JP2004221854A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のヘリカル部を有するアンテナ装置において、アンテナ特性を改善する。
【解決手段】第1のヘリカル部(11A)と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部(11B)とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記ヘリカル部に給電する接続部(13)とを有するアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】第1のヘリカル部(11A)と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部(11B)とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記ヘリカル部に給電する接続部(13)とを有するアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、携帯無線機用のアンテナ装置に関し、特に複数の周波数において共振するアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線機は筐体の上部にアンテナを設け、アンテナにより電波を放射、捕捉して送受信動作をしている。また、携帯電話機では、上部にヘリカルアンテナと、下部にホイップアンテナ(棒状アンテナ)とを備えたアンテナを、筐体から伸縮可能に設け、アンテナの伸長時に利得を増大させ、アンテナ収納時に筐体からのアンテナの突出量を小さくするように構成されたものがある。また、近年の携帯無線機は複数の無線通信システムに対応しているものもあり、このような携帯電話機用のアンテナは複数の周波数帯域で共振する特性を有する。
【0003】
このため、図9に示すように、巻ピッチの異なる巻線を同軸状に配置したヘリカルアンテナが提案されている。この従来のヘリカルアンテナは、巻き回された第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとがカバー内に収容されており、第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとが取付金具に接続されている。
【0004】
この従来のアンテナの等価回路は、図9(b)に示すように、第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとが直接的に接続されて、両方のヘリカルアンテナエレメントに給電されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−22730号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のヘリカルアンテナでは、アンテナの特性を調整するために巻線ピッチと巻数とを変化させる。例えば、巻線ピッチを広くすると共振周波数での帯域幅が広くなる。このとき、アンテナの全長を変えないで巻線ピッチを変えると、巻数が変わってしまい、アンテナエレメントの電気長が変化することから、共振周波数も変わってしまう。
【0007】
そして、図9に示すヘリカルアンテナでは、二つのヘリカルアンテナエレメントが直流的に接続されているので、一方のヘリカルアンテナエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えて、アンテナ特性を変化させると、他方のヘリカルアンテナエレメントの特性が変化して、両者を最適な特性に調整することが困難であった。
【0008】
また、この従来のヘリカルアンテナは、給電部に常時接続されていることから、4分の1波長で共振するものであり、他の共振モードで共振させようとすると周波数毎に整合回路を設ける必要があった。すなわち、このヘリカルアンテナをロッド状アンテナの先端に配設した場合(例えば、特開平10−22730号公報の図3)、特定の関係にある周波数(1.5GHzに対してλ/4で、1.9GHzに対して3λ/8で共振する)しか、このアンテナを適用することはできなかった。特に、周波数が略2倍の関係にあるときは、いずれ周波数においても、アンテナエレメントは端部から給電されるので、λ/2の共振条件を実現することが困難であった。
【0009】
なお、上記の問題点を改善すべく、本出願人は、給電された内径の小さいヘリカルアンテナと両端の開放された内径の大きいヘリカルアンテナとを組み合わせたアンテナ装置についての出願をしている(特願2001−210179)。この出願によると、ヘリカルの自由長が長く必要な低周波側を内側のヘリカルとし、高周波側を外側のヘリカルとした。しかし、これを寸法制約の大きい小型のアンテナに応用すると必ずしもアンテナ特性が良好でなく、アンテナ周辺の電気的障害物に対する影響も大きかった。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のヘリカル部を有するアンテナ装置において、アンテナ特性を改善し、小型のアンテナにも応用可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記第1のヘリカル部の外側には前記第1のヘリカル部を覆うカバーが設けられたアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記アンテナ装置に給電する接続部を有し、前記接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1から第3の発明において、前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナと、前記棒状アンテナの上方で前記棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナとを有し、前記棒状アンテナが筐体から引き出された状態では前記棒状アンテナの下部に設けられた第1の接続部に給電され、前記棒状アンテナが筐体内に収納された状態では前記ヘリカルアンテナの下部に設けられた第2の接続部に給電されるアンテナ装置において、前記ヘリカルアンテナは、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置されて成り、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、前記第2の接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする。
【0018】
第8の発明は、第5から第7の発明において、前記第1の比誘電率と、前記第2の比誘電率との差が2以上であることを特徴とする。
【0019】
第9の発明は、第5から第8の発明において、前記棒状アンテナは、第1の共振周波数において略4分の1波長で共振することを特徴とする。
【0020】
第10の発明は、第5から第9の発明において、前記棒状アンテナは、第2の共振周波数において略2分の1波長で共振することを特徴とする。
【0021】
第11の発明は、第9又は第10の発明において、前記棒状アンテナは、前記第2の共振周波数において、前記第1の共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されることを特徴とする。
【0022】
【発明の作用および効果】
第1の発明によると、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記第1のヘリカル部の外側には前記第1のヘリカル部を覆うカバーが設けられたアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、共振周波数帯域を広くすることができて、アンテナ特性を向上させることができる。
【0023】
第2の発明によると、前記アンテナ装置に給電する接続部を有し、前記接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されるので、二つのヘリカルアンテナの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0024】
第3の発明によると、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されているので、第1のヘリカル部は略4分の1波長で、第2のヘリカル部は略2分の1波長で共振させることができる。
【0025】
第4の発明によると、前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であるので、ヘリカル部を小型化しても第1のヘリカル部を第2のヘリカル部との双方において良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0026】
第5の発明によると、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナと、前記棒状アンテナの上方で前記棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナとを有し、前記棒状アンテナが筐体から引き出された状態では前記棒状アンテナの下部に設けられた第1の接続部に給電され、前記棒状アンテナが筐体内に収納された状態では前記ヘリカルアンテナの下部に設けられた第2の接続部に給電されるアンテナ装置において、前記ヘリカルアンテナは、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置されて成り、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0027】
第6の発明によると、前記第2の接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されるので、二つのヘリカルアンテナの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0028】
第7の発明によると、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されているので、第1のヘリカル部は。略4分の1波長で、第2のヘリカル部は略2分の1波長で共振させることができる。
【0029】
第8の発明によると、前記第1の比誘電率と、前記第2の比誘電率との差が2以上であるので、ヘリカル部を小型化しても第1のヘリカル部を第2のヘリカル部との双方において良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0030】
