッチングすることで、図16(d)に示すように、凹部構造が形成された状態とする。次いで、凹部構造上に蒸着法などにより金属膜を形成し、この金属膜を公知の超深度露光を用いたフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とによりパターニングし、図16(d)に示すように、ミラー駆動用電極配線などを含む電極部1612を形成する。
【0009】
この後、SOI基板1601及びシリコン基板1611各々をダイシングし、チップに切り出すことでミラーチップ及び電極チップを形成し、これらを貼り合わせることで、図16(e)に示すように、電界印加によってミラー1604や可動枠1605が回動する光スイッチ素子が製造できる。なお、各チップに切り出した後で、ミラーの反射率を向上させるためにミラー表面に金などの金属膜を形成してもよい。
【0010】
なお、出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に関連する先行技術文献を本件の出願時までに発見するには至らなかった。
【0011】
【特許文献1】
特開2001−198897号公報
【特許文献2】
特開2002−189178号公報
【特許文献3】
特開平11−119123号公報
【非特許文献1】
Pamela R.Patterson,Dooyoung Hah,Guo−Dung J.Su,Hiroshi Toshiyoshi,and Ming C.Wu,”MOEMS ELECTROSTATIC SCANNING MICROMIRRORS DESIGN AND FABRICATION” Electochemical Society Proceedings Vol2002−4 p369−380,(2002)
【非特許文献2】
”MEMS:Micro Technology, Mega Impact”Circuit & Device, p14−20(2001)
【非特許文献3】
「トランジスタ技術」,CQ出版,2002年5月号,P207〜212
【非特許文献4】
Renshi Sawada, Eiji Higurashi, Akira Shimizu, and Tohru Maruno, ”Single Crystalline Mirror Actuated Electrostatically by Terraced Electrodes With High−Aspect Ratio Torsion Spring,” Optical MEMS 2001, pp.23−24 (Okinawa Japan), 2001.
【非特許文献5】
Renshi Sawada, Johji Yamaguchi, Eiji Higurashi, Akira Shimizu, Tsuyoshi Yamamoto, Nobuyuki Takeuchi, and Yuji Uenishi, ”Single Si Crystal 1024ch MEMS Mirror Based on Terraced Electrodes and a High−Aspect Ratio Torsion Spring for 3−D Cross−Connect Switch,” Optical MEMS 2002, pp.11−12 (Lugano Switzerland), 2002.
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
以上に示した製造方法では、埋め込み絶縁層がエッチングされた後の工程において、ミラー部分は、例えばトーションバネで連結され、可動の状態で取り扱われる。例えば、埋め込み絶縁層を緩衝フッ酸液でエッチング及び水洗した後のウエハ乾燥工程、ウエハのダイシング工程、ダイシング後のミラー表面への金属膜形成工程、ミラー駆動用電極配線を形成した基板との貼り合わせ工程、パッケージヘのダイボンディング工程、ワイヤホンディング工程及びポッティング工程などにおいて、ミラーはトーションバネで連結された可動の状態で取り扱われる。
【0013】
この光スイッチ装置は、ミラー駆動用電極に印加された電圧によって生じる電界でミラーに吸引力を与えてミラーを数度の角度で回転駆動させるものであるが、トーションバネは、ミラー駆動用電極への印加電圧として100V程度で駆動するように、幅2μm程度に加工される。SOI層の厚さは10μm程度であるので、トーションバネは、幅2μm厚さ10μm程度となっている。例えば、直径500μm程度の円形のミラーが、上述のような細いトーションバネで可動枠に連結され、可動枠が、トーションバネで周囲の枠部に連結されている。
【0014】
ところが、前述したような工程の処理においては、水流やウエハ乾燥時の遠心力あるいは振動や衝撃などが加わるため、トーションバネの破損や、ミラーの欠損が発生しやすく、ミラー基板の製造歩留まりを低下させるという問題がある。特に多数のミラーが、マトリクス状に配置されたミラー基板の場合、1つでもミラーが不良となるとミラー基板としては使用できず不良品となるので、歩留の低下をより一層招くことになる。
【0015】
また、ミラー基板ウエハの製造後、ウエハ状態あるいはダイシングしてチップ状態で輸送する場合、ウエハそのものやチップそのものはこれらを収納する容器で保護されるが、細いトーションバネで連結されたミラー及びミラー枠体は可動状態にあることから、遠心力や振動及び衝撃に弱く、ミラー基板の製造歩留まりをさらに低下させる恐れがある。
【0016】
さらに、従来の光スイッチ装置用ミラー基板は、入射光を反射するミラー面が露出した状態で製造が完了するので、チップに分割するダイシングの際、微細なウエハの削り粉がトーションバネの隙間等を通ってミラー面に付着し、また実装までの保管時やハンドリング時にダストが付着し、光の反射率が低下するという問題を起こす。
【0017】
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、良品歩留まりの高い状態でミラー基板及びこれを用いた光スイッチ装置を製造できるようにすることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るミラー基板の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、第2マスクパターンを除去する第10の工程と、保護パターンを除去する第11の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。
【0019】
また、本発明に係る他のミラー基板の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、第2マスクパターンを除去する第10の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に金属膜を形成する第11の工程と、保護パターンを除去する第12の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された金属膜により反射面が構成される。
【0020】
上記ミラー基板の製造方法において、第10の工程の後、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して保護パターンの一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を保護パターンに形成し、この後、金属膜を形成するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明に係る他のミラー基板の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付け、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第4の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第5の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第6の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第7の工程と、第2マスクパターンを除去する第8の工程と、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して第1樹脂膜の一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広く、第1基材にまで貫通する開口部を第1樹脂膜に形成する第9の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に金属膜を形成する第10の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離した後、第1樹脂膜を除去する第11の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された金属膜により反射面が構成される。
【0022】
また、本発明に係る他のミラー基板の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、シリコン基板の裏面に保護膜を形成する第2の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第3の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングしてパターンを形成し、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第4の工程と、第1マスクパターン及び単結晶シリコン層に形成されたパターンをマスクとして埋め込み絶縁層をエッチングしてパターンを形成する第5の工程と、第1マスクパターン,単結晶シリコン層に形成されたパターン,及び埋め込み絶縁層に形成されたパターンをマスクとしてシリコン基板をエッチングしてパターンを形成する第6の工程と、第1マスクパターンを除去した後、単結晶シリコン層の表面側より金属を堆積することで単結晶シリコン層の表面に第1金属膜を形成する第7の工程と、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の上の第1金属膜の表面に貼り付ける第8の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の上の第1金属膜の表面に形成された状態とする第9の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が第1金属膜を介して保護パターンに固定された状態とする第10の工程と、前記保護膜を除去した後、感光性を有する第2樹脂膜が形成された第2基材を用意し、この第2基材に形成された第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に貼り付ける第11の工程と、第2基材を第2樹脂膜より剥離することで、第2樹脂膜がシリコン基板の裏面に形成された状態とする第12の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第13の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第14の工程と、第2マスクパターンを除去する第15の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第16の工程と、保護パターンを除去する第17の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された第1金属膜により反射面が構成される。
【0023】
上記ミラー基板の製造方法において、第15の工程の後、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して保護パターンの一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を保護パターンに形成し、この後、第2金属膜を形成するようにしてもよい。
【0024】
本発明に係る光スイッチ装置の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、第2マスクパターンを除去する第10の工程と、予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、可動構造体とミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第11の工程と、保護パターンを除去する第13の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。
【0025】
本発明に係る他の光スイッチ装置の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、第2マスクパターンを除去する第10の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第11の工程と、予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、可動構造体とミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第12の工程と、保護パターンを除去する第13の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された金属膜により反射面が構成される。
【0026】
上記光スイッチ装置の製造方法において、第9の工程の後、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して保護パターンの一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を保護パターンに形成し、この後、第2金属膜を形成するようにしてもよい。
【0027】
本発明に係る他の光スイッチ装置の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付け、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第4の工程と、感光性を有する第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に形成する第5の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第6の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第7の工程と、第2マスクパターンを除去する第8の工程と、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して第1樹脂膜の一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広く、第1基材にまで貫通する開口部を第1樹脂膜に形成する第9の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第10の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離した後、第1樹脂膜を除去する第11の工程と、感光性を有する第3樹脂膜が形成された第3基材を用意し、この第3基材に形成された第3樹脂膜を単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第12の工程と、第3基材を第3樹脂膜より剥離することで、第3樹脂膜が単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第13の工程と、第3樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が保護パターンに固定された状態とする第14の工程と、予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、可動構造体とミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第15の工程と、保護パターンを除去する第16の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された金属膜により反射面が構成される。
【0028】
本発明に係る他の光スイッチ装置の製造方法は、表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、シリコン基板の裏面に保護膜を形成する第2の工程と、単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第3の工程と、第1マスクパターンをマスクとして単結晶シリコン層を選択的にエッチングしてパターンを形成し、単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第4の工程と、第1マスクパターン及び単結晶シリコン層に形成されたパターンをマスクとして埋め込み絶縁層をエッチングしてパターンを形成する第5の工程と、第1マスクパターン,単結晶シリコン層に形成されたパターン,及び埋め込み絶縁層に形成されたパターンをマスクとしてシリコン基板をエッチングしてパターンを形成する第6の工程と、第1マスクパターンを除去した後、単結晶シリコン層の表面側より金属を堆積することで単結晶シリコン層の表面に第1金属膜を形成する第7の工程と、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された第1樹脂膜を単結晶シリコン層の上の第1金属膜の表面に貼り付ける第8の工程と、第1基材を第1樹脂膜より剥離することで、第1樹脂膜が単結晶シリコン層の上の第1金属膜の表面に形成された状態とする第9の工程と、第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも可動構造体を覆いかつ可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、可動構造体が第1金属膜を介して保護パターンに固定された状態とする第10の工程と、前記保護膜を除去した後、感光性を有する第2樹脂膜が形成された第2基材を用意し、この第2基材に形成された第2樹脂膜をシリコン基板の裏面に貼り付ける第11の工程と、第2基材を第2樹脂膜より剥離することで、第2樹脂膜がシリコン基板の裏面に形成された状態とする第12の工程と、第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第13の工程と、第2マスクパターンをマスクとしてシリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、単結晶シリコン層の可動構造体及び可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第14の工程と、第2マスクパターンを除去する第15の工程と、シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第16の工程と、予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に可動構造体の周囲の単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、可動構造体とミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第17の工程と、保護パターンを除去する第18の工程とを少なくとも備えたものである。
この製造方法によれば、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態となっている。また、可動構造体に形成された金属膜により反射面が構成される。
【0029】
上記光スイッチ装置の製造方法において、第15の工程の後、シリコン基板の裏面側より単結晶シリコン層に形成された開口部を介して保護パターンの一部を除去し、開口の面積が単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を保護パターンに形成し、この後、第2金属膜を形成するようにしてもよい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。なお、以降では、主に光スイッチ装置の1構成単位であるスイッチ素子を構成する1つのミラー部分や、このミラーを組み込んだ1つのスイッチ素子を図面に示し、本発明の実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
はじめに、本発明の実施の形態1について説明する。図1,2,3,4は、本実施の形態における製造方法例を示す工程図である。
図1(a)に示すように、面方位が(100)であるシリコン基板101の上に、膜厚1μmの酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層102と、膜厚10μmのシリコン単結晶層(SOI層)103とが形成されているSOI基板を用意する。
【0031】
次いで、例えばポリイミドやポリベンゾオキサゾールなどの有機材料を塗布することで、シリコン基板101の裏面に、裏面の損傷などを防ぐための保護膜104を形成する。上記有機材料を塗布して膜厚5μm程度の塗布膜を形成し、1時間程度300℃に加熱して硬化することで保護膜104が形成できる。なお、本実施の形態において、保護膜104は、必ずしも必要なものではない。
【0032】