第9の発明によると、前記棒状アンテナは、第1の共振周波数において略4分の1波長で共振するように構成したので、棒状アンテナを小型にすることができる。
【0031】
第10の発明によると、前記棒状アンテナは、第2の共振周波数において略2分の1波長で共振するように構成したので、第1の共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、棒状アンテナが双方の周波数で良好に動作させることができる。
【0032】
第11の発明によると、前記棒状アンテナは、前記第2の共振周波数において、前記第1の共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されるので、第2の共振周波数における棒状アンテナのインピーダンスが完全に整合していない場合でも、良好な整合条件で動作するアンテナ装置を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施の形態のヘリカルアンテナの部分断面図である。本図の中心の一点鎖線より右側に断面を示す。
【0035】
本実施の形態のヘリカルアンテナには、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bが設けられており、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に、第1コイルエレメント11Aと同軸状に設けられている。また、外側の第1コイルエレメント11Aの巻ピッチは、内側の第2コイルエレメント11Bより大きくなっているが、両者の巻ピッチの関係はこれに限るものではなく、第1コイルエレメント11Aの巻ピッチの方を小さくしても、両者の巻ピッチを等しくしてもよい。コイルエレメント11A、11Bの外側には合成樹脂製のカバー12が設けられている。また、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間に、第2コイルエレメント11Bを覆うように合成樹脂製のスペーサ100が設けられている。第2コイルエレメント11Bは、スペーサ110の成型時にインジェクションモールド成型等の方法によって一体的に成型されている。
【0036】
また、第2コイルエレメント11Aの内側には合成樹脂製の芯部110が設けられている。第1コイルエレメント11Aは、芯部100の成型時にインジェクションモールド成型等の方法によって一体的に成型されている。
【0037】
このスペーサ100は比誘電率が5になるような合成樹脂材等で構成され、カバー12及び芯部110は比誘電率が3になるような合成樹脂材で構成されている。すなわち、スペーサ100の比誘電率がカバー12又は芯部110の比誘電率と比較すると高い比誘電率の材料で構成されている。 金具13は、カバー12の下部に設けられている。また、金具13は、第1コイルエレメント11Aと直流的に接続されており、携帯無線機の無線部に接続されて、コイルエレメント11A、Bに高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0038】
次に、第1の実施の形態のヘリカルアンテナの動作について説明する。前述したように、第1コイルエレメント11Aは金具13に接続されて給電される。また、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されていないが、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているので、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合している。よって、第2コイルエレメント11Bに対しては、金具13、第1コイルエレメント11Aを介して給電がされる。
【0039】
外側に配置された第1コイルエレメント11Aは、第1共振周波数(fL)で共振する電気長で構成されており、一端に接続された金具から給電されることから、第1共振周波数(fL)で約1/4波長で動作する。
【0040】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているが、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数(fH)で共振するように構成されているので、第1共振周波数(fL)ではインピーダンスが大きくなる。よって、第1共振周波数(fL)では、第2コイルエレメント11Bが放射導体として動作するほどの高周波電流は流れず、第2コイルエレメント11Bは動作していない。
【0041】
一方、内側に配置された第2コイルエレメント11Bは、第2共振周波数(fH)で共振する電気長で構成されている。そして、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されることから、第2共振周波数(fH)で約1/2波長で共振して動作する。
【0042】
このとき、第2コイルエレメント11Bと金具13とは直接接続されていないが、金具13と接続している第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合しているので、金具13に供給された高周波電流は、第1コイルエレメント11Aを介して第2コイルエレメント11Bに供給される。
【0043】
本実施の形態では、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを外側に配置するとともに、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを内側に配置したが、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを内側に配置し、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを外側に配置してもよい。
【0044】
このように、第1の実施の形態のヘリカルアンテナは、第1コイルエレメント11Aと、第1コイルエレメント11Aと異径の第2コイルエレメント11Bとで構成され、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に同軸状に、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとが容量結合する位置に配置され、第1コイルエレメント11Aの外側には第1コイルエレメント11Aを覆うカバー12が設けられ、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間には、カバー12に用いられている材質の比誘電率より大きな比誘電率の材質で形成されたスペーサ100が設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。また、アンテナ装置を小型化しコイルエレメントの自由長が制約された場合にも、特性の劣化を抑えることができ、共振周波数帯域を広くすることができて、良好なアンテナ特性のアンテナを得ることができる。
【0045】
さらに、第1コイルエレメント11Aは第2コイルエレメント11Bの外側に配置されているので、アンテナ装置を小型化しても一周波アンテナと同等のコイルの自由長を確保することができ、一周波アンテナと同等のアンテナ特性を保つことができる。
【0046】
さらに、第1コイルエレメント11Aをスペーサ100に一体成型し、第2コイルエレメント11Bを芯部110に一体成型して形成することができ、アンテナの組み立て時にコイルエレメントがずれることがないので、アンテナの電気的性能を安定させることができる。
【0047】
また、給電端子として機能する金具13を有し、金具13は第1コイルエレメント11Aのみに直接(直流的に)接続されることによって給電されると共に、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されることなく、前記容量結合によって、第1コイルエレメントを経由して給電されるので、一方のコイルエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えても、他方のコイルエレメントの特性への影響が少ないので、コイルエレメントの構成を変更することで、二つのコイルエレメントの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0048】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用によって共振するので、第2共振周波数における第2のヘリカルアンテナの電気長を長くして、両者の共振条件を近づけることができる。
【0049】
また、第1コイルエレメント11Aは一端から給電されており、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されていることから、第1コイルエレメント11Aは第1共振周波数において略4分の1波長で共振し、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数において略2分の1波長で共振するので、第1共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、双方の周波数で適切な整合をとることができ、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0050】
なお、第1の実施の形態では、第2コイルエレメント11Bのみを高い比誘電率のスペーサ100にて覆っているが、第1コイルエレメント11Aも高い比誘電率の材料で覆ってもよい。この場合、第1コイルエレメント11Aも広帯域のアンテナ特性を得ることができる。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。本実施の形態のホイップアンテナは、第1の実施の形態のヘリカルアンテナの下部に棒状アンテナを設けた伸縮式のホイップアンテナである。
【0052】
本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナは、上部にヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)を有する上部エレメント10と、上部エレメントの下部に配置される下部エレメント30とで構成されている、いわゆる2段伸縮式ホイップアンテナである。上部エレメント10と下部エレメント30とは、下部エレメント30の先端に固定されたジョイント金具31で接続され、上部エレメント10が下部エレメント30内に収納可能に構成されている。