つぎに、図1(b)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術により、開口部105a,105bを備えたレジストパターン105を、SOI層103上に形成する。形成したレジストパターン105をマスクとし、例えばRIEなどの異方性エッチング処理を行い、図1(c)に示すようにSOI層103を加工(パターニング)する。
【0033】
ここで、パターニングされたSOI層103には、図1(d)の平面図に示すように、枠部130の開口部内に一対の連結部161で回動可能に連結された可動枠131と、可動枠131の開口部内に一対のミラー連結部162で回動可能に連結されたミラー132とが、形成された状態となる。連結部161及びミラー連結部162は、例えばトーションバネである。
【0034】
可動枠131は、一対の連結部161を通る可動枠回動軸を中心に回動し、ミラー132は一対のミラー連結部162を通るミラー回動軸を中心に回動する。例えば、可動枠回動軸とミラー回動軸とは直交する。この場合、ミラー132は、可動枠回動軸とミラー回動軸とによる2軸動作が可能となる。なお、図では、円形のミラー132を例示しているが、これに限るものではなく、矩形のミラーであっても良い。また、図では、リング状の可動枠131を例示したが、これに限るものではなく、矩形の枠状の可動枠であってもよい。
【0035】
つぎに、レジストパターン105を、例えば酸素ガスのプラズマに曝すなどのアッシング処理により除去し、図2(a)に示すように、加工したSOI層103の表面を露出させる。ここで、SOI層103に、可動枠131及びミラー132が形成された状態となっているが、これらは、埋め込み絶縁層102の存在により固定されている。従って、この段階では、可動枠131やミラー132が動くことによる各連結部の破損や、ミラー132の欠損などが実質的に起きない状態となっている。
【0036】
次いで、図2(b)に示すように、シート状の基材(第1基材)201上に形成した感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜(第1樹脂膜)202を、SOI層103の上に貼り付ける。基材201には、予め樹脂膜202を回転塗布などにより形成しておく。基材201は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜202には、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどを基質とした感光性を有する材料を用いればよい。
【0037】
樹脂膜202の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材201とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜202を加熱し、樹脂膜202をSOI層103に接着した。上記真空度は、10Torrとし、荷重は10kgとし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0038】
この後、SOI層103に接着した樹脂膜202より基材201を剥がし、図2(c)に示すように、SOI層103上に、膜厚15μmの樹脂膜202が形成(転写)された状態とする。以上に示した貼り合わせによる樹脂膜202の形成は、STP(Spin coating film Transfer and Hot pressing)とよればるものである。
【0039】
樹脂膜は、この溶液をシリコン基板101の上に回転塗布することなどにより形成することも可能ではあるが、溶液の回転塗布により樹脂膜を形成した場合、SOI層103に形成したミラー132や可動枠131の間の開口部が、樹脂膜で埋め込まれた状態となる。これに対し、上述した貼り合わせによる形成では、上記開口部を埋めることなく空間として残したまま、SOI層103の上に樹脂膜202を形成することが可能となる。
【0040】
つぎに、形成した樹脂膜202に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図2(d)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン203を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、保護パターン203を熱硬化させる。この後、例えば酸素ガスのプラズマに曝すなどのアッシング処理により保護膜104を除去し、図2(e)に示すように、シリコン基板101の裏面を露出させる。
【0041】
つぎに、図3(a)に示すように、シート状の基材(第2基材)301上に形成した感光性を有する樹脂膜(第2樹脂膜)302を、シリコン基板101の裏面に貼り付ける。基材301には、予め樹脂膜302を回転塗布などにより形成しておく。基材301は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜302は、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどを基質とした感光性を有する材料である。
【0042】
樹脂膜302の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材301とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜302を加熱し、樹脂膜302をシリコン基板101の裏面に接着した。上記真空度は、10Torrとし、荷重は10kgとし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0043】
この後、シリコン基板101の裏面に接着した樹脂膜302より基材301を剥がし、図3(b)に示すように、シリコン基板101の裏面に、膜厚15μmの樹脂膜302が形成(転写)された状態とする。なお、この場合、シリコン基板101の裏面には、開口部などのパターンが無く、また、SOI層103に形成されている可動構造体は、保護パターン203により保護固定されている。従って、樹脂膜302は、例えば回転塗布法などにより形成するようにしてもよい。
【0044】
つぎに、形成した樹脂膜302に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図3(c)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域が開口したマスクパターン303を形成する。
つぎに、例えばRIEなどの異方性エッチングにより、マスクパターン303をマスクとしてシリコン基板101の裏面をエッチングし、図3(d)に示すように、シリコン基板101に基板開口部101aを形成する。
【0045】
引き続き、基板開口部101aが形成されたシリコン基板101をマスクとし、緩衝フッ酸液で埋め込み絶縁層102をエッチングし、図3(e)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を露出させる。この後、図3(f)に示すように、アルカリ性の溶液に溶解させることによりマスクパターン303を除去する。マスクパターン303は、熱硬化させていないので、アルカリ性の溶液に可溶な状態となっている。一方、保護パターン203は、熱硬化させているので、アルカリ性の溶液に、ほぼ不溶な状態となっている。
【0046】
以上のことにより、回動可能な可動枠131及び回動可能なミラー132が形成されたミラー基板が得られる。ここで、図3(e)に示す工程以降では、これ以前では可動枠131及びミラー132を固定していた埋め込み絶縁層102が、除去されて無くなる。しかしながら、本実施の形態では、可動枠131及びミラー132などの可動構造体が、保護パターン203により固定されいるので、可動枠131やミラー132が動くことによる各連結部の破損や、ミラー132の欠損などが実質的に起きない状態が維持されている。
【0047】
つぎに、図4(a)に示すように、シリコン基板101の裏面に、基板開口部101aを塞ぐようにマウントフィルム401を貼り付ける。マウントフィルム401は、シリコン基板101のダイシングの際、シリコン基板101をフレームに固定するのに使用する粘着フィルムである。上記フレームは、ダイシング装置に固定される治具である。
【0048】
この後、シリコン基板101が貼り付けてあるマウントフィルム401をフレーム(図示せず)に貼り付け、このフレームをダイシング装置(図示せず)に固定し、シリコン基板101をダイシングしてミラーチップに切り出す。
このとき、SOI層103に形成されている可動枠131やミラー132には、ダイシングによる振動や衝撃が加わるが、保護パターン203により固定されているため、これらの破損や欠損などが抑制されるようになる。
【0049】
また、ダイシング時には、切削粉などのダストが大量に発生し、これらがミラー132に付着して反射率を低下させる要因となる。しかしながら、本実施の形態によれば、保護パターン203とマウントフィルム401とによりミラー132は覆われた状態となっているため、ダイシングなどの工程におけるミラー132に対するダストの付着は発生しない。
【0050】
以上のようにしてシリコン基板101をチップに切り出した後、図4(b)に示すように、予め用意してある電極チップ402に、切り出したミラーチップ403を貼り付ける。電極チップ402は、基体411の上に枠部412に囲われた凹部413が形成されたものであり、凹部413の底部には、ミラー132を回動動作させるための電極部414が形成されている。
保護パターン203に覆われた可動構造体の領域の周囲のSOI層103の表面に、枠部412の上面を接合させることで、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせる。
【0051】
保護パターン203は、SOI層103の表面において、ミラー132や可動枠131の形成されている領域より、枠部130の一部に懸かる程度に形成されているので、可動枠131の外側の多くの領域では、SOI層103の表面が露出している。従って、電極チップ402の枠部412の上面にSOI層103の表面を接合させることは容易である。なお、保護パターン203の膜厚は、図4(b)に示すように、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせた状態で、電極チップ402の凹部413内に収まる程度となっていればよい。
【0052】
次いで、ミラーチップ403が一体にされた電極チップ402を、図示しないパッケージに収容して固定し、パッケージ内の端子と電極チップ402の図示してない領域に形成されている端子とを、例えばワイヤにより接続する。ここで、パッケージ内の端子の部分や上記ワイヤなどを、ポッティング樹脂などにより封入するようにしてもよい。
次いで、マウントフィルム401を除去し、図4(c)に示すように、シリコン基板101の基板開口部101aの内部を開放し、ミラー132のシリコン基板101側の面が外部に露出した状態とする。
【0053】
この後、SOI層103の、枠部130と可動枠131との間の開口部や、可動枠131とミラー132との間の開口部などを通し、例えば酸素ガスのプラズマを用いたアッシングにより保護パターン203を除去する。このことにより、図4(d)に示すように、電極部414の上に回動可能にミラー132が配置された光スイッチ装置が得られる。
【0054】
[実施の形態2]
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
前述した実施の形態の図1(a)〜図3(f)と同様の工程により、図5(a)に示すように、シリコン基板101の上に、回動可能な可動枠131及び回動可能なミラー132が形成されたミラー基板が形成され、これらが、保護パターン203により保護された状態とする。
【0055】
つぎに、例えば酸素のプラズマを用いた等方的なドライエッチングにより、シリコン基板101の基板開口部101a側から、保護パターン203をエッチングする。保護パターン203の基板開口部101a側には、SOI層103があるが、枠部130と可動枠131の間及び可動枠131とミラー132の間の開口領域では、保護パターン203の裏面が露出している。従って、この露出面から上述した等方的なエッチングにより、保護パターン203を例えば2μm程度エッチング除去することで、図5(b)に示すように、溝部203aを形成する。
【0056】
保護パターン203は、膜厚が15μm程度なので、深さ2μm程度の溝部203aを形成しても、貫通することはない。従って、溝部203aを形成しても、枠部131やミラー132は、保護パターン203により固定された状態が保持される。また、等方的なエッチングでは、保護パターン203の厚さ方向だけでなく、図5の紙面左右方向などすべての方向にエッチングが進行する。従って、溝部203aは、断面が円の一部のように形成され、保護パターン203とSOI層103との界面では、SOI層103の開口部の幅より広く、溝部203aが形成される。
【0057】
次いで、図5(c)に示すように、シリコン基板101の基板開口部101a側から、スパッタ法や蒸着法などにより金属を堆積し、金属膜501を形成する。例えば、チタンを膜厚0.05μm程度蒸着し、金を膜厚0.05μm程度蒸着することで、金属膜501を形成する。上述した金属の堆積により、シリコン基板101の裏面、基板開口部101aの内部に露出するSOI層103の裏面、すなわち、可動枠131及びミラー132の裏面に金属膜501が形成される。
【0058】
また、金属膜501は、枠部130と可動枠131との間の開口領域側部や可動枠131とミラー132と間の開口領域側部、言い換えると、枠部130の側面,可動枠131の側面,及び,ミラー132の側面にも形成される。加えて、これら開口領域から見込める溝部203aの底面にも、同様に金属膜501aが形成される場合がある。しかしながら、上記開口領域から見込めない領域の溝部203aには、金属膜は形成されない。このため、金属膜501aと金属膜501とは分離された状態で形成される。
【0059】
つぎに、図4(a)〜図4(c)に示した工程と同様にして、シリコン基板101の裏面に、基板開口部101aを塞ぐようにマウントフィルムを貼り付け、これらをフレームに貼り付け、このフレームをダイシング装置に固定し、シリコン基板101をダイシングしてミラーチップに切り出す。このとき、SOI層103に形成されている可動枠131やミラー132には、ダイシングによる振動や衝撃が加わるが、保護パターン203により固定されているため、これらの破損や欠損などが抑制される。
【0060】
また、ダイシング時には、切削粉などのダストが大量に発生し、これらがミラー132に付着して反射率を低下させる要因となる。しかしながら、保護パターン203とマウントフィルムとによりミラー132は覆われた状態となっているため、ダイシングなどの工程におけるミラー132に対するダストの付着は発生しない。
【0061】
以上のようにしてシリコン基板101をチップに切り出した後、予め用意してある電極チップ402に、切り出したミラーチップ403を貼り付ける。電極チップ402は、基体411の上に枠部412に囲われた凹部413が形成されたものであり、凹部413の底部には、ミラー132を回動動作させるための電極部414が形成されている。保護パターン203に覆われた可動構造体の領域の周囲のSOI層103の表面に、枠部412の上面を接合させることで、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせる。
【0062】
保護パターン203は、SOI層103の表面において、ミラー132や可動枠131の形成されている領域より、枠部130の一部に懸かる程度に形成されているので、可動枠131の外側の多くの領域では、SOI層103の表面が露出している。従って、電極チップ402の枠部412の上面にSOI層103の表面を接合させることは容易である。
【0063】
次いで、ミラーチップ403が一体にされた電極チップ402を、所定のパッケージに収容して固定し、パッケージ内の端子と電極チップ402の図示してない領域に形成されている端子とを、例えばワイヤにより接続する。ここで、パッケージ内の端子の部分や上記ワイヤなどを、ポッティング樹脂などにより封入するようにしてもよい。
次いで、マウントフィルムを除去し、シリコン基板101の基板開口部101aの内部を開放し、ミラー132のシリコン基板101側の面が外部に露出した状態とする。
【0064】
この後、SOI層103の、枠部130と可動枠131との間の開口部や、可動枠131とミラー132との間の開口部などを通し、例えば酸素ガスのプラズマを用いたアッシングにより保護パターン203を除去する。ここで、前述したように、保護パターン203の溝部203a内部にまで金属膜501aが形成される場合でも、金属膜501aと金属膜501とは分離された状態で形成されるので、この分離されている間より、保護パターン203をアッシング除去することが可能となる。
以上の工程により、図5(d)に示すように、金属膜501が形成されたミラー132が、電極部414の上に回動可能に配置された光スイッチ装置が得られる。
【0065】
[実施の形態3]
ところで、図6(a)に示すように、上述したように反射率を向上させるための金属膜601を厚く形成する場合、溝部203aの内部に付着する金属膜601aも厚く形成される。このような場合、基板開口部101a側からのアッシング処理では、保護パターン203を除去しにくい状態となる。
この場合、まず、保護パターン203が形成されている側より保護パターン203をアッシングし、図6(a)に示すように、保護パターン203を除去した後、再度、図6(c)に示すように、シート状の基材602上に形成した感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜603を、SOI層103の上に貼り付ける。
【0066】
次いで、SOI層103に貼り付けた樹脂膜603より基材602を剥がし、SOI層103上に、膜厚15μmの樹脂膜603が形成(転写)された状態とする。つぎに、形成した樹脂膜603に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図6(d)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン604を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、保護パターン604を熱硬化させる。
【0067】
この後、図4(a)〜図4(d)に示した工程と同様にすることで、図5(d)と同様に、金属膜601が形成されたミラー132が、電極部414の上に可動可能に配置された光スイッチ装置が得られる。
上述した樹脂膜603は、樹脂の溶液を回転塗布することなどにより形成することも可能であるが、回転塗布では、可動枠131やミラー132及びこれらを連結する各連結部などの可動構造体が、回転による振動や衝撃などで破損するなどの問題が発生する。これに対し、本実施の形態では、貼り合わせにより樹脂膜603を形成しているので、可動構造体の破損が発生し難い。
【0068】
[実施の形態4]
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
前述した実施の形態の図1(a)〜図2(b)と同様の工程により、図7(a)に示すように、シリコン基板101の埋め込み絶縁層102の上に、可動枠131及びミラー132が形成されたミラー基板が形成され、これに、シート状の基材201上に形成された感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜202が貼り付けられた状態とする。
【0069】
つぎに、図7(b)に示すように、シリコン基板101裏面の保護膜104を除去し、シート状の基材上に形成した感光性を有する樹脂膜701を、シリコン基板101の裏面に貼り付け、基材を剥がすことで、図7(c)に示すように、シリコン基板101の裏面に樹脂膜701が形成された状態とする。樹脂膜701は、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどを基質とした感光性を有する材料である。
【0070】
つぎに、形成した樹脂膜701に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図7(d)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域が開口したマスクパターン702を形成する。ここで、マスクパターン702は、加熱して熱硬化させてもよい。
【0071】
つぎに、例えばRIEなどの異方性エッチングにより、マスクパターン702をマスクとしてシリコン基板101の裏面をエッチングして基板開口部101aを形成し、引き続き、基板開口部101aが形成されたシリコン基板101をマスクとし、緩衝フッ酸液で埋め込み絶縁層102をエッチングし、図8(a)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を露出させる。
【0072】
次いで、シリコン基板101の基板開口部101a側より、例えば、酸素ガスのプラズマを用いたエッチング処理を行う。このことにより、図8(b)に示すように、マスクパターン702を除去するとともに、枠部130と可動枠131の間及び可動枠131とミラー132の間の開口領域を通し、樹脂膜202に開口領域202aを形成する。
【0073】
つぎに、図8(c)に示すように、シリコン基板101の基板開口部101a側から、スパッタ法や蒸着法などにより金属を堆積し、金属膜501を形成する。例えば、チタンを膜厚0.05μm程度蒸着し、金を膜厚0.05μm程度蒸着することで、金属膜501を形成する。上述した金属の堆積により、シリコン基板101の裏面、基板開口部101aの内部に露出するSOI層103の裏面、すなわち、可動枠131及びミラー132の裏面に金属膜501が形成される。