【0053】
上部エレメント10は棒状導体15を中心に構成されており、この棒状導体15は望ましくは超弾性合金で形成すると曲げ応力に対して変形しにくいエレメントが得られる。棒状導体15は、絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ16により周囲を覆われて、導電性の金属製エレメントを構成する棒状導体15が露出しないように構成されている。
【0054】
上部エレメント10の上端には、合成樹脂製のカバー12の内部に第1コイルエレメント11A及び第2コイルエレメント11Bからなるコイルエレメント11が設けられている。この第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは同軸状に設けられている。
【0055】
カバー12の下部には、上部エレメント10より太径な金具13が設けられている。この金具13はコイルエレメント11と接続されており、アンテナ収納時に携帯無線機の筐体1に取り付けられたサポート50と接触して、コイルエレメント11に高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0056】
金具13の内側には合成樹脂製のジョイント14が設けられており、棒状導体15と金具13とを絶縁して固定している。すなわち、ジョイント14によって、コイルエレメント11Bと棒状導体15(棒状アンテナ)とが絶縁されて接続されている。
【0057】
下部エレメント30は金属製の線材を螺旋状に巻き回して中空の筒状のエレメントが構成されている。そして、上部エレメント10の下端が下部エレメント30の内壁と接触しながら、上部エレメント10が下部エレメント30内を摺動して出し入れ可能なように構成されている。このように上部エレメント10の棒状導体15と下部エレメント30とが電気的に接触することで棒状アンテナを構成している。
【0058】
下部エレメント30を構成する線材は、ホイップアンテナの伸縮方向が長径(エレメントの径方向が短径)となる小判状の断面形状をしており、線材の断面積を小さくしないでホイップアンテナの強度を確保しつつ、下部エレメント30の外径を細く内径を大きくするように構成されている。下部エレメント30の周囲は絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ33により、導電性を有する線材が露出しないように覆われている。
【0059】
下部エレメント30の上端にはジョイント金具31が固着されており、上部エレメント10の下部に取り付けられているワッシャと当接することにより、上部エレメント10の上方向への摺動を制限して、上部エレメント10が下部エレメント30から抜けて脱落しないように構成されている。
【0060】
下部エレメント30の下端には、下部エレメント30より太径の金具34が設けられており、アンテナ伸長時に筐体1に取り付けられたサポート50と金具34とが接触することによって、下部エレメント30に高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0061】
サポート50は携帯無線機の筐体1(筐体表面を破線で示す)に取り付けられており、携帯無線機の送受信部に電気的に接続されており、ホイップアンテナに対して給電する給電用接点として機能する。このサポート50はアンテナ伸長時には下部エレメント30の下部に位置し、金具34と接触して下部エレメント30に給電している。また、アンテナ収納時には、サポート50はコイルエレメント11の下部に位置し、金具13と接触してコイルエレメント11に給電している。
【0062】
図3は、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナ先端部のヘリカルアンテナの部分断面図である。本図の中心の一点鎖線より右側に断面を示す。
【0063】
コイルエレメント11は、第1コイルエレメント11A、第2コイルエレメント11B、合成樹脂製カバー12、金具13によって構成されている。また、コイルエレメント11は合成樹脂製ジョイント14によって、棒状アンテナ(棒状導体15によって構成されるからなる上部エレメント)と絶縁状態で接続されている。
【0064】
前述したように、第1コイルエレメント11Aは、第2コイルエレメント11Bの外側に、第2コイルエレメント11Bと同軸状に設けられている。そして、本実施の形態では、外側の第1コイルエレメント11Aの巻ピッチは、内側の第2コイルエレメント11Bより大きくなっているが、両者の巻ピッチの関係はこれに限るものではなく、第1コイルエレメント11Aの巻ピッチの方を小さくしても、両者の巻ピッチを等しくしてもよい。
【0065】
コイルエレメント11A、11Bの外側には合成樹脂製のカバー12が設けられている。また、第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとの間に、第2のコイルエレメントを覆うように合成樹脂製のスペーサ100が設けられている。また、第2のコイルエレメントの内側には合成樹脂製の芯部110が設けられている。このスペーサ100は比誘電率が5になるような合成樹脂材等で構成され、カバー12及び芯部110は比誘電率が3になるような合成樹脂材で構成されている。すなわち、スペーサ100の比誘電率がカバー12又は芯部110の比誘電率と比較すると高い比誘電率の材料で構成されている。
【0066】
第1コイルエレメント11Aは、その下端が金具13に直流的に接続されている。そして、アンテナ収納時に、第1コイルエレメント11Aは金具13を介して給電されている。また、第2コイルエレメント11Bは、金具13に接続されていないが、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているので、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合している。よって、第2コイルエレメント11Bに対しては、金具13、第1コイルエレメント11Aを介して給電がされる。
【0067】
金具13の内側には合成樹脂製のジョイント14が設けられており、ジョイント14によってコイルエレメント11Bと棒状導体15とが絶縁されて接続されている。
【0068】
ジョイント14の下方には、棒状導体15が設けられている。この棒状導体15の周囲は、絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ16により、導電性の金属製エレメントを構成する棒状導体15が露出しないように覆われている。
【0069】
本実施の形態では、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを外側に配置するとともに、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを内側に配置したが、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを内側に配置し、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを外側に配置してもよい。
【0070】
図4は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの伸長状態で第1共振周波数(fL)において共振している様子を示す。
【0071】
図4に示す状態では、アンテナは伸長状態にあるため、アンテナ下部の金具34が携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、棒状導体15と下部エレメント30とで構成される棒状アンテナの下部から給電され、棒状アンテナは第1共振周波数(fL)の約1/4波長で共振する。
【0072】
一方、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)は棒状アンテナ15、30の上部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されて設けられているので、無線部から供給された高周波電流はコイルエレメント11に流れることがなく、アンテナ伸長時にはコイルエレメント11は動作していない。
【0073】
図5は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの収納状態で第1共振周波数(fL)において共振している様子を示す。
【0074】
図5に示す状態では、アンテナは収納状態にあるため、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)下部の金具13が、携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、コイルエレメント11に給電され、コイルエレメント11のうち、外側に配置された第1コイルエレメント11Aが下端から給電され、第1共振周波数(fL)の約1/4波長で共振している。
【0075】
一方、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているが、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数(fH)で共振するように構成されているので、第1共振周波数(fL)ではインピーダンスが大きくなる。よって、第1共振周波数(fL)では、第2コイルエレメント11Bが放射導体として動作するほどの高周波電流は流れず、第2コイルエレメント11Bは動作していない。
【0076】
また、棒状アンテナ15、30はヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)の下部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されているので、無線部から供給された高周波電流は棒状アンテナ15、30に流れることがなく、アンテナ収納時には棒状アンテナ15、30は動作していない。
【0077】
図6は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの伸長状態で第2共振周波数(fH)において共振している様子を示す。
【0078】
図6に示す状態では、アンテナは伸長状態にあるため、アンテナ下部の金具34が携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、棒状導体15と下部エレメント30とで構成される棒状アンテナの下部から給電され、棒状アンテナは第2共振周波数(fH)の約1/2波長で共振する。すなわち、本発明の第2の実施の形態では、第1共振周波数(fL)と第2共振周波数(fH)とは約2倍(fH=2×fL)の関係にある。