【0074】
また、金属膜501は、枠部130と可動枠131との間の開口領域側部や可動枠131とミラー132と間の開口領域側部、言い換えると、枠部130の側面,可動枠131の側面,及び,ミラー132の側面にも形成される。しかしながら、枠部130と可動枠131との間の開口領域や可動枠131とミラー132と間の開口領域は、樹脂膜202の開口領域に貫通しているため、枠部130と可動枠131との間の開口領域や可動枠131とミラー132と間の開口領域が、金属膜501で塞がれることがない。
【0075】
次いで、図8(d)に示すように、基材201を剥がして除去すれば、枠部130と可動枠131との間の開口領域や可動枠131とミラー132と間の開口領域が開放した状態で、金属膜501が形成された状態となる。
この後、樹脂膜202を除去し、新たに、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン801を形成する。保護パターン801は、300℃の加熱を1時間加えることで熱硬化させる。
【0076】
この後、図3(e),図4(a)〜図4(d)に示した工程と同様にすることで、図5(d)に示すように、金属膜501が形成されたミラー132が、電極部414の上に回動可能に配置された光スイッチ装置が得られる。
【0077】
[実施の形態5]
つぎに、本発明の他の実施の形態について、図9〜図12を用いて説明する。まず、図9(a)に示すように、面方位が(100)であるシリコン基板101の上に、膜厚1μmの酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層102と、膜厚10μmのシリコン単結晶層(SOI層)103とが形成されているSOI基板を用意する。
【0078】
次いで、例えばポリイミドやポリベンゾオキサゾールなどの有機材料を塗布することで、シリコン基板101の裏面に、裏面の損傷などを防ぐための保護膜104を形成する。上記有機材料を塗布して膜厚5μm程度の塗布膜を形成し、1時間程度300℃に加熱して硬化することで保護膜104が形成できる。
【0079】
つぎに、図9(b)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術により、開口部105a,105bを備えたレジストパターン105を、SOI層103上に形成する。形成したレジストパターン105をマスクとし、例えばRIEなどの異方性エッチング処理を行い、図9(c)に示すようにSOI層103を加工(パターニング)する。
【0080】
ここで、パターニングされたSOI層103には、枠部130の開口部内に一対の連結部(図示せず)で回動可能に連結された可動枠131と、可動枠131の開口部内に一対のミラー連結部(図示せず)で回動可能に連結されたミラー132とが、形成された状態となる。連結部及びミラー連結部は、例えばトーションバネである。
引き続き、レジストパターン105及びパターニングされたSOI層103をマスクとし、例えば緩衝フッ酸液を用いたウエットエッチング処理により、図9(d)に示すように、埋め込み絶縁層102をエッチングする。
【0081】
さらに、レジストパターン105,パターニングされたSOI層103及び埋め込み絶縁層102をマスクとし、例えばRIEなどの異方性エッチング処理を行い、図9(e)に示すように、シリコン基板101を保護膜104までエッチングする。これら一連の処理により、SOI層103よりシリコン基板101の裏面にまで到達する開口領域が形成される。
【0082】
つぎに、例えば酸素のプラズマを用いたアッシング処理によりレジストパターン105を処理した後、図9(f)に示すように、スパッタ法や蒸着法により、SOI層103上に金属膜901を形成する。例えば、チタンを膜厚0.05μm程度蒸着し、金を膜厚0.05μm程度蒸着することで、金属膜901を形成する。このとき、SOI層103よりシリコン基板101の裏面にまで到達する開口領域は、幅2μm程度と狭いが、深さは10μm以上と深く、高いアスペクト比となっている。このため、上述した金属の堆積では、SOI層103よりシリコン基板101の裏面にまで到達する開口領域の側面において、金属膜901が保護膜104にまで達することはない。
【0083】
次いで、図10(a)に示すように、シート状の基材902上に形成した感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜903を、金属膜901上に貼り付ける。基材902には、予め樹脂膜903を回転塗布などにより形成しておく。基材902は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。
樹脂膜903の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材902とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜903を加熱し、樹脂膜903を金属膜901に接着した。
【0084】
この後、金属膜901に接着した樹脂膜903より基材902を剥がし、図10(b)に示すように、金属膜901の上に、膜厚15μmの樹脂膜903が形成(転写)された状態とする。樹脂膜は、樹脂の溶液を回転塗布することなどにより形成することも可能ではあるが、溶液の回転塗布により樹脂膜を形成した場合、SOI層103に形成したミラー132や可動枠131の間の開口部が、樹脂膜で埋め込まれた状態となる。これに対し、上述した貼り合わせによる形成では、上記開口部を埋めることなく空間として残したまま、金属膜901の上に樹脂膜903を形成することが可能となる。
【0085】
つぎに、形成した樹脂膜903に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図9(c)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン904を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、保護パターン904を熱硬化させる。この後、例えば酸素ガスのプラズマに曝すなどのアッシング処理により保護膜104を除去し、図9(d)に示すように、シリコン基板101の裏面を露出させる。
【0086】
つぎに、図9(e)に示すように、シート状の基材905上に形成した感光性を有する樹脂膜906を、シリコン基板101の裏面に貼り付ける。基材905には、予め樹脂膜906を回転塗布などにより形成しておく。基材905は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。また、樹脂膜906には、例えば、ポリイミドやポリベンザオキサゾールなどを基質とした感光性を有する材料を用いればよい。
【0087】
樹脂膜906の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材905とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜906を加熱し、樹脂膜906をシリコン基板101の裏面に接着した。
この後、シリコン基板101の裏面に接着した樹脂膜906より基材905を剥がし、図11(a)に示すように、シリコン基板101の裏面に、膜厚15μmの樹脂膜906が転写された状態とする。
【0088】
つぎに、形成した樹脂膜906に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図11(b)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域が開口したマスクパターン907を形成する。
つぎに、例えばRIEなどの異方性エッチングにより、マスクパターン907をマスクとしてシリコン基板101の裏面をエッチングし、図11(c)に示すように、シリコン基板101に基板開口部101aを形成する。
【0089】
引き続き、基板開口部101aが形成されたシリコン基板101をマスクとし、緩衝フッ酸液で埋め込み絶縁層102をエッチングし、図11(d)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を露出させる。
【0090】
つぎに、例えば酸素のプラズマを用いた等方的なドライエッチングにより、シリコン基板101の基板開口部101a側から、保護パターン904をエッチングする。保護パターン904の基板開口部101a側には、SOI層103があるが、枠部130と可動枠131の間及び可動枠131とミラー132の間の開口領域では、保護パターン904の裏面が露出している。
【0091】
従って、この露出面から上述した等方的なエッチングにより、保護パターン904を例えば2μm程度エッチング除去することで、図11(e)に示すように、溝部904aを形成する。このとき同時に、マスクパターン907を除去するようにしてもよい。また、例えば、アルカリ性の溶液に溶解させる処理などの別のプロセスにより、マスクパターン907を除去するようにしてもよい。マスクパターン907を熱硬化させていなければ、アルカリ性の溶液に溶解させることが可能である。
【0092】
次いで、図12(a)に示すように、シリコン基板101の基板開口部101a側から、スパッタ法や蒸着法などにより金属を堆積し、金属膜1201を形成する。例えば、チタンを膜厚0.05μm程度蒸着し、金を膜厚0.05μm程度蒸着することで、金属膜1201を形成する。上述した金属の堆積により、シリコン基板101の裏面、基板開口部101aの内部に露出するSOI基板103の裏面、すなわち、可動枠131及びミラー132の裏面に金属膜1201が形成される。
【0093】
また、金属膜1201は、枠部130と可動枠131との間の開口領域側部や可動枠131とミラー132と間の開口領域側部、言い換えると、枠部130の側面,可動枠131の側面,及び,ミラー132の側面にも形成され、金属膜901に連続した状態となる。加えて、これら開口領域から見込める溝部904aの底面にも、同様に金属膜1201aが形成される場合がある。しかしながら、上記開口領域から見込めない領域の溝部904aには、金属膜は形成されない。このため、金属膜1201aと金属膜1201とは分離された状態で形成される。
【0094】
次いで、保護パターン904が形成されている側より保護パターン904をアッシングし、図12(b)に示すように、保護パターン904を除去した後、再度、図12(c)に示すように、シート状の基材(第3基材)1202上に形成した感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜(第3樹脂膜)1203を、金属膜901の上に貼り付ける。
【0095】