【0079】
一方、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)は棒状アンテナ15、30の上部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されて設けられているので、無線部から供給された高周波電流はコイルエレメント11に流れることがなく、図4にて説明した、第1共振周波数(fL)における共振状態と同様に、アンテナ伸長時にはコイルエレメント11は動作していない。
【0080】
図7は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの収納状態で第2共振周波数(fH)において共振している様子を示す。
【0081】
図7に示す状態では、アンテナは収納状態にあるため、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)下部の金具13が、携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、コイルエレメント11に給電され、コイルエレメント11のうち、内側に配置された第2コイルエレメント11Bが第2共振周波数(fH)の約1/2波長で共振している。このとき、第2コイルエレメント11Bは金具13と直接接続されていないが、金具13と接続している第1コイルエレメント11A(点線で示す)と、第2コイルエレメント11Bとは容量結合しているので、金具13に供給された高周波電流は、第1コイルエレメント11Aを介して第2コイルエレメント11Bに供給され、動作している。
【0082】
また、棒状アンテナ15、30はヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)の下部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されているので、無線部から供給された高周波電流は棒状アンテナ15、30に流れることがなく、アンテナ収納時には棒状アンテナ15、30は動作していない。
【0083】
図8は、第2の実施の形態のホイップアンテナを携帯無線機に適用した場合の整合回路の応用例を示すブロック図である。
【0084】
以上説明した第2の実施の形態のホイップアンテナでは、第1共振周波数において1/4波長で共振しており、第2共振周波数において1/2波長で共振しているので、第1共振周波数と第2共振周波数とでは、整合条件が異なる。よって、本実施の形態では、周波数毎に整合条件を変えるために、アンテナと無線部との間に、第2の共振周波数において機能する整合回路を設けている。
【0085】
すなわち、無線部と整合回路の間に設けられている切替スイッチは、第1の共振周波数では整合回路を介さないように接続され、第2の共振周波数では整合回路を介するように接続されている。よって、第2共振周波数において、第2の実施の形態に係るアンテナは、第1共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されるので、共振周波数毎に適切な整合条件でアンテナを動作させることができる。
【0086】
また、第2の実施の形態のホイップアンテナでは、アンテナ収納時に動作するコイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用において共振しているので、アンテナの構成によっては、1/2波長アンテナのインピーダンスからズレて、1/4波長アンテナのインピーダンスに近い特性を有する。
この場合は、無線部と整合回路の間に設けられている切替スイッチを、第2共振周波数の伸張時のみに整合回路を介するように切り替えて、整合回路を介して給電する。そして、それ以外の(第1共振周波数、第2共振周波数の収納時)場合は、無線部は、直接アンテナに接続される。よって、第2の共振周波数における棒状アンテナのインピーダンスが完全に整合していない場合でも、共振周波数毎に適切な整合条件でアンテナを動作させることができる。
【0087】
このように、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナでは、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナ(棒状導体15及び下部エレメント30)と、棒状アンテナの上方で棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナ11とを有し、棒状アンテナが筐体から引き出された状態では金具34に給電され、棒状アンテナが筐体内に収納された状態では金具13に給電されるように構成され、ヘリカルアンテナ11は、第1コイルエレメント11Aと、第1コイルエレメント11Aと異径の第2コイルエレメント11Bとで構成され、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に同軸状に、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとが容量結合する位置に配置され、第1コイルエレメント11Aの外側には第1コイルエレメント11Aを覆うカバー12が設けられ、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間には、カバー12に用いられている材質の比誘電率より大きな比誘電率の材質で形成されたスペーサ100が設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。また、アンテナ装置を小型化しコイルエレメントの自由長が制約された場合にも、特性の劣化を抑えることができ、共振周波数帯域を広くすることができて、良好なアンテナ特性のアンテナを得ることができる。
【0088】
さらに、第1コイルエレメント11Aは第2コイルエレメント11Bの外側に配置されているので、アンテナ装置を小型化しても一周波アンテナと同等のコイルの自由長を確保することができ、一周波アンテナと同等のアンテナ特性を保つことができる。
【0089】
さらに、第1コイルエレメント11Aをスペーサ100に一体成型し、第2コイルエレメント11Bを芯部110に一体成型して形成することができ、アンテナの組み立て時にコイルエレメントがずれることがないので、アンテナの電気的性能を安定させることができる。
【0090】
また、給電端子として機能する金具13を有し、金具13は第1コイルエレメント11Aのみに直接(直流的に)接続されることによって給電されると共に、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されることなく、前記容量結合によって、第1コイルエレメントを経由して給電されるので、一方のコイルエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えても、他方のコイルエレメントの特性への影響が少ないので、コイルエレメントの構成を変更することで、二つのコイルエレメントの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0091】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用によって共振するので、第2共振周波数における第2のヘリカルアンテナの電気長を長くして、両者の共振条件を近づけることができる。
【0092】
また、第1コイルエレメント11Aは一端から給電されており、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されていることから、第1コイルエレメント11Aは第1共振周波数において略4分の1波長で共振し、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数において略2分の1波長で共振するので、第1共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、双方の周波数で適切な整合をとることができ、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0093】
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第2コイルエレメント11Bのみを高い比誘電率のスペーサ100にて覆っているが、第1コイルエレメント11Aも高い比誘電率の材料で覆ってもよい。この場合も第1の実施の形態と同様に、第1コイルエレメント11Aも広帯域のアンテナ特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のヘリカルアンテナの部分断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの側面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの応用例の周辺のブロック図である。
【図9】従来のアンテナの断面図である。
【符号の説明】
1 携帯無線機(筐体)
10 上部エレメント
11 コイルエレメント
11A 第1コイルエレメント
11B 第2コイルエレメント
12 カバー
13 金具
14 ジョイント
15 棒状導体
16 チューブ
30 下部エレメント
31 ジョイント金具
33 チューブ
34 金具
50 サポート
100 スペーサ
110 芯部
【発明が属する技術分野】
本発明は、携帯無線機用のアンテナ装置に関し、特に複数の周波数において共振するアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯無線機は筐体の上部にアンテナを設け、アンテナにより電波を放射、捕捉して送受信動作をしている。また、携帯電話機では、上部にヘリカルアンテナと、下部にホイップアンテナ(棒状アンテナ)とを備えたアンテナを、筐体から伸縮可能に設け、アンテナの伸長時に利得を増大させ、アンテナ収納時に筐体からのアンテナの突出量を小さくするように構成されたものがある。また、近年の携帯無線機は複数の無線通信システムに対応しているものもあり、このような携帯電話機用のアンテナは複数の周波数帯域で共振する特性を有する。
【0003】
このため、図9に示すように、巻ピッチの異なる巻線を同軸状に配置したヘリカルアンテナが提案されている。この従来のヘリカルアンテナは、巻き回された第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとがカバー内に収容されており、第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとが取付金具に接続されている。
【0004】
この従来のアンテナの等価回路は、図9(b)に示すように、第1のヘリカルアンテナエレメントと第2のヘリカルアンテナエレメントとが直接的に接続されて、両方のヘリカルアンテナエレメントに給電されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−22730号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のヘリカルアンテナでは、アンテナの特性を調整するために巻線ピッチと巻数とを変化させる。例えば、巻線ピッチを広くすると共振周波数での帯域幅が広くなる。このとき、アンテナの全長を変えないで巻線ピッチを変えると、巻数が変わってしまい、アンテナエレメントの電気長が変化することから、共振周波数も変わってしまう。
【0007】
そして、図9に示すヘリカルアンテナでは、二つのヘリカルアンテナエレメントが直流的に接続されているので、一方のヘリカルアンテナエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えて、アンテナ特性を変化させると、他方のヘリカルアンテナエレメントの特性が変化して、両者を最適な特性に調整することが困難であった。
【0008】
また、この従来のヘリカルアンテナは、給電部に常時接続されていることから、4分の1波長で共振するものであり、他の共振モードで共振させようとすると周波数毎に整合回路を設ける必要があった。すなわち、このヘリカルアンテナをロッド状アンテナの先端に配設した場合(例えば、特開平10−22730号公報の図3)、特定の関係にある周波数(1.5GHzに対してλ/4で、1.9GHzに対して3λ/8で共振する)しか、このアンテナを適用することはできなかった。特に、周波数が略2倍の関係にあるときは、いずれ周波数においても、アンテナエレメントは端部から給電されるので、λ/2の共振条件を実現することが困難であった。
【0009】
なお、上記の問題点を改善すべく、本出願人は、給電された内径の小さいヘリカルアンテナと両端の開放された内径の大きいヘリカルアンテナとを組み合わせたアンテナ装置についての出願をしている(特願2001−210179)。この出願によると、ヘリカルの自由長が長く必要な低周波側を内側のヘリカルとし、高周波側を外側のヘリカルとした。しかし、これを寸法制約の大きい小型のアンテナに応用すると必ずしもアンテナ特性が良好でなく、アンテナ周辺の電気的障害物に対する影響も大きかった。
【0010】
本発明は、以上の問題点に鑑みてなされたものであり、複数のヘリカル部を有するアンテナ装置において、アンテナ特性を改善し、小型のアンテナにも応用可能なアンテナ装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記第1のヘリカル部の外側には前記第1のヘリカル部を覆うカバーが設けられたアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【0012】
第2の発明は、第1の発明において、前記アンテナ装置に給電する接続部を有し、前記接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする。
【0013】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする。
【0014】
第4の発明は、第1から第3の発明において、前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であることを特徴とする。
【0015】
第5の発明は、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナと、前記棒状アンテナの上方で前記棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナとを有し、前記棒状アンテナが筐体から引き出された状態では前記棒状アンテナの下部に設けられた第1の接続部に給電され、前記棒状アンテナが筐体内に収納された状態では前記ヘリカルアンテナの下部に設けられた第2の接続部に給電されるアンテナ装置において、前記ヘリカルアンテナは、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置されて成り、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とする。
【0016】
第6の発明は、第5の発明において、前記第2の接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする。
【0017】
第7の発明は、第5又は第6の発明において、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする。
【0018】
第8の発明は、第5から第7の発明において、前記第1の比誘電率と、前記第2の比誘電率との差が2以上であることを特徴とする。
【0019】
第9の発明は、第5から第8の発明において、前記棒状アンテナは、第1の共振周波数において略4分の1波長で共振することを特徴とする。
【0020】
第10の発明は、第5から第9の発明において、前記棒状アンテナは、第2の共振周波数において略2分の1波長で共振することを特徴とする。
【0021】
第11の発明は、第9又は第10の発明において、前記棒状アンテナは、前記第2の共振周波数において、前記第1の共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されることを特徴とする。
【0022】
【発明の作用および効果】
第1の発明によると、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記第1のヘリカル部の外側には前記第1のヘリカル部を覆うカバーが設けられたアンテナ装置において、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、共振周波数帯域を広くすることができて、アンテナ特性を向上させることができる。
【0023】
第2の発明によると、前記アンテナ装置に給電する接続部を有し、前記接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されるので、二つのヘリカルアンテナの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0024】
第3の発明によると、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されているので、第1のヘリカル部は略4分の1波長で、第2のヘリカル部は略2分の1波長で共振させることができる。
【0025】
第4の発明によると、前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であるので、ヘリカル部を小型化しても第1のヘリカル部を第2のヘリカル部との双方において良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0026】
第5の発明によると、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナと、前記棒状アンテナの上方で前記棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナとを有し、前記棒状アンテナが筐体から引き出された状態では前記棒状アンテナの下部に設けられた第1の接続部に給電され、前記棒状アンテナが筐体内に収納された状態では前記ヘリカルアンテナの下部に設けられた第2の接続部に給電されるアンテナ装置において、前記ヘリカルアンテナは、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置されて成り、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。
【0027】
第6の発明によると、前記第2の接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されるので、二つのヘリカルアンテナの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0028】
第7の発明によると、前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されているので、第1のヘリカル部は。略4分の1波長で、第2のヘリカル部は略2分の1波長で共振させることができる。
【0029】
第8の発明によると、前記第1の比誘電率と、前記第2の比誘電率との差が2以上であるので、ヘリカル部を小型化しても第1のヘリカル部を第2のヘリカル部との双方において良好なアンテナ特性を得ることができる。
【0030】
第9の発明によると、前記棒状アンテナは、第1の共振周波数において略4分の1波長で共振するように構成したので、棒状アンテナを小型にすることができる。
【0031】
第10の発明によると、前記棒状アンテナは、第2の共振周波数において略2分の1波長で共振するように構成したので、第1の共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、棒状アンテナが双方の周波数で良好に動作させることができる。
【0032】
第11の発明によると、前記棒状アンテナは、前記第2の共振周波数において、前記第1の共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されるので、第2の共振周波数における棒状アンテナのインピーダンスが完全に整合していない場合でも、良好な整合条件で動作するアンテナ装置を得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施の形態のヘリカルアンテナの部分断面図である。本図の中心の一点鎖線より右側に断面を示す。
【0035】