次いで、金属膜901に貼り付けた樹脂膜1203より基材1202を剥がし、金属膜901の上に、膜厚15μmの樹脂膜1203が転写された状態とする。つぎに、形成した樹脂膜1203に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図12(d)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン1204を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、保護パターン1204を熱硬化させる。
【0096】
つぎに、図4(a)〜図4(c)に示した工程と同様にして、金属膜1201が形成されているシリコン基板101の裏面に、基板開口部101aを塞ぐようにマウントフィルムを貼り付け、これらをフレームに貼り付け、このフレームをダイシング装置に固定し、シリコン基板101をダイシングしてミラーチップに切り出す。このとき、SOI層103に形成されている可動枠131やミラー132には、ダイシングによる振動や衝撃が加わるが、保護パターン1204により固定されているため、これらの破損や欠損などが抑制される。
【0097】
また、ダイシング時には、切削粉などのダストが大量に発生し、これらがミラー132に付着して反射率を低下させる要因となる。しかしながら、保護パターン1204とマウントフィルムとによりミラー132は覆われた状態となっているため、ダイシングなどの工程におけるミラー132に対するダストの付着は発生しない。
【0098】
以上のようにしてシリコン基板101をチップに切り出した後、予め用意してある電極チップ402に、切り出したミラーチップ403を貼り付ける。電極チップ402は、基体411の上に枠部412に囲われた凹部413が形成されたものであり、凹部413の底部には、ミラー132を回動動作させるための電極部414が形成されている。保護パターン1204に覆われた可動構造体の領域の周囲のSOI層103の表面に、枠部412の上面を接合させることで、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせる。
【0099】
保護パターン1204は、SOI層103の表面において、ミラー132や可動枠131の形成されている領域より、枠部130の一部に懸かる程度に形成されているので、可動枠131の外側の多くの領域では、SOI層103の表面が露出している。従って、電極チップ402の枠部412の上面にSOI層103の表面を接合させることは容易である。
【0100】
次いで、ミラーチップ403が一体にされた電極チップ402を、所定のパッケージに収容して固定し、パッケージ内の端子と電極チップ402の図示してない領域に形成されている端子とを、例えばワイヤにより接続する。ここで、パッケージ内の端子の部分や上記ワイヤなどを、ポッティング樹脂などにより封入するようにしてもよい。
次いで、マウントフィルムを除去し、シリコン基板101の基板開口部101aの内部を開放し、ミラー132のシリコン基板101側の面が外部に露出した状態とする。
【0101】
この後、SOI層103の、枠部130と可動枠131との間の開口部や、可動枠131とミラー132との間の開口部などを通し、例えば酸素ガスのプラズマを用いたアッシングにより保護パターン1204を除去する。
以上の工程により、図12(e)に示すように、金属膜901及び金属膜1201が形成されたミラー132が、電極部414の上に回動可能に配置された光スイッチ装置が得られる。本実施の形態によれば、金属膜901により、ミラー132などの部分を電極チップ402に電気的に接続することが可能となる。このことにより、例えば、ミラー132の表面や裏面の電位をフローティングとすることなく、外部から所望の電位に制御することが可能となる。
【0102】
[実施の形態6]
つぎに、本発明の他の実施の形態について説明する。
まず、図13(a)に示すように、面方位が(100)であるシリコン基板101の上に、膜厚1μmの酸化シリコンからなる埋め込み絶縁層102と、膜厚10μmのシリコン単結晶層(SOI層)103とが形成されているSOI基板を用意する。
【0103】
次いで、例えばポリイミドやポリベンゾオキサゾールなどの有機材料を塗布することで、シリコン基板101の裏面に、裏面の損傷などを防ぐための保護膜104を形成する。上記有機材料を塗布して膜厚5μm程度の塗布膜を形成し、1時間程度300℃に加熱して硬化することで保護膜104が形成できる。なお、本実施の形態において、保護膜104は、必ずしも必要なものではない。
【0104】
つぎに、図13(b)に示すように、公知のフォトリソグラフィ技術により、開口部105a,105bを備えたレジストパターン105を、SOI層103上に形成する。形成したレジストパターン105をマスクとし、例えばRIEなどの異方性エッチング処理を行い、図13(c)に示すようにSOI層103を加工(パターニング)する。
【0105】
ここで、パターニングされたSOI層103には枠部130の開口部内に一対の連結部(図示せず)で回動可能に連結された可動枠131と、可動枠131の開口部内に一対のミラー連結部(図示せず)で回動可能に連結されたミラー132とが、形成された状態となる。連結部及びミラー連結部は、例えばトーションバネである。
【0106】
つぎに、例えば酸素ガスのプラズマに曝すなどのアッシング処理により、図13(d)に示すように、レジストパターン105及び保護膜104を同時に除去する。ここで、SOI層103に、可動枠131及びミラー132が形成された状態となっているが、これらは、埋め込み絶縁層102の存在により固定されいる。従って、この段階では、可動枠131やミラー132が動くことによる各連結部の破損や、ミラー132の欠損などが実質的に起きない状態となっている。
【0107】
次いで、図13(e)に示すように、シート状の基材201上に形成した感光性を有する膜厚15μm程度の樹脂膜202を、SOI層103の上に貼り付ける。基材201には、予め樹脂膜202を回転塗布などにより形成しておく。基材201は、例えばフッ素樹脂から構成すればよい。
【0108】
樹脂膜202の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材201とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜202を加熱し、樹脂膜202をSOI層103に接着した。上記真空度は、10Torrとし、荷重は10kgとし、加熱温度は100℃とし、荷重及び加熱は約1分間程度加えればよい。
【0109】
この後、SOI層103に接着した樹脂膜202より基材201を剥がし、SOI層103上に、膜厚15μmの樹脂膜202が形成(転写)された状態とする。つぎに、形成した樹脂膜202に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図13(f)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を覆う状態の保護パターン203を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、保護パターン203を熱硬化させる。
【0110】
つぎに、図14(a)に示すように、シート状の基材301上に形成した感光性を有する樹脂膜302を、シリコン基板101の裏面に貼り付ける。基材301には、予め樹脂膜302を回転塗布などにより形成しておく。
樹脂膜302の貼り合わせにおいては、シリコン基板101を、所定の真空度に真空排気された容器内に配置し、シリコン基板101と基材301とに間に荷重を加え、かつ樹脂膜302を加熱し、樹脂膜302をシリコン基板101の裏面に接着した。
【0111】
この後、シリコン基板101の裏面に接着した樹脂膜302より基材301を剥がし、シリコン基板101の裏面に、膜厚15μmの樹脂膜302が形成(転写)された状態とする。
これらは、図3(a)に示した工程と同様であり、樹脂膜302は、例えば回転塗布法などにより形成するようにしてもよい。
【0112】
次いで、形成した樹脂膜302に露光及び現像などの公知のフォトリソグラフィ技術による処理を施すことで、図14(b)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域が開口したマスクパターン303を形成する。上記処理の後、300℃の加熱を1時間加えることで、マスクパターン303を熱硬化させる。
【0113】
つぎに、例えばRIEなどの異方性エッチングにより、マスクパターン303をマスクとしてシリコン基板101の裏面をエッチングし、シリコン基板101に基板開口部101aを形成する。引き続き、基板開口部101aが形成されたシリコン基板101をマスクとし、緩衝フッ酸液で埋め込み絶縁層102をエッチングし、図14(c)に示すように、SOI層103のミラー132及び可動枠131などの可動構造体が形成されている部分が含まれる領域を露出させる。
【0114】
つぎに、図14(d)に示すように、シリコン基板101の裏面のマスクパターン303上に、基板開口部101aを塞ぐようにマウントフィルム401を貼り付ける。マウントフィルム401は、シリコン基板101のダイシングの際、シリコン基板101をフレームに固定するのに使用する粘着フィルムである。上記フレームは、ダイシング装置に固定される治具である。
【0115】
この後、シリコン基板101(マスクパターン303)が貼り付けてあるマウントフィルム401をフレーム(図示せず)に貼り付け、このフレームをダイシング装置(図示せず)に固定し、シリコン基板101をダイシングしてミラーチップに切り出す。
このとき、SOI層103に形成されている可動枠131やミラー132には、ダイシングによる振動や衝撃が加わるが、保護パターン203により固定されているため、これらの破損や欠損などが抑制されるようになる。
【0116】
また、ダイシング時には、切削粉などのダストが大量に発生し、これらがミラー132に付着して反射率を低下させる要因となる。しかしながら、本実施の形態によれば、保護パターン203とマウントフィルム401とによりミラー132は覆われた状態となっているため、ダイシングなどの工程におけるミラー132に対するダストの付着は発生しない。
【0117】
以上のようにしてシリコン基板101をチップに切り出した後、図15(a)に示すように、予め用意してある電極チップ402に、切り出したミラーチップ403を貼り付ける。電極チップ402は、基体411の上に枠部412に囲われた凹部413が形成されたものであり、凹部413の底部には、ミラー132を回動動作させるための電極部414が形成されている。
保護パターン203に覆われた可動構造体の領域の周囲のSOI層103の表面に、枠部412の上面を接合させることで、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせる。
【0118】