本実施の形態のヘリカルアンテナには、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bが設けられており、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に、第1コイルエレメント11Aと同軸状に設けられている。また、外側の第1コイルエレメント11Aの巻ピッチは、内側の第2コイルエレメント11Bより大きくなっているが、両者の巻ピッチの関係はこれに限るものではなく、第1コイルエレメント11Aの巻ピッチの方を小さくしても、両者の巻ピッチを等しくしてもよい。コイルエレメント11A、11Bの外側には合成樹脂製のカバー12が設けられている。また、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間に、第2コイルエレメント11Bを覆うように合成樹脂製のスペーサ100が設けられている。第2コイルエレメント11Bは、スペーサ110の成型時にインジェクションモールド成型等の方法によって一体的に成型されている。
【0036】
また、第2コイルエレメント11Aの内側には合成樹脂製の芯部110が設けられている。第1コイルエレメント11Aは、芯部100の成型時にインジェクションモールド成型等の方法によって一体的に成型されている。
【0037】
このスペーサ100は比誘電率が5になるような合成樹脂材等で構成され、カバー12及び芯部110は比誘電率が3になるような合成樹脂材で構成されている。すなわち、スペーサ100の比誘電率がカバー12又は芯部110の比誘電率と比較すると高い比誘電率の材料で構成されている。 金具13は、カバー12の下部に設けられている。また、金具13は、第1コイルエレメント11Aと直流的に接続されており、携帯無線機の無線部に接続されて、コイルエレメント11A、Bに高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0038】
次に、第1の実施の形態のヘリカルアンテナの動作について説明する。前述したように、第1コイルエレメント11Aは金具13に接続されて給電される。また、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されていないが、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているので、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合している。よって、第2コイルエレメント11Bに対しては、金具13、第1コイルエレメント11Aを介して給電がされる。
【0039】
外側に配置された第1コイルエレメント11Aは、第1共振周波数(fL)で共振する電気長で構成されており、一端に接続された金具から給電されることから、第1共振周波数(fL)で約1/4波長で動作する。
【0040】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているが、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数(fH)で共振するように構成されているので、第1共振周波数(fL)ではインピーダンスが大きくなる。よって、第1共振周波数(fL)では、第2コイルエレメント11Bが放射導体として動作するほどの高周波電流は流れず、第2コイルエレメント11Bは動作していない。
【0041】
一方、内側に配置された第2コイルエレメント11Bは、第2共振周波数(fH)で共振する電気長で構成されている。そして、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されることから、第2共振周波数(fH)で約1/2波長で共振して動作する。
【0042】
このとき、第2コイルエレメント11Bと金具13とは直接接続されていないが、金具13と接続している第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合しているので、金具13に供給された高周波電流は、第1コイルエレメント11Aを介して第2コイルエレメント11Bに供給される。
【0043】
本実施の形態では、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを外側に配置するとともに、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを内側に配置したが、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを内側に配置し、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを外側に配置してもよい。
【0044】
このように、第1の実施の形態のヘリカルアンテナは、第1コイルエレメント11Aと、第1コイルエレメント11Aと異径の第2コイルエレメント11Bとで構成され、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に同軸状に、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとが容量結合する位置に配置され、第1コイルエレメント11Aの外側には第1コイルエレメント11Aを覆うカバー12が設けられ、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間には、カバー12に用いられている材質の比誘電率より大きな比誘電率の材質で形成されたスペーサ100が設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。また、アンテナ装置を小型化しコイルエレメントの自由長が制約された場合にも、特性の劣化を抑えることができ、共振周波数帯域を広くすることができて、良好なアンテナ特性のアンテナを得ることができる。
【0045】
さらに、第1コイルエレメント11Aは第2コイルエレメント11Bの外側に配置されているので、アンテナ装置を小型化しても一周波アンテナと同等のコイルの自由長を確保することができ、一周波アンテナと同等のアンテナ特性を保つことができる。
【0046】
さらに、第1コイルエレメント11Aをスペーサ100に一体成型し、第2コイルエレメント11Bを芯部110に一体成型して形成することができ、アンテナの組み立て時にコイルエレメントがずれることがないので、アンテナの電気的性能を安定させることができる。
【0047】
また、給電端子として機能する金具13を有し、金具13は第1コイルエレメント11Aのみに直接(直流的に)接続されることによって給電されると共に、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されることなく、前記容量結合によって、第1コイルエレメントを経由して給電されるので、一方のコイルエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えても、他方のコイルエレメントの特性への影響が少ないので、コイルエレメントの構成を変更することで、二つのコイルエレメントの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0048】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用によって共振するので、第2共振周波数における第2のヘリカルアンテナの電気長を長くして、両者の共振条件を近づけることができる。
【0049】
また、第1コイルエレメント11Aは一端から給電されており、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されていることから、第1コイルエレメント11Aは第1共振周波数において略4分の1波長で共振し、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数において略2分の1波長で共振するので、第1共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、双方の周波数で適切な整合をとることができ、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0050】
なお、第1の実施の形態では、第2コイルエレメント11Bのみを高い比誘電率のスペーサ100にて覆っているが、第1コイルエレメント11Aも高い比誘電率の材料で覆ってもよい。この場合、第1コイルエレメント11Aも広帯域のアンテナ特性を得ることができる。
【0051】
図2は、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの伸長時の側面図である。本実施の形態のホイップアンテナは、第1の実施の形態のヘリカルアンテナの下部に棒状アンテナを設けた伸縮式のホイップアンテナである。
【0052】
本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナは、上部にヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)を有する上部エレメント10と、上部エレメントの下部に配置される下部エレメント30とで構成されている、いわゆる2段伸縮式ホイップアンテナである。上部エレメント10と下部エレメント30とは、下部エレメント30の先端に固定されたジョイント金具31で接続され、上部エレメント10が下部エレメント30内に収納可能に構成されている。
【0053】
上部エレメント10は棒状導体15を中心に構成されており、この棒状導体15は望ましくは超弾性合金で形成すると曲げ応力に対して変形しにくいエレメントが得られる。棒状導体15は、絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ16により周囲を覆われて、導電性の金属製エレメントを構成する棒状導体15が露出しないように構成されている。
【0054】
上部エレメント10の上端には、合成樹脂製のカバー12の内部に第1コイルエレメント11A及び第2コイルエレメント11Bからなるコイルエレメント11が設けられている。この第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは同軸状に設けられている。
【0055】
カバー12の下部には、上部エレメント10より太径な金具13が設けられている。この金具13はコイルエレメント11と接続されており、アンテナ収納時に携帯無線機の筐体1に取り付けられたサポート50と接触して、コイルエレメント11に高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0056】
金具13の内側には合成樹脂製のジョイント14が設けられており、棒状導体15と金具13とを絶縁して固定している。すなわち、ジョイント14によって、コイルエレメント11Bと棒状導体15(棒状アンテナ)とが絶縁されて接続されている。
【0057】
下部エレメント30は金属製の線材を螺旋状に巻き回して中空の筒状のエレメントが構成されている。そして、上部エレメント10の下端が下部エレメント30の内壁と接触しながら、上部エレメント10が下部エレメント30内を摺動して出し入れ可能なように構成されている。このように上部エレメント10の棒状導体15と下部エレメント30とが電気的に接触することで棒状アンテナを構成している。
【0058】
下部エレメント30を構成する線材は、ホイップアンテナの伸縮方向が長径(エレメントの径方向が短径)となる小判状の断面形状をしており、線材の断面積を小さくしないでホイップアンテナの強度を確保しつつ、下部エレメント30の外径を細く内径を大きくするように構成されている。下部エレメント30の周囲は絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ33により、導電性を有する線材が露出しないように覆われている。
【0059】
下部エレメント30の上端にはジョイント金具31が固着されており、上部エレメント10の下部に取り付けられているワッシャと当接することにより、上部エレメント10の上方向への摺動を制限して、上部エレメント10が下部エレメント30から抜けて脱落しないように構成されている。
【0060】
下部エレメント30の下端には、下部エレメント30より太径の金具34が設けられており、アンテナ伸長時に筐体1に取り付けられたサポート50と金具34とが接触することによって、下部エレメント30に高周波信号を供給する給電金具として機能している。
【0061】
サポート50は携帯無線機の筐体1(筐体表面を破線で示す)に取り付けられており、携帯無線機の送受信部に電気的に接続されており、ホイップアンテナに対して給電する給電用接点として機能する。このサポート50はアンテナ伸長時には下部エレメント30の下部に位置し、金具34と接触して下部エレメント30に給電している。また、アンテナ収納時には、サポート50はコイルエレメント11の下部に位置し、金具13と接触してコイルエレメント11に給電している。
【0062】
図3は、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナ先端部のヘリカルアンテナの部分断面図である。本図の中心の一点鎖線より右側に断面を示す。
【0063】
コイルエレメント11は、第1コイルエレメント11A、第2コイルエレメント11B、合成樹脂製カバー12、金具13によって構成されている。また、コイルエレメント11は合成樹脂製ジョイント14によって、棒状アンテナ(棒状導体15によって構成されるからなる上部エレメント)と絶縁状態で接続されている。
【0064】
前述したように、第1コイルエレメント11Aは、第2コイルエレメント11Bの外側に、第2コイルエレメント11Bと同軸状に設けられている。そして、本実施の形態では、外側の第1コイルエレメント11Aの巻ピッチは、内側の第2コイルエレメント11Bより大きくなっているが、両者の巻ピッチの関係はこれに限るものではなく、第1コイルエレメント11Aの巻ピッチの方を小さくしても、両者の巻ピッチを等しくしてもよい。
【0065】
コイルエレメント11A、11Bの外側には合成樹脂製のカバー12が設けられている。また、第1のコイルエレメントと第2のコイルエレメントとの間に、第2のコイルエレメントを覆うように合成樹脂製のスペーサ100が設けられている。また、第2のコイルエレメントの内側には合成樹脂製の芯部110が設けられている。このスペーサ100は比誘電率が5になるような合成樹脂材等で構成され、カバー12及び芯部110は比誘電率が3になるような合成樹脂材で構成されている。すなわち、スペーサ100の比誘電率がカバー12又は芯部110の比誘電率と比較すると高い比誘電率の材料で構成されている。
【0066】
第1コイルエレメント11Aは、その下端が金具13に直流的に接続されている。そして、アンテナ収納時に、第1コイルエレメント11Aは金具13を介して給電されている。また、第2コイルエレメント11Bは、金具13に接続されていないが、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているので、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとは容量結合している。よって、第2コイルエレメント11Bに対しては、金具13、第1コイルエレメント11Aを介して給電がされる。
【0067】
金具13の内側には合成樹脂製のジョイント14が設けられており、ジョイント14によってコイルエレメント11Bと棒状導体15とが絶縁されて接続されている。
【0068】
ジョイント14の下方には、棒状導体15が設けられている。この棒状導体15の周囲は、絶縁性を有する合成樹脂製のチューブ16により、導電性の金属製エレメントを構成する棒状導体15が露出しないように覆われている。
【0069】
本実施の形態では、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを外側に配置するとともに、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを内側に配置したが、金具13に接続されている第1コイルエレメント11Aを内側に配置し、金具13に接続されていない第2コイルエレメント11Bを外側に配置してもよい。
【0070】
図4は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの伸長状態で第1共振周波数(fL)において共振している様子を示す。
【0071】
図4に示す状態では、アンテナは伸長状態にあるため、アンテナ下部の金具34が携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、棒状導体15と下部エレメント30とで構成される棒状アンテナの下部から給電され、棒状アンテナは第1共振周波数(fL)の約1/4波長で共振する。
【0072】
一方、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)は棒状アンテナ15、30の上部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されて設けられているので、無線部から供給された高周波電流はコイルエレメント11に流れることがなく、アンテナ伸長時にはコイルエレメント11は動作していない。
【0073】
図5は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの収納状態で第1共振周波数(fL)において共振している様子を示す。
【0074】
図5に示す状態では、アンテナは収納状態にあるため、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)下部の金具13が、携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、コイルエレメント11に給電され、コイルエレメント11のうち、外側に配置された第1コイルエレメント11Aが下端から給電され、第1共振周波数(fL)の約1/4波長で共振している。
【0075】
一方、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に設けられているが、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数(fH)で共振するように構成されているので、第1共振周波数(fL)ではインピーダンスが大きくなる。よって、第1共振周波数(fL)では、第2コイルエレメント11Bが放射導体として動作するほどの高周波電流は流れず、第2コイルエレメント11Bは動作していない。
【0076】
また、棒状アンテナ15、30はヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)の下部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されているので、無線部から供給された高周波電流は棒状アンテナ15、30に流れることがなく、アンテナ収納時には棒状アンテナ15、30は動作していない。
【0077】
図6は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの伸長状態で第2共振周波数(fH)において共振している様子を示す。
【0078】
図6に示す状態では、アンテナは伸長状態にあるため、アンテナ下部の金具34が携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、棒状導体15と下部エレメント30とで構成される棒状アンテナの下部から給電され、棒状アンテナは第2共振周波数(fH)の約1/2波長で共振する。すなわち、本発明の第2の実施の形態では、第1共振周波数(fL)と第2共振周波数(fH)とは約2倍(fH=2×fL)の関係にある。
【0079】
一方、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)は棒状アンテナ15、30の上部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されて設けられているので、無線部から供給された高周波電流はコイルエレメント11に流れることがなく、図4にて説明した、第1共振周波数(fL)における共振状態と同様に、アンテナ伸長時にはコイルエレメント11は動作していない。
【0080】
図7は、本発明の第2の実施の形態のアンテナの等価回路図であり、アンテナの収納状態で第2共振周波数(fH)において共振している様子を示す。
【0081】
図7に示す状態では、アンテナは収納状態にあるため、ヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)下部の金具13が、携帯電話機の無線部(TRX)と接続している。そして、コイルエレメント11に給電され、コイルエレメント11のうち、内側に配置された第2コイルエレメント11Bが第2共振周波数(fH)の約1/2波長で共振している。このとき、第2コイルエレメント11Bは金具13と直接接続されていないが、金具13と接続している第1コイルエレメント11A(点線で示す)と、第2コイルエレメント11Bとは容量結合しているので、金具13に供給された高周波電流は、第1コイルエレメント11Aを介して第2コイルエレメント11Bに供給され、動作している。
【0082】
また、棒状アンテナ15、30はヘリカルアンテナ(コイルエレメント11)の下部に設けられているが、ヘリカルアンテナ11と棒状アンテナ15、30とはジョイント14によって絶縁され、電気的に隔離されているので、無線部から供給された高周波電流は棒状アンテナ15、30に流れることがなく、アンテナ収納時には棒状アンテナ15、30は動作していない。