保護パターン203は、SOI層103の表面において、ミラー132や可動枠131の形成されている領域より、枠部130の一部に懸かる程度に形成されているので、可動枠131の外側の多くの領域では、SOI層103の表面が露出している。従って、電極チップ402の枠部412の上面にSOI層103の表面を接合させることは容易である。なお、保護パターン203の膜厚は、図15(a)に示すように、電極チップ402とミラーチップ403とを貼り合わせた状態で、電極チップ402の凹部413内に収まる程度となっていればよい。
【0119】
次いで、ミラーチップ403が一体にされた電極チップ402を、図示しないパッケージに収容して固定し、パッケージ内の端子と電極チップ402の図示してない領域に形成されている端子とを、例えばワイヤにより接続する。ここで、パッケージ内の端子の部分や上記ワイヤなどを、ポッティング樹脂などにより封入するようにしてもよい。
次いで、マウントフィルム401を除去し、図15(b)に示すように、シリコン基板101の基板開口部101aの内部を開放し、ミラー132のシリコン基板101側の面が外部に露出した状態とする。
【0120】
この後、SOI層103の、枠部130と可動枠131との間の開口部や、可動枠131とミラー132との間の開口部などを通し、例えば酸素ガスのプラズマを用いたアッシングにより保護パターン203を除去する。同時にマスクパターン303も除去する。このことにより、図15(c)に示すように、電極部414の上に回動可能にミラー132が配置された光スイッチ装置が得られる。
【0121】
本実施の形態では、図1〜図4に示した実施の形態とほぼ同様であるが、レジストパターン105と保護膜104とを同時に除去し、また、マスクパターン303を、保護パターン203と同時に除去するようにしたので、工程の短縮が図れるようになる。
なお、上述した実施の形態において、可動枠及びミラーから可動構造体が構成されている例について説明したが、これに限るものではない、枠部に一対の連結部を介してミラーが連結された、1軸動作のミラーを備える場合であっても同様であることはいうまでもない。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、感光性を有する樹脂膜を貼り合わせにより形成し、これをフォトリソグラフィ技術により加工して保護パターンを形成し、この保護パターンにより、ミラーや可動枠などの可動構造体を固定するようにした。また、感光性を有する樹脂膜を貼り合わせにより形成し、これをフォトリソグラフィ技術により加工してマスクパターンを形成し、このマスクパターンをマスクとしてシリコン基板の裏面に開口部を形成して可動構造体の裏面を露出させ、可動構造体を回動可能な状態とした。加えて、可動構造体は、シリコン基板側も露出されて回動可能な状態となっても、保護パターンが除去されるまでは、保護パターンにより固定された状態とした。
【0123】
従って、保護パターンやマスクパターンを形成するための感光性を有する樹脂膜を形成するときに、回転などによる振動が加わることがない。また、回動可能な可動構造を形成した後、チップに切り出すなどの振動が加わる段階では、保護パターンが形成されており、可動構造体が保護された状態となっている。
これらのことにより、本発明によれば、可動構造体の破損などを防げ、良品歩留まりの高い状態でミラー基板及びこれを用いた光スイッチ装置を製造できるという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図2】図1に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図3】図2に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図4】図3に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図7】本発明の他の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図8】図7に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図9】本発明の他の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図10】図9に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図11】図10に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図12】図11に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図13】本発明の他の実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図14】図13に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図15】図14に続く実施の形態における製造方法を説明するための工程図である。
【図16】従来よりある光スイッチ装置の製造方法を説明するための工程図である。
【符号の説明】
101…シリコン基板、102…埋め込み絶縁層、103…シリコン単結晶層(SOI層)、104…保護膜、105…レジストパターン、105a,105b…開口部、130…枠部、131…可動枠、132…ミラー、161…連結部、162…ミラー連結部、201…基材(第1基材)、202…樹脂膜(第1樹脂膜)、203…保護パターン、301…基材(第2基材)、302…樹脂膜(第2樹脂膜)、401…マウントフィルム、402…電極チップ、403…ミラーチップ、411…基体、412…枠部、413…凹部、414…電極部。

Claims (12)

  1. 一部に反射面が形成された可動構造体を備えたミラー基板の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第10の工程と、
    前記保護パターンを除去する第11の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  2. 一部に反射面が形成された可動構造体を備えたミラー基板の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第10の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に金属膜を形成する第11の工程と、
    前記保護パターンを除去する第12の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  3. 請求項2記載のミラー基板の製造方法において、
    前記第10の工程の後、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記保護パターンの一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を前記保護パターンに形成し、
    この後、前記金属膜を形成する
    ことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  4. 一部に反射面が形成された可動構造体を備えたミラー基板の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付け、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第4の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第5の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第6の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第7の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第8の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記第1樹脂膜の一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広く、前記第1基材にまで貫通する開口部を前記第1樹脂膜に形成する第9の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に金属膜を形成する第10の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離した後、前記第1樹脂膜を除去する第11の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  5. 一部に反射面が形成された可動構造体を備えたミラー基板の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記シリコン基板の裏面に保護膜を形成する第2の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングしてパターンを形成し、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第4の工程と、
    前記第1マスクパターン及び前記単結晶シリコン層に形成されたパターンをマスクとして前記埋め込み絶縁層をエッチングしてパターンを形成する第5の工程と、
    前記第1マスクパターン,前記単結晶シリコン層に形成されたパターン,及び前記埋め込み絶縁層に形成されたパターンをマスクとして前記シリコン基板をエッチングしてパターンを形成する第6の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、前記単結晶シリコン層の表面側より金属を堆積することで前記単結晶シリコン層の表面に第1金属膜を形成する第7の工程と、
    感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の上の前記第1金属膜の表面に貼り付ける第8の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の上の前記第1金属膜の表面に形成された状態とする第9の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記第1金属膜を介して前記保護パターンに固定された状態とする第10の工程と、
    前記保護膜を除去した後、感光性を有する第2樹脂膜が形成された第2基材を用意し、この第2基材に形成された前記第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に貼り付ける第11の工程と、