【0083】
図8は、第2の実施の形態のホイップアンテナを携帯無線機に適用した場合の整合回路の応用例を示すブロック図である。
【0084】
以上説明した第2の実施の形態のホイップアンテナでは、第1共振周波数において1/4波長で共振しており、第2共振周波数において1/2波長で共振しているので、第1共振周波数と第2共振周波数とでは、整合条件が異なる。よって、本実施の形態では、周波数毎に整合条件を変えるために、アンテナと無線部との間に、第2の共振周波数において機能する整合回路を設けている。
【0085】
すなわち、無線部と整合回路の間に設けられている切替スイッチは、第1の共振周波数では整合回路を介さないように接続され、第2の共振周波数では整合回路を介するように接続されている。よって、第2共振周波数において、第2の実施の形態に係るアンテナは、第1共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されるので、共振周波数毎に適切な整合条件でアンテナを動作させることができる。
【0086】
また、第2の実施の形態のホイップアンテナでは、アンテナ収納時に動作するコイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用において共振しているので、アンテナの構成によっては、1/2波長アンテナのインピーダンスからズレて、1/4波長アンテナのインピーダンスに近い特性を有する。
この場合は、無線部と整合回路の間に設けられている切替スイッチを、第2共振周波数の伸張時のみに整合回路を介するように切り替えて、整合回路を介して給電する。そして、それ以外の(第1共振周波数、第2共振周波数の収納時)場合は、無線部は、直接アンテナに接続される。よって、第2の共振周波数における棒状アンテナのインピーダンスが完全に整合していない場合でも、共振周波数毎に適切な整合条件でアンテナを動作させることができる。
【0087】
このように、本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナでは、少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナ(棒状導体15及び下部エレメント30)と、棒状アンテナの上方で棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナ11とを有し、棒状アンテナが筐体から引き出された状態では金具34に給電され、棒状アンテナが筐体内に収納された状態では金具13に給電されるように構成され、ヘリカルアンテナ11は、第1コイルエレメント11Aと、第1コイルエレメント11Aと異径の第2コイルエレメント11Bとで構成され、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aの内側に同軸状に、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとが容量結合する位置に配置され、第1コイルエレメント11Aの外側には第1コイルエレメント11Aを覆うカバー12が設けられ、第1コイルエレメント11Aと第2コイルエレメント11Bとの間には、カバー12に用いられている材質の比誘電率より大きな比誘電率の材質で形成されたスペーサ100が設けられているので、アンテナ装置の周辺の電気的障害物に対する影響を軽減することができ、アンテナ特性を向上させることができる。また、アンテナ装置を小型化しコイルエレメントの自由長が制約された場合にも、特性の劣化を抑えることができ、共振周波数帯域を広くすることができて、良好なアンテナ特性のアンテナを得ることができる。
【0088】
さらに、第1コイルエレメント11Aは第2コイルエレメント11Bの外側に配置されているので、アンテナ装置を小型化しても一周波アンテナと同等のコイルの自由長を確保することができ、一周波アンテナと同等のアンテナ特性を保つことができる。
【0089】
さらに、第1コイルエレメント11Aをスペーサ100に一体成型し、第2コイルエレメント11Bを芯部110に一体成型して形成することができ、アンテナの組み立て時にコイルエレメントがずれることがないので、アンテナの電気的性能を安定させることができる。
【0090】
また、給電端子として機能する金具13を有し、金具13は第1コイルエレメント11Aのみに直接(直流的に)接続されることによって給電されると共に、第2コイルエレメント11Bは金具13に直接接続されることなく、前記容量結合によって、第1コイルエレメントを経由して給電されるので、一方のコイルエレメントの構成(巻ピッチ、巻数)を変えても、他方のコイルエレメントの特性への影響が少ないので、コイルエレメントの構成を変更することで、二つのコイルエレメントの特性の調整が容易になり、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0091】
また、第2コイルエレメント11Bは第1コイルエレメント11Aとの相互作用によって共振するので、第2共振周波数における第2のヘリカルアンテナの電気長を長くして、両者の共振条件を近づけることができる。
【0092】
また、第1コイルエレメント11Aは一端から給電されており、第2コイルエレメント11Bは両端が開放されていることから、第1コイルエレメント11Aは第1共振周波数において略4分の1波長で共振し、第2コイルエレメント11Bは第2共振周波数において略2分の1波長で共振するので、第1共振周波数と第2の共振周波数とが略整数倍の関係にある場合にも、双方の周波数で適切な整合をとることができ、二つの周波数で良好に動作するアンテナ装置が得られる。
【0093】
なお、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に第2コイルエレメント11Bのみを高い比誘電率のスペーサ100にて覆っているが、第1コイルエレメント11Aも高い比誘電率の材料で覆ってもよい。この場合も第1の実施の形態と同様に、第1コイルエレメント11Aも広帯域のアンテナ特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のヘリカルアンテナの部分断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの側面図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの部分断面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの等価回路図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のホイップアンテナの応用例の周辺のブロック図である。
【図9】従来のアンテナの断面図である。
【符号の説明】
1 携帯無線機(筐体)
10 上部エレメント
11 コイルエレメント
11A 第1コイルエレメント
11B 第2コイルエレメント
12 カバー
13 金具
14 ジョイント
15 棒状導体
16 チューブ
30 下部エレメント
31 ジョイント金具
33 チューブ
34 金具
50 サポート
100 スペーサ
110 芯部
Claims (11)
- 第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置され、前記第1のヘリカル部の外側には前記第1のヘリカル部を覆うカバーが設けられたアンテナ装置において、
前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記アンテナ装置に給電する接続部を有し、
前記接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、
前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ装置。 - 前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ装置。
- 前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のアンテナ装置。
- 少なくとも一部が筐体内に収納可能な棒状アンテナと、前記棒状アンテナの上方で前記棒状アンテナと絶縁されて配置されたヘリカルアンテナとを有し、前記棒状アンテナが筐体から引き出された状態では前記棒状アンテナの下部に設けられた第1の接続部に給電され、前記棒状アンテナが筐体内に収納された状態では前記ヘリカルアンテナの下部に設けられた第2の接続部に給電されるアンテナ装置において、
前記ヘリカルアンテナは、第1のヘリカル部と、前記第1のヘリカル部と径が異なる第2のヘリカル部とで構成され、前記第1のヘリカル部が前記第2のヘリカル部の外側となるように、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが同軸状に配置されて成り、
前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部との間には、前記カバーの比誘電率より大きな比誘電率のスペーサが設けられていることを特徴とするアンテナ装置。 - 前記第2の接続部は前記第1のヘリカル部のみに接続されることによって給電されると共に、
前記第2のヘリカル部は、前記接続部に直接接続されることなく、前記第1のヘリカル部と前記第2のヘリカル部とが容量結合することによって給電されることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ装置。 - 前記第1のヘリカル部はその一端から給電され、前記第2のヘリカル部はその両端が開放されていることを特徴とする請求項5又は6に記載のアンテナ装置。
- 前記カバーの比誘電率と、前記スペーサの比誘電率との差が2以上であることを特徴とする請求項5から7のいずれか一つに記載のアンテナ装置。
- 前記棒状アンテナは、第1の共振周波数において略4分の1波長で共振することを特徴とする請求項5から8のいずれか一つに記載のアンテナ装置。
- 前記棒状アンテナは、第2の共振周波数において略2分の1波長で共振することを特徴とする請求項5から9のいずれか一つに記載のアンテナ装置。
- 前記棒状アンテナは、前記第2の共振周波数において、前記第1の共振周波数と異なる整合条件を提供する整合回路を介して給電されることを特徴とする請求項9または10に記載のアンテナ装置。
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