    前記第2基材を前記第2樹脂膜より剥離することで、前記第2樹脂膜が前記シリコン基板の裏面に形成された状態とする第12の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第13の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第14の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第15の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第16の工程と、
    前記保護パターンを除去する第17の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  6. 請求項5記載のミラー基板の製造方法において、
    前記第15の工程の後、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記保護パターンの一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を前記保護パターンに形成し、
    この後、前記第2金属膜を形成する
    ことを特徴とするミラー基板の製造方法。
  7. 一部に反射面が形成された可動構造体の回動により前記反射面を変位させて光スイッチ動作を行う光スイッチ装置の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第10の工程と、
    予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、前記可動構造体と前記ミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第11の工程と、
    前記保護パターンを除去する第12の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
  8. 一部に反射面が形成された可動構造体の回動により前記反射面を変位させて光スイッチ動作を行う光スイッチ装置の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第4の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第5の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記保護パターンに固定された状態とする第6の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第7の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第8の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第9の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第10の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に金属膜を形成する第11の工程と、
    予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、前記可動構造体と前記ミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第12の工程と、
    前記保護パターンを除去する第13の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
  9. 請求項8記載の光スイッチ装置の製造方法において、
    前記第10の工程の後、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記保護パターンの一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を前記保護パターンに形成し、
    この後、前記金属膜を形成する
    ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
  10. 一部に反射面が形成された可動構造体を備えた光スイッチ装置の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第2の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングし、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付け、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第4の工程と、
    感光性を有する第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に形成する第5の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第6の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第7の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第8の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記第1樹脂膜の一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広く、前記第1基材にまで貫通する開口部を前記第1樹脂膜に形成する第9の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に金属膜を形成する第10の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離した後、前記第1樹脂膜を除去する第11の工程と、
    感光性を有する第3樹脂膜が形成された第3基材を用意し、この第3基材に形成された前記第3樹脂膜を前記単結晶シリコン層の表面に貼り付ける第12の工程と、
    前記第3基材を前記第3樹脂膜より剥離することで、前記第3樹脂膜が前記単結晶シリコン層の表面に形成された状態とする第13の工程と、
    前記第3樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記保護パターンに固定された状態とする第14の工程と、
    予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、前記可動構造体と前記ミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第15の工程と、
    前記保護パターンを除去する第16の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
  11. 一部に反射面が形成された可動構造体の回動により前記反射面を変位させて光スイッチ動作を行う光スイッチ装置の製造方法であって、
    表面側に埋め込み絶縁層を介して単結晶シリコン層を備えたシリコン基板を用意する第1の工程と、
    前記シリコン基板の裏面に保護膜を形成する第2の工程と、
    前記単結晶シリコン層の表面に貫通する開口部を備えた第1マスクパターンを形成する第3の工程と、
    前記第1マスクパターンをマスクとして前記単結晶シリコン層を選択的にエッチングしてパターンを形成し、前記単結晶シリコン層に開口部及びこの開口部内部に連結部材で連結する可動構造体を形成する第4の工程と、
    前記第1マスクパターン及び前記単結晶シリコン層に形成されたパターンをマスクとして前記埋め込み絶縁層をエッチングしてパターンを形成する第5の工程と、
    前記第1マスクパターン,前記単結晶シリコン層に形成されたパターン,及び前記埋め込み絶縁層に形成されたパターンをマスクとして前記シリコン基板をエッチングしてパターンを形成する第6の工程と、
    前記第1マスクパターンを除去した後、前記単結晶シリコン層の表面側より金属を堆積することで前記単結晶シリコン層の表面に第1金属膜を形成する第7の工程と、
    感光性を有する第1樹脂膜が形成された第1基材を用意し、この第1基材に形成された前記第1樹脂膜を前記単結晶シリコン層の上の前記第1金属膜の表面に貼り付ける第8の工程と、
    前記第1基材を前記第1樹脂膜より剥離することで、前記第1樹脂膜が前記単結晶シリコン層の上の前記第1金属膜の表面に形成された状態とする第9の工程と、
    前記第1樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、少なくとも前記可動構造体を覆いかつ前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の一部にわたる保護パターンを形成し、前記可動構造体が前記第1金属膜を介して前記保護パターンに固定された状態とする第10の工程と、
    前記保護膜を除去した後、感光性を有する第2樹脂膜が形成された第2基材を用意し、この第2基材に形成された前記第2樹脂膜を前記シリコン基板の裏面に貼り付ける第11の工程と、
    前記第2基材を前記第2樹脂膜より剥離することで、前記第2樹脂膜が前記シリコン基板の裏面に形成された状態とする第12の工程と、
    前記第2樹脂膜の一部を露光及び現像により除去し、前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域に対応する開口部を備えた第2マスクパターンを形成する第13の工程と、
    前記第2マスクパターンをマスクとして前記シリコン基板及び埋め込み絶縁層を選択的に除去して基板開口部を形成し、前記単結晶シリコン層の前記可動構造体及び前記可動構造体の周囲にわたる領域の裏面が露出した状態とする第14の工程と、
    前記第2マスクパターンを除去する第15の工程と、
    前記シリコン基板の裏面側より金属を堆積することで、前記可動構造体の裏面に第2金属膜を形成する第16の工程と、
    予め用意されたミラー駆動用電極を備えた電極基板に前記可動構造体の周囲の前記単結晶シリコン層の表面を貼り合わせ、前記可動構造体と前記ミラー駆動用電極とが所定距離離間して対向配置した状態とする第17の工程と、
    前記保護パターンを除去する第18の工程と
    を少なくとも備えたことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
  12. 請求項11記載の光スイッチ装置の製造方法において、
    前記第15の工程の後、
    前記シリコン基板の裏面側より前記単結晶シリコン層に形成された開口部を介して前記保護パターンの一部を除去し、開口の面積が前記単結晶シリコン層に形成された開口部より広い凹部を前記保護パターンに形成し、
    この後、前記第2金属膜を形成する
    ことを特徴とする光スイッチ装置の製造方法。
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